付属ブラシを備えた電気掃除機
【課題】簡易な構成を有し且つ所定の使用状態から所定の非使用状態に適切に変化することが可能な付属ブラシであって、所定の非使用状態から所定の使用状態に変化するときには刷毛が付属ブラシの先端に略円環状に配置される付属ブラシを備えた電気掃除機を提供する。
【解決手段】回転部材311は、使用状態と非使用状態との間にて軸線Pを中心に接続部380と相対回転し、略U字状の断面を有している。刷毛312は、回転部材311に略U字状に配置されるように固定されている。回転部材351は、使用状態と非使用状態との間にて軸線Pを中心に接続部380と相対回転する。刷毛352は、回転部材351に固定されている。使用状態のときには、回転部材311と回転部材351とによって略環状の形状が形成されている。非使用状態のときには、刷毛312と刷毛352とが、接続部380の軸部385が延びる方向と略平行な方向に延びている。
【解決手段】回転部材311は、使用状態と非使用状態との間にて軸線Pを中心に接続部380と相対回転し、略U字状の断面を有している。刷毛312は、回転部材311に略U字状に配置されるように固定されている。回転部材351は、使用状態と非使用状態との間にて軸線Pを中心に接続部380と相対回転する。刷毛352は、回転部材351に固定されている。使用状態のときには、回転部材311と回転部材351とによって略環状の形状が形成されている。非使用状態のときには、刷毛312と刷毛352とが、接続部380の軸部385が延びる方向と略平行な方向に延びている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、付属ブラシを備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
家具の凹凸部分または部屋の隅等の場所を掃除する際に、電気掃除機のホースまたはホースに接続された延長管に取り付けられる電気掃除機の付属ブラシが従来から提供されている。電気掃除機の使用者は、狭い場所等に散らばった埃等を付属ブラシの刷毛の部分で掃くことにより、これらの埃等を電気掃除機に吸い込ませる。このように、電気掃除機の使用者は、付属ブラシを用いることにより、家具の凹凸部分または部屋の隅等の場所を効率的に清掃することができる。
【0003】
従来の付属ブラシとして、特開2005−185480号公報(以下では特許文献1という)に係る電気掃除機のブラシ部と、特開2000−325277号公報(以下では特許文献2という)に係る電気掃除機の吸込口アタッチメントとが知られている。特許文献1に係る電気掃除機のブラシ部では、ブラシ部の先端に略U字状に並ぶようにブラシ糸が配置されている。また、特許文献2に記載された吸込口アタッチメントでも、アタッチメントの先端に略U字状に並ぶようにブラシが配置されている。
【0004】
このように、例えば特許文献1に係る電気掃除機のブラシ部では、ブラシが略U字状に並んでいる場合は、ブラシが略環状に並んでいる場合と比べ、ブラシの毛が存在しない隙間が大きくなる。この隙間が大きい程、電気掃除機が埃等を吸い込むときの吸塵効果が低下する。
【0005】
一方、特開2006−81948号公報(以下では特許文献3という)に記載されているように、吸込具の先端に略環状に配置された刷毛を有した電気掃除機の吸込具が知られている。また、特開2005−334041号公報(以下では特許文献4という)に係る電気掃除機のアタッチメントは、当該アタッチメントの先端に略環状に配置された毛ブラシを有している。
【0006】
このように、特許文献3に記載された吸引具および特許文献4に記載されたアタッチメントは、特許文献1に記載されたブラシ部および特許文献2に記載された吸込口アタッチメントと異なり、それぞれ毛ブラシ等がアタッチメントの先端に略環状に配置されている。
【0007】
そのため、特許文献3に係る電気掃除機および特許文献4に係る電気掃除機では、特許文献1に係る電気掃除機および特許文献2に係る電気掃除機に比べ、電気掃除機が埃等を吸い込むときに吸塵効果が低下することが抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−185480号公報
【特許文献2】特開2000−325277号公報
【特許文献3】特開2006−81948号公報
【特許文献4】特開2005−334041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献3に係る電気掃除機の吸引具では、吸込具が使用されないときは、吸込具の刷毛が、延長管の内壁に沿って延長管の内部を摺動しながら、電気掃除機のホースの延長管に収納される。また、吸込具の先端部が延長管に収納されるときには、当該吸込具から刷毛が延びる方向に刷毛を付勢する付勢部材が圧縮され、刷毛が吸込具の内部に収納される。吸込具を使用する使用状態のときは、延長管を当該吸込具から取り外す。このとき、付勢部材が刷毛を押圧することにより、圧縮された状態から使用可能な長さにまで刷毛の長さが変化する。
【0010】
特許文献3に係る電気掃除機の吸引具では、上述のように、吸込具の先端部が延長管に収納されるときには、付勢部材が圧縮されることによって刷毛が吸込具の内部に収納され、吸込具を使用する際には、付勢部材が刷毛を押圧することにより、圧縮された状態から使用可能な長さにまで刷毛の長さが変化する。このように、特許文献3に係る電気掃除機の吸引具では、吸引具を延長管に収容している状態から吸引具を使用することが可能な状態に変化させるまでに必要な構成が複雑である。さらに、これにより、吸引具の重量が増加する。
【0011】
また、特許文献3に係る電気掃除機の吸引具を延長管に収容している状態では、吸込具の刷毛が延長管の内壁に触れることにより、内壁に付着している埃等が刷毛に付着して刷毛が汚れたり刷毛が傷んだりする恐れがある。また、吸込具の刷毛が延長管の外側に触れることにより、延長管が汚れてしまう恐れがある。そのため、吸引具を使用しないときに、延長管が汚れたり、また吸引具の刷毛が汚れたり傷んだりすることなく、所定の非使用状態に適切に変化させることが可能な吸引具が望まれている。
【0012】
一方、特許文献4に記載されたアタッチメントでは、アタッチメントが使用されない非使用状態のときは、アタッチメントは吸込口体の台座部に接続されている。このとき、アタッチメントの毛ブラシが台座部の外部に露出している。
【0013】
特許文献4に係る電気掃除機のアタッチメントを台座部に接続している状態では、アタッチメントの毛ブラシが吸込口体または台座部に触れることにより、吸込口体に付着している埃等が毛ブラシに付着して毛ブラシが汚れたり毛ブラシが傷んだりする恐れがある。また、アタッチメントの毛ブラシが吸込口体の外側に触れることにより、吸込口体が汚れてしまう恐れがある。
【0014】
そこで、この発明の目的は、簡易な構成を有し且つ所定の使用状態から所定の非使用状態に適切に変化することが可能な付属ブラシであって、所定の非使用状態から所定の使用状態に変化するときには刷毛が付属ブラシの先端に略環状に配置される付属ブラシを備えた電気掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明に従った電気掃除機は、本体と、部材と、付属ブラシとを備えている。
部材は、本体に吸い込まれる吸気が流通する吸気通路を構成している。付属ブラシは、接続部と第1の刷毛部と第2の刷毛部とを有している。付属ブラシの接続部は、部材に取り付けられている。また、付属ブラシの接続部は、略円筒状の軸部を有している。
【0016】
第1の刷毛部は、第1の回転部材と刷毛とを有している。第1の回転部材は、当該付属ブラシを使用して対象場所を掃除する使用状態と当該付属ブラシを使用せずに対象場所を掃除する非使用状態との間にて軸線を中心に接続部と相対回転し、略U字状の断面を有している。第1の刷毛部の刷毛は、第1の回転部材に略U字状に配置されるように固定されている。また、第2の刷毛部は、第2の回転部材と刷毛とを有している。第2の回転部材は、使用状態と非使用状態との間にて軸線を中心に接続部と相対回転する。第2の刷毛部の刷毛は、第2の回転部材に固定されている。
【0017】
この発明に従った電気掃除機では、使用状態のときには、第1の回転部材と第2の回転部材とによって略環状の形状が形成されている。一方、非使用状態のときには、第1の刷毛部の刷毛と第2の刷毛部の刷毛とが、接続部の軸部が延びる方向と略平行な方向に延びている。
【0018】
このように、この発明に従った電気掃除機の付属ブラシは、接続部と第1の刷毛部と第2の刷毛部との間の相対回転のみによって使用状態と非使用状態とが変化するような簡易な構成を有している。すなわち、この発明に従った電気掃除機の付属ブラシは、使用状態と非使用状態との間で変化するための付勢部材等を有していないため、簡易な構成を有している。
【0019】
また、当該付属ブラシが非使用状態であるときには、第1の刷毛部の刷毛と第2の刷毛部の刷毛とは、接続部の軸部が延びる方向と平行な方向に延びている。このように、この発明に従った電気掃除機の付属ブラシでは、当該付属ブラシを使用しないときに、接続部の軸部と刷毛とが干渉することがないように構成されている。このように、この発明に従った電気掃除機の付属ブラシは、刷毛が汚れたり傷んだりすることなく、所定の非使用状態に適切に変化する。
【0020】
この発明に従った電気掃除機では、非使用状態のときには、第1の刷毛部が接続部を囲むように第1の刷毛部と接続部とが互いに固定されていることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、非使用状態のときに第1の刷毛部が接続部を囲むように第1の刷毛部と接続部とが互いに固定されることにより、付属ブラシは、接続部が吸気通路を構成する部材に取り付けられたまま非使用状態に変化することができる。
【0022】
この発明に従った付属ブラシは、軸部を有する接続部と第1の刷毛部と第2の刷毛部とを備えている。接続部の軸部は、略円筒状の形状を有している。第1の刷毛部は、第1の回転部材と、第1の回転部材に固定された刷毛とを有している。また、第2の刷毛部は、第2の回転部材と、第2の回転部材に固定された刷毛とを有している。
【0023】
第1の回転部材は、当該付属ブラシを使用する使用状態と当該付属ブラシを使用しない非使用状態との間にて軸線を中心に接続部と相対回転する。また、第1の回転部材は、使用状態において、軸線が水平方向に延びるように見える方向である略前方から見て、略U字状の形状を有している。第1の刷毛部の刷毛は、第1の回転部材に略U字状に配置されるように固定されている。このとき、第1の刷毛部の刷毛は、略前方に向かって延びている。
【0024】
第2の回転部材は、使用状態と非使用状態との間にて軸線を中心に第1の刷毛部または接続部と相対回転する。また、第2の回転部材は、使用状態において軸線が延びる方向に線状に延びている。第2の刷毛部の刷毛は、第2の回転部材と平行な方向に線状に配置されるように第2の回転部材に固定されている。このとき、第2の刷毛部の刷毛は、略前方に向かって延びている。
【0025】
さらに、この発明に従った付属ブラシでは、使用状態のときには、略前方から見て第1の回転部材と第2の回転部材とによって略環状の形状が形成されている。一方、非使用状態のときには、第1の刷毛部が接続部を囲むように第1の刷毛部と接続部とが互いに固定され、且つ、第1の刷毛部の刷毛と第2の刷毛部の刷毛とが、接続部の軸部が延びる方向と略平行な方向に略前方から略後方に向かって延びている。略後方は、略前方の反対方向である。
【0026】
この発明によれば、当該付属ブラシが接続部と第1の刷毛部と第2の刷毛部とを備え、第1の刷毛部が軸線を中心に接続部に対して回転し、且つ、第2の刷毛部が軸線を中心に接続部または第1の刷毛部に対して回転することにより、使用状態と非使用状態とが変化するように構成されている。つまり、この発明に従った付属ブラシは、接続部と第1の刷毛部と第2の刷毛部との間の相対回転のみによって使用状態と非使用状態とが変化するような簡易な構成を有している。このように、この発明に従った付属ブラシは、使用状態と非使用状態との間で変化するための付勢部材等を有していないため、簡易な構成を有している。
【0027】
また、当該付属ブラシが非使用状態であるときには、第1の刷毛部の刷毛と第2の刷毛部の刷毛とは、接続部の軸部が延びる方向と平行な方向に略前方から略後方に向かって延びている。このように、この発明に従った付属ブラシでは、当該付属ブラシを使用しないときに、接続部の軸部と刷毛とが干渉することがないように構成されている。このように、この発明に従った付属ブラシは、刷毛が汚れたり傷んだりすることなく、所定の非使用状態に適切に変化する。
【0028】
一方、当該付属ブラシが使用状態であるときには、略前方から見て第1の回転部材と第2の回転部材とによって略環状の形状が形成されることにより、第1の刷毛部の刷毛と第2の刷毛部の刷毛とが付属ブラシの先端に略環状に配置される。
【0029】
したがって、この発明に従った付属ブラシは、簡易な構成を有し且つ所定の非使用状態と所定の使用状態とに適切に変化することが可能である。また、この発明に従った付属ブラシでは、所定の非使用状態から所定の使用状態に変化するときには刷毛が付属ブラシの先端に略環状に配置される。
【0030】
この発明に従った電気掃除機において、第1の回転部材は、第1の嵌合部と、第1の突起および第2の突起とを有していることが好ましい。第1の嵌合部は、第1の回転部材の内周面のうちの左右両側に設けられ且つ軸線を中心とする円環状の形状を有していることが好ましい。また、第1の突起および第2の突起は、第1の回転部材の内周面のうちの左側または右側に設けられていることが好ましい。一方、接続部は、取付部と突起とを有していることが好ましい。取付部は、接続部の左右の両側に配置され、円柱状または円筒状の形状を有し、且つ第1の回転部材の第1の嵌合部に嵌合する。突起は、接続部の左側または右側のうち、第1の回転部材の第1の突起および第2の突起が配置された側に配置されていることが好ましい。さらに、接続部の突起は、使用状態であるときには第1の回転部材の第1の突起に固定され、非使用状態であるときには第1の回転部材の第2の突起に固定されていることが好ましい。
【0031】
この構成によれば、接続部の左右の両側に配置された円柱状または円筒状の取付部は、軸線を中心とする円環状の第1の嵌合部に嵌合する。これにより、第1の刷毛部は、接続部に対して軸線を中心に回転することができる。さらに、使用状態であるときには、第1の回転部材の第1の突起に接続部の突起が固定されることにより、第1の回転部材と接続部とが互いに固定される。一方、非使用状態であるときには、第1の回転部材の第2の突起に接続部の突起が固定されることにより、第1の回転部材と接続部とが互いに固定される。
【0032】
このようにして、使用状態と非使用状態との間で第1の刷毛部が接続部に対して軸線を中心に回転することができる。
【0033】
この発明に従った電気掃除機において、第1の回転部材は、第2の嵌合部を有していることが好ましい。第2の嵌合部は、第1の回転部材の内周面のうちの左右両側に設けられ且つ軸線を中心とする円環状の形状を有していることが好ましい。また、第2の回転部材は、脚部を有していることが好ましい。脚部は、第2の回転部材の左右の両側に配置され、円環状の形状を有し、且つ第1の回転部材の第2の嵌合部に嵌合することが好ましい。
【0034】
この構成によれば、円環状の第2の回転部材の脚部は、軸線を中心とする円環状の第2の嵌合部に嵌合する。これにより、第2の回転部材は、第1の刷毛部に対して回転することができる。さらに、第1の回転部材が接続部に対して回転することができるため、第2の回転部材が第1の回転部材に対して回転することにより、第2の回転部材が接続部に対して回転する。
【0035】
この発明に従った電気掃除機では、第1の刷毛部の刷毛の形態と、第2の刷毛部の刷毛の形態とは、それぞれ異なっていることが好ましい。
【0036】
この構成によれば、第1の刷毛部の刷毛の形態と第2の刷毛部の刷毛の形態との違いにより、当該付属ブラシに係る清掃の性能がより向上する。
【0037】
この発明に従った電気掃除機では、付属ブラシの接続部は、吸気通路を構成する部材に着脱自在に取り付けられていることが好ましい。
【0038】
この構成によれば、付属ブラシの利便性がより向上する。
【0039】
上述のように、この発明に従った電気掃除機の付属ブラシは、簡易な構成を有し且つ所定の非使用状態と所定の使用状態とに適切に変化することが可能であり、且つ、所定の非使用状態から所定の使用状態に変化するときには刷毛が付属ブラシの先端に略環状に配置される。したがって、この発明に従った付属ブラシを備えた電気掃除機は、家具の凹凸部分または部屋の隅等の場所を効率的に清掃することができることにより、電気掃除機の利便性等が向上する。
【発明の効果】
【0040】
以上のように、この発明によれば、簡易な構成を有し且つ使用状態から非使用状態に適切に変化することが可能な付属ブラシであって、非使用状態から使用状態に変化するときには刷毛が付属ブラシの先端に略環状に配置される付属ブラシを備えた電気掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明に係る電気掃除機の全体を示す斜視図である。
【図2】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの付属ブラシおよび接続パイプを付属ブラシの左方から見た図である。
【図3】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの付属ブラシの全体を示す斜視図である。
【図4】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの付属ブラシの全体を第1の刷毛部の正面から見た図である。
【図5】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの付属ブラシの全体を付属ブラシの正面から見た図である。
【図6】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの付属ブラシの全体を付属ブラシの左方から見た図である。
【図7】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの付属ブラシの全体を付属ブラシの後方から見た図である。
【図8】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの第1の刷毛部と第2の刷毛部とをそれぞれの左方から見た図である。
【図9】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの第1の刷毛部と第2の刷毛部とをそれぞれの下方から見た図である。
【図10】図9のX−X線の断面図である。
【図11】図9のXI−XI線の断面図である。
【図12】図9のXII−XII線の断面図である。
【図13】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが非使用状態であるときの付属ブラシの全体を付属ブラシの左方から見た図である。
【図14】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが非使用状態であるときの第1の刷毛部と第2の刷毛部とをそれぞれの左方から見た図である。
【図15】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの第1の刷毛部と第2の刷毛部とをそれぞれの下方から見た図である。
【図16】図15のXVI−XVI線の断面図である。
【図17】図15のXVII−XVII線の断面図である。
【図18】図15のXVIII−XVIII線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0043】
図1に示すように、電気掃除機1は、吸込口を有する吸込口体101と、本体100と、延長管102と、接続パイプ103と、サクションホース104と、連結管105とを備えている。本体100は、吸気を発生させる電動送風機(図示せず)と塵埃捕集室(図示せず)とを収容する。吸込口体101には、延長管102、接続パイプ103、サクションホース104、連結管105が順次接続されている。延長管102と接続パイプ103とサクションホース104と連結管105とは、吸気通路200を形成する。吸気通路200は、吸込口体101と本体100とを接続する。
【0044】
接続パイプ103は、グリップ36を有している。また、なお、吸気通路200において、吸込口体101が配置されている方が吸気通路200の前方であり、且つ、連結管105が配置されている方が吸気通路200の後方である。
【0045】
サクションホース104は、連結管105を介して本体100に接続されている。接続パイプ103のグリップ36には、操作部4が配置されている。使用者が操作部4を操作することにより、例えば電動送風機の駆動と駆動停止とが切り替えられる。
【0046】
延長管102は、用途に合わせて使用者が長さを調節することが可能であるように、途中で分割されたり、二重構造の伸縮式にされたりしてもよい。サクションホース104は、柔軟に曲がるように構成されている。一方、吸込口体101と延長管102と接続パイプ103と連結管105とは、柔軟に曲がることがないように樹脂またはプラスチック等の硬性材料で構成されている。
【0047】
本体100には、本体100を床面上で移動可能に支持する車輪106が設けられている。また、本体100は、通常、使用者が本体100を持ち上げるためのハンドル(図示せず)を有している。ただし、本体100は、ハンドルを有していなくてもよい。
【0048】
また、電気掃除機1は、付属ブラシ300を備えている。付属ブラシ300は、吸気通路200を構成する部材に着脱自在に取り付けられる。図1に示すように、電気掃除機1では、付属ブラシ300を使用しない非使用状態において、付属ブラシ300は、延長管102と接続パイプ103との接続部分23に着脱自在に取り付けられている。ただし、付属ブラシ300を使用しない非使用状態において、付属ブラシ300は、接続部分23から取り外されていてもよい。また、付属ブラシ300は、吸気通路200を構成する部材に固定されていてもよい。
【0049】
図2に示すように、付属ブラシ300を使用する使用状態において、付属ブラシ300は、接続パイプ103の先端部61の外周に着脱自在に取り付けられている。なお、付属ブラシ300を使用しない非使用状態においても、付属ブラシ300は、接続パイプ103の先端部61の外周に着脱自在に取り付けられていてもよい。付属ブラシ300は、接続部380を有している。接続部380は、付属ブラシ300のうちの接続部分23(図1参照)に取り付けられる部分である。接続部380は、略円筒状に形成されている。
【0050】
接続部380は、略円筒状の形状を有する軸部385を有している。図4に示すように、軸部385の上側は切り欠けられている。この切り欠けられた部分を切り欠き部381と称する。図2に示すように、付属ブラシ300が接続パイプ103の先端部61の外周に取り付けられているときには、接続部380の内径D1は先端部61の外径D2と略等しい。
【0051】
ただし、付属ブラシ300を使用する使用状態において、付属ブラシ300は、接続パイプ103の先端部61に取り付けられることに限定されない。使用状態において、付属ブラシ300は、接続パイプ103以外の延長管102またはサクションホース104に着脱自在に取り付けられるものであってもよい。このとき、付属ブラシ300は、延長管102またはサクションホース104の外周に取り付けられていてもよい。また、付属ブラシ300は、延長管102、接続パイプ103、またはサクションホース104の内周に取り付けられていてもよい。
【0052】
図3に示すように、付属ブラシ300は、第1の刷毛部としての刷毛部310と、第2の刷毛部としての刷毛部350とを有している。刷毛部310は、第1の回転部材としての回転部材311と、回転部材311に固定された刷毛312とを有している。また、刷毛部350は、第2の回転部材としての回転部材351と、回転部材351に固定された刷毛352とを有している。回転部材311と回転部材351と接続部380とは、柔軟に曲がることがないように硬性材料で構成されている。
【0053】
図2に示すように、付属ブラシ300が非使用状態から使用状態に変化するときは、刷毛部310と刷毛部350とは、接続部380に対して軸Pを中心として方向DR1に回転する。一方、付属ブラシ300が使用状態から非使用状態に変化するときは、刷毛部310と刷毛部350とは、接続部380に対して軸Pを中心として方向DR2に回転する。
【0054】
図2〜図18において、符号Fr、Rr、U、D、R、Lは、付属ブラシ300のそれぞれ前方、後方、上方、下方、右方、左方を示している。図4または図5に示す軸Pは、水平方向に延びている。すなわち、図4の正面は、軸Pが水平方向に延びるような面である。また、図5の下方から上方に向かって付属ブラシ300を見る場合にも、軸Pが水平方向に延びている。図4に示す付属ブラシ300前後方向は、図4の紙面表裏方向(図4の紙面の垂直方向)から図4の上方に傾斜している。一方、図5の紙面の表から裏に向かう方向は、付属ブラシ300の前後方向である。図5の正面は、付属ブラシ300の正面である。なお、軸線としての軸Pは、回転部材311と回転部材351と接続部380の回転中心である。
【0055】
図2に示すように、回転部材311は、付属ブラシ300を使用する使用状態と付属ブラシ300を使用しない非使用状態との間にて軸Pを中心に接続部380に対して相対的に回転する。図4に示すように、回転部材311は、略前方から見て略U字状の形状を有している。言い換えると、回転部材311の断面は、略U字状の形状を有している。詳細には、回転部材311は、略前方から見て略U字状の形状が180度回転した形状を有している。刷毛部310の刷毛312は、回転部材311に略U字状に配置されるように固定されている。図2に示すように、刷毛部310の刷毛312は、使用状態であるときには略前方に向かって延びている。ここでいう略前方とは、前方Frよりも下方に下がった方向である。
【0056】
図2に示すように、回転部材351は、付属ブラシ300を使用する使用状態と付属ブラシ300を使用しない非使用状態との間にて軸Pを中心に接続部380および刷毛部310に対して相対的に回転する。図4に示すように、回転部材351は、略前方から見て軸Pが延びる方向に線状に延びている。刷毛部350の刷毛352は、回転部材351と平行な方向に線状に配置されるように回転部材351に固定されている。図4に示すように、刷毛部350の刷毛352は、使用状態であるときには略前方に向かって延びている。なお、図4の正面から付属ブラシ300を見る方向は、前方Frよりも下方に傾斜した方向から後方Rrよりも上方に傾斜した方向を指している。図2に示すように、刷毛部350の刷毛352は、使用状態であるときには前方Frよりも下方Dに近い方向に向かって延びている。
【0057】
図3に示すように、付属ブラシ300では、刷毛部310の刷毛312と、刷毛部350の刷毛352とは、それぞれ異なった方向に延びている。付属ブラシ300では、刷毛部350の刷毛352は、刷毛部310の刷毛312が延びる方向よりも下方に向かって延びている。このように、刷毛312が延びる方向よりも下方に向かって刷毛352が延びていることにより、付属ブラシ300の刷毛312と刷毛352とが形成する略円の寸法(円である場合は直径)を大きくすることができる。
【0058】
刷毛部310では、刷毛312は植毛部313に取り付けられ、刷毛部350では、刷毛352は植毛部353に取り付けられている。植毛部313は回転部材311の前方側に配置されており、植毛部353は回転部材351の前方側に配置されている。つまり、植毛部313と植毛部353とは、使用状態であるときに付属ブラシ300の先端に配置されている。付属ブラシ300では、回転部材311と植毛部313とは互いに一体に形成され、回転部材351と植毛部353とは互いに一体に形成されている。ただし、回転部材311と植毛部313とがそれぞれ別部材で形成され、回転部材351と植毛部353とがそれぞれ別部材で形成されていてもよい。
【0059】
図3と図4とに示すように、植毛部353は、略前方から見て直線状に形成されている。ただし、植毛部353は、略前方から見て直線状に形成されていることに限定されない。植毛部353は、回転部材311の植毛部313のように略U字状であってもよい。つまり、植毛部353は、図4に示す直線状のものよりも植毛部353の左右方向の中心353cが図4の上方または下方に向かって凸状に突出するように曲がっていてもよい。
【0060】
なお、刷毛部310の刷毛312の形態と、刷毛部350の刷毛352の形態とは、それぞれ異なっていてもよく、互いに同一であってもよい。例えば、刷毛部310の刷毛312の剛性と、刷毛部350の刷毛352の剛性とは、それぞれ異なっていてもよい。刷毛312の長さと、刷毛352の長さとは、それぞれ異なっていてもよい。刷毛312の太さと、刷毛352の太さとは、それぞれ異なっていてもよい。刷毛312の材質と、刷毛352の材質とは、それぞれ異なっていてもよい。なお、刷毛312と刷毛352とは、それぞれ植毛部313と植毛部353とにおいて図4に示すように束状に形成されていなくてもよい。刷毛312と刷毛352とは、それぞれ植毛部313と植毛部353とにおいて隙間なく線状に配置されるように取り付けられていてもよい。付属ブラシ300では、束状の刷毛312と束状の刷毛352とが、それぞれ植毛部313と植毛部353とに等間隔に配置されている。
【0061】
刷毛312は、刷毛352よりも太く且つ硬い材質で構成されていることが好ましい。このようにすることにより、刷毛312はより広い範囲にて床面のごみを掻くことができ、付属ブラシ300が効率的にごみを掃くことができる。
【0062】
以下では、刷毛部310および刷毛部350の構成について説明する。図10に示すように、刷毛部310では、回転部材311は、ストッパ319とストッパ318とストッパ317とストッパ316と嵌合部315と嵌合部314と植毛部313とを有している。ストッパ319とストッパ318とストッパ317とストッパ316と嵌合部315と嵌合部314と植毛部313とは、回転部材311と一体に形成されている。ストッパ319とストッパ318とストッパ317と嵌合部315と嵌合部314とは、回転部材311の内周面330のうちの左右両側に設けられたリブ状の突起である。ストッパ316は、回転部材311の内周面330のうちの右側に設けられたリブ状の突起である(図3参照)。ただし、ストッパ316は、回転部材311の内周面330のうちの左側に設けられていてもよく、回転部材311の内周面330のうちの左右両側に設けられていてもよい。第1の突起としてのストッパ318と、第2の突起としてのストッパ319とは、回転部材311の内周面330のうち、接続部380の突起382が配置されている側に設けられていればよい。
【0063】
第1の嵌合部としての嵌合部314と、第2の嵌合部としての嵌合部315とは、軸Pを中心とする円環状の形状を有している。嵌合部315の径は嵌合部314の径よりも大きい。詳細には、嵌合部315の外周の径は嵌合部314の外周の径よりも大きい。図6に示すように、接続部380は、リブ状の突起である取付部383を有している。取付部383は、接続部380の左右の両側に配置されている。取付部383は、円柱状または円筒状の形状を有している。取付部383の外周面が嵌合部314の内周面に嵌り込むように、取付部383は嵌合部314に嵌合する。図6に示すように、刷毛部310が接続部380に取り付けられているときは、取付部383は、軸Pが延びる方向に延びている。このとき、取付部383が形成する円柱の断面は、軸Pを中心とする円である。ただし、取付部383は、嵌合部315の内周面と嵌合部314の外周面との間に嵌り込むように、軸Pを中心とする円環状の形状を有し、嵌合部315に嵌合するものであってもよい。
【0064】
図3に示すように、接続部380は、接続部380の右側に配置されたピン状の突起382を有している。図10に示すように、ピン状の突起382は、使用状態であるときには、ストッパ318に嵌り込むことにより、ストッパ318に固定されている。一方、図16に示すように、非使用状態であるときには、突起382は、ストッパ319に嵌り込むことにより、ストッパ319に固定されている。ただし、ピン状の突起382は、接続部380の左側に配置されていてもよく、接続部380の左右の両側に配置されていてもよい。接続部380の取付部383と嵌合部314または嵌合部315との嵌合により、取付部383と嵌合部314または嵌合部315とは、軸Pを中心に互いに相対的に回転する。このとき、回転部材311と接続部380とは、接続部380の突起382がストッパ318に固定されるときと突起382がストッパ319に固定されるときとの間で相対的に回転する。
【0065】
図10に示すように、刷毛部350の回転部材351は、脚部355と支持部354と植毛部353とを有している。脚部355は、回転部材351のうちの左右の両側に配置された円環状の部分である。支持部354は、付属ブラシ300が使用状態であるときに左右の脚部355からそれぞれ略前方に向かって延びた部分である。植毛部353は、支持部354の前端部に接続されている。脚部355と支持部354と植毛部353とが互いに一体に形成されることにより、回転部材351が構成されている。
【0066】
図10に示すように、回転部材351の脚部355は、脚部355の内周面が回転部材311の嵌合部315の外周面に嵌り込むように、嵌合部315に嵌合する。脚部355と嵌合部315との嵌合により、回転部材351と回転部材311とは、軸Pを中心に互いに相対的に回転することができる。図11に示すように、回転部材351は、凸部356と凸部357とを有している。凸部356と凸部357とは、脚部355と支持部354との接合部分に配置されるように、回転部材351と一体に形成されている。なお、凸部356と凸部357とは、図11に示すように、それぞれ分かれているものに限定されない。凸部356と凸部357とは、回転部材311にて互いに一体に形成されたリブ状部材により、リブ状部材の片側が凸部356を形成し且つ他方側が凸部357を形成するものであってもよい。
【0067】
図11に示すように、付属ブラシ300が使用状態であるときには、回転部材351の凸部356が回転部材311に形成されたストッパ317に接触する。一方、図17に示すように、付属ブラシ300が非使用状態であるときには、凸部357がストッパ316に接触する。このように、回転部材351と回転部材311とは、凸部356がストッパ317に接触するときと凸部357がストッパ316に接触するときとの間で相対的に回転する。
【0068】
以下では、付属ブラシ300が図6に示す使用状態から図13に示す非使用状態に変化するときの回転部材311と回転部材351と接続部380との相対回転について説明する。図10に示すように、付属ブラシ300が使用状態から非使用状態に変化するときには、回転部材311のストッパ318に嵌め込まれていた接続部380の突起382がストッパ318を乗り越えることにより、回転部材311が接続部380に対して回転し始める。回転部材311と接続部380との相対回転により、突起382がガイド面320に沿って移動し、且つ、接続部380の取付部383(図6参照)に対して回転部材311の嵌合部314が回転する。図10に示す回転部材311において、付属ブラシ300が使用状態から非使用状態に変化するときには、回転部材311は軸Pを中心として反時計回りに回転する。図11に示すように、ガイド面320は、回転部材311の内周面の縁に形成されたフランジ状の部分の面である。
【0069】
図10に示すように、突起382がガイド面320に沿って移動する間に、接続部380の軸部385(図6参照)が回転部材351の植毛部353に接触することにより、回転部材311の接続部380および回転部材351に対する回転が開始される。また、突起382がガイド面320に沿って移動する間に、回転部材351を含む刷毛部350の自重により、回転部材351の接続部380および回転部材311に対する回転が開始される。
【0070】
付属ブラシ300が図6に示す使用状態から図13に示す非使用状態に変化するときには、接続部380と回転部材351と回転部材311との相対回転が開始された後で、回転部材351は、軸部385が植毛部353に接触するときと回転部材351の凸部356がストッパ317に接触するときとの間で、回転部材311および接続部380に対して相対的に回転する。接続部380と回転部材351と回転部材311との相対回転が開始された後で、凸部357がストッパ316に接触するとき(図17参照)には、接続部380および回転部材311に対する回転部材351の回転が停止する。このとき、回転部材351は、植毛部353が接続部380の軸部385に接触すること(図6と図13とを参照)と、凸部356が回転部材311のストッパ316に接触する(図17参照)こととにより、接続部380および回転部材311に対して回転することが制限されている。
【0071】
接続部380の突起382(図10参照)がストッパ318を乗り越えることによって接続部380と回転部材351と回転部材311との相対回転が開始された後から、接続部380の突起382がストッパ319(図17参照)に固定されるまでの間において、少なくとも回転部材311が接続部380に対して回転する。図17に示すように、突起382がストッパ319に固定されるときには、接続部380と回転部材311との相対回転が制限されることにより、付属ブラシ300が非使用状態になる(図13参照)。この間において、回転部材351は、接続部380の軸部385に植毛部353が接触する(図6と図13とを参照)ときと凸部357が回転部材311のストッパ316に接触する(図17参照)ときとの間にて、接続部380および回転部材311に対して回転する。
【0072】
図3に示すように、使用状態のときには、略前方から見て刷毛部310と刷毛部350とが略環状の形状を形成している。このとき、電気掃除機1の使用者は、付属ブラシ300を用いることにより、家具の凹凸部分または部屋の隅等の場所を効率的に清掃することができる。
【0073】
次に、以下では、付属ブラシ300が図13に示す非使用状態から図6に示す使用状態に変化するときの回転部材311と回転部材351と接続部380との相対回転について説明する。図16に示すように、付属ブラシ300が非使用状態から使用状態に変化するときには、回転部材311のストッパ319に固定されていた接続部380の突起382がストッパ319を乗り越えることにより、回転部材311が接続部380に対して回転し始める。回転部材311と接続部380との相対回転により、突起382がガイド面320に沿って移動し、且つ、接続部380の取付部383(図13参照)に対して回転部材311の嵌合部314が回転する。図16に示す回転部材311において、付属ブラシ300が非使用状態から使用状態に変化するときには、回転部材311は軸Pを中心として時計回りに回転する。
【0074】
図16に示すように、回転部材311と接続部380(図13参照)との相対回転によって突起382がガイド面320に沿って移動する間に、接続部380の左右の両側に設けられたフランジ部384(図4参照)が回転部材351の左右の支持部354に接触することにより、回転部材311と接続部380および回転部材351との相対回転が開始される。
【0075】
付属ブラシ300が図13に示す非使用状態から図6に示す使用状態に変化するときには、回転部材311は、フランジ部384(図4参照)が支持部354に接触した後から接続部380の突起382がストッパ318に固定される(図10参照)まで、接続部380および回転部材351に対して回転する。図10に示すように、突起382がストッパ318に固定されるときには、接続部380と回転部材311との相対回転が制限されることにより、付属ブラシ300が使用状態になる(図6参照)。このとき、回転部材351は、支持部354が接続部380のフランジ部384に接触する(図4参照)ことおよび凸部356がストッパ317に接触する(図11参照)ことにより、接続部380および回転部材311に対して回転することが制限されている。
【0076】
図13に示すように、付属ブラシ300では、非使用状態のときには、刷毛部310の刷毛312と刷毛部350の刷毛352とは、接続部380の軸部385が延びる方向と平行な方向に前方Frから後方Rrに向かって延びている。このとき、図16に示すように、突起382がストッパ319に嵌り込んでいることによって刷毛部310と接続部380とが互いに固定されている。またこのとき、図13に示すように、刷毛部310は接続部380を囲んでいる。ただし、刷毛312と刷毛352とが延びる方向は、接続部380の軸部385が延びる方向と略平行な方向であれば、前方Frから後方Rrに向かう方向から傾斜していてもよい。
【0077】
図6と図13とを参照するように、付属ブラシ300では、刷毛部350の植毛部353が接続部380の軸部385に接触する事態が起こるにしても、刷毛部350の刷毛352は、接続部380と干渉することがない。さらに、上述のように、接続パイプ103と接続部380とは、柔軟に曲がることがないように硬性材料で構成されている。そのため、付属ブラシ300が非使用状態のときに、硬性材料で構成された接続部380または接続パイプ103等の吸気通路200を構成する部材と、刷毛312および刷毛352とが干渉することがない。
【0078】
図3に示すように、刷毛部310の刷毛312は、植毛部313のうちの刷毛312が取り付けられる面に対して刷毛312が垂直方向に延びるように、植毛部313に固定されている。刷毛部310では、植毛部313を含めた回転部材311の形状が適宜変更されることにより、植毛部313に固定される刷毛312が延びる方向が適宜決定される。ただし、刷毛312が延びる方向は、植毛部313に刷毛312が固定されるときの角度により、適宜決定されていてもよい。
【0079】
一方、刷毛部350の刷毛352は、植毛部353のうちの刷毛352が取り付けられる面に対して刷毛352が垂直方向に延びるように、植毛部353に固定されている。図10に示すように、刷毛部350では、支持部354に対して植毛部353が接続される角度または位置等が適宜変更されるように、支持部354と植毛部353と脚部355との形状が形成されることにより、植毛部353に固定される刷毛352が延びる方向が適宜決定される。ただし、刷毛352が延びる方向は、植毛部353に刷毛352が固定されるときの角度により、適宜決定されていてもよい。
【0080】
以上のように、電気掃除機1は、本体100と、延長管102と接続パイプ103とサクションホース104と連結管105と、付属ブラシ300とを備えている。延長管102と接続パイプ103とサクションホース104と連結管105とは、本体100に吸い込まれる吸気が流通する吸気通路200を構成している。付属ブラシ300は、接続部380と刷毛部310と刷毛部350とを有している。接続部380は、吸気通路200を構成する部材に取り付けられている。また、接続部380は、略円筒状の軸部385を有している。
【0081】
第1の刷毛部としての刷毛部310は、回転部材311と刷毛312とを有している。第1の回転部材としての回転部材311は、付属ブラシ300を使用して家具の凹凸部分または部屋の隅等の場所を掃除する使用状態と付属ブラシ300を使用せずに掃除する非使用状態との間にて軸線Pを中心に接続部380と相対回転し、略U字状の断面を有している。刷毛部310の刷毛312は、回転部材311に略U字状に配置されるように固定されている。また、第2の刷毛部としての刷毛部350は、回転部材351と刷毛352とを有している。第2の回転部材としての回転部材351は、使用状態と非使用状態との間にて軸線Pを中心に接続部380と相対回転する。刷毛部350の刷毛352は、回転部材351に固定されている。
【0082】
電気掃除機1では、使用状態のときには、回転部材311と回転部材351とによって略環状の形状が形成されている。一方、非使用状態のときには、刷毛部310の刷毛312と刷毛部350の刷毛352とが、接続部380の軸部385が延びる方向と略平行な方向に延びている。
【0083】
このように、電気掃除機1の付属ブラシ300は、接続部380と刷毛部310と刷毛部350との間の相対回転のみによって使用状態と非使用状態とが変化するような簡易な構成を有している。すなわち、電気掃除機1の付属ブラシ300は、使用状態と非使用状態との間で変化するための付勢部材等を有していないため、簡易な構成を有している。
【0084】
また、付属ブラシ300が非使用状態であるときには、刷毛部310の刷毛312と刷毛部350の刷毛352とは、接続部380の軸部385が延びる方向と平行な方向に延びている。このように、電気掃除機1の付属ブラシ300では、付属ブラシ300を使用せずに家具の凹凸部分または部屋の隅等の場所を掃除するときに、接続部380の軸部385と刷毛312および刷毛352とが干渉することがないように構成されている。このように、電気掃除機1の付属ブラシ300は、刷毛312および刷毛352が汚れたり傷んだりすることなく、所定の非使用状態に適切に変化する。
【0085】
電気掃除機1では、非使用状態のときには、刷毛部310が接続部380を囲むように刷毛部310と接続部380とが互いに固定されている。
【0086】
この構成によれば、非使用状態のときに刷毛部310が接続部380を囲むように刷毛部310と接続部380とが互いに固定されることにより、付属ブラシ300は、接続部380が吸気通路200を構成する部材に取り付けられたまま非使用状態に変化することができる。
【0087】
以上のように、付属ブラシ300は、軸部385を有する接続部380と第1の刷毛部としての刷毛部310と第2の刷毛部としての刷毛部350とを備えている。軸部385は、略円筒状の形状を有している。刷毛部310は、第1の回転部材としての回転部材311と、回転部材311に固定された刷毛312とを有している。また、刷毛部350は、第2の回転部材としての回転部材351と、回転部材351に固定された刷毛352とを有している。
【0088】
回転部材311は、使用状態と非使用状態との間にて軸Pを中心に接続部380と相対回転する。また、回転部材311は、使用状態において、前方Frから下方に下がった方向から見て、略U字状の形状を有している。刷毛部310の刷毛312は、回転部材311の植毛部313に略U字状に配置されるように固定されている。このとき、刷毛部310の刷毛312は、前方Frよりも下方に下がった方向に向かって延びている。
【0089】
回転部材351は、使用状態と非使用状態との間にて軸Pを中心に刷毛部310または接続部380と相対回転する。また、回転部材351は、使用状態において軸Pが延びる方向に線状に延びている。刷毛部350の刷毛352は、回転部材351と平行な方向に線状に配置されるように回転部材351の植毛部353に固定されている。このとき、刷毛部350の刷毛352は、前方Frよりも下方に下がった方向として下方Dに近い方向に向かって延びている。
【0090】
さらに、付属ブラシ300では、使用状態のときには、前方Frよりも下方に下がった方向から見て回転部材311と回転部材351とによって略環状の形状が形成されている。一方、非使用状態のときには、刷毛部310が接続部380を囲むように刷毛部310と接続部380とが互いに固定され、且つ、刷毛部310の刷毛312と刷毛部350の刷毛352とが、接続部380の軸部385が延びる方向と平行な方向に前方Frから後方Rrに向かって延びている。
【0091】
本実施形態によれば、付属ブラシ300が接続部380と刷毛部310と刷毛部350とを備え、刷毛部310が軸Pを中心に接続部380に対して回転し、且つ、刷毛部350が軸Pを中心に接続部380または刷毛部310に対して回転することにより、使用状態と非使用状態とが変化するように構成されている。つまり、付属ブラシ300は、接続部380と刷毛部310と刷毛部350との間の相対回転のみによって使用状態と非使用状態とが変化するような簡易な構成を有している。このように、付属ブラシ300は、使用状態と非使用状態との間で変化するための付勢部材等を有していないため、簡易な構成を有している。
【0092】
また、付属ブラシ300が非使用状態であるときには、刷毛部310の刷毛312と刷毛部350の刷毛352とは、接続部380の軸部385が延びる方向と平行な方向に前方Frから後方Rrに向かって延びている。このように、付属ブラシ300では、非使用状態であるときに、接続部380の軸部385を含む吸気通路200を構成する部材と刷毛312および刷毛352とが干渉することがないように構成されている。このように、付属ブラシ300は、刷毛312および刷毛352が汚れたり傷んだりすることなく、使用状態から非使用状態に適切に変化する。
【0093】
一方、付属ブラシ300が使用状態であるときには、前方Frよりも下方に下がった方向から見て刷毛部310と刷毛部350とによって略環状の形状が形成されることにより、刷毛312と刷毛352とが付属ブラシ300の先端である植毛部313と植毛部353とに略環状に配置される。
【0094】
したがって、付属ブラシ300は、簡易な構成を有し且つ非使用状態と使用状態とに適切に変化することが可能である。また、付属ブラシ300では、非使用状態から使用状態に変化するときには刷毛312と刷毛352とが付属ブラシ300の先端に略環状に配置される。
【0095】
付属ブラシ300において、回転部材311は、嵌合部314と、ストッパ318およびストッパ319とを有している。嵌合部314は、回転部材311の内周面330のうちの左右両側に設けられ且つ軸Pを中心とする円環状の形状を有している。また、ストッパ318およびストッパ319は、回転部材311の内周面330の右側に設けられている。一方、接続部380は、取付部383と突起382とを有している。取付部383は、接続部380の左右の両側に配置され、円柱状または円筒状の形状を有し、且つ回転部材311の嵌合部314に嵌合する。突起382は、接続部380の右側に配置されている。さらに、突起382は、使用状態であるときにはストッパ318に固定され、非使用状態であるときにはストッパ319に固定されている。
【0096】
この構成によれば、接続部380の左右の両側に配置された円柱状または円筒状の取付部383は、軸Pを中心とする円環状の嵌合部314に嵌合する。これにより、刷毛部310は、接続部380に対して軸Pを中心に回転することができる。さらに、使用状態であるときには、ストッパ318に突起382が固定されることにより、回転部材311と接続部380とが互いに固定される。一方、非使用状態であるときには、ストッパ319に突起382が固定されることにより、回転部材311と接続部380とが互いに固定される。
【0097】
このようにして、使用状態と非使用状態との間で刷毛部310が接続部380に対して軸Pを中心に回転することができる。
【0098】
付属ブラシ300において、回転部材311は、嵌合部315を有している。嵌合部315は、回転部材311の内周面330のうちの左右両側に設けられ且つ軸Pを中心とする円環状の形状を有している。また、回転部材351は、脚部355を有している。脚部355は、回転部材351の左右の両側に配置され、円環状の形状を有し、且つ回転部材311の嵌合部315に嵌合する。
【0099】
この構成によれば、円環状の脚部355は、軸Pを中心とする円環状の嵌合部315に嵌合する。これにより、回転部材351を有する刷毛部350は、刷毛部310に対して回転することができる。さらに、回転部材311を有する刷毛部310が接続部380に対して回転することができるため、刷毛部350が刷毛部310に対して回転することにより、刷毛部350が接続部380に対して回転する。
【0100】
付属ブラシ300では、刷毛部310の刷毛312の形態と、刷毛部350の刷毛352の形態とは、それぞれ異なっている。
【0101】
この構成によれば、刷毛部310の刷毛312の形態と刷毛部350の刷毛352の形態との違いにより、付属ブラシ300に係る清掃の性能がより向上する。
【0102】
電気掃除機1では、付属ブラシ300の接続部380は、吸気通路200を構成する部材としての延長管102と接続パイプ103との接続部分23に着脱自在に取り付けられている。これにより、付属ブラシ300の利便性がより向上する。
【0103】
付属ブラシ300は、簡易な構成を有し且つ非使用状態と使用状態とに適切に変化することが可能であり、且つ、非使用状態から使用状態に変化するときには刷毛312と刷毛352とが付属ブラシ300の先端に略環状に配置される。したがって、付属ブラシ300を備えた電気掃除機1は、家具の凹凸部分または部屋の隅等の場所を効率的に清掃することができる。これにより、電気掃除機1の利便性等が向上する。
【0104】
以上のように、本実施形態によれば、簡易な構成を有し且つ所定の使用状態から所定の非使用状態に適切に変化することが可能な付属ブラシ300であって、所定の非使用状態から所定の使用状態に変化するときには刷毛312と刷毛352とが植毛部313と植毛部353とに略環状に配置される付属ブラシ300を備えた電気掃除機1を提供することができる。
【0105】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【符号の説明】
【0106】
1:電気掃除機、300:付属ブラシ、310:刷毛部、311:回転部材、312:刷毛、314:嵌合部、315:嵌合部、318:ストッパ、319:ストッパ、330:内周面、350:刷毛部、351:回転部材、352:刷毛、355:脚部、380:接続部、382:突起、383:取付部、385:軸部、P:軸
【技術分野】
【0001】
この発明は、付属ブラシを備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
家具の凹凸部分または部屋の隅等の場所を掃除する際に、電気掃除機のホースまたはホースに接続された延長管に取り付けられる電気掃除機の付属ブラシが従来から提供されている。電気掃除機の使用者は、狭い場所等に散らばった埃等を付属ブラシの刷毛の部分で掃くことにより、これらの埃等を電気掃除機に吸い込ませる。このように、電気掃除機の使用者は、付属ブラシを用いることにより、家具の凹凸部分または部屋の隅等の場所を効率的に清掃することができる。
【0003】
従来の付属ブラシとして、特開2005−185480号公報(以下では特許文献1という)に係る電気掃除機のブラシ部と、特開2000−325277号公報(以下では特許文献2という)に係る電気掃除機の吸込口アタッチメントとが知られている。特許文献1に係る電気掃除機のブラシ部では、ブラシ部の先端に略U字状に並ぶようにブラシ糸が配置されている。また、特許文献2に記載された吸込口アタッチメントでも、アタッチメントの先端に略U字状に並ぶようにブラシが配置されている。
【0004】
このように、例えば特許文献1に係る電気掃除機のブラシ部では、ブラシが略U字状に並んでいる場合は、ブラシが略環状に並んでいる場合と比べ、ブラシの毛が存在しない隙間が大きくなる。この隙間が大きい程、電気掃除機が埃等を吸い込むときの吸塵効果が低下する。
【0005】
一方、特開2006−81948号公報(以下では特許文献3という)に記載されているように、吸込具の先端に略環状に配置された刷毛を有した電気掃除機の吸込具が知られている。また、特開2005−334041号公報(以下では特許文献4という)に係る電気掃除機のアタッチメントは、当該アタッチメントの先端に略環状に配置された毛ブラシを有している。
【0006】
このように、特許文献3に記載された吸引具および特許文献4に記載されたアタッチメントは、特許文献1に記載されたブラシ部および特許文献2に記載された吸込口アタッチメントと異なり、それぞれ毛ブラシ等がアタッチメントの先端に略環状に配置されている。
【0007】
そのため、特許文献3に係る電気掃除機および特許文献4に係る電気掃除機では、特許文献1に係る電気掃除機および特許文献2に係る電気掃除機に比べ、電気掃除機が埃等を吸い込むときに吸塵効果が低下することが抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−185480号公報
【特許文献2】特開2000−325277号公報
【特許文献3】特開2006−81948号公報
【特許文献4】特開2005−334041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献3に係る電気掃除機の吸引具では、吸込具が使用されないときは、吸込具の刷毛が、延長管の内壁に沿って延長管の内部を摺動しながら、電気掃除機のホースの延長管に収納される。また、吸込具の先端部が延長管に収納されるときには、当該吸込具から刷毛が延びる方向に刷毛を付勢する付勢部材が圧縮され、刷毛が吸込具の内部に収納される。吸込具を使用する使用状態のときは、延長管を当該吸込具から取り外す。このとき、付勢部材が刷毛を押圧することにより、圧縮された状態から使用可能な長さにまで刷毛の長さが変化する。
【0010】
特許文献3に係る電気掃除機の吸引具では、上述のように、吸込具の先端部が延長管に収納されるときには、付勢部材が圧縮されることによって刷毛が吸込具の内部に収納され、吸込具を使用する際には、付勢部材が刷毛を押圧することにより、圧縮された状態から使用可能な長さにまで刷毛の長さが変化する。このように、特許文献3に係る電気掃除機の吸引具では、吸引具を延長管に収容している状態から吸引具を使用することが可能な状態に変化させるまでに必要な構成が複雑である。さらに、これにより、吸引具の重量が増加する。
【0011】
また、特許文献3に係る電気掃除機の吸引具を延長管に収容している状態では、吸込具の刷毛が延長管の内壁に触れることにより、内壁に付着している埃等が刷毛に付着して刷毛が汚れたり刷毛が傷んだりする恐れがある。また、吸込具の刷毛が延長管の外側に触れることにより、延長管が汚れてしまう恐れがある。そのため、吸引具を使用しないときに、延長管が汚れたり、また吸引具の刷毛が汚れたり傷んだりすることなく、所定の非使用状態に適切に変化させることが可能な吸引具が望まれている。
【0012】
一方、特許文献4に記載されたアタッチメントでは、アタッチメントが使用されない非使用状態のときは、アタッチメントは吸込口体の台座部に接続されている。このとき、アタッチメントの毛ブラシが台座部の外部に露出している。
【0013】
特許文献4に係る電気掃除機のアタッチメントを台座部に接続している状態では、アタッチメントの毛ブラシが吸込口体または台座部に触れることにより、吸込口体に付着している埃等が毛ブラシに付着して毛ブラシが汚れたり毛ブラシが傷んだりする恐れがある。また、アタッチメントの毛ブラシが吸込口体の外側に触れることにより、吸込口体が汚れてしまう恐れがある。
【0014】
そこで、この発明の目的は、簡易な構成を有し且つ所定の使用状態から所定の非使用状態に適切に変化することが可能な付属ブラシであって、所定の非使用状態から所定の使用状態に変化するときには刷毛が付属ブラシの先端に略環状に配置される付属ブラシを備えた電気掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明に従った電気掃除機は、本体と、部材と、付属ブラシとを備えている。
部材は、本体に吸い込まれる吸気が流通する吸気通路を構成している。付属ブラシは、接続部と第1の刷毛部と第2の刷毛部とを有している。付属ブラシの接続部は、部材に取り付けられている。また、付属ブラシの接続部は、略円筒状の軸部を有している。
【0016】
第1の刷毛部は、第1の回転部材と刷毛とを有している。第1の回転部材は、当該付属ブラシを使用して対象場所を掃除する使用状態と当該付属ブラシを使用せずに対象場所を掃除する非使用状態との間にて軸線を中心に接続部と相対回転し、略U字状の断面を有している。第1の刷毛部の刷毛は、第1の回転部材に略U字状に配置されるように固定されている。また、第2の刷毛部は、第2の回転部材と刷毛とを有している。第2の回転部材は、使用状態と非使用状態との間にて軸線を中心に接続部と相対回転する。第2の刷毛部の刷毛は、第2の回転部材に固定されている。
【0017】
この発明に従った電気掃除機では、使用状態のときには、第1の回転部材と第2の回転部材とによって略環状の形状が形成されている。一方、非使用状態のときには、第1の刷毛部の刷毛と第2の刷毛部の刷毛とが、接続部の軸部が延びる方向と略平行な方向に延びている。
【0018】
このように、この発明に従った電気掃除機の付属ブラシは、接続部と第1の刷毛部と第2の刷毛部との間の相対回転のみによって使用状態と非使用状態とが変化するような簡易な構成を有している。すなわち、この発明に従った電気掃除機の付属ブラシは、使用状態と非使用状態との間で変化するための付勢部材等を有していないため、簡易な構成を有している。
【0019】
また、当該付属ブラシが非使用状態であるときには、第1の刷毛部の刷毛と第2の刷毛部の刷毛とは、接続部の軸部が延びる方向と平行な方向に延びている。このように、この発明に従った電気掃除機の付属ブラシでは、当該付属ブラシを使用しないときに、接続部の軸部と刷毛とが干渉することがないように構成されている。このように、この発明に従った電気掃除機の付属ブラシは、刷毛が汚れたり傷んだりすることなく、所定の非使用状態に適切に変化する。
【0020】
この発明に従った電気掃除機では、非使用状態のときには、第1の刷毛部が接続部を囲むように第1の刷毛部と接続部とが互いに固定されていることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、非使用状態のときに第1の刷毛部が接続部を囲むように第1の刷毛部と接続部とが互いに固定されることにより、付属ブラシは、接続部が吸気通路を構成する部材に取り付けられたまま非使用状態に変化することができる。
【0022】
この発明に従った付属ブラシは、軸部を有する接続部と第1の刷毛部と第2の刷毛部とを備えている。接続部の軸部は、略円筒状の形状を有している。第1の刷毛部は、第1の回転部材と、第1の回転部材に固定された刷毛とを有している。また、第2の刷毛部は、第2の回転部材と、第2の回転部材に固定された刷毛とを有している。
【0023】
第1の回転部材は、当該付属ブラシを使用する使用状態と当該付属ブラシを使用しない非使用状態との間にて軸線を中心に接続部と相対回転する。また、第1の回転部材は、使用状態において、軸線が水平方向に延びるように見える方向である略前方から見て、略U字状の形状を有している。第1の刷毛部の刷毛は、第1の回転部材に略U字状に配置されるように固定されている。このとき、第1の刷毛部の刷毛は、略前方に向かって延びている。
【0024】
第2の回転部材は、使用状態と非使用状態との間にて軸線を中心に第1の刷毛部または接続部と相対回転する。また、第2の回転部材は、使用状態において軸線が延びる方向に線状に延びている。第2の刷毛部の刷毛は、第2の回転部材と平行な方向に線状に配置されるように第2の回転部材に固定されている。このとき、第2の刷毛部の刷毛は、略前方に向かって延びている。
【0025】
さらに、この発明に従った付属ブラシでは、使用状態のときには、略前方から見て第1の回転部材と第2の回転部材とによって略環状の形状が形成されている。一方、非使用状態のときには、第1の刷毛部が接続部を囲むように第1の刷毛部と接続部とが互いに固定され、且つ、第1の刷毛部の刷毛と第2の刷毛部の刷毛とが、接続部の軸部が延びる方向と略平行な方向に略前方から略後方に向かって延びている。略後方は、略前方の反対方向である。
【0026】
この発明によれば、当該付属ブラシが接続部と第1の刷毛部と第2の刷毛部とを備え、第1の刷毛部が軸線を中心に接続部に対して回転し、且つ、第2の刷毛部が軸線を中心に接続部または第1の刷毛部に対して回転することにより、使用状態と非使用状態とが変化するように構成されている。つまり、この発明に従った付属ブラシは、接続部と第1の刷毛部と第2の刷毛部との間の相対回転のみによって使用状態と非使用状態とが変化するような簡易な構成を有している。このように、この発明に従った付属ブラシは、使用状態と非使用状態との間で変化するための付勢部材等を有していないため、簡易な構成を有している。
【0027】
また、当該付属ブラシが非使用状態であるときには、第1の刷毛部の刷毛と第2の刷毛部の刷毛とは、接続部の軸部が延びる方向と平行な方向に略前方から略後方に向かって延びている。このように、この発明に従った付属ブラシでは、当該付属ブラシを使用しないときに、接続部の軸部と刷毛とが干渉することがないように構成されている。このように、この発明に従った付属ブラシは、刷毛が汚れたり傷んだりすることなく、所定の非使用状態に適切に変化する。
【0028】
一方、当該付属ブラシが使用状態であるときには、略前方から見て第1の回転部材と第2の回転部材とによって略環状の形状が形成されることにより、第1の刷毛部の刷毛と第2の刷毛部の刷毛とが付属ブラシの先端に略環状に配置される。
【0029】
したがって、この発明に従った付属ブラシは、簡易な構成を有し且つ所定の非使用状態と所定の使用状態とに適切に変化することが可能である。また、この発明に従った付属ブラシでは、所定の非使用状態から所定の使用状態に変化するときには刷毛が付属ブラシの先端に略環状に配置される。
【0030】
この発明に従った電気掃除機において、第1の回転部材は、第1の嵌合部と、第1の突起および第2の突起とを有していることが好ましい。第1の嵌合部は、第1の回転部材の内周面のうちの左右両側に設けられ且つ軸線を中心とする円環状の形状を有していることが好ましい。また、第1の突起および第2の突起は、第1の回転部材の内周面のうちの左側または右側に設けられていることが好ましい。一方、接続部は、取付部と突起とを有していることが好ましい。取付部は、接続部の左右の両側に配置され、円柱状または円筒状の形状を有し、且つ第1の回転部材の第1の嵌合部に嵌合する。突起は、接続部の左側または右側のうち、第1の回転部材の第1の突起および第2の突起が配置された側に配置されていることが好ましい。さらに、接続部の突起は、使用状態であるときには第1の回転部材の第1の突起に固定され、非使用状態であるときには第1の回転部材の第2の突起に固定されていることが好ましい。
【0031】
この構成によれば、接続部の左右の両側に配置された円柱状または円筒状の取付部は、軸線を中心とする円環状の第1の嵌合部に嵌合する。これにより、第1の刷毛部は、接続部に対して軸線を中心に回転することができる。さらに、使用状態であるときには、第1の回転部材の第1の突起に接続部の突起が固定されることにより、第1の回転部材と接続部とが互いに固定される。一方、非使用状態であるときには、第1の回転部材の第2の突起に接続部の突起が固定されることにより、第1の回転部材と接続部とが互いに固定される。
【0032】
このようにして、使用状態と非使用状態との間で第1の刷毛部が接続部に対して軸線を中心に回転することができる。
【0033】
この発明に従った電気掃除機において、第1の回転部材は、第2の嵌合部を有していることが好ましい。第2の嵌合部は、第1の回転部材の内周面のうちの左右両側に設けられ且つ軸線を中心とする円環状の形状を有していることが好ましい。また、第2の回転部材は、脚部を有していることが好ましい。脚部は、第2の回転部材の左右の両側に配置され、円環状の形状を有し、且つ第1の回転部材の第2の嵌合部に嵌合することが好ましい。
【0034】
この構成によれば、円環状の第2の回転部材の脚部は、軸線を中心とする円環状の第2の嵌合部に嵌合する。これにより、第2の回転部材は、第1の刷毛部に対して回転することができる。さらに、第1の回転部材が接続部に対して回転することができるため、第2の回転部材が第1の回転部材に対して回転することにより、第2の回転部材が接続部に対して回転する。
【0035】
この発明に従った電気掃除機では、第1の刷毛部の刷毛の形態と、第2の刷毛部の刷毛の形態とは、それぞれ異なっていることが好ましい。
【0036】
この構成によれば、第1の刷毛部の刷毛の形態と第2の刷毛部の刷毛の形態との違いにより、当該付属ブラシに係る清掃の性能がより向上する。
【0037】
この発明に従った電気掃除機では、付属ブラシの接続部は、吸気通路を構成する部材に着脱自在に取り付けられていることが好ましい。
【0038】
この構成によれば、付属ブラシの利便性がより向上する。
【0039】
上述のように、この発明に従った電気掃除機の付属ブラシは、簡易な構成を有し且つ所定の非使用状態と所定の使用状態とに適切に変化することが可能であり、且つ、所定の非使用状態から所定の使用状態に変化するときには刷毛が付属ブラシの先端に略環状に配置される。したがって、この発明に従った付属ブラシを備えた電気掃除機は、家具の凹凸部分または部屋の隅等の場所を効率的に清掃することができることにより、電気掃除機の利便性等が向上する。
【発明の効果】
【0040】
以上のように、この発明によれば、簡易な構成を有し且つ使用状態から非使用状態に適切に変化することが可能な付属ブラシであって、非使用状態から使用状態に変化するときには刷毛が付属ブラシの先端に略環状に配置される付属ブラシを備えた電気掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明に係る電気掃除機の全体を示す斜視図である。
【図2】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの付属ブラシおよび接続パイプを付属ブラシの左方から見た図である。
【図3】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの付属ブラシの全体を示す斜視図である。
【図4】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの付属ブラシの全体を第1の刷毛部の正面から見た図である。
【図5】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの付属ブラシの全体を付属ブラシの正面から見た図である。
【図6】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの付属ブラシの全体を付属ブラシの左方から見た図である。
【図7】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの付属ブラシの全体を付属ブラシの後方から見た図である。
【図8】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの第1の刷毛部と第2の刷毛部とをそれぞれの左方から見た図である。
【図9】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの第1の刷毛部と第2の刷毛部とをそれぞれの下方から見た図である。
【図10】図9のX−X線の断面図である。
【図11】図9のXI−XI線の断面図である。
【図12】図9のXII−XII線の断面図である。
【図13】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが非使用状態であるときの付属ブラシの全体を付属ブラシの左方から見た図である。
【図14】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが非使用状態であるときの第1の刷毛部と第2の刷毛部とをそれぞれの左方から見た図である。
【図15】この発明に係る電気掃除機の付属ブラシが使用状態であるときの第1の刷毛部と第2の刷毛部とをそれぞれの下方から見た図である。
【図16】図15のXVI−XVI線の断面図である。
【図17】図15のXVII−XVII線の断面図である。
【図18】図15のXVIII−XVIII線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0043】
図1に示すように、電気掃除機1は、吸込口を有する吸込口体101と、本体100と、延長管102と、接続パイプ103と、サクションホース104と、連結管105とを備えている。本体100は、吸気を発生させる電動送風機(図示せず)と塵埃捕集室(図示せず)とを収容する。吸込口体101には、延長管102、接続パイプ103、サクションホース104、連結管105が順次接続されている。延長管102と接続パイプ103とサクションホース104と連結管105とは、吸気通路200を形成する。吸気通路200は、吸込口体101と本体100とを接続する。
【0044】
接続パイプ103は、グリップ36を有している。また、なお、吸気通路200において、吸込口体101が配置されている方が吸気通路200の前方であり、且つ、連結管105が配置されている方が吸気通路200の後方である。
【0045】
サクションホース104は、連結管105を介して本体100に接続されている。接続パイプ103のグリップ36には、操作部4が配置されている。使用者が操作部4を操作することにより、例えば電動送風機の駆動と駆動停止とが切り替えられる。
【0046】
延長管102は、用途に合わせて使用者が長さを調節することが可能であるように、途中で分割されたり、二重構造の伸縮式にされたりしてもよい。サクションホース104は、柔軟に曲がるように構成されている。一方、吸込口体101と延長管102と接続パイプ103と連結管105とは、柔軟に曲がることがないように樹脂またはプラスチック等の硬性材料で構成されている。
【0047】
本体100には、本体100を床面上で移動可能に支持する車輪106が設けられている。また、本体100は、通常、使用者が本体100を持ち上げるためのハンドル(図示せず)を有している。ただし、本体100は、ハンドルを有していなくてもよい。
【0048】
また、電気掃除機1は、付属ブラシ300を備えている。付属ブラシ300は、吸気通路200を構成する部材に着脱自在に取り付けられる。図1に示すように、電気掃除機1では、付属ブラシ300を使用しない非使用状態において、付属ブラシ300は、延長管102と接続パイプ103との接続部分23に着脱自在に取り付けられている。ただし、付属ブラシ300を使用しない非使用状態において、付属ブラシ300は、接続部分23から取り外されていてもよい。また、付属ブラシ300は、吸気通路200を構成する部材に固定されていてもよい。
【0049】
図2に示すように、付属ブラシ300を使用する使用状態において、付属ブラシ300は、接続パイプ103の先端部61の外周に着脱自在に取り付けられている。なお、付属ブラシ300を使用しない非使用状態においても、付属ブラシ300は、接続パイプ103の先端部61の外周に着脱自在に取り付けられていてもよい。付属ブラシ300は、接続部380を有している。接続部380は、付属ブラシ300のうちの接続部分23(図1参照)に取り付けられる部分である。接続部380は、略円筒状に形成されている。
【0050】
接続部380は、略円筒状の形状を有する軸部385を有している。図4に示すように、軸部385の上側は切り欠けられている。この切り欠けられた部分を切り欠き部381と称する。図2に示すように、付属ブラシ300が接続パイプ103の先端部61の外周に取り付けられているときには、接続部380の内径D1は先端部61の外径D2と略等しい。
【0051】
ただし、付属ブラシ300を使用する使用状態において、付属ブラシ300は、接続パイプ103の先端部61に取り付けられることに限定されない。使用状態において、付属ブラシ300は、接続パイプ103以外の延長管102またはサクションホース104に着脱自在に取り付けられるものであってもよい。このとき、付属ブラシ300は、延長管102またはサクションホース104の外周に取り付けられていてもよい。また、付属ブラシ300は、延長管102、接続パイプ103、またはサクションホース104の内周に取り付けられていてもよい。
【0052】
図3に示すように、付属ブラシ300は、第1の刷毛部としての刷毛部310と、第2の刷毛部としての刷毛部350とを有している。刷毛部310は、第1の回転部材としての回転部材311と、回転部材311に固定された刷毛312とを有している。また、刷毛部350は、第2の回転部材としての回転部材351と、回転部材351に固定された刷毛352とを有している。回転部材311と回転部材351と接続部380とは、柔軟に曲がることがないように硬性材料で構成されている。
【0053】
図2に示すように、付属ブラシ300が非使用状態から使用状態に変化するときは、刷毛部310と刷毛部350とは、接続部380に対して軸Pを中心として方向DR1に回転する。一方、付属ブラシ300が使用状態から非使用状態に変化するときは、刷毛部310と刷毛部350とは、接続部380に対して軸Pを中心として方向DR2に回転する。
【0054】
図2〜図18において、符号Fr、Rr、U、D、R、Lは、付属ブラシ300のそれぞれ前方、後方、上方、下方、右方、左方を示している。図4または図5に示す軸Pは、水平方向に延びている。すなわち、図4の正面は、軸Pが水平方向に延びるような面である。また、図5の下方から上方に向かって付属ブラシ300を見る場合にも、軸Pが水平方向に延びている。図4に示す付属ブラシ300前後方向は、図4の紙面表裏方向(図4の紙面の垂直方向)から図4の上方に傾斜している。一方、図5の紙面の表から裏に向かう方向は、付属ブラシ300の前後方向である。図5の正面は、付属ブラシ300の正面である。なお、軸線としての軸Pは、回転部材311と回転部材351と接続部380の回転中心である。
【0055】
図2に示すように、回転部材311は、付属ブラシ300を使用する使用状態と付属ブラシ300を使用しない非使用状態との間にて軸Pを中心に接続部380に対して相対的に回転する。図4に示すように、回転部材311は、略前方から見て略U字状の形状を有している。言い換えると、回転部材311の断面は、略U字状の形状を有している。詳細には、回転部材311は、略前方から見て略U字状の形状が180度回転した形状を有している。刷毛部310の刷毛312は、回転部材311に略U字状に配置されるように固定されている。図2に示すように、刷毛部310の刷毛312は、使用状態であるときには略前方に向かって延びている。ここでいう略前方とは、前方Frよりも下方に下がった方向である。
【0056】
図2に示すように、回転部材351は、付属ブラシ300を使用する使用状態と付属ブラシ300を使用しない非使用状態との間にて軸Pを中心に接続部380および刷毛部310に対して相対的に回転する。図4に示すように、回転部材351は、略前方から見て軸Pが延びる方向に線状に延びている。刷毛部350の刷毛352は、回転部材351と平行な方向に線状に配置されるように回転部材351に固定されている。図4に示すように、刷毛部350の刷毛352は、使用状態であるときには略前方に向かって延びている。なお、図4の正面から付属ブラシ300を見る方向は、前方Frよりも下方に傾斜した方向から後方Rrよりも上方に傾斜した方向を指している。図2に示すように、刷毛部350の刷毛352は、使用状態であるときには前方Frよりも下方Dに近い方向に向かって延びている。
【0057】
図3に示すように、付属ブラシ300では、刷毛部310の刷毛312と、刷毛部350の刷毛352とは、それぞれ異なった方向に延びている。付属ブラシ300では、刷毛部350の刷毛352は、刷毛部310の刷毛312が延びる方向よりも下方に向かって延びている。このように、刷毛312が延びる方向よりも下方に向かって刷毛352が延びていることにより、付属ブラシ300の刷毛312と刷毛352とが形成する略円の寸法(円である場合は直径)を大きくすることができる。
【0058】
刷毛部310では、刷毛312は植毛部313に取り付けられ、刷毛部350では、刷毛352は植毛部353に取り付けられている。植毛部313は回転部材311の前方側に配置されており、植毛部353は回転部材351の前方側に配置されている。つまり、植毛部313と植毛部353とは、使用状態であるときに付属ブラシ300の先端に配置されている。付属ブラシ300では、回転部材311と植毛部313とは互いに一体に形成され、回転部材351と植毛部353とは互いに一体に形成されている。ただし、回転部材311と植毛部313とがそれぞれ別部材で形成され、回転部材351と植毛部353とがそれぞれ別部材で形成されていてもよい。
【0059】
図3と図4とに示すように、植毛部353は、略前方から見て直線状に形成されている。ただし、植毛部353は、略前方から見て直線状に形成されていることに限定されない。植毛部353は、回転部材311の植毛部313のように略U字状であってもよい。つまり、植毛部353は、図4に示す直線状のものよりも植毛部353の左右方向の中心353cが図4の上方または下方に向かって凸状に突出するように曲がっていてもよい。
【0060】
なお、刷毛部310の刷毛312の形態と、刷毛部350の刷毛352の形態とは、それぞれ異なっていてもよく、互いに同一であってもよい。例えば、刷毛部310の刷毛312の剛性と、刷毛部350の刷毛352の剛性とは、それぞれ異なっていてもよい。刷毛312の長さと、刷毛352の長さとは、それぞれ異なっていてもよい。刷毛312の太さと、刷毛352の太さとは、それぞれ異なっていてもよい。刷毛312の材質と、刷毛352の材質とは、それぞれ異なっていてもよい。なお、刷毛312と刷毛352とは、それぞれ植毛部313と植毛部353とにおいて図4に示すように束状に形成されていなくてもよい。刷毛312と刷毛352とは、それぞれ植毛部313と植毛部353とにおいて隙間なく線状に配置されるように取り付けられていてもよい。付属ブラシ300では、束状の刷毛312と束状の刷毛352とが、それぞれ植毛部313と植毛部353とに等間隔に配置されている。
【0061】
刷毛312は、刷毛352よりも太く且つ硬い材質で構成されていることが好ましい。このようにすることにより、刷毛312はより広い範囲にて床面のごみを掻くことができ、付属ブラシ300が効率的にごみを掃くことができる。
【0062】
以下では、刷毛部310および刷毛部350の構成について説明する。図10に示すように、刷毛部310では、回転部材311は、ストッパ319とストッパ318とストッパ317とストッパ316と嵌合部315と嵌合部314と植毛部313とを有している。ストッパ319とストッパ318とストッパ317とストッパ316と嵌合部315と嵌合部314と植毛部313とは、回転部材311と一体に形成されている。ストッパ319とストッパ318とストッパ317と嵌合部315と嵌合部314とは、回転部材311の内周面330のうちの左右両側に設けられたリブ状の突起である。ストッパ316は、回転部材311の内周面330のうちの右側に設けられたリブ状の突起である(図3参照)。ただし、ストッパ316は、回転部材311の内周面330のうちの左側に設けられていてもよく、回転部材311の内周面330のうちの左右両側に設けられていてもよい。第1の突起としてのストッパ318と、第2の突起としてのストッパ319とは、回転部材311の内周面330のうち、接続部380の突起382が配置されている側に設けられていればよい。
【0063】
第1の嵌合部としての嵌合部314と、第2の嵌合部としての嵌合部315とは、軸Pを中心とする円環状の形状を有している。嵌合部315の径は嵌合部314の径よりも大きい。詳細には、嵌合部315の外周の径は嵌合部314の外周の径よりも大きい。図6に示すように、接続部380は、リブ状の突起である取付部383を有している。取付部383は、接続部380の左右の両側に配置されている。取付部383は、円柱状または円筒状の形状を有している。取付部383の外周面が嵌合部314の内周面に嵌り込むように、取付部383は嵌合部314に嵌合する。図6に示すように、刷毛部310が接続部380に取り付けられているときは、取付部383は、軸Pが延びる方向に延びている。このとき、取付部383が形成する円柱の断面は、軸Pを中心とする円である。ただし、取付部383は、嵌合部315の内周面と嵌合部314の外周面との間に嵌り込むように、軸Pを中心とする円環状の形状を有し、嵌合部315に嵌合するものであってもよい。
【0064】
図3に示すように、接続部380は、接続部380の右側に配置されたピン状の突起382を有している。図10に示すように、ピン状の突起382は、使用状態であるときには、ストッパ318に嵌り込むことにより、ストッパ318に固定されている。一方、図16に示すように、非使用状態であるときには、突起382は、ストッパ319に嵌り込むことにより、ストッパ319に固定されている。ただし、ピン状の突起382は、接続部380の左側に配置されていてもよく、接続部380の左右の両側に配置されていてもよい。接続部380の取付部383と嵌合部314または嵌合部315との嵌合により、取付部383と嵌合部314または嵌合部315とは、軸Pを中心に互いに相対的に回転する。このとき、回転部材311と接続部380とは、接続部380の突起382がストッパ318に固定されるときと突起382がストッパ319に固定されるときとの間で相対的に回転する。
【0065】
図10に示すように、刷毛部350の回転部材351は、脚部355と支持部354と植毛部353とを有している。脚部355は、回転部材351のうちの左右の両側に配置された円環状の部分である。支持部354は、付属ブラシ300が使用状態であるときに左右の脚部355からそれぞれ略前方に向かって延びた部分である。植毛部353は、支持部354の前端部に接続されている。脚部355と支持部354と植毛部353とが互いに一体に形成されることにより、回転部材351が構成されている。
【0066】
図10に示すように、回転部材351の脚部355は、脚部355の内周面が回転部材311の嵌合部315の外周面に嵌り込むように、嵌合部315に嵌合する。脚部355と嵌合部315との嵌合により、回転部材351と回転部材311とは、軸Pを中心に互いに相対的に回転することができる。図11に示すように、回転部材351は、凸部356と凸部357とを有している。凸部356と凸部357とは、脚部355と支持部354との接合部分に配置されるように、回転部材351と一体に形成されている。なお、凸部356と凸部357とは、図11に示すように、それぞれ分かれているものに限定されない。凸部356と凸部357とは、回転部材311にて互いに一体に形成されたリブ状部材により、リブ状部材の片側が凸部356を形成し且つ他方側が凸部357を形成するものであってもよい。
【0067】
図11に示すように、付属ブラシ300が使用状態であるときには、回転部材351の凸部356が回転部材311に形成されたストッパ317に接触する。一方、図17に示すように、付属ブラシ300が非使用状態であるときには、凸部357がストッパ316に接触する。このように、回転部材351と回転部材311とは、凸部356がストッパ317に接触するときと凸部357がストッパ316に接触するときとの間で相対的に回転する。
【0068】
以下では、付属ブラシ300が図6に示す使用状態から図13に示す非使用状態に変化するときの回転部材311と回転部材351と接続部380との相対回転について説明する。図10に示すように、付属ブラシ300が使用状態から非使用状態に変化するときには、回転部材311のストッパ318に嵌め込まれていた接続部380の突起382がストッパ318を乗り越えることにより、回転部材311が接続部380に対して回転し始める。回転部材311と接続部380との相対回転により、突起382がガイド面320に沿って移動し、且つ、接続部380の取付部383(図6参照)に対して回転部材311の嵌合部314が回転する。図10に示す回転部材311において、付属ブラシ300が使用状態から非使用状態に変化するときには、回転部材311は軸Pを中心として反時計回りに回転する。図11に示すように、ガイド面320は、回転部材311の内周面の縁に形成されたフランジ状の部分の面である。
【0069】
図10に示すように、突起382がガイド面320に沿って移動する間に、接続部380の軸部385(図6参照)が回転部材351の植毛部353に接触することにより、回転部材311の接続部380および回転部材351に対する回転が開始される。また、突起382がガイド面320に沿って移動する間に、回転部材351を含む刷毛部350の自重により、回転部材351の接続部380および回転部材311に対する回転が開始される。
【0070】
付属ブラシ300が図6に示す使用状態から図13に示す非使用状態に変化するときには、接続部380と回転部材351と回転部材311との相対回転が開始された後で、回転部材351は、軸部385が植毛部353に接触するときと回転部材351の凸部356がストッパ317に接触するときとの間で、回転部材311および接続部380に対して相対的に回転する。接続部380と回転部材351と回転部材311との相対回転が開始された後で、凸部357がストッパ316に接触するとき(図17参照)には、接続部380および回転部材311に対する回転部材351の回転が停止する。このとき、回転部材351は、植毛部353が接続部380の軸部385に接触すること(図6と図13とを参照)と、凸部356が回転部材311のストッパ316に接触する(図17参照)こととにより、接続部380および回転部材311に対して回転することが制限されている。
【0071】
接続部380の突起382(図10参照)がストッパ318を乗り越えることによって接続部380と回転部材351と回転部材311との相対回転が開始された後から、接続部380の突起382がストッパ319(図17参照)に固定されるまでの間において、少なくとも回転部材311が接続部380に対して回転する。図17に示すように、突起382がストッパ319に固定されるときには、接続部380と回転部材311との相対回転が制限されることにより、付属ブラシ300が非使用状態になる(図13参照)。この間において、回転部材351は、接続部380の軸部385に植毛部353が接触する(図6と図13とを参照)ときと凸部357が回転部材311のストッパ316に接触する(図17参照)ときとの間にて、接続部380および回転部材311に対して回転する。
【0072】
図3に示すように、使用状態のときには、略前方から見て刷毛部310と刷毛部350とが略環状の形状を形成している。このとき、電気掃除機1の使用者は、付属ブラシ300を用いることにより、家具の凹凸部分または部屋の隅等の場所を効率的に清掃することができる。
【0073】
次に、以下では、付属ブラシ300が図13に示す非使用状態から図6に示す使用状態に変化するときの回転部材311と回転部材351と接続部380との相対回転について説明する。図16に示すように、付属ブラシ300が非使用状態から使用状態に変化するときには、回転部材311のストッパ319に固定されていた接続部380の突起382がストッパ319を乗り越えることにより、回転部材311が接続部380に対して回転し始める。回転部材311と接続部380との相対回転により、突起382がガイド面320に沿って移動し、且つ、接続部380の取付部383(図13参照)に対して回転部材311の嵌合部314が回転する。図16に示す回転部材311において、付属ブラシ300が非使用状態から使用状態に変化するときには、回転部材311は軸Pを中心として時計回りに回転する。
【0074】
図16に示すように、回転部材311と接続部380(図13参照)との相対回転によって突起382がガイド面320に沿って移動する間に、接続部380の左右の両側に設けられたフランジ部384(図4参照)が回転部材351の左右の支持部354に接触することにより、回転部材311と接続部380および回転部材351との相対回転が開始される。
【0075】
付属ブラシ300が図13に示す非使用状態から図6に示す使用状態に変化するときには、回転部材311は、フランジ部384(図4参照)が支持部354に接触した後から接続部380の突起382がストッパ318に固定される(図10参照)まで、接続部380および回転部材351に対して回転する。図10に示すように、突起382がストッパ318に固定されるときには、接続部380と回転部材311との相対回転が制限されることにより、付属ブラシ300が使用状態になる(図6参照)。このとき、回転部材351は、支持部354が接続部380のフランジ部384に接触する(図4参照)ことおよび凸部356がストッパ317に接触する(図11参照)ことにより、接続部380および回転部材311に対して回転することが制限されている。
【0076】
図13に示すように、付属ブラシ300では、非使用状態のときには、刷毛部310の刷毛312と刷毛部350の刷毛352とは、接続部380の軸部385が延びる方向と平行な方向に前方Frから後方Rrに向かって延びている。このとき、図16に示すように、突起382がストッパ319に嵌り込んでいることによって刷毛部310と接続部380とが互いに固定されている。またこのとき、図13に示すように、刷毛部310は接続部380を囲んでいる。ただし、刷毛312と刷毛352とが延びる方向は、接続部380の軸部385が延びる方向と略平行な方向であれば、前方Frから後方Rrに向かう方向から傾斜していてもよい。
【0077】
図6と図13とを参照するように、付属ブラシ300では、刷毛部350の植毛部353が接続部380の軸部385に接触する事態が起こるにしても、刷毛部350の刷毛352は、接続部380と干渉することがない。さらに、上述のように、接続パイプ103と接続部380とは、柔軟に曲がることがないように硬性材料で構成されている。そのため、付属ブラシ300が非使用状態のときに、硬性材料で構成された接続部380または接続パイプ103等の吸気通路200を構成する部材と、刷毛312および刷毛352とが干渉することがない。
【0078】
図3に示すように、刷毛部310の刷毛312は、植毛部313のうちの刷毛312が取り付けられる面に対して刷毛312が垂直方向に延びるように、植毛部313に固定されている。刷毛部310では、植毛部313を含めた回転部材311の形状が適宜変更されることにより、植毛部313に固定される刷毛312が延びる方向が適宜決定される。ただし、刷毛312が延びる方向は、植毛部313に刷毛312が固定されるときの角度により、適宜決定されていてもよい。
【0079】
一方、刷毛部350の刷毛352は、植毛部353のうちの刷毛352が取り付けられる面に対して刷毛352が垂直方向に延びるように、植毛部353に固定されている。図10に示すように、刷毛部350では、支持部354に対して植毛部353が接続される角度または位置等が適宜変更されるように、支持部354と植毛部353と脚部355との形状が形成されることにより、植毛部353に固定される刷毛352が延びる方向が適宜決定される。ただし、刷毛352が延びる方向は、植毛部353に刷毛352が固定されるときの角度により、適宜決定されていてもよい。
【0080】
以上のように、電気掃除機1は、本体100と、延長管102と接続パイプ103とサクションホース104と連結管105と、付属ブラシ300とを備えている。延長管102と接続パイプ103とサクションホース104と連結管105とは、本体100に吸い込まれる吸気が流通する吸気通路200を構成している。付属ブラシ300は、接続部380と刷毛部310と刷毛部350とを有している。接続部380は、吸気通路200を構成する部材に取り付けられている。また、接続部380は、略円筒状の軸部385を有している。
【0081】
第1の刷毛部としての刷毛部310は、回転部材311と刷毛312とを有している。第1の回転部材としての回転部材311は、付属ブラシ300を使用して家具の凹凸部分または部屋の隅等の場所を掃除する使用状態と付属ブラシ300を使用せずに掃除する非使用状態との間にて軸線Pを中心に接続部380と相対回転し、略U字状の断面を有している。刷毛部310の刷毛312は、回転部材311に略U字状に配置されるように固定されている。また、第2の刷毛部としての刷毛部350は、回転部材351と刷毛352とを有している。第2の回転部材としての回転部材351は、使用状態と非使用状態との間にて軸線Pを中心に接続部380と相対回転する。刷毛部350の刷毛352は、回転部材351に固定されている。
【0082】
電気掃除機1では、使用状態のときには、回転部材311と回転部材351とによって略環状の形状が形成されている。一方、非使用状態のときには、刷毛部310の刷毛312と刷毛部350の刷毛352とが、接続部380の軸部385が延びる方向と略平行な方向に延びている。
【0083】
このように、電気掃除機1の付属ブラシ300は、接続部380と刷毛部310と刷毛部350との間の相対回転のみによって使用状態と非使用状態とが変化するような簡易な構成を有している。すなわち、電気掃除機1の付属ブラシ300は、使用状態と非使用状態との間で変化するための付勢部材等を有していないため、簡易な構成を有している。
【0084】
また、付属ブラシ300が非使用状態であるときには、刷毛部310の刷毛312と刷毛部350の刷毛352とは、接続部380の軸部385が延びる方向と平行な方向に延びている。このように、電気掃除機1の付属ブラシ300では、付属ブラシ300を使用せずに家具の凹凸部分または部屋の隅等の場所を掃除するときに、接続部380の軸部385と刷毛312および刷毛352とが干渉することがないように構成されている。このように、電気掃除機1の付属ブラシ300は、刷毛312および刷毛352が汚れたり傷んだりすることなく、所定の非使用状態に適切に変化する。
【0085】
電気掃除機1では、非使用状態のときには、刷毛部310が接続部380を囲むように刷毛部310と接続部380とが互いに固定されている。
【0086】
この構成によれば、非使用状態のときに刷毛部310が接続部380を囲むように刷毛部310と接続部380とが互いに固定されることにより、付属ブラシ300は、接続部380が吸気通路200を構成する部材に取り付けられたまま非使用状態に変化することができる。
【0087】
以上のように、付属ブラシ300は、軸部385を有する接続部380と第1の刷毛部としての刷毛部310と第2の刷毛部としての刷毛部350とを備えている。軸部385は、略円筒状の形状を有している。刷毛部310は、第1の回転部材としての回転部材311と、回転部材311に固定された刷毛312とを有している。また、刷毛部350は、第2の回転部材としての回転部材351と、回転部材351に固定された刷毛352とを有している。
【0088】
回転部材311は、使用状態と非使用状態との間にて軸Pを中心に接続部380と相対回転する。また、回転部材311は、使用状態において、前方Frから下方に下がった方向から見て、略U字状の形状を有している。刷毛部310の刷毛312は、回転部材311の植毛部313に略U字状に配置されるように固定されている。このとき、刷毛部310の刷毛312は、前方Frよりも下方に下がった方向に向かって延びている。
【0089】
回転部材351は、使用状態と非使用状態との間にて軸Pを中心に刷毛部310または接続部380と相対回転する。また、回転部材351は、使用状態において軸Pが延びる方向に線状に延びている。刷毛部350の刷毛352は、回転部材351と平行な方向に線状に配置されるように回転部材351の植毛部353に固定されている。このとき、刷毛部350の刷毛352は、前方Frよりも下方に下がった方向として下方Dに近い方向に向かって延びている。
【0090】
さらに、付属ブラシ300では、使用状態のときには、前方Frよりも下方に下がった方向から見て回転部材311と回転部材351とによって略環状の形状が形成されている。一方、非使用状態のときには、刷毛部310が接続部380を囲むように刷毛部310と接続部380とが互いに固定され、且つ、刷毛部310の刷毛312と刷毛部350の刷毛352とが、接続部380の軸部385が延びる方向と平行な方向に前方Frから後方Rrに向かって延びている。
【0091】
本実施形態によれば、付属ブラシ300が接続部380と刷毛部310と刷毛部350とを備え、刷毛部310が軸Pを中心に接続部380に対して回転し、且つ、刷毛部350が軸Pを中心に接続部380または刷毛部310に対して回転することにより、使用状態と非使用状態とが変化するように構成されている。つまり、付属ブラシ300は、接続部380と刷毛部310と刷毛部350との間の相対回転のみによって使用状態と非使用状態とが変化するような簡易な構成を有している。このように、付属ブラシ300は、使用状態と非使用状態との間で変化するための付勢部材等を有していないため、簡易な構成を有している。
【0092】
また、付属ブラシ300が非使用状態であるときには、刷毛部310の刷毛312と刷毛部350の刷毛352とは、接続部380の軸部385が延びる方向と平行な方向に前方Frから後方Rrに向かって延びている。このように、付属ブラシ300では、非使用状態であるときに、接続部380の軸部385を含む吸気通路200を構成する部材と刷毛312および刷毛352とが干渉することがないように構成されている。このように、付属ブラシ300は、刷毛312および刷毛352が汚れたり傷んだりすることなく、使用状態から非使用状態に適切に変化する。
【0093】
一方、付属ブラシ300が使用状態であるときには、前方Frよりも下方に下がった方向から見て刷毛部310と刷毛部350とによって略環状の形状が形成されることにより、刷毛312と刷毛352とが付属ブラシ300の先端である植毛部313と植毛部353とに略環状に配置される。
【0094】
したがって、付属ブラシ300は、簡易な構成を有し且つ非使用状態と使用状態とに適切に変化することが可能である。また、付属ブラシ300では、非使用状態から使用状態に変化するときには刷毛312と刷毛352とが付属ブラシ300の先端に略環状に配置される。
【0095】
付属ブラシ300において、回転部材311は、嵌合部314と、ストッパ318およびストッパ319とを有している。嵌合部314は、回転部材311の内周面330のうちの左右両側に設けられ且つ軸Pを中心とする円環状の形状を有している。また、ストッパ318およびストッパ319は、回転部材311の内周面330の右側に設けられている。一方、接続部380は、取付部383と突起382とを有している。取付部383は、接続部380の左右の両側に配置され、円柱状または円筒状の形状を有し、且つ回転部材311の嵌合部314に嵌合する。突起382は、接続部380の右側に配置されている。さらに、突起382は、使用状態であるときにはストッパ318に固定され、非使用状態であるときにはストッパ319に固定されている。
【0096】
この構成によれば、接続部380の左右の両側に配置された円柱状または円筒状の取付部383は、軸Pを中心とする円環状の嵌合部314に嵌合する。これにより、刷毛部310は、接続部380に対して軸Pを中心に回転することができる。さらに、使用状態であるときには、ストッパ318に突起382が固定されることにより、回転部材311と接続部380とが互いに固定される。一方、非使用状態であるときには、ストッパ319に突起382が固定されることにより、回転部材311と接続部380とが互いに固定される。
【0097】
このようにして、使用状態と非使用状態との間で刷毛部310が接続部380に対して軸Pを中心に回転することができる。
【0098】
付属ブラシ300において、回転部材311は、嵌合部315を有している。嵌合部315は、回転部材311の内周面330のうちの左右両側に設けられ且つ軸Pを中心とする円環状の形状を有している。また、回転部材351は、脚部355を有している。脚部355は、回転部材351の左右の両側に配置され、円環状の形状を有し、且つ回転部材311の嵌合部315に嵌合する。
【0099】
この構成によれば、円環状の脚部355は、軸Pを中心とする円環状の嵌合部315に嵌合する。これにより、回転部材351を有する刷毛部350は、刷毛部310に対して回転することができる。さらに、回転部材311を有する刷毛部310が接続部380に対して回転することができるため、刷毛部350が刷毛部310に対して回転することにより、刷毛部350が接続部380に対して回転する。
【0100】
付属ブラシ300では、刷毛部310の刷毛312の形態と、刷毛部350の刷毛352の形態とは、それぞれ異なっている。
【0101】
この構成によれば、刷毛部310の刷毛312の形態と刷毛部350の刷毛352の形態との違いにより、付属ブラシ300に係る清掃の性能がより向上する。
【0102】
電気掃除機1では、付属ブラシ300の接続部380は、吸気通路200を構成する部材としての延長管102と接続パイプ103との接続部分23に着脱自在に取り付けられている。これにより、付属ブラシ300の利便性がより向上する。
【0103】
付属ブラシ300は、簡易な構成を有し且つ非使用状態と使用状態とに適切に変化することが可能であり、且つ、非使用状態から使用状態に変化するときには刷毛312と刷毛352とが付属ブラシ300の先端に略環状に配置される。したがって、付属ブラシ300を備えた電気掃除機1は、家具の凹凸部分または部屋の隅等の場所を効率的に清掃することができる。これにより、電気掃除機1の利便性等が向上する。
【0104】
以上のように、本実施形態によれば、簡易な構成を有し且つ所定の使用状態から所定の非使用状態に適切に変化することが可能な付属ブラシ300であって、所定の非使用状態から所定の使用状態に変化するときには刷毛312と刷毛352とが植毛部313と植毛部353とに略環状に配置される付属ブラシ300を備えた電気掃除機1を提供することができる。
【0105】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【符号の説明】
【0106】
1:電気掃除機、300:付属ブラシ、310:刷毛部、311:回転部材、312:刷毛、314:嵌合部、315:嵌合部、318:ストッパ、319:ストッパ、330:内周面、350:刷毛部、351:回転部材、352:刷毛、355:脚部、380:接続部、382:突起、383:取付部、385:軸部、P:軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に吸い込まれる吸気が流通する吸気通路を構成する部材と、
前記部材に取り付けられる略円筒状の軸部を有する接続部と、第1の刷毛部と、第2の刷毛部と、を有する付属ブラシと、
を備え、
前記第1の刷毛部は、
当該付属ブラシを使用して対象場所を掃除する使用状態と当該付属ブラシを使用せずに対象場所を掃除する非使用状態との間にて軸線を中心に前記接続部と相対回転し、略U字状の断面を有する第1の回転部材と、
前記第1の回転部材に略U字状に配置されるように固定された刷毛と、を有し、
前記第2の刷毛部は、
前記使用状態と前記非使用状態との間にて前記軸線を中心に前記接続部と相対回転する第2の回転部材と、
前記第2の回転部材に固定された刷毛と、を有し、
前記使用状態のときには、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とによって略環状の形状が形成され、
前記非使用状態のときには、前記第1の刷毛部の前記刷毛と前記第2の刷毛部の前記刷毛とが、前記接続部の前記軸部が延びる方向と略平行な方向に延びている、
電気掃除機。
【請求項2】
前記非使用状態のときには、前記第1の刷毛部が前記接続部を囲むように前記第1の刷毛部と前記接続部とが互いに固定されている、
請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記第1の回転部材は、前記第1の回転部材の内周面のうちの左右両側に設けられ且つ前記軸線を中心とする円環状の形状を有する第1の嵌合部と、前記第1の回転部材の前記内周面のうちの左側または右側に設けられた第1の突起および第2の突起と、を有し、
前記接続部は、前記接続部の左右の両側に配置され、円柱状または円筒状の形状を有し、且つ前記第1の回転部材の前記第1の嵌合部に嵌合する取付部と、前記接続部の左側または右側のうち、前記第1の回転部材の前記第1の突起および前記第2の突起が配置された側に配置された突起と、を有し、
前記接続部の前記突起は、前記使用状態であるときには前記第1の回転部材の前記第1の突起に固定され、前記非使用状態であるときには前記第1の回転部材の前記第2の突起に固定されている、
請求項1または請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記第1の回転部材は、前記第1の回転部材の前記内周面のうちの左右両側に設けられ且つ前記軸線を中心とする円環状の形状を有する第2の嵌合部を有し、
前記第2の回転部材は、前記第2の回転部材の左右の両側に配置され、円環状の形状を有し、且つ前記第1の回転部材の前記第2の嵌合部に嵌合する脚部を有している、
請求項3に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記第1の刷毛部の前記刷毛の形態と、前記第2の刷毛部の前記刷毛の形態とは、それぞれ異なっている、
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記付属ブラシの前記接続部は、前記部材に着脱自在に取り付けられている、
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項1】
本体と、
前記本体に吸い込まれる吸気が流通する吸気通路を構成する部材と、
前記部材に取り付けられる略円筒状の軸部を有する接続部と、第1の刷毛部と、第2の刷毛部と、を有する付属ブラシと、
を備え、
前記第1の刷毛部は、
当該付属ブラシを使用して対象場所を掃除する使用状態と当該付属ブラシを使用せずに対象場所を掃除する非使用状態との間にて軸線を中心に前記接続部と相対回転し、略U字状の断面を有する第1の回転部材と、
前記第1の回転部材に略U字状に配置されるように固定された刷毛と、を有し、
前記第2の刷毛部は、
前記使用状態と前記非使用状態との間にて前記軸線を中心に前記接続部と相対回転する第2の回転部材と、
前記第2の回転部材に固定された刷毛と、を有し、
前記使用状態のときには、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とによって略環状の形状が形成され、
前記非使用状態のときには、前記第1の刷毛部の前記刷毛と前記第2の刷毛部の前記刷毛とが、前記接続部の前記軸部が延びる方向と略平行な方向に延びている、
電気掃除機。
【請求項2】
前記非使用状態のときには、前記第1の刷毛部が前記接続部を囲むように前記第1の刷毛部と前記接続部とが互いに固定されている、
請求項1に記載の電気掃除機。
【請求項3】
前記第1の回転部材は、前記第1の回転部材の内周面のうちの左右両側に設けられ且つ前記軸線を中心とする円環状の形状を有する第1の嵌合部と、前記第1の回転部材の前記内周面のうちの左側または右側に設けられた第1の突起および第2の突起と、を有し、
前記接続部は、前記接続部の左右の両側に配置され、円柱状または円筒状の形状を有し、且つ前記第1の回転部材の前記第1の嵌合部に嵌合する取付部と、前記接続部の左側または右側のうち、前記第1の回転部材の前記第1の突起および前記第2の突起が配置された側に配置された突起と、を有し、
前記接続部の前記突起は、前記使用状態であるときには前記第1の回転部材の前記第1の突起に固定され、前記非使用状態であるときには前記第1の回転部材の前記第2の突起に固定されている、
請求項1または請求項2に記載の電気掃除機。
【請求項4】
前記第1の回転部材は、前記第1の回転部材の前記内周面のうちの左右両側に設けられ且つ前記軸線を中心とする円環状の形状を有する第2の嵌合部を有し、
前記第2の回転部材は、前記第2の回転部材の左右の両側に配置され、円環状の形状を有し、且つ前記第1の回転部材の前記第2の嵌合部に嵌合する脚部を有している、
請求項3に記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記第1の刷毛部の前記刷毛の形態と、前記第2の刷毛部の前記刷毛の形態とは、それぞれ異なっている、
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の電気掃除機。
【請求項6】
前記付属ブラシの前記接続部は、前記部材に着脱自在に取り付けられている、
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の電気掃除機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−71008(P2012−71008A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219251(P2010−219251)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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