説明

伸縮バケツ

【課題】伸縮可能にして便利に使用できるバケツを提供する。
【解決手段】その上下部を開放するとともに上端から下端に向かって小径となる傾斜側面を有する筒状の外体を設け、一方、外体と同一傾斜側面を有する上部開放有底の内体を設けるとともに、内体の上端外径を外体の下端内径より大とし、以上の内体と外体の組み合わせよりなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外体と内体の組み合わせにて、使用時に伸縮が可能となるバケツに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、種々のバケツが多用されているが、それらは一体成形にて制作されたものであり、本発明にて示すように、2個の物体を組み合わせて使用し、その伸縮が可能なものは現在のところ見あたらない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既述のように、従来のバケツは一体成型品であり、丸形や角形が主である。通常は持ち手が回動可能に設けられ、この持ち手を持って運搬する。水等の液体を入れて使用されることが多く、その量は用途により変化する。これらのバケツは一体型のため、不使用時の収納ではバケツに適合した収納スペースを必要とする。また、少量使用のときは、小サイズのバケツを別途用意することが望ましいが、大きなバケツに少量の水を入れて使用することも多く、より便利な手段が求められている。
本発明は、以上のような従来からのバケツに関わる課題を解決するために発明されたもので、2ピースタイプとすることで既述の課題をクリヤーすることのできる、新規かつ有用なる手段を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。
すなわち、その上下部を開放するとともに上端から下端に向かって小径となる傾斜側面を有する筒状の外体を設け、一方、外体と同一傾斜側面を有する上部開放有底の内体を設けるとともに、内体の上端外径を外体の下端内径より大とし、以上の内体と外体の組み合わせる。本発明は以上の構成による伸縮バケツである。なお、外体および内体を中空角体として構成してもよい。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、外体内に内体を位置させるとともに、内体は外体内を移動可能であり、かつ外体と内体は同一傾斜側面を有するとともに、外体下部内径に対し内体上部外径は大なるために、水多量のときは外体と内体の双方を使用し、水少量のときは縮めて内体のみを使用することができ、かつ不使用時には縮めて保管収納することのできる。有用なる物品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図において、1は外体で、適宜厚の合成樹脂製略円筒体であり、その上部は外方に湾曲して縁部となり、この縁部下方に有孔の持ち手支持部2が一体に成形される。
3は棒状半円形の持ち手であり、その端部は持ち手の孔に挿入して回動可能に支持される。この持ち手および持ち手支持構造は市販のバケツと同様である。
この外体の上下部は開放され、上部の大径部から下部の小径部に至る傾斜側面を有している。4は内体で、外体と近似外径の上部開放傾斜筒体で有底である。内体の上端外径は外体の下端内径よりやや大である。この内体は外体内に位置し、相互の位置関係は可変である。従って、図2と図3のごとく、その形状が変化する。
次に本発明の使用について説明する。
バケツ全体で使うときは、バケツにその容積の半分以上の水を入れ、持ち手を持って持ち上げると、水の重量にて内体は外体に沿って下方へ移動するが、外体下端内径より内体上端外径が大のため、図5のように外体内に内体が押圧保持されて水の漏洩が阻止され、一般のバケツと同様に使用することができる。
水を少量で使用するときは、図4のごとく内体内に水を適量入れて使用する。内体上縁から底までの距離が小のため、小サイズのバケツとして使用でき、バケツの中に手を入れやすくなる。不使用時は図2の状態にすることにて収納スペースを小とすることができる。なお、使用後のバケツを縮めるには、外体を上方から押圧することにより外体に対する内体の移動にて相互の押圧が解除されて縮めることができる。
【0007】
以上、本発明にてついて記したが、本発明はシンプルな構成にして伸縮可能なところにその特徴を有するものである。従来のバケツはこの伸縮機能を有さないため、コンパクトにして使用することができず、使用の利便性に欠けるものとなっていた。
しかるに本発明にて、種々の利便性のあるバケツを得るものとなったのである。
なお、前述の例では外体と内体ともに筒体にて形成したが、これに代えて中空角体を用いて構成してもよい。以上のように本発明は縮めて使用および収納ができ、とくに車に積み込んで運搬する場合などにこの特徴を発揮することができる。
以上のごとく、本発明によってより有用なるバケツを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】 本発明の平面図
【図2】 本発明の正面図(縮めた状態)
【図3】 本発明の正面図(伸ばした状態)
【図4】 本発明の要部構造説明図(縮めた状態)
【図5】 本発明の要部構造説明図(伸ばした状態)
【符号の説明】
【0009】
1 外体
2 持ち手支持部
3 持ち手
4 内体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その上下部を開放するとともに上端から下端に向かって小径となる傾斜側面を有する筒状の外体を設け、一方、外体と同一傾斜側面を有する上部開放有底の内体を設けるとともに、内体の上端外径を外体の下端内径より大とし、以上の内体と外体の組み合わせよりなることを特徴とする伸縮バケツ。
【請求項2】
外体および内体を中空角体としてなる請求項1記載の伸縮バケツ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−89832(P2010−89832A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280473(P2008−280473)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(508283118)