説明

作業機械の熱交換器用防塵ネットの清掃装置

【課題】防塵ネットに大きな振動を与えることができるとともに、防塵ネットの移動空間を小さくすることができる作業機械の熱交換器用防塵ネットの清掃装置の提供。
【解決手段】本発明は、熱交換器14の前面側に配置され、熱交換器14に供給される外部空気流中に含まれる塵埃を捕捉する防塵ネット15を有するミニショベルに備えられ、防塵ネット15に付着した塵埃を除去する清掃装置において、例えば熱交換器14を支持する支持フレーム16と防塵ネット15との間に設けられ、防塵ネット15を弾性支持する第1ばね21及び第2ばね22と、外部空気流の上流側に位置する防塵ネット15の表面の側端部15cを叩打してこの防塵ネット15を振動させるモータ25及び偏心カム26を含む加振装置24とを備えた構成にしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器の前面側に配置される熱交換器用防塵ネットを有する油圧ショベル等の作業機械に備えられ、防塵ネットに付着した塵埃を除去する作業機械の熱交換器用防塵ネットの清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術として特許文献1に示されるものがある。この特許文献1には、上方に配置された揺動支点を中心に揺動可能に設けたネットフレームと、このネットフレームに支持され、オイルクーラの前面側に配置される防塵ネットとを備えた油圧ショベルにおいて、ネットフレームの下部に連結され、このネットフレームを揺動させる油圧シリンダを備え、この油圧シリンダを伸縮駆動させることによってネットフレーム、及びこのネットフレームに保持させた防塵ネットを往復揺動させ、この往復揺動操作によって防塵ネットに付着した塵埃を落下させて除去するようにした清掃装置が開示されている。また、この特許文献1には、上述したネットフレームと防塵ネットを備えた油圧ショベルにおいて、ネットフレームを上下方向に往復動させるモータを備え、このモータの駆動によってネットフレーム、及びこのネットフレームに保持させた防塵ネットを上下方向に往復動させ、この上下方向の往復動によって防塵ネットに付着した塵埃を除去するようにした別の清掃装置も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−225624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に示される従来の清掃装置は、防塵ネットを支持するネットフレームを往復揺動させて、あるいは上下方向に往復動させて、防塵ネットに付着した塵埃を落下させるようにしてあることから、ネットフレームに支持された防塵ネットに生じさせる振動が小さくなりがちである。これに伴って、防塵ネットに対する塵埃の付着力が大きいと、防塵ネットから塵埃を離脱させ難くなる。すなわち、上述した従来の清掃装置は、防塵ネットに付着した塵埃を除去する清掃性能に問題があった。
【0005】
また、上述した従来技術は、ネットフレームを往復揺動させるものにあっては、大きな揺動角度にしないと揺動支点の近くの防塵ネット部分に付着した塵埃の除去が困難となる。また、ネットフレームを上下方向に往復動させるものにあっては、防塵ネットの上方向に大きな移動領域を確保しないと防塵ネット全体の塵埃の除去は困難となる。すなわち、上述した従来の清掃装置は、防塵ネットの十分な移動を可能にする大きな移動空間が必要になり、これに伴って防塵ネットの周囲の機器の配置設計に制約を受ける問題がある。このことは作業機械がミニショベル等のように、小さな配置スペース上に多数の機器を配置しなければならない小型機械である場合には特に深刻な問題となる。
【0006】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、防塵ネットに大きな振動を与えることができるとともに、防塵ネットの移動空間を小さくすることができる作業機械の熱交換器用防塵ネットの清掃装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明は、車体と、この車体に取り付けられる作業装置と、上記車体上に配置される機械室と、この機械室の内部に収容される熱交換器と、この熱交換器の前面側に配置され、上記熱交換器に供給される外部空気流中に含まれる塵埃を捕捉する防塵ネットとを有する作業機械に備えられ、上記防塵ネットに付着した塵埃を除去する作業機械の熱交換器用防塵ネットの清掃装置において、上記防塵ネットを弾性支持する弾性体と、上記防塵ネットの上記外部空気流の上流側に位置する表面、及び下流側に位置する裏面の少なくとも一方を直接に振動させる加振装置とを備えたことを特徴としている。
【0008】
このように構成した本発明は、加振装置を駆動させて防塵ネットの表面及び裏面の少なくとも一方を直接に振動させるので、防塵ネットに大きな振動を与えることができる。このように防塵ネットに大きな振動を与えることにより、防塵ネットに付着している塵埃のほとんど全部を落下させ、除去することができる。
【0009】
また本発明にあっては、加振装置によって防塵ネットを振動させた際の防塵ネットの移動距離は、防塵ネットを弾性支持する弾性体のたわみ変形量に依存する。すなわち本発明は、防塵ネットの移動空間を弾性体のたわみ変形量程度の小さな移動空間とすることができる。したがって本発明は、熱交換器に対向する前後方向の設置寸法を、弾性体の長さ寸法に防塵ネットの厚さ寸法を加えた程度の小さな寸法とすることができ、これに併せて加振装置の設置領域を考慮すればよいので、全体の設置空間を比較的小さくすることができる。
【0010】
また本発明は、上記発明において、上記弾性体の収縮後に反転する上記防塵ネットの動きを規制するストッパ部材を設けたことを特徴としている。
【0011】
このように構成した本発明は、加振装置によって弾性体の弾性力に抗して移動した防塵ネットが、引き続いて弾性体の弾性力によって元の位置に復帰する際にストッパ部材に衝突する。この衝突によっても防塵ネットに振動を与えることができる。すなわち本発明は、加振装置によって防塵ネットを直接に振動させるとともに、ストッパ部材によっても防塵ネットを振動させることができる。
【0012】
また本発明は、上記発明において、上記ストッパ部材は、上記熱交換器を支持する支持フレームの上面部に固定され、上記防塵ネットの上端部の動きを規制する第1ストッパ部材と、上記熱交換器を支持する支持フレームの下面部に固定され、上記防塵ネットの下端部の動きを規制する第2ストッパ部材とを含み、上記弾性体は、上記防塵ネットの上記上端部と上記支持フレームの上記上面部との間に設けられ、上記防塵ネットの上記上端部を弾性支持する第1弾性体と、上記防塵ネットの上記下端部と上記支持フレームの上記下面部との間に設けられ、上記防塵ネットの上記下端部を弾性支持する第2弾性体とを含むことを特徴としている。
【0013】
このように構成した本発明は、第1弾性体の収縮前の形状への復帰時に第1ストッパ部材によって防塵ネットの主に上側部分に大きな振動を与えることができ、第2弾性体の収縮前の形状への復帰時に第2ストッパ部材によって防塵ネットの主に下側部分に大きな振動を与えることができる。
【0014】
また本発明は、上記発明において、上記第1弾性体の上方に配置され、上記第1弾性体の上方に位置する上記防塵ネットの上記上端部と上記支持フレームの上記上面部との間をシールし、上記第1弾性体の弾性力よりも弱い弾性力に設定された第1シール部材と、上記第2弾性体の下方に配置され、上記第2弾性体の下方に位置する上記防塵ネットの上記下端部と上記支持フレームの上記下面部との間をシールし、上記第2弾性体の弾性力よりも弱い弾性力に設定された第2シール部材とを備え、上記第1弾性体で弾性支持された上記防塵ネットの上記上端部と、上記第2弾性体で弾性支持された上記防塵ネットの上記下端部との間に位置する上記防塵ネットの部分の上記表面を直接に振動させるように上記加振装置を配置したことを特徴としている。
【0015】
このように構成した本発明は、第1シール部材によって防塵ネットの上端部と支持フレームの上面部との間からの熱交換器側への塵埃の侵入を防ぎ、これによって熱交換器への塵埃の付着、及び第1弾性体への塵埃の付着を防ぎ、第2シール部材によって防塵ネットの下端部と支持フレームの下面部との間からの熱交換器側への塵埃の侵入を防ぎ、これによって熱交換器への塵埃の付着、及び第2弾性体への塵埃の付着を防ぐことができる。
【0016】
また本発明は、上記発明において、上記加振装置は、モータと、このモータの駆動によって上記防塵ネットを叩打するように回転する偏心カムとを含むことを特徴としている。このように構成した本発明は、加振装置を簡単な構成とすることができ、実用的である。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、車体上に配置された機械室の内部に収容される熱交換器の前面側に配置された防塵ネットを弾性支持する弾性体と、防塵ネットの外部空気流の上流側に位置する表面、及び下流側に位置する裏面の少なくとも一方を直接に振動させる加振装置とを備えた構成にしてある。この構成により本発明は、加振装置によって防塵ネットに直接に大きな振動を与えることができ、従来の清掃装置に比べて優れた清掃性能を確保することができ、清掃作業の能率を向上させることができる。また本発明は、防塵ネットの移動空間を小さくすることができる。これにより本発明は、防塵ネット、弾性体、及び加振装置が配設される空間を従来の清掃装置に比べて小さくすることができる。したがって、防塵ネットの周囲の機器の配置設計に対する自由度を従来の清掃装置よりも大きくすることができ、ミニショベル等の小型機械に設ける清掃装置としても好適である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る熱交換器用防塵ネットの清掃装置の一実施形態が備えられる作業機械の一例として挙げたミニショベルを示す側面図である。
【図2】図1に示すミニショベルに備えられるエンジンルーム内の要部機器の配置形態を示す側面図である。
【図3】図1に示すミニショベルに備えられる本実施形態に係る熱交換器用防塵ネットの清掃装置の構成を示す図で、(a)図は正面図、(b)図は側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る作業機械の熱交換器用防塵ネットの清掃装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0020】
本実施形態に係る熱交換器用防塵ネットの清掃装置が備えられる作業機械は、例えば小型機械を構成するミニショベルから成っている。このミニショベルは、図1に示すように、走行体1と、この走行体1上に配置される旋回体2とを備えている。これらの走行体1と旋回体2によって車体が構成されている。旋回体2には、土砂の掘削作業等に活用される作業装置3が取り付けられている。この作業装置3は、旋回体2に上下方向の回動可能に接続されるブーム4と、このブーム4の先端に上下方向の回動可能に接続されるアーム5と、このアーム5の先端に上下方向の回動可能に接続されるバケット6とを含んでいる。旋回体2上には運転席7が設けられ、この運転席7の後方には重量バランスを確保するカウンタウエイト8が設けられ、運転席7とカウンタウエイト8との間には機械室、すなわちエンジンルーム9が設けられている。
【0021】
図2に示すように、エンジンルーム9内には、エンジン10と、このエンジン10によって駆動され、各油圧機器に圧油を供給する油圧ポンプ11と、例えばエンジン10によって駆動され、矢印12に示すように外部空気流を生起させて、この外部空気流をエンジンルーム9内に導くファン13とが配置されている。また、ファン13の前側、すなわち外部空気流の上流側には、オイルクーラ、ラジエータ等の外部空気流によって冷却される熱交換器14が配置されている。また、熱交換器14の前面側には、熱交換器14に供給される外部空気流中に含まれる塵埃を捕捉する本実施形態の清掃対象である防塵ネット15が配置されている。
【0022】
本実施形態に係る清掃装置は、図3に示すように、例えば熱交換器14を支持する支持フレーム16と防塵ネット15との間に設けられ、防塵ネット15を弾性支持する後述の弾性体と、上述した外部空気流の上流側に位置する防塵ネット15の表面を例えば叩打するようにしてこの防塵ネット15を直接に振動させる後述の加振装置24とを備えている。
【0023】
また本実施形態は、支持フレーム16に固定され、後述の弾性体の収縮後に反転する防塵ネット15の外部空気流の上流側への動きを規制する後述のストッパ部材を設けてある。
【0024】
上述したストッパ部材は、同図3の(b)図に示すように、支持フレーム16の上面部16aに固定され、防塵ネット15の上端部15aの動きを規制する第1ストッパ部材17と、支持フレーム16の下面部16bに固定され、防塵ネット15の下端部15bの動きを規制する第2ストッパ部材18とを含んでいる。
【0025】
上述した弾性体は、防塵ネット15の上端部15aと支持フレーム16の上面部16aとの間に設けられ、防塵ネット15の上端部15aを弾性支持する第1弾性体、例えば第1ばね21と、防塵ネット15の下端部15bと支持フレーム16の下面部16bとの間に設けられ、防塵ネット15の下端部15bを弾性支持する第2弾性体、例えば第2ばね22とを含んでいる。
【0026】
また本実施形態は、同図3の(b)図に示すように、第1ばね21の上方に配置され、第1ばね21の上方に位置する防塵ネット15の上端部15aと支持フレーム16の上面部16aとの間をシールし、第1ばね21の弾性力よりも弱い弾性力に設定された例えばゴム製の第1シール部材19と、第2ばね22の下方に配置され、第2ばね22の下方に位置する防塵ネット15の下端部15bと支持フレーム16の下面部16bとの間をシールし、第2ばね22の弾性力よりも弱い弾性力に設定された例えばゴム製の第2シール部材20とを備えている。
【0027】
上述した加振装置24は、同図3の(a)図に示すように、例えば支持フレーム16の一方の側面部16cに固定されるモータ25と、このモータ25の出力軸25aに取り付けられ、モータ25の駆動によって防塵ネット15を叩打するように回転して、防塵ネット15を直接に振動させる偏心カム26とを含んでいる。この加振装置24は、例えば第1ばね21で弾性支持された防塵ネット15の上端部15aと、第2ばね22で弾性支持された防塵ネット15の下端部15bとの間に位置する防塵ネット15の部分の表面、すなわち熱交換器14から離れる側の面の側端部15cを偏心カム26の回転によって叩打するように配置してある。
【0028】
このように構成した本実施形態は、加振装置24を構成するモータ25を駆動させて偏心カム26を回転させ、この偏心カム26によって同図3の(b)図に示すように、防塵ネット15の表面の側端部15cを叩打するようにして、この防塵ネット15を直接に振動させるので、防塵ネット15に大きな振動を与えることができる。このように防塵ネット15に大きな振動を与えることにより、防塵ネット15に付着している塵埃のほとんど全部を落下させ、除去させることができる。これにより優れた清掃性能を確保することができ、清掃作業の能率を向上させることができる。
【0029】
また本実施形態は、モータ25を駆動させ、偏心カム26によって防塵ネット15の側端部15cを叩打するようにしてこの防塵ネット15を振動させた際の防塵ネット15の移動距離は、防塵ネット15を弾性支持する第1ばね21、第2ばね22のたわみ変形量に依存する。すなわち本実施形態は、防塵ネット15の移動空間を第1ばね21、第2ばね22のたわみ変形量程度の小さな移動空間とすることができる。したがって本実施形態は、熱交換器14に対向する前後方向の設置寸法を、第1ばね21あるいは第2ばね22の長さ寸法に防塵ネット15の厚さ寸法を加えた程度の小さな寸法とすることができ、これに併せて加振装置24を構成するモータ25及び偏心カム26の設置領域を考慮すればよいので、全体の設置空間を比較的小さくすることができる。これにより防塵ネット15の周囲の機器の配置設計に対する自由度を大きくすることができ、当該ミニショベルのようにエンジンルーム9内に配置される機器の設置領域が狭くて配置設計に制約を受けやすい小型機械の清掃装置として好適である。
【0030】
また本実施形態は、モータ25を駆動させて、偏心モータ26を回転させて行われる叩打で第1ばね21、第2ばね22の弾性力に抗して熱交換器14側に移動した防塵ネット15が、叩打後に元の位置に復帰する際に第1ストッパ部材17、第2ストッパ部材18に衝突する。この衝突によっても防塵ネット15に振動を与えることができる。すなわち、第1ばね21の収縮前の形状への復帰時に第1ストッパ17によって主に防塵ネット15の上側部分に大きな振動を与えることができ、第2ばね22の収縮前の形状への復帰時に第2ストッパ18によって主に防塵ネット15の下側部分に大きな振動を与えることができる。このように本実施形態は、モータ25を駆動させ、偏心カム26を回転させることによる叩打で防塵ネット15を直接に振動させるとともに、第1ストッパ部材17及び第2ストッパ部材18によっても防塵ネット15を振動させることができ、さらに優れた清掃性能が得られる。
【0031】
また本実施形態は、第1シール部材19によって防塵ネット15の上端部15aと支持フレーム16の上面部16aとの間からの熱交換器14側への塵埃の侵入を防ぎ、これによって熱交換器14への塵埃の付着、及び第1ばね21への塵埃の付着を防ぎ、第2シール部材20によって防塵ネット15の下端部15bと支持フレーム16の下面部16bとの間からの熱交換器14側への塵埃の侵入を防ぎ、これによって熱交換器14への塵埃の付着、及び第2ばね22への塵埃の付着を防ぐことができる。
【0032】
また本実施形態は、加振装置24を、モータ25と、このモータ25の駆動によって防塵ネット15の側端部15cを叩打するように回転する偏心カム26を含む簡単な構成にしてあることから、実用性に富む。
【0033】
なお、上記実施形態は、図3の(a)図に示すように、加振装置24を支持フレーム16の一方の側面部16cに1つ設け、防振ネット15の一方の側端部15cを叩打するように構成してあるが、支持フレーム16の他方の側面部16dにも加振装置24を設け、防塵ネット15の他方の側端部15dを偏心カム26で叩打するようにして防塵ネット15を直接に振動させる構成にしてもよい。
【0034】
また、上記実施形態は、第1ばね21及び第2ばね22を、支持フレーム16と防塵ネット15との間に設け、外部空気流の上流側に位置する防塵ネット15の表面を叩打するようにして防塵ネット15を直接に振動させる加振装置24を備えた構成にしてあるが、支持フレーム16と防塵ネット15との間に、加振装置24を配置可能な空間を確保できる場合には、上記実施形態の構成に加えて、あるいは上記実施形態の構成に代えて、第1ばね21及び第2ばね22を、第1ストッパ部材17(この構成にあってはストッパ部材とはならず、ばねの保持部材を形成する)、第2ストッパ部材18(同様に、この構成にあってはストッパ部材とはならず、ばねの保持部材を形成する)のそれぞれと防塵ネット15との間に設け、外部空気流の下流側に位置する防塵ネット15の裏面を叩打するように加振装置24を配置する構成とすることもできる。また、このように構成する場合には、熱交換器14の支持フレーム16と防塵ネット15との間に、支持フレーム16に固定され、防塵ネット15の熱交換器14方向への移動を規制するストッパ部材を設けるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0035】
1 走行体(車体)
2 旋回体(車体)
3 作業装置
9 エンジンルーム(機械室)
14 熱交換器
15 防塵ネット
15a 上端部
15b 下端部
15c 側端部
15d 側端部
16 支持フレーム
16a 上面部
16b 下面部
16c 側面部
16d 側面部
17 第1ストッパ部材
18 第2ストッパ部材
19 第1シール部材
20 第2シール部材
21 第1ばね(第1弾性体)
22 第2ばね(第2弾性体)
24 加振装置
25 モータ
25a 出力軸
26 偏心カム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、この車体に取り付けられる作業装置と、上記車体上に配置される機械室と、この機械室の内部に収容される熱交換器と、この熱交換器の前面側に配置され、上記熱交換器に供給される外部空気流中に含まれる塵埃を捕捉する防塵ネットとを有する作業機械に備えられ、
上記防塵ネットに付着した塵埃を除去する作業機械の熱交換器用防塵ネットの清掃装置において、
上記防塵ネットを弾性支持する弾性体と、
上記防塵ネットの上記外部空気流の上流側に位置する表面、及び下流側に位置する裏面の少なくとも一方を直接に振動させる加振装置とを備えたことを特徴とする作業機械の熱交換器用防塵ネットの清掃装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械の熱交換器用防塵ネットの清掃装置において、
上記弾性体の収縮後に反転する上記防塵ネットの動きを規制するストッパ部材を設けたことを特徴とする作業機械の熱交換器用防塵ネットの清掃装置。
【請求項3】
請求項2に記載の作業機械の熱交換器用防塵ネットの清掃装置において、
上記ストッパ部材は、上記熱交換器を支持する支持フレームの上面部に固定され、上記防塵ネットの上端部の動きを規制する第1ストッパ部材と、上記熱交換器を支持する支持フレームの下面部に固定され、上記防塵ネットの下端部の動きを規制する第2ストッパ部材とを含み、
上記弾性体は、上記防塵ネットの上記上端部と上記支持フレームの上記上面部との間に設けられ、上記防塵ネットの上記上端部を弾性支持する第1弾性体と、上記防塵ネットの上記下端部と上記支持フレームの上記下面部との間に設けられ、上記防塵ネットの上記下端部を弾性支持する第2弾性体とを含むことを特徴とする作業機械の熱交換器用防塵ネットの清掃装置。
【請求項4】
請求項3に記載の作業機械の熱交換器用防塵ネットの清掃装置において、
上記第1弾性体の上方に配置され、上記第1弾性体の上方に位置する上記防塵ネットの上記上端部と上記支持フレームの上記上面部との間をシールし、上記第1弾性体の弾性力よりも弱い弾性力に設定された第1シール部材と、上記第2弾性体の下方に配置され、上記第2弾性体の下方に位置する上記防塵ネットの上記下端部と上記支持フレームの上記下面部との間をシールし、上記第2弾性体の弾性力よりも弱い弾性力に設定された第2シール部材とを備え、
上記第1弾性体で弾性支持された上記防塵ネットの上記上端部と、上記第2弾性体で弾性支持された上記防塵ネットの上記下端部との間に位置する上記防塵ネットの部分の上記表面を直接に振動させるように上記加振装置を配置したことを特徴とする作業機械の熱交換器用防塵ネットの清掃装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業機械の熱交換器用防塵ネットの清掃装置において、
上記加振装置は、モータと、このモータの駆動によって上記防塵ネットを叩打するように回転する偏心カムとを含むことを特徴とする作業機械の熱交換器用防塵ネットの清掃装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−2339(P2013−2339A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133451(P2011−133451)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)