説明

作業機械の二部材連結構造

【課題】つば部及び連結ピンの回動を規制するストッパを設けることなく外側部材と内側部材とを相対的に回動可能に保持することができる作業機械の二部材連結構造の提供。
【解決手段】油圧ショベルに設けられるブーム4と、このブーム4の内側に配置されるアーム5と、ブーム4、アーム5のそれぞれのピン孔4a,5aに圧入される外側ブッシング6、内側ブッシング7と、これらの外側ブッシング6の孔6a及び内側ブッシング7の孔7aに挿入され、ブーム4とアーム5の二部材を相対的に回動可能に連結する連結ピン8と、この連結ピン8の両端部のそれぞれに一体に設けられるピン抜け出し規制用のつば部9とを備え、連結ピン8を、外側ブッシング6及び内側ブッシング7の双方に対して相対的に回動可能に設けるとともに、つば部9を、ブーム4に対して回り止めさせることなく外側ブッシング6の外側端面6bに対して相対的に摺動可能に設けた構成にしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベルのブームとアーム、あるいはアームとバケット等のように、二部材を連結ピンを介して相対的に回動可能に連結する作業機械の二部材連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図5は従来の作業機械の二部材連結構造の一例を示す図で、(a)図は要部を断面した図、(b)図は(a)図のB矢視に相応する図である。なお、図5の(a)図は左側半分だけを示してある。
【0003】
この図5には、作業機械例えば油圧ショベルに備えられる外側部材例えばバケット20と、このバケット20の内側に配置される内側部材例えばアーム21との二部材の連結構造が示されている。バケット20のピン孔20aには外側ブッシング22が圧入され、アーム21のピン孔21aには内側ブッシング23が圧入されている。外側ブッシング22の孔22a及び内側ブッシング23の孔23aには、バケット20とアーム21の二部材を相対的に回動可能に連結する連結ピン24が挿入されている。この連結ピン24の両端部のそれぞれには、この連結ピン24と一体的に設けられ、バケット20及びアーム21からの連結ピン24の抜け出しを規制するつば部25が設けられている。
【0004】
また、バケット20の外側側面には、図5の(b)図にも示すように、つば部25の先端部25aの先細形状に対応する形状の凹部26aを有するストッパ26が設けられ、このストッパ26の上面にはボルト28によってプレート27等が取付けられている。これらのストッパ26及びプレート27等によって、つば部25及び連結ピン24の回転と抜け出しを規制する機構、すなわち連結ピン24の回り止め、抜け止め機構が形成されている。図5の(a)図の中心線の図示しない右半分は、左半分に含まれるつば部25、ストッパ26、プレート27、及びボルト28から成る連結ピン24の回り止め、抜け止め機構を除いたものと対称の構造となっている。なお、この図5に示す従来技術と同等の技術が、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開平7−331689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した図5に示す従来技術では、アーム21の内側ブッシング23と、連結ピン24との摺動部分の潤滑状態が悪化した場合には、バケット20とアーム21との相対的な回動に伴って、連結ピン24、つば部25を介して、つば部25の先端部25aとストッパ26の凹部26aとの係合部に大きな力が作用する。このために、つば部25及びストッパ26の強度を大きくする必要がある。
【0006】
この場合、つば部25を長く設定することによってストッパ26に作用する力を小さくすることができるが、このようにつば部25を長くすると連結ピン24の抜け出し力をつば部25が受けた際に、このつば部25の曲げ変形が大きくなりやすい。したがって、このようなつば部25の曲げ変形を防ぐためには、つば部25の強度を大きくすることが必要となる。また、上述のようなつば部25とストッパ26の係合部に作用する大きな力は、連結ピン24とつば部25との接合部にも作用することから、この接合部の強度も大きくする必要がある。
【0007】
上述のように、従来技術にあっては、潤滑状態の悪化によるつば部25とストッパ26との係合部等に作用する大きな力を考慮して、予めつば部25の強度、ストッパ26の強度、及び連結ピン24とつば部25との接合部の強度を大きくしておかなければならず、このために二部材連結構造の製作が煩雑になり、製作費が高くなりやすい。
【0008】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、つば部及び連結ピンの回動を規制するストッパを設けることなく外側部材と内側部材とを相対的に回動可能に保持することができる作業機械の二部材連結構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明は、作業機械に備えられる外側部材と、この外側部材の内側に配置される内側部材と、上記外側部材のピン孔に圧入される外側ブッシングと、上記内側部材のピン孔に圧入される内側ブッシングと、上記外側ブッシングの孔及び上記内側ブッシングの孔に挿入され、上記外側部材と上記内側部材の二部材を相対的に回動可能に連結する連結ピンと、この連結ピンの両端部のそれぞれに一体に設けられ、上記外側部材及び上記内側部材からの上記連結ピンの抜け出しを規制するつば部とを備えた作業機械の二部材連結構造において、上記連結ピンを、上記外側ブッシング及び上記内側ブッシングの双方に対して相対的に回動可能に設けるとともに、上記つば部を、上記外側部材に対して回り止めさせることなく上記外側ブッシングの外側端面に対して相対的に摺動可能に設けたことを特徴としている。
【0010】
このように構成した本発明は、例えば内側部材の内側ブッシングと連結ピンとの間の潤滑状態が悪化したようなときでも、外側部材と内側部材との相対的な回動に伴って、外側部材に圧入された外側ブッシングと連結ピンとが相対的に回動するとともに、連結ピンと一体的に設けられるつば部が回り止めされることなく外側ブッシングの外側端面上を相対的に摺動するので、つば部、及び連結ピンとつば部との接合部に、上述の潤滑状態の悪化に伴う大きな力が作用することがない。すなわち、連結ピン及びつば部の回動を規制するストッパを設けることなく外側部材と内側部材とを相対的に回動可能に保持することができる。これにより、つば部の強度、及び連結ピンとつば部の接合部の強度を小さく設定することが可能となる。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、上記つば部を上記外側ブッシングの上記外側端面に対向させるものの、上記外側部材の外側側面に対向させない形状寸法に設定したことを特徴としている。このように構成した本発明は、連結ピンを引き抜く力が作用したときには、外側ブッシングの外側端面につば部が当接するが、外側ブッシングは外側部材に圧入されて一体に保持されていることから、上述した連結ピンを引き抜く力を外側部材が受ける。これによって連結ピンの抜け止めを防ぐことができる。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、上記外側ブッシングの上記外側端面が、上記連結ピンの軸方向に上記外側部材の外側側面から突出するようにこの外側ブッシングを設けたことを特徴としている。このように構成した本発明は、つば部を、連結ピンの径方向に外側ブッシングの外側端面よりも突出する突出部を有する形状にすることができ、このようにつば部が、外側ブッシングの外側端面よりも径方向に突出する突出部を有するものであっても、外側部材の外側側面に当接することがないため、つば部の形状の自由度を大きくすることができる。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、上記つば部が、上記連結ピンの径方向に上記外側ブッシングの上記外側端面よりも突出する突出部を有するとともに、このつば部の突出部と上記外側部材の上記外側側面との間をシールするシール部材を設けたことを特徴としている。このように構成した本発明は、シール部材によって、つば部と外側ブッシングの外側端面との摺動部への外部のダスト等の侵入、及び外側ブッシングの孔と連結ピンとの摺動部への外部のダスト等の侵入が防止され、外側部材の円滑な回動動作を長期間にわたって維持できる。
【0014】
また、本発明は、上記外側ブッシングは、上記連結ピンが挿入される孔を形成する内径面と上記外側端面の双方において自己潤滑性を有するものから成ることを特徴としている。このように構成した本発明は、連結ピンと外側ブッシングの孔との摺動部、及びつば部と外側ブッシングの外側端面との摺動部のそれぞれにおいて、円滑な摺動動作を行わせることができ、長期間にわたる外側部材の安定した回動動作を実現させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、外側部材と内側部材とを連結する連結ピンを、外側部材に設けた外側ブッシング、及び内側部材に設けた内側ブッシングの双方に対して相対的に回動可能に設けるとともに、つば部を、外側部材に対して回り止めさせることなく外側ブッシングの外側端面に対して相対的に摺動可能に設けたことから、つば部及び連結ピンの回動を規制するストッパを要することなく外側部材と内側部材とを相対的に回動可能に保持でき、つば部、及び連結ピンとつば部の接合部に、潤滑状態の悪化に伴う大きな力が作用することがなく、つば部の強度、及び連結ピンとつば部の接合部の強度を従来よりも小さく設定することができる。これにより、従来に比べて製作が容易になり、ストッパを設けることに伴って従来要していた費用の削減も含めて製作費を安くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下,本発明に係る作業機械の二部材連結構造を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明に係る二部材連結構造の第1実施形態が備えられる作業機械の一例として挙げた油圧ショベルを示す側面図、図2は図1のA−A断面の要部拡大図である。なお、図2は左半分だけを示してある。図示省略するが、右半分は中心線に対し左半分と対称の構造となっている。
【0018】
本発明に係る二部材連結構造が備えられる作業機械、例えば油圧ショベルは、図1に示すように、走行体1と、この走行体1上に配置される旋回体2と、この旋回体2に上下方向の回動可能に取付けられ、掘削作業等を行なうことができるフロント作業機3とを備えている。フロント作業機3は、旋回体2に回動可能に取付けられるブーム4や、このブーム4の先端に回動可能に取り付けられるアーム5を備えている。
【0019】
ブーム4とアーム5とは、図2に示すように、ブーム4が外側に、アーム5が内側に配置されて相対的に回動可能に連結されている。すなわち、ブーム4は、二部材連結構造の外側部材を構成し、アーム5は内側部材を構成している。
【0020】
ブーム4のピン孔4aには、外側ブッシング6を圧入してあり、アーム5のピン孔5aには、内側ブッシング7を圧入してある。外側ブッシング6の孔6a及び内側ブッシング7の孔7aには、ブーム4とアーム5の二部材を相対的回動可能に連結する連結ピン8を挿入させてある。
【0021】
上述した外側ブッシング6及び内側ブッシング7は、例えば焼結含油合金等の自己潤滑性を有するものから成っている。特に外側ブッシング6は、連結ピン8が挿入される孔6aを形成する内径面と外側端面6bの双方において自己潤滑性を有するものから成っている。
【0022】
連結ピン8の両端部のそれぞれには、ブーム4及びアーム5からの連結ピン8の抜け出しを規制するつば部9を配置してあり、これらのつば部9はボルト10によって連結ピン8の端面に一体的に締結されている。
【0023】
この第1実施形態は特に、連結ピン8を、外側ブッシング6及び内側ブッシング7の双方に対して相対的に回動可能に設けるとともに、つば部9のそれぞれを、ブーム4に対して回り止めさせることなく外側ブッシング6の外側端面6bに対して相対的摺動可能に設けてある。
【0024】
図2に示すように、外側ブッシング6の外側端面6bは、例えばブーム4の外側側面4bと面一に設定してある。また、つば部9は、外側ブッシング6の外側端面6bに対向させるものの、ブーム4の外側側面4bに対向させない形状寸法に設定してある。
【0025】
このように構成した第1実施形態は、アーム5が駆動されると、このアーム5に圧入されて一体的に設けられている内側ブッシング7の孔7aと連結ピン8との摺動部を介して、アーム5と連結ピン8とが相対的に回動する。また、ブーム4が駆動されると、このブーム4に圧入されて一体的に設けられている外側ブッシング6の孔6aと連結ピン8との摺動部、及び外側ブッシング6の外側端面6bとつば部9との摺動部を介して、ブーム4と連結ピン8とが相対的に回動する。これらのアーム5、ブーム4の駆動に応じてフロント作業機3が駆動し、所望の掘削作業等が実施される。
【0026】
また例えば、アーム4の内側ブッシング7と連結ピン8との間の潤滑状態が悪化したようなときでも、ブーム4とアーム5との相対的な回動に伴って、外側ブッシング6の有する自己潤滑性によってブーム4と連結ピン8とが相対的に回動するとともに、連結ピン8と一体的に設けられるつば部9が回り止めされることなく、外側ブッシング6の外側端面6b上を相対的に摺動するので、つば部9、及び連結ピン8とつば部9との接合部に、上述した潤滑状態の悪化に伴う大きな力が作用することがない。すなわち、連結ピン8及びつば部9の回動を規制するストッパを設けることなく、ブーム5とアーム4とを相対的に回動可能に保持することができる。これにより、つば部9の強度、及び連結ピン8とつば部9の接合部の強度を小さく設定することが可能となる。したがって製作が容易になり、ストッパを設けることに伴って要する費用の削減も含めて製作費を安くすることができる。また、長期間の使用により連結ピン8や、内側ブッシング7及び外側ブッシング6に摩耗を生じたような場合には、ボルト10を緩めてつば部9を連結ピン8の端面から取り外すことによって、連結ピン8、あるいは内側ブッシング7、外側ブッシング6を容易に抜き取り、それぞれ新しいものに交換することができる。
【0027】
また、アーム5やブーム4の駆動中などにおいて、連結ピン8を引き抜く力が作用したときには、外側ブッシング6の外側端面6bにつば部9が当接するが、外側ブッシング6がブーム4に圧入されて一体に保持されていることから、連結ピン8を引き抜く力をブーム4が受ける。これによって連結ピン8の抜け止めを防ぐことができ、信頼性の高い構造を確保できる。
【0028】
また、ブーム4のピン孔4aに圧入される外側ブッシング6は、連結ピン8が挿入される孔6aを形成する内径面と外側端面6bの双方において自己潤滑性を有することから、連結ピン8と外側ブッシング6の孔6aとの摺動部、及びつば部9と外側ブッシング6の外側端面6bとの摺動部のそれぞれにおいて、円滑な摺動動作を行わせることができ、長期間にわたるブーム4の安定した回動動作を実施させることができる。
【0029】
また、外側ブッシング6の外側端面6bをブーム4の外側側面4bと面一に設定してあることから、つば部9及びボルト10の外方への突出量を小さく抑えることができる。
【0030】
なお、つば部9の外径を、ブーム4の外側側面4bと当接しない範囲で外側ブッシング6の外径とほぼ等しく設定すれば、外側ブッシング6が外部に露出せず、この外側ブッシング6が雨水や土砂等にさらされることがなく、この外側ブッシング6の腐食や摩耗を長期間に亘って抑えることができ、耐久性を向上させることができる。
【0031】
図3は本発明に係る二部材連結構造の第2実施形態を示す要部拡大断面図である。なお、図3も左半分だけを示してある。図示省略するが、右半分は中心線に対し左半分と対称の構造となっている。
【0032】
この図3に示す第2実施形態は、外側ブッシング6の外側端面6bを、連結ピン8の軸方向に外側部材を構成するブーム4の外側側面4bから突出するように、この外側ブッシング6を設けるとともに、ボルト10を介して連結ピン8の端面に一体的に設けられるつば部9が、連結ピン8の径方向に外側ブッシング6の外側端面6bよりも突出する突出部9aを有する構成にしてある。その他の構成は、上述した第1実施形態におけるのと同等である。
【0033】
このように構成した第2実施形態は、上述した第1実施形態におけるのと同等の作用効果が得られる他、外側端面6bをブーム4の外側側面4bから突出するようにこの外側ブッシング6を設けてあることから、同図3に示すように、つば部9を、連結ピン8の径方向に外側ブッシング6の外側端面6bよりも突出する突出部9aを有する形状にすることができ、このようにつば部9が、外側ブッシング6の外側端面6bよりも径方向に突出する突出部9aを有するものであっても、ブーム4の外側側面4bに当接することがないため、つば部9の形状の自由度を大きくすることができ、さらに製作が容易となる。
【0034】
図4は本発明に係る二部材連結構造の第3実施形態を示す要部拡大断面図である。なお、図4も左半分だけを示してある。図示省略するが、右半分は中心線に対して左半分と対称の構造となっている。
【0035】
この図4に示す第3実施形態は、図3に示した第2実施形態における構成に加えて、つば部9の突出部9aとブーム4の外側側面4bとの間をシールするシール部材11を設けた構成にしてある。このように構成した第3実施形態は、第2実施形態におけるのと同等の作用効果が得られる他、シール部材11によって、つば部9と外側ブッシング6の外側端面6bとの摺動部への外部のダスト等の侵入、及び外側ブッシング6の孔6aと連結ピン8との摺動部への外部のダスト等の侵入が防止され、ブーム4の円滑な回動動作を長期間にわたって確保でき、信頼性の高い油圧ショベルを得ることができる。
【0036】
なお、上記した第1〜第3実施形態においては、つば部9を連結ピン8の端面にボルト10によって締結させることにより、このつば部9を連結ピン8と一体的に設けてあるが、本発明は、このように構成することには限られない。例えばつば部9を連結ピン8の両端部のそれぞれの端面に溶接によって一体的に設けた構成にしてもよい。また、連結ピン8の両端部のうちの一方の端部側を段付き加工し、つば部9を連結ピン8と同一部材によって形成する構成にすることもできる。
【0037】
また、上記第1実施形態では外側ブッシング6の外側端面6bをブーム4の外側側面4bと面一に構成してあり、上記第2,第3実施形態では、連結ピン8の軸方向に外側ブッシング6の外側端面6bをブーム4の外側側面4bよりも突出させた構成にしてあるが、本発明は、このように構成することには限られない。外側ブッシング6の外側端面6bをブーム4の外側側面4bよりも内方に引き込んだ構成、すなわち凹ませる構成にしてもよい。このように構成したものを、例えばアームとバケットとの二部材連結構造に適用した場合には、ボルト10及びつば部9が凹ませた部分に収納されることによって土砂等と接触することを防止でき、これらのボルト10、つば部9の土砂等の接触による摩耗、あるいは損傷を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る二部材連結構造の第1実施形態が備えられる作業機械の一例として挙げた油圧ショベルを示す側面図である。
【図2】図1のA−A断面の要部拡大図である。
【図3】本発明に係る二部材連結構造の第2実施形態を示す要部拡大断面図である。
【図4】本発明に係る二部材連結構造の第3実施形態を示す要部拡大断面図である。
【図5】従来の作業機械の二部材連結構造の一例を示す図で、(a)図は要部を断面した図、(b)図は(a)図のB矢視に相応する図である。
【符号の説明】
【0039】
1 走行体
2 旋回体
3 フロント作業機
4 ブーム(外側部材)
4a ピン孔
4b 外側側面
5 アーム(内側部材)
5a ピン孔
6 外側ブッシング
6a 孔
6b 外側端面
7 内側ブッシング
7a 孔
8 連結ピン
9 つば部
9a 突出部
10 ボルト
11 シール部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械に備えられる外側部材と、この外側部材の内側に配置される内側部材と、上記外側部材のピン孔に圧入される外側ブッシングと、上記内側部材のピン孔に圧入される内側ブッシングと、上記外側ブッシングの孔及び上記内側ブッシングの孔に挿入され、上記外側部材と上記内側部材の二部材を相対的に回動可能に連結する連結ピンと、この連結ピンの両端部のそれぞれに一体に設けられ、上記外側部材及び上記内側部材からの上記連結ピンの抜け出しを規制するつば部とを備えた作業機械の二部材連結構造において、
上記連結ピンを、上記外側ブッシング及び上記内側ブッシングの双方に対して相対的に回動可能に設けるとともに、上記つば部を、上記外側部材に対して回り止めさせることなく上記外側ブッシングの外側端面に対して相対的に摺動可能に設けたことを特徴とする作業機械の二部材連結構造。
【請求項2】
上記請求項1記載の発明において、
上記つば部を上記外側ブッシングの上記外側端面に対向させるものの、上記外側部材の外側側面に対向させない形状寸法に設定したことを特徴とする作業機械の二部材連結構造。
【請求項3】
上記請求項1記載の発明において、
上記外側ブッシングの上記外側端面が、上記連結ピンの軸方向に上記外側部材の外側側面から突出するようにこの外側ブッシングを設けたことを特徴とする作業機械の二部材連結構造。
【請求項4】
上記請求項3記載の発明において、
上記つば部が、上記連結ピンの径方向に上記外側ブッシングの上記外側端面よりも突出する突出部を有するとともに、このつば部の突出部と上記外側部材の上記外側側面との間をシールするシール部材を設けたことを特徴とする作業機械の二部材連結構造。
【請求項5】
上記請求項1〜4のいずれか1項記載の発明において、
上記外側ブッシングは、上記連結ピンが挿入される孔を形成する内径面と上記外側端面の双方において自己潤滑性を有するものから成ることを特徴とする作業機械の二部材連結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−91766(P2009−91766A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261959(P2007−261959)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】