説明

位置合わせされたバンド付きシガレット紙、シガレット、及び製造方法

喫煙物品(20)のための位置合わせ可能バンド付き包装紙(23)を開示する。バンド付き領域(32)は、喫煙物品のタバコロッドの長さを整数で割ったものに等しい距離だけ互いに離間している。これは、各シガレット上の実質的に同じ位置で始まるバンド付き領域をもたらす。各バンド付き領域は、従って、シガレットの端部から好ましい所定の距離に位置決めされ、そのような紙を用いて作られたシガレットは、ランダム又は疑似ランダムに位置決めされたバンド付き領域と比較して一貫したかつ改善された着火傾向を呈する。位置合わせ可能バンド付き包装紙を用いて作られるシガレットを開示し、かつ位置合わせ可能バンド付き紙を備えたシガレットを作る方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、シガレットと周方向バンドのような1つ又はそれよりも多くの着火傾向調整構造体を有するシガレット包装紙とに広く関するものである。更に、この開示は、個々のシガレットのバンドがシガレットの構造的特徴部に対して実質的に均一に位置決めされるようにバンド付きシガレット包装紙を作る方法を取り扱う。他の態様では、本発明の開示は、バンドが完成シガレットの特徴部に対して均一に位置決めされたシガレットに関する。
【0002】
これまでは、シガレットのためのバンド付き包装紙は、好ましい公称距離だけ紙の長さに沿って縦方向に離間した好ましい幅のバンドを呈していた。その紙を使用して、完成シガレットは、着火可能端部、又はフィルタ端部、又は唇側端部、又はフィルタそれ自体のようなシガレットの構造的特徴部に対してランダムに又は疑似ランダムに位置決めされたバンドを有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US 6 596 125
【特許文献2】US 5 417 228
【特許文献3】US 5 474 095
【特許文献4】US 5 534 114
【特許文献5】US 5 144 964
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シガレットが、自己消火及び燃焼促進などを調整するためにバンド付き包装紙を組み込む場合、そのランダム又は疑似ランダムバンド位置決めは、自己消火及び燃焼促進などのような特性に対して矛盾する結果を与える場合がある。最近、規制当局は、特定管轄権内の販売のために提供されるシガレットに対して自己消火のような特性に対する要件を課し始めた。シガレットの構造的特徴部におけるそのようなランダム性又は疑似ランダム性は、そのような規制への遵守を複雑にする可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この開示の方法により、シガレットタバコロッドの公称完成長さを選択することができる。公称長さに対するバンドの所定の位置のピッチが判断される。完成シガレットの構造的特徴部に対するバンド位置の関係は、そのピッチに基づいて選択又は判断することができる。各完成シガレットに対するバンドの数は、選ばれるか又は選択することができる。バンドに対する所定の幅は、タバコロッドの縦方向長さに沿って測定されたバンド幅の好ましい範囲から選択することができる。所定のバンド幅及び所定の位置は、次に、バンドの位置決めが各完成シガレットの実質的に同じ位置で行われるようにシガレット紙上のバンド間の間隔を調節することにより、タバコロッドの公称完成長さと相互に関連付けられる。
【0006】
本発明の開示によるシガレット紙は、1つ又はそれよりも多くのバンド幅とバンド間間隔との関係がタバコロッドの公称完成長さの端数に対応するように、互いに離間した横断方向バンドを有する。好ましくは、シガレット紙は、上述の特徴部に基づいて位置決めされたバンドを有する。
【0007】
この開示による完成シガレットは、公称長さのタバコロッドを有し、フィルタを含むことができ、かつ好ましくは、上述のシガレット紙を用いて製造される。シガレット、具体的にはタバコロッドは、着火可能端部を有する。タバコロッドはまた、唇側端部又はフィルタ端部を有する。フィルタが使用される場合、それは、従来の方法でタバコロッドのフィルタ端部に取り付けられる。シガレットのための包装紙は、好ましくは、着火可能端部又はフィルタ端部のいずれかから第1の所定の距離に位置付けられた少なくとも1つのバンドを含み、所定の距離は、1つのシガレットから次のシガレットまで基本的に一定である。必要に応じて、別のバンドを着火可能端部及びフィルタ端部の他方から第2の所定の距離に位置決めすることができる。更に、必要に応じて、各シガレット上に2つよりも多くのバンドを設けることができる。
【0008】
好ましくは、第1の所定の距離は、第1のバンドが、隣接するバンド間のピッチの約1/2に対応する距離だけ着火可能端部から離間するように選択される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この開示による喫煙物品の斜視図である。
【図2】この開示による包装紙の実施形態の平面図である。
【図3】ランダムに位置決めされたバンド付き領域を有するシガレットのパーセント全長燃焼に対するシガレットの着火端部から12mmから18mmで開始するバンド付き領域を有するシガレットのパーセント全長燃焼のグラフである。
【図4】シガレット製造工程の各部分を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで使用される場合、「位置合わせ」又は「位置合わせされた」又は「位置合わせ可能」は、実質的に正確に対応するように作るか又は調節することを意味する。シガレット又はシガレットタバコロッドの「着火可能端部」又は「着火端部」は、喫煙が開始される時に着火されるように意図されたシガレット又はシガレットタバコロッドの端部を意味する。シガレットの着火端部からのバンド付き領域の開始の位置の位置合わせは、更に、シガレットの自己消火の数を最小にするように使用することができる。用語「約」、「実質的に」、又は「ほぼ」が使用される場合、その用語は、修正された特徴部内の均等物を含むように意図している。それらの用語のいずれかが数に関連して使用される時に、それは、それらの数が±5%の公差を有するように意図している。
【0011】
タバコ
この開示により作られるシガレットの場合、使用することができる適切な種類のタバコ材料は、以下に限定されるものではないが、煙道硬化タバコ、Bur1eyタバコ、Mary1andタバコ、0rienta1タバコ、レアタバコ、特殊タバコ、及びそれらの配合物などを含む。タバコ材料は、以下に限定されるものではないが、(i)カットフィラータバコ、(ii)タバコ葉、(iii)体積膨張又は膨化タバコのような加工タバコ材料、(iv)カットロール又はカットパフ茎のような加工タバコ茎、(v)再構成タバコ材料、及び(vi)それらの配合物などを含むあらゆる適切な形態で提供することができる。タバコ代用品も、使用することができる。カットフィラータバコが好ましい。
【0012】
従来的なシガレット製造では、タバコは、通常は、約2.5mmから約1.2mm(1/10インチから約1/20インチ)又は更に約0.6mm(1/40インチ)の範囲の幅に切断されたカットフィラーの形態で、すなわち、シュレッド又はストランドの形態で使用される。個々のタバコストランドの長さは、約6mmと約75mm(0.25インチと約3.0インチ)の間の範囲である。シガレットに対して使用されるタバコ材料は、1つ又はそれよりも多くの香味料又は他の適切な添加剤(例えば、燃焼添加剤、燃焼改良剤、着色剤、結合剤など)を更に含むことができる。
【0013】
シガレット構造体
図1を参照すると、この開示によるシガレット20は、典型的には、着火可能端部26及び第2の端部34を有するタバコロッド22を含む。第2の端部34は、唇側端部とするか、又は端部28を有するフィルタ24を備えることができる。従来、フィルタ24は、先端紙25によってタバコロッド22に取り付けられていた。タバコロッド22は、上述のようにある一定の量のタバコ材料を含み、かつ包装紙23によって取り囲まれる。
【0014】
ある一定の管轄当局は、販売のために提供されたシガレットが、特別な条件下で所定の基体上に静止している時に着火端部26からフィルタ端部34まで燃えることになるシガレットの部分を統計的に定義する着火傾向要件を準拠すべきであると現在要求している。例えば、ASTM規格E2187−04は、そのような着火傾向要件を満足するために用いられる試験プロトコルである。このような要求に対処する1つの方法は、タバコロッド22に沿って離間した1つ又はそれよりも多くのバンド付き領域30、32の具備を伴っている。これらのバンド30、32は、包装紙23の一部であり、かつタバコロッド22の周りで周方向に延びることができる。バンドは、典型的には、タバコロッドの軸線に沿って測定された時に約5mmから約7mmの範囲の幅を有する。
【0015】
従来のシガレットの製造では、タバコロッドは、包装紙がその縦軸線に沿って移動する時に形成される。タバコ材料は、移動する包装紙上に堆積され、これは、次に、タバコの周りに包まれ、密封され、切断されてタバコロッド22が形成される。これまでは、その従来のシガレット製造工程は、シガレットの着火可能又は着火端部26に対してバンド30のランダムの又は疑似ランダム位置決めをもたらした。
【0016】
この開示により、第1のバンドは、シガレットの着火又は着火可能端部26から第1の所定の距離に位置付けられることが好ましい。バンド30は、着火傾向調整構造体を含み、かつ(i)それからベースウェブが構成される材料のアドオン層、(ii)水性又は非水性フィルム形成溶液の1つ又はそれよりも多くの印刷層、又は(iii)タバコロッド22の着火傾向が調整、制御、管理、又は調節されるような他の材料から作ることができる。
【0017】
好ましくは、その第1の所定の距離は、隣接するバンド付き領域の間のピッチの約50%に対応し、より好ましくは、喫煙物品が2つのバンド付き領域を有する完成喫煙物品内のシガレットロッドの長さの約25%に対応する。更に、所定の距離はまた、好ましくは、約12mmから約18mmの範囲にある。その好ましい所定の距離は、ピッチの50%が好ましい範囲に該当するようにシガレット又はタバコロッド上のバンド付き領域の数を選択することによって調節することができる。更に、所定の距離は、喫煙物品の従来のパック内の全ての喫煙物品に対して実質的に一定であることが好ましい。その所定の距離がシガレット製造中に実質的に均一に維持されると、得られるシガレット20は、試験された時に改善された着火傾向性能を有するだけでなく、着火傾向性能が以前に観察されたよりも喫煙物品間でより均一になる。
【0018】
バンド付きシガレット紙
本発明に開示するバンド付きシガレット紙23は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている本出願人所有のUS 6 596 125に開示されているような方法によりかつそのような装置を使用して製造することができ、これは、好ましくは横断方向に延びるストライプの形態でベースウェブにアドオンスラリ材料の所定のパターンを適用する方法及び装置に関するものである。より詳細には、この特許は、付加的な材料のバンド付き領域を有するシガレット紙を生成する方法及び装置に関するものである。そこに開示されているように、バンド付き領域は、バンド付き領域間に位置付けられたベースウェブの領域よりも遅い燃焼速度を呈することができる。バンド付きシガレット紙に関する更に別の開示は、各々が本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている本出願人所有のUS 5 417 228、US 5 474 095、及びUS 5 534 114を含む。バンド付き領域はまた、印刷、具体的にはグラビア印刷のような他の技術によって形成することができる。各々が本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている本出願人所有のUS 5 417 228及びUS 5 144 964を参照されたい。バンド付き領域の幅は、好ましくは、約5mmから約7mmの範囲に入り、より好ましくは、約6mmである。
【0019】
得られるバンド付きシガレット包装紙23は、典型的にはボビン上に巻かれる。各ボビンは、例えば、長さが6000メートル程度の紙のストリップを保持することができる。ボビン上の紙ストリップの幅は、形成されるシガレットの円周に関連する。通例、幅は、接着ストリップ区域を含むようにシガレットの円周を十分に超える。
【0020】
シガレット生成
図4を参照すると、シガレットの生成において、カットフィラータバコ101は、タバコロッド製造業者103においてボビン104から供給される前進するシガレット包装紙23のストリップに沿って連続的に堆積される。紙23は、フィラータバコの周りに包まれ、実質的に連続した長いコラム106が作られる。そのコラム106は、2つの個々のシガレット20、20’を作るのに適する2アップロッド108に切断される。例えば(図2参照)、コラムは、ロッド製造業者103の位置40、44で横断方向に分断することができ、公称長さ2lを有するタバコロッド108が生成される。2アップタバコロッド108は、次に、「Hauni MAX」のような先端付け機械110内に給送され、そこで2アップタバコロッド108は、位置42で2つのタバコロッド22、22’に切断され、それは、その間に2アップフィルタセグメント112を受け取るために離れるように移動される。2アップフィルタセグメント112は、先端紙114を使用してシガレットタバコロッド22、22’の縦方向に離間した対に取り付けられる。2倍長シガレットアセンブリ116は、次に、半分に切断されて2つの完成シガレット20、21が生成される(図1参照)。複数のタバコロッドは、2アップ、4アップ、又は6アップなどとし、かつ他の先端付け作業を使用することが可能である。
【0021】
バンド付き領域30は、着火傾向の望ましい低下を達成するために付加的なアドオン材料及び/又は燃焼速度調整剤を含むことができる。加えて又は代わりに、バンド付き領域30は、シガレットの主観的品質を付与するのに使用することができる。例えば、バンド付き領域は、香味を含むことができる。香味を含むバンド付き領域は、シガレット紙のバンドなし領域に等しい燃焼速度を呈することができ、又はシガレット紙の隣接するバンドなし領域と比較してより遅い燃焼速度を呈することができる。
【0022】
各バンド30、32(図1参照)は、着火端部26から前進するくすぶるコールが最初に前縁31に接近するという意味で、前縁31及び後縁33を有するように構成される。
【0023】
完成シガレット内のバンドの位置又は場所は、バンド付きシガレット包装紙を使用して作られたタバコロッドからスライスされたシガレットタバコロッドの公称長さlに依存する。指摘したように、バンドは、典型的には一定の幅を有する。シガレット包装紙のストリップの全てのバンドが均一な間隔を有する場合(すなわち、1つのバンド付き領域の端部、すなわち、後縁33から次のバンド付き領域の開始、すなわち、前縁33までの距離が一定値である)、バンド付き領域は、完成シガレット上にランダムに又は疑似ランダムに配置されることになる。
【0024】
位置合わせ
本発明に開示するシガレット紙23(図1参照)は、好ましくは、完成シガレットのバンド付き領域が、着火可能端部26又は唇側端部34又はその両方のような完成シガレット20の構造体に対して位置決めされるか又は位置合わせされるように設計される。開示するシガレット紙23は、シガレット紙23から作られた各タバコロッド22が、1つが着火端部26に対して位置合わせされ、かつ1つがフィルタ端部34又は28に対して位置合わせされた少なくとも2つのバンド付き領域30、32を有するように設計することができる。典型的には、各バンド30、32は、シガレット紙23の隣接するバンドなし領域と比較してより遅い燃焼速度を呈し、従って、関連付けられたタバコロッドの着火傾向を調整する。
【0025】
第1のバンド付き領域30の中心は、好ましくは、第1の端部(すなわち、着火端部26)から所定の距離dに位置決めされる。すなわち、バンド付き領域の前縁31は、その所定の距離dよりもバンド付き領域30の幅の半分だけ短い長さに対応する着火端部26からの距離だけ離間する。シガレットタバコロッドは、好ましくは、その中心が、シガレットタバコロッド22の第2の端部(すなわち、唇側端部又は着火端部)から所定の距離dだけ離間した第2のバンド付き領域32を含む。図2に示すように、2つのシガレットを形成するための4つのバンド付き領域を備えたシガレット紙の連続ストリップの一部分が示されており、各シガレットは、2つのバンド付き領域30、32を有すると考えられる。隣接するバンド付き領域間のピッチP又は間隔は、1つのバンド付き領域30の前縁31から隣接するバンド付き領域32の前縁31まで、又は隣接するバンド付き領域の後縁33の間で測定することができる。
【0026】
バンド付き領域、例えば、30、32は、好ましくは、ベースウェブ23の長さ方向に沿って実質的に均一に離間する。更に、各バンド付き領域30、32は、ベースウェブ23の実質的に幅全体にわたって横断方向に延び、その縦方向縁部から縦方向縁部まで延びている。各バンド付き領域30、32はまた、ベースウェブの縦方向に測定された共通幅を有する。典型的には、その幅は、約4mmから約10mm、より好ましくは、約5mmから約7mmの範囲である。
【0027】
好ましくは、着火端部から隣接するバンド付き領域30の中心までの距離dは、隣接するバンド付き領域間のピッチPの2分の1に対応する。更に、隣接するバンド付き領域の着火端部から前縁31までの所定の距離は、約12mmから約18mmの範囲である。シガレット製造に使用される通常のタバコロッドの長さは、約50mmから約100mmの範囲に入り、好ましくは、約55mmから約90mmの範囲である。着火端部から前縁31までの所定の距離が、P/2よりもバンド付き領域30の幅の2分の1だけ短いものに対応することを認めると(幅は、ベースウェブの縦方向寸法に沿って又は喫煙物品の軸線に沿って測定される)、バンド幅及び各タバコロッド長に対するバンド数の選択は、所定の距離が約12mmから約18mmの好ましい範囲に選択されることを可能にする。通常は、タバコロッド上に1から10個のバンド付き領域があることになり、好ましくは、2から4個のバンド付き領域の範囲である。
【0028】
好ましくは、第2のバンド付き領域32の中心からシガレットタバコロッドの第2の端部(唇側端部)までの距離dも、約10mmから約20mmの範囲に入り、より好ましくは、フィルタ先端付きキングサイズ84mmシガレットの場合は約15mmである。更に、タバコロッドに沿ったバンド付き領域の間隔は、好ましくは、タバコロッドの着火端部及び唇側端部に対して対称に配置される。
【0029】
すなわち、位置合わせされたバンド付きシガレット紙は、バンド付きシガレット紙23上の第1の位置合わせ場所40から開始して、位置合わせされたバンド付きシガレット紙23上の第2の位置合わせ場所44で終わるバンド間隔を含む。位置合わせ場所40、44は、タバコロッド製造業者のカッター(図4参照)が、実質的に連続したタバコロッドを繰返し切断して2アップタバコロッド22、22’を形成する場所である。位置合わせ場所42は、先端付け機械上のカッターが2アップタバコロッド22、22’を切断して2つのシガレット20を形成する場所である。
【0030】
紙(包装紙)23には、長さ2l毎に繰り返すパターンが設けられる。
1、K2、K1
ここで、lは、公称タバコロッド長であり、K1は、位置合わせされたバンド付きシガレット紙23上の第1の位置合わせ場所40と第1のバンド30の中間又は中心の間の間隔(又は第1の所定の距離d)に対応する。K2は、長さl内の包装紙の第1のバンド30と最後のバンド32(図1及び2の第2のバンド)の間の中心対中心の間隔に対応する。第1の位置合わせ場所40と第2の位置合わせ場所42の間の間隔は、好ましくは、使用されるタバコロッドの長さlの整数倍に対応するように選択される。
【0031】
好ましくは、パターンは、包装紙23の長さに沿って複数回繰返し、より好ましくは、パターンは、包装紙23の全長に沿って繰り返す。タバコロッドの着火端部及び唇側端部に対してバンドの好ましい間隔が同じである場合、K2は、2K1と等しくすることができ、従って、パターンは、以下と同等であると考えられる。
1、2K1、K1
【0032】
一般的に、位置合わせされたバンド付きシガレット紙から形成された所定の長さlを有するタバコロッド22は、n個のバンドを有することができ、nは、2よりも大きいか又はそれに等しく、バンド対バンドの間隔は、Pである。好ましくは、nは、10未満又はそれに等しい。最も好ましくは、nは、2又は3に等しくすることができる。Pは、バンド中心から隣接するバンド中心まで、バンド前縁から隣接するバンド前縁まで、又はバンド後縁から隣接するバンド後縁まで測定することができる。長さl及びnバンドを有するタバコロッドに対して以下のようになる。
2[(n−1)+1]K1=2[(n1)+1]d=nP=l
【0033】
従って、上述の関係から各シガレットの公称長さl及びバンドの数nが分ると、隣接するバンド間の必要な間隔P、並びに着火端部と第1のバンド付き領域の中心との間の所定の距離dが判断される。
【0034】
シガレット上にバンド付き領域がランダム又は疑似ランダムに配置されることを避けるために、連続タバコロッド106(図4参照)は、2つの隣接するバンド付き領域間の中心対中心距離の中間で正確に(又は実際上合理的にその近くで)分断される。分断される位置は、図2の例えば40、42、44で識別される。紙ウェブ上のバンド付き領域及びそれらの各間隔の均一性のために、連続タバコロッド上で第1の切断が行われた後に、2アップタバコロッドを形成する全てのその後の切断は、隣接するバンド付き領域間の同じ相対位置で行われる。従って、着火端部と第1のバンドの間の所定の距離dは、バンド付き包装紙の1つのボビンから作られたタバコロッドから組み立てられる全ての喫煙物品に対して実質的に均一である。
【0035】
以上の説明と図2及び4から、包装紙23がその縦方向長さに沿って繰返しパターンを呈することが分るであろう。そのパターンは、所定の長さを有し、それは、好ましくは、シガレットのためのタバコロッドの公称長さlの2倍に対応する。その所定の長さは、第1の位置合わせ場所40から第2の位置合わせ場所44まで測定される。更に、所定の長さの範囲内で、パターンは、位置合わせ場所42に対応する横断軸線に関して対称である。喫煙物品の製造中に、タバコロッド製造業者103(図4参照)は、例えば、所定の長さを有する2アップタバコロッドを形成するように、第1及び第2の位置合わせ場所40、44において連続タバコロッド106を切断するか又はその他の方法で分断する。先端付け機械110は、得られる喫煙物品が、喫煙物品の着火可能又は着火端部に対してバンド付き領域の実質的に均一な間隔位置決めを有するように、パターンに関する対称軸において2アップタバコロッドを切断するか又はその他の方法で分断する。
【実施例】
【0036】
全てが12%よりも少ないチョーク充填の様々なレベルを使用して一連のプロトタイプシガレットが調製された。一連のプロトタイプは、以下の表にA、B、C、及びDと識別されている。以下の表は、ASTM規格E2187−04に基づいて行われたそれらのプロトタイプの試験を要約している。
【0037】
試験の結果は、プロトタイプに従ってかつ着火端部から第1のバンド付き領域までの距離に従って以下の表にまとめられている。第1のデータ欄は、第1のバンド付き領域30がシガレットの着火端部から12mmから18mm(すなわち、d又はK1)で始まるシガレットに関する結果をまとめている。第2のデータ欄は、第1のバンド付き領域がシガレットの着火端部から12mmから18mmの領域の外側で始まるシガレットに関する結果をまとめている。各プロトタイプに関して、試験した時の全長燃焼(FLB)及び消火(EXT)の数は、シガレットの着火端部からの距離の範囲に同じく入る試験したこのプロトタイプのシガレットの総数と共に記録された。本明細書で使用される時に、消火は、非全長燃焼を意味する。要するに、データは、着火又は着火可能端部から12mmから18mmの範囲に第1のバンド付き領域を有するシガレットが、第1のバンド付き領域がその領域の外側にあるシガレットと対比させた時に、自由長燃焼をもたらすシガレットの実質的に低減したいパーセントを呈することを示している。
【0038】
(表)

【0039】
表は、最下部に全プロトタイプに対する達成結果をまとめている。好ましい範囲で第1のバンドを備えたシガレットの場合、試験したシガレットの約4.6%だけに自由長燃焼が発生した。対照的に、第1のバンドが好ましい範囲の外にあるシガレットの場合、試験したシガレットの約31.2%に自由長燃焼が発生した。自由長燃焼の百分率が着火傾向に関連するので、これらの試験は、好ましい範囲の外側にあるシガレットの着火傾向が、好ましい範囲の内側に第1のバンドを備えたシガレットの着火傾向の約7倍であることを示している。
【0040】
図3は、表に列挙した4つのプロトタイプシガレット、並びに全てがランダムに置かれたバンド付き領域を備えた4つの付加的なプロトタイプシガレットのパーセント全長燃焼に対する全てがシガレットの着火端部から12mmから18mmで開始するバンド付き領域を備えた表に列挙した4つのプロトタイプシガレット、並びに4つの付加的なプロトタイプシガレットのパーセント全長燃焼を比較している。ランダムに置かれたバンド付き領域は、シガレットの着火端部から12mm未満、シガレットの着火端部から12mmから18mm、又はシガレットの着火端部から18mmを超えて始まることができる。破線は、データポイントに最も良く適合する。図3は、シガレットの着火端部から12mmから18mmで開始するバンド付き領域を有するシガレットが、ランダムに置かれたバンド付き領域を有するシガレットと比較した時に全長燃焼を呈する見込みが低く、具体的には、約3倍まで見込みが低いことを示している。
【0041】
シガレットの製造においてこのデータを有効に使用するために、上述のK1、K2、K1パターンに従ってその縦方向長さに沿って繰り返すバンド付き領域を備えた包装紙が調製される。所定のバンドパターンを有する包装紙が、シガレット製造中に装飾機械内に給送され、タバココラムの第1の切断が、好ましくは、約12mmから約18mmの範囲に位置する所定の距離だけ第1のバンド付き領域30から離間した位置(図2参照)で行われる。従って、タバココラムの各次の切断は、2倍長タバコロッドを調製し、それは、次に、2つのシガレットを作るために分断される。上述のように、フィルタを次に付加することができる。図4を参照すると、望ましい切断作業は、バンド付き領域30及び/又は32の検出時に信号を発生するようになったセンサ120と、センサ120によって発生された信号に応答してカッター124を作動させるようになったプロセッサ122とを用いてロッド製造業者103において達成される。
【0042】
この工程により、各シガレット20(図1参照)は、シガレットの着火又は着火可能端部から所定の距離に位置決めされた第1のバンド付き領域を有することになる。更に、20個のこのようなシガレットのパック内の各シガレットはまた、シガレット端部から所定の距離に位置決めされた第1のバンド付き領域を有することになる。この位置合わせ方法及び包装紙構成工程を使用して、望ましい特性に応じて、選択されたバンドを他のバンドとは異なる方法で処理することもできる。例えば、喫煙の楽しみを改善するために第1のバンド付き領域に香味料を追加することが可能であると考えられる。基体の上に放置状態にされた時に統計的により頻繁にシガレットを消火させることができるような方法でシガレットの最後のバンド付き領域を修正することも可能であると考えられる。例えば、最後のバンド付き領域は、付加的なアドオン材料又はより広い幅を含むことができるであろう。
【0043】
様々な実施形態を説明したが、当業者には明らかなように、多くの修正、変形、及び均等物の手段に訴えることができることは理解されるものとする。そのような修正、変形、及び均等物は、ここに添付する特許請求の範囲の精神及び範囲内であることを意図している。
【符号の説明】
【0044】
20 喫煙物品
23 位置合わせ可能バンド付き包装紙
32 バンド付き領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公称長さを有する喫煙物品のための位置合わせ可能な包装紙であって、
縦方向及び横断方向を有するベースウェブと、
前記ベースウェブの前記縦方向に実質的に均一に離間し、該ベースウェブの前記横断方向に延び、かつ該ベースウェブの該縦方向に測定された公称幅を有する複数の着火傾向調整構造体と、
を含み、
前記ベースウェブの前記縦方向における隣接する着火傾向調整構造体の間のピッチが、前記公称長さを整数で割ったものとして選択される、
ことを特徴とする包装紙。
【請求項2】
前記着火傾向調整構造体は、前記ベースウェブの前記幅にわたって延びる実質的に連続したバンドであることを特徴とする請求項1に記載の位置合わせ可能包装紙。
【請求項3】
前記整数は、1、2、3、又は4であることを特徴とする請求項2に記載の位置合わせ可能包装紙。
【請求項4】
喫煙物品であって、
縦方向とロッド長とを有するある一定の量のタバコを含むタバコロッドと、
前記タバコを取り囲む包装紙であって、前記タバコロッドの前記縦方向に実質的に均一に離間し、実質的に該タバコロッドの周りに延び、かつ該タバコロッドの該縦方向に測定された公称幅を有する複数の着火傾向調整構造体を含む前記包装紙と、
を含み、
前記タバコロッドの前記縦方向における隣接する着火傾向調整構造体の間のピッチが、ロッド長を1よりも大きい整数で割ったものとして選択される、
ことを特徴とする喫煙物品。
【請求項5】
前記着火傾向調整構造体は、水性デンプン材料から印刷された少なくとも1つのバンドを含むことを特徴とする請求項4に記載の喫煙物品。
【請求項6】
前記タバコロッドは、端部を有し、該端部に最も近く隣接する前記着火傾向調整構造体の中心が、隣接する着火傾向調整構造体間の前記ピッチの1/2だけ該端部から離間していることを特徴とする請求項4に記載の喫煙物品。
【請求項7】
前記着火傾向調整構造体は、約5mmから約7mmの範囲の幅を有することを特徴とする請求項4に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記タバコロッドの一端に取り付けられたフィルタを更に含むことを特徴とする請求項4に記載の喫煙物品。
【請求項9】
前記公称長さは、約50mmから約100mmの範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の喫煙物品。
【請求項10】
前記整数は、2、3、又は4であることを特徴とする請求項4に記載の喫煙物品。
【請求項11】
タバコロッドが公称長さを有する喫煙物品の着火傾向性能を強化する方法であって、
公称長さを整数xで割ったものとしてバンド付き領域に対する所定のピッチを判断する段階と、
前記所定のピッチを用いてタバコロッドに沿ってバンド付き領域を確立する段階と、
ロッド製造業者において2つの隣接するバンド付き領域間の中間点で前記タバコロッドを分断し、x個のバンド付き領域が該タバコロッドの各公称長さに対して発生するタバコロッドを作成する段階と、
前記バンド付き領域の第1のものの中心が前記所定のピッチの1/2に対応する距離だけタバコロッド部分の着火端部から離間したタバコロッド部分を確立する長さに前記タバコロッドを切断する段階と、
を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−509889(P2013−509889A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538228(P2012−538228)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/006756
【国際公開番号】WO2011/057743
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(596060424)フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム (222)
【Fターム(参考)】