説明

伝送装置および回線品質評価方法

【課題】伝送路ごとの回線品質を効率的に評価することを課題とする。
【解決手段】VCAT伝送装置10は、擬似ランダムビット系列のテスト信号をコピーし、VCAT信号のメンバにそれぞれ同一のPRBS信号を挿入するように制御し、PRBS信号が挿入されたVCAT信号の各メンバを複数の伝送路で対向装置に送信する。その後、対向側のVCAT伝送装置10は、VCAT信号の各メンバを受信し、受信されたVCAT信号のメンバに挿入されているPRBS信号を用いて、VCAT信号のメンバ毎にエラーレートを評価し、各伝送路の回線品質を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、伝送されるVirtual Concatenation(VCAT)信号の回線品質を評価する伝送装置および回線品質評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、Virtual Concatenation(VCAT)伝送をおこなうEoO(Eter over OTN)ネットワークにおいて、PRBS(Pseudo−Random Bit Sequence)信号などのテスト信号の伝送により、伝送路の回線品質情報を測定することがITU−T G.709(OTN)により規定されている。また、現状ITU−T等での規定はないが、EoS(Ether over SDH/SONET)/EoP(Ether over PDH)ネットワークでもOTNと同様にPRBS信号をテスト信号とした回線品質情報の測定を行うことが求められている。
【0003】
このようなEoSネットワークでは、図7に示すように、1GbE信号をFULL伝送する際に、VC4を7本仮想的(Virtual)に連結(Concatenation)させ、VC4−7V信号としてSDHネットワーク上を伝送させることによって伝送帯域を有効利用している(つまり、VCAT伝送を行わない場合はVC4−16Cでの伝送となり、50%以上の帯域が無駄となる)。
【0004】
この際、図7に示すように、個々(7本)のVCATメンバ(VC4信号)は、同一の伝送路を伝送される必要はなく、回線の使用状況に応じて、例えば、4本のVC4と3本のVC4に分けて別々の伝送路上で伝送する場合がある。
【0005】
このような場合に、VCAT伝送システムのEoS装置(VCAT伝送装置)では、回線の品質を確認する為に、PRBS信号を用いた回線品質試験機能(PRBS送信機能、PRBSモニタ機能)を実装されることが求められている。
【0006】
具体的には、PRBS信号を用いた回線品質試験を行うために、VCAT全体(上記の例ではVC4−7V)としての回線品質試験を実施するためのEoS処理部(図8)や、VCATを意識しない単純なVC Pathの個別回線品質機能を実施するためのEoS処理部(図9)が実装されている。
【0007】
つまり、図8に示すように、VCAT全体(上記の例ではVC4−7V)のとしての回線品質試験を実施するために、図8のEoS処理部では、VCAT信号処理部から、VCAT全体に対してシリアルに挿入されたPRBS信号を受信し、VCAT全体のエラーレートを算出する。
【0008】
また、VCATを意識しない単純なVC Pathの個別回線品質機能を実施するために、図9のEoS処理部では、各VC信号処理部#1〜#7にそれぞれセレクタを設け、PRBS発生/モニタ機能をメンバ毎に、VC4の場合は7回、VC3の場合には21回セレクトして確認し、個別に回線品質を試験する。また、複数のPRBS発生/モニタ機能(VC4の場合は7組、VC3の場合には21組)を設けて、個別に回線品質を試験する方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−268038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上記したVCAT全体としての回線品質試験を実施する技術では、伝送路が分割された場合を考慮したVCAT伝送下でのVCATメンバ個別の回線品質を確認することができず、伝送路ごとの回線品質を評価することができないという課題があった。
【0011】
つまり、従来のEoS装置では、VCATメンバ個別に伝送される信号はVC−nC信号がバイトインターリーブされて個別のVC信号に逆多重化後、VC−nV信号としてパラレルに伝送されるために、図7のようなネットワークでは3Vと4Vに分割されて伝送されるためPRBSの信号系列が壊れてしまう(図10参照)。
【0012】
このため、伝送路が分割された場合に、各伝送路のエラーレートを個別に測定することができず、VCATメンバ個別の回線品質を同時に確認することができず、伝送路ごとの回線品質を評価することができないという課題があった。
【0013】
また、上記したVCATを意識しない単純なVC Pathの個別回線品質機能を実施する技術では、各VC信号処理部#1〜#7にそれぞれセレクタを設置、または、複数のPRBS発生/モニタ機能を設置する必要があるので、非効率であるという課題があった。
【0014】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、伝送路ごとの回線品質を効率的に評価することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この装置は、擬似ランダムビット(PRBS)系列のテスト信号をコピーし、コンカチネーション信号のメンバにそれぞれ同一のテスト信号を挿入するように制御し、コンカチネーション信号のメンバに挿入されているテスト信号を用いて、コンカチネーション信号のメンバを個別に評価し、各伝送路の回線品質を算出する。
【発明の効果】
【0016】
開示の装置は、コンカチネーション信号のメンバに挿入されているテスト信号を用いて、コンカチネーション信号のメンバを個別に評価し、各伝送路の回線品質を算出するので、効率的に、伝送路ごとの回線品質を評価できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、実施例1に係るVCAT伝送装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、VCAT伝送装置におけるEoS処理部の詳しい構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、VCATメンバにコピーマッピングされたPRBS信号の信号系列を示す図である。
【図4】図4は、受信時遅延調整することでPRBS信号との比較が行われる様子を示す図である。
【図5】図5は、VCAT PRBSエラーレートの算出式を示す図である。
【図6−1】図6−1は、実施例1に係るVCAT伝送装置10の処理動作を示すフローチャートである。
【図6−2】図6−2は、実施例1に係るVCAT伝送装置10の処理動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は、従来技術を説明するための図である。
【図8】図8は、従来技術を説明するための図である。
【図9】図9は、従来技術を説明するための図である。
【図10】図10は、従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る伝送装置および回線品質評価方法の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
以下の実施例では、実施例1に係るVCAT伝送装置の構成および処理の流れを順に説明し、最後に実施例1による効果を説明する。なお、以下では、SONET/SDH上で伝送されるVCAT信号の回線品質確認を行う場合について説明するが、PDH上で伝送されるVCAT信号の回線品質確認を行う場合やOTN上で伝送されるVCAT信号の回線品質確認を行う場合についても適用することができる。
【0020】
[VCAT伝送装置の構成]
まず最初に、図1を用いて、VCAT伝送装置10の構成を説明する。図1は、実施例1に係るVCAT伝送装置10の構成を示すブロック図である。図2は、VCAT伝送装置におけるEoS処理部の詳しい構成を示すブロック図である。図3は、VCATメンバにコピーマッピングされたPRBS信号の信号系列を示す図である。図4は、受信時遅延調整することでPRBS信号との比較が行われる様子を示す図である。図5は、VCAT PRBSエラーレートの算出式を示す図である。
【0021】
図1に示すように、このVCAT伝送装置10は、EoS(Ethernet(登録商標)Over SDH/SONET)処理部11、クロスコネクト(XC)処理部12、STM(Synchronous Transport Module)多重化処理部13A、13B、監視制御部14を有し、VCAT伝送装置10の初期設定やモニタ機能設定の指示等を行うCRAFT端末20と接続される。以下にこれらの各部の処理を説明する。
【0022】
EoS処理部11は、PRBS送信機能部11a、Ether SDH処理部11b、PRBSモニタ機能部11cを有する(EoS処理部11の詳しい構成については、後に図2を用いて詳述)。PRBS送信機能部11aは、回線の品質を確認するために、テスト信号であるPRBS(Pseudo-Random Bit Sequence)信号を送信する。PRBSモニタ機能部11cは、伝送されるVirtual Concatenation(VCAT)信号の回線品質を評価する。
【0023】
Ether SDH処理部11bは、SDHフレームにマッピングされたイーサネット(登録商標)フレームをクロスコネクト処理部12に転送する。
【0024】
クロスコネクト(XC)処理部12は、EoS処理部11またはSTM多重化処理部13A、13Bから出力される信号に対してクロスコネクト処理を行う。すなわち、クロスコネクト処理部12は、EoS処理部11またはSTM多重化処理部13A、13Bから出力される信号が正しく送信先へ送信されるように回線の設定を行い、EoS処理部11またはSTM多重化処理部13A、13Bへ出力する。
【0025】
STM多重化処理部13A、13Bは、伝送経路を多重化し、ルートA、ルートBを用いてSDH信号を外部装置に伝送する。
【0026】
また、STM多重化処理部13A、13Bは、ルートA、ルートBから受信したSDH信号を多信分離し、XC処理部12へ転送する。XC処理部12は、STM多重化処理部13A、13Bから入力された信号をEoS処理部11へ転送する。EoS処理部11は、SDHフレームを受信し、SDHフレームにマッピングされたイーサネットフレームを復元し、パケットをクライアント装置に送信する。
【0027】
監視制御部14は、CRAFT端末20から初期設定やVCAT回路品質評価開始の指示を受け付け、受け付けた指示に基づいて、EoS処理部11への設定を行う。また、監視制御部14は、VCATメンバ個別のエラーレートや、VCAT全体(必要によっては分割伝送された経路単位)でのエラーレート等の回線品質に関する情報をCRAFT端末20に表示させる。
【0028】
ここで、図2を用いてEoS処理部11について詳しく説明する。同図に示すように、EoS処理部11のPRBS送信機能部11aは、擬似ランダムビット系列のテスト信号をコピーし、VCAT信号のメンバにそれぞれ同一のPRBS信号を挿入するように制御するが、特に、PRBS GENERATOR110aと、DATA BYTE COPY部111aを有する。
【0029】
PRBS GENERATOR110aは、テスト信号であるPRBS信号(例えば、PN23段信号)を発生させて、DATA BYTE COPY部111aまたはEther SDH処理部11bに出力する。
【0030】
DATA BYTE COPY部111aは、PRBS信号をコピーし、VCATメンバそれぞれに対してデータ系列が保たれたPRBS信号を挿入するように制御する。
【0031】
具体的には、図3に示すように、VCAT全体に送信されるシリアルのPRBS(例えばPN23段信号)を逆多重されるVC4信号複数(7ヶ)それぞれに同一のPN23段信号が挿入されるように制御する(結果的に、伝送スピードが1/7になったPN23段信号が個々のVC4信号にマッピングされパラレル伝送されることになる)。そして、個々のVC4に意味のあるテスト信号(PRBS信号)で回線品質を求めることができようにする。
【0032】
なお、シリアルのPRBS信号をコピーし、VCATメンバ個々のV4信号にコピーされたデータのマッピングを行うことで、送信されているテストパターンがVC4全てにおいて同一になることから、PRBS生成機能は1つでよい。
【0033】
Ether SDH処理部11bは、PRBS信号が挿入されたVCAT信号の各メンバを複数の伝送路で対向装置に送信し、対向装置からVCAT信号の各メンバを受信する。Ether SDH処理部11bは、BWB(Back Wiring Board)伝送処理部110b、VC信号処理部111b、VCAT信号処理部112b、Difference Delay Compensate113b、GFP MAP/Demap処理部114b、Ethernet信号処理部1115bを有する。
【0034】
BWB(Back Wiring Board)伝送処理部110bは、同一のPN23段信号(PRBS信号)がそれぞれ挿入されたVC4#1〜#7の信号を対向するVCAT伝送装置に伝送する。
【0035】
VC4#1〜#7の各VC信号処理部111bは、POH(Path Over Head)の処理をする。具体的には、各VC信号処理部111bは、VCAT信号処理部112bからVC−4信号を受信し、VC−4信号にPOHの設定をおこなう。
【0036】
VCAT信号処理部112bは、DATA BYTE COPY部111aによってコピーされたPRBS信号をそれぞれVC4信号にマッピングして、VC4#1〜#7の各VC信号処理部111bに送信し、テストパターンがVC4全てにおいて同一になるように制御している。具体的には、VCAT信号処理部112bは、VCAT全体に送信されるシリアルのPRBS信号であって、VC4#1〜#7それぞれが同一のPN23段信号を、個々のVC4にテスト信号として挿入する。なお、VCAT信号処理部112b前段のセレクタ(SEL)で通常のEthernet(GFP)フレーム/シリアルのPRBS信号/バイトCOPY PRBS信号が選択されることで、PRBS機能の無効または有効を制御する(制御はCRAFT端末20を通じてオペレーターが設定する)。
【0037】
Difference Delay Compensate113bでは、VCATメンバそれぞれに対し、経路差に対応した遅延が吸収されることでマッピングされているPRBS信号の位相差がそろえられる。具体的には、Difference Delay Compensate113bは、図4に示すように、信号受信時、VCATメンバ毎に伝送経路がことなることに起因する遅延(Diffrential Delay)を吸収させる為にVCAT信号復元時に装置内で得られる遅延情報(Diffrential Dralay値)を用いて個々の受信信号のPRBSモニタタイミングを一致させる。
【0038】
その後、後述するERR Rate CALC110cが、複数(図の例では、7つ)のVCATメンバを同時に検査する。これにより、送信されているテストパターンがVC4全てにおいて同一であるから、モニタのためのPRBS生成機能は1つでよくなる。
【0039】
GFP MAP/Demap処理部114bは、取得した各情報をEthernet(GFP)フレームの形式にマッピングし、また、取得したEthernet(GFP)フレームから、データを抽出する。
【0040】
Ethernet信号処理部115bは、GFP MAP/Demap処理部114bによってGFPフレームの形式にマッピングされたイーサネットのパケットを図示しないクライアント装置に送信する。
【0041】
PRBSモニタ機能部11cは、VCAT信号のメンバに挿入されているテスト信号を用いて、VCAT信号のメンバを個別に評価し、各伝送路の回線品質を算出する。PRBSモニタ機能部11cは、個別ERR Rate CALC110c、PRBS GENERATOR111c、全体ERR Rate CALC112cを有する。
【0042】
個別ERR Rate CALC110cは、VCATメンバを個別に評価して、エラーレートをそれぞれ算出する。具体的には、個別ERR Rate CALC110cは、Difference Delay Compensate113bによって個々の受信信号のPRBSモニタタイミングが一致された複数(7つ)のVCATメンバを同時に検査する。
【0043】
また、個別ERR Rate CALC110cは、算出した各VCATメンバのエラーレートを用いて、VCAT全体(必要によっては分割伝送された経路単位)でのエラーレートを算出することでVCAT回線品質情報を得る(図5の算出式参照)。
【0044】
PRBS GENERATOR111cは、テスト信号であるPRBS信号(例えば、PN23段信号)を発生させ、モニタ処理のために、個別ERR Rate CALC110cおよび全体ERR Rate CALC112cに出力する。なお、ここでのPRBS GENERATOR111cは、送信されているテストパターンがVC4全てにおいて同一であるから、1つである。
【0045】
全体ERR Rate CALC112cは、VCAT全体のエラーレートを算出する。具体的には、全体ERR Rate CALC112cは、VCAT信号処理の後段のセレクタから、VCAT全体に対してシリアルに挿入されたPRBS信号を受信し、VCAT全体のエラーレートを算出する。
【0046】
[VCAT伝送装置による処理]
次に、図6―1および図6−2を用いて、実施例1に係るVCAT伝送装置10による処理を説明する。図6−1および図6−2は、実施例1に係るVCAT伝送装置10の処理動作を示すフローチャートである。ここで、図6−1では、VCATメンバを送信するVCAT伝送装置10Aについて説明し、図6−2では、VCATメンバを受信し、VCATメンバを評価するVCAT伝送装置10Bについて説明する。
【0047】
図6−1に示すように、VCAT伝送装置10Aは、VCAT回路品質評価開始の指示をCRAFT端末20から受け付けると(ステップS101肯定)、PRBS信号をコピーし、VCATメンバ個々のV4信号に同一のPRBSをマッピングする(ステップS102)。
【0048】
そして、VCAT伝送装置10Aは、各VCATメンバを対向するVCAT伝送装置にSDHネットワークのルートAおよびルートBを介して送信する(ステップS103)。
【0049】
続いて、図6−2を用いて、VCAT伝送装置10Bが受信し、VCATメンバを評価する処理を説明する。同図に示すように、VCAT伝送装置10Bは、ルートAおよびルートBを介して各VCATメンバを受信する(ステップS201)。ここで、VCAT伝送装置10Bは、VCATメンバそれぞれに対し、経路差に対応した遅延が吸収してマッピングされているPRBS信号の位相差はそろえる。
【0050】
そして、VCAT伝送装置10Bは、VCATメンバを個別に評価して、エラーレートをそれぞれ算出する(ステップS202)。また、VCAT伝送装置10Bは、VCATメンバのエラーレートを用いて、VCAT全体(または、分割伝送された経路単位)のエラーレートを算出する(ステップS203)。
【0051】
[実施例1の効果]
上述してきたように、VCAT伝送装置10は、擬似ランダムビット系列のテスト信号をコピーし、VCAT信号のメンバにそれぞれ同一のPRBS信号を挿入するように制御し、PRBS信号が挿入されたVCAT信号の各メンバを複数の伝送路で対向装置に送信する。その後、VCAT伝送装置10は、対向装置からVCAT信号の各メンバを受信し、受信されたVCAT信号のメンバに挿入されているPRBS信号を用いて、VCAT信号のメンバを個別に評価し、各伝送路の回線品質を算出する。このため、VCAT伝送において、伝送路が分割されたネットワークの伝送路毎のエラーレートの算出ができ、かつ、VCATメンバ個別のエラーレートを1組のPRBS回路だけで算出できる。この結果、伝送路ごとの回線品質を効率的に評価することが可能である。
【0052】
また、実施例1によれば、VCAT伝送装置10は、PRBS信号をコンカチネーション信号全体に対して挿入し、VCAT信号全体に挿入されているテスト信号を用いて、VCAT信号全体の回線品質を算出するので、従来と同様なVCAT全体のエラーレートを算出機能も同時に併せ持つことが可能である。
【0053】
また、実施例1によれば、VCAT伝送装置10は、各伝送路の回線品質を用いて、VCAT信号全体の回線品質を算出するので、VCAT全体のエラーレートを伝送路が分割されたネットワークを考慮したかたちで算出することが可能である。
【実施例2】
【0054】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例2として本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0055】
(1)システム構成等
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、PRBS送信機能部11aとPRBSモニタ機能部11bを統合してもよい。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0056】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0057】
(2)プログラム
なお、本実施例で説明した回線品質評価方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【符号の説明】
【0058】
10 VCAT伝送装置
11 EoS処理部
11a PRBS送信機能部
110a PRBS GENERATOR
111a DATA BYTE COPY部
11b Ether SDH処理部
110b BWB伝送処理部
111b VC信号処理部
112b VCAT信号処理部
113b Difference Delay Compensate
114b GFP MAP/Demap処理部
115b Ethernet信号処理部
11c PRBSモニタ機能部
110c 個別ERR Rate CALC
111c PRBS GENERATOR
112c 全体ERR Rate CALC
12 クロスコネクト処理部
13A、13B STM多重化処理部
14 監視制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
擬似ランダムビット系列のテスト信号をコピーし、コンカチネーション信号のメンバにそれぞれ同一のテスト信号を挿入するように制御するテスト信号制御部と、
前記テスト信号制御部によって前記テスト信号が挿入されたコンカチネーション信号の各メンバを複数の伝送路で対向装置に送信するコンカチネーション信号送信部と、
前記対向装置から前記コンカチネーション信号の各メンバを受信するコンカチネーション信号受信部と、
前記コンカチネーション信号受信部によって受信された前記コンカチネーション信号のメンバに挿入されているテスト信号を用いて、コンカチネーション信号のメンバを個別に評価し、各伝送路の回線品質を算出する個別回線品質算出部と、
を備えることを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
前記テスト信号制御部は、前記テスト信号をコンカチネーション信号全体に対して挿入し、
前記コンカチネーション信号受信部によって受信された前記コンカチネーション信号全体に挿入されているテスト信号を用いて、前記コンカチネーション信号全体の回線品質を算出する全体回線品質算出部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
【請求項3】
前記コンカチネーション信号評価部は、算出された前記各伝送路の回線品質を用いて、コンカチネーション信号全体の回線品質を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の伝送装置。
【請求項4】
擬似ランダムビット系列のテスト信号をコピーし、コンカチネーション信号のメンバにそれぞれ同一のテスト信号を挿入するように制御するテスト信号制御ステップと、
前記テスト信号制御ステップによって前記テスト信号が挿入されたコンカチネーション信号の各メンバを複数の伝送路で対向装置に送信するコンカチネーション信号送信ステップと、
前記対向装置から前記コンカチネーション信号の各メンバを受信するコンカチネーション信号受信ステップと、
前記コンカチネーション信号受信ステップによって受信された前記コンカチネーション信号のメンバに挿入されているテスト信号を用いて、コンカチネーション信号のメンバを個別に評価し、各伝送路の回線品質を算出する個別回線品質算出ステップと、
を含んだことを特徴とする回線品質評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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