説明

低圧留出物水素化処理プロセス装置の高圧改造

低圧留出物水素化処理プロセス装置を高圧留出物水素化処理プロセス装置に改造するための費用効果の高い方法。高圧ホットフィードポンプが加えられ、炉には、より高圧のために新しい管が取り付けられ、低圧反応器は高圧反応器で置き換えられ、高圧下降弁は反応器出口に加えられ、低圧リサイクルコンプレッサーは高圧リサイクルコンプレッサーで置き換えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低圧留出物水素化処理プロセス装置を高圧留出物水素化処理プロセス装置に改造するための費用効果の高い方法に関する。高圧ホットフィードポンプが加えられ、炉には、より高圧のために新しい管が取り付けられ、低圧反応器は高圧反応器で置き換えられ、高圧下降弁は反応器出口に加えられ、低圧リサイクルコンプレッサーは高圧リサイクルコンプレッサーで置き換えられる。
【背景技術】
【0002】
ディーゼル燃料内の硫黄のような不純物は、製品仕様に従い、環境規制に確実に準拠するために、典型的に水素化処理による除去を必要とする。例えば、2007年のモデル年度に始まって、大型の高速走行車からの汚染は、90パーセント超低減することが必要であった。ディーゼル燃料内の硫黄は、現在の汚染制御技術をトラックとバスのような大型高速走行車に有効とするために削減することが必要であった。米国環境保護庁は、500ppmのレベル(低硫黄ディーゼル、またはLSD)から15ppm(超低硫黄ディーゼル、またはULSD)に、ハイウェーディーゼル燃料の硫黄含量を97パーセント低減することを要求した。これらの新しい規制により、エンジン製造は、2007年の排気基準に適合し、2007年〜2010年の段階的導入を通して新しい基準に適合する柔軟性を有することが必要とされた。これらの基準は、たいていの先進工業国の基準に相当する。
【0003】
ディーゼル燃料を製造するために現在商業的に使用されている方法の中には、ある既存の水素化処理方法および装置の改変なしには、硫黄含量を新しい必要なレベルに十分に低減できないものがある。水素化処理は、ナフサ沸点範囲のストリームから重油沸点範囲のストリームまで様々な石油ストリームの品質を改良するために確立された製油所プロセスである。水素化処理は、汚染物質、例えば硫黄、窒素および金属を除去するために、並びにオレフィンおよび芳香族化合物を飽和させて、下流側で生成物を販売するための比較的清浄な生成物ストリームを生成するために使用される。
【0004】
ディーゼル燃料は、典型的に、水素含有の雰囲気内で高温および高圧において、原料を水素化処理触媒の上方に通過させることによって水素化処理される。この用途のために広く使用されてきた触媒の1つの適切な系列は、周期律表の第VIII族金属と第VI族金属との組み合わせ、例えばアルミナのような支持体上のコバルトとモリブデン)である。水素化処理後、得られた生成物ストリームは典型的に分離器に送られ、処理されたストリームから硫化水素および軽質ガスが分離される。次に、得られた水素化処理されたストリームをストリッパーに送って、2つ以上の所望の留分、例えばディーゼル燃料留分および粗製ナフサ留分を製造することができる。
【0005】
今や、ディーゼルプールのかなりの部分は、超低硫黄ディーゼルを含まなければならない。このことは、このような超低硫黄原料に対する高まる需要を満たす方法を探るために、製油業者に対する大きな圧力となっている。硫黄を留出物原料から除去するために、低圧留出物水素化処理プロセス装置が長年使用されてきた。低圧留出物水素化処理装置は、当時の硫黄要件に適合することができたので最近まで標準であった。硫黄要件がより厳しくなった為、より高圧の装置が必要となった。多くの場合、グラスルート高圧留出物水素化処理プロセス装置が製造され、他の例では、より低圧のより古い装置が完全に分解され、より高圧の新しい装置で置き換えられた。より低圧の水素化処理プロセス装置をより高圧の装置で完全に置き換えること、またはグラスルート装置を製造することは、非常に高価である。従って、より低圧の装置を完全に削り落とし、当該装置をグラスルート高圧装置で置き換えるよりもはるかに低いコストで、既存のより低圧の水素化処理装置をより高圧の水素化処理装置に改造する方法に対する要求が当分野に存在する。
【発明の概要】
【0006】
本発明に従って、低圧留出物水素化処理プロセス装置を高圧留出物水素化処理プロセス装置に変換するための方法が提供され、前記低圧プロセス装置は、
i)留出物原料ストリームを水素化処理プロセス装置に導入するためのポンプと、
ii)第2の通路に近接しているが、それと流体連通していない第1の通路から構成される熱交換器であって、前記第1の通路が前記ポンプと流体連通している熱交換器と、
iii)第1の端部と第2の端部とを有し、かつ約500psig(約3.4MPag)までの圧力用に設計された管を収容する炉であって、前記管を通して留出物原料ストリームが流れることができ、前記管が原料ストリームを所定の反応温度に加熱するための有効表面積を有し、前記管の第1の端部が前記熱交換器の前記第1の通路と流体連通し、前記管の第2の端部が以下のc)の反応器の入口と流体連通している炉と、
iv)約500psig(約3.4MPag)を超えない運転圧力用に設計された反応器であって、前記炉の前記管の第2の端部と流体連通している入口と、生成物を除去するための出口であって、前記熱交換器の前記第2の通路と流体連通している出口とを有する反応器と、
v)前記熱交換器の前記第2の通路と流体連通している入口を有する分離槽であって、蒸気相成分を除去するための第1の出口と、液体相生成物ストリームを除去するための第2の出口とを有する前記分離槽と、
vi)前記分離槽の前記第2の出口と流体連通しているストリッパーと、
vii)入口と出口とを有するコンプレッサーであって、前記入口が前記分離槽の第1の出口と流体連通しており、前記コンプレッサーの前記出口が前記炉管の第1の端部と流体連通しており、約500psig(約3.4MPag)までの出口圧力の能力があるコンプレッサーとを備え、
前記方法は、
a)前記熱交換器と前記炉との間に、最大約1,500psig(約10.3MPag)の圧力まで液体原料をポンプ供給できる高圧ポンプを取り付けること、
b)炉管を、約1,500psig(約10.3MPag)までの圧力に耐えることができる管で置き換えること、
c)前記反応器を、約1,500psig(約10.3MPag)までの圧力用に設計された反応器で置き換えること、
d)約1,500psig(約10.3MPag)の圧力から約500psig(約3.4MPag)未満の圧力に原料ストリームの圧力を低減できる高圧下降弁を反応器の出口に取り付けること、
e)リサイクルコンプレッサーを、蒸気ストリームを約1,500psig(10.3MPag)までの圧力に圧縮できる高圧コンプレッサーで置き換えること、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】高圧装置に改造された好ましい従来の低圧留出物水素化処理プロセス装置の概略図である。破線に示した構成要素は、装置を高圧装置に変換するために置き換えられるかまたは追加された構成要素である。このフロー概略図の変形例、例えば、追加の熱交換器、メークアップ水素コンプレッサー、低圧コンプレッサーと直列の高圧コンプレッサー、或いはリボイラーを有するかまたは有しない追加の分離器または分留器を示すであろう変形例も本発明の範囲内にある。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、完全に置き換えることと対照的に、超低硫黄仕様に適合するために適切なより高圧で動作するために、低圧留出物水素化処理プロセス装置を改造するための方法を提供する。
【0009】
従来の低圧留出物水素化処理装置は、約150psig(約1.0MPag)〜約500psig(約3.4MPag)、好ましくは約350psig(約2.4MPag)〜約500psig(約3.4MPag)、より好ましくは約350psig(約2.4MPag)〜約450psig(約3.1MPag)の範囲の圧力で動作するように設計される。このような水素化処理装置は、超低硫黄要件前は商業的成功を収めていたが、新しい厳しい低硫黄レベルに適合できない。約600psig(約4.1MPag)を超える運転圧力、好ましくは約600psig(約4.1MPag)〜約1,500psig(約10.3MPag)、より好ましくは約600psig(約4.1MPag)〜約1,200psig(約8.3MPag)、最も好ましくは約600psig(約4.1MPag)〜1,000psig(約6.9MPag)の運転圧力を有する高圧留出物水素化処理装置は、厳しい硫黄要件により良く適合できる。
【0010】
留出物の沸点範囲のストリーム、特にディーゼル燃料は、超低硫黄レベルに対するより厳しい政府規制に適合するために、より強力な追加の脱硫を必要とする。ディーゼル沸点範囲の原料ストリームは、一般に、石油起源の高沸点の炭化水素ストリームと表される。このような原料ストリームは、典型的に、約350°F〜約750°F(約175℃〜約400℃)、好ましくは約400°F〜約700°F(約205℃〜約370℃)の沸点を有する。このようなストリームの非限定的な例には、ガス油と、軽質接触サイクル分解油(LCCO)および重質接触サイクル分解油(HCCO)を含む接触分解サイクル油と、接触分解スラリーオイル(CSO)とが含まれ、並びに熱分解および接触分解された他の生成物、例えばコーカー軽質ガス油は、留出物水素化処理用の原料の将来性のある源である。使用する場合、サイクル油は原料の少量成分を構成することが好ましい。接触および熱分解プロセスからのサイクル油は、典型的に、約400°F〜750°F(約205℃〜400℃)の沸点範囲を有するが、軽質サイクル油は下方の終点、例えば600°Fまたは650°F(約315℃または345℃)を有してもよい。このようなサイクル油で確認された高い含量の芳香族化合物、並びに望ましくない量の窒素および硫黄のため、サイクル油には、より厳しいプロセス条件が必要である。より軽質の原料、例えば約250°F〜約400°F(約120℃〜約205℃)の沸点範囲の原料を使用してもよい。より軽質の原料の使用により、灯油のようなより高い値、より軽質の留出物生成物が得られるであろう。
【0011】
本発明の実施に使用することができる留出物沸点範囲の原料ストリームは、相当量の窒素、例えば、有機窒素化合物の形態の約10wppm〜約1000wppmの窒素を含むことができる。原料ストリームはまた、0.1重量%〜3重量%以上の範囲の相当の硫黄含量を含有することができる。
【0012】
従来の低圧留出物水素化処理プロセス装置の主な構成要素が図に示されている。これらの主な構成要素は、フィードポンプP、熱交換器HE、炉F、反応器R、分離器S、ストリッパーSTR、リサイクルコンプレッサーCおよび任意に酸性ガススクラバーAGSである。本発明によれば、従来の低圧留出物水素化処理プロセス装置は、
a)熱交換器HEと炉Fとの間に、最大約1,500psig(約10.3MPag)の圧力まで液体原料をポンプ供給できる高圧ポンプを取り付けること、
b)炉管を、約1,500psig(約10.3MPag)までの圧力に耐えることができる管で置き換えること、
c)前記反応器を、約1,500psig(約10.3MPag)までの圧力用に設計された反応器で置き換えること、
d)約1,500psig(約10.3MPag)の圧力から約500psig(約3.4MPag)未満の圧力に、処理された原料ストリームの圧力を低減できる高圧下降弁LDVを反応器の出口に取り付けること、
e)リサイクルコンプレッサーを高圧コンプレッサーCで置き換えるか、または蒸気ストリームを約1,500psig(10.3MPag)までの圧力に圧縮できるように、より低圧のコンプレッサーと直列に第2のより高圧のコンプレッサーを加えることによって高圧装置に改造される。既存の低圧留出物水素化処理装置に対するこれらの改造修正は、本発明の図に破線で示されている。
【0013】
使用中、留出物原料は、ライン10とフィードポンプPとを介してシステムに導入され、このため、留出物原料は、任意の適切な熱交換器であることができる熱交換器HEを通過させられる。熱交換器は、当分野で周知の「シェルアンドチューブ」タイプの熱交換器であろう。シェルアンドチューブ式熱交換器は、典型的に、シェル内に位置決めされた一連の管から構成される。これらの管の組は、加熱または冷却されなければならない流体、この場合、予熱される留出物原料ストリームを含む。第2の流体、反応器Rからの高温の生成物ストリームは、シェルに導入され、管の上を通過し、原料ストリームを予熱するための熱を伝達する。管の組は管束と呼ばれ、複数のタイプ(平坦、長手方向のフィン付き等)の管から構成することができる。本発明の開示のため、「通路」は、シェルアンドチューブ式タイプの熱交換器用並びに他のタイプの熱交換器用の管束またはシェルの内部の両方を表すために使用することができる。予熱された原料ストリームはライン12を介して炉Fに通過させられ、この炉で、原料ストリームは十分な表面積の炉管FTを通して流れて、ライン14を介して反応器Rに通過させられる前に原料ストリームの所望の加熱が行われる。本発明の改造の1つの要素は、熱交換器HEと炉Fとの間に高圧ポンプHPPを含むことである。この高圧ポンプは、1,500psig(約10.3MPag)までの、好ましくは約1,200psig(約8.3MPag)までの圧力に耐えることができる。原料ストリームを所望の反応温度範囲に加熱するための炉は、当分野で周知であり、留出物原料ストリームを反応器の運転条件の温度に加熱できる限り、任意の適切な炉を使用することができ、その温度は、典型的に、約260℃〜約425℃、好ましくは約300℃〜約400℃、より好ましくは約345℃〜約385℃である。低圧水素化処理プロセス装置の炉管は、典型的に、約500psig(約3.4MPag)以下の圧力用に設計され、炉管は、前に述べたような高い改造圧力に耐えることができる炉管で置き換えられる。
【0014】
加熱された原料は、炉Fから反応器Rに導かれ、この反応器は、本発明の目的のため、約1,500psig(約10.3MPag)までの、好ましくは約1,200psig(約8.3MPag)までの圧力で動作できる反応器で置き換えられる。留出物水素化処理用に使用される反応器は、典型的に、1つ以上の触媒固定床CBを収容する。本発明に使用するために適切な水素化処理触媒は、任意の従来の水素化脱硫触媒であり、比較的高い表面積の支持材料、好ましくはアルミナの上の少なくとも1つの第VIII族金属、好ましくはFe、CoまたはNi、より好ましくはCoおよび/またはNi、最も好ましくはCo、および少なくとも1つの第VI族金属、好ましくはMoまたはW、より好ましくはMoから構成される触媒を含む。他の適切な水素化処理触媒担体は、ゼオライト、非晶質シリカ−アルミナおよびチタニア−アルミナを含む。好ましくは貴金属がPdおよびPtから選択される場合、貴金属触媒も使用することができる。1つ以上のタイプの水素化脱硫触媒を同一の反応槽に使用することは、本発明の範囲内にある。第VIII族金属は、典型的に、約2〜20重量%、好ましくは約4〜12重量%の範囲の量で存在している。第VI族金属は、典型的に、約5〜50重量%、好ましくは約10〜40重量%、より好ましくは約20〜30重量%の範囲の量で存在している。すべての金属重量%は、担体に対する。「担体に対する」とは、パーセントが担体の重量に基づくことを意味する。例えば、担体の重量が100gである場合、20重量%の第VIII族金属は、第VIII族金属の20gが担体上にあることを意味するであろう。
【0015】
次に図に戻ると、反応器Rからの高温反応生成物は、ライン16を介して高圧下降弁LDVを流れることによって部分的に冷却され、この場合、生成物ストリームの圧力は、約500psig(約3.4MPag)以下の従来の低圧留出物水素化処理装置の圧力に、好ましくは約150psig(約1.0MPag)〜約450psig(約3.1MPag)に下降される。従来の低圧水素化処理プロセス装置は、典型的に、圧力下降弁を必要とせず、従って、本発明の改造の部分として、適切な圧力下降弁が取り付けられる。高圧下降弁は、当分野で周知であり、追加の説明は本開示のために必要ではない。今やより低い圧力にある生成物ストリームは、熱交換器HEを通して導かれ、この熱交換器で、生成物ストリームが第2の通路を通過して、熱交換器HEの第1の通路を通過する原料ストリームを予熱する。次に、生成物ストリームはライン18を介して分離器Sに送られ、この分離器で、未使用の水素、硫化水素および他のガスから主に構成される軽質蒸気留分が、ライン20を介してオーバーヘッドで除去され、実質的に硫黄を含まない留出物生成物ストリームがライン22を介して回収される。実質的に硫黄を含まない留出物生成物ストリームをストリッパーSTRに送ることができ、このストリッパーで、ストリッピングガス、好ましくは蒸気が、生成物ストリームを所定の沸点カット、好ましくは蒸気カット、粗製ナフサカットおよび留出物生成物カットにストリップするために使用される。蒸気カットは、溶存ガスとして分離器から運ばれたガスから構成され、ガス状成分、例えばHSおよび軽質留分を含む。分留器(図示せず)が、リボイラーを有するかまたは有しない様々な所望の生成物留分を分離するために使用されることは、本発明の範囲内にある。
【0016】
軽質蒸気留分は、ライン20を介して分離器Sを出て、酸性ガススクラバーAGSに通過することができ、任意であるが、酸性ガス、主にHSを除去することが好ましい。任意の適切な酸性ガス処理技術を本発明の実施に使用することができる。同様に、任意の適切な洗浄剤、好ましくは塩基性溶液を酸性ガス洗浄処理域AGSに使用することができ、この処理域によって、蒸気ストリームから所望のレベルの酸性ガス(H2S)が吸着される。1つの適切な酸性ガス洗浄技術はアミンスクラバーの使用である。このような塩基性溶液の非限定的な例は、アミン、好ましくはジエタノールアミン、モノエタノールアミン等である。より好ましいのはジエタノールアミンである。他の好ましい酸性ガス洗浄技術は、零下の温度で有機溶剤、典型的にメタノールを使用するいわゆる「Rectisol (商標)Wash」である。洗浄されたストリームはまた、1つ以上の保護床(図示せず)を通過して、任意の微量の触媒被毒不純物、例えば硫黄、ハロゲン化物等を除去することができる。アミン洗浄が好ましく、リーンアミンストリームは、ライン24を介して酸性ガススクラバーAGS内に導入され、リッチアミンストリームは、ライン26を介してスクラバーから除去される。リッチアミンストリームは、水素回収装置(図示せず)に送ることができる吸着されたサワーガスを含有する。水素純度を維持するために部分をパージした後、水素リッチガスは、ライン30を介してメークアップ水素と共にライン28を介して高圧コンプレッサーCを通過して、ストリームを水素化処理プロセス装置の設計圧力に引き上げる。次に、圧縮ストリームは、ライン32を介して炉Fに送られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低圧留出物水素化処理プロセス装置を、高圧留出物水素化処理プロセス装置に変換する方法であって、
前記低圧プロセス装置は、
i)留出物原料ストリームを前記水素化処理プロセス装置に導入するためのポンプ、
ii)第1の通路から構成される熱交換器であって、
前記第1の通路は、第2の通路に近接しているが、流体連通はしておらず、かつ前記ポンプと流体連通している
ことを特徴とする熱交換器、
iii)第1および第2の端部を有し、かつ500psig(3.4MPag)までの圧力用に設計された管を収容する炉であって、
前記留出物原料ストリームが、前記管を通して流れることができ、
前記管が、前記留出物原料ストリームを所定の反応温度に加熱するための有効表面積を有し、
前記管の第1の端部が、前記熱交換器の前記第1の通路と流体連通し、
前記管の第2の端部が、下記反応器c)の入口と流体連通している
ことを特徴とする炉、
iv)500psigを超えない運転圧力用に設計された反応器であって、前記炉の前記管の第2の端部と流体連通している入口および生成物を除去するための出口を有し、
前記出口が、前記熱交換器の前記第2の通路と流体連通している
ことを特徴とする反応器、
v)分離槽であって、
前記熱交換器の前記第2の通路と流体連通している入口、
蒸気相成分を除去するための第1の出口、および
液体相生成物ストリームを除去するための第2の出口
を有することを特徴とする分離槽、
vi)前記分離槽の前記第2の出口と流体連通しているストリッパー、および
vii)入口および出口を有する低圧リサイクルコンプレッサーであって、
前記入口が前記分離槽の第1の出口と流体連通しており、
前記コンプレッサーの前記出口が前記炉管の第1の端部と流体連通しており、
500psig(3.4MPag)までの出口圧力の能力がある
ことを特徴とする低圧リサイクルコンプレッサー
を備え、
前記方法が、
a)前記熱交換器と前記炉の間に、最大1,500psig(10.3MPag)の圧力まで液体原料をポンプ供給できる高圧ポンプを取り付ける工程、
b)前記炉管を、1,500psig(10.3MPag)までの圧力に耐えることができる管で置き換える工程、
c)前記反応器を、1,500psig(10.3MPag)までの圧力用に設計された反応器で置き換える工程、
d)1,500psig(10.3MPag)の圧力から500psig(3.4MPag)未満の圧力に原料ストリームの圧力を低減できる高圧下降弁を前記反応器の出口に取り付ける工程、および
e)蒸気ストリームを1,500psig(10.3MPag)までの圧力に圧縮できる高圧コンプレッサーで前記低圧リサイクルコンプレッサーを置き換えるか、前記高圧コンプレッサーを前記リサイクルコンプレッサーと直列に加える工程
を含む方法。
【請求項2】
前記熱交換器が、シェルアンドチューブ式熱交換器であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記高圧ポンプが、1,200psig(8.3MPag)までの出口圧力の能力があることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記置き換え炉管が、1,200psig(8.3MPag)までの圧力に耐えることができることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記反応器が、1,200psig(8.3MPag)までの圧力に耐えることができることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記高圧コンプレッサーが、1,200psig(8.3MPag)までの出口圧力の能力があることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記高圧コンプレッサーが、前記低圧リサイクルコンプレッサーと直列に、かつ下流側に配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記高圧コンプレッサーが、前記低圧リサイクルコンプレッサーに取って代わることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−524151(P2012−524151A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505948(P2012−505948)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/031332
【国際公開番号】WO2010/121089
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(390023630)エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー (442)
【氏名又は名称原語表記】EXXON RESEARCH AND ENGINEERING COMPANY
【Fターム(参考)】