説明

伸縮ポール

【課題】家具等の転倒防止用等の伸縮ポールにおいて、大伸縮調整機能を有する伸縮ポールの従来発明は、上下個々の分離ベースフランジ構造体と、遊合嵌合の上下一組のパイプ及び上下パイプ伸縮嵌合ロック機構、ネジ螺合小伸縮調整機構等の金属品とプラスチック品の複合部品の組合せ構造品が主流であり、高価で、デザイン性に欠ける。大伸縮調整機能、シンプル構造、安価、環境適合性、デザイン性を充たした、伸縮ポールの提供を課題とする。
【解決手段】ネジを形成する構造体を一組の木製概円筒体と木製概円柱体の加工品若しくは一組の金属製パイプ等とし、転造加工等で形成した正弦波状概丸形等の適正螺旋ネジ螺合だけで大伸縮調整行う構造とし、木製構造品においては一組のネジ螺合構造品だけ、金属パイプ構造品においては夫々にプラスチック製伸縮ポール支持設置構造体を設置するシンプル組合せ構造とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具等の転倒防止等に多く用いられる伸縮ポールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
家具等の転倒防止用等の伸縮ポールにおいて、大伸縮調整対応基本特性機能を有する伸縮ポールの従来発明は、伸縮ポールを家具等の設置体と接合する上下個々の分離ベースフランジ構造体と、遊合嵌合する内径と外径が近似値の上下一組のストレート金属パイプ、および上下金属パイプ伸縮嵌合ロック機構、更にネジ螺合小伸縮調整機構等の金属品とプラスチック品の複合部品の組合せ構造品が主流である。この例として特許文献1や特許文献2に開示されているものがある。
【特許文献1】実開1996−3028704号広報
【特許文献2】実開1995−3017893号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記公開文献に開示されている考案含め従来の発明は、多数の複合部品の組合せ構造で高価であり、且つ室内家具等に設置するものに要求されるインテリアデザイン性に欠ける。大伸縮調整対応基本特性機能を有し、シンプル構造で、且つ安価で、更にインテリアデザイン性を有し、且つ環境保全にも対応した、顧客ニーズに叶う、伸縮ポールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するための請求項1の発明は、伸縮ポールにおいて、伸縮機能部構造を雄ネジと雌ネジの適正遊合螺旋ネジ螺合だけで行う構造とするとともに、螺旋ネジの形状を、角部をR面取り形状とした角丸三角形、もしくは角部をR面取り形状とした角丸台形、もしくは正弦波状概丸形、もしくは正弦波状概丸形および角丸三角形で雄ネジ、雌ネジとも山部の頂点部に若干の平坦部を有する形状とした頂点平坦正弦波状概丸形、頂点平坦角丸三角形等の構造とし、且つそのネジを形成する部品構造体構造を、一組の木製概円筒体(片端面側穴塞がり等含む)と木製概円柱体の加工品、もしくは外径と内径が近似値の一組の円筒形の金属製パイプもしくはプラスチック製パイプとするとともに、雄ネジと雌ネジの形成を切削加工とせず、転造もしくは加熱成形もしくはプレス成形等の加工方法で形成する構造とし、更に伸縮ポール全体構造を、一組の木製概円筒体と木製概円柱体の適正遊合螺旋ネジ螺合伸縮構造体においては充分なる伸縮ポール設置構造体との設置面積を有する構造とすることでその一組の構造体だけで機能を充たす構造とし、一組の金属製パイプもしくはプラスチック製パイプの適正遊合螺旋ネジ螺合伸縮構造体においては両側に各々の外径部に嵌合する垂直支持用ザグリ穴を有し且つ伸縮ポールの必要機能を充たす伸縮ポール設置構造体との設置面及び筐体構造を有するプラスチック製伸縮ポール支持設置構造体を設置する組合せ構造とした。本発明により安価シンプル構造化及びシンプル構造と螺旋ネジ溝外形構造化によるインテリアデザイン性の改善が可能となり、且つ木製螺合嵌合での圧縮形成によるネジ部強度アップ及び螺合高さ調整性(摺動性アップによる)の改善を図ることができ環境に優しく、インテリアデザイン性に優れた伸縮ポールの木製化が実現できる。
【発明の効果】
【0005】
前項「課題を解決するための手段」で記載したとおり、本発明により、大伸縮調整対応基本特性機能を有し、シンプル構造で、且つ安価で、環境保護に適合し、更にインテリアデザイン性を有した、顧客ニーズに叶う、伸縮ポールの提供が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、雄ネジ構造体を木製一体フランジ付円柱雄ネジ構造体とし、雌ネジ構造体を木製円筒雌ネジ構造体とするとともに、ネジの形成を圧縮形成とした頂点平坦正弦波状概丸形の雄ネジと雌ネジの適正遊合螺旋ネジ螺合伸縮機能だけで全伸縮調整を行う構造で、木製一体フランジ付円柱頂点平坦正弦波状概丸形雄ネジ構造体と木製円筒頂点平坦正弦波状概丸形雌ネジ構造体の一対のシンプル組合せ構造とした大調整代対応シンプル木製螺旋ネジ螺合式伸縮ポールの全体正面図である。図2は、図1記載の木製一体フランジ付円柱頂点平坦正弦波状概丸形雄ネジ構造体の、フランジ部から頂点平坦正弦波状概丸形雄ネジ部の部分拡大図であり、図3は、木製円筒頂点平坦正弦波状概丸形雌ネジ構造体の雄ネジ構造体との螺合端面側部頂点平坦正弦波状概丸形雌ネジ部の部分拡大図である。
【0007】
図4は、雄ネジ及び雌ネジ構造体構造を、ネジ形成前構造において両者とも円筒の金属パイプ構造で且つ雄ネジ用金属パイプの外径と雌ネジ金属パイプの内径とがネジ形成後において適正遊合螺旋ネジ螺合伸縮構造となる隙間0.5mm程度の遊合嵌合となる市販標準金属パイプを用いて、それぞれに適正遊合螺旋螺合ネジを形成する転造正弦波状概丸形ネジを全長さに転造加工にて設置するとともに、適正遊合螺旋螺合ネジ嵌合した金属パイプ雄ネジ構造体及び金属パイプ雌ネジ構造体の対向するそれぞれの端面側に金属パイプ垂直支持用のザグリ穴を、金属パイプ雄ネジ構造体側においては穴内周面に軽圧入対応垂直リブを等分割に4個所、1mm程度の高さで、且つリブ頂点内径(D61)が金属パイプ雄ネジ構造体の雄ネジ山部頂点外径(D41)より僅かに小さい軽圧入構造に設け、金属パイプ雌ネジ構造体側においては単純ザグリ穴形状にて金属パイプ雌ネジ構造体の雌ネジ谷部頂点外径部外径(D31)よりザグリ穴径(D51)が若干大きい遊合構造に設け、且つ伸縮ポールの必要機能を充たす伸縮ポール設置構造体との設置面構造と筐体構造を有する各々のプラスチック製金属伸縮ポール支持設置構造体を設置する組合せ構造とした、大調整代対応金属パイプ転造螺旋ネジ螺合式シンプル伸縮ポールの全体正面図である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、雄ネジ構造体を木製一体フランジ付円柱雄ネジ構造体とし、雌ネジ構造体を木製円筒雌ネジ構造体とするとともに、ネジの形成を圧縮形成とした頂点平坦正弦波状概丸形の雄ネジと雌ネジの適正遊合螺旋ネジ螺合伸縮機能だけで全伸縮調整を行う構造で、木製一体フランジ付円柱頂点平坦正弦波状概丸形雄ネジ構造体と木製円筒頂点平坦正弦波状概丸形雌ネジ構造体の一対のシンプル組合せ構造とした大調整代対応シンプル木製螺旋ネジ螺合式伸縮ポールの全体正面図である。
【図2】図2は、図1記載の木製一体フランジ付円柱頂点平坦正弦波状概丸形雄ネジ構造体の、フランジ部から頂点平坦正弦波状概丸形雄ネジ部の部分拡大図である。伸縮ポール設置体接合端面中央部には伸縮調整回転時の摺動抵抗軽減のため凹状の逃げを設けている。
【図3】図3は、木製円筒頂点平坦正弦波状概丸形雌ネジ構造体の雄ネジ構造体との螺合端面側部頂点平坦正弦波状概丸形雌ネジ部の部分拡大図である。
【図4】図4は、雄ネジ及び雌ネジ構造体構造を、ネジ形成前構造において両者とも円筒の金属パイプ構造で且つ雄ネジ用金属パイプの外径と雌ネジ金属パイプの内径とがネジ形成後において適正遊合螺旋ネジ螺合伸縮構造となる隙間0.5mm程度の遊合嵌合となる市販標準金属パイプを用いて、それぞれに適正遊合螺旋螺合ネジを形成する転造正弦波状概丸形ネジを全長さに転造加工にて設置するとともに、適正遊合螺旋螺合ネジ嵌合した金属パイプ雄ネジ構造体及び金属パイプ雌ネジ構造体の対向するそれぞれの端面側に金属パイプ垂直支持用のザグリ穴を、金属パイプ雄ネジ構造体側においては穴内周面に軽圧入対応垂直リブを等分割に4個所、1mm程度の高さで、且つリブ頂点内径(D61)が金属パイプ雄ネジ構造体の雄ネジ山部頂点外径(D41)より僅かに小さい軽圧入構造に設け、金属パイプ雌ネジ構造体側においては単純ザグリ穴形状にて金属パイプ雌ネジ構造体の雌ネジ谷部頂点外径部外径(D31)よりザグリ穴径(D51)が若干大きい遊合構造に設け、且つ伸縮ポールの必要機能を充たす伸縮ポール設置構造体との設置面構造と筐体構造を有する各々のプラスチック製金属伸縮ポール支持設置構造体を設置する組合せ構造とした、大調整代対応金属パイプ転造螺旋ネジ螺合式シンプル伸縮ポールの全体正面図である。
【符号の説明】
【0009】
1 伸縮ポール設置用家具等の天板(伸縮ポール設置構造体)
2 伸縮ポール設置木造住宅天井(伸縮ポール設置構造体:石膏ボード等)
10 木製円筒頂点平坦正弦波状概丸形雌ネジ構造体
11 上記(10)雌ネジ構造体の頂点平坦正弦波状概丸形雌ネジ部
111 上記(11)頂点平坦正弦波状概丸形雌ネジ部の頂点平坦谷部
112 上記(11)頂点平坦正弦波状概丸形雌ネジ部の頂点平坦山部
20 木製一体フランジ付円柱頂点平坦正弦波状概丸形雄ネジ構造体
21 上記(20)雄ネジ構造体の頂点平坦正弦波状概丸形雄ネジ部
211 上記(21)頂点平坦正弦波状概丸形雄ネジ部の頂点平坦山部
212 上記(21)頂点平坦正弦波状概丸形雄ネジ部の頂点平坦谷部
22 上記(20)雄ネジ構造体のフランジ部
L1 最小螺旋ネジ螺合寸法(伸縮ポールの強度等必要機能上)
L2 伸縮ポール螺旋ネジ螺合最大伸縮調整寸法
H1 伸縮ポール設置構造体の最大間隔寸法
30 金属パイプ転造正弦波状概丸形雌ネジ構造体
31 上記(30)転造正弦波状概丸形雌ネジ谷部頂点外径部
32 上記(30)転造正弦波状概丸形雌ネジ山部頂点(内径)部
D31 上記(30)転造正弦波状概丸形雌ネジ谷部頂点外径部外径
D32 上記(30)転造正弦波状概丸形雌ネジ山部頂点部内径
40 金属パイプ転造正弦波状概丸形雄ネジ構造体
41 上記(40)転造正弦波状概丸形雌ネジ山部頂点外径部
42 上記(40)転造正弦波状概丸形雄ネジ谷部頂点内径部
D41 上記(40)転造正弦波状概丸形雄ネジ山部頂点外径
D42 上記(40)転造正弦波状概丸形雄ネジ谷部頂点内径部内径
50 金属パイプ雌ネジ構造体側プラスチック製金属伸縮ポール支持設置構造体
51 上記(50)金属パイプネジ構造体垂直支持用単純ザグリ穴部
D51 上記(50)金属パイプネジ構造体垂直支持用単純ザグリ穴内径
60 金属パイプ雄ネジ構造体側プラスチック製金属伸縮ポール支持設置構造体
61 上記(60)金属パイプ雄ネジ構造体垂直支持用内周面軽圧入対応垂直リブ構造
ザグリ穴部(垂直リブ:等分割4個所設置)
D61 上記(60)金属パイプネジ構造体垂直支持用ザグリ穴内周リブ頂点内径
t 金属パイプ雄ネジ構造体の肉厚
P 適正遊合螺旋ネジ螺合のネジリードピッチ寸法
H2 伸縮ポール設置構造体の最大間隔寸法
L3 最小螺旋ネジ螺合寸法(伸縮ポールの強度等必要機能上)
L4 伸縮ポール螺旋ネジ螺合最大伸縮調整寸法

















【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮ポールにおいて、伸縮機能部構造を雄ネジと雌ネジの適正遊合螺旋ネジ螺合だけで行う構造とするとともに、螺旋ネジの形状を、角部をR面取り形状とした角丸三角形、もしくは角部をR面取り形状とした角丸台形、もしくは正弦波状概丸形、もしくは正弦波状概丸形および角丸三角形で雄ネジ、雌ネジとも山部の頂点部に若干の平坦部を有する形状とした頂点平坦正弦波状概丸形、頂点平坦角丸三角形等の構造とし、且つそのネジを形成する部品構造体構造を、一組の木製概円筒体(片端面側穴塞がり構造等を含む)と木製概円柱体の加工品、もしくは外径と内径が近似値の一組の円筒形の金属製パイプもしくはプラスチック製パイプとするとともに、雄ネジと雌ネジの形成を切削加工とせず、転造もしくは加熱成形もしくはプレス成形等の加工方法で形成する構造とし、更に伸縮ポール全体構造を、一組の木製概円筒体と木製概円柱体の適正遊合螺旋ネジ螺合伸縮構造体においては充分なる伸縮ポール設置構造体との設置面積を有する構造とすることでその一組の構造体だけで機能を充たす構造とし、一組の金属製パイプもしくはプラスチック製パイプの適正遊合螺旋ネジ螺合伸縮構造体においては両側に各々の外径部に嵌合する垂直支持用ザグリ穴を有し且つ伸縮ポールの必要機能を充たす伸縮ポール設置構造体との設置面及び筐体構造を有するプラスチック製伸縮ポール支持設置構造体を設置する組合せ構造としたことを特徴とした、伸縮ポール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−112608(P2009−112608A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−290401(P2007−290401)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(307040233)株式会社北上テック (4)