位置検知システム
【課題】 一般のPHSサービスシステムを利用し、PHSサービス側を変更することなく、またPHSシステム利用者のプライバシーを侵害することなく実現できる位置検知システムを提供する。
【解決手段】 被探索者に位置検知用PHS10を携帯させ、探索者が一般通話用のPHS20から位置検知用PHS10を呼び出し、位置検知用PHS10が着信後、記憶しているCSIDを一般通話用のPHS20にデータ送信し、一般通話用のPHS20が、受信したCSIDを表示する位置検知システムである。
【解決手段】 被探索者に位置検知用PHS10を携帯させ、探索者が一般通話用のPHS20から位置検知用PHS10を呼び出し、位置検知用PHS10が着信後、記憶しているCSIDを一般通話用のPHS20にデータ送信し、一般通話用のPHS20が、受信したCSIDを表示する位置検知システムである。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、徘徊老人や子供やペット等の探索等に用いられる位置検知システムに係り、特に一般のPHSサービスシステムを利用し、PHSサービス側を変更することなく、またPHSサービスシステム利用者のプライバシーを侵害することなく実現できる位置検知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、探索対象の位置を検知するシステムはさまざまあったが、何れも携帯する装置が小型、軽量でないという現状があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の位置検知システムでは、携帯する装置が小型、軽量でないため携帯性に優れていないという問題点があった。
【0004】そこで、近年広範囲にわたるサービスエリアを保持し、且つ携帯性に優れた移動端末を有する簡易型携帯電話システム(Personal Handy-phone System:PHS)を使った位置検知システムも考えられるが、これには以下のような問題点があった。
【0005】まず第1の問題点は、既存のPHSサービスシステムにおいて、PHSサービス制御局で管理記憶されている移動端末(以降はPHSと呼ぶ)の位置情報を用いて、PHSの位置検知を行おうとすると、PHSサービス制御局側で大幅なシステム改造が必要になり、実現のための負荷が大きいという問題点があった。
【0006】また、PHSサービス制御局で管理記憶されている位置情報は、利用者のプライバシーに係わる情報であるため、その情報を公開することはプライバシーの侵害になるという問題点があった。
【0007】本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、一般のPHSサービスシステムを利用し、PHSサービス側を変更することなく、またPHSシステム利用者のプライバシーを侵害することなく実現できる位置検知システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解決するための請求項1記載の発明は、位置検知システムにおいて、探索者が所有する一般通話用のPHSから被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出すと、前記位置検知用PHSが、記憶している所在基地局の識別子であるCSIDを前記一般通話用のPHSに送信し、前記一般通話用のPHSが、受信した前記CSIDを表示することを特徴としており、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用して、一般通話用のPHSから位置検知用PHSの所在基地局ゾーンのCSIDを検知できる。
【0009】上記従来例の問題点を解決するための請求項2記載の発明は、位置検知システムにおいて、探索者が所有する一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出すと、前記位置検知装置が被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出し、前記位置検知用PHSが、記憶している所在基地局の識別子であるCSIDを前記位置検知装置に送信し、前記位置検知装置が、前記CSIDに対応する所在名の音声に変換して一般通話用の電話に送信し、前記一般通話用の電話が、受信した前記所在名を音声出力することを特徴としており、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用して、一般通話用の電話から位置検知用PHSの所在基地局ゾーンの所在名を音声で検知できる。
【0010】上記従来例の問題点を解決するための請求項3記載の発明は、位置検知システムにおいて、探索者が所有する一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出して追跡開始を指示すると、前記位置検知装置が、被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出して追跡開始を指示し、前記位置検知用PHSが、前記追跡開始の指示により追跡モードになり、記憶している所在基地局の識別子であるCSIDが替わる毎に前記CSIDを前記位置検知装置に送信し、前記位置検知装置が、受信したCSIDを日時と共に蓄積して記憶し、前記一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出して径路報告を指示すると、前記位置検知装置が、記憶しているCSIDと日時を対応する所在名と日時の音声に変換して一般通話用の電話に送信し、前記一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出して追跡終了を指示すると、前記位置検知装置が、被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出して追跡終了を指示し、前記位置検知用PHSが、前記追跡終了の指示により追跡モードを解除することを特徴としており、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用して、一般通話用の電話から位置検知用PHSの移動径路を所在基地局ゾーンの所在名の音声で検知できる。
【0011】上記従来例の問題点を解決するための請求項4記載の発明は、位置検知システムにおいて、被検索者の携帯する位置検知用PHSが、記憶している所在基地局の識別子であるCSIDが替わる毎に、探索者の所有する一般通話用のPHSを呼び出して前記位置検知用PHSの識別子であるPSIDと前記CSIDを送信し、前記一般通話用のPHSが、受信したPSIDとCSIDをパーソナルコンピュータに出力し、前記パーソナルコンピュータが、入力された前記PSIDと前記CSIDを入力時刻と共に記憶し、要求に応じて記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとを編集して表示することを特徴としており、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用して、位置検知用PHSの移動径路をPC内に記憶し、表示できる。
【0012】上記従来例の問題点を解決するための請求項5記載の発明は、請求項4記載の位置検知システムにおいて、位置検知用PHSが、探索者の所有する一般通話用のPHSを呼び出す呼設定情報の中にPSIDとCSIDを組み込んで呼び出し、呼出通知を受け取ると通話状態確立前に回線接続を切断することを特徴としており、通話料をかけずにPSIDとCSIDを一般通話用のPHSに送信できる。
【0013】上記従来例の問題点を解決するための請求項6記載の発明は、請求項4記載の位置検知システムにおいて、パーソナルコンピュータで記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとを表形式で編集して表示することを特徴としており、位置検知用PHSの移動径路を表形式で見易く表示できる。
【0014】上記従来例の問題点を解決するための請求項7記載の発明は、請求項4記載の位置検知システムにおいて、パーソナルコンピュータで記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとをマップ形式で編集して表示することを特徴としており、位置検知用PHSの移動径路をマップ形式で見易く表示できる。
【0015】
【発明の実施の形態】請求項に係る発明について、その実施の形態を図面を参照しながら説明する。本発明の第1の実施の形態に係る位置検知システムは、図1に示すように、探索対象者(被探索者)に位置検知用PHS10を携帯させ、探索者の携帯する一般通話用のPHS20から位置検知用PHS10を呼び出すと、位置検知用PHS10が着信後、記憶しているCSIDを一般通話用のPHS20にデータ送信し、一般通話用のPHS20が、受信したCSIDを表示するものなので、PHSサービスシステムを利用して、一般通話用のPHS20から位置検知用PHS10の位置検知を実現できる。図1R>1は、本発明の第1の実施の形態に係る位置検知システムの概略構成図である。
【0016】本発明の説明の前に、一般のPHSサービスシステムの位置登録の概略について、図1を使って簡単に説明する。一般のPHSサービスシステムでは、PHS加入者がサービスエリア内で電話の着信を受けるために、予め所在する基地局の位置情報をPHSのサービス制御局に記憶させる位置登録が行われている。
【0017】ここで位置登録とは具体的に、基地局4から基地局ゾーン内に、基地局4の位置情報である識別番号(CSID)が報知されており、PHS10は基地局4から報知されるCSIDを受信し、PHS10に既に記憶されている位置情報(CSID)と異なる場合に、受信したCSIDを記憶して、更にPHS10から自分のいる基地局ゾーンの基地局4に位置登録信号を送出する。
【0018】PHS10からの位置登録信号を受信した基地局4は、PHS用接続装置及び交換機等と共通信号線網であるPSTN(Public Switched TelecommunicationNetwork )/ISDN(Integrated Service Digital Network)を介してPHSサービス制御局に位置情報を送信し、PHSサービス制御局で管理され記憶されるようになっている。そして、PHS10が移動し、所在の基地局ゾーンが変化すると、新しい基地局4′の位置情報で登録が行われるようになっている。
【0019】尚、PHSにおけるシステム及びPHS端末の位置登録については、平成7年2月1日 電気通信協会発行「やさしいパーソナルハンディホン」小川圭祐、小林忠男編著者 p13〜p24に記載されている。
【0020】次に、本発明の第1の実施の形態に係る(第1の)位置検知システムの構成について図2を使って説明する。図2は、本発明の第1の位置検知システムの構成ブロック図である。
【0021】本発明の第1の位置検知システムは、基本的にはPHSサービス網9と、基地局4と、更に本発明の特徴部分である位置検知用PHS10と、一般通話用PHS(以降は単にPHSと記述する)20とから構成されている。
【0022】次に、第1の位置検知システムの各部について具体的に説明する。PHSサービス網9は、従来からある一般的なPHSサービスを行うためのサービス網で、その内部は共通信号線網であるPSTN/ISDNと、PHSサービス制御局と、交換局と、PHS用接続装置等から構成されている。
【0023】基地局4は、従来と全く同様で位置情報である自己の識別番号(CSID)を報知し、PHS10から位置登録信号を受信すると、PHSサービス網9に対して位置登録要求を行いPHS10の位置登録をPHSサービス制御局に通知するものであり、その他一般的なPHSサービスの基地局として動作するものである。
【0024】位置検知用PHS10は、探索対象者(被探索者)である徘徊老人や子供やペット等に携帯させるもので、一般のPHS端末における発呼や通話機能等を省略して位置検知専用にすることによって小型軽量化したPHS端末である。
【0025】そして、位置検知用PHS10の内部は、位置検知用PHS10を制御する制御部11と、所在の基地局のCSIDを記憶するCSID記憶部12とから構成されている。
【0026】制御部11では、従来どうり基地局4から報知されるCSIDを受信し、既にCSID記憶部12に記憶されているCISDと異なる場合は受信したCSIDをCSID記憶部12に記憶し、更に位置登録を行うようになっている。そして、PHS20からの呼出に対応する着呼を受信すると、キー入力等を待たずに即座に着信の制御を行い、それに続いて第1の実施の形態の特徴部分として、CSID記憶部12に記憶されているCSIDを呼び出したPHS20に送信するようになっている。
【0027】PHS20は、位置検知用PHS10を携帯する被探索者を探索しようとする人(探索者)の携帯する一般通話用の機能を持つPHS端末で、一般的なPHSの機能に加えて位置検知用PHS10の位置検知を行う機能が設けられている。位置検知を行う機能を実現するための構成は、位置検知制御部21と、表示部22である。位置検知制御部21は、位置検知用PHS10を呼び出し、位置検知用PHS10に接続後、位置検知用PHS10から送信されるCSIDを受信し、表示部22に出力して表示させるものである。
【0028】次に、第1の位置検知システムの動作について、図2を使って説明する。第1の位置検知システムでは、被探索者が位置検知用PHS10を携帯し、位置検知用PHS10が移動して基地局ゾーンが替わる度に位置登録をしながら、所在の基地局4のCSIDをCSID記憶部12に記憶している。
【0029】そして、探索者がPHS20を携帯し、位置検知をするときにPHS20から位置検知用PHS10を呼び出し、発呼を受けた位置検知用PHS10が、着信後CSID記憶部12に記憶されているCSIDをPHS20に送信し、PHS20がCSIDを受信して表示部22に表示するようになっている。
【0030】本発明の第1の位置検知システムによれば、探索者の携帯するPHS20から被探索者の携帯する位置検知用PHS10を呼び出すと、位置検知用PHS10が即座に着信し、更に位置検知用PHS10によってCSID記憶部12に記憶されているCSIDがPHS20に送信され、PHS20で受信されたCSIDが表示部22に表示されるものであるので、探索者の携帯するPHS20で被探索者の携帯する位置検知用PHS10の所在する基地局ゾーンを検知できるので、PHSサービスシステムを利用してプライバシーを侵害することなく被探索者の位置が検知できる効果がある。
【0031】次に、請求項に係る発明について、第2の実施の形態を図面を参照しながら説明する。本発明に係る第2の位置検知システムは、図3に示すように、被探索者に位置検知用PHS10を携帯させ、探索者が一般電話25から位置検知サービスセンターの位置検知装置30を呼び出し、位置検知用PHS10の電話番号を入力すると、位置検知装置30が位置検知用PHS10を呼び出し、位置検知用PHS10が着信後、記憶しているCSIDを位置検知装置30にデータ送信し、位置検知装置30が、受信したCSIDに対応する所在名を音声で一般電話25に送信するものなので、PHSサービスシステムを利用して、一般電話から被探索者の位置を検知できる。図3は、本発明の第2の実施の形態に係る位置検知システムの概略構成図である。
【0032】本発明の第2の実施の形態に係る(第2の)位置検知システムの構成について図4を使って説明する。図4は、本発明の第2の位置検知システムの構成ブロック図である。
【0033】本発明の第2の位置検知システムは、基本的にはPHSサービス網9と、基地局4と、更に本発明の特徴部分である位置検知用PHS10と、位置検知サービスセンターの位置検知装置30と、一般電話25とから構成されている。
【0034】次に、第2の位置検知システムの各部について具体的に説明するが、PHSサービス網9と基地局4と位置検知用PHS10は第1の位置検知システムと全く同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0035】一般電話25は、位置検知用PHS10を携帯する被探索者を探索しようとする人(探索者)の身近にある一般的な電話機であり、位置検知サービスセンターの位置検知装置30を呼び出した後に、探索したい位置検知用PHS10の電話番号を入力し、位置検知された所在名の音声情報をスピーカ出力するものである。
【0036】位置検知サービスセンターの位置検知装置30は、一般電話25からの位置検知サービスの要求に対応して、位置検知用PHS10を呼び出し、位置検知用PHS10から送信されたCSIDに対応する所在名を音声で一般電話25に送信するものである。
【0037】位置検知装置30の内部は、位置検知サービス制御部31と、CS所在情報テーブル32とから構成されている。CS所在情報テーブル32は、図5に示すように、基地局4のCSIDに対応する基地局4の所在名を音声データで予め記憶しているものである。図5は、本発明の第2の位置検知システムにおけるCS所在情報テーブル32の例を示す説明図である。
【0038】位置検知サービス制御部31は、位置検知装置30の制御を行うもので、一般電話25から呼び出されると、探索を希望する位置検知用PHS10の電話番号を問い合わせ、一般電話25で電話番号が入力されて送信されると、受信した電話番号の位置検知用PHS10を呼び出す。
【0039】そして、位置検知用PHS10から送信されたCSIDを受け取り、CS所在情報テーブル32を参照してCSIDに対応する所在名の音声データを読み込み、音声を合成して一般電話25に送信するようになっている。
【0040】次に、第2の位置検知システムの動作について、図4を使って説明する。第2の位置検知システムでは、被探索者が位置検知用PHS10を携帯し、移動して基地局ゾーンが替わる度に位置登録をしながら、所在の基地局4のCSIDをCSID記憶部12に記憶している。
【0041】そして、探索者が位置検知をするときに身近にある一般電話25から位置検知サービスセンターの位置検知装置30を呼び出し、位置検知用PHS10の電話番号を入力すると、位置検知装置30が位置検知用PHS10を呼び出し、発呼を受けた位置検知用PHS10は、着信後CSID記憶部12に記憶されているCSIDを位置検知装置30に送信し、位置検知装置30はCSIDを受信してCS所在情報テーブル32で所在地に対応づけ、音声で一般電話25に送信するようになっている。
【0042】本発明の第2の位置検知システムによれば、探索者が身近な一般電話25から位置検知装置30を呼び出し、被探索者の携帯する位置検知用PHS10の電話番号を入力すると、位置検知装置30から位置検知用PHS10が呼び出され、位置検知用PHS10が即座に着信し、更に位置検知用PHS10によってCSID記憶部12に記憶されているCSIDが位置検知装置30に送信され、位置検知装置30で受信したCSIDが所在名の音声情報に変換されて一般電話25に送信されるので、探索者が身近にある一般電話25から被探索者の携帯する位置検知用PHS10の所在地を音声で検知できるので、PHSサービスシステムを利用してプライバシーを侵害することなく分かりやすく被探索者の位置が検知できる効果がある。
【0043】次に、請求項に係る発明について、第2の実施の形態を応用した第3の実施の形態を図面を参照しながら説明する。本発明に係る第3の位置検知システムは、被探索者に位置検知用PHS10を携帯させ、探索者が一般電話25から位置検知サービスセンターを呼び出し、位置検知用PHS10の電話番号と追跡開始の指示を入力すると、位置検知サービスセンターの位置検知装置30が位置検知用PHS10を呼び出して追跡開始の指示を送信し、位置検知用PHS10は追跡開始の指示を受けると追跡モードになって記憶しているCSIDが替わる毎に位置検知装置30に新しいCSIDをデータ送信し、位置検知装置30は、受信したCSIDを受信日時と共に蓄積して記憶し、一般電話25から径路報告の指示を受けると、蓄積して記憶している受信日時とCSIDを受信日時と所在名の音声に変換して一般電話25に送信するものなので、PHSサービスシステムを利用して、一般電話から被探索者の移動径路を検知できる。
【0044】本発明の第3の実施の形態に係る(第3の)位置検知システムの構成について図6を使って説明する。図6は、本発明の第3の位置検知システムの構成ブロック図である。
【0045】本発明の第3の位置検知システムは、基本的には第2の位置検知システムと同様にPHSサービス網9と、基地局4と、更に本発明の特徴部分である位置検知用PHS10′と、位置検知サービスセンターの位置検知装置30′と、一般電話25′とから構成されている。
【0046】次に、第3の位置検知システムの各部について具体的に説明するが、PHSサービス網9と基地局4は第2の位置検知システムと全く同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0047】一般電話25′は、位置検知用PHS10′を携帯する被探索者を探索しようとする人(探索者)の身近にある一般的な電話機であり、位置検知サービスセンターの位置検知装置30′を呼び出した後に、探索したい位置検知用PHS10′の電話番号を入力し、続いて追跡を開始する指示(追跡開始指示)、又は追跡を終了する指示(追跡終了指示)、又は追跡結果の径路を報告する指示(径路報告指示)の何れかを入力し、径路報告指示を入力した場合に被探索者の移動径路情報の音声をスピーカ出力するものである。
【0048】位置検知サービスセンターの位置検知装置30′は、一般電話25′からの位置検知サービスの要求に対応して、追跡制御及び追跡した結果の報告を行うものである。
【0049】位置検知装置30′の内部は、位置検知サービス制御部31′と、CS所在情報テーブル32と、径路記憶テーブル33とから構成されている。CS所在情報テーブル32は、第2の位置検知システムと全く同様で、図5に示すように、基地局4のCSIDに対応する基地局4の所在名を音声データで予め記憶しているものである。
【0050】径路記憶テーブル33は、追跡開始が要求された位置検知用PHS10′の電話番号毎に、位置検知用PHS10′から受信した時刻とCSIDを順次記憶する記憶部である。この順次記憶された時刻とCSIDを径路データと呼ぶ。
【0051】位置検知サービス制御部31′は、位置検知装置30′の制御を行うもので、一般電話25′から呼び出されると、探索を希望する位置検知用PHS10′の電話番号と、追跡開始指示又は追跡終了指示又は径路報告指示の何れを要求するかを問い合わせ、一般電話25′から入力された電話番号及び指示に従って処理を行う。また、位置検知用PHS10′からの呼び出しに応じて、位置検知用PHS10′から送信されるCSIDを受信して、受信日時と受信したCSIDを径路記憶テーブル33に記憶するものである。
【0052】具体的に、追跡開始指示が入力された場合は、径路記憶テーブル33に追跡開始が要求された位置検知用PHS10′の電話番号を記憶し、更に位置検知用PHS10′を呼び出して、追跡開始用の制御信号を送信する。
【0053】また、追跡終了指示が入力された場合は、径路記憶テーブル33の追跡終了が要求された位置検知用PHS10′の電話番号に関するデータを消去し、更に位置検知用PHS10′を呼び出して、追跡終了用の制御信号を送信する。
【0054】また、径路報告指示が入力された場合は、径路記憶テーブル33の径路報告が要求された位置検知用PHS10′の電話番号に関する径路データを径路記憶テーブル33から読み出し、CS所在情報テーブル32を参照して径路データ内のCSIDに対応する所在名の音声データを読み込み、時刻と所在名の音声を合成して一般電話25に送信するようになっている。
【0055】また、位置検知用PHS10′から呼び出しがあると、位置検知用PHS10′から送信されるCSIDを受信して、径路記憶テーブル33の位置検知用PHS10′の電話番号に対応する径路データ部分に受信時刻とCSIDを格納するようになっている。
【0056】位置検知用PHS10′は、第1及び第2の位置検知システムの位置検知用PHS10と同様に、探索対象者(被探索者)である徘徊老人や子供やペット等に携帯させ、位置検知専用に動作するPHS端末であるが、第1及び第2の位置検知システムの位置検知用PHS10と大きく異なる点は、発信機能も有する点である。
【0057】そして、位置検知用PHS10′の内部は、位置検知用PHS10′を制御する制御部11′と、所在の基地局のCSIDを記憶するCSID記憶部12とから構成されている。
【0058】制御部11′では、従来どうり基地局4から報知されるCSIDを受信し、既にCSID記憶部12に記憶されているCISDと異なる場合は位置登録を行い、受信したCSIDをCSID記憶部12に記憶するようになっている。
【0059】そして、位置検知装置30′からの呼出に対応する着呼を受信し、続いて追跡開始用の制御信号を受け取ると、追跡モードの制御に切り替わり、位置検知装置30′からの呼出に続いて追跡終了用の制御信号を受け取るまで、追跡モードの制御を行うようになっている。
【0060】ここで、追跡モードの制御とは、まず、CSID記憶部12に記憶されているCSIDを位置検知装置30′に送信し、以降は、基地局ゾーンを移動して位置登録を行う毎に、予め設定されている位置検知サービスセンターの位置検知装置30′の番号を呼び出し、CSID記憶部12に記憶されたCSIDを位置検知装置30′に送信するようになっている。
【0061】次に、第3の位置検知システムの動作について、図6を使って説明する。第3の位置検知システムでは、被探索者が位置検知用PHS10′を携帯し、移動して基地局ゾーンが替わる度に位置登録をしながら、所在の基地局4のCSIDをCSID記憶部12に記憶している。
【0062】そして、探索者が被探索者の追跡を開始したい時に、身近にある一般電話25′から位置検知サービスセンターの位置検知装置30′を呼び出し、一般電話25′から位置検知用PHS10′の電話番号が入力され、更に追跡開始指示が入力されると、位置検知装置30′で径路記憶テーブル33に位置検知用PHS10′の電話番号が記憶され、更に位置検知用PHS10′が呼び出されて、追跡開始用の制御信号が送信される。
【0063】発呼を受けた位置検知用PHS10′は、着信後追跡開始用の制御信号を受け取り、以降は追跡モードに切り替わり、基地局ゾーンを移動して位置登録を行う毎に、位置検知装置30′を呼び出してCSIDを送信し、位置検知装置30′では受信したCSIDを受信時刻と共に径路記憶テーブル33に記憶していく。
【0064】そして、探索者が被探索者の移動径路を知りたい時に、身近にある一般電話25′から位置検知サービスセンターの位置検知装置30′を呼び出し、一般電話25′から位置検知用PHS10′の電話番号が入力され、更に径路報告指示が入力されると、位置検知装置30′で径路記憶テーブル33から位置検知用PHS10′の電話番号に対応する径路データが読み出され、CS所在情報テーブル32を使ってCSIDが所在地の音声データに変換され、時刻と共に音声で一般電話25′に送信されるようになっている。
【0065】また、探索者が追跡を終了して良い時に、身近にある一般電話25′から位置検知サービスセンターの位置検知装置30′を呼び出し、一般電話25′から位置検知用PHS10′の電話番号が入力され、更に追跡終了指示が入力されると、位置検知装置30′で径路記憶テーブル33の位置検知用PHS10′の電話番号に関するデータが消去され、更に位置検知用PHS10′が呼び出されて、追跡終了用の制御信号が送信され、位置検知用PHS10′では、追跡モードが解除される。
【0066】本発明の第3の位置検知システムによれば、探索者が身近な一般電話25′から位置検知装置30′を呼び出し、被探索者の携帯する位置検知用PHS10′の電話番号を入力して追跡開始指示を入力すると、位置検知装置30′から位置検知用PHS10′が呼び出されて追跡開始の指示が送信され、以降は位置検知用PHS10′が追跡モードになり、記憶しているCSIDが替わる毎に位置検知装置30′を呼び出して新しいCSIDをデータ送信し、位置検知装置30′は、受信したCSIDを蓄積して記憶し、一般電話25′から径路報告の指示を受けると、蓄積して記憶しているCSIDを所在名に変換して音声で一般電話25′に送信するものなので、PHSサービスシステムを利用して、一般電話から被探索者の移動径路の検知を実現できる効果がある。
【0067】次に、請求項に係る発明について、第3の実施の形態を応用した第4の実施の形態を図面を参照しながら説明する。本発明に係る第4の位置検知システムは、図7に示すように、被探索者に位置検知用PHS40を携帯させ、位置検知用PHS40は、基地局ゾーンを移動して位置登録を行う度に、呼設定情報内に自己のID(PSID)と所在のCSIDを組み込んで、予め設定されているPHS50の電話番号を呼び出し、呼び出しを受けたPHS50では呼設定情報内のPSIDとCSIDを抽出してPC51に出力し、PC51でPSIDに対応するCSIDを径路データとして随時記憶し、記憶した径路データを表形式又はマップ情報と関連づけてマップ形式で表示するものなので、PHSサービスシステムを利用して、位置検知用PHS40の移動径路を分かりやすく表示できる。図7は、本発明の第4の実施の形態に係る位置検知システムの概略構成図である。
【0068】本発明の第4の実施の形態に係る(第4の)位置検知システムの構成について図8を使って説明する。図8は、本発明の第4の位置検知システムの構成ブロック図である。
【0069】本発明の第4の位置検知システムは、基本的にはPHSサービス網9と、基地局4と、更に本発明の特徴部分である位置検知用PHS40と、PHS50と、PC51とから構成されている。
【0070】次に、第4の位置検知システムの各部について具体的に説明するが、PHSサービス網9と基地局4は第1の位置検知システムと全く同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0071】位置検知用PHS40は、探索対象者(被探索者)である徘徊老人や子供やペット等の移動体に携帯及び設置し、位置検知用にも動作するPHS端末である。そして、第4の位置検知システムの位置検知用PHS40の特徴部分として、位置登録を行う度に、呼設定情報に自己のPSIDと所在のCSIDを組み込んで、予め設定されているPHS50の電話番号を呼び出して位置情報を転送するPHSである。
【0072】そして、位置検知用PHS40の内部は、位置検知用PHS40を制御する制御部41と、所在の基地局のCSIDを記憶するCSID記憶部42と、呼出PHS番号記憶部43から構成されている。
【0073】CSID記憶部42は、所在の基地局ゾーンの基地局4のCSIDを記憶する記憶部である。呼出PHS番号記憶部43は、位置登録の度にPSIDとCSIDを転送するPHS50の電話番号を予め記憶している記憶部である。
【0074】制御部41は、従来どうり基地局4から報知されるCSIDを受信し、既にCSID記憶部42に記憶されているCISDと異なる場合は位置登録を行い、受信したCSIDをCSID記憶部42に記憶する。
【0075】そして、呼設定情報の発番号に自己のID(PSID)を設定し、発サブアドレスにCSID記憶部42に記憶されているCSIDを設定して呼設定情報を作成し、呼出PHS番号記憶部43に記憶されている電話番号宛に通常の発信制御を行い、作成した呼設定情報を基地局4に送信する。
【0076】そして、通常の発信制御シーケンスにおいて、PHSサービス網からPHS50への呼出が開始されたことを確認すると、発信制御を切断するようになっている。ここで、PHSサービス網からPHS50への呼出が開始されたことの確認は、位置検知用PHS40がPHSサービス網から呼出通知を受け取ったことにより確認する。その結果、PHS50への接続完了前に切断されるので、通話料はかからない。
【0077】ここで、位置検知用PHS40からPHS50への呼出から切断までの制御シーケンスについて図9R>9を使って具体的に説明する。図9は、本発明の第4の位置検知システムにおける位置検知用PHS40とPHS50との間の制御シーケンスを示す説明図である。
【0078】位置検知用PHS40は、所在の基地局4(CS1)から報知メッセージを受け取り、報知メッセージ内のCSIDと記憶しているCSIDとが異なる場合に位置登録の制御を行う。そして、位置登録に続いてオフフックしてPHS50へのダイヤリングを行い、CS1との間でリンクチャネル確立要求、リンクチャネル割当が行われる。
【0079】そして、呼設定情報内にPSIDとCSIDを組み込んでCS1に送信すると、CS1からPHS50が所在する基地局4(CS2)を経由してPHS50に呼設定情報が送信され、PHS50でPSIDとCSIDが取り出される。
【0080】その後、PHS50で呼出用のリンガ鳴動が為されると、PHS50からCS2に呼出通知が送信され、CS1を経由して呼出通知が位置検知用PHS40に送信される。この時、位置検知用PHS40では、呼設定情報がPHS50で受信されたと判断し、即座にCS1に対して切断を送信するので、実際に位置検知用PHS40とPHS50との間は接続されずにPSIDとCSIDの送信が為され、通話料はかからないことになる。
【0081】尚、PHSにおける位置登録、発信、着信の制御シーケンスについては、平成7年2月1日 電気通信協会発行「やさしいパーソナルハンディホン」小川圭祐、小林忠男編著者 p68〜p75に記載されている。
【0082】ここで、呼設定情報の発サブアドレスにCSIDを設定する具体例について、図10、図11を使って説明する。図10は、PHSサービスシステムにおけるCSIDの構成を示す説明図であり、図11は、第4の位置検知システムにおける呼設定情報の発サブアドレスの構成例を示す説明図である。
【0083】通常、PHSサービスシステムにおけるCSIDは、図10に示すように、42ビットで構成されている。そして、図11に示すように、呼設定情報の発サブアドレスの3オクテット目のサブアドレス種別を“010”に設定することによって4オクテット以降をユーザ特有サブアドレスとして使用できるので、4〜10オクテットまでを使ってCSIDを設定することができる。
【0084】PHS50は、一般通話用のPHSであるが、但し、位置検知用PHS40からの着呼を受けると、その呼設定情報内に設定されているPSIDとCSIDとを抽出し、PC51に出力するようになっている。
【0085】PC51は、PHS50から出力されるPSIDとCSIDの情報を受け取って記憶し、入力部から入力される表示要求に従って、記憶されているPSIDの追跡情報を表示するものである。
【0086】PC51は、その内部が位置検知制御部52と、マップ情報53と、径路記憶テーブル54と、表示部55と、入力部56とから構成されている。
【0087】入力部56は、表示要求及び表示方法の入力を行うものである。径路記憶テーブル54は、PHS50から受け取ったPSIDとCSIDの情報及び受け取った日時から成る追跡情報を記憶する記憶部である。マップ情報53は、CSIDに対応する付近の地図情報を予め記憶している記憶部である。
【0088】表示部55は、径路記憶テーブル54に記憶された追跡情報を表示する表示部で、表示方法として表形式表示と、マップ形式表示とがある。表形式表示とは、図12に示すように追跡情報を時系列に表形式で表示するものであり、マップ形式とは、図13に示すように、CSIDの移動径路を地図の形で表示するものである。図12は、第4の位置検知システムにおけるPC51での表形式表示例を示す説明図であり、図13は、第4の位置検知システムにおけるPC51でのマップ形式表示例を示す説明図である。
【0089】位置検知制御部52は、PC51における位置検知の制御を行うもので、PHS50から出力されるPSIDとCSIDの情報を受け取り、日時と共に径路記憶テーブル54に格納し、入力部56から表示要求と表示方法を入力すると、径路記憶テーブル54から追跡情報を読み込み、入力された表示方法に従って追跡情報を編集して表示部55に出力するものである。
【0090】次に、第4の位置検知システムの動作について、図8を使って説明する。第4の位置検知システムでは、被探索者が位置検知用PHS40を携帯し、移動して基地局ゾーンが替わる度に位置登録をしながら、所在の基地局4のCSIDをCSID記憶部42に記憶し、更に自己のPSIDとCSID記憶部42に記憶したCSIDとを呼設定情報に設定して、呼出PHS番号記憶部43に記憶されているPHS50の電話番号に発信する。
【0091】そして、位置検知用PHS40から呼び出されたPHS50によって、その呼設定情報からPSIDとCSIDとが抽出されてPC51に出力され、PC51で日時と共に追跡情報として径路記憶テーブル54に記憶される。
【0092】そして、PC51の入力部56からの表示要求に従って、径路記憶テーブル54から読み出された追跡情報が表示形式又はマップ形式で表示部55に表示されるようになっている。
【0093】本発明の第4の位置検知システムによれば、被探索者の携帯する位置検知用PHS40から位置登録が行われる度にPSIDとCSIDの情報がPHS50に転送され、PHS50からPC51に出力されて追跡情報として記憶され、表示要求に応じて記憶されている追跡情報が表形式又はマップ形式で表示されるものなので、PHSサービスシステムを利用して、被探索者の移動径路を分かりやすく表示できる効果がある。
【0094】また、位置検知用PHS40からPHS50にPSIDとCSIDの情報を転送する際、PSIDとCSIDの情報を呼設定情報に組み込み、両者の接続が完了する前に切断するので、通話料がかからずに追跡情報を収集できる効果がある。
【0095】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、探索者の所有する一般通話用のPHSから被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出すと、位置検知用PHSが、記憶しているCSIDを一般通話用のPHSに送信し、一般通話用のPHSが、受信したCSIDを表示する位置検知システムとしているので、一般通話用のPHSから位置検知用PHSの所在基地局ゾーンのCSIDを検知でき、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用してプライバシーを侵害することなく、被探索者の位置を容易に検知できる効果がある。
【0096】請求項2記載の発明によれば、探索者の所有する一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出すと、位置検知装置が、被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出し、位置検知用PHSが、記憶しているCSIDを位置検知装置に送信し、位置検知装置が、受信したCSIDに対応する所在名の音声に変換して一般通話用の電話に送信し、一般電話が所在名を音声出力する位置検知システムとしているので、一般通話用の電話から位置検知用PHSの所在名を音声で検知でき、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用してプライバシーを侵害することなく、被探索者の位置を容易に分かり易く検知できる効果がある。
【0097】請求項3記載の発明によれば、探索者の所有する一般通話用の電話から位置検知装置に追跡開始が指示されると、位置検知装置が、被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出して追跡開始を指示し、位置検知用PHSが、追跡モードになって、記憶しているCSIDが替わる毎にCSIDを位置検知装置に送信し、位置検知装置でCSIDを受信日時と共に記憶し、一般通話用の電話から位置検知装置に径路報告が指示されると、位置検知装置が、記憶しているCSIDと受信日時を対応する所在名と日時の音声に変換して一般通話用の電話に送信する位置検知システムとしているので、一般通話用の電話から位置検知用PHSの移動径路を音声で検知でき、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用してプライバシーを侵害することなく、被探索者の移動径路を容易に分かり易く検知できる効果がある。
【0098】請求項4記載の発明によれば、被検索者の携帯する位置検知用PHSが、記憶しているCSIDが替わる毎に、探索者の所有する一般通話用のPHSを呼び出して自己のPSIDとCSIDを送信し、一般通話用のPHSが、受信したPSIDとCSIDをPCに出力し、PCが入力されたPSIDとCSIDを入力時刻と共に記憶し、探索者からの要求に応じて記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとを編集して表示する位置検知システムとしているので、位置検知用PHSの移動径路をPC内に記憶し表示でき、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用してプライバシーを侵害することなく、被探索者の移動径路を容易に分かり易く検知できる効果がある。
【0099】請求項5記載の発明によれば、位置検知用PHSが、探索者の所有する一般通話用のPHSを呼び出す呼設定情報の中にPSIDとCSIDを組み込んで呼び出し、呼出通知を受け取るとすぐに切断する請求項4記載の位置検知システムとしているので、通話料をかけずにPSIDとCSIDを一般通話用のPHSに送信でき、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用してプライバシーを侵害することなく、被探索者の移動径路を容易に分かり易く且つ経済的に検知できる効果がある。
【0100】請求項6記載の発明によれば、パーソナルコンピュータが記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとを表形式で表示する請求項4記載の位置検知システムとしているので、被探索者の移動径路を表形式で分かり易く検知できる効果がある。請求項7記載の発明によれば、パーソナルコンピュータが記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとをマップ形式で表示する請求項4記載の位置検知システムとしているので、被探索者の移動径路をマップ形式で分かり易く検知できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る位置検知システムの概略構成図である。
【図2】本発明の第1の位置検知システムの構成ブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る位置検知システムの概略構成図である。
【図4】本発明の第2の位置検知システムの構成ブロック図である。
【図5】本発明の第2の位置検知システムにおけるCS所在情報テーブル32の例を示す説明図である。
【図6】本発明の第3の位置検知システムの構成ブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る位置検知システムの概略構成図である。
【図8】本発明の第4の位置検知システムの構成ブロック図である。
【図9】本発明の第4の位置検知システムにおける位置検知用PHS40とPHS50との間の制御シーケンスを示す説明図である。
【図10】PHSサービスシステムにおけるCSIDの構成を示す説明図である。
【図11】本発明の第4の位置検知システムにおける呼設定情報の発サブアドレスの構成例を示す説明図である。
【図12】第4の位置検知システムにおけるPC51での表形式表示例を示す説明図でる。
【図13】第4の位置検知システムにおけるPC51でのマップ形式表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…PHSサービス制御局、 4,4′…基地局、 9…PHSサービス網、10,10′,40…位置検知用PHS、 11,11′,41…制御部、12,42…CSID記憶部、 20…PHS、 21…位置検知制御部、 22…表示部、 30,30′…位置検知装置、 31,31′…位置検知サービス制御部、 32…CS所在情報テーブル、 33…径路記憶テーブル、 43…呼出PHS番号記憶部、 50…PHS、 51…PC、 52…位置検知制御部、 53…マップ情報、 54…径路記憶テーブル、 55…表示部、 56…入力部
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、徘徊老人や子供やペット等の探索等に用いられる位置検知システムに係り、特に一般のPHSサービスシステムを利用し、PHSサービス側を変更することなく、またPHSサービスシステム利用者のプライバシーを侵害することなく実現できる位置検知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、探索対象の位置を検知するシステムはさまざまあったが、何れも携帯する装置が小型、軽量でないという現状があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の位置検知システムでは、携帯する装置が小型、軽量でないため携帯性に優れていないという問題点があった。
【0004】そこで、近年広範囲にわたるサービスエリアを保持し、且つ携帯性に優れた移動端末を有する簡易型携帯電話システム(Personal Handy-phone System:PHS)を使った位置検知システムも考えられるが、これには以下のような問題点があった。
【0005】まず第1の問題点は、既存のPHSサービスシステムにおいて、PHSサービス制御局で管理記憶されている移動端末(以降はPHSと呼ぶ)の位置情報を用いて、PHSの位置検知を行おうとすると、PHSサービス制御局側で大幅なシステム改造が必要になり、実現のための負荷が大きいという問題点があった。
【0006】また、PHSサービス制御局で管理記憶されている位置情報は、利用者のプライバシーに係わる情報であるため、その情報を公開することはプライバシーの侵害になるという問題点があった。
【0007】本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、一般のPHSサービスシステムを利用し、PHSサービス側を変更することなく、またPHSシステム利用者のプライバシーを侵害することなく実現できる位置検知システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解決するための請求項1記載の発明は、位置検知システムにおいて、探索者が所有する一般通話用のPHSから被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出すと、前記位置検知用PHSが、記憶している所在基地局の識別子であるCSIDを前記一般通話用のPHSに送信し、前記一般通話用のPHSが、受信した前記CSIDを表示することを特徴としており、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用して、一般通話用のPHSから位置検知用PHSの所在基地局ゾーンのCSIDを検知できる。
【0009】上記従来例の問題点を解決するための請求項2記載の発明は、位置検知システムにおいて、探索者が所有する一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出すと、前記位置検知装置が被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出し、前記位置検知用PHSが、記憶している所在基地局の識別子であるCSIDを前記位置検知装置に送信し、前記位置検知装置が、前記CSIDに対応する所在名の音声に変換して一般通話用の電話に送信し、前記一般通話用の電話が、受信した前記所在名を音声出力することを特徴としており、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用して、一般通話用の電話から位置検知用PHSの所在基地局ゾーンの所在名を音声で検知できる。
【0010】上記従来例の問題点を解決するための請求項3記載の発明は、位置検知システムにおいて、探索者が所有する一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出して追跡開始を指示すると、前記位置検知装置が、被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出して追跡開始を指示し、前記位置検知用PHSが、前記追跡開始の指示により追跡モードになり、記憶している所在基地局の識別子であるCSIDが替わる毎に前記CSIDを前記位置検知装置に送信し、前記位置検知装置が、受信したCSIDを日時と共に蓄積して記憶し、前記一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出して径路報告を指示すると、前記位置検知装置が、記憶しているCSIDと日時を対応する所在名と日時の音声に変換して一般通話用の電話に送信し、前記一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出して追跡終了を指示すると、前記位置検知装置が、被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出して追跡終了を指示し、前記位置検知用PHSが、前記追跡終了の指示により追跡モードを解除することを特徴としており、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用して、一般通話用の電話から位置検知用PHSの移動径路を所在基地局ゾーンの所在名の音声で検知できる。
【0011】上記従来例の問題点を解決するための請求項4記載の発明は、位置検知システムにおいて、被検索者の携帯する位置検知用PHSが、記憶している所在基地局の識別子であるCSIDが替わる毎に、探索者の所有する一般通話用のPHSを呼び出して前記位置検知用PHSの識別子であるPSIDと前記CSIDを送信し、前記一般通話用のPHSが、受信したPSIDとCSIDをパーソナルコンピュータに出力し、前記パーソナルコンピュータが、入力された前記PSIDと前記CSIDを入力時刻と共に記憶し、要求に応じて記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとを編集して表示することを特徴としており、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用して、位置検知用PHSの移動径路をPC内に記憶し、表示できる。
【0012】上記従来例の問題点を解決するための請求項5記載の発明は、請求項4記載の位置検知システムにおいて、位置検知用PHSが、探索者の所有する一般通話用のPHSを呼び出す呼設定情報の中にPSIDとCSIDを組み込んで呼び出し、呼出通知を受け取ると通話状態確立前に回線接続を切断することを特徴としており、通話料をかけずにPSIDとCSIDを一般通話用のPHSに送信できる。
【0013】上記従来例の問題点を解決するための請求項6記載の発明は、請求項4記載の位置検知システムにおいて、パーソナルコンピュータで記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとを表形式で編集して表示することを特徴としており、位置検知用PHSの移動径路を表形式で見易く表示できる。
【0014】上記従来例の問題点を解決するための請求項7記載の発明は、請求項4記載の位置検知システムにおいて、パーソナルコンピュータで記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとをマップ形式で編集して表示することを特徴としており、位置検知用PHSの移動径路をマップ形式で見易く表示できる。
【0015】
【発明の実施の形態】請求項に係る発明について、その実施の形態を図面を参照しながら説明する。本発明の第1の実施の形態に係る位置検知システムは、図1に示すように、探索対象者(被探索者)に位置検知用PHS10を携帯させ、探索者の携帯する一般通話用のPHS20から位置検知用PHS10を呼び出すと、位置検知用PHS10が着信後、記憶しているCSIDを一般通話用のPHS20にデータ送信し、一般通話用のPHS20が、受信したCSIDを表示するものなので、PHSサービスシステムを利用して、一般通話用のPHS20から位置検知用PHS10の位置検知を実現できる。図1R>1は、本発明の第1の実施の形態に係る位置検知システムの概略構成図である。
【0016】本発明の説明の前に、一般のPHSサービスシステムの位置登録の概略について、図1を使って簡単に説明する。一般のPHSサービスシステムでは、PHS加入者がサービスエリア内で電話の着信を受けるために、予め所在する基地局の位置情報をPHSのサービス制御局に記憶させる位置登録が行われている。
【0017】ここで位置登録とは具体的に、基地局4から基地局ゾーン内に、基地局4の位置情報である識別番号(CSID)が報知されており、PHS10は基地局4から報知されるCSIDを受信し、PHS10に既に記憶されている位置情報(CSID)と異なる場合に、受信したCSIDを記憶して、更にPHS10から自分のいる基地局ゾーンの基地局4に位置登録信号を送出する。
【0018】PHS10からの位置登録信号を受信した基地局4は、PHS用接続装置及び交換機等と共通信号線網であるPSTN(Public Switched TelecommunicationNetwork )/ISDN(Integrated Service Digital Network)を介してPHSサービス制御局に位置情報を送信し、PHSサービス制御局で管理され記憶されるようになっている。そして、PHS10が移動し、所在の基地局ゾーンが変化すると、新しい基地局4′の位置情報で登録が行われるようになっている。
【0019】尚、PHSにおけるシステム及びPHS端末の位置登録については、平成7年2月1日 電気通信協会発行「やさしいパーソナルハンディホン」小川圭祐、小林忠男編著者 p13〜p24に記載されている。
【0020】次に、本発明の第1の実施の形態に係る(第1の)位置検知システムの構成について図2を使って説明する。図2は、本発明の第1の位置検知システムの構成ブロック図である。
【0021】本発明の第1の位置検知システムは、基本的にはPHSサービス網9と、基地局4と、更に本発明の特徴部分である位置検知用PHS10と、一般通話用PHS(以降は単にPHSと記述する)20とから構成されている。
【0022】次に、第1の位置検知システムの各部について具体的に説明する。PHSサービス網9は、従来からある一般的なPHSサービスを行うためのサービス網で、その内部は共通信号線網であるPSTN/ISDNと、PHSサービス制御局と、交換局と、PHS用接続装置等から構成されている。
【0023】基地局4は、従来と全く同様で位置情報である自己の識別番号(CSID)を報知し、PHS10から位置登録信号を受信すると、PHSサービス網9に対して位置登録要求を行いPHS10の位置登録をPHSサービス制御局に通知するものであり、その他一般的なPHSサービスの基地局として動作するものである。
【0024】位置検知用PHS10は、探索対象者(被探索者)である徘徊老人や子供やペット等に携帯させるもので、一般のPHS端末における発呼や通話機能等を省略して位置検知専用にすることによって小型軽量化したPHS端末である。
【0025】そして、位置検知用PHS10の内部は、位置検知用PHS10を制御する制御部11と、所在の基地局のCSIDを記憶するCSID記憶部12とから構成されている。
【0026】制御部11では、従来どうり基地局4から報知されるCSIDを受信し、既にCSID記憶部12に記憶されているCISDと異なる場合は受信したCSIDをCSID記憶部12に記憶し、更に位置登録を行うようになっている。そして、PHS20からの呼出に対応する着呼を受信すると、キー入力等を待たずに即座に着信の制御を行い、それに続いて第1の実施の形態の特徴部分として、CSID記憶部12に記憶されているCSIDを呼び出したPHS20に送信するようになっている。
【0027】PHS20は、位置検知用PHS10を携帯する被探索者を探索しようとする人(探索者)の携帯する一般通話用の機能を持つPHS端末で、一般的なPHSの機能に加えて位置検知用PHS10の位置検知を行う機能が設けられている。位置検知を行う機能を実現するための構成は、位置検知制御部21と、表示部22である。位置検知制御部21は、位置検知用PHS10を呼び出し、位置検知用PHS10に接続後、位置検知用PHS10から送信されるCSIDを受信し、表示部22に出力して表示させるものである。
【0028】次に、第1の位置検知システムの動作について、図2を使って説明する。第1の位置検知システムでは、被探索者が位置検知用PHS10を携帯し、位置検知用PHS10が移動して基地局ゾーンが替わる度に位置登録をしながら、所在の基地局4のCSIDをCSID記憶部12に記憶している。
【0029】そして、探索者がPHS20を携帯し、位置検知をするときにPHS20から位置検知用PHS10を呼び出し、発呼を受けた位置検知用PHS10が、着信後CSID記憶部12に記憶されているCSIDをPHS20に送信し、PHS20がCSIDを受信して表示部22に表示するようになっている。
【0030】本発明の第1の位置検知システムによれば、探索者の携帯するPHS20から被探索者の携帯する位置検知用PHS10を呼び出すと、位置検知用PHS10が即座に着信し、更に位置検知用PHS10によってCSID記憶部12に記憶されているCSIDがPHS20に送信され、PHS20で受信されたCSIDが表示部22に表示されるものであるので、探索者の携帯するPHS20で被探索者の携帯する位置検知用PHS10の所在する基地局ゾーンを検知できるので、PHSサービスシステムを利用してプライバシーを侵害することなく被探索者の位置が検知できる効果がある。
【0031】次に、請求項に係る発明について、第2の実施の形態を図面を参照しながら説明する。本発明に係る第2の位置検知システムは、図3に示すように、被探索者に位置検知用PHS10を携帯させ、探索者が一般電話25から位置検知サービスセンターの位置検知装置30を呼び出し、位置検知用PHS10の電話番号を入力すると、位置検知装置30が位置検知用PHS10を呼び出し、位置検知用PHS10が着信後、記憶しているCSIDを位置検知装置30にデータ送信し、位置検知装置30が、受信したCSIDに対応する所在名を音声で一般電話25に送信するものなので、PHSサービスシステムを利用して、一般電話から被探索者の位置を検知できる。図3は、本発明の第2の実施の形態に係る位置検知システムの概略構成図である。
【0032】本発明の第2の実施の形態に係る(第2の)位置検知システムの構成について図4を使って説明する。図4は、本発明の第2の位置検知システムの構成ブロック図である。
【0033】本発明の第2の位置検知システムは、基本的にはPHSサービス網9と、基地局4と、更に本発明の特徴部分である位置検知用PHS10と、位置検知サービスセンターの位置検知装置30と、一般電話25とから構成されている。
【0034】次に、第2の位置検知システムの各部について具体的に説明するが、PHSサービス網9と基地局4と位置検知用PHS10は第1の位置検知システムと全く同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0035】一般電話25は、位置検知用PHS10を携帯する被探索者を探索しようとする人(探索者)の身近にある一般的な電話機であり、位置検知サービスセンターの位置検知装置30を呼び出した後に、探索したい位置検知用PHS10の電話番号を入力し、位置検知された所在名の音声情報をスピーカ出力するものである。
【0036】位置検知サービスセンターの位置検知装置30は、一般電話25からの位置検知サービスの要求に対応して、位置検知用PHS10を呼び出し、位置検知用PHS10から送信されたCSIDに対応する所在名を音声で一般電話25に送信するものである。
【0037】位置検知装置30の内部は、位置検知サービス制御部31と、CS所在情報テーブル32とから構成されている。CS所在情報テーブル32は、図5に示すように、基地局4のCSIDに対応する基地局4の所在名を音声データで予め記憶しているものである。図5は、本発明の第2の位置検知システムにおけるCS所在情報テーブル32の例を示す説明図である。
【0038】位置検知サービス制御部31は、位置検知装置30の制御を行うもので、一般電話25から呼び出されると、探索を希望する位置検知用PHS10の電話番号を問い合わせ、一般電話25で電話番号が入力されて送信されると、受信した電話番号の位置検知用PHS10を呼び出す。
【0039】そして、位置検知用PHS10から送信されたCSIDを受け取り、CS所在情報テーブル32を参照してCSIDに対応する所在名の音声データを読み込み、音声を合成して一般電話25に送信するようになっている。
【0040】次に、第2の位置検知システムの動作について、図4を使って説明する。第2の位置検知システムでは、被探索者が位置検知用PHS10を携帯し、移動して基地局ゾーンが替わる度に位置登録をしながら、所在の基地局4のCSIDをCSID記憶部12に記憶している。
【0041】そして、探索者が位置検知をするときに身近にある一般電話25から位置検知サービスセンターの位置検知装置30を呼び出し、位置検知用PHS10の電話番号を入力すると、位置検知装置30が位置検知用PHS10を呼び出し、発呼を受けた位置検知用PHS10は、着信後CSID記憶部12に記憶されているCSIDを位置検知装置30に送信し、位置検知装置30はCSIDを受信してCS所在情報テーブル32で所在地に対応づけ、音声で一般電話25に送信するようになっている。
【0042】本発明の第2の位置検知システムによれば、探索者が身近な一般電話25から位置検知装置30を呼び出し、被探索者の携帯する位置検知用PHS10の電話番号を入力すると、位置検知装置30から位置検知用PHS10が呼び出され、位置検知用PHS10が即座に着信し、更に位置検知用PHS10によってCSID記憶部12に記憶されているCSIDが位置検知装置30に送信され、位置検知装置30で受信したCSIDが所在名の音声情報に変換されて一般電話25に送信されるので、探索者が身近にある一般電話25から被探索者の携帯する位置検知用PHS10の所在地を音声で検知できるので、PHSサービスシステムを利用してプライバシーを侵害することなく分かりやすく被探索者の位置が検知できる効果がある。
【0043】次に、請求項に係る発明について、第2の実施の形態を応用した第3の実施の形態を図面を参照しながら説明する。本発明に係る第3の位置検知システムは、被探索者に位置検知用PHS10を携帯させ、探索者が一般電話25から位置検知サービスセンターを呼び出し、位置検知用PHS10の電話番号と追跡開始の指示を入力すると、位置検知サービスセンターの位置検知装置30が位置検知用PHS10を呼び出して追跡開始の指示を送信し、位置検知用PHS10は追跡開始の指示を受けると追跡モードになって記憶しているCSIDが替わる毎に位置検知装置30に新しいCSIDをデータ送信し、位置検知装置30は、受信したCSIDを受信日時と共に蓄積して記憶し、一般電話25から径路報告の指示を受けると、蓄積して記憶している受信日時とCSIDを受信日時と所在名の音声に変換して一般電話25に送信するものなので、PHSサービスシステムを利用して、一般電話から被探索者の移動径路を検知できる。
【0044】本発明の第3の実施の形態に係る(第3の)位置検知システムの構成について図6を使って説明する。図6は、本発明の第3の位置検知システムの構成ブロック図である。
【0045】本発明の第3の位置検知システムは、基本的には第2の位置検知システムと同様にPHSサービス網9と、基地局4と、更に本発明の特徴部分である位置検知用PHS10′と、位置検知サービスセンターの位置検知装置30′と、一般電話25′とから構成されている。
【0046】次に、第3の位置検知システムの各部について具体的に説明するが、PHSサービス網9と基地局4は第2の位置検知システムと全く同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0047】一般電話25′は、位置検知用PHS10′を携帯する被探索者を探索しようとする人(探索者)の身近にある一般的な電話機であり、位置検知サービスセンターの位置検知装置30′を呼び出した後に、探索したい位置検知用PHS10′の電話番号を入力し、続いて追跡を開始する指示(追跡開始指示)、又は追跡を終了する指示(追跡終了指示)、又は追跡結果の径路を報告する指示(径路報告指示)の何れかを入力し、径路報告指示を入力した場合に被探索者の移動径路情報の音声をスピーカ出力するものである。
【0048】位置検知サービスセンターの位置検知装置30′は、一般電話25′からの位置検知サービスの要求に対応して、追跡制御及び追跡した結果の報告を行うものである。
【0049】位置検知装置30′の内部は、位置検知サービス制御部31′と、CS所在情報テーブル32と、径路記憶テーブル33とから構成されている。CS所在情報テーブル32は、第2の位置検知システムと全く同様で、図5に示すように、基地局4のCSIDに対応する基地局4の所在名を音声データで予め記憶しているものである。
【0050】径路記憶テーブル33は、追跡開始が要求された位置検知用PHS10′の電話番号毎に、位置検知用PHS10′から受信した時刻とCSIDを順次記憶する記憶部である。この順次記憶された時刻とCSIDを径路データと呼ぶ。
【0051】位置検知サービス制御部31′は、位置検知装置30′の制御を行うもので、一般電話25′から呼び出されると、探索を希望する位置検知用PHS10′の電話番号と、追跡開始指示又は追跡終了指示又は径路報告指示の何れを要求するかを問い合わせ、一般電話25′から入力された電話番号及び指示に従って処理を行う。また、位置検知用PHS10′からの呼び出しに応じて、位置検知用PHS10′から送信されるCSIDを受信して、受信日時と受信したCSIDを径路記憶テーブル33に記憶するものである。
【0052】具体的に、追跡開始指示が入力された場合は、径路記憶テーブル33に追跡開始が要求された位置検知用PHS10′の電話番号を記憶し、更に位置検知用PHS10′を呼び出して、追跡開始用の制御信号を送信する。
【0053】また、追跡終了指示が入力された場合は、径路記憶テーブル33の追跡終了が要求された位置検知用PHS10′の電話番号に関するデータを消去し、更に位置検知用PHS10′を呼び出して、追跡終了用の制御信号を送信する。
【0054】また、径路報告指示が入力された場合は、径路記憶テーブル33の径路報告が要求された位置検知用PHS10′の電話番号に関する径路データを径路記憶テーブル33から読み出し、CS所在情報テーブル32を参照して径路データ内のCSIDに対応する所在名の音声データを読み込み、時刻と所在名の音声を合成して一般電話25に送信するようになっている。
【0055】また、位置検知用PHS10′から呼び出しがあると、位置検知用PHS10′から送信されるCSIDを受信して、径路記憶テーブル33の位置検知用PHS10′の電話番号に対応する径路データ部分に受信時刻とCSIDを格納するようになっている。
【0056】位置検知用PHS10′は、第1及び第2の位置検知システムの位置検知用PHS10と同様に、探索対象者(被探索者)である徘徊老人や子供やペット等に携帯させ、位置検知専用に動作するPHS端末であるが、第1及び第2の位置検知システムの位置検知用PHS10と大きく異なる点は、発信機能も有する点である。
【0057】そして、位置検知用PHS10′の内部は、位置検知用PHS10′を制御する制御部11′と、所在の基地局のCSIDを記憶するCSID記憶部12とから構成されている。
【0058】制御部11′では、従来どうり基地局4から報知されるCSIDを受信し、既にCSID記憶部12に記憶されているCISDと異なる場合は位置登録を行い、受信したCSIDをCSID記憶部12に記憶するようになっている。
【0059】そして、位置検知装置30′からの呼出に対応する着呼を受信し、続いて追跡開始用の制御信号を受け取ると、追跡モードの制御に切り替わり、位置検知装置30′からの呼出に続いて追跡終了用の制御信号を受け取るまで、追跡モードの制御を行うようになっている。
【0060】ここで、追跡モードの制御とは、まず、CSID記憶部12に記憶されているCSIDを位置検知装置30′に送信し、以降は、基地局ゾーンを移動して位置登録を行う毎に、予め設定されている位置検知サービスセンターの位置検知装置30′の番号を呼び出し、CSID記憶部12に記憶されたCSIDを位置検知装置30′に送信するようになっている。
【0061】次に、第3の位置検知システムの動作について、図6を使って説明する。第3の位置検知システムでは、被探索者が位置検知用PHS10′を携帯し、移動して基地局ゾーンが替わる度に位置登録をしながら、所在の基地局4のCSIDをCSID記憶部12に記憶している。
【0062】そして、探索者が被探索者の追跡を開始したい時に、身近にある一般電話25′から位置検知サービスセンターの位置検知装置30′を呼び出し、一般電話25′から位置検知用PHS10′の電話番号が入力され、更に追跡開始指示が入力されると、位置検知装置30′で径路記憶テーブル33に位置検知用PHS10′の電話番号が記憶され、更に位置検知用PHS10′が呼び出されて、追跡開始用の制御信号が送信される。
【0063】発呼を受けた位置検知用PHS10′は、着信後追跡開始用の制御信号を受け取り、以降は追跡モードに切り替わり、基地局ゾーンを移動して位置登録を行う毎に、位置検知装置30′を呼び出してCSIDを送信し、位置検知装置30′では受信したCSIDを受信時刻と共に径路記憶テーブル33に記憶していく。
【0064】そして、探索者が被探索者の移動径路を知りたい時に、身近にある一般電話25′から位置検知サービスセンターの位置検知装置30′を呼び出し、一般電話25′から位置検知用PHS10′の電話番号が入力され、更に径路報告指示が入力されると、位置検知装置30′で径路記憶テーブル33から位置検知用PHS10′の電話番号に対応する径路データが読み出され、CS所在情報テーブル32を使ってCSIDが所在地の音声データに変換され、時刻と共に音声で一般電話25′に送信されるようになっている。
【0065】また、探索者が追跡を終了して良い時に、身近にある一般電話25′から位置検知サービスセンターの位置検知装置30′を呼び出し、一般電話25′から位置検知用PHS10′の電話番号が入力され、更に追跡終了指示が入力されると、位置検知装置30′で径路記憶テーブル33の位置検知用PHS10′の電話番号に関するデータが消去され、更に位置検知用PHS10′が呼び出されて、追跡終了用の制御信号が送信され、位置検知用PHS10′では、追跡モードが解除される。
【0066】本発明の第3の位置検知システムによれば、探索者が身近な一般電話25′から位置検知装置30′を呼び出し、被探索者の携帯する位置検知用PHS10′の電話番号を入力して追跡開始指示を入力すると、位置検知装置30′から位置検知用PHS10′が呼び出されて追跡開始の指示が送信され、以降は位置検知用PHS10′が追跡モードになり、記憶しているCSIDが替わる毎に位置検知装置30′を呼び出して新しいCSIDをデータ送信し、位置検知装置30′は、受信したCSIDを蓄積して記憶し、一般電話25′から径路報告の指示を受けると、蓄積して記憶しているCSIDを所在名に変換して音声で一般電話25′に送信するものなので、PHSサービスシステムを利用して、一般電話から被探索者の移動径路の検知を実現できる効果がある。
【0067】次に、請求項に係る発明について、第3の実施の形態を応用した第4の実施の形態を図面を参照しながら説明する。本発明に係る第4の位置検知システムは、図7に示すように、被探索者に位置検知用PHS40を携帯させ、位置検知用PHS40は、基地局ゾーンを移動して位置登録を行う度に、呼設定情報内に自己のID(PSID)と所在のCSIDを組み込んで、予め設定されているPHS50の電話番号を呼び出し、呼び出しを受けたPHS50では呼設定情報内のPSIDとCSIDを抽出してPC51に出力し、PC51でPSIDに対応するCSIDを径路データとして随時記憶し、記憶した径路データを表形式又はマップ情報と関連づけてマップ形式で表示するものなので、PHSサービスシステムを利用して、位置検知用PHS40の移動径路を分かりやすく表示できる。図7は、本発明の第4の実施の形態に係る位置検知システムの概略構成図である。
【0068】本発明の第4の実施の形態に係る(第4の)位置検知システムの構成について図8を使って説明する。図8は、本発明の第4の位置検知システムの構成ブロック図である。
【0069】本発明の第4の位置検知システムは、基本的にはPHSサービス網9と、基地局4と、更に本発明の特徴部分である位置検知用PHS40と、PHS50と、PC51とから構成されている。
【0070】次に、第4の位置検知システムの各部について具体的に説明するが、PHSサービス網9と基地局4は第1の位置検知システムと全く同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0071】位置検知用PHS40は、探索対象者(被探索者)である徘徊老人や子供やペット等の移動体に携帯及び設置し、位置検知用にも動作するPHS端末である。そして、第4の位置検知システムの位置検知用PHS40の特徴部分として、位置登録を行う度に、呼設定情報に自己のPSIDと所在のCSIDを組み込んで、予め設定されているPHS50の電話番号を呼び出して位置情報を転送するPHSである。
【0072】そして、位置検知用PHS40の内部は、位置検知用PHS40を制御する制御部41と、所在の基地局のCSIDを記憶するCSID記憶部42と、呼出PHS番号記憶部43から構成されている。
【0073】CSID記憶部42は、所在の基地局ゾーンの基地局4のCSIDを記憶する記憶部である。呼出PHS番号記憶部43は、位置登録の度にPSIDとCSIDを転送するPHS50の電話番号を予め記憶している記憶部である。
【0074】制御部41は、従来どうり基地局4から報知されるCSIDを受信し、既にCSID記憶部42に記憶されているCISDと異なる場合は位置登録を行い、受信したCSIDをCSID記憶部42に記憶する。
【0075】そして、呼設定情報の発番号に自己のID(PSID)を設定し、発サブアドレスにCSID記憶部42に記憶されているCSIDを設定して呼設定情報を作成し、呼出PHS番号記憶部43に記憶されている電話番号宛に通常の発信制御を行い、作成した呼設定情報を基地局4に送信する。
【0076】そして、通常の発信制御シーケンスにおいて、PHSサービス網からPHS50への呼出が開始されたことを確認すると、発信制御を切断するようになっている。ここで、PHSサービス網からPHS50への呼出が開始されたことの確認は、位置検知用PHS40がPHSサービス網から呼出通知を受け取ったことにより確認する。その結果、PHS50への接続完了前に切断されるので、通話料はかからない。
【0077】ここで、位置検知用PHS40からPHS50への呼出から切断までの制御シーケンスについて図9R>9を使って具体的に説明する。図9は、本発明の第4の位置検知システムにおける位置検知用PHS40とPHS50との間の制御シーケンスを示す説明図である。
【0078】位置検知用PHS40は、所在の基地局4(CS1)から報知メッセージを受け取り、報知メッセージ内のCSIDと記憶しているCSIDとが異なる場合に位置登録の制御を行う。そして、位置登録に続いてオフフックしてPHS50へのダイヤリングを行い、CS1との間でリンクチャネル確立要求、リンクチャネル割当が行われる。
【0079】そして、呼設定情報内にPSIDとCSIDを組み込んでCS1に送信すると、CS1からPHS50が所在する基地局4(CS2)を経由してPHS50に呼設定情報が送信され、PHS50でPSIDとCSIDが取り出される。
【0080】その後、PHS50で呼出用のリンガ鳴動が為されると、PHS50からCS2に呼出通知が送信され、CS1を経由して呼出通知が位置検知用PHS40に送信される。この時、位置検知用PHS40では、呼設定情報がPHS50で受信されたと判断し、即座にCS1に対して切断を送信するので、実際に位置検知用PHS40とPHS50との間は接続されずにPSIDとCSIDの送信が為され、通話料はかからないことになる。
【0081】尚、PHSにおける位置登録、発信、着信の制御シーケンスについては、平成7年2月1日 電気通信協会発行「やさしいパーソナルハンディホン」小川圭祐、小林忠男編著者 p68〜p75に記載されている。
【0082】ここで、呼設定情報の発サブアドレスにCSIDを設定する具体例について、図10、図11を使って説明する。図10は、PHSサービスシステムにおけるCSIDの構成を示す説明図であり、図11は、第4の位置検知システムにおける呼設定情報の発サブアドレスの構成例を示す説明図である。
【0083】通常、PHSサービスシステムにおけるCSIDは、図10に示すように、42ビットで構成されている。そして、図11に示すように、呼設定情報の発サブアドレスの3オクテット目のサブアドレス種別を“010”に設定することによって4オクテット以降をユーザ特有サブアドレスとして使用できるので、4〜10オクテットまでを使ってCSIDを設定することができる。
【0084】PHS50は、一般通話用のPHSであるが、但し、位置検知用PHS40からの着呼を受けると、その呼設定情報内に設定されているPSIDとCSIDとを抽出し、PC51に出力するようになっている。
【0085】PC51は、PHS50から出力されるPSIDとCSIDの情報を受け取って記憶し、入力部から入力される表示要求に従って、記憶されているPSIDの追跡情報を表示するものである。
【0086】PC51は、その内部が位置検知制御部52と、マップ情報53と、径路記憶テーブル54と、表示部55と、入力部56とから構成されている。
【0087】入力部56は、表示要求及び表示方法の入力を行うものである。径路記憶テーブル54は、PHS50から受け取ったPSIDとCSIDの情報及び受け取った日時から成る追跡情報を記憶する記憶部である。マップ情報53は、CSIDに対応する付近の地図情報を予め記憶している記憶部である。
【0088】表示部55は、径路記憶テーブル54に記憶された追跡情報を表示する表示部で、表示方法として表形式表示と、マップ形式表示とがある。表形式表示とは、図12に示すように追跡情報を時系列に表形式で表示するものであり、マップ形式とは、図13に示すように、CSIDの移動径路を地図の形で表示するものである。図12は、第4の位置検知システムにおけるPC51での表形式表示例を示す説明図であり、図13は、第4の位置検知システムにおけるPC51でのマップ形式表示例を示す説明図である。
【0089】位置検知制御部52は、PC51における位置検知の制御を行うもので、PHS50から出力されるPSIDとCSIDの情報を受け取り、日時と共に径路記憶テーブル54に格納し、入力部56から表示要求と表示方法を入力すると、径路記憶テーブル54から追跡情報を読み込み、入力された表示方法に従って追跡情報を編集して表示部55に出力するものである。
【0090】次に、第4の位置検知システムの動作について、図8を使って説明する。第4の位置検知システムでは、被探索者が位置検知用PHS40を携帯し、移動して基地局ゾーンが替わる度に位置登録をしながら、所在の基地局4のCSIDをCSID記憶部42に記憶し、更に自己のPSIDとCSID記憶部42に記憶したCSIDとを呼設定情報に設定して、呼出PHS番号記憶部43に記憶されているPHS50の電話番号に発信する。
【0091】そして、位置検知用PHS40から呼び出されたPHS50によって、その呼設定情報からPSIDとCSIDとが抽出されてPC51に出力され、PC51で日時と共に追跡情報として径路記憶テーブル54に記憶される。
【0092】そして、PC51の入力部56からの表示要求に従って、径路記憶テーブル54から読み出された追跡情報が表示形式又はマップ形式で表示部55に表示されるようになっている。
【0093】本発明の第4の位置検知システムによれば、被探索者の携帯する位置検知用PHS40から位置登録が行われる度にPSIDとCSIDの情報がPHS50に転送され、PHS50からPC51に出力されて追跡情報として記憶され、表示要求に応じて記憶されている追跡情報が表形式又はマップ形式で表示されるものなので、PHSサービスシステムを利用して、被探索者の移動径路を分かりやすく表示できる効果がある。
【0094】また、位置検知用PHS40からPHS50にPSIDとCSIDの情報を転送する際、PSIDとCSIDの情報を呼設定情報に組み込み、両者の接続が完了する前に切断するので、通話料がかからずに追跡情報を収集できる効果がある。
【0095】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、探索者の所有する一般通話用のPHSから被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出すと、位置検知用PHSが、記憶しているCSIDを一般通話用のPHSに送信し、一般通話用のPHSが、受信したCSIDを表示する位置検知システムとしているので、一般通話用のPHSから位置検知用PHSの所在基地局ゾーンのCSIDを検知でき、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用してプライバシーを侵害することなく、被探索者の位置を容易に検知できる効果がある。
【0096】請求項2記載の発明によれば、探索者の所有する一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出すと、位置検知装置が、被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出し、位置検知用PHSが、記憶しているCSIDを位置検知装置に送信し、位置検知装置が、受信したCSIDに対応する所在名の音声に変換して一般通話用の電話に送信し、一般電話が所在名を音声出力する位置検知システムとしているので、一般通話用の電話から位置検知用PHSの所在名を音声で検知でき、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用してプライバシーを侵害することなく、被探索者の位置を容易に分かり易く検知できる効果がある。
【0097】請求項3記載の発明によれば、探索者の所有する一般通話用の電話から位置検知装置に追跡開始が指示されると、位置検知装置が、被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出して追跡開始を指示し、位置検知用PHSが、追跡モードになって、記憶しているCSIDが替わる毎にCSIDを位置検知装置に送信し、位置検知装置でCSIDを受信日時と共に記憶し、一般通話用の電話から位置検知装置に径路報告が指示されると、位置検知装置が、記憶しているCSIDと受信日時を対応する所在名と日時の音声に変換して一般通話用の電話に送信する位置検知システムとしているので、一般通話用の電話から位置検知用PHSの移動径路を音声で検知でき、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用してプライバシーを侵害することなく、被探索者の移動径路を容易に分かり易く検知できる効果がある。
【0098】請求項4記載の発明によれば、被検索者の携帯する位置検知用PHSが、記憶しているCSIDが替わる毎に、探索者の所有する一般通話用のPHSを呼び出して自己のPSIDとCSIDを送信し、一般通話用のPHSが、受信したPSIDとCSIDをPCに出力し、PCが入力されたPSIDとCSIDを入力時刻と共に記憶し、探索者からの要求に応じて記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとを編集して表示する位置検知システムとしているので、位置検知用PHSの移動径路をPC内に記憶し表示でき、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用してプライバシーを侵害することなく、被探索者の移動径路を容易に分かり易く検知できる効果がある。
【0099】請求項5記載の発明によれば、位置検知用PHSが、探索者の所有する一般通話用のPHSを呼び出す呼設定情報の中にPSIDとCSIDを組み込んで呼び出し、呼出通知を受け取るとすぐに切断する請求項4記載の位置検知システムとしているので、通話料をかけずにPSIDとCSIDを一般通話用のPHSに送信でき、幅広いエリアをサービスしているPHSサービスシステムを利用してプライバシーを侵害することなく、被探索者の移動径路を容易に分かり易く且つ経済的に検知できる効果がある。
【0100】請求項6記載の発明によれば、パーソナルコンピュータが記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとを表形式で表示する請求項4記載の位置検知システムとしているので、被探索者の移動径路を表形式で分かり易く検知できる効果がある。請求項7記載の発明によれば、パーソナルコンピュータが記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとをマップ形式で表示する請求項4記載の位置検知システムとしているので、被探索者の移動径路をマップ形式で分かり易く検知できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る位置検知システムの概略構成図である。
【図2】本発明の第1の位置検知システムの構成ブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る位置検知システムの概略構成図である。
【図4】本発明の第2の位置検知システムの構成ブロック図である。
【図5】本発明の第2の位置検知システムにおけるCS所在情報テーブル32の例を示す説明図である。
【図6】本発明の第3の位置検知システムの構成ブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る位置検知システムの概略構成図である。
【図8】本発明の第4の位置検知システムの構成ブロック図である。
【図9】本発明の第4の位置検知システムにおける位置検知用PHS40とPHS50との間の制御シーケンスを示す説明図である。
【図10】PHSサービスシステムにおけるCSIDの構成を示す説明図である。
【図11】本発明の第4の位置検知システムにおける呼設定情報の発サブアドレスの構成例を示す説明図である。
【図12】第4の位置検知システムにおけるPC51での表形式表示例を示す説明図でる。
【図13】第4の位置検知システムにおけるPC51でのマップ形式表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…PHSサービス制御局、 4,4′…基地局、 9…PHSサービス網、10,10′,40…位置検知用PHS、 11,11′,41…制御部、12,42…CSID記憶部、 20…PHS、 21…位置検知制御部、 22…表示部、 30,30′…位置検知装置、 31,31′…位置検知サービス制御部、 32…CS所在情報テーブル、 33…径路記憶テーブル、 43…呼出PHS番号記憶部、 50…PHS、 51…PC、 52…位置検知制御部、 53…マップ情報、 54…径路記憶テーブル、 55…表示部、 56…入力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】 探索者が所有する一般通話用のPHSから被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出すと、前記位置検知用PHSが、記憶している所在基地局の識別子であるCSIDを前記一般通話用のPHSに送信し、前記一般通話用のPHSが、受信した前記CSIDを表示することを特徴とする位置検知システム。
【請求項2】 探索者が所有する一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出すと、前記位置検知装置が被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出し、前記位置検知用PHSが、記憶している所在基地局の識別子であるCSIDを前記位置検知装置に送信し、前記位置検知装置が、前記CSIDに対応する所在名の音声に変換して一般通話用の電話に送信し、前記一般通話用の電話が、受信した前記所在名を音声出力することを特徴とする位置検知システム。
【請求項3】 探索者が所有する一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出して追跡開始を指示すると、前記位置検知装置が、被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出して追跡開始を指示し、前記位置検知用PHSが、前記追跡開始の指示により追跡モードになり、記憶している所在基地局の識別子であるCSIDが替わる毎に前記CSIDを前記位置検知装置に送信し、前記位置検知装置が、受信したCSIDを日時と共に蓄積して記憶し、前記一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出して径路報告を指示すると、前記位置検知装置が、記憶しているCSIDと日時を対応する所在名と日時の音声に変換して一般通話用の電話に送信し、前記一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出して追跡終了を指示すると、前記位置検知装置が、被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出して追跡終了を指示し、前記位置検知用PHSが、前記追跡終了の指示により追跡モードを解除することを特徴とする位置検知システム。
【請求項4】 被検索者の携帯する位置検知用PHSが、記憶している所在基地局の識別子であるCSIDが替わる毎に、探索者の所有する一般通話用のPHSを呼び出して前記位置検知用PHSの識別子であるPSIDと前記CSIDを送信し、前記一般通話用のPHSが、受信したPSIDとCSIDをパーソナルコンピュータに出力し、前記パーソナルコンピュータが、入力された前記PSIDと前記CSIDを入力時刻と共に記憶し、要求に応じて記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとを編集して表示することを特徴とする位置検知システム。
【請求項5】 位置検知用PHSが、探索者の所有する一般通話用のPHSを呼び出す呼設定情報の中にPSIDとCSIDを組み込んで呼び出し、呼出通知を受け取ると通話状態確立前に回線接続を切断することを特徴とする請求項4記載の位置検知システム。
【請求項6】 パーソナルコンピュータで記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとを表形式で編集して表示することを特徴とする請求項4記載の位置検知システム。
【請求項7】 パーソナルコンピュータで記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとをマップ形式で編集して表示することを特徴とする請求項4記載の位置検知システム。
【請求項1】 探索者が所有する一般通話用のPHSから被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出すと、前記位置検知用PHSが、記憶している所在基地局の識別子であるCSIDを前記一般通話用のPHSに送信し、前記一般通話用のPHSが、受信した前記CSIDを表示することを特徴とする位置検知システム。
【請求項2】 探索者が所有する一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出すと、前記位置検知装置が被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出し、前記位置検知用PHSが、記憶している所在基地局の識別子であるCSIDを前記位置検知装置に送信し、前記位置検知装置が、前記CSIDに対応する所在名の音声に変換して一般通話用の電話に送信し、前記一般通話用の電話が、受信した前記所在名を音声出力することを特徴とする位置検知システム。
【請求項3】 探索者が所有する一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出して追跡開始を指示すると、前記位置検知装置が、被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出して追跡開始を指示し、前記位置検知用PHSが、前記追跡開始の指示により追跡モードになり、記憶している所在基地局の識別子であるCSIDが替わる毎に前記CSIDを前記位置検知装置に送信し、前記位置検知装置が、受信したCSIDを日時と共に蓄積して記憶し、前記一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出して径路報告を指示すると、前記位置検知装置が、記憶しているCSIDと日時を対応する所在名と日時の音声に変換して一般通話用の電話に送信し、前記一般通話用の電話から位置検知サービスセンターの位置検知装置を呼び出して追跡終了を指示すると、前記位置検知装置が、被検索者の携帯する位置検知用PHSを呼び出して追跡終了を指示し、前記位置検知用PHSが、前記追跡終了の指示により追跡モードを解除することを特徴とする位置検知システム。
【請求項4】 被検索者の携帯する位置検知用PHSが、記憶している所在基地局の識別子であるCSIDが替わる毎に、探索者の所有する一般通話用のPHSを呼び出して前記位置検知用PHSの識別子であるPSIDと前記CSIDを送信し、前記一般通話用のPHSが、受信したPSIDとCSIDをパーソナルコンピュータに出力し、前記パーソナルコンピュータが、入力された前記PSIDと前記CSIDを入力時刻と共に記憶し、要求に応じて記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとを編集して表示することを特徴とする位置検知システム。
【請求項5】 位置検知用PHSが、探索者の所有する一般通話用のPHSを呼び出す呼設定情報の中にPSIDとCSIDを組み込んで呼び出し、呼出通知を受け取ると通話状態確立前に回線接続を切断することを特徴とする請求項4記載の位置検知システム。
【請求項6】 パーソナルコンピュータで記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとを表形式で編集して表示することを特徴とする請求項4記載の位置検知システム。
【請求項7】 パーソナルコンピュータで記憶した入力時刻とPSIDとCSIDとをマップ形式で編集して表示することを特徴とする請求項4記載の位置検知システム。
【図1】
【図2】
【図5】
【図10】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図11】
【図12】
【図8】
【図9】
【図13】
【図2】
【図5】
【図10】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図11】
【図12】
【図8】
【図9】
【図13】
【公開番号】特開平9−322253
【公開日】平成9年(1997)12月12日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−137270
【出願日】平成8年(1996)5月30日
【出願人】(000001122)国際電気株式会社 (5,007)
【公開日】平成9年(1997)12月12日
【国際特許分類】
【出願日】平成8年(1996)5月30日
【出願人】(000001122)国際電気株式会社 (5,007)
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