説明

低雑音および低変換損を有する直交無線周波数ミキサ

【課題】変換利得を増加させ、そして雑音指数を減少させることによって改善されることができるミキサを提供する。
【解決手段】信号の畳み込みのための方法は、各々90度の倍数だけ他からの位相ずれした4相半デューティサイクルクロックを発生すること、4相半デューティサイクルクロックを4相半デューティサイクルミキサ内に結合すること、および二重差動出力ポート上に差動同相出力信号および差動直交位相出力信号を同時に発生するために4相半デューティサイクルクロックで差動入力信号を畳み込むように4相半デューティサイクルクロックに応じて4相半デューティサイクルミキサ内のスイッチを切り換えることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は一般に無線送信器および無線受信器に関する。より詳細には、この発明の実施形態は無線周波数(RF)ミキサに関する。
【背景技術】
【0002】
無線周波数(RF)ミキサは一般に複数の入力信号のうちの1つの入力信号の周波数を変更するために使用される3ポートの無線周波数コンポーネントである。無線送信器では、無線ミキサはアップコンバータと呼ばれることもできる。無線受信器内で使用された時は、RFミキサはダウンコンバータと呼ばれることもできる。
【0003】
RFミキサはアクティブコンポーネントまたはパッシブコンポーネントであることができる。小スケールサイズを達成するために、RFミキサは典型的に、それが他の無線周波数コンポーネントおよびデバイスと共に集積回路内に集積化されることができるように、電源を受けるトラジスタで構成されたアクティブコンポーネントを使用する。
【0004】
ここで背景の図1を参照して、RFミキサ100のための図式的な記号が図示される。ミキサ100は2つの入力ポートLO,IF/RFおよび1つの出力ポートRF/IFを有する。アップコンバータとして使用される場合には、入力ポートは局部発振入力ポートLOおよび中間周波数入力ポートIFであり、そして出力ポートは無線周波数出力ポートRFである。ミキサがダウンコンバータとして使用される場合には、入力ポートは局部発振入力ポートLOおよび無線周波数入力ポートRFであり、そして出力ポートは中間周波数出力ポートIFである。LOポートは発振信号源から局部発振信号を受信する。
【0005】
ミキサの目的は、信号についての他のすべてをできれば同じに保ったままで、その信号の周波数を変更することである。図1では、第1の信号は特定の周波数f1でミキサ100のIF/RFポートに結合される。搬送波信号は第2の周波数(f2)でミキサ100のLOポートに結合される。2つの異なる出力信号は選択的に使用されることができるミキサ100のRF/IF出力ポートで形成される。より高い周波数の出力信号へのアップコンバージョンのために、2つの入力周波数の和(f1+f2)に等しい周波数を有する同相出力信号が選択される。より低い周波数の出力信号へのダウンコンバージョンのために、2入力周波数の間の差(f1−f2)に等しい周波数を有する出力信号が選択される。
【0006】
例えば、音声の音波は20乃至20,000ヘルツの低周波レンジ内にある。一方、セルラー通信システムの搬送周波数は、900,000,000ヘルツのような、ずっと高い周波数帯内にある。例えば、セルラー電話上で通話するために、音声周波数はセルラー通信内で使用されるセルラー搬送周波数にアップコンバートされる必要がある。周波数帯または人間の音声のレンジをセルラー搬送周波数の周波数帯に変えるために1つまたはそれ以上のミキサが使用される。
【0007】
ミキサの1つの重要な特性は変換利得である。変換利得は、入力信号(局部発振LO信号ではない)の振幅に対する出力信号の振幅の比である。変換利得は、電力比として表現されることができる。もし変換利得が1未満、端数であれば、実際にはこのミキサにより損失がある。
【0008】
ミキサのもう1つの重要な特性はそれの雑音指数(NF)である。ミキサについての雑音指数は入力ポート(局部発振LO入力ポートではない)における信号対雑音比(SNR)をミキサの出力ポートにおける信号対雑音比(SNR)により割ることによって、そしてこの比をデシベルに変換することによって決定される。
【0009】
したがって、ミキサは、変換利得を増加させ、そして雑音指数を減少させることによって改善されることができる。ミキサにおいて変換利得を増加させることおよび雑音指数を減少させることによって、他のRFコンポーネントに対する要求条件は集積回路化ダイエリアの使用をより少なくし、そしてより少ない雑音の増幅で可能な限り電力を保存する、より単純な設計に導きやすくなるであろう。
【発明の概要】
【0010】
この発明の実施形態は下文に続く請求項によって要約される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、無線周波数ミキサの図式的記号を示す背景図である。
【図2A】図2Aは、4相半(50%)デューティサイクル直交ミキサシステムの第1の実施形態の機能ブロック図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの4相半(50%)デューティサイクル直交ミキサシステム内に示されたミキサの例示的な実施の形態を示す回路図である。
【図3A】図3Aは、4相半デューティサイクルクロックに応じて図2A,2Bに示されたミキサ内のスイッチのスイッチングアクティビティを示す図である。
【図3B】図3Bは、4相半デューティサイクルクロックに応じて図2A,2Bに示されたミキサ内のスイッチのスイッチングアクティビティを示す図である。
【図3C】図3Cは、4相半デューティサイクルクロックに応じて図2A,2Bに示されたミキサ内のスイッチのスイッチングアクティビティを示す図である。
【図3D】図3Dは、4相半デューティサイクルクロックに応じて図2A,2Bに示されたミキサ内のスイッチのスイッチングアクティビティを示す図である。
【図4A】図4Aは、4相半デューティサイクルクロックまたは4相の各々を示す局部発振信号の波形図である。
【図4B】図4Bは、4相半デューティサイクルクロックまたは4相の各々を示す局部発振信号の波形図である。
【図4C】図4Cは、4相半デューティサイクルクロックまたは4相の各々を示す局部発振信号の波形図である。
【図4D】図4Dは、4相半デューティサイクルクロックまたは4相の各々を示す局部発振信号の波形図である。
【図5A】5Aは、4相半(50%)デューティサイクル直交ミキサシステムの第2の実施形態の機能ブロック図である。
【図5B】図5Bは、図5Aの4相半(50%)デューティサイクル直交ミキサシステム内に示されたミキサの例示的な実施形態を示す回路図である。
【図6A】図6Aは、4相半デューティサイクルクロックに応じて図5A,5Bに示されたミキサ内のスイッチのスイッチングアクティビティを示す図である。
【図6B】図6Bは、4相半デューティサイクルクロックに応じて図5A,5Bに示されたミキサ内のスイッチのスイッチングアクティビティを示す図である。
【図6C】図6Cは、4相半デューティサイクルクロックに応じて図5A,5Bに示されたミキサ内のスイッチのスイッチングアクティビティを示す図である。
【図6D】図6Dは、4相半デューティサイクルクロックに応じて図5A,5Bに示されたミキサ内のスイッチのスイッチングアクティビティを示す図である。
【図7A】図7Aは、4相半デューティサイクルクロックまたは4相の各々を示す局部発振信号の波形図である。
【図7B】図7Bは、4相半デューティサイクルクロックまたは4相の各々を示す局部発振信号の波形図である。
【図7C】図7Cは、4相半デューティサイクルクロックまたは4相の各々を示す局部発振信号の波形図である。
【図7D】図7Dは、4相半デューティサイクルクロックまたは4相の各々を示す局部発振信号の波形図である。
【図8】図8は、その中でこの発明の実施形態が使用される簡略化された無線システムを示す機能ブロック図である。
【図9】図9は、図2Aおよび5A内に示された直交ミキサを実施することにおいて適用されうる種々のタイプのスイッチを示す図である。
【詳細な説明】
【0012】
この発明の実施形態の以下の詳細な説明では、数多くの特定の詳細が本発明についての完全な理解を提供するために述べられる。しかしながら、この発明の実施形態がこれらの特定の詳細無しに実施されうることはこの分野の技術者には明白であろう。他の事例では周知の方法、手順、コンポーネント、および回路はこの発明の実施形態の局面を不必要に曖昧にしないように詳細には記述されなかった。
【0013】
序論
この発明の実施形態は、低雑音および低変換損失を提供する伝達関数を有する平衡50%デューティサイクルミキサのための方法、装置およびシステムを含む。
【0014】
25%デューティサイクルミキサは、非常に小さい雑音を発生して低い変換損失を有し、その両者はRFミキサ内の望ましい品質である。しかしながら、25%デューティサイクルミキサは、局部発振器ポート上において信号の立上り時間および立下り時間の非常に厳しい要件を有する。そのうえ、25%デューティサイクルミキサの動作のためのよく制御されたセットの4つの25%デューティサイクル矩形波を発生することは非常に困難である。
【0015】
したがって、低雑音および低変換損失を達成するために、25%デューティサイクルミキサの内部的に発生された伝達関数を有する50%デューティサイクルを有している矩形波で動作するミキサを設計することが望ましい。
【0016】
4相半デューティサイクルミキサシステム
図2Aを参照すると、4相半(50%)デューティサイクル直交ミキサシステム200の第1の実施形態の機能ブロック図が図示されている。
【0017】
直交ミキサシステム200は、直交ミキサ204を含む。ミキサシステム200はさらに、電気的(例えば、電流または電圧)差動信号源202、4相半(50%)デューティサイクル直交ミキサ204の第1の実施形態、二重差動の電気的(例えば、それぞれ電流または電圧)負荷206、および示されたように共に結合された4相クロック発生器または局部発振器208を含む。集積回路では、1つまたはそれ以上の層内における導電性トレースはシステムのエレメントを共に結合するために使用されることができる。4相半デューティサイクル直交ミキサ204はまた直並列ダブルバランススイッチングミキサと呼ばれることもできる。
【0018】
電気的(例えば、電流または電圧)差動信号源202は、例えば、RF入力信号またはIM入力信号に比例するRF−INおよびRF−INb上に差動電流または電圧を供給する。差動電流または電圧信号はミキサ204内に結合される。
【0019】
4相半デューティサイクルミキサ204は、RF−INおよびRF−INb上の差動電流または電圧入力信号を受信するためにダブルエンドのまたは差動入力のポート201を有する。ミキサ204は第1の差動同相出力ポート(BB−I,BB−Ib)210Aおよび第2の差動直交位相出力ポート(BB−Q,BB−Qb)210Bを含んでいる二重差動同相/直交位相出力ポート210を有する。ミキサ204はさらにクロック発生器または局部発振器208から4相半デューティサイクルクロック信号LO−I,LO−Ib,LO−Q,およびLO−Qbを受信する。
【0020】
ミキサ204は、図示のように共に結合されたスイッチ211A〜218Aおよびスイッチ211B〜218Bを含む。スイッチ211A〜218Aは、図示のように、それぞれミキサ204の差動入力ポート201および二重差動出力ポート210の間でスイッチ218A〜218Bに直列に結合される。例えば、スイッチ211Aは直列に結合されたスイッチ211A〜211Bを形成するために入力RF−INおよび出力BB−Iの間でスイッチ211Bに直列に結合される。さらに、直列に結合されたスイッチのペアは示されたようにミキサ204の差動入力ポート201および二重差動出力ポート210の間でさらに並列に結合される。例えば、直列に結合されたスイッチ211A〜211Bは示されたようにミキサ204の差動入力ポート(RF−IN,RF−INb)201および二重差動出力ポート(BB−I)210の間で直列に結合されたスイッチ217A〜217Bに並列に結合される。
【0021】
スイッチの結合次第で、ミキサ204はまた直並列スイッチングミキサまたは直並列ダブルバランスミキサと呼ばれることもできる。ミキサ204は典型的に電力が直接にはこのスイッチに供給されないのでパッシブミキサと考えられることができる。
【0022】
スイッチ211A〜218Aおよびスイッチ211B〜218Bは、図2Aに示されたように4相半デューティサイクルクロックまたは局部発振信号LO−I,LO−Ib,LO−Q,およびLO−Qbの1つに結合されたそれぞれの制御入力を有する。局部発振器信号LO−Iは、スイッチ211A,212A,215A,および216Aの制御入力に結合される。局部発振器信号LO−Ibは、スイッチ213A,214A,217A,および218Aの制御入力に結合される。局部発振器信号LO−Qはスイッチ212B,213B,216B,および217Bの制御入力に結合される。局部発振器信号LO−Qbは、スイッチ211B,214B,215B,および218Bの制御入力に結合される。
【0023】
4相半デューティサイクルクロックまたは局部発振信号LO−I,LO−Ib,LO−Q,およびLO−Qbに応じたスイッチ211A〜218Aおよびスイッチ211B〜218Bのスイッチングアクティビティは、図3A〜3Dおよび4A〜4Dを参照して記述される。4相半デューティサイクルクロックに応じたミキサ204内のスイッチのスイッチングアクティビティは、同相差動出力210A上に差動同相(I)信号を、および直交位相差動出力210B上に差動直交位相(Q)信号を同時に発生するために時間/周波数領域内に4相半デューティサイクルクロックを有する差動入力信号を畳み込む/多重化する。同じミキサ504によって同時に発生されている差動同相(I)信号および差動直交位相(Q)信号を用いて、より少ない回路面積が使用されることができ、そしてミキサの性能における改善が得られることができる。
【0024】
二重差動の電気的(例えば、それぞれ電流および電圧)負荷206は、ミキサ204の二重差動同相/直交位相出力ポート210に結合される。差動信号源202が差動電流信号源を提供している場合には、電流が差動入力ポートから二重差動出力ポートへのミキサを通した信号として流れるように、二重差動の電気的負荷206は電流形の負荷である。差動信号源202が差動電圧信号源を提供している場合にあ、差動入力ポートでの信号として示された電圧がミキサを通して差動出力ポートに結合されるので、負荷206は電圧形の負荷である。
【0025】
二重差動出力負荷206は、適切な負荷を供給するばかりでなくそれはまた差動入力信号をシングルエンドの出力信号に変換することができる。即ち、差動同相出力信号(BB−I,BB−Ib)は同相出力信号Iに変換されることができ、そして差動直交位相出力信号(BB−Q,BB−Qb)は直交位相出力信号Qに変換されることができる。
【0026】
電流または電圧はミキサ204で使用されることができるので、差動電流および電圧源202は電気的差動信号源202と呼ばれることができ、そして二重差動電流または電圧負荷206は二重差動の電気的負荷206と呼ばれることができる。
【0027】
ここで図5Aを参照すると、4相半(50%)デューティサイクル直交ミキサシステム500の第2の実施形態の機能ブロック図が図示されている。システム500は、電気的(例えば、電流または電圧)差動信号源202、4相半(50%)デューティサイクル直交ミキサ504の第2の実施形態、二重差動の電気的(例えば、それぞれ電流または電圧)負荷206、および示されたように共に結合された4相クロック発生器または局部発振器208を含む。4相半デューティサイクル直交ミキサ504はまた、カスケードダブルバランススイッチングミキサと呼ばれることもできる。
【0028】
電気的差動信号源202、二重差動の電気的負荷206、および4相クロック発生器208は、この明細書中の他の箇所では、同じ参照番号を用いて記述されており、それの説明は簡潔のために参照によってここに組み込まれる。第2の実施形態の4相半(50%)デューティサイクルミキサ504の構成は、第1の実施形態の4相半(50%)デューティサイクル直交ミキサ204の構成とは異なる。
【0029】
4相半デューティサイクルミキサ504は、RF−INおよびRF−INb上で差動電流または電圧入力信号を受信するためにダブルエンドのまたは差動入力ポート201を有する。ミキサ504は第1の同相(I)差動出力ポート(BB−I,BB−Ib)210Aおよび第2の直交位相(Q)差動出力ポート(BB−Q,BB−Qb)210Bを含んでいる二重差動出力ポート210を有する。ミキサ504はさらにクロック発生器208から4相半デューティサイクルクロック信号LO−I,LO−Ib,LO−Q,およびLO−Qbを受信する。
【0030】
ミキサ504は、図示のように共に結合された第1レベルスイッチ511〜514および第2レベルスイッチ521A〜524Aおよび521B〜524Bを含む。差動入力ポート201に並列に結合されたスイッチ511〜514は、ミキサ内の第1レベルのスイッチで、そしてそれぞれペアの並列スイッチ521A〜521B,522A〜522B,523A〜523B,524A〜524Bに直列に結合され、ミキサ内の第2レベルのスイッチで、二重差動同相/直交位相出力ポートに並列に結合される。ミキサでは、第1レベルのスイッチは差動入力ポート201と2重差動IおよびQ出力ポート210との間をそれぞれの第2レベルのスイッチに縦続する。例えば、スイッチ511の出力はペアの並列スイッチ521A〜521Bの入力に直列に結合する。スイッチ512の出力は、ペアの並列スイッチ522A〜522Bの入力に直列に結合する。スイッチ513の出力は、ペアの並列スイッチ523A〜523Bの入力に直列に結合する。スイッチ514の出力は、ペアの並列スイッチ524A〜524Bの入力に直列に結合する。
【0031】
より詳細には、スイッチ511,521Aは、差動入力ポート(RFIN)201と同相差動出力ポート(BB−I)210Aとの間で直列に結合される。スイッチ511,521Bは、差動入力ポート(RFIN)201と直交位相差動出力ポート(BB−Q)210Bとの間で直列に結合される。
【0032】
スイッチ512,522Aは、差動入力ポート(RFIN)201と同相差動出力ポート(BB−Ib)210Aとの間で直列に結合される。スイッチ512,522Bは、差動入力ポート(RFIN)201と直交位相差動出力ポート(BB−Qb)210Bとの間で直列に結合される。
【0033】
スイッチ513,523Aは、差動入力ポート(RFINb)201と同相差動出力ポート(BB−Ib)210Aとの間で直列に結合される。スイッチ513,523Bは、差動入力ポート(RFINb)201と直交位相差動出力ポート(BB−Qb)210Bとの間で直列に結合される。
【0034】
スイッチ514,524Aは、差動入力ポート(RFINb)201と同相差動出力ポート(BB−I)210Aとの間で直列に結合される。スイッチ514,524Bは、差動入力ポート(RFINb)201と直交位相差動出力ポート(BB−Q)210Bとの間で直列に結合される。
【0035】
スイッチの結合次第で、ミキサ504はまた、カスケードスイッチングミキサまたはカスケードダブルバランススイッチングミキサとも呼ばれることができる。ミキサ504は典型的に電力がこのスイッチに直接には供給されないのでパッシブミキサと考えられることができる。
【0036】
スイッチ511〜514,521A〜524A,521B〜524Bは、図5Aに示されたように4相半デューティサイクルクロックまたは局部発振信号LO−I,LO−Ib,LO−Q,およびLO−Qbの1つに結合されたそれぞれの制御入力を有する。第1レベルのスイッチ511〜514は、通常それらの制御入力に結合されたLO−IまたはLO−Ib局部発振信号のいずれかを有する。局部発振器信号LO−Iは、スイッチ511および513の制御入力に結合される。局部発振器信号LO−Ibは、スイッチ512および514の制御入力に結合される。第2レベルのスイッチ521A〜524Aおよび521B〜524Bは、それらの制御入力に結合されたLO−QまたはLO−Qb局部発振信号のいずれかを有する。局部発振器信号LO−Qは、スイッチ521B,522A,523B,および524Aの制御入力に結合される。局部発振器信号LO−Qbは、スイッチ521A,522B,523A,および524Bの制御入力に結合される。
【0037】
4相半デューティサイクルクロックまたは局部発振信号LO−I,LO−Ib,LO−Q,およびLO−Qbに応じた第1レベルスイッチ511〜514および第2レベルスイッチ521A〜524A,521B〜524Bのスイッチングアクティビティは、図6A〜6Dおよび7A〜7Dを参照して記述される。4相半デューティサイクルクロックに応じたミキサ504内のスイッチのスイッチングアクティビティは、二重差動同相/直交位相出力ポート210の同相差動出力210A上の差動同相(I)信号と二重差動同相/直交位相出力ポート210の直交位相差動出力210B上の差動直交位相(Q)信号とを同時に発生するために時間/周波数領域内に4相半デューティサイクルクロックを有する差動入力信号を畳み込む/多重化する。同じミキサ504によって同時に発生されている差動同相(I)信号および差動直交位相(Q)信号を用いて、より少ない回路面積が使用されることができ、そしてミキサの性能における改善が得られることができる。
【0038】
電流または電圧負荷206は、ミキサ504の二重差動同相/直交位相出力ポート210に結合される。
【0039】
4相半デューティサイクルクロック信号
クロック発生器208は、図4A〜4Dおよび7A〜7Dに示されたように4相半デューティサイクルクロックまたは局部発振信号LO−I,LO−Ib,LO−Q,およびLO−Qbを発生する。4相半デューティサイクルクロックまたは局部発振信号LO−I,LO−Ib,LO−Q,およびLO−Qbは、90度の倍数だけ互いから位相ずれ(out of phase)ている。例えば、局部発振信号LO−Iは、倍数1すなわち90度だけ局部発振信号LO−Qから位相ずれしている。局部発振信号LO−Iは、倍数2すなわち180度だけ局部発振信号LO−Ibから位相ずれしている。局部発振信号LO−Iは、倍数3すなわち270度だけ局部発振信号LO−Qbから位相ずれしている。4相半デューティサイクルクロックまたは局部発振信号LO−I,LO−Ib,LO−Q,およびLO−Qbは各々50パーセント(50%)デューティサイクルを有する矩形波である。
【0040】
ここで図4A,7Aを参照すると、第1の位相401がクロック発生器208によって発生される。第1の位相401では、局部発振信号LO−IおよびLO−Qbは論理的に高く(例えば、論理1)、そして局部発振信号LO−QおよびLO−Ibは論理的に低い(例えば、論理0)。
【0041】
ここで図4B,7Bを参照すると、第2の位相402がクロック発生器208によって発生される。第2の位相402では、局部発振信号LO−IおよびLO−Qは論理的に高く(例えば、論理1)、そして局部発振信号LO−QbおよびLO−Ibは論理的に低い(例えば、論理0)。
【0042】
ここで図4C,7Cを参照すると、第3の位相403がクロック発生器208によって発生される。第3の位相403では、局部発振信号LO−IbおよびLO−Qは論理的に高く(例えば、論理1)、そして局部発振信号LO−QbおよびLO−Iは論理的に低い(例えば、論理0)。
【0043】
ここで図4D,7Dを参照すると、第4の位相404がクロック発生器208によって発生される。第4の位相404では、局部発振信号LO−IbおよびLO−Qbは論理的に高く(例えば、論理1)、そして局部発振信号LO−QおよびLO−Iは論理的に低い(例えば、論理0)。
【0044】
4相半デューティサイクルミキサ動作
4相半デューティサイクルミキサ204の第1の実施形態の動作は、ここで図3A〜3Dおよび4A〜4Dを参照して記述される。
【0045】
通常、4相半デューティサイクルクロック(LO−I,LO−Ib,LO−Q,LO−Qb)は、各々90度の倍数だけ他のものから位相がずれていることで発生される。4相半デューティサイクルクロックは、4相半デューティサイクルミキサ204,205内に結合される。4相半デューティサイクルミキサ内のスイッチは、二重差動出力ポート(BB−I,BB−Ib)(BB−Q、BB−Qb)210上で差動同相出力信号Iおよび差動直交位相出力信号Qを同時に発生するために4相半デューティサイクルクロックで差動入力信号201を畳み込むように4相半デューティサイクルクロックに応じて切り換えられる。
【0046】
図2A,3A,および4Aを参照すると、論理的に高い(例えば、論理1)局部発振信号LO−IおよびLO−Qbを有する第1の位相401では、スイッチ211A〜211Bは、RF−INが負荷206内に結合されたBB−I出力へミキサ204を通り抜けるように、両者がそれぞれ接続される。スイッチ215A〜215BもまたRF−INbが負荷206内に結合されたBB−Ib出力へミキサ204を通り抜けるように接続される。
【0047】
図2A,3B,および4Bを参照すると、論理的に高い(例えば、論理1)局部発振信号LO−IおよびLO−Qを有する第2の位相402では、スイッチ212A〜212Bは、RF−INが負荷206内に結合されたBB−Q出力へミキサ204を通り抜けるように、両者が接続される。スイッチ216A〜216BもまたRF−INbが負荷206内に結合されたBB−Qb出力へミキサ204を通り抜けるように接続される。
【0048】
図2A,3C,および4Cを参照すると、論理的に高い(例えば、論理1)局部発振信号LO−IbおよびLO−Qを有する第3の位相403では、スイッチ213A〜213Bは、RF−INが負荷206内に結合されたBB−Ib出力へミキサ204を通り抜けるように、両者が接続される。スイッチ217A〜217BもまたRF−INbが負荷206内に結合されたBB−I出力へミキサ204を通り抜けるように接続される。
【0049】
図2A,3D,および4Dを参照すると、論理的に高い(例えば、論理1)局部発振信号LO−IbおよびLO−Qを有する第4の位相404では、スイッチ214A〜214Bは、RF−INが負荷206内に結合されたBB−Qb出力へミキサ204を通り抜けるように、両者が接続される。スイッチ218A〜218BもまたRF−INbが負荷206内に結合されたBB−Q出力へミキサ204を通り抜けるように接続される。
【0050】
局部発振信号の4相は、ミキサ204内のトランジスタのスイッチングシーケンスおよびミキサを通してそれぞれのパスを繰り返すために何度も発生される。
【0051】
4相半デューティサイクルミキサ504の第2の実施形態の動作は、ここで図6A〜6Dおよび7A〜7Dを参照して記述される。
【0052】
図5A,6A,および7Aを参照すると、論理的に高い(例えば、論理1)局部発振信号LO−IおよびLO−Qbを有する第1の位相401では、スイッチ511,521Aは正RF入力端子RF−INが負荷206内に結合される正同相出力端子BB−Iへミキサ504を通り抜けるように両者がそれぞれ接続される。スイッチ513,523Aもまた負RF入力端子RF−INbが負荷206内に結合された負同相出力端子BB−Ibへミキサ504を通り抜けるように接続される。
【0053】
図5A,6B,および7Bを参照すると、論理的に高い(例えば、論理1)局部発振信号LO−IおよびLO−Qを有する第2の位相402では、スイッチ511,521Bは正RF入力端子RF−INが負荷206内に結合された正直交位相出力端子BB−Qへミキサ504を通り抜けるように両者が接続される。スイッチ513,523Bもまた負RF入力端子RF−INbが負荷206内に結合された負直交位相出力端子BB−Qbへミキサ504を通り抜けるように両者が接続される。
【0054】
図5A,6C,および7Cを参照すると、論理的に高い(例えば、論理1)局部発振信号LO−IbおよびLO−Qを有する第3の位相403では、スイッチ512,522Aは正RF入力端子RF−INが負荷206内に結合された負同相出力端子BB−Ibへミキサ504を通り抜けるように両者が接続される。スイッチ514,524Aもまた負RF入力端子RF−INbが負荷206内に結合された正同相出力端子BB−Iへミキサ504を通り抜けるように両者が接続される。
【0055】
図5A,6D,および7Dを参照すると、論理的に高い(例えば、論理1)局部発振信号LO−IbおよびLO−Qbを有する第4の位相404では、スイッチ512,522Bは、正RF入力端子RF−INが負荷206内に結合された負直交位相出力端子BB−Qbへミキサ504を通り抜けるように両者が接続される。スイッチ514,524Bもまた負RF入力端子RF−INbが負荷206内に結合された正直交位相出力端子BB−Qへミキサ504を通り抜けるように両者が接続される。
【0056】
スイッチ
ここで図9を参照すると、ミキサ204,504を実施することにおいて適用されることができる複数のスイッチが図示されている。図2Aに図示されたミキサ204内のスイッチ211A〜218Bの各々および図5Aに図示されたスイッチ511〜514,521A〜524A,521B〜524Bの各々は、理想スイッチ(ideal switches)である。理想スイッチ901は、図9に図示される。理想スイッチ901は制御入力端子C、入力端子IN、および出力端子OUTを有する。ミキサ204,504では、制御入力Cは4相半デューティサイクル局部発振器または4相半デューティサイクルクロック信号の1つに結合される。理想スイッチは、入力端子INを図4A〜4Dおよび7A〜7Dに示されたような4相半デューティサイクルクロックまたは局部発振信号LO−I,LO−Ib,LO−Q,およびLO−Qbのそれぞれ1つの正の極性によって出力端子OUTに閉結合している。
【0057】
ミキサ204およびミキサ504内でスイッチとして使用されている理想スイッチ901の代わりに、種々のタイプのトランジスタスイッチがミキサ内のスイッチとして使用されることができる。
【0058】
例えば、第1のグループまたはタイプのトランジスタスイッチは、それらの制御端子上への高電圧レベルの適用によって接続され、そしてそれらの制御端子上への低電圧レベルの適用によって開放されることを使用されることができる。第1のタイプのトランジスタスイッチはnチャネル電界効果トランジスタ(NFET)903,n形接合電界効果トランジスタ(JFET)907,およびミキサ204,504の実施形態内のスイッチとして使用されることができるNPNバイポーラ接合トランジスタ(BJT)909を含む。したがって、第1のタイプのトランジスタスイッチは適切な時間にそれの極(poles)(例えば、ソースおよびドレインまたはコレクタおよびエミッタ)を横切って電流を流れさせるように4相半デューティサイクルクロックあるいは図4A〜4Dおよび7A〜7Dに示されたような局部発振信号LO−I,LO−Ib,LO−Q,およびLO−Qbのそれぞれ1つの正の極性によって接続される。
【0059】
あるいは、第2のグループまたはタイプのトランジスタスイッチは、それらの制御端子上への低電圧レベルの適用で接続され、そしてそれらの制御端子上への高電圧レベルの適用で開放されることを使用されることができる。第2のグループまたはタイプのトランジスタスイッチは、pチャネル電界効果トランジスタ(PFET)902,p形接合電界効果トランジスタ(JFET)906,およびミキサ204,504の実施形態内のスイッチとして使用されることができるPNPバイポーラ接合トランジスタ(BJT)908を含む。したがって、第2のグループまたはタイプのトランジスタスイッチは、それの極(例えば、ソースおよびドレインまたはコレクタおよびエミッタ)を横切って電流を流れさせるように4相半デューティサイクルクロックあるいは局部発振信号LO−I,LO−Ib,LO−Q,およびLO−Qbのそれぞれ1つの負極性によって接続される。即ち、4相半デューティサイクルクロックあるいは局部発振信号LO−I,LO−Ib,LO−Q,およびLO−Qbのそれぞれの正極性は逆変換され、そして適切な時間にそれを接続するために第2のグループまたはタイプのトランジスタスイッチの制御端子(例えば、ゲート)に結合される。
【0060】
あるいは第1のタイプおよび第2のタイプのトランジスタスイッチの組合せは、共に並列に結合されたソースおよびドレインを有するPFET902およびNFET903のような、完全に相補的な転送またはパスゲート904の形式でのミキサ204,504の実施の形態内のスイッチとして共に並列に使用されることができる。
【0061】
PFET902は、スイッチの極としてのソース端子PSおよびドレイン端子PD、スイッチの制御端子としてのゲート端子PG、およびボディ端子PBを含む。アナログ転送ゲート接続におけるPFETボディ端子PBは典型的にPFETソース端子PSに結合される。
【0062】
NFET903は、スイッチの極としてのソース端子NSおよびドレイン端子ND、スイッチの制御端子としてのゲート端子NG、およびボディ端子NBを含む。アナログ転送ゲート接続におけるNFETボディ端子NBは、典型的にNFETソース端子NSに結合される。
【0063】
転送ゲート904は、スイッチの極として入力端子IN(例えば、PSおよびNSまたはPDおよびND)および出力端子OUT(例えば、PDおよびNDまたはPSおよびNS)、スイッチの制御端子としてペアの制御端子(例えば、NGおよびPG)、およびペアのボディ端子(例えば、NBおよびPB)を含む。アナログ転送ゲート接続におけるNFETボディ端子NBは、典型的にNFETソース端子NSに結合される。アナログ転送ゲート接続におけるPFETボディ端子PBは、典型的にPFETソース端子PSに結合される。
【0064】
p形JFET906は、スイッチの極としてのソース端子Sおよびドレイン端子Dおよび制御端子としてのゲート端子Gを含む。同様に、n形JFET907もスイッチの極としてのソース端子Sおよびドレイン端子Dおよび制御端子としてのゲート端子Gを含む。
【0065】
PNPバイポーラ接合トランジスタ(BJT)908は、スイッチの極としてのコレクタ端子Cおよびエミッタ端子およびスイッチの制御端子としてのベース端子を含む。同様に、NPNバイポーラ接合トランジスタ(BJT)909は、スイッチの極としてのコレクタ端子Cおよびエミッタ端子およびスイッチの制御端子としてのベース端子を含む。
【0066】
トランジスタスイッチはトランジスタの制御端子に結合された制御信号のいろいろな極性によって切り換えまたはターンオンされるとしてここでは記述されたが、制御端子に適用された電圧のレベルは、トランジスタがそれぞれにターンオンされるように設定されることができる。例えば、NFETs,PFETs,n形JFETs,およびp形JFETsは、飽和(アクティブ)領域内でまたはトライオード(リニアまたはパッシブ)領域内でターンオンされることができる。同様に、バイポーラ接合トランジスタは、動作のフォワードアクティブ領域内でバイアスオンされることができる。
【0067】
スイッチの制御端子に結合されたそれぞれの制御信号(例えば、4相半デューティサイクルクロックまたは局部発振信号LO−I,LO−Ib,LO−Q,およびLO−Qb)の電圧レベルは、スイッチのタイプおよびそれらの望ましい動作形式に応じて調整される。
【0068】
NFETミキサ実装(インプリメンテーション)
図2Bは、ミキサシステム200’の実施形態の概略図を図示している。ミキサシステム200’は、理想電流駆動202’、理想LO発生器208’、およびミキサ204’をシミュレートするためのデュアルポート負荷206’に加えてNFETs903で実施されたミキサ204’を含む。
【0069】
ミキサ204’は、図2Bに示されたように共に結合されたNFETs211A’〜218A ’および211B’〜218B ’を含む。ミキサ204’のNFETs211A’〜218A’および211B’〜218B’は、以前に図2Aを参照して記述されたミキサ204のスイッチ211A〜218Aおよび211B〜218Bにそれぞれ対応する。ミキサ204’の機能は、本質的にミキサ204の機能と同類であり、そして簡潔のためここでは繰り返されない。
【0070】
図5Bは、ミキサシステム500’の実施形態の概略図を図示する。ミキサシステム500’は典型的な電流駆動202’、典型的なLO発生器208’、およびミキサ504’をシミュレートするためのデュアルポート負荷206’に加えてNFETs903で実施されたミキサ504’を含む。
【0071】
ミキサ504’は、図5Bに示されたように共に結合されたNFETs511’〜514’,521A’〜524A’,および521B’〜524B’を含む。ミキサ504’のNFETs511’〜514’,521A’〜524A’,および521B’〜524B’は、以前に図5Aを参照して記述されたミキサ504のスイッチ511〜514,521A〜524A,および521B〜524Bにそれぞれ対応する。ミキサ504’の機能は本質的にミキサ504の機能と同類であり、そして簡潔のためここでは繰り返されない。
【0072】
システムアプリケーション
ここで図8を参照すると、ここに記述されたこの発明のRFミキサの実施形態が使用されることができる無線システム800が図示されている。無線システム800は、例えば移動体セルラー電話であってもよい。無線システム800は、アンテナ804に結合された無線周波数RF回路802を含む。RF回路802は、アンテナ804に結合されたRF送信器806およびRF受信器810Rの1つまたは両方を含むことができる。
【0073】
1つまたはそれ以上のミキサは、RF送信器806内のアップコンバータ810Tとして使用されることができる。1つまたはそれ以上のミキサはRF受信器804内のダウンコンバータ810Rとして使用されることができる。ここに記述された直交4相半デューティサイクルRFミキサは、アップコンバータ810Tおよび/またはダウンコンバータ810Rのための直交ミキサの1つまたはそれ以上の例として使用されることができる。
【0074】
結論
ある種の例示的な実施形態が記述され、そして添付図面内に示されたが、そのような実施形態は単に広範な発明の実例であり、そしてこれに限定的ではないこと、およびいろいろな他の変更はこの分野の通常の技術者に起こりうるので、この発明の実施形態は示されたおよび記述された特定の構成および配列に限定されないことは理解されるべきである。その代わりに、この発明の実施形態は下文に続く特許請求の範囲に従って解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々90度の倍数だけ他からの位相がずれている4相半デューティサイクルクロックを発生するための4相クロック発生器と、
第1の差動入力および第2の差動入力を有する二重差動の電気的負荷と、
差動入力信号に結合された差動入力ポート、前記二重差動の負荷の前記第1の差動入力に結合された同相(I)差動出力ポート、および前記二重差動の電気的負荷の前記第2の差動入力に結合された直交位相(Q)差動出力ポートを有する4相半デューティサイクルミキサであって、前記4相半デューティサイクルクロックの各々を受信するために前記4相クロック発生器に結合された制御入力を有する複数のスイッチをさらに有しており、前記ミキサは同相差動出力上の差動同相出力信号および直交位相差動出力上の差動直交位相出力信号を同時に発生するために前記4相半デューティクロックで前記差動入力信号を畳み込む、4相半デューティサイクルミキサと、
を具備する無線周波数ミキサシステム。
【請求項2】
前記4相半デューティサイクルミキサの前記差動入力ポートに結合された差動出力を有しており、非差動入力信号に応じて前記差動入力信号を発生する差動信号源をさらに具備する請求項1記載の無線周波数ミキサシステム。
【請求項3】
前記複数のスイッチは、
前記差動入力ポートおよび前記同相差動出力ポートの間で並列に結合された第1の複数ペアの直列結合されたスイッチと、
前記差動入力ポートおよび前記直交位相差動出力ポートの間で並列に結合された第2の複数ペアの直列結合されたスイッチと、
を含む請求項1記載の無線周波数ミキサシステム。
【請求項4】
前記複数のスイッチは、
前記差動入力ポートに並列に結合された複数の第1レベルのスイッチと、
それぞれの第1レベルのスイッチにおよび前記同期差動出力ポートに直列に結合された複数ペアの並列の第2レベルスイッチと、
を含む請求項1記載の無線周波数ミキサシステム。
【請求項5】
前記差動入力信号は無線周波数差動入力信号である、
前記差動同相出力信号は中間周波数差動同相出力信号である、そして
前記差動直交位相出力信号は中間周波数差動直交位相出力信号である、
請求項1記載の無線周波数ミキサシステム。
【請求項6】
前記差動入力信号は中間周波数差動入力信号である、
前記差動同相出力信号は無線周波数差動同相出力信号である、そして
前記差動直交位相出力信号は無線周波数差動直交位相出力信号である、
請求項1記載の無線周波数ミキサシステム。
【請求項7】
差動入力ポートの第1の入力および二重差動出力ポートの同相差動出力ポートの間で並列に結合された第1の複数ペアの直列結合されたスイッチと、
前記差動入力ポートの第2の入力および前記二重差動出力ポートの直交位相差動出力ポートの間で並列に結合された第2の複数ペアの直列結合されたスイッチと、
を具備しており、
前記第1の複数ペアの直列結合されたスイッチおよび前記第2の複数ペアの直列結合されたスイッチは、前記同相差動出力ポート上の差動同相出力信号および前記直交位相差動出力ポート上の差動直交位相出力信号を同時に発生するために各々90度の倍数だけ他から位相ずれした4相半デューティサイクルクロックを受信するように前記差動入力ポート上の差動入力信号を前記4相半デューティサイクルクロックで畳み込む、
無線周波数ミキサ。
【請求項8】
前記差動入力信号は無線周波数差動入力信号である、
前記差動同相出力信号は中間周波数差動同相出力信号である、そして
前記差動直交位相出力信号は中間周波数差動直交位相出力信号である、
請求項7記載の無線周波数ミキサ。
【請求項9】
前記差動入力信号は中間周波数差動入力信号である、
前記差動同相出力信号は無線周波数差動同相出力信号である、そして
前記差動直交位相出力信号は無線周波数差動直交位相出力信号である、
請求項7記載の無線周波数ミキサ。
【請求項10】
前記第1の複数ペアの直列結合されたスイッチおよび前記第2の複数ペアの直列結合されたスイッチは、それの制御端子上への高電圧レベルの適用によって閉じられるおよびそれの制御端子上への低電圧レベルの適用によって開かれる第1のタイプのトランジスタ、それの制御端子上への低電圧レベルの適用によって閉じられるおよびそれの制御端子上への高電圧レベルの適用によって開かれる第2のタイプのトランジスタ、または共に並列に結合された前記第1のタイプおよび前記第2のタイプのトランジスタの組合せである、請求項7記載の無線周波数ミキサ。
【請求項11】
差動入力ポートに並列に結合された複数の第1レベルのスイッチと、
それぞれ第1レベルのスイッチにおよび二重差動出力ポートに直列に結合された複数ペアの並列第2レベルのスイッチと、
を具備しており、
前記複数の第1レベルのスイッチおよび前記複数ペアの並列第2レベルのスイッチは、前記二重差動出力ポート上の差動同相出力信号および差動直交位相出力信号を同時に発生するために各々90度の倍数だけ他からの位相ずれした4相半デューティサイクルクロックを受信するように前記差動入力ポート上の差動入力信号を前記4相半デューティサイクルクロックで畳み込む、
無線周波数ミキサ。
【請求項12】
前記差動入力信号は無線周波数差動入力信号である、
前記差動同相出力信号は中間周波数差動同相出力信号である、そして
前記差動直交位相出力信号は中間周波数差動直交位相出力信号である、
請求項11記載の無線周波数ミキサ。
【請求項13】
前記差動入力信号は中間周波数差動入力信号である、
前記差動同相出力信号は無線周波数差動同相出力信号である、そして
前記差動直交位相出力信号は無線周波数差動直交位相出力信号である、
請求項11記載の無線周波数ミキサ。
【請求項14】
前記第1の複数ペアの直列結合されたスイッチおよび前記第2の複数ペアの直列結合されたスイッチは、それの制御端子上への高電圧レベルの適用によって閉じられるおよびそれの制御端子上への低電圧レベルの適用によって開かれる第1のタイプのトランジスタ、それの制御端子上への低電圧レベルの適用によって閉じられるおよびそれの制御端子上への高電圧レベルの適用によって開かれる第2のタイプのトランジスタ、または共に並列に結合された前記第1のタイプおよび前記第2のタイプのトランジスタの組合せである、
請求項11記載の無線周波数ミキサ。
【請求項15】
各々90度の倍数だけ他からの位相ずれした4相半デューティサイクルクロックを発生すること、
前記4相半デューティサイクルクロックを4相半デューティサイクルミキサ内に結合すること、および
二重差動出力ポート上に差動同相出力信号および差動直交位相出力信号を同時に発生するために前記4相半デューティサイクルクロックで差動入力信号を畳み込むように前記4相半デューティサイクルクロックに応じて前記4相半デューティサイクルミキサ内のスイッチを切り換えること、
を具備する方法。
【請求項16】
ここにおいて前記スイッチのスイッチングは、
前記4相半デューティサイクルクロックの第1の位相に応じて、
第1の1stレベルスイッチおよび正のRF入力端子上の信号を第1の差動負荷内で結合された正の同相出力端子に通り抜けるように前記第1の1stレベルスイッチに直列に結合された第1の2ndレベルスイッチを閉じる、そして
第3の1stレベルスイッチおよび負のRF入力端子上の信号を第1の差動負荷内で結合された負の同相出力端子に通り抜けるように前記第3の1stレベルスイッチに直列に結合された第5の2ndレベルスイッチを閉じる;
前記4相半デューティサイクルクロックの第2の位相に応じて、
第1の1stレベルスイッチおよび正のRF入力端子上の信号を第2の差動負荷内で結合された正の直交位相出力端子に通り抜けるように前記第1の1stレベルスイッチに直列に結合された第2の2ndレベルスイッチを閉じる、そして
第3の1stレベルスイッチおよび負のRF入力端子上の信号を第2の差動負荷内で結合された負の直交位相出力端子に通り抜けるように前記第3の1stレベルスイッチに直列に結合された第6の2ndレベルスイッチを閉じる;
前記4相半デューティサイクルクロックの第3の位相に応じて、
第2の1stレベルスイッチおよび正のRF入力端子上の信号を第1の差動負荷内で結合された負の同相出力端子に通り抜けるように前記第2の1stレベルスイッチに直列に結合された第3の2ndレベルスイッチを閉じる、そして
第4の1stレベルスイッチおよび負のRF入力端子上の信号を第1の差動負荷内で結合された正の同相出力端子に通り抜けるように前記第4の1stレベルスイッチに直列に結合された第7の2ndレベルスイッチを閉じる;
および
前記4相半デューティサイクルクロックの第4の位相に応じて、
第2の1stレベルスイッチおよび正のRF入力端子上の信号を第2の差動負荷内で結合された負の直交位相出力端子に通り抜けるように前記第2の1stレベルスイッチに直列に結合された第4の2ndレベルスイッチを閉じる、そして
第4の1stレベルスイッチおよび負のRF入力端子上の信号を第2の差動負荷内で結合された正の直交位相出力端子に通り抜けるように前記第4の1stレベルスイッチに直列に結合された第8の2ndレベルスイッチを閉じる、
ことを含む請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記スイッチの各々は、それのゲート端子上への高電圧レベルの適用によって閉じられたnチャネル電界効果トランジスタ(NFET)である請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記スイッチの各々はそれのゲート端子上への低電圧レベルの適用によって閉じられたpチャネル電界効果トランジスタ(PFET)である請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記スイッチの各々は、共に並列に結合されたpチャネル電界効果トランジスタ(PFET)およびnチャネル電界効果トランジスタ(NFET)であり、前記PFETは、それのゲート端子上への低電圧レベルの適用によって閉じられるおよび前記NFETはそれのゲート端子上への高電圧レベルの適用によって閉じられる請求項16記載の方法。
【請求項20】
前記スイッチのスイッチングは、
前記4相半デューティサイクルクロックの第1の位相に応じて、
正のRF入力端子上の信号を第1の差動負荷内で結合された正の同相出力端子に通り抜けるように直列に結合された第1のペアのスイッチを閉じる、そして
負のRF入力端子上の信号を前記第1の差動負荷内で結合された負の同相出力端子に通り抜けるように直列に結合された第5のペアのスイッチを閉じる;
前記4相半デューティサイクルクロックの第2の位相に応じて、
正のRF入力端子上の信号を第2の差動負荷内で結合された正の直交位相出力端子に通り抜けるように直列に結合された第2のペアのスイッチを閉じる、そして
負のRF入力端子上の信号を前記第2の差動負荷内で結合された負の直交位相出力端子に通り抜けるように直列に結合された第6のペアのスイッチを閉じる;
前記4相半デューティサイクルクロックの第3の位相に応じて、
正のRF入力端子上の信号を前記第1の差動負荷内で結合された負の同相出力端子に通り抜けるように直列に結合された第3のペアのスイッチを閉じる、そして
負のRF入力端子上の信号を前記第1の差動負荷内で結合された正の同相出力端子に通り抜けるように直列に結合された第7のペアのスイッチを閉じる;
および
前記4相半デューティサイクルクロックの第4の位相に応じて、
正のRF入力端子上の信号を前記第2の差動負荷内で結合された負の直交位相出力端子に通り抜けるように直列に結合された第4のペアのスイッチを閉じる、そして
負のRF入力端子上の信号を前記第2の差動負荷内で結合された正の直交位相出力端子に通り抜けるように直列に結合された第8のペアのスイッチを閉じる、
ことを含む請求項15記載の方法。
【請求項21】
前記スイッチの各々はそれの制御端子上への高電圧レベルの適用によって閉じられるおよびそれの制御端子上への低電圧レベルの適用によって開かれる第1のタイプのトランジスタである請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記スイッチの各々はnチャネル電界効果トランジスタである請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記スイッチの各々はそれの制御端子上への低電圧レベルの適用によって閉じられるおよびそれの制御端子上への高電圧レベルの適用によって開かれる第2のタイプのトランジスタである請求項20記載の方法。
【請求項24】
前記スイッチの各々はpチャネル電界効果トランジスタである 請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記スイッチの各々は共に並列に結合された第1のタイプのトランジスタおよび第2のタイプのトランジスタを有する転送ゲートであり、前記第1のタイプのトランジスタはそれの制御端子上への高電圧レベルの適用によって閉じられるおよび前記第2のタイプのトランジスタはそれの制御端子上への低電圧レベルの適用によって閉じられる請求項20記載の方法。
【請求項26】
各々90度の倍数だけ他からの位相ずれした前記4相半デューティサイクルクロックを発生するための手段と、
二重差動出力ポート上の差動同相出力信号および差動直交位相出力信号を同時に発生するために前記4相半デューティサイクルクロックで差動入力信号を畳み込むための手段と、
前記4相半デューティサイクルクロックを前記畳み込むための手段内で結合するための手段と、
を具備する装置。
【請求項27】
請求項26記載の装置、ここにおいて
前記4相半デューティサイクルクロックを結合するための手段は1集積回路の1つまたはそれ以上の層内の導電性トレースである請求項26記載の装置。
【請求項28】
前記畳み込むための手段は前記4相半デューティサイクルクロックに応じて切り換えられるスイッチを含む4相半デューティサイクルミキサである請求項26記載の装置。
【請求項29】
前記4相半デューティサイクルクロックを発生するための手段はクロック発生器である請求項26記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図3D】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図6D】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図7D】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−51702(P2013−51702A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−223086(P2012−223086)
【出願日】平成24年10月5日(2012.10.5)
【分割の表示】特願2010−542314(P2010−542314)の分割
【原出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED