説明

仕切り板ユニット

【課題】
飲食店等に使用され、客席をテーブルごとに区分けする従来の仕切り板は、単に持ち運びが可能に形成された衝立状のものであり、使用しない仕切り板を収納しておくスペースを確保する必要があった。また、客席を区分けする度に仕切り板を運び出さなければならない為、店側にとって不便なことが多かった。
【解決手段】
床下に収納した仕切り板を引出し、仕切り板に設けられたストッパー部材によって床面上に仕切り板を出現状態で固定させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店等に使用され、客席を適宜区分けするための仕切り板ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店等では一部屋に複数のテーブルが配置されていて、店側は主に来客数に応じて各テーブルへの案内を行なっている。しかし、一部屋に複数の客をテーブルごとの隔てがないまま収容してしまうと、客は落ち着いた雰囲気で食事を取ることが難しい。また、座敷等の座卓を使用する部屋においては、客は自分達に用意された領域がどこまで及んでいるのかの判断がさらに難しく、隣接した座卓の客が座敷に置いた荷物を間違えて持っていってしまう可能性がある。
【0003】
このような状況に対して、店によっては座卓間に仕切り板を置くことで、客が占有できる領域を分かるようにしている。
【0004】
しかし、従来の仕切り板は単に持ち運びが可能に形成された衝立状のものであり、使用しない仕切り板を収納しておくスペースを確保する必要があった。また、客席を区分けする度に仕切り板を運び出さなければならない為、店側にとって不便なことが多かった。
【0005】
上記のような問題に対し、例えば特許文献1には、天上裏から下降する間仕切りパネルと床下から上昇する間仕切りパネルを連結することによって一枚板状の間仕切りパネルを形成することで所定の間仕切りを行う間仕切り装置が開示されている。
【0006】
特許文献1に記載の間仕切り装置によれば、不使用時の間仕切りパネルの収納スペースを店舗内に確保する必要がなく、また、駆動機構を利用して間仕切りパネルを出し入れさせる為、間仕切りパネルの設置にかかる労力を軽減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公平7−25422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示された間仕切り装置では大掛かりな駆動機構を用いている為、間仕切り装置の導入に多大な労力とコストがかかり、店側の負担が大きくなってしまう。
【0009】
また、空間を仕切って個室を形成する必要がない場合、例えば、客に自分達の領域を確認させる為だけに仕切り板を使用して店の雰囲気を維持しようとする場合は、特許文献1に開示されている様な大掛かりな駆動機構を有する間仕切り装置は適当とは言えない。
【0010】
本発明は以上のような問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成により床下に収納した仕切り板を容易に引出し、仕切り板に設けられたストッパー部材によって床面上に仕切り板を出現状態で固定させることが可能な仕切り板ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の問題を解決させるために、請求項1に記載の発明は、床面に開口を備え、該開口から下方に延設された収納ケースと前記収納ケースに収納され、前記収納ケースから引上げることで床面上に出現させるようにした仕切り板と、前記仕切り板を床面上に出現させたときに、前記仕切り板から突出させたストッパー部材の下端部を前記床面に当接させることにより前記仕切り板の前記収納ケース内への下降を規制するように形成されたストッパー機構とを備えたことを特徴とする仕切り板ユニットである。
【0012】
このような構成によると、仕切り板を床下に配置した収納ケースから出し入れすることで設置または収納が行なわれる為、床下のデッドスペースを有効活用することができ、仕切り板の収納スペースを別途確保するという無駄をなくすことができる。
【0013】
また、収納ケースから引上げた仕切り板をストッパー機構を用いることで床面上に出現状態で固定することができるため、店舗内の収納スペースと設置場所との間を仕切り板を持って往復する必要がなく、仕切り板の設置における労力を軽減させることができ、素早く仕切り板を設置させることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記ストッパー機構は前記仕切り板の下部に設けた貫通孔と、前記貫通孔の天井部から下方に延設された軸部材を中心として水平方向に回動させることで下端部が前記床面と当接可能に形成されたストッパー部材と、前記ストッパー部材を前記貫通孔の天井部方向に付勢する付勢部材とを備え、前記仕切り板を前記収納ケースから引上げた状態で前記ストッパー部材を回動させたときに、前記ストッパー部材が前記貫通孔の天井部に設けられた切込み部に前記付勢部材によって付勢されて嵌合するように構成したことを特徴とする請求項1記載の仕切り板ユニットである。
【0015】
このような構成によると、仕切り板を収納ケースから引上げた後、ストッパー部材を回動させるとストッパー部材が仕切り板に形成された貫通孔の天井部の切込み部に付勢状態で嵌合するので、このストッパー部材によって仕切り板を収納ケース内に下降させないように床面上に出現状態のまま固定させることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、前記仕切り板には線状部材の一端部が固定され、前記収納ケースには前記線状部材の他端部側を巻取ることで前記収納ケース内から前記仕切り板を引上げる巻取り手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項2記載の仕切り板ユニットである。
【0017】
このような構成によると、線状部材を巻取ることによって仕切り板が引上げられる為、少ない労力で仕切り板を収納ケースから引出すことができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、前記仕切り板または前記収納ケース内のいずれか一方に磁石を配設し、他方には前記磁石に対向して金属部材を配設したことを特徴とする請求項1〜請求項3記載の仕切り板ユニットである。
【0019】
このような構成によると、仕切り板または収納ケースに取付けられた磁石と、対向する側に配設された金属部材とが吸着することによって、収納ケースに収納した仕切り板を安定した収納状態に保つことができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、前記収納ケースの内面または前記仕切り板の外面に突設されたガイドローラーによって、前記仕切り板の前記収納ケースからの出し入れが誘導されるように構成したことを特徴とする請求項1〜請求項4記載の仕切り板ユニットである。
【0021】
このような構成によると、収納ケースの内面または仕切り板の外面にガイドローラーを設けることによって、仕切り板を収納ケース内から出し入れさせるときに互いが接触することで起こる騒音や損耗を軽減して仕切り板をスムーズに出し入れさせることができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、前記仕切り板が設置された部屋の天井部に仕切り部材が垂下可能に設けられ、前記仕切り部材を垂下させたときに、前記仕切り部材の下端部に設けられた留め具と前記仕切り板に設けられた係止部材とが係止することにより、前記仕切り部材と前記仕切り板とが一体的になるように構成したことを特徴とする請求項1〜請求項5記載の仕切り板ユニットである。
【0023】
このような構成によると、仕切り部材の留め具と仕切り板の係止部材が係止することによって天井から床面まで一体的になった仕切り板ユニットを形成することができるので、例えば、個室を形成するといった用途に合わせて仕切り板ユニットの使用形態を変えることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明における仕切り板ユニットによれば、仕切り板の収納に無駄なスペースを必要とせず、僅かな労力で仕切り板の出し入れを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】仕切り板ユニットを床面上に出現させたときの正面図。
【図2】仕切り板ユニットを床面上に出現させたときの平面図。
【図3】仕切り板ユニット断面図。
【図4】ストッパー部材の詳細を表した図。
【図5】仕切り板の収納から設置までを表した図。
【図6】仕切り板と仕切り部材を係止させて一体的な仕切り板ユニットを表した図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の最良な実施形態を、図面を用いて具体的に説明していく。
【0027】
図1は、床下の空間に鉄板等の金属部材で形成された収納ケース2が設置されていて、収納ケース2内に収納可能な大きさに形成された仕切り板1が収納ケース2から床面A上に引上げられた状態を表している。このように、仕切り板1は収納ケース2内に収まった状態から、仕切り板1の下部を若干収納ケース2内に残して仕切り板1の大部分を床面A上に出現させた状態まで、上下に移動自在に構成されている。以下、本発明の実施例では、高さ50センチメートル程度の仕切り板1として説明するが、仕切り板1の高さは収納ケース2の深さによって自在に変更できるものである。
【0028】
図3の(1)、(2)に示すように、収納ケース2は凹状の断面の上部を床面に沿って外側に曲折して上部曲折部8を形成しており、床面Aに設けた開口5に形成される段部4に上部曲折部8を載せて上方からネジ7によって固定している。また、段部4には、仕切り板1が収納ケース2から床面A上に出現できるような開口6を有する収納ケース蓋3が被せられており、これにより、上部曲折部8を目立たないようにしている。
【0029】
また、図1に示すように、仕切り板1の底部には磁石32が複数箇所設けられていて、下ろされた仕切り板1が収納ケース2の最深部に到達したとき、仕切り板1の底部に設けられた磁石32と鉄板で形成された収納ケース2とが吸着して、仕切り板1が収納ケース2内に納まった状態で固定される。これは、仕切り板1が収納ケース2内で動かないように固定しておくことが目的で、仕切り板1を引上げる際には一定の力を加えることで仕切り板1と収納ケース2の吸着状態を解除できる程度の吸着力を有するように磁石32の磁力及び数量を調整する。
【0030】
なお、本実施例では仕切り板1の底部に設けた磁石32と鉄板で形成された収納ケース2とを吸着させることで仕切り板1を収納ケース2内に固定させているが、仕切り板1に設けられた磁石32と対向する収納ケース2内の位置に磁石32と吸着する磁極の磁石(図示しない)を設けることで仕切り板1の固定を行なっても構わない。その場合、収納ケース2の材質は鉄板である必要はなく、樹脂等で形成することも可能であり、仕切り板1の材質も木材である必要はない。
【0031】
次に図1、図2に示すように、収納ケース2の前面及び裏面には複数の開口43が設けられていて、各開口43には回転自在のガイドローラー40aが回転軸を水平にした状態で取付けてある。これによって、ガイドローラー40aは収納ケース2から出し入れされる仕切り板1に当接して仕切り板1の前後のぐらつきを抑えると共に、仕切り板1が収納ケース2内から出し入れされる際の騒音や損耗を軽減させる働きをもつ。また、収納ケース2内の両側面の上縁付近にも回転自在のガイドローラー40bを設けることで、上記ガイドローラー40aと同様の役割を果たすとともに仕切り板1の長さ方向のぐらつきを抑えている。
【0032】
さらに、仕切り板1の側面の下部付近にも回転自在のガイドローラー40cが回転軸を水平にした状態で取付けられていて、収納ケース2内の両側面に沿って縦方向に形成されたガイド溝44と嵌合したガイドローラー40cが上下にスライドすることで前記ガイドローラー40bと相まって仕切り板1の長さ方向のぐらつきを抑えて仕切り板1のスムーズな出し入れを可能としている。また、仕切り板1を引上げていくと、仕切り板1に設けられたガイドローラー40cがガイドローラー40bの下に設けられた図示しない規制部材に当接してそれ以上仕切り板1が引上げられないように規制されている。その為、この規制部材を取外さない限り、仕切り板1が収納ケース2から飛出してしまう心配がない。
【0033】
次に図1、図2、図5に示すように、仕切り板1の上面には仕切り板1の長さ方向に沿って半円形状の回転取っ手部30が埋め込まれていて、回転取っ手部30内には半円形状の取っ手31が回転軸を水平にした状態で取付けられている。すなわち、回転軸を中心に取っ手31を半回転させることで取っ手31を仕切り板1から突出させたり、仕切り板1内に収納させたりすることができる。これによって、仕切り板1を使用する際には仕切り板1から出現させた取っ手31に指をかけることで仕切り板1を収納ケース2内から出し入れさせることができ、使用しない時には取っ手31を仕切り板1内に収納しておくことができる。
【0034】
次に図3の(1)は仕切り板1を収納ケース2内から引上げた状態を表し、(2)は仕切り板1を収納ケース2内に収納した状態を表している。収納ケース2の前面と裏面の上部の斜向いの位置には巻き取り手段11が一つずつ設けられている。巻取り手段11の筐体内には一端部が筐体に固定されたゼンマイが設置されている。また、巻き取り手段11は巻取り口を上向きに取付けられていて、ゼンマイの他端部は線状部材のひとつであるワイヤー10の一端部と結合されている。巻取り手段11から延設されたワイヤー10は収納ケース2の上縁付近に設けられた滑車12を介して収納ケース2の内壁に沿って付設され、仕切り板1の底面に形成された線状溝13内を通って仕切り板1の反対側の面上に設けられた線状部材固定部14でネジ留めされる。これにより、巻取り手段11で巻き取られるワイヤー10の他端部と固定された仕切り板1は、ワイヤー10が巻取られる方向である上方に向けて付勢されることになる。このとき、仕切り板1の重量よりも巻取り手段11によって仕切り板1を上方に付勢する力を僅かに小さく設計しておく、例えば、仕切り板1の重量5kgに対して巻取り手段11によって巻取る力を4kgに設計しておくことで仕切り板1を持上げるのに要する力は1kgとなり、僅かな力で収納ケース2から仕切り板1の出し入れを行うことが可能になる。
【0035】
本発明の実施例において、ワイヤー10の巻取り手段11にはゼンマイを内蔵した巻取り装置を採用しているが、電動モーター等の駆動機構を使用してワイヤー10を巻取る構造を用いてもよい。
【0036】
また、本発明の実施例では巻取り手段11を収納ケース2の前面と裏面の斜向いの位置に一つずつ設ける形態を採用しているが、仕切り板1の長さや重さ等により巻取り手段11の数を増減させたり、収納ケース2の片側のみに取付けてもよい。また、本発明の実施例では巻取り手段11を収納ケース2の外面に取付け、巻取り手段11から引出したワイヤー10を滑車13を介して収納ケース2内の仕切り板1とネジ留めする形態を採用しているが、例えば、収納ケース2内の上縁付近に巻取り手段11を巻き取り口を下向きに取付けることによって滑車13を使用しないで仕切り板1を上方に付勢させる形態も採用することができる。
【0037】
次に図4の(1)、(2)に示すように、仕切り板1の下部には貫通孔22が形成されていて、貫通孔22の天井部には仕切り板1に対して垂直に切り込み部23が設けられている。また、貫通孔22の天井部の中心部からは軸部材25が下方に延設されており、仕切り板1を床面A上に出現状態で固定させる為のストッパー部材21の中心部に内蔵された付勢部材24と軸部材25とが結合されることでストッパー部材21は貫通孔22の天井部に取付けられている。その為、ストッパー部材21は軸部材25を中心に水平方向に回動自在に形成されるとともに、付勢部材24の作用によって、常に貫通孔22の天井部方向へ付勢されている。
【0038】
ストッパー部材21は貫通孔22内に完全に収まるように形成されており、軸部材25を中心にしてストッパー部材21を水平方向に90度回動させることで、ストッパー部材21が切込み部23に付勢された状態で嵌合され、ストッパー部材21が仕切り板1に直交する形となって仕切り板1が収納ケース2内に降下するのを規制する。すなわち、ストッパー部材21を90度回動させることにより、仕切り板1の収納ケース2からの出現状態と収納ケース2への収納状態の切り替えを可能にしている。
【0039】
なお、切込み部23の角度を変更することによりストッパー部材21の回転角度を90度以外に設定することもできる。その場合、例えば、2つのストッパー部材21をハの字型に形成することで仕切り板1を床面A上に収納ケース2から出現状態で固定させるといったようなことも可能となる。
【0040】
次に図5で本発明の仕切り板ユニットを使用する上での手順を説明する。(1)は本発明における仕切り板ユニットの未使用時の形態、すなわち、仕切り板1が床下に設置された収納ケース2の中に収納された状態を表している。この状態において、仕切り板1の上面及び収納ケース蓋3は床面Aとほぼ同一の色や模様で形成することにより、仕切り板1が設置されているのを目立たなくすることができる。また、収納ケース2に収納された状態の仕切り板1の上面は床面Aと同一平面になるように設計している。
【0041】
(2)は本発明における仕切り板ユニットの設置過程の形態、すなわち、仕切り板1が収納ケース2から床面A上に引上げられた状態を表している。このように、(1)の状態から仕切り板1の上面に設けられた回転取っ手部30を使用して仕切り板1を床面A上に引上げた(2)の状態では、巻取り手段11によって仕切り板1は常時上方に付勢された状態にある為、僅かな力で仕切り板1を引上げることが可能になる。また、仕切り板1に設けられたガイドローラー40c及び収納ケース2に設けられたガイドローラー40a、40bの働きにより、仕切り板1の出し入れを行う際には騒音や損耗を抑えて仕切り板1をスムーズに上下させることができる。
【0042】
(3)は本発明における仕切り板ユニットの使用時の形態、すなわち、仕切り板1が床面A上に出現状態で固定された状態を表している。このように、(2)で床面A上に引上げた仕切り板1の下部の貫通孔22に設けられたストッパー部材21を90度回動させることで、仕切り板1が収納ケース2内に降下しないように規制して仕切り板1を床面A上に出現状態で固定させている。このストッパー部材21を有したストッパー機構20は仕切り板1の長さや重さに応じて少なくとも一つ以上設けることでその効果を発揮させることができる。また、仕切り板1の収納手順は上記の手順を逆に(3)、(2)、(1)の順に行なえばよい。
【0043】
以上のように、本発明における仕切り板1の設置手順は大きく2つの手順、すなわち「仕切り板1を引上げる」「仕切り板1を床面A上に出現状態で固定する」過程によって完成させることができる。また、「仕切り板1を引上げる」過程では巻取り手段11の働きにより僅かな力で仕切り板1を引上げることができ、「仕切り板1を床面A上に出現状態で固定する」過程ではストッパー機構20により簡単な手順で仕切り板1を床面A上に出現状態で固定させることができる為、誰でも素早く仕切り板1を使用可能に設置させることを可能にしている。
【0044】
また、図6に示すように、別の形態として、部屋の天井面Bから店の雰囲気に合わせた簾やロールカーテン等の仕切り部材50を吊るして、下方にある仕切り板1と係止させることで、仕切り壁の役割をする仕切り板ユニットとして個室の形成に適用させることができる。
【0045】
この場合、仕切り部材50は、例えば、天井面B付近に柱から柱へ掛け渡して設けた補強材53にネジ留め、もしくは紐(図示しない)で括り付けることで取付けられており、使用しない時には仕切り部材50を下から上に向けて巻き取った後、補強材53に取付けられた固定具51としての紐を使用して仕切り部材50をロール状に固定しておくことができる。逆に仕切り部材50を使用する際には、固定具51を解除させることでロール状に固定された仕切り部材50が自重によって下に垂れ下がり、仕切り部材50の下縁に設けられた留め具52としての紐と仕切り板1の上面に設けられた係止部材としての取っ手31とを係止させることで一体的に仕切り板ユニットを形成させることができる。
【0046】
本実施例では仕切り部材50を天井面B付近に設けられた補強材53に取付ける形態を採用しているが、仕切り部材50は天井面Bに直接取付けてもよい。また、仕切り部材50と仕切り板1とを固定する為の留め具52として紐を用いたが、例えばフック等を使用して仕切り板1の係止部材と係止してもよいし、磁石やマジックテープ(登録商標)等を使用してもよい。この場合、係止部材は必ずしも仕切り板1の上面のみに設ける必要はなく、仕切り板1の前面や裏面に設けてもよい。
【0047】
また、本実施例では仕切り部材50を下から上に向けてロール状に巻き取るようにしているが、いわゆるロールカーテンの機構をそのまま採用することで、自動で仕切り部材50を巻き取ってもよい。
【符号の説明】
【0048】
A 床面
B 天井面
1 仕切り板
2 収納ケース
3 収納ケース蓋
4 段部
5 開口
6 開口
7 ネジ
8 曲折部
10 ワイヤー
11 巻取り手段
12 滑車
13 線状溝
14 線状部材固定部
20 ストッパー機構
21 ストッパー部材
22 貫通孔
23 切り込み部
24 付勢部材
25 軸部材
30 回転取っ手部
31 取っ手
32 磁石
40a ガイドローラー
40b ガイドローラー
40c ガイドローラー
43 開口
44 ガイド溝
50 仕切り部材
51 固定具
52 留め具
53 補強材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に開口を備え、該開口から下方に延設された収納ケースと
前記収納ケースに収納され、前記収納ケースから引上げることで床面上に出現させるようにした仕切り板と、
前記仕切り板を床面上に出現させたときに、前記仕切り板から突出させたストッパー部材の下端部を前記床面に当接させることにより前記仕切り板の前記収納ケース内への下降を規制するように形成されたストッパー機構とを備えた
ことを特徴とする仕切り板ユニット。

【請求項2】
前記ストッパー機構は
前記仕切り板の下部に設けた貫通孔と、
前記貫通孔の天井部から下方に延設された軸部材を中心として水平方向に回動させることで下端部が前記床面と当接可能に形成されたストッパー部材と、
前記ストッパー部材を前記貫通孔の天井部方向に付勢する付勢部材とを備え、
前記仕切り板を前記収納ケースから引上げた状態で前記ストッパー部材を回動させたときに、前記ストッパー部材が前記貫通孔の天井部に設けられた切込み部に前記付勢部材によって付勢されて嵌合するように構成した
ことを特徴とする請求項1記載の仕切り板ユニット。

【請求項3】
前記仕切り板には線状部材の一端部が固定され、
前記収納ケースには前記線状部材の他端部側を巻取ることで前記収納ケース内から前記仕切り板を引上げる巻取り手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項2記載の仕切り板ユニット。

【請求項4】
前記仕切り板または前記収納ケース内のいずれか一方に磁石を配設し、他方には前記磁石に対向して金属部材を配設した
ことを特徴とする請求項1〜請求項3記載の仕切り板ユニット。

【請求項5】
前記収納ケースの内面または前記仕切り板の外面に突設されたガイドローラーによって、前記仕切り板の前記収納ケースからの出し入れが誘導されるように構成した
ことを特徴とする請求項1〜請求項4記載の仕切り板ユニット。

【請求項6】
前記仕切り板が設置された部屋の天井部に仕切り部材が垂下可能に設けられ、
前記仕切り部材を垂下させたときに、前記仕切り部材の下端部に設けられた留め具と前記仕切り板に設けられた係止部材とが係止することにより、前記仕切り部材と前記仕切り板とが一体的になるように構成した
ことを特徴とする請求項1〜請求項5記載の仕切り板ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−229704(P2010−229704A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−78132(P2009−78132)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000128485)株式会社オーイズミ (191)