説明

仕入報奨金配賦システム、これで用いるサーバ、仕入報奨金配賦方法、及びプログラム

【課題】卸売業者が仕入先から獲得した報奨金の貢献度データを卸売業者内の営業担当者や営業部門により適切に配賦して、営業活動の成果を正しく評価する。
【解決手段】 仕入報奨金配賦システムのサーバ1は、商品の販売実績データを格納する販売実績ファイル141と、このファイル141から一定期間の商品の販売金額のみならず、その販売本数及び販売軒数の各実績値を含む実績データを卸売業者内の複数の組織、得意先、仕入先に関連付けて集計する販売実績反映処理部113と、仕入先との間で予め取り決められた一定期間における商品の販売金額、販売本数、販売軒数の各実績値に基づく報奨金算出基準に関する基準データを格納するマスタと、その基準データに基づいて、集計された実績データから組織毎の報奨金データを算出し、組織毎の報奨金データから得意先毎の報奨金データを集計して配賦する報奨計算配賦処理部114とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕入報奨金配賦システム、これで用いるサーバ、仕入報奨金配賦方法、及びプログラムに係り、特に医薬品等の卸売業者向けの仕入報奨金配賦システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品等の卸売業では、仕入先からの仕入額と得意先への販売額との差である粗利が小さく、仕入先からの報奨金が主な収入源となっている。この場合、卸売業者の獲得報奨金は、売上金額(販売額)に応じて得意先単位に按分して配賦されている。このような仕入先から卸売業者への仕入報奨金に関する計算処理は、通常はコンピュータシステムによる自動計算で行われている(以下、このような処理を行うコンピュータシステムを便宜上「仕入報奨金配賦システム」と呼ぶ)。
【0003】
なお、本発明に関連する先行技術文献としては、以下のものがある。
【特許文献1】特開2002−297988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の仕入報奨金配賦システムにあっては、新規開拓や数多くの得意先に販売する営業活動の適正な評価は、定量的に行うことが困難であった。これは、報奨金は仕入や販売の金額に単純に比例するのではなく、新規得意先の開拓や、競合他社との対抗上、特定地域の販売先の数なども算出の基準となっているためである。すなわち、営業活動の適正な評価は、営業担当者や営業部門の売上額や粗利額だけでは行えない。
【0005】
この対策として、営業活動の成果を正しく評価するため、卸売業者が仕入先から獲得した報奨金獲得の貢献度データを卸売業者(自社)内の営業担当者や営業部門に適切に配賦することが望まれている。
【0006】
特許文献1では、申込量に基づく報奨金や正味量により購入者に利益を変換する書籍取引等の商慣習に対応する申込量調整サーバであり、特に複数の購入者が共同で発注する際の発注量の調整を容易にし、効率的に報奨金や値引きを確保し、公平な分配を可能とするものが提案されているが、上記のような仕入先から卸売業者が獲得する報奨金をその卸売業者内の営業部門の評価に用いたりするものではない。
【0007】
本発明は、このような従来の事情を考慮してなされたもので、卸売業者が仕入先から獲得した報奨金の貢献度データを卸売業者内の得意先を担当する営業担当者や営業部門により適切に配賦して、営業活動の成果を正しく評価するための基礎データを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る仕入報奨金配賦システムは、卸売業者から複数の得意先への商品の一定期間の販売実績に応じて該商品の仕入先から獲得する報奨金を、前記卸売業者内の前記複数の得意先を担当する複数の組織毎に配賦する卸売業者向けの仕入報奨金配賦システムであって、前記商品の販売実績データを格納する販売実績ファイルと、前記販売実績ファイルから前記一定期間の商品の販売金額のみならず、その販売本数及び販売軒数の各実績値を含む実績データを前記複数の組織、前記得意先、及び前記仕入先に関連付けて集計する集計処理手段と、前記仕入先との間で予め取り決められた前記一定期間における前記商品の販売金額、販売本数、及び販売軒数の各実績値に基づく報奨金算出基準に関する基準データを格納するマスタファイルと、前記マスタファイル内の基準データに基づいて、前記集計手段により集計された実績データから前記複数の組織毎の報奨金データを算出し、該複数の組織毎の報奨金データから前記複数の得意先毎の報奨金データを集計して配賦する配賦処理手段と、前記報奨金データを参照可能に出力する手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明において、前記マスタファイルは、前記基準データとして、前記複数の組織毎の計画値と実績値の割合に基づく達成率評価条件、前記複数の組織毎の販売金額目標値に基づく金額評価条件、及び前記複数の組織毎の販売本数及び販売軒数の目標値に基づく実績評価条件の各評価条件に関する評価データをさらに格納し、前記配賦処理手段は、前記評価データに基づいて、前記集計手段により集計された前記実績データが前記各評価条件を満たしているか否かを前記複数の組織毎に判断し、該評価条件を満たしている組織に対して前記複数の組織毎の報奨金データを算出してもよい。
【0010】
本発明において、前記マスタファイルは、前記評価データとして、所定の救済条件に関する救済データをさらに格納し、前記配賦処理手段は、前記救済データに基づいて、前記評価条件を満たしていない組織に対して前記実績データが所定の救済条件を満たしているか否かをさらに判断し、該救済条件を満たしている組織に対して前記複数の組織毎の報奨金データを算出してもよい。
【0011】
本発明において、前記集計処理手段は、前記得意先として前記一定期間の新規得意先及び継続得意先を識別して該新規得意先及び継続得意先に関連付けて前記実績データを集計してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、卸売業者が仕入先から獲得した報奨金の貢献度データを卸売業者内の得意先を担当する複数の組織(営業担当者、営業部門等)により適切に配賦して、営業活動の成果を正しく評価するための基礎データを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明に係る仕入報奨金配賦システム、これで用いるサーバ、仕入報奨金配賦方法、及びプログラムを実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態の仕入報奨金配賦システム(「拡売システム」、「施策管理システム」等とも言う)SSを使用する商品(本実施形態では薬品等)の卸売業者P2と、その仕入先となるメーカ(本実施形態では薬品メーカ等)P1と、その得意先(本実施形態では薬局、病院等)P3との三者の関係及びその商品・報奨金の流れを模式的に示すものである。
【0015】
卸売業者P2は、エリア(地方、都道府県、市町村等)毎に割り当てられる複数の組織(営業部、支店、グループ等)P20からなり、メーカとの間の施策(所定期間に所定商品を得意先に販売するための企画又はキャンペーン)に従い、各組織P20単位でそれぞれのエリア内の得意先P3に対し、商品を販売し、その販売実績(販売金額、販売本数、販売軒数)に応じて、メーカP1から仕入報奨金を受け取るようになっている(図中の実線矢印が商品の流れ、点線矢印が報奨金の流れをそれぞれ示す)。
【0016】
仕入報奨金配賦システムSSは、図2に示すように、仕入先となるメーカP1と取り決めた報奨金算出基準と、実際の報奨金データを基に、得意先P3単位に獲得報奨金の貢献度データを作成し、検索・集計・分析を可能にするものである。この仕入報奨金配賦システムSSでは、1)メーカP1との間で取り決められた一定期間の報奨金算出基準を保持しておき、2)報奨金算出基準と実際の仕入・販売の実績データとから一定期間の報奨金を算出し、3)報奨金算出基準に基づいて、メーカP1毎の報奨金を獲得に貢献した得意先P20単位に配賦し、4)配賦結果問い合わせ用PC(パーソナルコンピュータ)画面から、得意先P3を担当する営業担当者や営業担当者の所属する各組織P20毎に集計した報奨金獲得の貢献度データを参照しながら各組織20毎に営業活動の適正な評価を行えるようになっている。
【0017】
ここで、本実施形態の仕入報奨金配賦システムSSによる報奨管理で用いる用語(「比較組織」、「評価項目」、「算定項目」)の定義について、以下に説明する。
【0018】
1)「比較組織」は、評価算定グループのことであり、「評価組織」及び「救済組織」の2つが定義される。「評価組織」は、最初の比較組織レベルであり、評価項目に応じて実績値と計画値(評価組織レベルで予め設定された対象組織の計画値)を比較し、評価項目をクリアした場合、算定項目に応じて報奨額を獲得する組織レベルである。「救済組織」は、評価組織で評価項目をクリアできず未達時の場合に救済すべき次の比較組織レベルのことであり、評価項目に応じて実績値と計画値(救済組織レベルで予め設定された対象組織の計画値)を比較し、「評価項目」をクリアした場合、「算定項目」に応じて報奨額を獲得する組織レベルである。
【0019】
2)「評価項目」は、評価組織単位に比較対象となる基準値であり、「達成率評価」、「金額評価」、及び「実績評価」の3つが定義される。「達成率評価」は、評価組織レベル毎の計画値と実績値の割合で表される達成率に基づき評価するものである。「金額評価」は、評価組織レベル毎の金額目標絶対値に基づき評価するものである。「実績評価」は、評価組織レベル毎の実績(本数、軒数)目標絶対値に基づき評価するものである。
【0020】
3)「算定項目」は、「評価項目」をクリアした組織の獲得報奨額の算出使用値であり、「報奨率算定」、「報奨単価算定」、及び「付加報奨算定」の3つが定義される。「報奨率算定」は、評価組織の実績集計結果*指定報奨率を組織で獲得するものである。「報奨単価算定」は、評価組織の実績集計結果*指定報奨単価を組織で獲得するものである。「付加報奨算定」は、付加報奨額を組織で獲得するものである。
【0021】
図3は、上記仕入報奨金配賦システムSSの全体構成図である。図3に示す仕入報奨金配賦システムSSは、卸売業者P2の社内業務処理システムに一体又は個別に組み込まれるコンピュータシステムからなり、本実施形態では、ハードウェア構成上、データベースサーバ(ファイルサーバ)機を成すサーバ1と、このサーバ1にLAN、WAN等の通信ネットワーク(本実施形態では便宜上、「LAN3」で総称する。)を介して通信可能に接続されるクライアント機を成すPC(パーソナルコンピュータ)2とを有する。
【0022】
図4は、PC2の内部構成、図5は、サーバ1の内部構成をそれぞれ示す。
【0023】
図4に示すPC2は、CPU21と、このCPU21にバスを介して接続される、ROM22、RAM23、HDD(ハードディスク駆動装置)24、液晶ディスプレイ等のディスプレイ25、キーボード/マウス26、及び通信I/F(インターフェース)27とを有している。通信I/F27は、例えばLANインターフェースからなり、LAN3を介してサーバ1との間で通信可能となっている。HDD24等の記録媒体には、CPU21により実行されるソフトウェア(OS、アプリケーションプログラム等)が実装されている。本実施形態で使用されるソフトウェアには、サーバ1で実行されるデータベース管理システム(図示しない)の動作と連携して所定の指定・設定画面等のGUI(Graphical User Interface)画面を表示したり、販売実績データ(後述参照)やサーバ1のデータベース(後述参照)の項目設定データを入力したり、サーバ1から報奨金獲得の実績データ(配賦データ)を参照したり等する機能が搭載されている。
【0024】
図5に示すサーバ1は、CPU11と、このCPU11にバスを介して接続される、ROM12、RAM13、HDD(ハードディスク駆動装置)14、液晶ディスプレイ等のディスプレイ15、キーボード/マウス16、及び通信I/F(インターフェース)17とを有している。通信I/F17は、例えばLANインターフェースからなり、LAN3を介してPC1との間で通信可能となっている。
【0025】
HDD14等の記録媒体には、サーバ1で実行されるOSやデータベース管理システム(DBMS)等のアプリケーションプログラムのほか、DBMSで管理されるデータベース140が格納されている。
【0026】
データベース140には、図5に示すように、販売実績ファイル141(後述の図16参照)、マスタ関連ファイル142、施策集計関連ファイル143、及び報奨金集計関連ファイル144が含まれる。
【0027】
マスタ関連ファイル142は、図示のように、施策マスタ1421、施策対象商品マスタ1422、施策対象組織マスタ1423、施策対象得意先マスタ1424、施策対象評価・算定マスタ1425、及び計画値マスタ1426から構成される。このマスタ関連ファイル1の各マスタの内部構成を図6に示す。
【0028】
施策マスタ1421には、図6に示すように、1レコードを構成している項目として、企画番号、企画名称、メーカコード、施策期間開始月、施策期間終了月、施策実績単位、過去実績有無、過去実績期間開始月、過去実績期間終了月、実施組織、評価組織、救済評価組織、及び配賦処理の各データが含まれる。施策対象商品マスタ1422には、図6に示すように、1レコードを構成している項目として、企画番号及び商品コードの各データが含まれる。施策対象組織マスタ1423には、図6に示すように、1レコードを構成している項目として、企画番号及び組織コードの各データが含まれる。施策対象得意先マスタ1424には、図6に示すように、1レコードを構成している項目として、企画番号及び得意先コードの各データが含まれる。施策対象評価・算定マスタ1425には、図6に示すように、1レコードを構成している項目として、企画番号、救済区分、評価達成率、評価金額、評価実績、報奨率算定、報奨金額算定、及び付加報奨金額の各データが含まれる。計画値マスタ1426には、図6に示すように、1レコードを構成している項目として、企画番号、組織コード、及び計画値の各データが含まれる。
【0029】
施策集計関連ファイル143は、図示のように、施策得意先集計ファイル1431、施策GR集計ファイル1432、及び施策支店集計ファイル1433から構成される。この施策集計関連ファイル143の各ファイルの内部構成を図7に示す。
【0030】
施策得意先集計ファイル1431には、図7に示すように、1レコードを構成している項目として、企画番号、得意先コード、社員コード、組織コード、画面番号、金額実績、本数実績、及び施策集計対象フラグの各データが含まれる。施策GR集計ファイル1432には、図7に示すように、1レコードを構成している項目として、企画番号、グループコード、金額実績、本数実績、及び軒数実績の各データが含まれる。施策支店集計ファイル1433は、図7に示すように、1レコードを構成している項目として、企画番号、支店コード、金額実績、本数実績、及び軒数実績の各データが含まれる。
【0031】
報奨金集計関連ファイル144は、図示のように、施策組織別報奨ファイル1441、施策得意先別報奨ファイル1442、及びメーカ得意先別報奨ファイル1443から構成される。この報奨金集計関連ファイル144の各ファイルの内部構成を図7に示す。
【0032】
施策組織別報奨ファイル1441には、図7に示すように、1レコードを構成している項目として、企画番号、処理枝番、組織コード、メーカコード、及び報奨金額の各データが含まれる。施策得意先別報奨ファイル1442には、図7に示すように、1レコードを構成している項目として、企画番号、処理枝番、得意先コード、メーカコード、及び報奨金額の各データが含まれる。メーカ得意先別報奨ファイル1443には、図7に示すように、1レコードを構成している項目として、メーカコード、得意先コード、及び報奨金額の各データが含まれる。
【0033】
次に、図8〜図14を参照して、上記データベース140のうち、マスタ関連ファイル142の各項目を設定するために使用されるPC2側の各種指定・設定画面について説明する。
【0034】
図8は、PC2側の各種指定・設定画面とこれにより項目設定されるサーバ1側のマスタ関連ファイル142との関係を示すものである。PC2側のディスプレイ25に表示される各種指定・設定画面には、図8に示すように、対象商品、対象期間、集計単位指定画面W1、対象組織(エリア)、対象得意先(業態)指定画面W2、報奨金獲得評価・報奨額算定基準指定画面W3及びその評価・算出項目定義画面W4、及び計画値設定画面W5が含まれる。以下、各画面W1〜W5について説明する。
【0035】
図9は、対象商品、対象期間、集計単位指定画面W1の表示例を示す。
【0036】
図9に示す指定画面W1は、例えば画面上部に配置された各種ボタンのうち「メイン」ボタンA10の押下により表示可能となっている。各種ボタンの下位側に表示されている「企画番号」A11は、施策を一意に特定するための番号(ユニークキー)である。施策に関連する施策関連マスタ(施策マスタ、施策対象商品マスタ、施策対象組織マスタ、施策対象得意先マスタ、施策対象評価・算定マスタ、計画値マスタ)、施策実績集計ファイル(施策得意先集計ファイル、施策GR集計ファイル、施策支店集計ファイル)、及び配賦データ(施策得意先別報奨ファイル、施策組織別報奨ファイル、メーカ得意先別報奨ファイル)は、全て企画番号で結合可能となっている。また、「企画名称」A12は、「企画番号」A11に対応する施策名称である。「メーカコード」A13は、施策を実施するメーカのコードである。「施策期間」A14は、施策実績集計の対象期間(「FROM」−「TO」で月単位に指定)である。「施策実績単位」A15は、施策実績集計を実施する際の集計単位(金額,本数,軒数が存在)、金額は複数の価格体系で集計可能(実勢価,仕切価,販売希望価等)である。「過去実績有無」A16は、得意先毎に過去実績期間中の実績有無を判定するものである。ここで、「新規」得意先とは、過去実績期間に得意先実績がなく施策期間にて実績が有るものを、また「継続」得意先とは、過去実績期間にも施策期間にも実績が有るものをそれぞれ指すものとする。「過去実績期間」A17は、過去実績有無判定を実施する際の過去期間を指定(「FROM」−「TO」で月単位に指定)するものである。画面下部の一覧項目中の「対象コード」A18は、施策対象となる商品の商品コードである。
【0037】
図9に示す指定画面W1にて項目設定される主なマスタ関連ファイル142は、施策マスタ1411、及び施策対象商品マスタ1422である(図8参照)。
【0038】
図10は、対象組織(エリア)、対象得意先(業態)指定画面W2の表示例を示す。
【0039】
図10に示す指定画面W2は、例えば画面上部に配置された各種ボタンのうち「組織・得意先」ボタンA20の押下により表示可能となっている。
【0040】
画面上部に配置された各種ボタンの下位側には、上記指定画面W1で指定された企画番号、企画名、メーカコード、施策名等が表示されている。さらにその下位側に表示されている「実施組織」A21は、施策対象となる組織の選択組織レベルに対応し、本実施形態では全国、地方、県、市、支店、グループ(GR)までの指定が可能となっている。「組織コード」A22は、施策対象となる組織に対応し、実施組織にて指定した組織レベルでの組織コードで指定が可能となっている。例えば、実施組織=’地方’の場合、関東、関西、中国等を設定でき、実施組織=’県’の場合、東京、神奈川、千葉、大阪、京都、広島等を設定できる。「得意先コード」A23は、施策対象となる得意先に対応し、それぞれに割り当てられた得意先コードで得意先の設定が可能となっている。
【0041】
図10に示す指定画面W2にて項目設定される主なマスタ関連ファイル142は、施策対象組織マスタ1423および施策対象得意先マスタ1424である。
【0042】
図11は、報奨金獲得評価・報奨額算定基準指定画面W3、図12はその指定画面W3上の評価・算出項目を設定するための評価・算出項目定義画面W4の表示例を示す。図11に示す指定画面W3は、例えば画面上部に配置された各種ボタンのうち「評価・算出」ボタンA30の押下により表示可能となっている。
【0043】
「評価組織」A31は、評価項目の条件と比較する組織レベルを指定(全国、地方、県、市、支店、グループ(GR))するものである。これは、救済評価組織指定が無い場合の計画値設定組織レベルとなる。
【0044】
「救済評価組織」A32は、評価組織にて評価項目の条件を達成していない場合、下位組織で評価条件の比較を実施する場合に指定するものである。これは、評価組織配下でGRまでを指定可能となっている(地方、県、市、支店、GR)。救済評価組織を指定した場合は、計画値設定は本指定組織レベルとなる。
【0045】
「配賦処理」A33は、配賦処理をシステム自動計算したか否かの確認フラグを表示するものである。
【0046】
画面下部に表示される一覧項目のうち、「救済区分」A34は、評価組織及び救済評価組織のうちいずれの評価・算出基準を指定するか、その組織レベル(全国、地方、県、市、支店、GR)を指定するものである。
【0047】
画面下部に表示される「評価項目」は、救済区分毎に実績値との比較値を設定するもので、図12に示す定義画面W4の「評価項目指定」設定領域A42を用いて設定可能となっている。
このうち、「評価達成率」A35は、実績値と目標に対する割合を%で設定するものである。「評価金額」A36は、実績値との比較を金額絶対値で設定するものである。これは施策実績単位が金額の場合に有効である。「評価実績」A37は、実績値との比較を本数・軒数絶対値で設定するものである。これは、施策実績単位が本数か軒数の場合に有効である。
【0048】
画面下部に表示される「算定項目」は、救済区分毎に評価項目条件を達成した場合に獲得可能な報奨算定値を設定するものである。図12に示す定義画面W4の「算定項目指定」設定領域A43を用いて設定可能となっている。このうち、「報奨率算定」A38は、実績値に対する報奨率を%で設定するものである。例えば、実績値が「100万」、報奨率算定が「10%」であれば、10万を評価達成組織で獲得する。これは、施策実績単位が金額の場合に有効である。「報奨金額算定」は、実績値に対する報奨単価を設定するものである。例えば、実績値が「100本(軒)」、報奨金額算定が「1万円」であれば、100万を評価達成組織で獲得する。これは、施策実績単位が本数か軒数の場合に有効である。「付加報奨金額」は、実績値に関係なく一律獲得報奨金を設定するものである。
【0049】
図11に示す指定画面W3及び図12に示す定義画面W4にて項目設定される主なマスタ関連ファイル142は、施策マスタ1421及び施策対象評価・算定マスタ1425である。
【0050】
図13は、計画値設定画面W5の表示例を示す。
【0051】
図13に示す指定画面W2は、例えば画面上部に配置された各種ボタンのうち「計画」ボタンA50の押下により表示可能となっている。
【0052】
画面上部に配置された各種ボタンの下位側に表示される「組織コード」A51は、上記指定画面W3の評価達成率や報奨金算出時に使用するもので、実施組織、(実施)組織コード、評価組織、救済組織から必要な組織コードを設定可能となっている。例えば、実施組織=地方、実施組織コード=中国、四国、九州、評価組織=全国、救済組織=県等、設定を実施した場合、計画値は、各県毎に設定(16レコード分設定)できる。即ち、中国地区5県(鳥取、島根、岡山、広島、山口)、四国地区4県(徳島、香川、愛媛、高知)、九州地区7県(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島)である。
【0053】
また、画面下部に配置される項目のうち、「金額」A52は、施策実績単位が金額の場合に組織毎の目標金額値を設定するものである。「本数」A53は、施策実績単位が本数の場合に組織毎の目標本数値を設定するものである。「軒数」A54は、施策実績単位が軒数の場合に組織毎の目標軒数値を設定するものである。
【0054】
図13に示す設定画面W5にて項目設定される主なマスタ関連ファイル142は、計画値マスタ1426である。
【0055】
図14は、本実施形態の仕入報奨金配賦システムSSにおいて、上記各画面W1〜W6を用いてマスタ関連ファイル142の各項目(マスタ内容)を設定する場合の処理フローチャートを示す。図14において、オペレータは、キーボード/マウスを操作してPC2側のディスプレイ25の画面上に上記各画面W1〜W6のうち、所定の指定・設定画面を表示させ(ステップSt1)、この画面に従いデータ入力・選択を行い(ステップSt2)、入力・選択されたデータに基づいて、サーバ1側のHDD14に格納されるデータベース140のマスタ関連ファイル142のうち、所定のマスタの設定項目データ(前述参照)を設定する(ステップSt3)。
【0056】
図15は、図14に示す処理にてマスタ内容が設定されたマスタ関連ファイル142と、PC2側から入力される実際の販売実績データとを用いて、サーバ1側で実行される報奨金獲得処理を概念的に説明するものである。
【0057】
サーバ1は、機能上の各処理部として、図15に示すように、マスタ設定処理部111、販売実績データ入力処理部112、販売実績反映処理部113、報奨計算配賦処理部114、報奨金集約処理部115、及び報奨金獲得貢献度データ参照処理部116を有している。これら各処理部111〜116は、図5に示すCPU11が制御プログラムを実行することで、それぞれの機能が達成されるものであり、CPU11により実行される制御プログラムの各処理ステップに対応するものである。ここで、販売実績反映処理部113が本発明の集計処理手段及びこれに対応する処理ステップの要部を、また報奨計算配賦処理部114及び報奨金集約処理部115が本発明の配賦処理手段及びこれに対応する処理ステップの要部をそれぞれ構成している。
【0058】
マスタ設定処理部111は、上記の各画面W1〜W6を通してPC2側にて入力される各種の項目設定データに基づき対応するマスタ関連ファイル142のデータ(項目)を設定するものである。
【0059】
販売実績データ入力処理部112は、PC2側にて入力される販売実績データ(伝票番号、伝票明細、伝票日付、得意先コード、組織コード、商品コード、数量、及び売上額)をデータベース140の販売実績ファイル141に入力して格納するものである。
【0060】
販売実績反映処理部113は、販売実績ファイル141に格納された販売実績データを、マスタ関連ファイル142のうち施策情報実績関連マスタ(施策マスタ1421、施策対象商品マスタ1422、施策対象組織(エリア)マスタ1423、施策対象得意先マスタ1424)に設定されている内容に基づいて、施策(企画番号)毎に得意先(得意先コード)、組織(組織コード)、グループ(グループコード)、支店(支店コード)等に応じた金額実績、本数実績、軒数実績を集計して、施策集計ファイル(施策得意先ファイル1431、施策グループ集計ファイル1432、及び施策支店集計ファイル1433)に反映させるものである。
【0061】
報奨計算配賦処理部114は、施策集計ファイル(施策得意先ファイル1431、施策グループ集計ファイル1432、施策支店集計ファイル1433)の各データから、マスタ関連ファイル142のうち施策情報報奨金関連マスタ(施策マスタ1421、施策対象評価・算定マスタ1425、計画値マスタ1426)に設定されている評価内容を基準として、施策(企画番号)及び組織(組織コード)毎の獲得報奨額データを算出して報奨金集計関連ファイル144の施策組織別報奨ファイル1441を作成すると共に、施策及び組織毎に算出された報奨金データを施策(企画番号)及び得意先(得意先コード)単位に配賦して報奨金集計関連ファイル144の施策得意先別報奨ファイル1442を作成するものである。
【0062】
報奨金集約処理部115は、施策及び得意先別に配賦された報奨額をメーカ(メーカコード)及び得意先(得意先コード)別の報奨額に集約し報奨金集計関連ファイル144のメーカ得意先別報奨ファイル1443を作成するものである。この場合、同一施策(同一企画番号)にてデータ修正が発生した場合、その修正箇所を視認可能な色分けデータ(例:赤黒データ)も同時に発生可能となっている。
【0063】
報奨金獲得貢献度データ参照処理部116は、PC2側からの参照指示に応じてPC側2に上記のように作成された獲得報奨金の貢献度データ(配賦データ)、即ち報奨金集計関連ファイル144(施策組織別ファイル1441、施策得意先別報奨ファイル1442、メーカ得意先別ファイル1443)の各ファイルデータを供給するものである。これにより、PC側2では、そのファイル144の内容をディスプレイ25の画面上に表示させたり、或いは印刷出力させたりして、容易に確認することが可能となる。
【0064】
ここで、販売実績反映処理部113、報奨計算配賦処理部114、報奨金集約処理部115による具体的な処理例を順次説明する。
(販売実績反映処理)
まず、図16及び図17を参照して、販売実績反映処理部113による販売実績反映処理の具体例について説明する。
【0065】
図16は、販売実績ファイル141の内部構成を示し、図17は販売実績反映処理部113の処理フローの詳細を説明するものである。
【0066】
販売実績反映処理部113は、図17に示すように、販売実績反映処理113−1及び施策判定処理113−2を実施する。以下、両処理113−1及び113−2について説明する。
【0067】
まず、販売実績反映処理113−1では、販売実績データ入力処理部112で発生したデータを読み込み、施策集計対象のデータであれば、施策得意先集計ファイル1431、及び施策判定ワークファイル145へデータ出力する。施策判定ワークファイル145には、図17に示すように、1レコードを構成する項目として、企画番号、得意先コード、社員コード、組織コード、及び画面番号の各データが含まれる。
【0068】
販売実績反映処理113−1の具体的な処理ステップは、以下のとおりである。
【0069】
ステップA1)まず、販売実績ファイル141からデータを取り込む。この販売実績ファイル141には、1レコードを構成している項目として、図16に示すように、伝票番号、伝票明細、伝票日付、得意先コード、組織コード、商品コード、数量、及び売上額の各データが含まれている。
【0070】
ステップA2)次いで、動作施策をチェックする。この処理では、販売実績ファイル141中の伝票日付のデータと施策マスタ1421中の施策期間開始月及び施策期間終了月のデータとを参照して、伝票日付が施策期間開始月〜施策期間終了月内に含まれるか否かを判断し、含まれる場合は、施策期間開始月及び施策期間終了月のデータに対応する企画番号のデータを施策マスタ1421から取得する。同様に、販売実績ファイル141の伝票日付のデータと施策マスタ1421の過去実績期間開始月及び過去実績期間終了月のデータとを参照して、伝票日付が過去実績期間開始月〜過去実績期間終了月内に含まれるか否かを判断し、含まれる場合は、過去実績期間開始月及び過去実績期間終了月のデータに対応する企画番号のデータも新規・継続判断用として施策マスタ1421から取得する。
【0071】
また、上記ステップA2)の条件にて施策期間開始月〜施策期間終了月のデータに対応する企画番号のデータを取得した場合は、施策得意先集計ファイル1431中の画面番号='1'を設定し、上記ステップA2)の条件にて過去実績期間開始月〜過去実績期間終了月のデータに対応する企画番号のデータを取得した場合は、施策得意先集計ファイル1431中の画面番号='2'を設定する。
【0072】
ステップA3)次いで、対象商品をチェックする。この処理では、上記ステップA2)の処理にて取得した企画番号のデータと、販売実績ファイル141中の商品コードのデータとを用いて、対象とする企画番号及び商品コードに対応する施策対象商品マスタ1422のデータ(企画番号及び商品コード)が存在するか否かを検索し、この検索結果に基づいて該当商品の対象施策をチェックする。
【0073】
ステップA4)次いで、対象組織をチェックする。この処理では、上記ステップA3)の処理にて取得した企画番号のデータと、販売実績ファイル141中の組織コードのデータとを用いて、対象とする企画番号及び組織コードに対応する施策対象組織(エリア)M1423のデータ(企画番号及び組織コード)が存在するか否かを検索し、この検索結果に基づき該当組織の対象施策をチェックする。
【0074】
ステップA5)次いで、対象得意先をチェックする。この処理では、上記ステップA4)の処理にて取得した企画番号のデータと、販売実績ファイル141中の得意先コードのデータとを用いて、対象とする企画番号及び得意先コードに対応する施策対象得意先マスタ1424のデータ(企画番号及び得意先コード)が存在するか否かを検索し、この検索結果に基づき該当得意先の対象施策をチェックする。
【0075】
ステップA6)次いで、施策得意先集計ファイル1431を編集する。この処理では、上記ステップA2)〜A5)の条件の全てに該当する販売実績ファイル141のデータを施策得意先集計ファイル1431へ追加又は修正する。即ち、該当する企画番号+得意先コード+画面番号の各データを参照して、これらデータに対応する施策得意先集計ファイル1431のデータを検索し、検索データが存在しない場合は販売実績ファイル141のデータを施策得意先集計ファイル1431の新規データとして追加し、検索データが存在する場合は販売実績ファイル141のデータを施策得意先集計ファイル1431の更新データとして更新(金額、本数加算)する処理を実施する。
【0076】
また、施策マスタ1421の過去実績有無='1'(有)の場合は、施策判定ワークファイル145に企画番号、得意先コード、社員コード、組織コード、及び画面番号を設定し、判定の必要がある旨のデータを出力する。
【0077】
次に、施策判定処理113−2では、施策判定ワークファイル145に出力されているデータについて新規又は継続のデータ判断を実施し、施策対象得意先集計ファイル1431から施策GR集計ファイル1432及び施策支店集計ファイル1433へ集約したデータを作成する。
【0078】
施策判定処理113−2の具体的な処理ステップは、次のとおりである。
【0079】
ステップB1)まず、施策判定ワークファイル145からデータを取り込む。
【0080】
ステップB2)次いで、施策得意先集計を判定する。この処理では、上記ステップB1)の処理にて取得したデータにおける企画番号を用いて、これに対応する施策マスタ1421のデータを検索し、これに基づいて過去実績有無を判断する。
【0081】
その結果、過去実績有の場合は、上記ステップB1)の処理にて取得したデータの企画番号及び得意先コードのデータを参照して、これに対応する施策得意先集計ファイル1431を検索する。その結果、対象とする企画番号及び得意先コードに対応する施策得意先集計ファイル1431のデータにおいて、画面番号='1'及び'2'が共に存在する場合は、継続得意先として施策得意先集計ファイル1431中の施策集計対象フラグに'1'を設定し、画面番号='1'のみ存在する場合は、新規得意先として施策得意先集計ファイル1431中の施策集計対象フラグに'2'を設定する。
【0082】
また、過去実績無の場合は、上記ステップB1)の処理にて取得したデータの企画番号及び得意先コードのデータを参照して、これに対応する施策得意先集計ファイル1431のデータが存在するか否かを検索し、その結果、データが存在する場合は、新規得意先として施策得意先集計ファイル1431中の施策集計対象フラグに'1'を設定する。
【0083】
上記のように設定された施策集計対象フラグの値'1'又は'2'に基づき、新規得意先又は継続得意先を判定することができるので、これにより後述の施策得意先集計ファイル1431のデータを用いた処理時に新規得意先か継続得意先かを区別して集計等の処理を行うことが可能となる。
【0084】
ステップB3)次いで、施策グループを集計する。この処理では、施策得意先集計ファイル1431の企画番号及び組織コードをキーにグループ毎にグルーピングし、施策GR集計F1432を作成する。
【0085】
ステップB4)次いで、施策支店を集計する。この処理では、上記ステップB3)の処理で作成した施策GR集計F1432から企画番号及び組織コードのデータをキーに支店毎にグルーピングし、施策支店集計ファイル1431を作成する。
(報奨計算配賦処理)
次に、報奨計算配賦処理部114による報奨計算配賦処理の具体例を説明する。
【0086】
報奨計算配賦処理部114は、施策種類(企画番号)によって処理を分岐させ、施策対象評価・算定マスタ1425の各項目内容により処理パターンを分岐させて評価算定グループ単位での報奨金(アロワンス)獲得額を取得する。その結果、同一評価算定グループ内で異なる達成率及び出来高が混在した場合は、以下の手順で評価・算定処理を実施する。
【0087】
即ち、報奨計算配賦処理部114は、施策対象評価・算定マスタ1425から評価算定グループ毎の評価データ(評価条件:達成率評価、金額評価、実績評価)を取得してその評価条件に該当した場合、対象とする評価算定グループで1回のみ報奨金取得処理を実施する。ここで評価条件に該当した場合は、次評価算定グループのデータを使用する。評価条件に該当しなかった場合は、救済区分の条件(達成率救済、出来高救済等)でチェックを実施する。具体的には、以下の処理を行う。
【0088】
ステップC1)まず、施策マスタ1421を基に評価組織で集計し、評価条件を確認し、評価条件を満たしている達成組織における報奨金算定(該当施策の実績集計単位毎に算定実施)、達成組織配下のグループにおける報奨金算定(該当施策の実績集計単位毎に算定実施)、及び達成組織配下の得意先における報奨金算定(該当施策の実績集計単位毎に算定実施)をそれぞれ行う(通常達成の各項目確認)。
【0089】
ステップC2)次いで、各組織にて評価条件を達成していなければ、該当組織配下の組織は、次の救済区分の条件でチェックを実施し、施策マスタ1421に基づき、救済評価組織レベルまで救済処理を実施する。この場合も、評価条件を確認し、救済区分の条件を満たしている達成組織における報奨金算定(該当施策の実績集計単位毎に算定実施)、達成組織配下のグループにおける報奨金算定(該当施策の実績集計単位毎に算定実施)、達成組織配下の得意先における報奨金算定(該当施策の実績集計単位毎に算定実施)をそれぞれ行う(救済達成の各項目確認)。
【0090】
ステップC3)最後に、救済でも評価条件の該当とならなかった組織に関しては、出来高の評価条件を確認する(出来高での確認)。
【0091】
ここで、上記ステップC1)〜C3)に関し、より具体的な評価処理の手順を説明する。
【0092】
ここでは、達成率救済が100%及び90%、組織救済が有り、出来高救済が有りで、マスタ(M)内容として、施策M:評価組織=4(部)、施策M:救済評価組織=6(グループ)、組織形態として、1つの部(A営業部:11AA00000)、3つの支店(A−1支店:11AA01000、A−2支店:11AA02000、A−3支店:11AA03000)、7つのグループ(A−1−1GR:11AA01010、A−1−2GR:11AA02020、A−1−3GR:11AA03030、A−2−1GR:11AA02010、A−2−2GR:11AA02020、A−3−1GR:11AA03010、A−3−2GR:11AA03020)が存在している場合を想定して説明する。
【0093】
ステップD1)まず、A営業部で達成率が100%の条件を満たしているか否かを確認する。その結果、達成率100%の条件を満たしている場合は、報奨金集計関連ファイル144の該当レコードの報奨金を取得し、次の評価算定グループの存在をチェックする。
【0094】
ステップD2)上記ステップD1)の処理にてA営業部で達成率100%の条件を満たしていない場合は、A営業部で達成率80%の条件を満たしているか否かをチェックする。達成率80%の条件を満たしている場合は、報奨金集計関連ファイル144の該当レコードの報奨金を取得し、次の評価算定グループの存在をチェックする。
【0095】
ステップD3)上記ステップD2)の処理にてA営業部で達成率80%の条件を満たしていない場合は、A営業部配下のA−n支店で達成率100%の条件を満たしているか否かを確認する(中間組織救済評価)。その結果、A−n支店データが存在し、かつ、A−n支店で達成率100%の条件を満たしている場合は、報奨金集計関連ファイル144の該当レコードの報奨金を取得し、同ステップD3)の処理にて次の支店(A−(n+1)支店)の達成率をチェックする。また、A−n支店データが存在しない場合は、次の評価算定グループの存在をチェックする。
【0096】
ステップD4)上記ステップD3)の処理にてA−n支店で達成率100%の条件を満たしていない場合は、A−n支店で達成率80%の条件を満たしているか否かをチェックする(中間組織救済評価)。その結果、達成率80%の条件を満たしている場合は、報奨金集計関連ファイル144の該当レコードの報奨金を取得し、上記3)の処理に戻って次の支店(A−(n+1)支店)の達成率をチェックする。
【0097】
ステップD5)上記ステップD4)の処理にてA−n支店で達成率80%の条件を満たしていない場合は、A−n支店配下のA−n−mグループで達成率100%の条件を満たしているか否かを確認する。その結果、A−n支店データが存在し、かつ、A−n−mグループで達成率100%の条件を満たしている場合は、報奨金集計関連ファイル144の該当レコードの報奨金を取得し、同ステップD5)の処理にて次のグループ(A−n−(m+1)グループ)の達成率をチェックする。また、A−n支店データが存在しない場合は、次の支店(A−(n+1)支店)の達成率をチェックする。
【0098】
ステップD6)上記ステップD5)の処理にてA−n−mグループで達成率100%の条件を満たしていない場合は、A−n−mグループで達成率80%の条件を満たしているか否かを確認する。その結果、達成率80%の条件を満たしている場合は、報奨金集計関連ファイル144の該当レコードの報奨金を取得し、上記ステップD5)の処理に戻って次のグループ(A−n−(m+1)グループ)の達成率をチェックする。
【0099】
ステップD7)上記ステップD6)の処理にてA−n−mグループで達成率80%の条件を満たしていない場合は、A−n−mグループの出来高をチェックし、出来高値を計算し、上記ステップD5)の処理に戻って次のグループ(A−n−(m+1)グループ)の達成率をチェックする。
【0100】
次に、上記評価処理後の算定処理の具体例を説明する。
【0101】
ここでは、達成率救済が100%及び90%、組織救済が有り、出来高救済が有り、マスタ(M)内容として、施策M:評価組織=4(部)、施策M:救済評価組織=6(グループ)、施策対象評価・算定M:報奨率算定企画番号枝番=01、施策対象評価・算定M:報奨率算定品目グループ=01、施策対象評価・算定M:報奨率算定集約コード=1、施策対象評価・算定M:報奨率=3、施策対象評価・算定M:報奨金額算定企画番号枝番=02、施策対象評価・算定M:報奨金額算定品目グループ=01、施策対象評価・算定M:報奨金額算定集約コード=1、施策対象評価・算定M:報奨単価=100、施策対象評価・算定M:付加報奨金額=1,000,000、組織形態として、1つの部(A営業部:11AA00000)、2つの支店(A−1支店:11AA01000、A−2支店:11AA02000)、5つのグループ(A−1−1GR:11AA01010、A−1−2GR:11AA02020、A−1−3GR:11AA03030、A−2−1GR:11AA02010、A−2−2GR:11AA02020)が存在している場合を想定して説明する。
【0102】
ここでは、上記評価処理の結果、1つの部(A営業部)では評価条件を達成しておらず、支店救済によりA−1支店が評価条件を達成していた場合を説明する。
【0103】
ステップE1)まず、達成している支店の報奨金(アロワンス)獲得額を算出する。
【0104】
この算出に際し、施策対象評価・算定マスタ1425に報奨率指定が設定されている場合、これに従い、該当支店で算定指定の企画番号、品目グループ(以下、品目GR)、及び集約コード(集約CD)を指定して施策支店集計ファイル1433を検索し、取得した金額実績値に報奨金を乗算した値を施策組織別報奨ファイル1441(組織別獲得金額集計ファイル)へ出力する。
【0105】
また、施策対象評価・算定マスタ1425に報奨単価指定が設定されている場合、これに従い、該当支店で算定指定の企画番号、品目GR、及び集約CDを指定して施策支店集計ファイル1433を検索し、取得した本数実績値及び軒数実績値にそれぞれ報奨単価を乗算した値を施策組織別報奨ファイル1441(組織別獲得金額集計ファイル)へ出力する。
【0106】
さらに、施策対象評価・算定マスタ1425に付加報奨指定が設定されている場合、これに従い、評価条件があれば条件をクリアした組織で企画番号、品目GR、集約CDをキーにして施策支店集計ファイル1433を検索し、該当する支店の獲得額を算出し後、施策組織別報奨ファイル1441(施策組織別集計ファイル)へ出力する。
【0107】
ステップE2)次いで、達成している支店配下の各グループの報奨金(アロワンス)獲得額を算出する。
【0108】
この算出に際し、施策対象評価・算定マスタ1425に報奨率指定が設定されている場合、これに従い、該当支店配下のグループで算定指定の企画番号、品目GR、及び集約CDを指定して施策グループ集計ファイル1432を検索し、取得した金額実績値に報奨金を乗算した値を施策組織別報奨ファイル1441(グループ別獲得金額集計ファイル)へ出力する。
【0109】
また、施策対象評価・算定マスタ1425に報奨単価指定が設定されている場合、これに従い、該当支店配下のグループで算定指定の企画番号、品目GR、及び集約CDを指定して施策グループ集計ファイル1432を検索し、取得した本数実績値及び軒数実績値にそれぞれ報奨単価を乗算した値を施策組織別報奨ファイル1441(グループ別獲得金額集計ファイル)へ出力する。
【0110】
さらに、施策対象評価・算定マスタ1425に付加報奨指定が設定されている場合、これに従い、評価条件があれば条件をクリアした組織で企画番号、品目GR、及び集約CDをキーに施策グループ集計ファイル1432を検索し、該当するグループの獲得額を算出し、施策組織別報奨ファイル1441(グループ別獲得金額集計ファイル)へ出力する。
【0111】
ステップE3)次いで、達成している支店配下の各得意先の報奨金(アロワンス)獲得額を算出する。
【0112】
この算出に際し、施策対象評価・算定マスタ1425に報奨率指定が設定されている場合、これに従い、該当支店配下の得意先で算定指定の企画番号、品目GR、及び集約CDを指定して施策得意先集計ファイル1431を検索し、取得した金額実績値に報奨金を乗算した値を施策得意先別報奨ファイル1442(CO集計ワークファイル)へ集計出力する。
【0113】
また、施策対象評価・算定マスタ1425に報奨単価指定が設定されている場合、該当支店配下の得意先で算定指定の企画番号、品目GR、及び集約CDを指定して施策得意先集計ファイル1431を検索し、取得した本数実績値及び軒数実績値に報奨単価を乗算した値を施策得意先別報奨ファイル1442(CO集計ワークファイル)へ集計出力する。
【0114】
さらに、施策対象評価・算定マスタ1425に付加報奨指定が設定されている場合、これに従い、評価条件があれば条件をクリアした組織で企画番号、品目GR、及び集約CDをキーにして施策グループ集計ファイル1432を検索し、該当するグループの獲得額を算出後に該当グループ配下の得意先に対して施策得意先実績ファイルで得意先毎の実績比率を算出し、グループ全体のアロワンス獲得額より比率で案分した値を施策得意先別報奨ファイル1442(CO集計ワークファイル)へ集計出力する。
(報奨金集約処理)
次に、報奨金集約処理部115による報奨金集約処理の具体例を説明する。
【0115】
図18は、報奨金集約処理部115の処理フローの詳細を説明するものである。
【0116】
報奨金集約処理部115は、図18に示すように、施策得意先報奨差分集計処理115−1及び報奨金メーカ集計処理115−2を実施する。以下、両処理115−1及び115−2について説明する。
【0117】
まず、施策得意先報奨差分集計処理115−1では、上記のように集計処理された施策得意先別報奨ファイル1443のデータからメーカ得意先別報奨F1443のデータへ集約すべき施策得意先情報を抽出し、前回と同一の施策得意先の報奨額が発生している場合は差額を、そうでない場合は今回の報奨額を施策得意先別報奨集計WKF(ワークファイル)147へ出力する。この施策得意先別報奨集計WKF147には、図18に示すように、企画番号、得意先コード、社員コード、組織コード、及び画面番号の各データが含まれる。
【0118】
施策得意先報奨差分集計処理115−1の具体的な処理ステップは、次のとおりである。
【0119】
ステップF1)まず、パラメータマスタ(M)146から報奨金処理対象データとなる処理枝番の値(本例では、「数値1」)を取得する。パラメータマスタ146には、図18に示すように、予めキー及び数値1(処理枝番)が互いに関連付けて設定されている。
【0120】
ステップF2)次いで、上記ステップF1)の処理で取得した数値1を処理枝番に持つ施策得意先別報奨ファイル1443のデータを取得する。ここで、該当施策(企画番号)で処理枝番が上記F1)の数値1より小さいデータが存在すれば、前回分と今回分との報奨額を取得し、前回報奨額(数値1より小さい処理枝番データ)と今回報奨額(数値1と同一の処理枝番データ)の差を求め、施策得意先別報奨集計WKF147へ施策(企画番号)、得意先、メーカ毎に出力する。この処理は、同一処理枝番+同一処理枝番の施策(企画番号)で上記ステップF1)の処理で取得した数値1より小さい施策得意先別報奨ファイル1443を全て処理すると終了する。
【0121】
次に、報奨金メーカ集計処理115−2では、施策得意先別報奨集計WKF147からメーカ毎にデータを集約し、メーカ得意先別報奨ファイル1443へデータを出力する。
【0122】
報奨金メーカ集計処理115−2の具体的な処理ステップは、以下のとおりである。
【0123】
ステップG1)まず、施策得意先別報奨集計WKF147中のデータをメーカコード及び得意先コードを用いてグルーピング合計し、報奨金額の合計値を取得する。
【0124】
ステップG2)次いで、上記ステップG1)で取得したデータに今回処理枝番を付加し、メーカ得意先別報奨ファイル1443へ出力する。
【0125】
従って、本実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
【0126】
1)施策実績集計単位として、「金額」のみではなく、「本数」及び「軒数」での実績集計が可能となる。また、特定期間での新規得意先の集計や継続得意先の集計も可能となる。
【0127】
2)報奨獲得集計単位として、「報奨率:実績に対する比率」、「本数:軒数単価」、及び「一律報奨額」の集計が可能となる。実績集計単位にあった報奨額の集計はもちろんのこと、実績値に関係しない一定報奨の指定も可能となる。
【0128】
3)獲得報奨額の配賦は、得意先+メーカの合計値まで管理できる。本仕入報奨金配賦システムでは、得意先+施策まで管理できる。配賦データは、利益獲得額の大きいメーカ、会社貢献度の高い組織や社員の判断として利用できる。
【0129】
4)獲得報奨金の該当組織から得意先までの配賦方式として、売上按分のみの配賦方式でなく、実績及び報奨集計単位に沿った按分を実施できる。このように実績値に対応した、より正確な按分方式を実施することで、正当な評価データとして信頼性アップを図ることができる。
【0130】
5)評価単位として、「達成率評価」、「金額絶対値評価」、及び「本数絶対値評価」での評価が可能となる。
【0131】
なお、上記実施形態では、仕入報奨金配賦システムはネットワーク接続された複数台のPC及び1台のサーバを有するネットワークシステムで構成した場合を説明しているが、PC及びサーバの台数はこれに限らず、例えば複数台のサーバで構成してもよい。また、ネットワークシステムに限らず、スタンドアロン型のコンピュータマシンで構成することも可能である。その他、本発明の範囲内で様々な変形実施が可能であり、これら変形実施例も本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、医薬品の卸売業者のほか、これと同様の商慣習で商品の仕入先から仕入報奨金を獲得する他の卸売業者向けの仕入報奨金配賦システム、これを用いたサーバ、仕入報奨金配賦方法、及びプログラムにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の実施形態に係る仕入報奨金配賦システムを用いる卸売業者、仕入先、及び得意先の関係を模式的に説明する概念図である。
【図2】本発明の実施形態に係る仕入報奨金配賦システムの概要を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態に係る仕入報奨金配賦システムの全体構成を説明する概略図である。
【図4】図3に示すPCの内部構成を示す概略ブロック図である。
【図5】図3に示すサーバの内部構成を示す概略ブロック図である。
【図6】図5に示すマスタ関連ファイルの内部構成を示す図である。
【図7】図5に示す施策集計関連ファイル及び報奨金集計関連ファイル(配賦データ)の内部構成を示す図である。
【図8】PC画面とマスタ関連ファイルとの関係を説明する図である。
【図9】図8に示す対象商品、対象期間、集計単位指定画面の表示例を説明する図である。
【図10】図8に示す対象組織(エリア)、対象得意先(業態)指定画面の表示例を説明する図である。
【図11】図8に示す報奨金獲得評価・報奨額算定基準指定画面の表示例を説明する図である。
【図12】図11中の評価・算出項目を設定する評価・算出項目定義画面の表示例を説明する図である。
【図13】図8に示す計画値設定画面の表示例を説明する図である。
【図14】マスタ関連ファイルのマスタ内容を設定するための処理フローチャートである。
【図15】サーバによる報奨金獲得処理の流れを説明する概念図である。
【図16】販売実績ファイルの内部構成を示す図である。
【図17】図15に示す販売実績処理部の詳細を説明する図である。
【図18】図15に示す報奨金集約処理部の詳細を説明する図である。
【符号の説明】
【0134】
1 サーバ
2 PC
111 マスタ設定処理部
112 販売実績データ入力処理部
113 販売実績反映処理部
114 報奨計算配賦処理部
115 報奨金集約処理部
116 報奨金獲得貢献度データ参照処理部
141 販売実績ファイル
142 マスタ関連ファイル
143 施策集計関連ファイル
144 報奨金集計関連ファイル(配賦データ)
145 施策判定ワークファイル
146 パラメータマスタ
147 施策得意先別報奨集計ワークファイル
1421 施策マスタ
1422 施策対象商品マスタ
1423 施策対象組織(エリア)マスタ
1424 施策対象得意先マスタ
1425 施策対象評価・算定マスタ
1426 計画値マスタ
1431 施策得意先集計ファイル
1432 施策グループ集計ファイル
1433 施策支店集計ファイル
1441 施策組織別報奨ファイル
1442 施策得意先別報奨ファイル
1443 メーカ得意先別報奨ファイル
SS 仕入報奨金配賦システム
W1 対象商品、対象期間、集計単位指定画面
W2 対象組織(エリア)、対象得意先(業態)指定画面
W3 報奨金獲得評価・報奨額算定基準指定画面
W4 評価・算出項目定義画面
W5 計画値設定画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
卸売業者から複数の得意先への商品の一定期間の販売実績に応じて該商品の仕入先から獲得する報奨金を、前記卸売業者内の前記複数の得意先を担当する複数の組織毎に配賦する卸売業者向けの仕入報奨金配賦システムであって、
前記商品の販売実績データを格納する販売実績ファイルと、
前記販売実績ファイルから前記一定期間の商品の販売金額のみならず、その販売本数及び販売軒数の各実績値を含む実績データを前記複数の組織、前記得意先、及び前記仕入先に関連付けて集計する集計処理手段と、
前記仕入先との間で予め取り決められた前記一定期間における前記商品の販売金額、販売本数、及び販売軒数の各実績値に基づく報奨金算出基準に関する基準データを格納するマスタファイルと、
前記マスタファイル内の基準データに基づいて、前記集計手段により集計された実績データから前記複数の組織毎の報奨金データを算出し、該複数の組織毎の報奨金データから前記複数の得意先毎の報奨金データを集計して配賦する配賦処理手段と、
前記報奨金データを参照可能に出力する手段とを備えたことを特徴とする仕入報奨金配賦システム。
【請求項2】
前記マスタファイルは、前記基準データとして、前記複数の組織毎の計画値と実績値の割合に基づく達成率評価条件、前記複数の組織毎の販売金額目標値に基づく金額評価条件、及び前記複数の組織毎の販売本数及び販売軒数の目標値に基づく実績評価条件の各評価条件に関する評価データをさらに格納し、
前記配賦処理手段は、前記評価データに基づいて、前記集計手段により集計された前記実績データが前記各評価条件を満たしているか否かを前記複数の組織毎に判断し、該評価条件を満たしている組織に対して前記複数の組織毎の報奨金データを算出することを特徴とする請求項1記載の仕入報奨金配賦システム。
【請求項3】
前記マスタファイルは、前記評価データとして、所定の救済条件に関する救済データをさらに格納し、
前記配賦処理手段は、前記救済データに基づいて、前記評価条件を満たしていない組織に対して前記実績データが所定の救済条件を満たしているか否かをさらに判断し、該救済条件を満たしている組織に対して前記複数の組織毎の報奨金データを算出することを特徴とする請求項2記載の仕入報奨金配賦システム。
【請求項4】
前記集計処理手段は、前記得意先として前記一定期間の新規得意先及び継続得意先を識別して該新規得意先及び継続得意先に関連付けて前記実績データを集計することを特徴とする請求項1記載の仕入報奨金配賦システム。
【請求項5】
卸売業者から複数の得意先への商品の一定期間の販売実績に応じて該商品の仕入先から獲得する報奨金を、前記卸売業者内の前記複数の得意先を担当する複数の組織毎に配賦する卸売業者向けの仕入報奨金配賦システムで用いるサーバであって、
前記商品の販売実績データを格納する販売実績ファイルと、
前記販売実績ファイルから前記一定期間の商品の販売金額のみならず、その販売本数及び販売軒数の各実績値を含む実績データを前記複数の組織、前記得意先、及び前記仕入先に関連付けて集計する集計処理手段と、
前記仕入先との間で予め取り決められた前記一定期間における前記商品の販売金額、販売本数、及び販売軒数の各実績値に基づく報奨金算出基準に関する基準データを格納するマスタファイルと、
前記マスタファイル内の基準データに基づいて、前記集計手段により集計された実績データから前記複数の組織毎の報奨金データを算出し、該複数の組織毎の報奨金データから前記複数の得意先毎の報奨金データを集計して配賦する配賦処理手段と、
前記報奨金データを参照可能に出力する手段とを備えたことを特徴とするサーバ。
【請求項6】
卸売業者から複数の得意先への商品の一定期間の販売実績に応じて該商品の仕入先から獲得する報奨金を、前記卸売業者内の前記複数の得意先を担当する複数の組織毎に配賦する卸売業者向けの仕入報奨金配賦方法であって、
前記商品の販売実績データを販売実績ファイルに格納するステップと、
前記販売実績ファイルから前記一定期間の商品の販売金額のみならず、その販売本数及び販売軒数の各実績値を含む実績データを前記複数の組織、前記得意先、及び前記仕入先に関連付けて集計するステップと、
前記仕入先との間で予め取り決められた前記一定期間における前記商品の販売金額、販売本数、及び販売軒数の各実績値に基づく報奨金算出基準に関する基準データをマスタファイルに格納するステップと、
前記マスタファイル内の基準データに基づいて、前記集計手段により集計された実績データから前記複数の組織毎の報奨金データを算出し、該複数の組織毎の報奨金データから前記複数の得意先毎の報奨金データを集計して配賦するステップと、
前記報奨金データを参照可能に出力するステップとを備えたことを特徴とする仕入報奨金配賦方法。
【請求項7】
前記基準データを格納するステップは、前記基準データとして、前記複数の組織毎の計画値と実績値の割合に基づく達成率評価条件、前記複数の組織毎の販売金額目標値に基づく金額評価条件、及び前記複数の組織毎の販売本数及び販売軒数の目標値に基づく実績評価条件の各評価条件に関する評価データをさらに格納し、
前記報奨金データを配賦するステップは、前記評価データに基づいて、前記集計手段により集計された前記実績データが前記各評価条件を満たしているか否かを前記複数の組織毎に判断し、該評価条件を満たしている組織に対して前記複数の組織毎の報奨金データを算出することを特徴とする請求項6記載の仕入報奨金配賦方法。
【請求項8】
前記基準データを格納するステップは、前記評価データとして、所定の救済条件に関する救済データをさらに格納し、
前記報奨金データを配賦するステップは、前記救済データに基づいて、前記評価条件を満たしていない組織に対して前記実績データが所定の救済条件を満たしているか否かをさらに判断し、該救済条件を満たしている組織に対して前記複数の組織毎の報奨金データを算出することを特徴とする請求項7記載の仕入報奨金配賦方法。
【請求項9】
前記実績データを集計するステップは、前記得意先として前記一定期間の新規得意先及び継続得意先を識別して該新規得意先及び継続得意先に関連付けて前記実績データを集計することを特徴とする請求項6記載の仕入報奨金配賦方法。
【請求項10】
卸売業者から複数の得意先への商品の一定期間の販売実績に応じて該商品の仕入先から獲得する報奨金を、前記卸売業者内の前記複数の得意先を担当する複数の組織毎に配賦する卸売業者向けの仕入報奨金配賦システムで用いるプログラムであって、
コンピュータに、
前記商品の販売実績データを販売実績ファイルに格納するステップと、
前記販売実績ファイルから前記一定期間の商品の販売金額のみならず、その販売本数及び販売軒数の各実績値を含む実績データを前記複数の組織、前記得意先、及び前記仕入先に関連付けて集計するステップと、
前記仕入先との間で予め取り決められた前記一定期間における前記商品の販売金額、販売本数、及び販売軒数の各実績値に基づく報奨金算出基準に関する基準データをマスタファイルに格納するステップと、
前記マスタファイル内の基準データに基づいて、前記集計手段により集計された実績データから前記複数の組織毎の報奨金データを算出し、該複数の組織毎の報奨金データから前記複数の得意先毎の報奨金データを集計して配賦するステップと、
前記報奨金データを参照可能に出力するステップとを実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−113728(P2006−113728A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−298862(P2004−298862)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(390001395)エヌイーシーシステムテクノロジー株式会社 (438)