説明

介護用ねまき

【課題】寝たきりの病人や怪我人及び老人(特に痴呆老人)等の介護に際し、〓被介護人の汗疹や床擦れ等を予防して、より快適な状態を保つこと、〓悪戯を予防すること、〓オムツの交換や着替えが容易に行えるようにすることにより、介護をする立場の人の肉体的、経済的な負担の軽減を計る。
【解決手段】左前見頃と右前見頃を合わせて着用する袖のある介護用ねまきであって、前記左前見頃と右前見頃の間に両者を合わせた状態で一体に接合するオープンファスナーを設けるとともに、袖を手より長くし、その先端の開口部にこれを開閉するファスナーを設けたことを特徴とする介護用ねまき。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガウン型または浴衣型のねまきの左右前見頃の足首から首にかけてオ−プンファスナ−を取り付け、袖も手が隠れるところまで長くし、ファスナ−を取り付けて、寝たきりの病人や痴呆老人等の手による悪戯を防ぎ、オムツ交換や着替えが簡単に出来る介護用ねまきに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の介護用ねまきは、図3に示すように、上下つなぎ型になっていて、綿ポリエステルの丈夫な布を使用している。首13から臍14のあたりにかけて、ファスナ−15を使用している他、一方の足首19から股18を経て、他方の足首19までオ−プンファスナ−20を取り付け、それぞれ開けられるようになっている袖口16,足首19および腰回り17にはゴムひもが入っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の介護用ねまきには、次のような欠点があった。図3を参照しながら説明する。
(1)素材が綿ポリエステル使用のため、通気性が悪い。
(2)臍14から股18にかけて、ファスナ−が設けられていないため、着替えが大変である。
(3)価格が高い。
(4)袖口から手が出るので、ファスナ−15を開けたり寝具を悪戯する。
(5)腰回り17や足首19に入ったゴム紐によるギャザ−のため、腰骨のあたりや足首が赤く炎症を起こして、床擦れに進展する可能性がある。
(6)オムツ交換をする時、オ−プンファスナ−20を外し、ズボン部分を捲り上げなければ交換出来ないので、手間がかかる。
この発明は、上記(1)〜(6)の問題点を解決できる介護用ねまきを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明が提供する介護用ねまきは、次の(1)〜(4)に記載の構成を有する。
(1)素材に綿のような通気性の良いものを使用する。
(2)形態がガウン型または浴衣型のねまきを使用する。
(3)左前見頃右前見頃の間に、両者を合わせた状態で一体に接合するオ−プンファスナ−を足首から首にかけて取り付ける。
(4)袖を手より長くして、先端開口部5にファスナ−8を取り付ける。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を、実施例によって、図1及び図2を参照しながら説明する。実施例の介護用ねまきは、ガウン型になっていて、左前見頃6と右前見頃7を、オ−プンファスナ−3で開閉出来るようにしてある。オ−プンファスナ−3は、左右前見頃6・7を合わせた状態で接合できるように、足首2から首1にかけて、足首2側から開けられるように取り付けてある。筒袖4は、手が出ないように充分長くして、その開口部5にファスナ−8を取り付け、開閉出来るようにしてある。9は筒袖4の内面上部に一端を取り付けた紐で、その先端のボタン穴を筒袖4の肩寄りに取り付けたボタン10に掛止することにより、筒袖4をたくって(折返して)上げられるようになっている。尚、傷等の部位や性別によって、右前・左前を逆にするが、図1・図2はいずれも女性用である。実施例の介護用ねまきは前述のような形状構造になっているので、次の効果を奏する。
(1)綿を使用しているので、通気性が良く、吸湿性も高くて肌に優しい。
(2)足首2から首1にかけて、足首2側から開くようにオ−プンファスナ−3が取り付けてあるため、被着用者が自身で開閉をすることが難しく、オムツ等への悪戯を防止出来て安心であるばかりでなく、介護者はファスナ−3を半分開くだけでオムツの交換等が容易に出来る。
(3)勿論、オ−プンファスナ−3を使用しているので、全開も出来るため着替えも簡単に出来る。
(4)袖を長くして、開口部5をファスナ−8で閉めるようにしたので、痴呆老人等の手による様々な悪戯(例:ベッドの枠を外したり、寝具を放り投げたり)ができない。
(5)開口部5のファスナ−8を開け、袖を折返し、紐9をボタン10にとめると、手が自由になるので、被着用者自身での食事等もできる。
(6)市販のガウン型や浴衣型のねまきに市販のファスナ−を使用することにより簡単にできるので、安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の介護用ねまきの正面図
【図2】実施例の介護用ねまきの左前見頃を開いた状態を示す正面図
【図3】従来の介護用ねまきの正面図
【符号の説明】
1 首
2 足首
3 オ−プンファスナ−
4 筒袖
5 開口部
6 左前見頃
7 右前見頃
8 ファスナ−
9 紐
10 ボタン
11 紐
12 紐

【特許請求の範囲】
【請求項1】 左前見頃と右前見頃を身体の前で合わせて着用する袖のある介護用ねまきであって、前記左前見頃と右前見頃の間に、両者を合わせた状態で一体に接合するオ−プンファスナ−を設けたことを特徴とする介護用ねまき。
【請求項2】 前記袖は、手より長く、先端の開口部にこれを開閉するファスナ−を有していることを特徴とする介護用ねまき。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開平10−46412
【公開日】平成10年(1998)2月17日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−197259
【出願日】平成8年(1996)7月26日
【出願人】(396014876)