説明

住宅維持管理情報提供システム、住宅維持管理情報提供プログラム、及び住宅維持管理情報提供方法。

【課題】 居住者自らが、住宅の手入れ・消耗品の交換・定期的な保守点検の時期を把握することができるとともに、住宅の構成部材が故障した場合にも故障部位を特定し、修繕方法を示すことができる住宅維持管理情報提供システム及び住宅維持管理情報提供プログラムを提供する。
【解決手段】 住宅を構成する各部材の部材情報、図面情報、及び履歴情報をそれぞれ記憶するHDDと、ユーザインターフェースに対してHDDに記憶された情報の中から必要な情報を選択して出力するCPUと、を備え、部材情報には、住宅を構成する各部屋毎に記憶される上位部材に関する上位部材情報と、当該上位部材情報に関連付けて記憶され上位部材を構成する下位部材に関する下位部材情報と、当該下位部材情報に関連付けて記憶され前記下位部材のメンテナンスに必要なメンテナンス情報と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、住宅における各構成部材を予め記憶しておき、部材にトラブルがあったときや部材の交換や点検のときなどのように、部材情報が必要なときに、必要な部材情報を提供することができる住宅維持管理情報提供システム、住宅維持管理情報提供プログラム、及び住宅維持管理情報提供方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より住宅のメンテナンスの際に使用するために、住宅を構成する部材の情報をネットワーク上に記憶させておく種々の技術が公開されている(例えば特許文献1、特許文献2)。また近年、住宅の超長寿命化に伴い、定期的及び不定期の住宅のメンテナンスはより重要となってきており、このため、新築時の設計図書や施工内容及び、リフォームや点検時の履歴を「住宅履歴書」として蓄積整備することが求められている(例えば非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−215637号公報
【特許文献2】特開2002−259459号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「200年住宅ビジョン より長く大事に、より豊かに、より優しく―住宅改革・豊かな生活―」 平成19年5月 自由民主党政務調査会 インターネットホームページ(http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2007/seisaku-007.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の文献は、建築業者などがメンテナンスを行う際に用いることのみを想定して住宅の部材情報を蓄積するものであり、これらの情報に基づいて居住者自らが住宅の不具合が発生した部分を特定することや交換が必要な部材を特定することは困難である。また、上述の文献では、居住者自らが消耗品の交換時期や住宅のメンテナンスが必要な時期を把握することはできない。
【0006】
そこで、本発明は、居住者自らが、住宅の手入れ・消耗品の交換・定期的な保守点検の時期を把握することができるとともに、住宅の構成部材が故障した場合にも故障部位を特定し、修繕方法を示すことができる住宅維持管理情報提供システム、住宅維持管理情報提供プログラム、及び住宅維持管理情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の住宅維持管理情報提供システムは、住宅を構成する各部材の部材情報、図面情報、及び履歴情報をそれぞれ記憶するデータベースと、所定のユーザインタフェースから情報の入力を受付けるとともに、前記ユーザインタフェースに対して前記データベースに記憶された情報の中から必要な情報を選択して出力する制御手段と、を備える住宅維持管理情報提供システムであって、前記部材情報には、住宅を構成する各部屋毎に記憶され、当該部屋を構成する上位部材に関する上位部材情報と、当該上位部材情報に関連付けて記憶され前記上位部材を構成する下位部材に関する下位部材情報と、当該下位部材情報に関連付けて記憶され前記下位部材のメンテナンスに必要なメンテナンス情報と、を含むとともに、前記下位部材情報には前記上位部材に対する前記下位部材の関係性を示す部材関係情報を含み、前記制御手段は、住宅を構成する前記各部屋又は前記上位部材を選択可能に表示する指示を前記ユーザインタフェースに出力し、いずれかの部屋又は上位部材の選択を受付けると、当該部屋又は当該上位部材を構成する前記下位部材情報を選択可能に表示する旨の指示をユーザインタフェースに出力し、前記下位部材情報のいずれかの選択を受付けると、当該下位部材のメンテナンス情報を表示する旨の指示をユーザインタフェースに出力することを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の住宅維持管理情報提供システムは、前記部材関係情報は、前記下位部材が前記上位部材に必須の構成要素であって、住宅設備を構成する設備品であることを示す必須構成情報、前記下位部材が前記上位部材に任意の構成要素であって、単独では取引することができないが任意に変更できる構成要素であることを示すオプション構成情報、前記下位部材が前記上位部材にのみ用いられる消耗品であることを示す専用消耗品情報、前記下位部材が前記上位部材に用いられる消耗品であって、一般に流通しているものであることを示す一般流通消耗品情報、前記下位部材が前記上位部材に任意の構成要素であって、独立して取引されるものであって、同一の面材を用いている構成要素であることを示す独立シリーズ品情報、及び、前記下位部材が前記上位部材に接着されていることを示す接着構成情報、から前記下位部材毎に選択される情報であることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の住宅維持管理情報提供システムは、前記部材情報は、各部材の3次元位置情報を含み、予め規格化された所定形式で記載されていることを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の住宅維持管理情報提供システムは、前記メンテナンス情報は、前記部材のトラブル対応例、前記部材にトラブルが発生した場合の緊急度、前記部材のメーカー情報、前記部材の問合せ先、前記部材の型番、前記部材のメンテナンス難易度のいずれか1又は複数を含むことを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載の住宅維持管理情報提供システムは、前記メンテナンス情報は、前記部材の使用期限を含み、前記制御手段は、使用期限が近づいた部材を報知する情報を出力することを特徴としている。
【0012】
請求項6に記載の住宅維持管理情報提供プログラムは、コンピュータを前記請求項1から請求項5のいずれかに記載の住宅維持管理情報提供システムとして機能させることを特徴としている。
【0013】
請求項7に記載の住宅維持管理情報提供方法は、住宅を構成する各部屋毎に記憶され、当該部屋を構成する上位部材に関する上位部材情報と、当該上位部材情報に関連付けて記憶され前記上位部材を構成する下位部材に関する下位部材情報と、当該下位部材情報に関連付けて記憶され前記下位部材のメンテナンスに必要なメンテナンス情報と、を含む部材情報と、前記住宅の図面情報、及び前記住宅の履歴情報をそれぞれ記憶するデータベースと、当該データベースに記憶された各情報を出力可能であるとともに、外部から情報の入力が可能なユーザインターフェースと、を用いる住宅維持管理情報提供方法であって、前記ユーザインターフェースに住宅を構成する各部屋及び/又は当該各部屋を構成する上位部材を選択可能に表示し、前記ユーザインターフェースが外部から前記部屋又は前記上位部材の選択を受付けた後、選択された部屋又は上位部材に関連付けられている下位部材を前記ユーザインターフェースに選択可能に表示し、前記ユーザインターフェースが外部から前記下位部材の選択を受付けた後、前記データベースに記憶された当該下位部材のメンテナンスに必要なメンテナンス情報を表示することを特徴としている。
【0014】
請求項8に記載の住宅維持管理情報提供方法は、前記部材情報は、更に、前記下位部材が前記上位部材に必須の構成要素であって、住宅設備を構成する設備品であることを示す必須構成情報、前記下位部材が前記上位部材に任意の構成要素であって、単独では取引することができないが任意に変更できる構成要素であることを示すオプション構成情報、前記下位部材が前記上位部材にのみ用いられる消耗品であることを示す専用消耗品情報、前記下位部材が前記上位部材に用いられる消耗品であって、一般に流通しているものであることを示す一般流通消耗品情報、前記下位部材が前記上位部材に任意の構成要素であって、独立して取引されるものであって、同一の面材を用いている構成要素であることを示す独立シリーズ品情報、及び、前記下位部材が前記上位部材に接着されていることを示す接着構成情報、から前記下位部材毎に選択される部材関係情報を含むものであることを特徴としている。
【0015】
請求項9に記載の住宅維持管理情報提供方法は、前記メンテナンス情報は、前記部材のトラブル対応例、前記部材にトラブルが発生した場合の緊急度、前記部材のメーカー情報、前記部材の問合せ先、前記部材の型番、前記部材のメンテナンス難易度のいずれか1又は複数を含み、前記ユーザインターフェースが外部から前記下位部材の選択を受付けた後に、当該下位部材のトラブル対応例、前記下位部材にトラブルが発生した場合の緊急度、前記下位部材のメーカー情報、前記下位部材の問合せ先、前記下位部材の型番、前記下位部材のメンテナンス難易度、の1又は複数をユーザインターフェースに表示することを特徴としている。
【0016】
請求項10に記載の住宅維持管理情報提供方法は、前記メンテナンス情報は、前記部材の使用期限を含み、前記ユーザインターフェースに使用期限が近づいた部材の交換を促す旨の情報を表示することことを特徴としている。
【0017】
請求項11に記載の住宅維持管理情報提供方法は、前記部材情報は、各部材の3次元位置情報を含み、予め規格化された所定形式で記載されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の住宅維持管理情報提供システムによると、ユーザインターフェースに住宅を構成する各部屋又は上位部材情報を選択可能に表示して選択を受付け、次に選択された各部屋又は上位部材を構成する下位部材情報をユーザインターフェースに選択可能に表示して選択を受付け、下位部材情報のいずれかの選択を受付けると、下位部材のメンテナンス情報をユーザインターフェースに表示する。通常住宅の手入れ、消耗品の交換、定期的な保守点検、及び住宅を構成する部材の故障に際して、住宅の居住者は、手入れなどが必要な部材を特定するために、その上位概念となる住宅の部屋や住宅設備(上位部材)を特定するものであるので、このように、まず住宅の部屋又は上位部材の選択を受付けて、その後、下位部材の選択を受付けることで、簡単に手入れなどが必要な部材を特定することができる。
【0019】
しかも、下位部材情報には上位部材に対する下位部材の関係性を示す部材関係情報が含まれているので、上位部材との関係を把握することができ、故障などで交換する場合に、純正品を使用する必要があるか、工事が必要かなどの情報を居住者に示すことができる。
【0020】
請求項2に記載の住宅維持管理情報提供システムによると、部材関係情報により、住宅の居住者に、手入れ、消耗品の交換、定期的な保守点検、及び住宅を構成する部材の故障に際して、手入れ等する部材が上位部材にとって、必須の構成要素であるのか、オプション構成要素であるのか、専用の消耗品であるのか、一般に流通している消耗品であるのか、独立しているがデザイン上揃えた方が良い製品であるのか、取り外す際に工事が必要となるのか、といった情報を示すことができる。
【0021】
なお、ここで消耗品とは、上位部材の性能を確保するために所定期間毎に交換を必要とする下位部材のことをいう。
【0022】
請求項3に記載の住宅維持管理情報提供システムによると、部材情報が各部材の3次元位置情報を含むものであって、予め規格化された所定形式で記載されているので、汎用性のある形式で、住宅の全体について3次元の建物情報を保持することができ、この所定形式に基づいてユーザインターフェースを開発することで、時代時代に応じた適切なインタフェースで、部材情報の読込、検索、編集、保存を行うことができる。
【0023】
なお、ここで「所定形式」は、特に限定するものではないが、例えばXML(eXtensible Markup Language)等の汎用性が高く、且つ拡張可能な形式であることが好ましく、国際規格であるIFC(Industry Foundation Classes)に準拠させていることが、将来にわたる汎用性を確保する点で好ましい。
【0024】
請求項4に記載の住宅維持管理情報提供システムによると、メンテナンス情報に下位部材のトラブル対応例を含むと、トラブルに対する対応方法を居住者に示すことができ、メンテナンス情報に部材にトラブルが発生した場合の緊急度を含むと、早急に対応する必要があるか否かを居住者に示すことができ、メンテナンス情報に下位部材のメーカー情報、下位部材の問合せ先、下位部材の型番、のいずれかを含むと、下位部材を交換する際や下位部材の取扱方法を知りたい場合に、その下位部材を特定して購入、問い合わせ等することができ、メンテナンス情報に部材のメンテナンス難易度を含むと居住者自らがメンテナンスを行うか、専門の業者に依頼するか判断することが容易になる。
【0025】
請求項5に記載の住宅維持管理情報提供システムによると、使用期限が近づいた部材が報知されるので、居住者は交換する必要がある部材を容易に把握することができる。
【0026】
請求項6に記載の住宅維持管理情報提供プログラムによると、上述の請求項1から請求項5の効果をコンピュータに発揮させることができる。
【0027】
請求項7に記載の住宅維持管理情報提供方法によるとユーザインターフェースに住宅を構成する各部屋又は上位部材情報を選択可能に表示して選択を受付け、次に選択された各部屋又は上位部材を構成する下位部材情報をユーザインターフェースに選択可能に表示して選択を受付け、選択された下位部材のメンテナンス情報をユーザインターフェースに表示するので、簡単に手入れなどが必要な部材を特定することができる。また、下位部材情報には上位部材に対する下位部材の関係性を示す部材関係情報が含まれているので、上位部材との関係を把握することができ、故障などで交換する場合に、純正品を使用する必要があるか、工事が必要かなどの情報を居住者に示すことができる。
【0028】
請求項8に記載の住宅維持管理情報提供方法によると、部材関係情報により、住宅の居住者に、手入れ、消耗品の交換、定期的な保守点検、及び住宅を構成する部材の故障に際して、手入れ等する部材が上位部材にとって、必須の構成要素であるのか、オプション構成要素であるのか、専用の消耗品であるのか、一般に流通している消耗品であるのか、独立しているがデザイン上揃えた方が良い製品であるのか、取り外す際に工事が必要となるのか、といった情報を把握することができ、部材の修理交換の際にこれら情報を用いることができる。
【0029】
請求項9に記載の住宅維持管理情報提供方法によると、選択された下位部材のトラブル対応例、トラブルが発生した場合の緊急度、メーカー情報、問い合わせ先、型番、メンテナンス難易度、の1又は複数をユーザインターフェースに表示するので、下位部材を交換する際や下位部材の取扱方法を知りたい場合に、その下位部材を特定して購入、問い合わせ等することができ、メンテナンス情報に部材のメンテナンス難易度を含むと居住者自らがメンテナンスを行うか、専門の業者に依頼するか判断することが容易になる。
【0030】
請求項10に記載の住宅維持管理情報提供方法によると、使用期限が近づいた部材の交換が必要である旨を居住者に簡単に報知することができる。
【0031】
請求項11に記載の住宅維持管理情報提供方法によると、汎用性のある形式で、住宅の全体について3次元の建物情報が保持された部材情報を用いて、住宅維持管理情報を提供するので、この所定形式に基づいてユーザインターフェースを開発することで、時代時代に応じた適切なインタフェースで、住宅維持管理情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】住宅維持管理情報提供プログラムの全体構成を示すブロック図。
【図2】部材情報の「部屋情報」「第1部材情報」「第2部材情報」「第3部材情報」及び「部材関係情報」の一部を模式的に表わした一覧表図。
【図3】部材情報の「第2部材」又は「第3部材」に関連付けられた「トラブル内容」「一次対応方法」の一部を模式的に表わした一覧表図。
【図4】部材情報の「第2部材」及び「第3部材」に関連付けられる各情報を模式的に示した一覧表図。
【図5】主にトランプボックスのCPUが行うユーザインターフェースへの表示内容の出入力処理のルーチンを示すフローチャート。
【図6】図5のAから続くフローチャート。
【図7】ユーザインターフェースに住宅の間取り図を表示させた状態を示す図。
【図8】ユーザインターフェースに選択された部屋又は第1部材を構成する第2部材及び第3部材を表示した例を示す図。
【図9】ユーザインターフェースに選択された第2部材又は第3部材のトラブル内容及び「お手入れ方法」「取扱説明書」のボタンを表示した例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、この発明における住宅維持管理情報提供システム1の最良の実施形態について各図を参照しつつ説明する。まず、図1を参照しつつ、本実施形態に係る住宅維持管理情報提供システム1の全体構成について説明する。住宅維持管理情報提供システム1は、住宅内に設置された汎用性を備えた小型コンピュータであるトランプボックス2と、住宅の居住者が閲覧可能な情報端末であるユーザインターフェース3と、をLAN4(local
area network)で接続して構成されている。そしてこの住宅維持管理情報提供システム1は、ネットワーク5を介して住宅維持管理サーバ6と、住宅を構成する各部材のメーカー系サーバ7と、に接続されている。またトランプボックス2には、可搬型記憶媒体のUSBメモリ8が通信可能に接続されている。なお、ここでトランプボックス2に接続される可搬型記憶媒体は、USBメモリ8に限られず、トランプボックス2に設けられた接続端子に接続可能な形式であって、且つ、居住者が持ち運びできる形式の書込み及び読み出し可能な記憶媒体であれば、USBメモリ8以外のフラッシュメモリ等の半導体メモリであっても良いし、光、磁力、電気抵抗などを用いる種々記憶媒体であっても良い。
【0034】
トランプボックス2は、住宅を構成する各部材の部材情報9、図面情報10、履歴情報11を記憶するHDD(Hard Disk Drive)12と、ユーザインターフェース3から情報の入力を受付けるとともに、このユーザインターフェース3に対してHDD12に記憶された情報の中から必要な情報を選択して出力するCPU(central
processing unit)13と、を備えている。なお、本発明の「データベース」を構成する記憶手段として、本実施形態においてはHDD12を採用するが、「データベース」の物理的構成は、特に限定されるものではなく、情報を記憶することができる種々の記憶媒体を採用することができる。
【0035】
ここで部材情報9とは、住宅を構成する各部材の名称を表わす情報、各部材の位置情報、住宅の部屋、部材関係情報等の部材集合情報と、部材の仕様や部材メーカの情報などの部材管理情報と、を含む。この部材情報9は、汎用性の高いXML(eXtensible Markup Language)形式で、IAI(International Alliance for Interoperability)等が提唱するIFC(Industry Foundation Classes)フォーマットに準拠して記述されており、各部材情報9を他のメーカーや業種間で共有し、相互に運用することができるとともに、将来にわたりこれら部材情報9を利用可能に拡張し保持することができる。また、この部材情報9は、XML形式で、各部材の模様線、構成線、領域面、彩色領域などの情報を3次元位置情報とともに保持しており、これらの情報に基づいて、BIM(Building Information Modeling)に基づく各図面を生成することができる。
【0036】
図面情報10は、図面管理用インディックスなどの図面管理情報と、CAD(Computer Aided
Design)データやPDF(Portable Document Format)ファイルなどの図面情報10と、から構成されており、住宅の設計図や仕様などが記憶されている。また、履歴情報11は、住宅の点検、補修の履歴、リフォームの履歴等の住宅の改変履歴が記憶されるとともに、電気・ガス・水道の使用量や地震があった場合の加速度などの情報が記憶されている。
【0037】
なお、図示しないがこのHDD12には、ユーザインターフェース3への情報の送受信に関するプログラムも記憶されており、CPU13はこのプログラムに基づいて、部材情報9、図面情報10、履歴情報11等に記載された情報の中から必要な情報を選択してユーザインターフェース3に入出力している。
【0038】
USBメモリ8には、住宅基本情報15として、管理会社名や支店・営業所名、住宅の商品名、建築日時、契約情報、引渡し日などの住宅の基本情報と、施主情報、家族情報、ローン情報等の住宅所有者に関する個人情報16が記憶されており、必要に応じてトランプボックス2のCPU13が読み出して、ユーザインターフェース3に出力する。このように住宅所有者が管理すべき情報は、可搬型のUSBメモリ8に保存されており売買などにより所有者に変更があった場合には、取り外して新たなUSBメモリ8に新たな所有者の情報や契約内容を記憶させることができるので、個人情報の保護に資することができるとともに、住宅の管理に必要な情報は住宅に備え付けられているトランプボックス2のHDD12に記憶されているので、所有者に変更があった場合でも住宅の管理に必要な情報を失う虞がない。
【0039】
ユーザインターフェース3は、住宅に備え付けられた情報表示装置等のハードウエア、又は汎用のコンピュータに表示させることができるWebブラウザなどのソフトウエアである。このユーザインターフェース3は、時代とともにより高機能のものが開発されるので、トランプボックス2のCPU13から受信した住宅の部材情報9等の各情報を表示することができるものであればその形態を限定しない。
【0040】
ネットワーク5は、例えばインターネットやイントラネット、VPN(virtual private network)等を利用した種々のネットワーク5を用いることができ、トランプボックス2と、各サーバとを通信可能に接続している。住宅維持管理サーバ6は、例えば住宅メーカーが管理するものであって、CPU18とHDD17とを備えている。図示していないがこの住宅維持管理サーバ6のHDD17は、この住宅メーカーが管理する全邸のトランプボックス2のHDD12に記憶された部材情報9、図面情報10、履歴情報11を邸毎に記憶している。そして、各情報を更新する際には、トランプボックス2のHDD12に記憶されている部材情報9、図面情報10、及び履歴情報11と、この住宅維持管理サーバ6のHDD17に記憶されている部材情報9、図面情報10、及び履歴情報11とを同期させる処理を行う。これにより住宅維持管理サーバ6は、トランプボックス2のHDD12に記憶されている部材情報9、図面情報10、及び履歴情報11と常に同じ情報が記憶されることになり、万が一故障などによりトランプボックス2のHDD12のデータが消去された場合にも、情報を保持することができる。
【0041】
メーカー系サーバ7は、住宅を構成する各部材の製造元であるメーカーが管理するサーバであって、各部材の取扱説明書やお手入れ方法などの情報を記憶している。トランプボックス2のCPU13は、必要に応じてこれらの情報にアクセスし、ユーザインターフェース3に表示する。
【0042】
次に、トランプボックス2のHDD12に記憶されている部材情報9の内容について図2から図4を参照しつつ説明する。なお、図2から図4はXML形式で記述される部材情報9の内容の一部を模式的に表示したものである。部材情報9は、住宅を構成する各部屋を識別する部屋情報14がこの部屋を構成する各第1部材を示す第1部材情報18に関連付けて記憶記憶されている。例えば、図2に示すように部屋情報14が「キッチン」である場合、このキッチンを構成する「システムキッチン」「壁」等が第1部材情報18として記憶されている。そして更に、第1部材情報18には、この第1部材を構成する第2部材情報19が関連付けて記憶されている。この第2部材情報19は、更に、この第2部材を構成する部品である第3部材情報20が関連付けて記憶されている。
【0043】
なお、本発明における「上位部材」は本実施形態における第2部材との関係では第1部材のことをいい、第3部材との関係では第2部材のことをいう。また、本発明における「下位部材」は本実施形態における第2部材及び第3部材のことをいう。
【0044】
例えば、第1部材情報18「システムキッチン」に対してこのシステムキッチンを構成する第2部材である「フード」「吊り戸棚」「ガスコンロ」等が第2部材情報19として記憶されており、この第2部材「フード」に対してこのフードを構成する第3部材「屋外フード」「換気扇」「換気扇カバー」等が第3部材情報20として記憶されている。なお、各部材情報の構成はこのようなツリー状に3段に構成されたものに限定されるものではなく、2段に構成されるものや4段以上に構成されるものであっても良い。
【0045】
第2部材情報19及び第3部材情報20には部材関係情報21がそれぞれ関連付けて記憶されている。部材関係情報21は、第1部材に対するこの第1部材を構成する第2部材の関係性を示す情報、及び第2部材に対するこの第2部材を構成する第3部材の関係性を示す情報である。具体的には、第2部材又は第3部材がその上位の構成である第1部材又は第2部材に対して、必須の構成であって、消耗品ではないことを示す「必須構成情報」、任意の構成であって、独立して取引されないことを示す「オプション構成情報」、第2部材又は第3部材が第1部材又は第2部材にのみ用いられる専用の消耗品であることを示す「専用消耗品情報」、第2部材又は第3部材が消耗品であって一般に流通しているものであることを示す一般流通消耗品情報、任意の独立して取引される構成であって、同一の面材を用いている「独立シリーズ品情報」、及び、第2部材又は第3部材を交換する際に工事が必要な部材であることを示す「接着構成情報」である。
【0046】
これらの部材関係情報21により第2部材又は第3部材を補修交換等する場合に、必須の構成であるのか、オプション構成であるのか、専用の消耗品であるのか、一般に流通している消耗品であるのか、独立しているがデザイン上揃えた方が良い製品であるのか、取り外す際に工事が必要となるのか、といった情報を提示することができるので、適切なメンテナンスを行うことができる。
【0047】
更に部材情報9は、図3に示すように、第2部材及び第3部材について起こりうるトラブル内容22及びその一次対応方法23が記憶されている。例えば、例えばシステムキッチンの構成である第2部材「水栓」についてトラブルの内容が「キャップがひび割れ」であればこのトラブルに関連付けてこのトラブルに対する一次対応方法23「キャップの交換」が記憶されており、トラブルの内容が「ハンドルを締めても漏水」であればこのトラブルに関連付けてこのトラブルに対する一次対応方法23「こまの交換」が記憶されている。なお、このトラブルに対する一次対応方法23はトラブルの内容に対して1つに限られるものではなく、そのトラブルから想定される一次対応方法23が2以上である場合は、そのトラブルに関連付けて、2以上の一次対応方法23が記憶される。
【0048】
また、部材情報9は、図4に示すように、第2部材情報19、及び第3部材情報20に関連付けて、それぞれの部材にトラブルが発生した場合の「緊急度」24、各部材の製造元の名前である「メーカー」25、各部材の製造元の「問合せ先」26、各部材の「型番」27、各部材のメンテナンスの「難易度」28、使用期限がある部材の「使用期限」29、各部材のお手入れ方法が記載されたネットワーク5のメーカー系サーバ7上のURL(Uniform Resource Locator)30、各部材の取扱説明書が記載されたネットワーク5上のメーカー系サーバ7上のURL31、各部材の住宅における位置情報32、が記憶されている。これらの情報により、第2部材及び第3部材の交換が必要な場合に部材を特定して問い合わせすることができるとともに、第2部材及び第3部材の交換時期を把握することができる。
【0049】
次に、トランプボックス2のHDD12に記憶された住宅維持管理プログラムに基づいて、主にトランプボックス2のCPU13がユーザインターフェース3に部材情報9を表示させる住宅維持管理情報提供方法の処理について、図5から図9に基づいて説明する。住宅の居住者は、住宅を構成する部材に故障等のトラブルがあった場合、消耗品の交換などの定期的なメンテナンスが必要な場合等に必要な情報をユーザインターフェース3に表示するように操作する。ユーザインターフェース3は特に限定するものではないが、例えばタッチパネル、マウス、操作パネル、キーボード等のいずれかの入力インターフェースを備えており、この入力インターフェースを操作することにより居住者はユーザインターフェース3に対して所定の操作を入力する。そして、ユーザインターフェース3は受付けた所定の操作をトランプボックス2に送信する。
【0050】
図5に示すように、トランプボックス2のCPU13は所定の操作を受付けると、まず、図7に示すような住宅の間取り図33をユーザインターフェース3に対して表示すべきコマンドを送信する(S100)。なお、ここでユーザインターフェース3に表示する画像は、間取り図に限定されるものではなく、例えば住宅を3次元モデル化した画像であってもよく、また、住宅の各部屋情報14や各第1部材情報18をテキストで表示した一覧表であってもよい。住宅を構成する各部屋情報14又は各第1部材情報18を選択可能な表現方法であれば如何なるものであってもよい。
【0051】
また、図7に示すように画面下部には、交換時期が迫っている第2部材又は第3部材の情報が表示されている。この表示は、図5のフローチャートには示していないが、例えば、使用期限まで2週間を切っている部材をトランプボックス2のHDD12に記憶されている部材情報9から抽出し表示させるものである。このように、表示することで適切な時期に適切な第2部材又は第3部材を交換することができる。
【0052】
次に、CPU13は、ユーザインターフェース3が部屋情報14の選択を受付けたか否か判断する(S101)。具体的には、ユーザインターフェース3の入力インターフェースが例えばタッチパネルであれば、住宅の居住者がタッチパネルに表示された例えばキッチンなどの所定の部屋をタッチすると、その情報がトランプボックス2に送信され部屋情報14の選択を受付けたと判断する(S101:YES)。一方、部屋情報14の選択を受付けていないと判断すると(S101:NO)、次にCPU13は、第1部材情報18の選択を受付けたか否か判断する(S102)。すなわち、部屋情報14を選択する場合と同様に、ユーザインターフェース3がタッチパネルであれば、いずれかの第1部材の周辺をタッチすることにより選択することができ、その情報をトランプボックス2が受信すると、第1部材情報18の選択を受付けたと判断する(S102:YES)。部屋情報14の選択を受付けておらず(S101:NO)、且つ、第1部材情報18の選択も受付けていない(S102:NO)場合は、いずれかの情報を受付けるまでそのまま待機する。
【0053】
CPU13が部屋情報14の選択を受付けたと判断する(S101:YES)、又は第1部材情報18の選択を受付けたと判断すると(S102:YES)、次にCPU13は、選択された部屋情報14又は選択された第1部材を構成する第2部材情報19及び第3部材情報20を選択可能に表示する旨のコマンドをユーザインターフェース3に出力する(S103)。具体的には、CPU13はHDD12の部材情報9にアクセスして、選択された部屋情報14又は第1部材情報18に関連付けられて記憶されている第2部材情報19及び第3部材情報20を抽出し、これら第2部材情報19及び第3部材情報20をユーザインターフェース3が表示可能な形式に変換して出力する。例えば、図8に示すように、CPU13が部屋情報14として「キッチン」の選択を受付けたと判断すると、ユーザインターフェース3の画面左側にキッチンの拡大図34を表示し、このキッチンを構成する第2部材情報19及び第3部材情報20を選択可能に表示するとともに、画面右側にキッチンを構成する第2部材及び第3部材を一覧図35として表示する。なお、図8の画像は一例であり、第2部材情報19及び第3部材情報20を選択可能な他の種々の表現方法を用いてもよい。また、第2部材及び第3部材を同時にユーザインターフェース3に表示することに変えて、第2部材のみに一覧を表示し、いずれかの第2部材情報19が選択された場合に、この第2部材を構成する第3部材を表示するものであってもよい。
【0054】
第2部材情報19及び第3部材情報20を選択可能に表示すると(S103)、次に、CPU13は第2部材情報19又は第3部材情報20の選択を受付けたか否か判断する(S104)。具体的には、ユーザインターフェース3に表示されているキッチンの拡大図34又はキッチンを構成する第2部材及び第3部材の一覧図35からいずれかの部材が選択された旨の情報を受付けたか否か判断する第2部材情報19又は第3部材情報20の選択を受付けていないと判断すると(S104:NO)、いずれかの部材の選択を受付けるまで、そのまま待機する。一方、第2部材情報19又は第3部材情報20の選択を受付けたと判断すると(S104:YES)、CPU13は、選択された第2部材情報19又は第3部材情報20に関連付けて記憶されているトラブル内容22、選択された第2部材情報19又は第3部材情報20の製造元であるメーカーのホームページ内の当該部材のお手入れ方法へのリンクボタン及び取扱説明書へのリンクボタンを表示すべき旨のコマンドをユーザインターフェース3に出力する(S105)。具体的には例えば第2部材の「水栓」が選択された場合には、CPU13は、部材情報9の中から図3に示すような水栓のトラブル内容22を抽出し、図9に示すように、ユーザインターフェース3の上部に出力する。そして、ユーザインターフェース3の下部には、「トラブル内容を連絡」36「お手入れ方法」37「取扱説明書」38のボタンを表示し、「お手入れ方法」37及び「取扱説明書」38のボタンは水栓メーカーのホームページ上にある水栓のお手入れ方法及び取扱説明書のページにそれぞれリンクさせる。そして、「トラブル内容を連絡」36のボタンには、トラブル内容を例えばカスタマーセンター等のそのトラブルに対処できる組織に送信するフォームが記載されたページにリンクさせる。なお、この「トラブル内容を連絡」36のボタンは、例えば選択された第2部材又は第3部材のメーカーの顧客対応電話番号やe−mailアドレス、トラブル対応を受付けるメーカーホームページのURL等であってもよく、適切にトラブルに対応できる組織に連絡できる手段であればいかなるものであってもよい。
【0055】
ステップS105の処理を終えると、図6に処理を進める。そして、CPU13は表示されたいずれかのトラブル内容22の選択があったか否か判断する(S106)。トラブル内容22の選択があったと判断すると(S106:YES)、CPU13は選択があったトラブル内容の一次対応方法23を部材情報9から抽出して、ユーザインターフェース3に表示する旨のコマンドを出力する(S107)。具体的には、例えば図9に示す「水洗本体と脚部間で漏水」が選択されると、図3に示すようにこのトラブル内容22に関連付けられている「パッキンの交換」がユーザインターフェース3に表示される。
【0056】
ステップS106に戻って、トラブル内容22の選択がなかったと判断すると(S106:NO)、次に、CPU13は、「お手入れ方法」37のボタンの選択があったか否か判断する(S108)。「お手入れ方法」37のボタンの選択があったと判断すると(S108:YES)、選択された部材の製造元メーカーのホームページ上に掲載されている当該部材のお手入れ方法のページを表示する処理を行う(S109)。一方、「お手入れ方法」37のボタンの選択がなかったと判断すると(S108:NO)、次に「取扱説明書」38のボタンの選択があったか否か判断する(S110)。「取扱説明書」38のボタンの選択があったと判断すると(S110)、選択された部材の製造元メーカーのホームページ上に掲載されている当該部材の取扱説明書を表示する処理を行う(S111)。一方、「取扱説明書」38のボタンも選択されていないと判断すると(S110:NO)、ステップS106まで戻って処理をループする。
【0057】
このように、本実施形態の住宅維持管理情報提供システム1は、住宅を構成する部屋や第1部材情報18などの上位概念の部材をまず選択可能に表示し、選択された部屋や第1部材を構成する第2部材や第3部材を次に表示することで、住宅の手入れ、消耗品の交換、定期的な保守点検、及び住宅を構成する部材の故障に際して、住宅の居住者が極めて容易にメンテナンスが必要な部材を特定することができる。しかも、第2部材情報19及び第3部材情報20にはその上位の部材との関係性を示す部材関係情報が含まれているので、上位の部材との関係を容易に把握することができ、故障などで第2部材又は第3部材を交換する場合に、純正品を使用する必要があるのか、工事が必要なのかなどの情報を居住者に示すことができる。
【0058】
また、部材情報は、汎用性及び拡張性に優れたXML形式で記述され、IFCホーマットに準拠しているので、ユーザインターフェース3を時代の変遷に伴ってより高機能なものとすることができ、部材情報の読込、検索、編集、保存をより簡便に行うことができる。
【0059】
なお、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明に係る住宅維持管理情報提供システム1及び住宅維持管理情報提供プログラムは、超長期住宅の住宅履歴書の管理を行うシステム及びプログラムとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 住宅維持管理情報提供システム
3 ユーザインターフェース
9 部材情報
10 図面情報
11 履歴情報
12 HDD(データベース)
13 CPU(制御手段)
21 部材関係情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅を構成する各部材の部材情報、図面情報、及び履歴情報をそれぞれ記憶するデータベースと、
所定のユーザインタフェースから情報の入力を受付けるとともに、前記ユーザインタフェースに対して前記データベースに記憶された情報の中から必要な情報を選択して出力する制御手段と、を備える住宅維持管理情報提供システムであって、
前記部材情報には、住宅を構成する各部屋毎に記憶され、当該部屋を構成する上位部材に関する上位部材情報と、当該上位部材情報に関連付けて記憶され前記上位部材を構成する下位部材に関する下位部材情報と、当該下位部材情報に関連付けて記憶され前記下位部材のメンテナンスに必要なメンテナンス情報と、を含むとともに、前記下位部材情報には前記上位部材に対する前記下位部材の関係性を示す部材関係情報を含み、
前記制御手段は、住宅を構成する前記各部屋又は前記上位部材を選択可能に表示する指示を前記ユーザインタフェースに出力し、いずれかの部屋又は上位部材の選択を受付けると、当該部屋又は当該上位部材を構成する前記下位部材情報を選択可能に表示する旨の指示をユーザインタフェースに出力し、前記下位部材情報のいずれかの選択を受付けると、当該下位部材のメンテナンス情報を表示する旨の指示をユーザインタフェースに出力することを特徴とする住宅維持管理情報提供システム。
【請求項2】
前記部材関係情報は、
前記下位部材が前記上位部材に必須の構成要素であって、住宅設備を構成する設備品であることを示す必須構成情報、
前記下位部材が前記上位部材に任意の構成要素であって、単独では取引することができないが任意に変更できる構成要素であることを示すオプション構成情報、
前記下位部材が前記上位部材にのみ用いられる消耗品であることを示す専用消耗品情報、
前記下位部材が前記上位部材に用いられる消耗品であって、一般に流通しているものであることを示す一般流通消耗品情報、
前記下位部材が前記上位部材に任意の構成要素であって、独立して取引されるものであって、同一の面材を用いている構成要素であることを示す独立シリーズ品情報、
及び、前記下位部材が前記上位部材に接着されていることを示す接着構成情報、
から前記下位部材毎に選択される情報であることを特徴とする請求項1に記載の住宅維持管理情報提供システム。
【請求項3】
前記部材情報は、各部材の3次元位置情報を含み、予め規格化された所定形式で記載されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の住宅維持管理情報提供システム。
【請求項4】
前記メンテナンス情報は、前記部材のトラブル対応例、前記部材にトラブルが発生した場合の緊急度、前記部材のメーカー情報、前記部材の問合せ先、前記部材の型番、前記部材のメンテナンス難易度のいずれか1又は複数を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の住宅維持管理情報提供システム。
【請求項5】
前記メンテナンス情報は、前記部材の使用期限を含み、
前記制御手段は、使用期限が近づいた部材を報知する情報を出力することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の住宅維持管理情報提供システム。
【請求項6】
コンピュータを前記請求項1から請求項5のいずれかに記載の住宅維持管理情報提供システムとして機能させる住宅維持管理情報提供プログラム。
【請求項7】
住宅を構成する各部屋毎に記憶され、当該部屋を構成する上位部材に関する上位部材情報と、当該上位部材情報に関連付けて記憶され前記上位部材を構成する下位部材に関する下位部材情報と、当該下位部材情報に関連付けて記憶され前記下位部材のメンテナンスに必要なメンテナンス情報と、を含む部材情報と、前記住宅の図面情報、及び前記住宅の履歴情報をそれぞれ記憶するデータベースと、当該データベースに記憶された各情報を出力可能であるとともに、外部から情報の入力が可能なユーザインターフェースと、を用いる住宅維持管理情報提供方法であって、
前記ユーザインターフェースに住宅を構成する各部屋及び/又は当該各部屋を構成する上位部材を選択可能に表示し、
前記ユーザインターフェースが外部から前記部屋又は前記上位部材の選択を受付けた後、選択された部屋又は上位部材に関連付けられている下位部材を前記ユーザインターフェースに選択可能に表示し、
前記ユーザインターフェースが外部から前記下位部材の選択を受付けた後、前記データベースに記憶された当該下位部材のメンテナンスに必要なメンテナンス情報を表示することを特徴とする住宅維持管理情報提供方法。
【請求項8】
前記部材情報は、更に、前記下位部材が前記上位部材に必須の構成要素であって、住宅設備を構成する設備品であることを示す必須構成情報、前記下位部材が前記上位部材に任意の構成要素であって、単独では取引することができないが任意に変更できる構成要素であることを示すオプション構成情報、前記下位部材が前記上位部材にのみ用いられる消耗品であることを示す専用消耗品情報、前記下位部材が前記上位部材に用いられる消耗品であって、一般に流通しているものであることを示す一般流通消耗品情報、前記下位部材が前記上位部材に任意の構成要素であって、独立して取引されるものであって、同一の面材を用いている構成要素であることを示す独立シリーズ品情報、及び、前記下位部材が前記上位部材に接着されていることを示す接着構成情報、から前記下位部材毎に選択される部材関係情報を含むものであることを特徴とする請求項7に記載の住宅維持管理情報提供方法。
【請求項9】
前記メンテナンス情報は、前記部材のトラブル対応例、前記部材にトラブルが発生した場合の緊急度、前記部材のメーカー情報、前記部材の問合せ先、前記部材の型番、前記部材のメンテナンス難易度のいずれか1又は複数を含み、
前記ユーザインターフェースが外部から前記下位部材の選択を受付けた後に、当該下位部材のトラブル対応例、前記下位部材にトラブルが発生した場合の緊急度、前記下位部材のメーカー情報、前記下位部材の問合せ先、前記下位部材の型番、前記下位部材のメンテナンス難易度、の1又は複数をユーザインターフェースに表示することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の住宅維持管理情報提供方法。
【請求項10】
前記メンテナンス情報は、前記部材の使用期限を含み、
前記ユーザインターフェースに使用期限が近づいた部材の交換を促す旨の情報を表示することを特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載の住宅維持管理情報提供方法。
【請求項11】
前記部材情報は、各部材の3次元位置情報を含み、予め規格化された所定形式で記載されていることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれかに記載の住宅維持管理情報提供方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−3143(P2011−3143A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147793(P2009−147793)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【出願人】(591030237)日本ユニシス株式会社 (38)