説明

作業管理システム、作業管理方法及び作業管理プログラム

【課題】担当者のレベルに応じて適切な作業スケジュールによって作業を管理することができるとともに、担当者のレベルアップを図るための作業管理システム、作業管理方法及び作業管理プログラムを提供する。
【解決手段】作業管理システム20の制御部21は、郵便物の配達量とランクに応じた能率とから、ランク別の内務作業の作業時間及び午前出発時刻を算出して業務運行計画表管理データベース30に記憶する。制御部21は、郵便物の配達量を用いて箇所数増減率を算出し、これを用いてランク別の外務作業時間を算出する。制御部21は、ランク別の午前出発時刻や外務作業時間等を用いて、ランク別の帰着時刻や作業終了時刻を算出して業務運行計画表管理データベース30に記憶する。制御部21は、業務運行計画表管理データベース30を用いて、配達区域毎に、ランク別の出発時刻、帰着時刻及び作業終了時刻を含む業務運行計画表画面を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業を担当する担当者のレベルに応じて作業の進捗を管理するための作業管理システム、作業管理方法及び作業管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
郵便物等の配達物は、日によって取扱量が変動するため、配達に係わる作業量も変動することになる。そこで、取扱量が変動する郵便物に関する作業量を管理するための作業管理システムが検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。この文献記載の技術では、作業量を、原単位(一定時間に実施できる作業量)を用いて管理する。具体的には、作業管理支援サーバの制御部は、原単位生成入力情報を取得し、原単位発生実績の登録処理を実行する。そして、制御部は、原単位計画数マスタデータ記憶部を用いて初期計画原単位数を算出し、原単位実績データ記憶部において、発生時刻帯毎に原単位の個数を集計し、発生時刻帯の原単位計画数との差分を算出する。そして、この差分をこの結束グループの当初発生予定数に加減して修正数を算出する。また、クライアント端末から原単位処理コードを取得して、作業の進捗を原単位実績データ記憶部に記録する。そして、制御部は、残り原単位数を算出し、結束時刻までに作業を終了できない場合には、不足人数の作業者増員指示処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−070318号公報(第1頁、図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、配達量は日毎に異なるため、郵便物の配達作業に要する時間は日毎に異なる。また、配達を担当する担当者の能力(レベル)によっても、配達作業に要する時間は異なる。このため、配達作業の進捗を適切に管理することは難しい。
【0005】
そこで、各担当者の配達作業の作業スケジュールを立てることがある。この場合、担当者が、現在のレベルとは異なるレベルでの作業スケジュールも閲覧することができれば、担当者のレベルアップに対するモチベーションを向上させることができる。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、担当者のレベルに応じて適切な作業スケジュールによって作業を管理することができるとともに、担当者のレベルアップを図るための作業管理システム、作業管理方法及び作業管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、勤務日、配達地区識別子及び担当者識別子を関連付けて記憶した勤務指定情報記憶手段と、担当者識別子に対して、担当者のランクを記憶した担当者情報記憶手段と、ランク毎に、配達増減率に対して算出される作業時間増減率を記憶した増減率情報記憶手段と、表示手段に接続された制御手段とを備えた作業管理システムであって、前記制御手段が、配達地区の配達量を取得する手段と、配達量を標準配達量で除算することにより、配達増減率を算出する手段と、この配達増減率を用いて、ランク毎の作業所要時間を算出する手段と、この作業所要時間を用いて作業スケジュールを算出する手段と、前記配達地区を担当する担当者識別子に関連付けられたランクを前記担当者情報記憶手段から取得する手段と、前記配達地区におけるランク
別の作業スケジュールと、この配達地区を担当する担当者のランクを表示手段に出力する手段とを備えたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の作業管理システムにおいて、前記制御手段は、配達日について猶予期間が設定された地域指定郵便物について、配達猶予期間、配達地区識別子を関連付けて記憶した第1配達指示情報記憶手段に接続されており、前記制御手段が、前記配達地区の担当者識別子に関連付けられたランクに対応する作業所要時間から、予め定められた終業時刻までの作業残り時間を算出する手段と、前記作業残り時間において、前記担当者識別子に関連付けられたランクに応じて配達可能な地域指定郵便物の配達量を割り当てる手段を更に備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の作業管理システムにおいて、前記制御手段は、地区毎に集中的に配達する計画配達郵便物について、集中配達日、配達地区識別子を関連付けて記憶した第2配達指示情報記憶手段に更に接続されており、前記制御手段が、前記第1配達指示情報記憶手段に記憶された配達地区識別子において、前記配達猶予期間に含まれる集中配達日が前記第2配達指示情報記憶手段に記録されている場合には、この集中配達日に前記地域指定郵便物の配達を割振る手段を更に備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の作業管理システムにおいて、前記制御手段は、前記配達猶予期間の各予測日、この日の配達地区識別子及び予測配達量を記憶した予測配達量記憶手段に更に接続されており、前記制御手段が、前記配達猶予期間までの各日における前記予測配達量を、前記配達地区の配達量の代わりに用いて、ランク毎の作業所要時間を算出し、この予測作業所要時間を用いて作業スケジュールを算出する手段と、前記配達猶予期間までの各日における作業残り時間を合計した時間内に、前記地域指定郵便物を配達できない場合には、超過分を前記配達猶予期間に、予め定められた条件になるように分散する手段とを更に備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、勤務日、配達地区識別子及び担当者識別子を関連付けて記憶した勤務指定情報記憶手段と、担当者識別子に対して、担当者のランクを記憶した担当者情報記憶手段と、ランク毎に、配達増減率に対して算出される作業時間増減率を記憶した増減率情報記憶手段と、表示手段に接続された制御手段とを備えた作業管理システムを用いた作業管理方法であって、前記制御手段が、配達地区の配達量を取得する段階と、配達量を標準配達量で除算することにより、配達増減率を算出する段階と、この配達増減率を用いて、ランク毎の作業所要時間を算出する段階と、この作業所要時間を用いて作業スケジュールを算出する段階と、前記配達地区を担当する担当者識別子に関連付けられたランクを前記担当者情報記憶手段から取得する段階と、前記配達地区におけるランク別の作業スケジュールと、この配達地区を担当する担当者のランクを表示手段に出力する段階とを実行することを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、勤務日、配達地区識別子及び担当者識別子を関連付けて記憶した勤務指定情報記憶手段と、担当者識別子に対して、担当者のランクを記憶した担当者情報記憶手段と、ランク毎に、配達増減率に対して算出される作業時間増減率を記憶した増減率情報記憶手段と、表示手段に接続された制御手段とを備えた作業管理システムにおける作業管理プログラムであって、前記制御手段を、配達地区の配達量を取得する手段、配達量を標準配達量で除算することにより、配達増減率を算出する手段、この配達増減率を用いて、ランク毎の作業所要時間を算出する手段、この作業所要時間を用いて作業スケジュールを算出する手段、前記配達地区を担当する担当者識別子に関連付けられたランクを前記担当者情報記憶手段から取得する手段、及び前記配達地区におけるランク別の作業スケジュールと、この配達地区を担当する担当者のランクを表示手段に出力する手段として機能することを要旨とする。
【0013】
(作用)
本発明によれば、制御手段は、配達地区の配達量を取得する。制御手段は、配達量を標準配達量で除算することにより、配達増減率を算出する。制御手段は、この配達増減率を用いて、ランク毎の作業所要時間を算出する。制御手段は、この作業所要時間を用いて作業終了時刻を算出する。制御手段は、配達地区を担当する担当者識別子に関連付けられたランクを担当者情報記憶手段から取得する。制御手段は、配達地区におけるランク別の作業終了時刻と、この配達地区を担当する担当者のランクを表示手段に出力する。このため、担当者は、自分のランクに応じた適切な作業スケジュールを把握することができる。従って、担当者は、作業スケジュールを把握しながら作業を行なうことができるので、よりスムーズに作業を進めることができる。また、担当者は自分のランク以外のランクの作業終了時刻も併せて把握することができる。従って、担当者のレベルアップに対するモチベーションを向上させることができる。
【0014】
本発明によれば、制御手段は、配達地区の担当者識別子に関連付けられたランクに対応する作業所要時間から、予め定められた終業時刻までの作業残り時間を算出する。制御手段は、作業残り時間において、担当者識別子に関連付けられたランクに応じて配達可能な地域指定郵便物の配達量を割り当てる。このため、制御手段は、配達日について猶予期間が設定されている地域指定郵便物については、作業残り時間がある場合に配達を行なう作業スケジュールを生成する。従って、超過勤務時間が短くなるような作業スケジュールを作成し、これに応じて作業を管理することができる。
【0015】
本発明によれば、制御手段は、第1配達指示情報記憶手段に記憶された配達地区識別子において、配達猶予期間に含まれる集中配達日が第2配達指示情報記憶手段に記録されている場合には、この集中配達日に地域指定郵便物の配達を割振る。このため、計画配達郵便物と地域指定郵便物とを一緒に配達するので、配達箇所の数を抑えて配達作業時間を短縮することが期待できる。従って、配達作業時間を短縮する作業スケジュールを作成することができる。
【0016】
本発明によれば、制御手段は、配達猶予期間までの各日における予測配達量を、配達地区の配達量の代わりに用いて、ランク毎の作業所要時間を算出し、この予測作業所要時間を用いて作業終了時刻を算出する。制御手段は、配達猶予期間までの各日における作業残り時間を合計した時間内に、地域指定郵便物を配達できない場合には、超過分を配達猶予期間に、予め定められた条件になるように分散する。このため、超過勤務が予想される場合でも、配達猶予期間の状況に応じて作業スケジュールを作成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、担当者のレベルに応じて適切な作業スケジュールによって作業を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態の作業管理システムの構成を説明する概略構成図。
【図2】実施形態のデータ記憶部のデータ構成を説明する説明図であり、(a)は配達区分口管理データベース、(b)は担当者ランク管理データベース、(c)は能率・増減率テーブル記憶部、(d)は計画配達郵便管理データベース、(e)は地域指定郵便管理データベース、(f)は勤務指定管理データベースを示す。
【図3】実施形態のデータ記憶部のデータ構成を説明する説明図であり、(a)は通常配達物数管理データベース、(b)は予測物数管理データベース、(c)は業務運行計画表管理データベースを示す。
【図4】実施形態の業務運行管理処理の処理手順を説明するための流れ図。
【図5】実施形態の内務作業計画の生成処理の処理手順を説明するための流れ図。
【図6】実施形態の外務作業計画の生成処理の処理手順を説明するための流れ図。
【図7】実施形態の地域指定郵便割振処理の処理手順を説明するための流れ図。
【図8】実施形態の業務運行計画表画面を説明するための説明図。
【図9】実施形態の地域指定郵便割振処理を説明するための説明図であり、(a)は終業時刻までに配達が終了する場合、(b)は終業時刻までに配達が終了しない場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。本実施形態では、配達物としての郵便物の配達作業を管理するための作業管理システムとして説明する。本実施形態で配達する郵便物には、通常作業を行なう「通常郵便物」と、配達地域毎に集中的に配達する「計画配達郵便物」と、指定された地域の全戸に対して猶予期間内に配達する「地域指定郵便物」とが含まれている。この地域指定郵便物は、「タウンメール(登録商標)」と呼ばれている。
【0020】
また、本実施形態において、管理対象の作業は、配達する前に配達順番に郵便物を並び替える内務作業(道順組立作業)と、各戸に配達を行なう外務作業とがある。本実施形態では、午前中に内務作業を開始し、その後で外務作業を行なう。ここで、作業が午後にかかる場合には、午前作業と午後作業との間に休憩時間を設定する。更に、本実施形態では、作業量として、単位ユニット(原単位)の数を用いる。ここで、原単位とは、単位作業時間(本実施形態では「15分」)に処理作業を行なうことができる量である。
【0021】
図1に示すように、作業管理システム20は、入力手段15及び表示手段16を備えている。入力手段15は、キーボードやポインティングデバイス等からなる。この入力手段15は、作業管理システム20に対して各種データを入力する。表示手段16は、ディスプレイからなる。表示手段16は、後述する業務運行計画表画面等の各種画面を表示する。
【0022】
作業管理システム20は、制御手段としての制御部21、配達区分口管理データベース22、担当者ランク管理データベース23、能率・増減率テーブル記憶部24及び計画配達郵便管理データベース25を備えている。更に、作業管理システム20は、地域指定郵便管理データベース26、勤務指定管理データベース27、通常配達物数管理データベース28、予測物数管理データベース29及び業務運行計画表管理データベース30を備えている。担当者ランク管理データベース23は担当者情報記憶手段として機能し、能率・増減率テーブル記憶部24は増減率情報記憶手段として機能する。計画配達郵便管理データベース25は第2配達指示情報記憶手段として機能し、地域指定郵便管理データベース26は第1配達指示情報記憶手段として機能する。勤務指定管理データベース27は勤務指定情報記憶手段として機能し、予測物数管理データベース29は予測配達量記憶手段として機能する。
【0023】
制御部21は、図示しないCPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理を行なう。そして、このための作業管理プログラムを実行することにより、制御部21は、勤務設定手段210、通数・箇所数取得手段211、担当割振手段212、担当者ランク取得手段213、内務作業計画生成手段214、外務作業計画生成手段215、地域指定郵便割振手段216及び業務運行計画表出力手段217等として機能する。
【0024】
勤務設定手段210は、各日の配達作業を行なう担当者と配達区域に関するデータを取得する処理を実行する。ここで、配達区域とは、配達を行なう1人の担当者が1日で平均して配達可能な範囲をいう。本実施形態では、配達作業を行なう勤務日よりも前日以前に
、担当者及び各担当者が担当する配達区域が決定される。勤務設定手段210は、決定された勤務日、担当者及び配達区域を取得した場合に、勤務指定管理データベース27に登録する。
【0025】
通数・箇所数取得手段211は、配達作業日の通常郵便物の通数及び箇所数(郵便物を配達するために配達先の数)を取得し、通常配達物数管理データベース28に記録する。
担当割振手段212は、配達作業を行なう日における配達区域に対して担当者を割振る処理を実行する。この場合、担当割振手段212は、勤務指定管理データベース27を用いる。
【0026】
担当者ランク取得手段213は、配達作業を行なう担当者の担当する配達区域におけるランク(作業能率)を取得する処理を実行する。この場合、担当者ランク取得手段213は、担当者ランク管理データベース23を用いる。
【0027】
内務作業計画生成手段214は、内務作業に要する時間を算出するとともに、内務作業終了後に配達のために出発する午前出発時刻を算出する。具体的には、この内務作業計画生成手段214は、郵便物の通数に基づいて能率に応じた内務作業の作業時間を算出する。内務作業計画生成手段214は、始業時刻、第1間接作業時間(午前休息時間や積み込み時間等)に関するデータを予め保持している。そして、内務作業計画生成手段214は、始業時刻に作業時間及び第1間接作業時間を加算することにより、午前出発時刻を算出する。
【0028】
外務作業計画生成手段215は、通常郵便物の箇所数から外務作業の作業時間を算出する。外務作業計画生成手段215は、第2間接作業時間(積み降ろし時間や移動時間等)、第3間接作業時間(休憩時間や積み込み時間等)、第4間接作業時間(積み降ろし時間や移動時間等)、第5間接作業時間(事務処理時間等)に関するデータを予め保持している。そして、外務作業計画生成手段215は、午前出発時刻に、第2間接作業時間と午前配達の作業時間とを加算した時刻が、予め記憶している休憩開始時刻に近くなる午前帰着時刻を算出する。外務作業計画生成手段215は、午前帰着時刻に第3間接作業時間を加算することにより、午後出発時刻を算出する。外務作業計画生成手段215は、午後出発時刻に、第4間接作業時間と、午後配達の作業時間とを加算することにより、午後帰着時刻を算出する。更に、外務作業計画生成手段215は、午後帰着時刻に、第5間接作業時間と午後配達の作業時間と加算することにより、作業終了時刻を算出する。
【0029】
地域指定郵便割振手段216は、業務運行計画表管理データベース30や計画配達郵便管理データベース25を用いて、配達依頼を受けた地域指定郵便物の配達を割振る処理を実行する。地域指定郵便割振手段216は、この処理で用いる終業時刻に関するデータを記憶している。本実施形態では、地域指定郵便割振手段216は、終業時刻と担当者の作業終了時刻とから作業残り時間を算出する。地域指定郵便割振手段216は、この作業残り時間と、勤務予定の担当者のランクに応じた作業時間とを用いて、割振りを行なう。この場合、地域指定郵便割振手段216は、配達猶予期間までの各日における作業残り時間を合計した時間内に地域指定郵便物を配達できない場合には、超過分を配達猶予期間に予め定められた条件になるように分散させる。本実施形態では、作業残り時間と、勤務予定の担当者のランクに応じた作業時間とから、配達猶予期間の各日における作業終了時刻(終業時刻に超過勤務時間を加算した時刻)が同じになるように分散させる。
【0030】
業務運行計画表出力手段217は、業務運行計画表管理データベース30を用いて、業務運行計画表を表示手段16に表示する。
更に、制御部21には、各配達エリアにおける標準箇所数及び標準作業時間が記憶された標準テーブル記憶手段(図示せず)が接続されている。この標準テーブル記憶手段には
、各区分口識別子に対して、その標準箇所数と、標準作業時間とを関連付けた標準箇所数テーブルが記憶されている。
【0031】
配達区分口管理データベース22には、図2(a)に示すように、配達区分口レコード220が記憶されている。この配達区分口レコード220は、配達区域内における配達エリアの割り当てが登録された場合に記録される。ここで、配達エリアとは、区分機において区分した郵便物を収容する各区分口によって特定される範囲の地域をいう。この配達エリアが複数集まって配達区域が構成される。この配達区分口レコード220には、区域識別子、区分口識別子、配達順番及び総配達箇所数に関するデータが含まれる。
【0032】
区域識別子データ領域には、各配達区域を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
区分口識別子データ領域には、各配達区域を細分化した配達エリア(区分口)を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
【0033】
配達順番データ領域には、この配達区域内における配達エリアの配達順番に関するデータが記録されている。
総配達箇所数データ領域には、この配達エリアに含まれる配達箇所数(郵便物を配達する戸数)に関するデータが記録されている。
【0034】
担当者ランク管理データベース23には、図2(b)に示すように、担当者のランクに関する担当者ランクデータが記憶されている。この担当者ランクデータは、担当者のランクが登録された場合に記録される。担当者ランクデータには、担当者管理レコード231及び担当者ランクレコード232が含まれる。1つの担当者管理レコード231に対して、複数の(各担当者が担当可能な配達区域毎に)担当者ランクレコード232が関連付けられている。
【0035】
担当者管理レコード231には、担当者識別子及び担当者氏名に関するデータが含まれる。
担当者識別子データ領域には、この担当者を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
【0036】
担当者氏名データ領域には、この担当者の氏名に関するデータが記録されている。
担当者ランクレコード232には、区域識別子及びランク識別子に関するデータが含まれる。
【0037】
区域識別子データ領域には、各配達区域を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
ランク識別子データ領域には、この配達区域におけるこの担当者の処理能力のランクを特定する識別子に関するデータが記録されている。なお、本実施形態では、このランク識別子によって3段階のランク(A、B、C)のいずれかが特定される。
【0038】
能率・増減率テーブル記憶部24には、図2(c)に示すように、能率テーブル241及び増減率テーブル242が記憶されている。能率テーブル241は、ランクに応じて、内務作業の能率が関連付けられたテーブルである。増減率テーブル242は、ランクに応じて、配達エリア別の外務作業の作業時間の増減率が関連付けられたテーブルである。これら能率テーブル241、増減率テーブル242は、ランク別の能率、ランク別の作業時間増減率算出式が登録された場合に記録される。
【0039】
能率テーブル241には、ランク識別子及び能率に関するデータが含まれる。
ランク識別子データ領域には、各ランクを特定するための識別子に関するデータが記録されている。
【0040】
能率データ領域には、このランクの担当者における内務作業の能率に関するデータが記録されている。本実施形態では、一通あたりの処理に要する所要時間が記録されている。
増減率テーブル242には、ランク識別子及び作業時間増減率算出式に関するデータが含まれる。
【0041】
ランク識別子データ領域には、各ランクを特定するための識別子に関するデータが記録されている。
作業時間増減率算出式データ領域には、箇所数増減率に応じて、このランクにおける外務作業の作業時間の増減率を算出する式に関するデータが記録されている。
【0042】
計画配達郵便管理データベース25には、図2(d)に示すように、計画配達郵便物を管理する計画配達郵便管理レコード250が記憶されている。この計画配達郵便管理レコード250は、計画配達郵便物が配達される地域及び猶予期間に基づく分配計画が登録された場合に記録される。この計画配達郵便管理レコード250は、配達指定日、配達対象地域識別子、区分口識別子毎の通数及び箇所数に関するデータが含まれる。
【0043】
配達指定日データ領域には、計画配達郵便物を配達する年月日に関するデータが記録されている。
配達対象地域識別子データ領域には、この配達指定日に配達する配達区域を特定する識別子に関するデータが記録されている。
【0044】
区分口識別子データ領域には、この配達区域において配達を行なう配達エリアを特定する識別子に関するデータが記録されている。
通数データ領域には、この配達エリアに配達する郵便物の通数に関するデータが記録されている。
箇所数データ領域には、この配達エリアの箇所数に関するデータが記録されている。
【0045】
地域指定郵便管理データベース26には、図2(e)に示すように、地域指定郵便物に関する地域指定郵便レコード260が記憶されている。この地域指定郵便レコード260は、地域指定郵便物の配達依頼が登録された場合に記録される。地域指定郵便レコード260には、地域指定郵便管理識別子、配達指定地域識別子及び配達猶予期間に関するデータが含まれる。
【0046】
地域指定郵便管理識別子データ領域には、配達依頼を受けた各地域指定郵便物を特定する識別子に関するデータが記録されている。
配達指定地域識別子データ領域には、地域指定郵便物を配達する地域を特定するための識別子に関するデータが記録されている。本実施形態では、この配達指定地域識別子として、区域識別子を用いる。
【0047】
配達猶予期間データ領域には、この地域指定郵便物を配達する猶予期間に関するデータが記録されている。本実施形態では、配達猶予期間データ領域には、猶予期間の初日から配達期限である最終日までの各日の年月日が記録される。
【0048】
勤務指定管理データベース27には、図2(f)に示すように、勤務スケジュールに関する勤務指定管理レコード270が記憶されている。この勤務指定管理レコード270は、勤務日の前日以前に、各担当者の勤務指定が登録された場合に記録される。この勤務指定管理レコード270には、勤務日、担当者識別子及び担当区域識別子に関するデータが
含まれている。
【0049】
勤務日データ領域には、各勤務日の年月日に関するデータが記録される。
担当者識別子データ領域には、この勤務日に勤務する担当者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0050】
担当区域識別子データ領域には、この勤務日において、この担当者が担当する配達区域を特定するための識別子に関するデータが記録される。
通常配達物数管理データベース28には、図3(a)に示すように、配達当日の通常郵便物の通数及び箇所数を管理する通常配達物数管理レコード280が記憶されている。この通常配達物数管理レコード280は、後述する配達量の取得処理において通常配達物数を取得した場合に記録される。この通常配達物数管理レコード280には、区分口識別子、通数、箇所数に関するデータが含まれている。
【0051】
区分口識別子データ領域には、各配達エリアを特定するための識別子(区分口識別子)に関するデータが記録される。
通数データ領域には、この配達エリアにおいて配達する通数に関するデータが記録される。
箇所数データ領域には、この配達エリアの箇所数に関するデータが記録される。
【0052】
予測物数管理データベース29には、図3(b)に示すように、予測日における通常郵便物の予測通数及び予測箇所数を管理する予測物数管理レコード290が記憶されている。この予測物数管理レコード290は、実績から予測配達量を算出した場合に記録される。本実施形態では、少なくとも計画配達郵便物及び地域指定郵便物の猶予期間の最終日となる日までの予測配達量が記録される。この予測物数管理レコード290には、予測日、区分口識別子、予測通数、予測箇所数に関するデータが含まれている。
【0053】
予測日データ領域には、郵便物の通数を予測した年月日に関するデータが記録される。
区分口識別子データ領域には、この予測日の各配達エリアを特定するための識別子に関するデータが記録されている。
【0054】
予測通数データ領域には、この予測日のこの配達エリアにおいて配達する郵便物の通数に関するデータが記録されている。
予測箇所数データ領域には、この予測日のこの配達エリアにおける箇所数に関するデータが記録されている。
【0055】
業務運行計画表管理データベース30には、業務運行計画表を表示するため業務計画データが記憶される。この業務計画データは、後述する業務運行管理処理中に記録される。業務計画データには、図3(c)に示すように、業務運行計画管理レコード301及びランク別作業計画レコード302が含まれる。1つの業務運行計画管理レコード301に対して、ランクの数に対応するランク別作業計画レコード302が関連付けられている。
【0056】
業務運行計画管理レコード301には、配達予定日、配達区域識別子、担当者識別子、担当者ランク識別子及び地域指定郵便物配達指定に関するデータが含まれる。
配達予定日データ領域には、各配達予定日を特定するための年月日に関するデータが記録される。
【0057】
配達区域識別子データ領域には、この配達予定日の配達区域を特定するための区域識別子に関するデータが記録される。
担当者識別子データ領域には、この配達区域の配達を担当する担当者の担当者識別子に
関するデータが記録される。
【0058】
担当者ランク識別子データ領域には、この配達区域における担当者のランクを特定するためのランク識別子に関するデータが記録される。
地域指定郵便物配達指定データ領域には、地域指定郵便物の配達指示に関するデータが記録される。本実施形態では、この地域指定郵便物配達指示として、この配達区域において地域指定郵便物を配達する配達エリアを特定するための区分口識別子に関するデータが記録される。
【0059】
ランク別作業計画レコード302には、ランク識別子、午前出発時刻、午前帰着時刻、午前処理数、午後出発時刻、午後帰着時刻、午後処理数、配達原単位総数、作業終了時刻及び仕切り区分口識別子に関するデータが含まれる。
【0060】
ランク識別子データ領域には、各ランクを特定するためのランク識別子に関するデータが記録される。
午前出発時刻データ領域には、午前中に出発する配達(午前配達)の出発時刻に関するデータが記録される。
【0061】
午前帰着時刻データ領域には、午前配達の帰着時刻に関するデータが記録される。
午前処理数データ領域には、午前配達により処理する作業量(原単位数)に関するデータが記録される。
【0062】
午後出発時刻データ領域には、午後に出発する配達(午後配達)の出発時刻に関するデータが記録される。
午後帰着時刻データ領域には、午後配達の帰着時刻に関するデータが記録される。
【0063】
午後処理数データ領域には、午後配達により処理する作業量(原単位数)に関するデータが記録される。
配達原単位総数データ領域には、この日に処理を行なう作業量(原単位数)に関するデータが記録される。
【0064】
作業終了時刻データ領域には、この日の業務の終了時刻に関するデータが記録される。
仕切り区分口識別子データ領域には、原単位の境目になる配達エリアを特定する区分口識別子に関するデータが記録される。
【0065】
次に、以上のように構成された作業管理システムを用いた作業管理処理を行なう手順を、図4〜図9に従って説明する。ここでは、業務運行管理処理(図4)、内務作業計画の生成処理(図5)、外務作業計画の生成処理(図6)及び地域指定郵便割振処理(図7)の順番で説明する。
【0066】
(業務運行管理処理)
まず、業務運行管理処理について図4に従って説明する。この処理は、当日(処理対象日)において配達作業を行なう前に実行される。
【0067】
まず、作業管理システム20の制御部21は、配達量の取得処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、担当者は、区分機から、区分された当日の配達エリア毎の通数及び箇所数を取得する。そして、取得した値を、入力手段15を用いて入力する。この場合、制御部21の通数・箇所数取得手段211は、入力手段15を介して取得した区分口識別子毎の通数及び箇所数を、通常配達物数管理データベース28に記録する。
【0068】
次に、作業管理システム20の制御部21は、以下のステップS1−2〜S1−5を、配達区域毎(処理対象区域の区域識別子毎)に繰り返して実行する。この場合、本実施形態の作業管理システム20の制御部21は、当日から地域指定郵便物の配達期限(猶予期間の最終日)までの配達予定日を、ステップS1−2〜S1−5の配達予定日とした処理を実行する。この場合、当日以外の配達予定日について処理を行なう場合には、通常配達物数管理レコード280の代わりに、予測物数管理レコード290を用いる。
【0069】
ここで、作業管理システム20の制御部21は、配達区域を配達する担当者の特定処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21の担当割振手段212は、この処理対象日のこの処理対象区域を特定する区域識別子が記録された勤務指定管理レコード270を勤務指定管理データベース27において抽出する。担当割振手段212は、この勤務指定管理レコード270に含まれる担当者識別子を取得する。担当割振手段212は、この処理対象区域の区域識別子と、担当者識別子とを含む業務運行計画管理レコード301を生成して、業務運行計画表管理データベース30に記録する。
【0070】
次に、作業管理システム20の制御部21は、担当者における配達区域のランクの取得処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21の担当者ランク取得手段213は、この処理対象区域を担当する担当者の担当者識別子が記録された担当者管理レコード231を担当者ランク管理データベース23において特定する。更に、担当者ランク取得手段213は、この担当者管理レコード231に関連付けられている担当者ランクレコード232を特定する。担当者ランク取得手段213は、特定した担当者ランクレコード232の中から、処理対象区域の区域識別子が記録されたレコードを特定する。担当者ランク取得手段213は、特定した担当者ランクレコード232に記録されているランク識別子を取得する。そして、担当者ランク取得手段213は、取得したランク識別子を、担当者ランク識別子として、この処理対象区域の区域識別子が記録された業務運行計画管理レコード301に記録する。
【0071】
次に、作業管理システム20の制御部21は、内務作業計画の生成処理を実行する(ステップS1−4)。この処理においては、制御部21は、午前出発時刻を算出して、業務運行計画表管理データベース30に記録する。この処理の詳細については、後述する。
【0072】
次に、作業管理システム20の制御部21は、外務作業計画の生成処理を実行する(ステップS1−5)。この処理においては、制御部21は、午前帰着時刻、午前処理数、午後出発時刻、午後帰着時刻、午後処理数、作業終了時刻及び配達原単位総数を算出し、仕切り区分識別子を特定する。そして、制御部21は、これらデータを業務運行計画表管理データベース30に記録する。この処理の詳細については、後述する。
【0073】
次に、作業管理システム20の制御部21は、地域指定郵便割振処理を実行する(ステップS1−6)。この処理において、制御部21は、地域指定郵便物配達指示を業務運行計画表管理データベース30に記録する。この処理の詳細については、後述する。
【0074】
次に、作業管理システム20の制御部21は、業務運行計画表の出力処理を実行する(ステップS1−7)。ここでは、制御部21の業務運行計画表出力手段217は、業務運行計画表管理データベース30の中から、当日を配達予定日とする業務運行計画管理レコード301及びランク別作業計画レコード302を用いて、図8に示す業務運行計画表画面500を表示手段16に表示する。この業務運行計画表画面500には、当日の業務運行計画表が含まれる。
【0075】
具体的には、制御部21の業務運行計画表出力手段217は、配達区域毎に、配達区域識別子及び担当者氏名を、業務運行計画表画面500に含めて表示する。具体的には、業
務運行計画表出力手段217は、業務運行計画管理レコード301の配達区域識別子を業務運行計画表画面500に表示する。業務運行計画表出力手段217は、業務運行計画管理レコード301に含まれる担当者識別子が記録された担当者管理レコード231を取得し、これに含まれる担当者氏名を業務運行計画表画面500に表示する。
【0076】
更に、業務運行計画表出力手段217は、業務運行計画管理レコード301の各ランクのランク識別子、各ランクの午前出発時刻、午前帰着時刻、午前処理数、午後出発時刻、午後帰着時刻、午後処理数、作業終了時刻、配達原単位総数及び仕切り区分口識別子を、業務運行計画表画面500に表示する。
【0077】
そして、業務運行計画表出力手段217は、業務運行計画管理レコード301のランク識別子を取得する。業務運行計画表出力手段217は、各配達区域の配達を担当する担当者のランクを、背景が赤色の白抜き文字で業務運行計画表画面500に表示する。
【0078】
以上により、表示手段16に表示された業務運行計画表画面500には、配達区域毎に、配達区域識別子、担当者氏名、ランク別のランク識別子、各ランクの午前出発時刻、午前帰着時刻、午前処理数、午後出発時刻、午後帰着時刻、午後処理数、作業終了時刻、配達原単位総数及び仕切り区分口識別子が表示される。更に、各配達区域を担当する担当者のランクが他のランクより目立つ状態で表示される。
【0079】
(内務作業計画の生成処理)
次に、上述した内務作業計画の生成処理(ステップS1−4)について、図5に従って説明する。
【0080】
まず、作業管理システム20の制御部21は、各ランクの能率の取得処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21の内務作業計画生成手段214は、各ランク識別子に対応する能率を、能率・増減率テーブル記憶部24に記憶された能率テーブル241から抽出する。
【0081】
次に、作業管理システム20の制御部21は、作業対象通数の取得処理を実行する(ステップS2−2)。ここで、制御部21は、この配達区域における作業対象通数を取得する。具体的には、制御部21の内務作業計画生成手段214は、この処理対象区域の区域識別子が記録された配達区分口レコード220を配達区分口管理データベース22から抽出する。内務作業計画生成手段214は、抽出した配達区分口レコード220における区分口識別子を取得する。
【0082】
内務作業計画生成手段214は、取得した各区分口識別子の通数を、通常配達物数管理データベース28の通常配達物数管理レコード280から抽出する。そして、内務作業計画生成手段214は、取得した各区分口識別子の通数を合計する。
【0083】
更に、内務作業計画生成手段214は、計画配達郵便管理データベース25において、この処理対象日が配達指定日として記録された計画配達郵便管理レコード250を検索する。該当する計画配達郵便管理レコード250を抽出した場合、内務作業計画生成手段214は、この中から、処理対象区域の区域識別子が配達対象地域識別子データ領域に記録された計画配達郵便管理レコード250を検索する。そして、該当する計画配達郵便管理レコード250を抽出した場合、内務作業計画生成手段214は、この計画配達郵便管理レコード250の各区分口識別子に対応する通数を合計する。内務作業計画生成手段214は、この通数の合計値に、この配達区域における通常郵便物の合計通数を加算することにより、処理対象区域の作業対象通数を算出する。
【0084】
次に、作業管理システム20の制御部21は、通数と能率とを用いて作業時間の算出処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21の内務作業計画生成手段214は、算出した作業対象通数と、各ランク識別子の能率とを乗算することにより、ランク別の作業時間を算出する。
【0085】
次に、作業管理システム20の制御部21は、午前出発時刻の算出処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21の内務作業計画生成手段214は、始業時刻、第1間接作業時間及びステップS2−3で算出したランク別の作業時間を用いて、ランク別の午前出発時刻を算出する。
【0086】
次に、作業管理システム20の制御部21は、業務運行計画表への登録処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21の内務作業計画生成手段214は、処理対象日及び処理対象区域の区域識別子が記録された業務運行計画管理レコード301を特定する。内務作業計画生成手段214は、この業務運行計画管理レコード301に関連付けて、各ランクのランク識別子を記録したランク別作業計画レコード302を、業務運行計画表管理データベース30に記憶する。この場合、内務作業計画生成手段214は、算出した各ランクの午前出発時刻を、対応するランク識別子のランク別作業計画レコード302に記録する。以上により、内務作業計画の生成処理が終了する。
【0087】
(外務作業計画の生成処理)
次に、上述した外務作業計画の生成処理(ステップS1−5)について、図6に従って説明する。
【0088】
まず、作業管理システム20の制御部21は、箇所数増減率の算出処理を実行する(ステップS3−1)。ここで、制御部21の外務作業計画生成手段215は、この処理対象区域の処理対象日の箇所数を特定する。具体的には、外務作業計画生成手段215は、この処理対象日における各区分口識別子の箇所数を通常配達物数管理データベース28から取得する。更に、外務作業計画生成手段215は、計画配達郵便管理データベース25において、この処理対象日が配達指定日として記録された計画配達郵便管理レコード250を検索する。更に、該当する計画配達郵便管理レコード250を抽出した場合、外務作業計画生成手段215は、この中から、処理対象区域の区域識別子が配達対象地域識別子データ領域に記録された計画配達郵便管理レコード250を検索する。そして、該当する計画配達郵便管理レコード250を抽出した場合、この中から、各区分口識別子の箇所数を取得する。そして、外務作業計画生成手段215は、区分口識別子毎に、通常配達物数管理データベース28から取得した箇所数と、計画配達郵便管理レコード250から取得した箇所数とを合計することにより、各区分口識別子の作業対象箇所数を算出する。
【0089】
次に、制御部21の外務作業計画生成手段215は、この処理対象区域の標準箇所数を特定する。具体的には、外務作業計画生成手段215は、標準箇所数テーブルを用いて、各区分口識別子に対応する標準箇所数を特定する。
【0090】
そして、制御部21の外務作業計画生成手段215は、配達エリア(区分口識別子)毎に、作業対象箇所数を標準箇所数で除算することにより、各配達エリアの箇所数増減率を算出する。
【0091】
次に、作業管理システム20の制御部21は、箇所数増減率を用いてランクに応じた作業時間増減率の算出処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21の外務作業計画生成手段215は、能率・増減率テーブル記憶部24に記憶された増減率テーブル242の各ランクの増減率算出式に、算出した各配達エリアの箇所数増減率を代入する。この場合、外務作業計画生成手段215は、各区分口識別子に関連付けて、算出した
配達エリア毎の作業時間増減率を保持しておく。
【0092】
次に、作業管理システム20の制御部21は、作業時間増減率を用いて区分口別作業時間の算出処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部21の外務作業計画生成手段215は、標準箇所数テーブルを用いて、この処理対象区域の各区分口識別子に対応する標準作業時間を特定する。そして、外務作業計画生成手段215は、ランク別の各配達エリアの作業時間増減率と、この配達エリアの区分口識別子に対応する標準作業時間とを乗算する。そして、外務作業計画生成手段215は、各区分口識別子に関連付けて、算出した配達エリア毎の作業時間を保持しておく。
【0093】
次に、作業管理システム20の制御部21は、配達原単位総数の生成処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21の外務作業計画生成手段215は、ランク毎に、配達エリア毎の作業時間を合計することにより、この配達区域におけるランク別の作業時間を算出する。そして、外務作業計画生成手段215は、算出したランク別の作業時間を、原単位の単位作業時間で除算することにより、この配達区域におけるランク別の配達原単位総数を算出する。
【0094】
次に、作業管理システム20の制御部21は、原単位の区切りの特定処理を実行する(ステップS3−5)。ここで、制御部21は、各配達エリアの作業時間を、配達順番に加算する。具体的には、制御部21の外務作業計画生成手段215は、この処理対象区域の区域識別子が記録された配達区分口レコード220を抽出する。外務作業計画生成手段215は、抽出した配達区分口レコード220の各配達順番に従って、ランク別の各区分口識別子の作業時間を順次、加算することにより、ランク別の配達累計時間を算出する。そして、外務作業計画生成手段215は、積算した配達累計時間が、原単位の単位作業時間になるまでの配達エリアを、順次、特定する。そして、特定した各配達エリアの各区分口識別子を、仕切り区分口識別子として特定する。そして、この区分口識別子の次の区分口識別子から、再度、原単位の単位作業時間毎の区分口識別子を特定することにより、すべての区分口識別子を分割する。
【0095】
次に、作業管理システム20の制御部21は、午前出発時刻に基づいて午前・午後の作業量の設定処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、制御部21の外務作業計画生成手段215は、ステップS2−4において算出した午前出発時刻を、業務運行計画表管理データベース30から取得する。そして、外務作業計画生成手段215は、ランク別に、午前出発時刻に、原単位数に対応する作業時間を加算した時刻が、休憩開始時刻に達した時点を特定する。そして、外務作業計画生成手段215は、このときに加算した作業時間に対応する原単位数を、各ランクの午前処理数として特定する。外務作業計画生成手段215は、ランク別の配達原単位総数から、午前処理数をそれぞれ減算することにより、ランク別の午後の処理数(午後処理数)を算出する。
【0096】
次に、作業管理システム20の制御部21は、午前帰着時刻、午後出発時刻、午後帰着時刻及び作業終了時刻の算出処理を実行する(ステップS3−7)。具体的には、制御部21の外務作業計画生成手段215は、ランク別の各午前出発時刻と各午前処理数に対応する作業時間と、第2間接作業時間とを用いて、ランク別の午前帰着時刻を算出する。制御部21の外務作業計画生成手段215は、算出したランク別の午前帰着時刻と、第3間接作業時間とを用いて、ランク別の午後出発時刻を算出する。制御部21の外務作業計画生成手段215は、ランク別の各午後出発時刻と各午後処理数に対応する作業時間と、第4間接作業時間とを用いて、ランク別の午後帰着時刻を算出する。そして、制御部21の外務作業計画生成手段215は、ランク別の各午後帰着時刻と、第5間接作業時間とを用いて、ランク別の作業終了時刻を算出する。
【0097】
次に、作業管理システム20の制御部21は、業務運行計画表への登録処理を実行する(ステップS3−8)。具体的には、制御部21の外務作業計画生成手段215は、処理対象日及び処理対象区域の区域識別子が記録された業務運行計画管理レコード301を特定する。外務作業計画生成手段215は、この業務運行計画管理レコード301に関連付けられている各ランク別作業計画レコード302に、対応するランクの午前帰着時刻、午前処理数、午後出発時刻、午後帰着時刻、午後処理数、配達原単位総数、仕切り区分口識別子及び作業終了時刻を記録する。以上により、外務作業計画の生成処理が終了する。
【0098】
(地域指定郵便割振処理)
次に、上述した地域指定郵便割振処理(ステップS1−6)について、図7に従って説明する。
【0099】
まず、作業管理システム20の制御部21は、地域指定郵便物の配達対象地域の特定処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、制御部21の地域指定郵便割振手段216は、地域指定郵便管理データベース26において、当日が配達猶予期間に含まれる地域指定郵便レコード260を検索する。ここで、該当する地域指定郵便レコード260を抽出できなかった場合には、地域指定郵便割振手段216は、地域指定郵便割振処理を終了する。
【0100】
配達猶予期間に当日が記録されている地域指定郵便レコード260を抽出した場合、地域指定郵便割振手段216は、この地域指定郵便レコード260に記録されている区域識別子の配達区域を、地域指定郵便物の配達対象地域として取得する。
【0101】
次に、作業管理システム20の制御部21は、以下のステップS4−2〜S4−9の処理を、配達区域毎(区域識別子毎)に繰り返す。
ここでは、まず、作業管理システム20の制御部21は、猶予期間内に計画配達郵便物の配達予定があるか否かを判断する(ステップS4−2)。具体的には、制御部21の地域指定郵便割振手段216は、計画配達郵便管理データベース25を用いて、ステップS3−1において抽出した地域指定郵便レコード260の配達猶予期間の各日付が、配達指定日として記録されている計画配達郵便管理レコード250を検索する。更に、地域指定郵便割振手段216は、抽出した計画配達郵便管理レコード250の中で、地域指定郵便レコード260の区域識別子が記録されているレコードを検索する。
【0102】
ここで、該当する計画配達郵便管理レコード250を抽出した場合には、猶予期間内に計画配達郵便物の配達予定があることになる。この場合(ステップS4−2において「YES」の場合)には、作業管理システム20の制御部21は、計画配達郵便物の配達日における地域指定郵便の割振処理を実行する(ステップS4−3)。この場合、制御部21は、計画配達郵便物が配達される配達エリアの区分口識別子と、地域指定郵便物を配達する区分口識別子とが一致するように割振る。具体的には、制御部21の地域指定郵便割振手段216は、抽出した計画配達郵便管理レコード250に設定された区分口識別子を、各配達予定日の業務運行計画管理レコード301の地域指定郵便物配達指定データ領域に記録する。これにより、地域指定郵便物の配達が各担当者に割振られることになる。
【0103】
一方、地域指定郵便レコード260の猶予期間内に計画配達郵便物の配達が予定されていない場合(ステップS4−2において「NO」の場合)には、作業管理システム20の制御部21は、ステップS4−3〜S4−4の処理をスキップする。
【0104】
次に、作業管理システム20の制御部21は、まだ割振っていない地域指定郵便物があるか否かを判断する(ステップS4−4)。具体的には、制御部21の地域指定郵便割振手段216は、地域指定郵便レコード260の配達指定地域識別子データ領域に記録され
た区域識別子を取得する。次に、配達対象地域の区域識別子を、配達区分口レコード220を用いて区分口識別子に展開する。そして、地域指定郵便割振手段216は、展開した区分口識別子の中で、業務運行計画管理レコード301の地域指定郵便物配達指定データ領域に未だ記録されていない区分口識別子を検索する。
【0105】
地域指定郵便の配達対象地域について、すべての区分口識別子が業務運行計画管理レコード301に記録されている場合には、未割振の地域指定郵便は残っていないことになる。この場合(ステップS4−4において「NO」の場合)、作業管理システム20の制御部21は、地域指定郵便割振処理を終了する。
【0106】
一方、業務運行計画管理レコード301に記録されていない区分口識別子が残っている場合(ステップS4−4において「YES」の場合)には、作業管理システム20の制御部21は、作業終了時刻の取得処理を実行する(ステップS4−5)。具体的には、制御部21の地域指定郵便割振手段216は、業務運行計画表管理データベース30から、この配達対象地域の区域識別子及び猶予期間内の各配達予定日が設定されたすべての業務運行計画管理レコード301を抽出する。次に、地域指定郵便割振手段216は、抽出した業務運行計画管理レコード301に関連付けられているランク別作業計画レコード302の中で、業務運行計画管理レコード301に設定されている担当者ランク識別子が記録されたレコードを特定する。そして、地域指定郵便割振手段216は、このランク別作業計画レコード302に記録されている作業終了時刻を取得する。
【0107】
次に、作業管理システム20の制御部21は、終業時刻までの作業残り時間の算出処理を実行する(ステップS4−6)。具体的には、制御部21の地域指定郵便割振手段216は、猶予期間内の各配達予定日の作業終了時刻を、予め定められた終業時刻から減算することにより、作業残り時間を算出する。
【0108】
この場合、ステップS4−3において地域指定郵便を割振っている場合には、地域指定郵便割振手段216は、猶予期間内の配達予定日毎に、地域指定郵便物の配達所要時間を減算する。この場合、地域指定郵便割振手段216は、各配達エリアにおける地域指定郵便配達所要時間の算出処理を実行する。具体的には、地域指定郵便割振手段216は、地域指定郵便物の区分口識別子配達対象地域の総配達箇所数を、配達区分口管理データベース22から取得する。次に、地域指定郵便割振手段216は、ステップS3−1〜ステップS3−3と同様な処理により、区分口別作業時間を算出する。なお、ここでは、業務運行計画管理レコード301のランク識別子についてのみの区分口別作業時間を算出する。
【0109】
次に、地域指定郵便割振手段216は、同じ配達予定日に関連付けられた区分口識別子の区分口別作業時間を加算して、各配達予定日における地域指定郵便物の配達所要時間の算出処理を実行する。そして、地域指定郵便割振手段216は、各配達予定日の作業残り時間から、算出した各地域指定郵便物の配達所要時間を更に減算することにより、ステップS4−3において地域指定郵便を割振った場合における終業時刻までの作業残り時間を算出する。
【0110】
次に、作業管理システム20の制御部21は、終業時刻までに割振りが可能か否かを判定する(ステップS4−7)。具体的には、制御部21の地域指定郵便割振手段216は、作業残り時間において、担当者ランクに対応する区分口別作業時間を用いて、地域指定郵便の配達を、猶予期間内の配達予定日の順番に、順次、割り当てる。ここでは、地域指定郵便割振手段216は、未割振の区分口識別子について、配達区分口レコード220に記録された配達順番を特定する。そして、地域指定郵便割振手段216は、この配達順番に従って、地域指定郵便物の配達所要時間を順次、加算する。この場合、配達予定日の作業残り時間に、地域指定郵便物の配達所要時間が達した場合には、そのときの配達エリア
の次の順番の配達エリアから、この配達予定日の次の日の残り時間に割り当てる。更に、猶予期間内の最終の配達予定日は、未割振の最後の区分口識別子の配達エリアにおける地域指定郵便物の配達所要時間までを割り当てる。この処理においても、上述した地域指定郵便配達所要時間の算出処理を実行することにより、配達箇所数の増加による作業時間増減率を考慮して計算する。更に、地域指定郵便割振手段216は、加算した配達エリアの区分口識別子を、その配達予定日に関連付けて記憶しておく。
【0111】
そして、地域指定郵便割振手段216は、配達エリアのすべての区分口識別子を、猶予期間内の各配達予定日に割り当てた場合、猶予期間の最終日において作業終了時刻が終業時刻を越えるかどうかを判断する。
【0112】
図9には、猶予期間において、通常配達の配達時間に対して、終業時刻まで地域指定郵便の配達を割り当てた場合を示している。ここで、図9(a)の場合には、猶予期間の最終日(配達期限)においては、終業時刻Teまでに配達を終了している。この場合には、終業時刻までに割振りが可能と判断する。一方、図9(b)の場合には、猶予期間の最終日において、終業時刻Teまでに配達を終了することができない。この場合には、終業時刻までに割振りができないと判断する。
【0113】
終業時刻までに割振りが可能な場合(ステップS4−7において「YES」の場合)、作業管理システム20の制御部21は、終業時刻までの地域指定郵便の割振処理を実行する(ステップS4−8)。具体的には、制御部21の地域指定郵便割振手段216は、猶予期間内の各配達予定日に割り当てた区分口識別子を、各配達予定日の業務運行計画管理レコード301の地域指定郵便物配達指定データ領域に記録する。これにより、地域指定郵便物の配達を各担当者に割振る。
【0114】
一方、終業時刻までに割振りが不可能な場合(ステップS4−7において「NO」の場合)、作業管理システム20の制御部21は、余剰量を配達猶予期間に分散する処理を実行する(ステップS4−9)。具体的には、地域指定郵便割振手段216は、猶予期間内の各配達予定日における終業時刻に対して、所定の超過勤務時間を加算した仮想終了時刻を算出する。そして、ステップS4−7と同様に、地域指定郵便割振手段216は、仮想終了時刻までの作業残り時間において、地域指定郵便の配達を順次、割り当てていく。
【0115】
ここで、猶予期間の最終日において、仮想終了時刻よりも早く配達が終了する場合には、各配達予定日における超過勤務時間を短くして、仮想終了時刻を早くするように調整する。一方、猶予期間の最終日において、仮想終了時刻よりも遅く配達が終了する場合には、各配達予定日における超過勤務時間を長くして、仮想終了時刻を遅くするように調整する。このような調整により、地域指定郵便割振手段216は、猶予期間内において作業終了時刻が均等になるような超過勤務時間を算出する。
【0116】
猶予期間内において作業終了時刻が均等になった場合、地域指定郵便割振手段216は、猶予期間内の各配達予定日に割り当てた区分口識別子を、各配達予定日の業務運行計画管理レコード301の地域指定郵便物配達指定データ領域に記録する。これにより、地域指定郵便の配達を各担当者に割振る。以上により、地域指定郵便割振処理を終了する。
【0117】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 本実施形態では、作業管理システム20の制御部21は、郵便物の配達量(通数)とランクに応じた能率とから、ランク別の内務作業の作業時間及び午前出発時刻を算出して業務運行計画表管理データベース30に記憶する。制御部21は、郵便物の配達量(箇所数)を用いて配達量の増減率(箇所数増減率)を算出し、これを用いてランク別の外務作業時間を算出する。制御部21は、ランク別の午前出発時刻や外務作業時間等を用
いて、ランク別の午前帰着時刻、午後出発時刻、午後帰着時刻及び作業終了時刻を算出して業務運行計画表管理データベース30に記憶する。制御部21は、業務運行計画表管理データベース30に記録した業務運行計画管理レコード301及びランク別作業計画レコード302を用いて、業務運行計画表画面500を表示する。この業務運行計画表画面500には、配達区域毎に、ランク別のランク識別子、各ランクの午前出発時刻、午前帰着時刻、午前処理数、午後出発時刻、午後帰着時刻及び作業終了時間が表示される。更に、各配達区域を担当する担当者のランクが他のランクとは異なる状態で表示される。このため、担当者は、自分のランクに応じた適切な作業スケジュールを把握することができる。従って、担当者は、作業スケジュールを把握しながら作業を進めることができるので、よりスムーズに作業を行なうことができる。また、担当者は自分のランク以外のランクの作業終了時刻も併せて把握することができる。従って、レベルアップを図る意識付けをすることができる。
【0118】
(2) 本実施形態では、地域指定郵便割振処理において、猶予期間内に計画配達郵便物の配達予定がある場合(ステップS4−2において「YES」の場合)には、作業管理システム20の制御部21は、計画配達郵便物が配達される配達エリアの区分口識別子と、地域指定郵便物を配達する区分口識別子とが一致するように割振る(ステップS4−3)。このため、計画配達郵便物と地域指定郵便物とを一緒に配達するので、配達箇所の数を抑えて配達作業時間を短縮することが期待できる。従って、配達作業時間を短縮する作業スケジュールを作成することができる。
【0119】
(3) 本実施形態では、地域指定郵便割振処理において終業時刻までに割振りが可能な場合(ステップS4−7において「YES」の場合)には、作業管理システム20の制御部21は、この割振に応じて地域指定郵便の配達を割り当てる。このため、制御部21は、配達日について猶予期間が設定されている地域指定郵便物については、作業残り時間がある場合に配達を行なう作業スケジュールを生成する。従って、超過勤務時間が短くなるような作業スケジュールを作成し、これに応じて作業を管理することができる。
【0120】
(4) 本実施形態では、地域指定郵便割振処理において終業時刻までに割振りが不可能な場合(ステップS4−7において「NO」の場合)には、作業管理システム20の制御部21は、余剰量を配達猶予期間に分散する処理を実行する(ステップS4−9)。この処理において、制御部21は、猶予期間内において作業終了時刻が均等になるような超過勤務時間を算出する。このため、超過勤務が予想される場合でも、配達猶予期間の状況に応じて作業スケジュールを作成することができる。
【0121】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ 上記実施形態においては、作業管理システム20の制御部21は、配達量の取得処理(ステップS1−1)において、区分機から取得した処理対象日の配達エリア毎の通数及び箇所数を取得して、通常配達物数管理レコード280に記録した。この場合、通常配達物数管理レコード280には、区分機から取得した通数及び箇所数だけでなく、手区分作業や書留の通数及び箇所数を、区分口識別子毎に記録してもよい。この場合には、より正確な配達作業時間を算出することができる。
【0122】
・ 上記実施形態においては、余剰量を配達猶予期間に分散する処理(ステップS4−9)において、作業管理システム20の制御部21は、作業残り時間と、勤務予定の担当者のランクに応じた作業時間とから、猶予期間内において作業終了時刻が同じになるような条件で、地域指定郵便物の配達を割り当てた。この処理において分散させる条件は、これに限られない。例えば、勤務予定の担当者ランクに関係なく、作業終了時刻(仮想終了時刻)に対する残り時間のみに応じて地域指定郵便物の配達量を分散させてもよい。また、郵便物の予測物数の予測幅の大きさに応じて、余剰量を分散させてもよい。例えば、予
測物数が実際の物数に対して変動する可能性の割合に応じて、地域指定郵便物の配達を少なくなるように分散させてもよい。
【0123】
・ 上記実施形態の業務運行計画表の出力処理(ステップS1−7)において、作業管理システム20の制御部21は、当日の業務運行計画表を含む業務運行計画表画面500を表示手段16に表示した。業務運行計画表は、表示手段16に表示するだけに限らず、印刷によって紙等に出力してもよい。
【符号の説明】
【0124】
Te…終業時刻、15…入力手段、16…表示手段、20…作業管理システム、21…制御部、22…配達区分口管理データベース、23…担当者ランク管理データベース、24…能率・増減率テーブル記憶部、25…計画配達郵便管理データベース、26…地域指定郵便管理データベース、27…勤務指定管理データベース、28…配達物数管理データベース、29…予測物数管理データベース、30…業務運行計画表管理データベース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
勤務日、配達地区識別子及び担当者識別子を関連付けて記憶した勤務指定情報記憶手段と、
担当者識別子に対して、担当者のランクを記憶した担当者情報記憶手段と、
ランク毎に、配達増減率に対して算出される作業時間増減率を記憶した増減率情報記憶手段と、
表示手段に接続された制御手段とを備えた作業管理システムであって、
前記制御手段が、
配達地区の配達量を取得する手段と、
配達量を標準配達量で除算することにより、配達増減率を算出する手段と、
この配達増減率を用いて、ランク毎の作業所要時間を算出する手段と、
この作業所要時間を用いて作業スケジュールを算出する手段と、
前記配達地区を担当する担当者識別子に関連付けられたランクを前記担当者情報記憶手段から取得する手段と、
前記配達地区におけるランク別の作業スケジュールと、この配達地区を担当する担当者のランクを表示手段に出力する手段と
を備えたことを特徴とする作業管理システム。
【請求項2】
前記制御手段は、配達日について猶予期間が設定された地域指定郵便物について、配達猶予期間、配達地区識別子を関連付けて記憶した第1配達指示情報記憶手段に接続されており、
前記制御手段が、
前記配達地区の担当者識別子に関連付けられたランクに対応する作業所要時間から、予め定められた終業時刻までの作業残り時間を算出する手段と、
前記作業残り時間において、前記担当者識別子に関連付けられたランクに応じて配達可能な地域指定郵便物の配達量を割り当てる手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項3】
前記制御手段は、地区毎に集中的に配達する計画配達郵便物について、集中配達日、配達地区識別子を関連付けて記憶した第2配達指示情報記憶手段に更に接続されており、
前記制御手段が、
前記第1配達指示情報記憶手段に記憶された配達地区識別子において、前記配達猶予期間に含まれる集中配達日が前記第2配達指示情報記憶手段に記録されている場合には、この集中配達日に前記地域指定郵便物の配達を割振る手段を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の作業管理システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記配達猶予期間の各予測日、この日の配達地区識別子及び予測配達量を記憶した予測配達量記憶手段に更に接続されており、
前記制御手段が、
前記配達猶予期間までの各日における前記予測配達量を、前記配達地区の配達量の代わりに用いて、ランク毎の作業所要時間を算出し、この予測作業所要時間を用いて作業スケジュールを算出する手段と、
前記配達猶予期間までの各日における作業残り時間を合計した時間内に、前記地域指定郵便物を配達できない場合には、超過分を前記配達猶予期間に、予め定められた条件になるように分散する手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の作業管理システム。
【請求項5】
勤務日、配達地区識別子及び担当者識別子を関連付けて記憶した勤務指定情報記憶手段と、
担当者識別子に対して、担当者のランクを記憶した担当者情報記憶手段と、
ランク毎に、配達増減率に対して算出される作業時間増減率を記憶した増減率情報記憶手段と、
表示手段に接続された制御手段とを備えた作業管理システムを用いて、作業管理を行なう方法であって、
前記制御手段が、
配達地区の配達量を取得する段階と、
配達量を標準配達量で除算することにより、配達増減率を算出する段階と、
この配達増減率を用いて、ランク毎の作業所要時間を算出する段階と、
この作業所要時間を用いて作業スケジュールを算出する段階と、
前記配達地区を担当する担当者識別子に関連付けられたランクを前記担当者情報記憶手段から取得する段階と、
前記配達地区におけるランク別の作業スケジュールと、この配達地区を担当する担当者のランクを表示手段に出力する段階と
を実行することを特徴とする作業管理方法。
【請求項6】
勤務日、配達地区識別子及び担当者識別子を関連付けて記憶した勤務指定情報記憶手段と、
担当者識別子に対して、担当者のランクを記憶した担当者情報記憶手段と、
ランク毎に、配達増減率に対して算出される作業時間増減率を記憶した増減率情報記憶手段と、
表示手段に接続された制御手段とを備えた作業管理システムを用いて、作業管理を行なうプログラムであって、
前記制御手段を、
配達地区の配達量を取得する手段、
配達量を標準配達量で除算することにより、配達増減率を算出する手段、
この配達増減率を用いて、ランク毎の作業所要時間を算出する手段、
この作業所要時間を用いて作業スケジュールを算出する手段、
前記配達地区を担当する担当者識別子に関連付けられたランクを前記担当者情報記憶手段から取得する手段、及び
前記配達地区におけるランク別の作業スケジュールと、この配達地区を担当する担当者のランクを表示手段に出力する手段
として機能することを特徴とする作業管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−180782(P2011−180782A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43423(P2010−43423)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(307044390)郵便事業株式会社 (42)