説明

低摩擦係数を有する剥離コーティング

【課題】 低い摩擦係数と安定した低い剥離力が同時に達成され、接着テープ領域の用途に際し、接触後に剥離コーティングの幾つかの成分が接着剤に移行することによる接着力の低下が生じない剥離層を製造すること。
【解決手段】 本発明は、剥離コーティング組成物であって、剥離剤及びビニル構成単位から製造されるポリマーをベースとする、(全組成物に基づいて)0.01重量%〜30重量%の三次元体の形状の微細粒状添加剤を含む、該剥離コーティング組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低摩擦係数を有する剥離コーティングのための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
片面又は両面に接着剤が被覆された接着テープは、製造工程の最後には大部分がアルキメデスの螺旋の形態のロールを形成するように巻き取られる。両面接着性の接着テープの場合には、接着剤が相互に接触するのを防ぐために、または片面接着性の接着テープの場合には、簡単な巻き出しが確実にできるように、接着テープを巻き上げる前に接着料をカバー材料(剥離材とも呼ばれる)で被覆する。そのようなカバー材料は、剥離ライナー又はライナーの名称で当業者に知られている。片面又は両面接着性の接着テープをカバーする以外に、ライナーは、ラベルを被覆するのにも使用されている。
【0003】
この剥離ライナーは、その他に、接着料が使用前に汚染されないことを配慮するものである。更に、剥離ライナーは、剥離材料の種類と組成により、接着テープが所望の(弱い又は強い)力で巻き出せるように調整することができる。両面が接着料で被覆された接着テープの場合には、剥離ライナーは、更に、巻き出しの際に接着料の適切な面が最初に露出されることを配慮するものである。
【0004】
ライナー又は剥離ライナーは、接着テープ又はラベルの構成要素ではなく、その製造や保管に際する、あるいはダイカット(Stanzen)による後加工用の補助材にすぎない。更には、接着テープ支持体とは対照的に、ライナーは接着剤層とは強く接合させない。
【0005】
剥離ライナーとしては、非粘着性のコーティング剤(反粘着性料又は抗粘着性剤とも呼ばれる)が施用された紙又はフィルム支持体が使用される。というのも、紙又はフィルム支持体の表面に対する粘着性の製品の粘着傾向を低減する(剥離機能)ためである。そうした剤は、剥離材とも呼ばれており、多数の種々の物質、すなわち、ワックス、フッ素化化合物又は部分フッ素化化合物、及び、とりわけシリコーン並びにシリコーン部分を有する様々なコポリマー、を使用することができる。近年、接着テープ用途の分野では、剥離材料としてシリコーンが、その良好な加工性、低コスト及び広範な特性プロフィルのために、広く受け入れられている。
【0006】
両面が接着剤で被覆された一連の接着テープを巻き出し、そしてそれに更に、製品に含まれる、第二の接着剤で被覆された剥離ライナーを施用する。手作業での施用の場合、手で剥離ライナーをなでること(Ueberstreichen)により、接着テープの接着剤が基材と接触することになる。この加圧下で行われる施用(Anstreichen)により、製品の剥離ライナーと手の間に強い接触が生じる。主として使用されている剥離ライナーは、使用される剥離材に起因し、高い摩擦係数を有する、ざらざらした表面を有している。この場合、この製品の施用(anstreichen)は、とりわけ高頻度及び/又は高速度で行うときに、不快乃至苦痛である。
【0007】
シリコーン剥離コーティングの摩擦係数は、様々な方法で減少できることが知られているが、いずれもある種の欠点を有する。
【0008】
官能化シロキサンを架橋することによって形成されるような、未変性シリコーン系は、非常に良好な剥離性を示すが、高い摩擦係数を有する。縮合型シリコーン系を、工業的に主として使用されている付加型シリコーン系に替えて使用することにより、摩擦係数は幾分減少する。しかしながら、縮合系は、ほとんど例外なく毒性のあるスズ触媒を使用する。
【0009】
剥離系の層厚を減らすことで摩擦を小さくできることは当業者に知られている。ただし、これは同時に、好ましくない剥離特性の悪化をしばしば引き起こす。剥離系の摩擦係数は、また、剥離系の架橋の際に形成される構造を有する油又は物質を添加することによっても低下させることができる。しかしながら、これは、剥離系中の移動可能な物質の割合を増大させる。これらは、剥離系と接触している接着剤上に堆積して、その接着力を低下させる可能性がある。
【0010】
欧州特許第0903385(B1)号(特許文献1)は、メチルトリメトキシシランの制御された加水分解によって製造される球状のシリコーン粒子を添加することにより、放射線架橋性シリコーン系の摩擦を減少することを記載している。この発明の一態様においては、煩雑で融通の利かない製造プロセスのために、特に有利な多孔質又は中空の添加剤の使用は妨げられる。
【0011】
米国特許第7,198,854(B)号明細書(特許文献2)は、摩擦を減じ、かつ、光沢のある外観を得るために、テキスタイル材料を処理するためのシリコーン調合物を記載している。この効果は、ナイロン及びシリカ粒子の混合物の添加によって得られる。このシリカ粒子の使用により、接着テープ領域において好ましくない剥離力の増大が生じる。
【0012】
米国特許第5,620,775(A)号明細書(特許文献3)は、反射率及び摩擦を向上させ、そして親水性の表面を生じさせるために、20〜180μm径のガラス球を含有するコーティングが施された物品を記載している。
【0013】
剥離フィルム及び剥離紙での使用には、20μm径の球は明らかに大き過ぎる一方、親水性表面の形成は、接着剤の剥離特性を明らかに悪化させるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】欧州特許第0903385(B1)号
【特許文献2】米国特許第7,198,854(B)号明細書
【特許文献3】米国特許第5,620,775(A)号明細書
【特許文献4】欧州特許第0168713(B1)号
【特許文献5】ドイツ特許出願公開第3820294(C1)号
【特許文献6】米国特許第4,725,630(A1)号明細書
【特許文献7】ドイツ特許出願公開第3316166(C1)号
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】D. Satas, Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology (3. Auflage, 1999, Van Nostrand Reinhold)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の課題は、低い摩擦係数と、安定した低い剥離力とが組み合わされた、そして接触後に剥離コーティングのいくつかの成分が接着剤上へ移行することによって、接着テープ領域での使用のために接着力の低減が生じない、剥離層を製造することである。本発明により製造された剥離層は、毒性の問題がなく、製造上の取り扱い性が良くなければならない。全体的に、本発明は、従来技術の欠点を克服せねばならない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本課題は、主請求項に記載されるような剥離コーティングの組成物によって解決される。下位請求項の対象は、本発明の対象の有利な発展形である。更に本発明はこの組成物の使用を含む。
【0018】
したがって、本発明は、剥離コーティング組成物であって、
・ 剥離剤、及び
・ ビニル構成単位から製造されるポリマーをベースとする、(それぞれ全組成物に基づいて)0.01重量%〜30重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.3〜5重量%の三次元体の形状の粒状添加剤、
を含む、上記の剥離コーティング組成物、に関する。
【0019】
ビニル構成単位から形成されるポリマーとは、本発明によれば、炭素−炭素二重結合の重合化によって製造されたポリマーと解される。例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、特にポリメチルメタクリレートが挙げられる。
【0020】
本発明の第一の有利な実施形態によれば、剥離コーティングは、剥離剤及び添加剤だけからなる。
【0021】
本発明の趣旨において、三次元体とは、三次元的な、有限の、幾何学的形状と解され、これは境界面によって描写できる。幾何学的形状は、平面中に完全に含まれない時に三次元的と呼ばれ、そしてこの形状を完全に含む球が与えられる時に限定される。
【0022】
最も知られた立体(Koerper)は、平坦、又は群状又は個別の球形の境界面を有する。例としては、円柱、円錐、球、角柱、角錐、四面体、立方体並びに五種の正多面体が挙げられる。立体が、もっぱら平坦な面だけで画定される場合、ポリトープまたは有界の多面体と呼ぶ(多面体)。
【0023】
これにより、本発明により使用される立体は、とりわけ以下の形状を有する。
・ 平行六面体、特殊例として直方体及び正六面体(立方体)
・ 角柱、一般化して円柱及び特殊例として直方体及び正六面体
・ 角錐、一般化して円錐及び特殊例として正四面体
・ 反角柱、特殊例として正八面体
【0024】
本発明によれば、楕円体が好ましく、回転楕円体が特に好ましく、就中球が好ましい。
【0025】
立体、特に上記されたもの、例えば、立方体は、好ましくは角又は鋭角を有さない。このために、本来存在する角又は隅(Ecken oder Kanten)は、丸くされているか、又は丸くすることができる。
【0026】
本発明の有利、更なる一実施形態によれば、立体の長軸の径の長さ(長径)は、0.01μm〜10μm、好ましくは0.1μm〜8μm、特に好ましくは1μm〜4μmである。
【0027】
その際、立体の長径とは、最大の長さを有する径と見なされる。
【0028】
更に好ましくは、短径の長さは、長径の長さから、最大で20%、好ましくは10%だけ逸脱している。
【0029】
ここで、立体の短径とは、最小の長さの径と見なされる。
【0030】
理想的な球の場合、又は立方体の場合、長径と短径の長さは同一である。
【0031】
常法で、この立体は中実材料からなる。しかし有利には、この立体は中空及び/又は多孔質である。
【0032】
本発明の特別な局面において、剥離コーティングで被覆された支持体の記述特性や印刷特性を可能にするため、多孔質の立体の使用が好ましい。さらに、多孔質又は中空の立体を使用すると、特に感触の良い、すなわち特に摩擦係数の小さな層がもたらされる。
【0033】
さらに、立体は、好ましくは、PMMA(ポリメチルメタクリレート)又はPMMAからの混合物からなる。
【0034】
本発明のとりわけ好適な一実施形態は、1μm〜4μmの長径を有するPMMAからなる球を、添加剤として含む。該球の理想的な球形が与えられない場合、球の短径は、立体の長径と最大で5%だけしか相違しない。
【0035】
剥離剤としては、当業者に知られた全ての系が使用できる。
【0036】
好ましくは、剥離剤は、シリコーン、フッ素化シリコーン、シリコーン−コポリマー、ワックス、カルバミン酸塩、又は上述の物質の二種又はより多種の混合物からなる群から選択される。
【0037】
上記の剥離剤は、溶媒含有の系及び/又は溶媒不含の系を含むことができ、好ましいくは溶媒不含の系である。
【0038】
上記の剥離剤は、放射線(紫外線又は電子線)架橋性、縮合架橋性又は付加架橋性であってよく、好ましくは付加架橋性である。
【0039】
好ましくは、剥離剤として架橋性シリコーン系が使用される。その例には、架橋触媒と、いわゆる熱硬化性の縮合又は付加架橋性ポリシロキサンとの混合物が挙げられる。縮合架橋性シリコーン系の場合、二酢酸ジブチルスズのようなスズ化合物が、その剤中に架橋触媒としてしばしば加えられる。
【0040】
付加架橋性のシリコーン系剥離剤は、ヒドロシリル化によって硬化する。この剥離剤は、通常以下の構成要素を含む。
・ アルケニル化ポリジオルガノシロキサン(特に、末端にアルケニル基を有する線状ポリマー)
・ ポリオルガノヒドロシロキサン−架橋剤、及び
・ ヒドロシリル化触媒。
【0041】
付加架橋性のシリコーン系のための触媒(ヒドロシリル化触媒)としては、例えば、カールシュテット触媒(Pt(0)錯化合物)のような白金又は白金化合物が、広く認められている。
【0042】
さらに、光活性触媒、いわゆる光開始剤も、エポキシ及び/又はビニルエーテルベースのUV硬化性のカチオン架橋性シロキサン、あるいはUV硬化性のラジカル架橋性シロキサン、例えばアクリレート変性シロキサン、と組み合わせて使用できる。同様に、電子線硬化性シリコーンアクリレートも使用できる。適切な系は、用途に応じて、安定剤または流動性改良剤のようなさらなる添加剤も含むことができる。
【0043】
光重合性のオルガノポリシロキサン化合物もまた使用できる。例えば、(メタ)アクリレート基で置換された、直接ケイ素原子に結合した炭化水素残基を有するオルガノポリシロキサン間の、かつ、光増感剤の存在下での反応により架橋される化合物が挙げられる(欧州特許第0168713(B1)号(特許文献4)又はドイツ特許出願公開第3820294(C1)号(特許文献5)参照)。同様に、メルカプト基で置換された、直接ケイ素原子に結合した炭化水素を有するオルガノポリシロキサンと、直接ケイ素原子に結合したビニル基を有するオルガノポリシロキサンの間で、光増感剤の存在下に架橋反応が生じる化合物も使用できる。そうした化合物が、例えば米国特許第4,725,630(A1)号(特許文献6)に記載されている。
【0044】
例えば、ドイツ特許出願公開第3316166(C1)号(特許文献7)に記載される、エポキシ基で置換された、直接ケイ素原子に結合した炭化水素残基を有するオルガノポリシロキサン化合物の使用においては、添加されたオニウム塩触媒の光分解により生じた触媒酸量の遊離によって、架橋反応が引き起こされる。カチオン機構によって硬化する他のオルガノポリシロキサン化合物は、例えば、プロペニルオキシシロキサン末端基を有する材料である。
【0045】
さらに、フッ素化シリコーン及び/又はシリコーン−コポリマーが使用できる。
【0046】
本発明の特に好ましい一実施形態によれば、剥離コーティングは以下の組成を有する。
・ 剥離剤として、ベースポリマーとしてのビニル官能化ポリシロキサン、架橋剤としてのメチルヒドロシロキサン、及び白金触媒からなる付加架橋性シリコーン系が、しかも92.5〜99.5重量%の割合まで使用され、
・ この剥離剤に、添加剤として、PMMAからなる1μm〜4μmの長径の球を、それも0.5〜7.5重量%の割合まで加える。この場合も、理想的な球形状が与えられていない場合には、球の短径は、立体の長径と最大で10%だけ相違する。混合物は完全に均質化される。
【0047】
本発明の対象は、さらに、支持体上における、適切な剥離コーティングの少なくとも一つの層の形態での使用であり、その結果、(感圧)接着剤に直接接触させて使用できる剥離ライナーが得られる。このために、コーティングは、好ましくは間隙のない層として剥離ライナーに塗工される。好ましくは、該剥離ライナーは、両面に剥離コーティングが施用される。
【0048】
シリコーンは、無溶媒で、又は溶液から、支持体上に塗工され、このとき当業者に周知の全てのコーティング法が使用可能であり、必要に応じて乾燥(溶媒の除去)させ、そして引き続き、好ましくは間隙のないシリコーンコーティングを形成する。
【0049】
好ましくは、剥離コーティングは、0.1〜5.0μm、さらに好ましくは0.2〜2.5μm、特に好ましくは0.4〜2.0μmの層厚で塗工される。
【0050】
ライナーの支持体材料としては、特に、紙又はフィルムが使用できる。このときフィルムとしては、二軸延伸のポリエチレンテレフタレート、ポリブテン、ポリプロピレン、ポリエチレン、一軸延伸のポリプロピレン、二軸延伸のポリプロピレン又はポリエチレンからのものが好ましく使用され、特に好ましくは、ポリオレフィンフィルム(ポリプロピレンフィルム及びポリエチレンフィルム)又はポリエステルフィルムが使用される。
【0051】
最後に、本発明は、本発明による剥離コーティングの、好ましくはシリコーンベースの、好ましくは接着テープにおける、好ましくは、片面又は両面接着性の接着テープを片面又は両面に被覆する剥離ライナー上の少なくとも一つの層としての使用に関する。常法で、片面接着テープは、接着剤側を、一つの剥離ライナーで被覆する。両面接着テープの場合、一つの剥離ライナーでも足りるが、両方の接着剤側のそれぞれに剥離ライナーを施用することもできる。
【0052】
接着テープ中には、感圧接着剤が接着剤として存在するため、コーティングが剥離剤として作用する片面接着性接着テープとなる。
【0053】
感圧接着剤とは、比較的弱い加圧下で、すでに被着基材との持続的な接合が可能となり、そして使用後には、実質的に残渣なしに被着基材から再び剥がすことができる接着剤を示す。感圧接着剤は、室温で永続的に感圧接着の効果を有し、それゆえ、十分に低い粘度及び高い初期接着性を示すため、該感圧接着剤は、いずれの被着基材の表面も、低い加圧力だけで湿潤させることができる。接着剤の接着性は、その接着特性に基づき、再剥離性は、その凝集特性に基づく。感圧接着剤のベースとしてはさまざまな化合物が考慮される。
【0054】
本発明の趣旨に照らし、好適な感圧接着剤の例としては、不飽和又は水素化ポリジエンブロックからなるエラストマーブロック(ポリブタジエン、ポリイソプレン、両者のコポリマー、並びに当業者に周知の別のエラストマーブロック)を有する、アクリレートブロックコポリマー材、シリコーンブロックコポリマー材、天然ゴムブロックコポリマー材、合成ゴムブロックコポリマー材、スチレンブロックコポリマー材(Massen)、並びに他の、当業者に周知の、特にシリコーン含有剥離コーティング用に使用可能な感圧接着材が挙げられるが、それらにより制限されるものではない。本明細書の範囲でアクリルベースの感圧接着材というときは、これに関して明確な言及が無くとも、別途明白な記載がない限り、メタクリレートをベースとする、そしてアクリレート及びメタクリレートをベースとする感圧接着材が含まれる。同様に、本発明の趣旨において、幾つかのベースポリマーの組合せ及びブレンド、並びに接着樹脂、充填材、老化防止剤及び架橋剤が添加された接着剤であるが、その際、添加剤の列挙は単に例示のためであって、制限するものと解すべきではない。
【0055】
接着テープの支持体又はライナーの片面を、好ましい感圧接着剤で、溶液又は分散液から、あるいは100%濃度で(例えば溶融物)から、あるいは共押出しにより被覆する。あるいはまた、ラミネーションによる接着剤層の転写によるコーティングも可能である。(複数の)接着層は、熱又は高エネルギー線により架橋することができる。
【0056】
特性を最適化するために、好ましくは、使用される自己接着剤に、粘着性付与材(樹脂)、可塑剤、充填材、顔料、UV吸収剤、光保護剤、老化防止剤、架橋剤、架橋促進剤又はエラストマーのような一種又は複数種の添加剤を混ぜることができる。
【0057】
接着剤層の量は、好ましくは10〜120g/m、好ましくは25〜100g/mである(量は、必要な場合には水又は溶媒を除去した後のもので、上記の数値は、およそμm単位の厚さに相当する)。
【0058】
感圧接着剤で被覆される支持体面を、粘着性を向上させるために、例えば火炎処理、プラズマ処理又はコロナ処理によって物理的前処理をするのが有利である。
【0059】
必要の際には、支持体上に感圧接着層を塗工する前に、プライマー層を、特に無溶媒で、例えば共押出しにより塗工し、その結果、支持体層と感圧接着層との間にプライマー層を存在させることができる。
【0060】
プライマーとしては、例えば、イソプレンもしくはブタジエン含有ゴム、及び/又は環化ゴムをベースとする公知の分散系又は溶媒系が使用可能である。添加剤としてのイソシアナート又はエポキシ樹脂は、粘着性を向上させ、そして感圧接着剤の剪断強度も部分的に高める。フレーミング(Beflammung)、コロナ、プラズマのような物理的表面処理、又は共押出し層も同様に粘着性を向上させるのに適している。無溶媒の、とりわけアクリレート系の接着剤層の使用において、上述の方法の使用が特に好ましい。
【0061】
慣用的なプライマーについては、例えば“Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology”, D. Satas, (3. Auflage)(非特許文献1)に記載されている。
【0062】
上述の剥離ライナーは、紙ウェッブ又はフィルムウェッブ(Papier− oder Foliernbahnen)を接合するために、接着テープでの使用が特に有利である。
【0063】
平坦な、ウェブ状の材料、特に紙は、ベール(Ballen)に巻かれる。そのようなベールは、例えば、紙加工用の機械又は印刷機あるいは梱包機械に供給される。そのような装置の連続運転の場合、迅速な交換において、ロールの交換時には、高速な機械を停止させる必要なく、平坦なウェブ状の材料の最初のバレンの終端に、新たに巻き取られるバレンの初端を置き、そして、適切な方法で接合する必要がある。この過程はスプライス(“splice”)と呼ばれる。
【0064】
このために、製紙業界では、実質的に一つの支持体層及び二つの自己接着剤層からなる両面接着性自己接着テープを使用して、使用済みの(alte)材料ウェブの終端と、新しい材料ウェブの初端とを接合する。その際、使用済みの材料ウェブの終端が、新しい材料ウェブの初端に接着される。
【0065】
一般的な加圧“接着テープ”は、本発明の趣旨において、平坦な構造物、例えば、二次元に伸張されたフィルム又はフィルム断片、伸張された長さ及び制限された幅を有するテープ、テープ断片、ラベル、ダイカット物等々を包含する。
【0066】
本発明の添加剤により、支持体上における摩擦係数が、本発明による添加剤を含まない同様な系に比べて著しく低い剥離コーティングの組成物が生じる。
【0067】
これらの添加剤は、さまざまな接着剤に対する良好な剥離特性を維持しながらも、剥離層の摩擦を減少させる。
【0068】
さらに、本発明による添加剤は、フィルム支持体上の溶媒含有シリコーン剥離系の場合に、剥離系で被覆された感圧接着剤の接着力の低下を減少させる。このとき、少なくとも1〜8重量%の範囲において、添加剤の割合を増加させると、接着力の低下の明らかな減少が観察される。それ故、本発明のさらなる対象は、支持体フィルム及び溶媒含有の剥離コーティングを含む剥離ライナーであり、その際、該剥離コーティングは、シリコーン、フッ素化シリコーン、シリコーン−コポリマー及び上述の物質の二種又はより多種の混合物からなる群から選択される剥離剤及びビニル構成単位から形成されるポリマーをベースとした三次元体の形状の微細粒状添加剤を、剥離コーティングの全重量に基づいて1〜8重量%含む。
【0069】
それ故、前述の剥離ライナーに対して使用可能な、本発明の好ましい全ての実施形態は、前述の剥離ライナーにも適用される。特に好ましくは、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン、ポリプロピレン、ポリエチレン、一軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン及びポリエチレンからなる群から選択される支持体フィルム材料である。そして、剥離コーティングは、剥離剤として付加架橋シリコーン及び本発明による微細添加剤を剥離コーティングの全重量に基づいて2〜8重量%含む。就中好ましくは、支持体フィルム材料は一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)である。
【0070】
“溶媒含有剥離コーティング”あるいは“溶媒含有シリコーン剥離系”は、当該の剥離系が、実際は溶媒含有系として塗工されるが、一般に熱的に開始される架橋後には、せいぜい痕跡量の溶媒しか該剥離系に存在していないものを意味する。当業者はこれをも“溶媒含有系”と呼び、そしてそれにより、そのような溶媒をベースとして得られた剥離コーティングに特殊な性質を特徴づける。
【発明を実施するための形態】
【0071】

本発明を、例により以下に説明するが、本発明はそれらよって制限されるものではない。別途示さない限り、成分の全ての割合は重量に基づいて与えられる。
【0072】
剥離系の製造及びコーティング
下記の剥離系調合物の、添加剤を加えたものと加えないものとを、実験室用コーティング装置により塗工するという方法で、剥離ライナーをグラシン紙(Ahlstroem社のSilca ind.2S white SCO90g)上に製造した。コーティング重量は1.5g/cmであったが、これは約1.5μm厚さの層に相当する。塗工後、剥離系は、対流式加熱炉中において160℃で30秒間架橋した。
【0073】
このようにして製造されたライナーを、摩擦係数、試験テープtesa(登録商標)7475及びtesa(登録商標)7476の剥離力(Trennwert)並びに塗工量及び接着力の低下量に関して調査した。試験テープtesa(登録商標)7475は、40μm厚のPVC支持体に樹脂変性アクリレート感圧接着剤を95g/mコーティングしたものである。試験テープtesa(登録商標)7476は、160g/m厚の支持体に、天然ゴム感圧接着剤を塗工量130g/mで使用したものである。
【0074】
剥離特性の測定
上述の剥離ライナーには、二種の異なる接着テープが貼られた。すなわち、それぞれ20mm幅で300mm長のテープである試験テープtesa(登録商標)7475及びtesa(登録商標)7476が、剥離ライナー上に貼られた。試験(Probe)毎に、試験テープtesa(登録商標)7475を有するライナー及び試験テープtesa(登録商標)7476を有するライナーからなるラミネートをそれぞれ3つずつ、圧力及び温度下で24時間貯蔵した。貯蔵の際の温度は、試験テープtesa(登録商標)7476に対しては40℃、試験テープtesa(登録商標)7475に対しては70℃であった。圧力はいずれの場合4N/cmであった。
【0075】
試料を23℃、50%相対空気湿度に調温調湿された測定室に更に2時間貯蔵した後、引張試験を使って剥離挙動を測定した。
【0076】
接着力低下の測定
さらに、シリコーン又は種々の添加剤の起こり得る移行を、試験テープtesa(登録商標)7475の接着力の低下量を測定して評価した。このために、tesa(登録商標)7475の新しい試験テープの鋼材表面での接着力を引張試験で測定した。
【0077】
続いて、剥離挙動を測定するために、ライナーと共に、圧力及び温度で24時間予め貯蔵した試験テープtesa(登録商標)7475を、同様に鋼材上に貼り、そしてその接着力を引張試験により測定した。接着力の低下量は、次の式で算出する。
【0078】
【数1】

【0079】
シリコーン塗工量の測定
シリコーンベースの剥離系の場合、その剥離系の塗工量を蛍光X線分析により測定した。このために、調査する剥離系でコーティングした支持体を、内部基準(ポリジメチルシロキサン)を用い、蛍光X線分析機Lab−X3000(Oxford Instruments社)により分析する。この方法において、剥離層の層厚は、ケイ素の信号強度によって測定されるため、この方法では、使用された添加剤のいくつかは、添加剤自身がケイ素を含むか否かに依存して、測定される層厚に寄与し、そして他のものは寄与しないことに注意を払う。
【0080】
摩擦係数の決定
摩擦係数を測定するために、あるいは剥離系が、適用(Anstreichen)の際に心地よい感触を示すかどうかという、その背景にある質問に対して、剥離系をコーティングした試料を、5人の評価員が直接比較して評価した。評価の根拠は、剥離系をコーティングしたライナーを手で強く加圧しながらなでたとき、すなわち当業者に既知の、感圧接着剤を適用する常法の、当業者に知られた方法での感触である。評価の等級は1から10までであり、その際、より高い点数がより心地よい感触を意味する。各評価員には、最も心地よい感触の試料を10、最も不快な感触を1と評価させる。他の全ての試料は、これらに対して相対的にそれぞれの感触に従って評価する。評価するために、異なる評価員の評価の平均値を算定した。
【0081】
剥離系の筆記性の評価
剥離材料の筆記性を評価するために、その上にフェルトペン(Edding社のPermanent Marker 3000赤)で書く。10秒間の乾燥時間後、吸収紙を軽く圧しつけて文字の上をなでる。剥離系上の文字がどの程度激しくにじむか、あるいは拭き取られるかに応じて、1乃至10の評点が割り当てられるが、その際、1は完全な除去を、そして10は、剥離系上の文字が全くにじまないことを意味する。
【実施例】
【0082】
例1
添加剤含有/添加剤不含シリコーン系
シリコーン系Aは、Wacker Chemie社の付加架橋性シリコーン系である。DEH 915(ビニル基で官能化されたポリジメチルシロキサン)9.75gを、V24(メチルヒドロポリシロキサン)0.33g及びKat OL(“カールシュテット触媒”の名でも知られる白金触媒)0.08gと混合した。
【0083】
シリコーン系Bは、Momentive Performance Materials社の付加架橋性シリコーン系である。SL 6961(ビニル基で官能化されたポリジメチルシロキサン)9.75gを、SL 4330(メチルヒドロポリシロキサン)0.33g及びSL 6210(“カールシュテット触媒”の名でも知られる白金触媒)0.8gと混合した。
【0084】
シリコーン系Aに、異なる割合のPMMA球(Sensient Cosmetic Technologies社のCovabead LH 70/3:粒径(長径)が3μmの球状のPMMA球)を加え、混合物を均質化した。全てのシリコーン調合物を、実験室用塗工機で、グラシン紙(Ahlstroem社のSilca ind. 2S white SCO90g)上に、シリコーン塗工量1.5g/mで塗工した。塗工した試料は、炉中で30秒間、160℃で架橋させた。続いて、試験テープを用いて、試料(Muster)の剥離力並びに接着力の低下量及び摩擦挙動を上述のように評価した。
【0085】
結果を表1にまとめる。
【0086】
【表1】

【0087】
表1に示される値は、本発明の添加剤は、tesa(登録商標)7475、tesa(登録商標)7476の剥離力及び接着力の低下量で示される剥離挙動を変化させないことを明確に示している。同時に、上記の添加剤は、ライナーの摩擦挙動を有意に向上させる。試験した範囲において、PMMA添加剤の含量を増やすほど、摩擦挙動が向上する。
【0088】
比較例2
本発明に依らない添加剤を用いたシリコーン系
シリコーン系Aを例1と同様に選択し、そしてその調合物を例1に記載されたように製造し、塗工し、架橋させた。
【0089】
CFA100は、Wacker Chemie社の製造する高分子量オルガノポリシロキサンで、官能基の含量が非常に低い。
【0090】
【表2】

【0091】
試験したシリコーン系においては、CFA100の添加により、摩擦挙動の有意な向上は確認できなかった。試験テープtesa(登録商標)7475及びtesa(登録商標)7476の二つを用いた剥離力は不変のままであったが、接着力の低下量は上昇した。Rubb−Off及び筆記性における差は、ほんのわずかである。
【0092】
比較例3
本発明に依らない添加剤を用いたシリコーン系
シリコーン系Aを例1と同様に選択する。
【0093】
添加剤として、種々の中実体及び中空体であるシリカ粒子をシリコーン系に加え、この調合物を、例1に記載したように加工し、グラシン紙上に塗工し、架橋させた。MSS−500/3は、Kobo Products社の、径(長径)が3μmの球形シリカ粒子である。MSS−500/3Hは、Kobo Products社の、表面変性させた、径(長径)が3μmの球形シリカ粒子である。Silica Shellsは、Kobo Products社の、径(長径)が3μmの楕円形のシリカ中空球であって、短径と長径とは66%だけ相違している。Silica Shells SHは、Kobo Products社の、表面変性させた、径(長径)が3μmの楕円形のシリカ中空球である。
【0094】
【表3】

【0095】
シリカ粒子を添加することで、全ての場合において摩擦挙動は確かに向上する。さらに、シリカ粒子を添加することで、剥離系の筆記性の向上も認められる。しかしながら、シリカ粒子と混ぜ併せた剥離系の剥離挙動は明らかに悪化する。
【0096】
例4
様々な塗工重量
シリコーン系Aを例1と同様に選択する。このシリコーン系に、それぞれ2.5%のPMMA球(Sensient Cosmetic Technologies社のCovabead LH70/3、粒径(長径)が3μmの球形PMMA球)を加え、調合物を例1に記載したように加工し、グラシン紙上に塗工し、架橋させた。
【0097】
【表4】

【0098】
表4に表示のデータは、剥離層の塗工重量が増加するにつれて、摩擦挙動は悪化し、剥離挙動は向上することを示している。試験範囲全体において、剥離挙動は、良好乃至非常に良好の範囲である一方で、摩擦挙動はいずれの塗工重量においても、添加剤を含まない、シリコーン塗工重量1.5g/mで塗工した基準例よりも明らかに優れている。
【0099】
例5
異なる添加剤間の比較
シリコーン系Aを例1と同様に選択する。このシリコーン系に、それぞれ記載されている添加剤を加え、調合物を例1に記載したように加工し、グラシン紙(Ahlstroem社のSilca ind.2S white SCO90g)上に塗工し、架橋させた。続いて、剥離コーティングの支持体に対する固定力(Verankerung)を上述したRubb−Off試験により検査した。シリコーン粒子として、Momentive Performance Materials社のTOSPEARL120が用いられた。ポリアミド粒子は、Arkema社の平均径(長径)が、5μmの球形粒子である。
【0100】
【表5】

【0101】
表5に表示のデータは、PMMA粒子(Sensient Cosmetic Technologies社のCovabead LH70/3、粒径(長径)が3μmの球形PMMA球)を含む剥離層は、良好な固定力を示し、非常に良好な剥離特性、わずかな接着力の低下そして最良の摩擦挙動を有することを示している。重要な特性の全体にわたって、PMMA粒子ほど良好な値が組み合わされる添加剤は他にはない。
【0102】
例6
微粒子の添加が接着力の低下に及ぼす影響
溶媒含有の、付加架橋性シリコーン系(Dow Corning社のSB 7458、以下“シリコーン系C”)に、粒径1.3μmのポリスチレン粒子(Soken Chemical & Engineering社のSX130H)を様々な含量で混合した。得られた系をMOPP支持体に層厚0.4g/mで塗工した。続いて炉中で110℃において、15秒間架橋させた。
【0103】
このようにして得られた剥離ライナーを、tesa(登録商標)7475の20mm幅、300mm長の試験用接着テープに貼り合せた。試験(Probe)毎に、試験テープtesa(登録商標)7475を有するライナーからなるラミネートを3つずつ、圧力及び温度下で24時間貯蔵した。貯蔵の際の温度は、試験テープtesa(登録商標)7475については70℃であった。圧力は4N/cmであった。
【0104】
続いてサンプルを、23℃、相対湿度50%に調温調湿された測定室中で2時間貯蔵した後に、試験用接着テープの接着力の低下量を、剥離ライナーで被覆されなかった新しい接着テープtesa(登録商標)7475と比較して、鋼材表面上で、引張試験により測定した。接着力の低下量は次の式により算出する。
【0105】
【数2】

【0106】
前述の試験を、より小さなポリメチルメタクリレート球(直径0.6μm)を用いて、MOPP支持体上でもグラシン紙上でも繰り返した。
【0107】
微粒子の添加がシリコーン剥離系の接着力の低下に及ぼす影響を、続いて無溶媒の付加架橋性シリコーン系についても比較のため実施した。このために、75μm厚のPETフィルムに、PMMA球(Sensient Cosmetic Technologies社のCovabead LH70/3、粒径(長径)が3μmの球形PMMA球)を混ぜた無溶媒シリコーン系Aを塗工重量1.5g/mで塗工し、炉中で150℃において、30秒間架橋させた。このようにして得られた剥離ライナーを、前述したように試験用接着テープに塗布し、このラミネートを上述のように保管し、接着力の低下量を上述の方法で求めた。結果を表6に示す。
【0108】
【表6】

【0109】
これらの結果は、フィルム支持体上の溶媒含有シリコーン剥離系の接着力の低下が、本発明による微細粒子添加剤の少なくとも8重量%までの添加の場合に、著しく減少することを示している。しかしながら、表6から明らかなように、この効果は、他の支持体あるいは無溶媒系には転用できない。これらの場合、微粒子の添加が接着力の低下に及ぼす効果は認められない。剥離ライナーの剥離特性は、いずれの例においても添加により取り立てて影響を受けることはなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
剥離コーティング組成物であって、
・ 剥離剤、及び
・ ビニル構成単位から製造されるポリマーをベースとする、(全組成物に基づいて)0.01重量%〜30重量%の三次元体の形状の微細粒状添加剤、
を含む、上記の剥離コーティング組成物。
【請求項2】
前記体が、楕円、特に好ましくは回転楕円体、就中、球体であることを特徴とする、請求項1に記載の剥離コーティング組成物。
【請求項3】
前記体の長軸の径が、0.01μm〜10μm、好ましくは0.1μm〜8μm、特に好ましくは1μm〜4μmであり、及び/又は短径の長さが、長径の長さと、最大で20%、好ましくは10%だけ相違していることを特徴とする請求項1又は2に記載の剥離コーティング組成物。
【請求項4】
前記三次元体の形状の添加剤の割合が、0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%(それぞれ対全組成物)であることを特徴とする、請求項1〜3の少なくともいずれか一つに記載の剥離コーティング組成物。
【請求項5】
前記体が、好ましくは球体、中空及び/又は多孔質であることを特徴とする、請求項1〜4の少なくともいずれか一つに記載の剥離コーティング組成物。
【請求項6】
前記体が、PMMA(ポリメチルメタクリレート)又はPMMAからなる混合物からなることを特徴とする、請求項1〜5の少なくともいずれか一つに記載の剥離コーティング組成物。
【請求項7】
前記剥離剤が、シリコーン、フッ素化シリコーン、フッ素化炭化水素、シリコーン−コポリマー、カルバミン酸塩、ワックス又は上述の物質の二種又はより多くの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜6の少なくともいずれか一つに記載の剥離コーティング組成物。
【請求項8】
前記剥離剤が、溶媒含有の系及び/又は溶媒不含の系、好ましくは溶媒不含の系を含むことを特徴とする、請求項1〜7の少なくともいずれか一つに記載の剥離コーティング組成物。
【請求項9】
前記剥離剤が、放射線(紫外線又は電子線)架橋性、縮合架橋性又は付加架橋性、好ましくは付加架橋性であることを特徴とする、請求項1〜8の少なくともいずれか一つに記載の剥離コーティング組成物。
【請求項10】
請求項1〜9の少なくともいずれか一つに記載の剥離コーティングの、剥離ライナー上における、少なくとも一つの層としての使用。
【請求項11】
請求項1〜9の少なくともいずれか一つに記載の剥離コーティングの、剥離ライナー上における、0.1〜5.0μm、好ましくは0.2〜2.5μm、特に好ましくは0.4〜2.0μmの層厚を有する少なくとも一つの層としての使用。
【請求項12】
請求項1〜9の少なくともいずれか一つに記載の剥離コーティングの、片面接着性又は両面接着性の接着テープを、片面的又は両面的に覆う剥離ライナー上における少なくとも一つの層としての使用。
【請求項13】
支持体フィルム、及び、
シリコーン、フッ素化シリコーン、シリコーン−コポリマー及び/又は上述の物質の二種又はより多くの混合物からなる群から選択される剥離剤と、
前記剥離コーティングの全重量に基づいて1〜8重量%の、ビニル構成単位から製造されるポリマーをベースとする、三次元体の形状の微細粒状添加剤と、を含有する溶媒含有剥離コーティング、
を含む剥離ライナー。

【公開番号】特開2013−1908(P2013−1908A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−135644(P2012−135644)
【出願日】平成24年6月15日(2012.6.15)
【出願人】(509120403)テーザ・ソシエタス・ヨーロピア (118)