説明

使い捨ておむつ及びその製造方法

【課題】おむつの柔軟性等の低下を抑制しつつ、サイドパネルと吸収性本体との接合強度を高めた使い捨ておむつを提供すること。
【解決手段】吸収体23及び外層複合シート22を含む吸収性本体2と、伸縮性のサイドパネル3を備えた使い捨ておむつ1である。サイドパネル3は、2枚のシート31,32及び弾性部材33を有し、先端部3aにファスニングテープ4を有する。外層複合シート22は、防漏シート22aと外層接着剤層61で接合された外層不織布22bを有する。サイドパネル3は、本体側及び基端側の接着剤層35,36を有し、基端部3bが、接着剤層35と重なるか連続する補強用接着剤層63を用いて補強され、接続用接着剤層62により外層複合シート22と接合されている。おむつ幅方向において、接着剤層35は、接着剤層61より外方に離間形成され、接着剤層35,63,62,61は、おむつ幅方向に隙間が生じないように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吸収体を含む吸収性本体における、着用時に着用者の背中側に配される部分に、該吸収性本体の幅方向に伸縮する伸縮性のサイドパネルを取り付けてなる展開型の使い捨ておむつが知られている(特許文献1参照)。
この種の使い捨ておむつは、サイドパネル材を、吸収性本体とは別工程で製造しておき、これを吸収性本体に付加して製造することができるので、サイドパネルに用いる資材の使用量や該資材から生じる廃棄物を抑えることができ、環境やコスト面で優れている。
【0003】
しかし、その反面、サイドパネルの先端部に設けたファスニングテープ等を引っ張り、おむつを装着する際に、サイドパネルと吸収性本体の接合部やその近傍、あるいはサイドパネルとファスニングテープの接合部やその近傍に、裂けや破れが生じやすくなる。
そのような不都合を解消するため、前述した特許文献1においては、サイドパネルにおける、吸収性本体又はファスニングテープと重ねる部分を折り返して補強不織布層を形成し、その補強不織布層を吸収性本体やファスニングテープと接合することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−295836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1においては、前記の補強不織布層を、サイドパネルを構成するシート材の総てを一体的に折り返して形成しているため、サイドパネルの吸収性本体側の端部や、サイドパネルとファスニングテープとの接合部の剛性が高くなりすぎ、層間を接着する接着剤層も増えることから、おむつの柔軟性や通気性等が阻害されやすい。
【0006】
したがって本発明の課題は、おむつの柔軟性等の低下を抑制しつつ、サイドパネルと吸収性本体との接合強度を高めた使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、吸収体及び該吸収体の外面側に配された外層複合シートを含む吸収性本体と、該吸収性本体の一方又は両方の側部に取り付けられた伸縮性のサイドパネルを備えた使い捨ておむつであって、前記サイドパネルは、2枚のシート及び該2枚のシート間に固定された弾性部材を有し、先端部にファスニングテープが設けられており、前記外層複合シートは、液不透過性又は液難透過性の防漏シート及び該防漏シートの外面側に外層接着剤層を介して接合された外層不織布を有しており、前記サイドパネルは、前記弾性部材の前記吸収性本体側の端部又はその近傍を固定している本体側接着剤層及び該弾性部材の前記サイドパネルの先端部側の端部又はその近傍を固定している先端側接着剤層を有し、該サイドパネルの前記吸収性本体側の端部が、前記本体側接着剤層と重なるか又は連続する補強用接着剤層を用いて補強され、補強された該端部が、接続用接着剤層により前記外層複合シートと接合されており、おむつ幅方向において、前記本体側接着剤層は、前記外層接着剤層より外方に離間させて形成されており、該本体側接着剤層、前記補強用接着剤層、前記接続用接着剤層及び前記外層接着剤層は、おむつ幅方向に隙間が生じないように設けられている、使い捨ておむつを提供するものである。
【0008】
また、本発明は、吸収体及び該吸収体の外面側に配された外層複合シートを含む吸収性本体と、該吸収性本体の一方又は両方の側部に取り付けられた伸縮性のサイドパネルを備えた使い捨ておむつであって、前記サイドパネルは、2枚のシート及び該2枚のシート間に固定された弾性部材を有し、先端部にファスニングテープが設けられており、前記外層複合シートは、液不透過性又は液難透過性の防漏シート及び該防漏シートの外面側に外層接着剤層を介して接合された外層不織布を有しており、前記吸収性本体は、前記吸収体の内面側に配された表面シート及び該表面シートの両側部に接合された立体ガード形成用シートを備えており、前記立体ガード形成用シートは、一枚のシートが折り返されて積層され、その層間が接合されている2層構造部分を有しており、該2層構造部分が前記サイドパネルと接合されている、使い捨ておむつを提供するものである(以下、第2発明という場合は、この発明をいう)。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、おむつの柔軟性等の低下を抑制しつつ、サイドパネルと吸収性本体との接合強度を高めた使い捨ておむつが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態である使い捨ておむつを、表面シート側から見た展開平面図である。
【図2】図2は、図1に示す使い捨ておむつの着用状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に示す使い捨ておむつのサイドパネル及びその近傍を示す拡大平面図である。
【図4】図4は、図3のIV−IV線断面図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態におけるサイドパネル及びその近傍を示す断面図(図4相当図)である。
【図6】図6は、本発明の第3実施形態におけるサイドパネル及びその近傍を示す断面図(図4相当図)である。
【図7】図7は、本発明の第4実施形態におけるサイドパネル及びその近傍を示す断面図(図4相当図)である。
【図8】図8は、第1実施形態におけるサイドパネルの製造方法の一例を示す斜視図である。
【図9】図9は、第2実施形態におけるサイドパネルの製造方法の一例を示す斜視図である。
【図10】図10は、本発明の更に他の実施形態を示す展開平面図である。
【図11】図11は、本発明の更に他の実施形態におけるサイドパネルを示す拡大平面図である。
【図12】図12は、本発明の更に他の実施形態におけるサイドパネルを示す拡大平面図である。
【図13】図13は、サイドパネルと吸収性本体との好ましい接合態様を示すサイドパネル及びその近傍の拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を、その好ましい実施態様に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の第1実施形態の使い捨ておむつ1(以下、おむつ1ともいう)は、図1に示すように、吸収体23及び該吸収体23の外面側に配された外層複合シート22を含む吸収性本体2と、該吸収性本体2の両側部に取り付けられたサイドパネル3,3を備えている。
【0012】
吸収性本体2は、図1に示すように、縦長の形状を有しており、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部A、着用者の背側に位置する背側部B、及び股間部に位置する股下部Cを有している。吸収性本体2は、図1に示すように、平面状に拡げた状態において長方形状である。サイドパネル3,3は、背側部Bにおける吸収性本体2の両側部に、それぞれ吸収性本体2の両側縁部から外方に突出するように取り付けられている。
使い捨ておむつ1の長手方向は、図中のY方向であり、吸収性本体の長手方向と同方向である。使い捨ておむつ1の幅方向は、図中のX方向であり、吸収性本体2の幅方向と同方向である。以下の説明においては、おむつの長手方向又は該おむつの構成部材のおむつ長手方向に対応する方向を単にY方向、おむつの幅方向又は該おむつの構成部材のおむつ幅方向に対応する方向を単にX方向ともいう。また、おむつやおむつの構成部材における内面は、着用時に、着用者の肌側に向けられる面であり、おむつやおむつの構成部材における外面は、着用時に、着用者の肌とは反対側に向けられる面である。
【0013】
吸収性本体2は、図1及び図4に示すように、液透過性の表面シート21と、外層複合シート22と、これら両シート21,22間に介在された液保持性の吸収体23とを有している。外層複合シート22は、液不透過性又は液難透過性(撥水性を含む)の防漏シート22aと、該防漏シート22aの外面側(図4中Q側)に外層接着剤層61を介して接合された外層不織布22bとを有している。外層不織布22bは、吸収性本体2と平面視形状が等しく、防漏シート22aは、図4に示すように、X方向の幅が若干小さい以外は、外層不織布22bと同様の平面視形状を有している。外層不織布22bの存在により、おむつ外面の肌触りが良好である。
【0014】
また、吸収性本体2の長手方向の両側部には、該長手方向に沿って立体ガード形成用シート24,24が配設されている。立体ガード形成用シート24は、吸収性本体2の長手方向の両側部において、表面シート21、該表面シートの側縁から延出した外層複合シート22及びサイドパネル3を構成するシート31に接着剤層62,66〜68を介して固定されている。接着剤層62,66,67は、吸収性本体2の略全長に亘って形成されているが、接着剤層68は、腹側部A及び背側部Bに設けられている一方、股下部Cには設けられていない。
各立体ガード形成用シート24は、吸収性本体2の幅方向(X方向)内方側の端縁近傍に該端縁に沿って立体ガード形成用の弾性部材25を有しており、着用時には、その弾性部材25の収縮力により、股下部Cにおける、該端縁から所定幅の部分が表面シート21から離間して立体ガードを形成する。また、吸収性本体2の長手方向両側部の脚廻りに配される部分には、レッグギャザー形成用の弾性部材26が配されている。
【0015】
図4に示す立体ガード形成用シート24は、一枚のシートを、図4に示すように折り畳んで2層構造とし、その2層間を、散点状に配した熱融着部(不図示)により接合して一枚のシート状となしたものである。これに代えて、一枚のシートを、折り畳むことなく、立体ガード形成用シート24として用いることもできる。また、図5に示すように、一枚のシートを、弾性部材25を固定する部分のみを2層構造として用いることもできる。
【0016】
おむつ1は、図1に示すように、吸収性本体2の長手方向中央線CLに対して左右対称に形成されている。そのため、サイドパネル3,3の構成及びそれらと吸収性本体2及びファスニングテープ4との接合態様については、主に図1の左側のサイドパネルを例に説明するが、右側のサイドパネルについても左右対称となる以外は同様である。
【0017】
おむつ1におけるサイドパネル3は、図3に示すように、平面状に拡げた状態において、矩形状である。また、サイドパネル3は、図4に示すように、不織布製の2枚のシート31,32と、2枚のシート31,32間に、おむつ幅方向(X方向)に伸長した状態で固定されている複数本の弾性部材33とを有している。サイドパネル3の先端部3aには、サイドパネル3を、他の部位に止着するためのファスニングテープ4が設けられている。
弾性部材33は、それぞれ、おむつ1の幅方向(X方向)に沿って配されている。また、各サイドパネル3における複数本の弾性部材33は、おむつの長手方向(Y方向)に略等しい間隔を設けて配されている。
【0018】
第1実施形態のおむつ1におけるサイドパネル3は、図3及び図4に示すように、本体側接着剤層35、先端側接着剤層36及び複数本の中間接着剤層37を有している。これらの接着剤層35,36,37は、何れも、おむつ長手方向(Y方向)に延びて形成されている。また、これらの接着剤層35,36,37においては、複数本の弾性部材33が、各接着剤層を構成する接着剤を介して2枚のシート31,32間に固定されていると共に、弾性部材33が介在していない部位においては2枚のシート31,32どうしが各接着剤層を構成する接着剤を介して直接接合されている。
【0019】
本体側接着剤層35は、サイドパネル3の延出方向における吸収性本体2側に設けられており、個々の弾性部材33の、吸収性本体2側の端部又はその近傍を固定している。先端側接着剤層36は、サイドパネル3の延出方向における先端部3a側に設けられており、個々の弾性部材33の、サイドパネル3の先端部3a側の端部又はその近傍を固定している。中間接着剤層37は、サイドパネル3の延出方向における本体側接着剤層35と先端側接着剤層36との間の領域である中間領域30に複数本設けられている。中間接着剤層37は、前記の両接着剤層35,36の何れよりも幅が小さく、中間領域30に間欠的に複数本形成されている。サイドパネル3の延出方向において、本体側接着剤層35とそれと隣接する中間接着剤層37との間、隣接する中間接着剤層37どうし間、及び、先端側接着剤層36とそれと隣接する中間接着剤層37との間には、それぞれ、接着剤が配されていない非接着領域38が形成されている。本実施形態のおむつ1においては、サイドパネル3の延出方向は、おむつ幅方向と一致している。
【0020】
本体側接着剤層35、先端側接着剤層36及び中間接着剤層37は、何れも、X方向に延びる複数本(より好ましくは3本以上)の弾性部材33と交差しておむつ長手方向(Y方向)に延びている。本体側接着剤層35、先端側接着剤層36及び中間接着剤層37は、何れも、X方向に延びる総ての弾性部材33と交差しておむつ長手方向(Y方向)に延びていることが好ましく、サイドパネル3の上下縁3u,3d間の全長に亘っていることが更に好ましい。
非接着領域38も同様に、X方向に延びる複数本(より好ましくは3本以上)の弾性部材33と交差しておむつ長手方向(Y方向)に延びている。非接着領域38も、X方向に延びる総ての弾性部材33と交差しておむつ長手方向(Y方向)に延びていることが好ましく、サイドパネル3の上下縁3u,3d間の全長に亘っていることが更に好ましい。
【0021】
第1実施形態におけるサイドパネル3は、図4に示すように、吸収性本体2側の端部3b(以下、基端部3bともいう)が、本体側接着剤層35と一部が重なる補強用接着剤層63を用いて補強されている。より具体的には、図4に示すように、サイドパネル3を構成する前記2枚のシート31,32のうちの、サイドパネル3の外面側(図4中Q側)に位置するシート32が、サイドパネル3の基端部3bにおいて該シート32の外面側(図4中Q側)に折り返されており、その折り返された部分が、補強用接着剤層63を介して該シート32の外面に接合されている。
他方、サイドパネル3を構成する前記2枚のシート31,32のうちの、サイドパネル3の内面側(図4中P側)に位置するシート31は、該シート31の外面側にも内面側にも折り返されていない。サイドパネル3の基端部3bは、このような構成によって補強されているため、剛性が適度に高く、またX方向の引っ張り力に対して破損しにくい充分な強度を有するものとなっている。
なお、サイドパネルを構成するシートを折り返す方向に関し、「シートの内面側」は図中P側(サイドパネルの着用者の肌側に向けられる面側)であり、「シートの外面側」は図中Q側(サイドパネルの着用者の肌とは反対側に向けられる面側)である。
【0022】
そして、サイドパネル3は、このようにして補強された基端部3bが、接続用接着剤層62によって外層複合シート22と接合されている。図4に示す接続用接着剤層62は、サイドパネル3の基端部3bと防漏シート22aとの間を接合していると共に、サイドパネル3の基端部3bと、防漏シート22aの端縁から延出した外層不織布22bとの間、及び防漏シート22aと立体ガード形成用シート24及び/又は表面シート21との間を接合している。サイドパネルの基端部3bは防漏シート22aと外層不織布22bとが外層接着剤層61と一体化された部分に接合されていることが好ましい。換言すれば、サイドパネルの基端部3b(吸収性本体側の端部)は、防漏シート22aと外層不織布22bとが外層接着剤層61を介して一体化された部分に接合されていることが好ましい。
【0023】
図4に示すように、おむつ1の幅方向(X方向)において、本体側接着剤層35は、外層接着剤層61より外方に離間させて形成されている。即ち、本体側接着剤層35は、外層接着剤層61のおむつ幅方向外方側の端部61aより外方(図4中左側)に形成されており、本体側接着剤層35と外層接着剤層61とは、相互に重なる部分を有することなくX方向に離間させて形成されている。
他方、おむつ幅方向(X方向)において、本体側接着剤層35、補強用接着剤層63、接続用接着剤層62及び外層接着剤層61は、おむつ幅方向に隙間(接着剤層の不存在部)が生じないように重ね合わされている。即ち、本体側接着剤層35及び補強用接着剤層63は相互に重なる部分P3を有し、補強用接着剤層63及び接続用接着剤層62も相互に重なる部分P2を有し、接続用接着剤層62及び外層接着剤層61も相互に重なる部分P1を有している。相互に重なる2つの接着剤層間には一枚のシートが介在しており、一方の接着剤層が該シートの片面に接合しており、他方の接着剤層が該シートの他面に接合している。
また、本体側接着剤層35、補強用接着剤層63、接続用接着剤層62及び外層接着剤層61は、幅方向中心位置をX方向にずらして形成されている。また、これらの接着剤層35,63,62,61は、サイドパネル3の先端部3a側の端部35a,63a,62a,61aが、X方向の外方側(図4中左側)から内方側(図4中右側)に向かって、この順に並ぶように配されている。
【0024】
本体側接着剤層35、補強用接着剤層63、接続用接着剤層62及び外層接着剤層61は、上述した態様(特に図4に示す態様)で、ファスニングテープ4のY方向の全長に亘って延在していることが好ましく、同様の態様で、サイドパネル3のY方向の全長に亘って延在していることがより好ましい。
【0025】
また、第1実施形態におけるサイドパネル3は、図4に示すように、その先端部3aも、先端側接着剤層36と一部が重なる第2補強用接着剤層64を用いて補強されている。より具体的には、図4に示すように、サイドパネル3を構成する前記2枚のシート31,32のうちの、サイドパネル3の外面側(図4中Q側)に位置するシート32が、サイドパネル3の先端部3aにおいて該シート32の外面側(図4中Q側)に折り返されており、その折り返された部分が、第2補強用接着剤層64を介して該シート32の外面に接合されている。他方、サイドパネル3の内面側(図4中P側)に位置するシート31は、該シート31の外面側にも内面側にも折り返されていない。サイドパネル3の先端部3aは、このような構成によって補強されているため、適度に剛性が高く、またX方向の引っ張り力に対して破損しにくい充分な強度を有するものとなっている。
【0026】
そして、サイドパネル3は、このようにして補強された先端部3aが、第2接続用接着剤層65によってファスニングテープ4と接合されている。
ファスニングテープ4は、テープ基材42と、該テープ基材42に接合されて止着部41を形成する機械的面ファスナーのオス部材とからなる。そして、ファスニングテープ4における、テープ基材42のみからなる部分が、サイドパネル3の先端部3aに重ねて接合されている。本実施形態においては、サイドパネル3の先端部3aとテープ基材42との間は、第2接続用接着剤層65を介して接合されている。機械的面ファスナーのオス部材をテープ基材42に固定する方法としては、熱融着や接着剤による接着等の任意の接合方法が用いられる。
なお、おむつ1の腹側部Aの外面には、ファスニングテープ4、より具体的にはファスニングテープ4の止着部41を止着させるランディングゾーン5が設けられている。
【0027】
図4に示すように、おむつ1の幅方向(X方向)において、先端側接着剤層36は、第2接続用接着剤層65より内方に離間させて形成されている。即ち、先端側接着剤層36は、第2接続用接着剤層65のおむつ幅方向内方側の端部65bより内方(図4中右側)に形成されており、先端側接着剤層36と第2接続用接着剤層65とは、相互に重なる部分を有することなくX方向に離間させて形成されている。
他方、おむつ幅方向(X方向)において、先端側接着剤層36、第2補強用接着剤層64及び第2接続用接着剤層65は、おむつ幅方向に隙間(接着剤層の不存在部)が生じないように重ね合わされている。即ち、先端側接着剤層36及び第2補強用接着剤層64は相互に重なる部分P4を有し、第2補強用接着剤層64及び第2接続用接着剤層65も相互に重なる部分P5を有している。相互に重なる2つの接着剤層間には一枚のシートが介在しており、一方の接着剤層が該シートの片面に接合しており、他方の接着剤層が該シートの他面に接合している。
また、先端側接着剤層36、第2補強用接着剤層64及び第2接続用接着剤層65は、幅方向中心位置をX方向にずらして形成されている。また、これらの接着剤層36,64,65は、それぞれのX方向の両端部のうちの、サイドパネル3の基端部3b側の端部36b,64b,65bが、X方向の内方側(図4中右側)から外方側(図4中左側)に向かって、この順に並ぶように配されている。
【0028】
先端側接着剤層36及び第2補強用接着剤層64は、上述した態様(特に図4に示す態様)で、ファスニングテープ4のY方向の全長に亘って延在していることが好ましく、同様の態様で、サイドパネル3のY方向の全長に亘って延在していることがより好ましい。第2接続用接着剤層65は、ファスニングテープ4のY方向の全長の50%以上の長さに亘って、上述した態様(特に図4に示す態様)で延在していることが好ましく、同様の態様で、ファスニングテープ4のY方向の全長に亘って延在していることがより好ましい。
【0029】
第1実施形態の使い捨ておむつ1を、着用者に装着する際には、ファスニングテープ4を手で引っ張り、サイドパネル3を伸長させた状態で、該ファスニングテープ4の止着部41を、ランディングゾーン5に押し付けて止着する。
【0030】
第1実施形態におけるサイドパネル3によれば、サイドパネル3の基端部3bが、シート32の折り返し及び補強用接着剤層63により補強されている一方、本体側接着剤層35と外層接着剤層61とがX方向に離間しているため、シート31から外層不織布22bまでの総ての層間がX方向の同じ位置で接合されている場合に比して、サイドパネル3の基端部3bやその付近に過度に硬くなった部分が生じることを防止することができる。
X方向に離間する接着剤層が本体側接着剤層35と外層接着剤層61であることの意義は、サイドパネル3と外層複合シート22の接着強度の向上や、接着したときの外観向上にある。サイドパネル3における本体側接着剤層35の配設箇所は弾性部材33の収縮によって皴になりやすい。本体側接着剤層35と外層接着剤層61とがX方向に離間していない場合、外層複合シート22と、サイドパネル3の皴を有する面とが接合してしまい、接触面積が減って接合強度が低下してしまう。また、サイドパネル3の皴が接合によって外層複合シートの外面にも現れてしまう。しかしながら、おむつ1においては、X方向に離間する接着剤層が本体側接着剤層35と外層接着剤層61であるため、そのような不具合を回避することができる。
また、シート31,32等に不織布等の通気性シートを用いることにより、サイドパネル3と吸収性本体2との接合部付近に良好な通気性を確保することも容易となる。
【0031】
他方、本体側接着剤層35、補強用接着剤層63、接続用接着剤層62及び外層接着剤層61が、相互間に隙間が生じないように重ね合わされ、接着剤層が、X方向に実質的に連続しているため、サイドパネル3及び吸収性本体2における、本体側接着剤層35から外層接着剤層61に亘る部分に、サイドパネル3を引っ張っても破損しにくい充分な強度を確保することができる。
【0032】
しかも、第1実施形態のサイドパネル3によれば、サイドパネル3の先端部3aも、シート32の折り返し及び第2補強用接着剤層64により補強されており、補強された先端部3aが、第2接続用接着剤層65によりファスニングテープ4と接合されているため、サイドパネル3におけるファスニングテープ4の固定箇所の強度を強化できる。
更に、先端側接着剤層36と第2接続用接着剤層65とがX方向に離間しているため、シート31からファスニングテープ4のテープ基材42までの総ての層間がX方向の同位置で接合されている場合に比して、ファスニングテープ4とサイドパネル3との接続部やその付近に過度に硬くなった部分が生じることを防止することができる。また、シート31,32等に不織布等の通気性シートを用いることにより、サイドパネル3と先端部3a付近に良好な通気性を確保することも容易となる。
【0033】
他方、先端側接着剤層36、第2補強用接着剤層64及び第2接続用接着剤層65が、相互間に隙間が生じないように重ね合わされ、接着剤層がX方向に実質的に連続しているため、ファスニングテープ4及びサイドパネル3における、第2接続用接着剤層65から先端側接着剤層36に亘る部分に、ファスニングテープ4を引っ張っても破損しにくい充分な強度を確保することができる。
第1実施形態のおむつ1においては、上記の構成を有するため、ファスニングテープ4やサイドパネル3に強い引っ張り力が加わっても、ファスニングテープ4から吸収性本体2に亘る全域において裂けや破れ等の破損が生じにくい。
【0034】
なお、第1実施形態の使い捨ておむつ1における中間領域30には、中間接着剤層37が、隣接する接着剤層との間に非接着領域38を設けて形成されており、おむつ1の自然状態においては、弾性部材33の収縮によって、非接着領域38における2枚のシート31,32が、それぞれ弾性部材33から離れる方向に膨出し、サイドパネル3の両面に、複数本の弾性部材33に跨るように延びる複数本の襞(図示せず)が形成される。そして、その襞は、おむつの着用状態においても完全には消失しない。そのため、サイドパネル3における、接着剤層36〜37により硬くなった部分、特に中間接着剤層37によって硬くなった部分が、着用者の肌に当たりにくく、違和感を与えにくい。
【0035】
前述した、本体側接着剤層35、補強用接着剤層63、接続用接着剤層62、外層接着剤層61、先端側接着剤層36、第2補強用接着剤層64、第2接続用接着剤層65及び中間接着剤層37は、そのそれぞれを挟む2枚のシートの何れか一方又は双方に各種公知の方法により接着剤を塗工した後、それら2枚のシートを重ね合わせて加圧することにより形成することができる。
【0036】
なお、各接着剤層を形成する接着剤の塗工パターンは、接着剤塗工機として、スプレーガン、コーターガン等を用いて、所謂ベタ塗りすることが好ましいが、接着剤塗工機として、ビードガン、スパイラルスプレーガン、オメガ字状スプレーガン、転写ロール等を用いて、直線状、スパイラル状、オメガ字状、ドット状等のパターン塗工を行うこともできる。
【0037】
サイドパネル3に配する弾性部材33は、サイドパネル3の柔軟性向上や伸縮性の確保の観点から、その幅(Y方向の寸法)や直径が、好ましくは0.1mm以上であり、また、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下であり、より具体的には、0.1〜2mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1mmである。
また、サイドパネル3に配する弾性部材33の本数は、好ましくは4本以上、より好ましくは10本以上であり、また、好ましくは30本以下であり、より好ましくは20本以下であり、より具体的には、4〜30本程度とすることが好ましく、より好ましくは10〜20本である。
【0038】
上述したよう一又は二以上の効果をより確実に得る観点等から、本体側接着剤層35と補強用接着剤層63とが重なる部分P3の幅は、好ましくは2mm以上、より好ましくは4mm以上であり、また、10mm以下であることが好ましく、特に4〜10mmであることが好ましい。同観点等から、補強用接着剤層63と接続用接着剤層62とが重なる部分P2の幅は、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上であり、また、20mm以下であることが好ましく、特に10〜20mmであることが好ましい。同観点等から、接続用接着剤層62と外層接着剤層61とが重なる部分P1の幅は、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上であり、また、20mm以下であることが好ましく、特に10〜20mmであることが好ましい。また、本体側接着剤層35と外層接着剤層61との離間距離は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また、10mm以下であることが好ましく、、特に5〜10mmであることが好ましい。また、補強用接着剤層63の幅は、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上であり、また、20mm以下であることが好ましく、特に10〜20mmであることが好ましい。
【0039】
同様の観点から、先端側接着剤層36と第2補強用接着剤層64とが重なる部分P4の幅は、好ましくは2mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また、10mm以下であることが好ましく、特に5〜10mmであることが好ましい。同様の観点から、第2補強用接着剤層64と第2接続用接着剤層65とが重なる部分P5の幅は、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上であり、また、15mm以下であることが好ましく、特に10〜15mmであることが好ましい。また、先端側接着剤層36と第2接続用接着剤層65との離間距離は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また、10mm以下であることが好ましく、特に5〜10mmであることが好ましい。また、第2補強用接着剤層64の幅は、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上であり、また、20mm以下であることが好ましく、特に10〜20mmであることが好ましい。
前記部分P1〜P5、補強用接着剤層63及び第2補強用接着剤層64の幅、本体側接着剤層35と外層接着剤層61との離間距離、及び先端側接着剤層36と第2接続用接着剤層65との離間距離は、何れもX方向に沿って測定した寸法又は距離である。
【0040】
これらの各部の寸法等は、弾性部材33等の弾性部材を伸長させて、サイドパネルやおむつを設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態で測定する。
【0041】
なお、第1実施形態のおむつ1におけるサイドパネル3は、図4に示すように、サイドパネル3の内面側を構成するシート31も、立体ガード形成用シート24に、表面側接着剤層66によって接合されており、本体側接着剤層35と表面側接着剤層66との間もX方向に離間している。これにより、表面側接着剤層66による接合により、サイドパネル3の吸収性本体2に対する接合強度が向上するとともに、その接合部付近の剛性が過度に高まることも防止される。また、おむつ1におけるサイドパネル3は、本体側接着剤層35及び先端側接着剤層36のそれぞれにも弾性部材33が伸長状態で固定されている。
【0042】
また、第1実施形態のおむつ1における立体ガード形成用シート24は、図4に示すように、一枚のシートが折り返されて積層され、その層間が熱融着により接合されている2層構造部分を有している。そして、その2層構造部分が、表面側接着剤層66を介してサイドパネル3、より具体的にはサイドパネル3の内面側のシート31と接合されている。立体ガード形成用シート24の2層構造部分がサイドパネル3と接合されていることで、サイドパネル3の吸収性本体2に対する接合強度が向上する。また、第1実施形態のおむつ1における立体ガード形成用シート24は、サイドパネル3に接合された外側の2層構造部分と、接着剤層67,68を介して表面シート21と接合された内側の2層構造部分とを有しており、それによって、サイドパネル3の吸収性本体2に対する接合強度が一層向上している。また、サイドパネル3と接合された2層構造部分は、図4に示すように、接続用接着剤層62を介して外層複合シート22にも接合されている。第1実施形態のおむつ1は、第2発明の一実施形態である。
【0043】
おむつ1における立体ガード形成用シート24は、吸収性本体2の両側部の内面を形成している。また、立体ガード形成用シート24は、吸収体23の内面側に配された表面シート21の両側部に接合されている。サイドパネル3は、このような立体ガード形成用シート24に形成した2層構造部分と接合されていることが好ましい。
【0044】
2層構造部分の層間を接合する熱融着には、例えばヒートシール、超音波シール、高周波シール、又はこれらの2種以上の組み合わせ等を用いることができる。また、散点状に配した接着剤により接合することもできる。
また、シールパターンは、散点状に熱融着部が形成されるドットパターンが好ましいが、それに制限されるものではなく、例えば、線状の熱融着部がおむつ1の長手方向等に1本又は複数本形成される線状パターンや、格子状パターン等であっても良い。また、2種以上のシールパターンを併用しても良く、例えば、サイドパネル3に接合された外側の2層構造部分と、表面シート21と接合された内側の2層構造部分とで、シールパターンを異ならせても良い。
【0045】
おむつ1の構成材料について説明する。
サイドパネル3を構成するシート31,32、ファスニングテープ4のテープ基材42としては、従来、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられている各種のシート材を、特に制限なく用いることができる。
例えば、シート31,32、テープ基材42としては、不織布、織物、フィルム又はこれらの積層シート等を用いることができる。
吸収性本体2を構成する表面シート21、外層複合シート22、吸収体23としては、それぞれ、従来、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられるもの等を、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては、親水性且つ液透過性の不織布や立体開孔フィルム等を用いることができる。外層複合シート22としては、防漏シート22aが、液不透過性又は液難透過性(撥水性を含む)の樹脂フィルム、外層不織布22bが、各種製法による不織布(例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布等)からなるものを用いることができる。外層不織布22bは多層構造のものであっても良い。また、吸収体23としては、パルプ繊維等の繊維の集合体(不織布であっても良い)又はこれに吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コアを、透水性の薄紙や不織布からなるコアラップシートで被覆したもの等を用いることができる。立体ガードを構成する立体ガード形成用シート24としては、フィルム、不織布、織物又はこれらの積層シート等を用いることができる。
【0046】
弾性部材33、立体ガードを構成する弾性部材25、レッグ部弾性部材26としては、天然ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン等のポリエチレン−αオレフィン共重合体等からなる糸状ないし紐状の弾性部材を用いることができる。一枚のサイドパネルに配する複数本の弾性部材33は、同一種類のものが同一の伸長率で配されていることが、製造コストや製造工程の簡易化等の観点から好ましい。
弾性部材33を固定する接着剤34をはじめ、各部材間を接合するための接着剤の好ましい材料としては、非晶性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体(EEA)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などの熱可塑性ポリマー及びそれらの混合物等が挙げられる。接着剤はホットメルト型が好ましい。
【0047】
次に、本発明の第2〜第4実施形態の使い捨ておむつについて説明する。第2〜第4実施形態の使い捨ておむつは、サイドパネルの構成、及びサイドパネルの吸収性本体及びファスニングテープとの接合態様が第1実施形態と異なる。第2〜第4実施形態については、第1実施形態と異なる点について主として説明し、同様の点については同一の符号を付して説明を省略する。特に言及しない点については、第1実施形態に関する説明が適宜適用される。
【0048】
第2実施形態におけるサイドパネル3Aは、図5に示すように、吸収性本体2側の端部3b(基端部3b)が、本体側接着剤層35と連続する補強用接着剤層63Aを用いて補強されている。より具体的には、図5に示すように、サイドパネル3を構成する2枚のシート31,32のうちの、サイドパネル3の外面側(図5中Q側)に位置するシート32が、サイドパネル3の基端部3bにおいて該シート32の内面側(図5中P側)に折り返されており、その折り返された部分が、補強用接着剤層63Aを介して該シート32の内面に接合されている。他方、サイドパネル3の内面側(図5中P側)に位置するシート31は、該シート31の外面側にも内面側にも折り返されていない。また、シート32の折り返された部分とシート31との間には接着剤が配されていない。サイドパネル3Aの基端部3bは、このような構成によって補強されているため、剛性が適度に高く、またX方向の引っ張り力に対して破損しにくい充分な強度を有するものとなっている。
サイドパネル3Aは、このようにして補強された基端部3bが、接続用接着剤層62によって外層複合シート22の防漏シート22aと接合されている。
【0049】
図5に示すように、第2実施形態のおむつにおいても、おむつの幅方向(X方向)において、本体側接着剤層35は、外層接着剤層61より外方に離間させて形成されている。即ち、本体側接着剤層35は、外層接着剤層61のおむつ幅方向外方側の端部61aより外方(図5中左側)に形成されており、本体側接着剤層35と外層接着剤層61とは、相互に重なる部分を有しないようにX方向に離間させて形成されている。
また、おむつ幅方向(X方向)において、本体側接着剤層35、補強用接着剤層63A、接続用接着剤層62及び外層接着剤層61は、おむつ幅方向に隙間(接着剤層の不存在部)が生じないように設けられている。より具体的には、本体側接着剤層35及び補強用接着剤層63Aは、連続しているか又は端部どうしが密着しており、補強用接着剤層63A及び接続用接着剤層62は相互に重なる部分P2を有し、接続用接着剤層62及び外層接着剤層61も相互に重なる部分P1を有している。補強用接着剤層63Aと接続用接着剤層62との間、及び接続用接着剤層62と外層接着剤層61との間には、それぞれ一枚のシートが介在しており、該シートに隣接する2つの接着剤層のうちの一方が該シートの片面に接合しており、他方が該シートの他面に接合している。
また、本体側接着剤層35、補強用接着剤層63A、接続用接着剤層62及び外層接着剤層61は、サイドパネル3の先端部3a側の端部35a,63a,62a,61aが、X方の外方側(図5中左側)から内方側(図5中右側)に向かって、この順に並ぶように配されている。
【0050】
本体側接着剤層35、補強用接着剤層63、接続用接着剤層62及び外層接着剤層61は、上述した態様(特に図5に示す態様)で、ファスニングテープ4のY方向の全長に亘って延在していることが好ましく、同様の態様で、サイドパネル3のY方向の全長に亘って延在していることがより好ましい。
【0051】
第2実施形態におけるサイドパネル3Aは、図5に示すように、その先端部3aも、先端側接着剤層36と連続する第2補強用接着剤層64Aを用いて補強されている。より具体的には、図5に示すように、サイドパネル3Aを構成する2枚のシート31,32のうちの、サイドパネル3の外面側(図5中Q側)に位置するシート32が、サイドパネル3Aの先端部3aにおいて該シート32の内面側(図5中P側)に折り返されており、その折り返された部分が、第2補強用接着剤層64Aを介して該シート32の内面に接合されている。他方、サイドパネル3Aの内面側(図5中P側)に位置するシート31は、該シート31の外面側にも内面側にも折り返されていない。サイドパネル3Aの先端部3aは、このような構成によって補強されているため、適度に剛性が高く、またX方向の引っ張り力に対して破損しにくい充分な強度を有するものとなっている。
サイドパネル3Aは、このようにして補強された先端部3aが、第2接続用接着剤層65によってファスニングテープ4と接合されている。
【0052】
図5に示すように、おむつの幅方向(X方向)において、先端側接着剤層36は、第2接続用接着剤層65より内方に離間させて形成されている。即ち、先端側接着剤層36は、第2接続用接着剤層65のおむつ幅方向内方側の端部65bより内方(図5中右側)に形成されており、先端側接着剤層36と第2接続用接着剤層65とは、相互に重なる部分を有しないようにX方向に離間させて形成されている。
また、おむつ幅方向(X方向)において、先端側接着剤層36、第2補強用接着剤層64A及び第2接続用接着剤層65は、おむつ幅方向に隙間(接着剤層の不存在部)が生じないように設けられている。より具体的には、先端側接着剤層36及び第2補強用接着剤層64Aは、連続しているか又は端部どうしが密着しており、第2補強用接着剤層64A及び第2接続用接着剤層65も相互に重なる部分P5を有している。相互に重なる2つの接着剤層間には、それぞれ一枚のシートが介在している。そして、第2補強用接着剤層64Aと第2接続用接着剤層65との間には、一枚のシートが介在しており、2つの接着剤層のうちの一方が該シートの片面に接合し、他方が該シートの他面に接合している。
また、先端側接着剤層36、第2補強用接着剤層64A及び第2接続用接着剤層65も、幅方向中心位置をX方向にずらして形成されている。また、これらの接着剤層36,64A,65は、サイドパネル3の基端部3b側の端部36b,64b,65bが、X方向の内方側(図4中右側)から外方側(図4中左側)に向かって、この順に並ぶように配されている。
【0053】
先端側接着剤層36及び第2補強用接着剤層64Aは、上述した態様(特に図5に示す態様)で、ファスニングテープ4のY方向の全長に亘って延在していることが好ましく、同様の態様で、サイドパネル3のY方向の全長に亘って延在していることがより好ましい。第2接続用接着剤層65は、ファスニングテープ4のY方向の全長の50%以上の長さに亘って、上述した態様(特に図5に示す態様)で延在していることが好ましく、同様の態様で、ファスニングテープ4のY方向の全長に亘って延在していることがより好ましい。
第2実施形態のおむつによれば、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。またシート32が内面側に折り返されるため、第1実施形態のおむつに比べて、サイドパネル3の先端部3a側においてファスニングテープ4操作時の作用力や使用者の指等の引っかかりなどによるシート32の折り返し部の引き剥がし(補強用接着剤層の剥離)の恐れがない。
【0054】
第3実施形態のおむつのサイドパネル3Bにおいては、図6に示すように、サイドパネル3Bを構成する2枚のシート31,32のうちの、サイドパネル3Bの内面側(図6中P側)に位置するシート31が、サイドパネル3Bの基端部3b及び先端部3aのそれぞれにおいて、該シート32の外面側(図6中Q側)に折り返されており、その折り返された部分が、補強用接着剤層63及び第2補強用接着剤層64を介して該シート32の外面に接合されている。そして、このようにして補強されたサイドパネル3Bの基端部3b及び先端部3aが、接続用接着剤層62及び第2接続用接着剤層65を介して、外層複合シート22及びファスニングテープ4に接合されている。
【0055】
第3実施形態においても、おむつの幅方向(X方向)において、本体側接着剤層35は、外層接着剤層61より外方に離間させて形成されており、また、おむつ幅方向(X方向)において、本体側接着剤層35、補強用接着剤層63、接続用接着剤層62及び外層接着剤層61は、おむつ幅方向に隙間(接着剤層の不存在部)が生じないように重なり合っている。
また、第3実施形態においても、おむつの幅方向(X方向)において、先端側接着剤層36は、第2接続用接着剤層65より内方に離間させて形成されており、また、おむつ幅方向(X方向)において、先端側接着剤層36、第2補強用接着剤層64及び第2接続用接着剤層65は、おむつ幅方向に隙間(接着剤層の不存在部)が生じないように重なり合っている。
そのため、第3実施形態のおむつによれば、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。また、第1実施形態のおむつに比べて、サイドパネル3を構成するシート31と補強用接着剤層64、63とが連続しているため、サイドパネル3の強度が向上する。
【0056】
第4実施形態のおむつのサイドパネル3Cにおいては、図7に示すように、サイドパネル3Cを構成する2枚のシート31,32は、サイドパネル3Cの基端部3b及び先端部3aの何れにおいても折り返されていない。その代わりに、弾性部材33を伸長状態で固定できない程度の弱い接着力の接着剤を用いて、補強用接着剤層63C及び第2補強用接着剤層64Cが形成されている。補強用接着剤層63C及び第2補強用接着剤層64Cを構成する接着剤は、シート32に接合されているが、シート31に対しても接合することが好ましい。それらの両接着剤層63C,64Cによって、サイドパネル3Cの基端部3b及び先端部3aが補強されている。補強用接着剤層63C及び第2補強用接着剤層64Cを構成する接着剤は、シート32に、坪量10g/m2以下で塗工されていることが好ましい。
他方、本体側接着剤層35及び先端側接着剤層36は、弾性部材33を伸長状態で固定できる相対的に強い接着力の接着剤を用いて形成されており、本体側接着剤層35及び先端側接着剤層36のそれぞれにおいては、シート31,32どうしが接合され、また弾性部材33が伸長状態でシート31,32間に固定されている。
【0057】
補強用接着剤層63Cが、シート32及びシート31の両者に接合している場合であっても、補強用接着剤層63Cを構成する接着剤の種類、塗工パターン又は塗布量(坪量)等が、本体側接着剤層35を構成する接着剤と異なれば、補強用接着剤層63Cと本体側接着剤層35との判別は容易である。補強用接着剤層63Cを構成する接着剤は、それを直接塗工したシートとは反対側のシートに対する接着力が、本体側接着剤層35を構成する接着剤の同シートに対する接着力よりも弱くなるようにする。
また、第2補強用接着剤層64Cが、シート32及びシート31の両者に接合している場合であっても、第2補強用接着剤層64Cを構成する接着剤の種類、塗工パターン又は塗布量(坪量)等が、先端側接着剤層36を構成する接着剤と異なれば、第2補強用接着剤層64Cと本体側接着剤層35との判別は容易である。第2補強用接着剤層64Cを構成する接着剤は、それを直接塗工したシートとは反対側のシートに対する接着力が、先端側接着剤層36を構成する接着剤の同シートに対する接着力よりも弱くなるようにする。
【0058】
補強用接着剤層63C及び第2補強用接着剤層64Cを、それぞれ、シート31とシート32の両者に結合したものとする場合、それらの接着剤層は、シート32側に塗工した接着剤をシート31にも結合させて形成しても良いし、シート31側に塗工した接着剤をシート32にも結合させて形成しても良い。
【0059】
第4実施形態においても、おむつの幅方向(X方向)において、本体側接着剤層35は、外層接着剤層61より外方に離間させて形成されており、また、おむつ幅方向(X方向)において、本体側接着剤層35、補強用接着剤層63C、接続用接着剤層62及び外層接着剤層61は、おむつ幅方向に隙間(接着剤層の不存在部)が生じないように設けられている。
また、第4実施形態においても、おむつの幅方向(X方向)において、先端側接着剤層36は、第2接続用接着剤層65より内方に離間させて形成されており、また、おむつ幅方向(X方向)において、先端側接着剤層36、第2補強用接着剤層64C及び第2接続用接着剤層65は、おむつ幅方向に隙間(接着剤層の不存在部)が生じないように重なり合っている。
そのため、第4実施形態のおむつによれば、第1及び/又は第2実施形態と同様の作用効果が奏される。なお、第4実施形態のおむつによれば、シート32が外面側に折り返されていないため、第1実施形態のおむつに比べて、サイドパネル3の先端部3a側においてファスニングテープ4の操作時の作用力や使用者の指等の引っかかりなどによるシート32の折り返し部の引き剥がし(補強用接着剤層の剥離)の恐れがない利点がある。また、図7中のP2で示す区間において、補強用接着剤層63Cを介して全部のシート(立体、パネル、防漏、外層)が一体化されている場合、接合強度が高まる。
【0060】
本発明の使い捨ておむつやサイドパネルは、その製造方法に何ら制限がなく、任意の方法により製造することができる。
本発明の使い捨ておむつにおけるサイドパネルの製造方法の好ましい例について、第1〜第4実施形態のおむつにおけるサイドパネル3,3A〜3Cを製造する場合を例に説明する。
【0061】
第1実施形態におけるサイドパネル3の好ましい製造方法の一例について、図8を参照して説明すると、図8に示す伸縮性シートの製造装置7は、所定間隔離間して平行配置された一対の糸搬送用長手構造体71,71と、一対の該糸搬送用長手構造体に弾性部材を巻回して該弾性部材の向きを該糸搬送用長手構造体の長手方向(図中R方向)に交差する向きとする弾性体巻回手段72と、該弾性体巻回手段72に巻回されて該糸搬送用長手構造体により搬送される該弾性部材33を、一対の帯状シート31’,32’間に挟んで一体化する一体化手段73とを備えている。糸搬送用長手構造体71としては、R方向に移動する順走部分とR方向とは逆向きに移動する逆送部分とを有し、順走部分のみが弾性部材33と係合して該弾性部材33をR方向に搬送する無端ベルトが好ましく用いられる。無端ベルトは、プーリーやギアに架け渡し、そのプーリーやギアを回転させて駆動させる。また、個々の糸搬送用長手構造体71として、そのような無端ベルトを一本のみ使用することもできるが、図8や図9に示すように、個々の糸搬送用長手構造体71として、そのような無端ベルトを上下二段に配したものを用いることが好ましい。上下のベルトに速度差を設けることにより、一対の糸搬送用長手構造体71,71に巻き付けた当初は、平面視ジグザグ状であった弾性部材33の向きを、弾性部材33がR方向に間隔を開けて多数平行状に配向した状態に修正した上で一対の帯状シート31’,32’間に固定することができる。糸搬送用長手構造体71として、周面に溝や凸条を螺旋状に設けた丸棒状体で中心軸線周りに回転駆動されるものを用いることもできる。
【0062】
サイドパネル3の好ましい製造方法においては、図8に示すように、シート32の原反である帯状シート32’に、補強用接着剤層63及び第2補強用接着剤層64を形成するための接着剤63’及び64’を、公知の接着剤塗工機75により、それぞれ帯状に連続塗工し、次いで、それら両接着剤63’及び64’を覆うように、該帯状シート32’の両側部を、セーラーガイド(不図示)等により、帯状シート31’と対向しない面側に折り返す。他方、シート31の原反である帯状シート31’には、本体側接着剤層35、先端側接着剤層36及び中間接着剤層37を形成するための接着剤34を、公知の接着剤塗工機76により、それぞれ帯状に連続塗工する。なお、接着剤34は、帯状シート32’に連続塗工してもよい。
そして、接着剤塗工後の両帯状シート31’,32’を、両者間に、伸長状態の弾性部材33が挟まれるように合流させ、一体化手段73としての一対のニップロール74で、それらを上下から加圧して一体化させる。そして、側方に延出する弾性部材33を、切断刃を備えたカッター等の切断手段77により切断することにより、伸縮性シート3’が得られる。
そして、得られた伸縮性シート3’を、任意の切断手段により、個々のサイドパネルの長さに順次切断する。このようにして、第1実施形態のサイドパネル3を効率よく連続生産することができる。
【0063】
本発明の使い捨ておむつの製造方法においては、上記のサイドパネル3又は該サイドパネル3が長手方向(Y方向)に連続した構成の伸縮性シートの連続ウェブ3’を用いる以外は、従来公知の方法に従って、使い捨ておむつを製造することができる。
【0064】
例えば、サイドパネル3が連なった構成の伸縮性シートの連続ウェブ3’を用いて、第1実施形態の使い捨ておむつ1を製造する好ましい製造方法は、下記工程(I)〜(VI)を具備する。
(I)第2接続用接着剤層65を形成するための接着剤が塗られたファスニングテープ4の連続ウェブをカットして、伸縮性シートの連続ウェブ3’に間欠的に取り付ける工程。カットされたファスニングテープ4は、前記の接着剤を介して、伸縮性シートの連続ウェブ3’に固定する。ファスニングテープ4の連続ウェブは、カットする前に、その長手方向に沿って、止着部41の連続体が固定されていることが好ましい。
(II)ファスニングテープ4を折り返し、止着部41を介して該伸縮性シートの連続ウェブ3’に仮止めする工程。この工程においては、ファスニングテープ4における、伸縮性シートの連続ウェブ3’の側縁から延出している部分を折り返して、止着部41を介して仮止めする。
(III)接続用接着剤層62を形成するための本体接続用の接着剤を、伸縮性シートの連続ウェブ3’に連続的に塗工する工程。
(IV)伸縮性シートの連続ウェブ3’をカットし、それを、外層複合シートの連続ウェブ、又は表面シート複合連続体に取り付ける工程。
表面シート複合連続体は、ウェブ立体ガード形成用シートの連続ウェブと表面シートの連続ウェブとを一体化して得られる。ウェブ立体ガード形成用シートの連続ウェブと表面シートの連続ウェブは、接着剤層67,68を介して一体化する。この工程においては、伸縮性シートの連続ウェブ3’をカットして得られたファスニングテープ付きのサイドパネル3を、外層複合シートの連続ウェブ又は表面シート複合連続体に取り付ける。外層複合シート22の連続ウェブに対して取り付ける際には接着剤層62を介して取り付け、該サイドパネル3を、表面シート複合連続体に対して取り付ける際には表面側接着剤層66を介して取り付ける。
【0065】
(V)外層複合シート22の連続ウェブと表面シート複合連続体とを、両者間に吸収体23を挟み込んで一体化する工程。
前記(IV)の工程において、ファスニングテープ付きのサイドパネル3を、外層複合シートの連続ウェブに取り付ける場合には、その連続ウェブの片面上に吸収体を配置し、表面シート複合連続体を、その吸収体の反対側の面を覆うように重ねる。そして、外層複合シートの連続ウェブと表面シート複合連続体との間を接着剤、ヒートシール、超音波シール等の任意の方法により接合する。他方、前記(IV)の工程において、ファスニングテープ付きのサイドパネル3を、表面シート複合連続体に取り付ける場合には、その表面シート複合連続体の片面上に吸収体を配置し、外層複合シートの連続ウェブを、その吸収体の反対側の面を覆うように重ねる。そして、外層複合シートの連続ウェブと表面シート複合連続体との間を接着剤、ヒートシール、超音波シール等の任意の方法により接合する。
(VI)得られたおむつ連続体を、個々の使い捨ておむつに切断する工程。
【0066】
好ましい製造方法においては、例えば上記のサイドパネル3又は該サイドパネル3が長手方向に連なった構成の伸縮性シート3’を用いて以下の(1)〜(9)の手順でおむつを効率的に製造可能である。(1)第2接続用接着剤層65を形成するための接着剤が塗られたファスニングテープ4の連続ウェブをカットして、上記のようにして得られた伸縮性シート3’の連続ウェブに間欠的に取り付ける。(2)ファスニングテープ4を折り返して伸縮性シート3’に止着部41を介して仮止めする。(3)接続用接着剤層62を形成するための(本体接続用の)接着剤を伸縮性シート3’に連続的に塗工する。(4)別工程で、立体ガード形成用シート24の連続ウェブと表面シート21の連続ウェブとを一体化させて、吸収性本体の肌当接面形成を形成する表面シート複合連続体を形成する。(5)別工程で、防漏シート22aの連続ウェブと外層不織布22bの連続ウェブを一体化させ外層複合シート22の連続体を形成する。(6)伸縮性シート3’を間欠的にカットして表面シート21(及び/又は立体ガード)、あるいは、外層複合シート22に取り付ける。(7)表面シート21と外層複合シート22の間に吸収体23を挟みこんで一体化する。(8)製品両側(サイドパネル飛び出し部)を内側に折りたたむ。(9)製品1個にカットする。
【0067】
第2実施形態のサイドパネル3Aの好ましい製造方法の一例について図9を参照して説明すると、図9に示す伸縮性シートの製造装置7も、図8に示す伸縮性シートの製造装置7と同様の構成を有する、一対の糸搬送用長手構造体71,71、弾性体巻回手段72、一体化手段73、切断手段77等を備えている。
そして、サイドパネル3Aの好ましい製造方法においては、図9に示すように、シート32の原反である帯状シート32’に、補強用接着剤層63A及び第2補強用接着剤層64Aを形成するための接着剤63A’及び64A’を、公知の接着剤塗工機75により、それぞれ帯状に連続塗工し、次いで、それら両接着剤63A’及び64A’の全体又は少なくとも幅方向の一部を覆うように、該帯状シート32’の両側部を、セーラーガイド(不図示)等により、帯状シート31’と対向する面側に折り返す。尚、この折り返しの際には、折り返した部分の縁部から接着剤63A’及び64A’が若干露出するように折り返すことが好ましい。
【0068】
次いで、その帯状シート32’の折り返した部分どうし間に、本体側接着剤層35、先端側接着剤層36及び中間接着剤層37を形成するための接着剤34が位置するように、接着剤34を、接着剤塗工機76により、それぞれ帯状に、帯状シート31’又は帯状シート32’に対して連続塗工する。この接着剤の塗工は、折り返した部分の縁部から露出する接着剤63A’に、本体側接着剤層35を形成する接着剤の一部が重なり、折り返した部分の縁部から露出する接着剤64A’に、先端側接着剤層36を形成する接着剤の一部が重なるように塗工することが好ましい。
そして、接着剤34塗工後の両帯状シート31’,32’を、両者間に、伸長状態の弾性部材33が挟まれるように合流させ、一体化手段73としての一対のニップロール74で、それらを上下から加圧して一体化させる。そして、側方に延出する弾性部材33を、切断刃を備えたカッター等の切断手段77により切断することにより、伸縮性シート3A’が得られる。
そして、得られた伸縮性シート3A’を、任意の切断手段により、個々のサイドパネルの長さに順次切断する。このようにして、第2実施形態のサイドパネル3Aを効率よく連続生産することができる。
【0069】
第3実施形態のサイドパネル3Bの好ましい製造方法の一例について、上述した第1実施形態のサイドパネル3の製造方法との相違点を明かにしつつ図8を参照して説明する。
サイドパネル3Bの好ましい製造方法においては、シート31の原反である帯状シート31’として、シート32の原反である帯状シート32’よりも幅広のものを用い、該帯状シート31’に、本体側接着剤層35、先端側接着剤層36及び中間接着剤層37を形成するための接着剤34を帯状に連続塗工する。そして、その帯状シート31’と、接着剤63’,64’の塗工も両側部の折り返しもしない帯状シート32’とを、両者間に伸長状態の弾性部材33が挟まれるようにして合流させ、一体化手段73としての一対のニップロール74で、それらを上下から加圧して一体化させる。そして、側方に延出する弾性部材33を、切断刃を備えたカッター等の切断手段77により切断する。
次いで、帯状シート32’の両側縁から延出する帯状シート31’の両側部に、補強用接着剤層63及び第2補強用接着剤層64を形成するための接着剤63’及び64’を帯状に連続塗工し、その両側部を、セーラーガイド(不図示)等により、帯状シート32’の帯状シート31’と対向しない面上に折り返して押し付ける。そして、得られた伸縮性シートを、任意の切断手段により、個々のサイドパネルの長さに順次切断する。このようにして、第3実施形態のサイドパネル3Bを効率よく連続生産することができる。
接着剤34は、全部又は一部の接着剤層を形成するための接着剤を、帯状シート31’に代えて帯状シート32’に塗工しても良い。また、接着剤63’及び64’も、帯状シート31’に代えて、帯状シート32’における該帯状シート31’の両側部を重ねる部位に塗工しても良い。
【0070】
第4実施形態のサイドパネル3Cの好ましい製造方法の一例について、上述した第1実施形態のサイドパネル3の製造方法との相違点を明かにしつつ図8を参照して説明する。
サイドパネル3Cの好ましい製造方法においては、帯状シート31’及び帯状シート32’として幅が略等しいものを用いる。
そして、帯状シート32’に、補強用接着剤層63C及び第2補強用接着剤層64Cを形成するための接着剤63’及び64’を、それぞれ帯状に連続塗工する一方、帯状シート31’に、本体側接着剤層35、先端側接着剤層36及び中間接着剤層37を形成するための接着剤34を、それぞれ帯状に連続塗工する。
次いで、接着剤塗工後の両帯状シート31’,32’を、両者間に、伸長状態の弾性部材33が挟まれるように合流させ、一体化手段73としての一対のニップロール74で、それらを上下から加圧して一体化させる。そして、側方に延出する弾性部材33を、切断刃を備えたカッター等の切断手段77により切断する。そして、得られた伸縮性シートを、任意の切断手段により、個々のサイドパネルの長さに順次切断する。このようにして、第4実施形態のサイドパネル3Cを効率よく連続生産することができる。
【0071】
なお、帯状シート32’に接着剤63’及び64’を塗工し、帯状シート31’に接着剤34を塗工するのに代えて、帯状シート31’に接着剤63’及び64’を塗工し、帯状シート32’に接着剤34を塗工することもできる。
接着剤63’,64’を直接塗布しない方の帯状シート31’又は32’に、補強用接着剤層63C及び第2補強用接着剤層64Cが接合されないようにするには、接着剤63’,64’の塗工を接着剤34の塗工よりも早い時期に行うことや、一方の帯状シートに接着剤63’,64’の塗工した後、それらの接着剤を冷却手段により冷却・固化させてから他方の帯状シートを重ねることが好ましい。
【0072】
本発明の使い捨ておむつの製造方法は、上述のようにして得たサイドパネル3A〜3Cを用いて、使い捨ておむつを製造するものであっても良く、その場合も、サイドパネル3A〜3Cを用いる以外は、従来公知の方法に従って、使い捨ておむつを製造することができる。
【0073】
一対の帯状シート間に弾性部材を挟持固定させる装置として、特許文献1の図11及び図12等に示された装置を用いることもできる。
【0074】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記の各実施形態に制限されず、種々の変更可能である。
【0075】
例えば、ファスニングテープ4は、不織布等からなるテープ基材の片面に、機械的面ファスナーのオス部材を熱融着や接着剤等により貼り付けてなるものに代えて、不織布等からなるテープ基材の片面に粘着剤を塗布して粘着剤からなる止着部を形成したものであっても良い。また、機械的面ファスナーのオス部材からなる止着部41を止着させるランディングゾーンは、外層複合シート22の外面に、機械的面ファスナーのメス部材を接合して形成しても良いし、外層複合シート22の外面を、係合性に富む不織布から構成し、その所定領域をランディングゾーンとしても良い。
また、ファスニングテープ4は、図10に示す使い捨ておむつ1Aにおけるように、腹側部Aにおける吸収性本体2の両側部に設けた一対の腹側パネル8,8に止着させるものであっても良い。腹側パネル8の形成材料としては、不織布、織物、フィルム又はこれらの積層シート等を用いることができる。
【0076】
また、図4等には、ファスニングテープ4のテープ基材42を、シート32の外面(シート31側ではない面)側に、接着剤により接合した例を示したが、テープ基材42を、シート31の内面(シート32側ではない面)側に、接着剤により接合したり、シート31及び/又は32の相対向する面に、接着剤により接合することもできる。
【0077】
また、使い捨ておむつは、立体ガードを有しないものであっても良く、サイドパネル3,3A〜3Cを、吸収性本体2の両側部において、表面シート21及び外層複合シート22に接合して固定しても良い。
【0078】
また、弾性部材33は、概ね、おむつの幅方向に沿って配されていることが好ましく、例えば、おむつ長手方向中央線CLに直交する直線に対して、平行に配されていても良いし、30%以下の角度をなすように配されていても良い。また、図11に示すように、弾性部材33がジグザグに形成されていてもよい。
また、図4に示した例においては、サイドパネル3の、先端側接着剤層36よりもX方向の外方(図4中左側)に、シート31,32が接着剤では接着されていない先端側非接着領域が形成され、サイドパネル3の、本体側接着剤層35よりも中央線CL側に、シート31,32が接着剤では接着されていない本体側非接着領域が形成されていたが、図12に示すように、そのような、先端側非接着領域及び/又は本体側非接着領域は形成されていなくても良い。
また、ファスニングテープ4を有するサイドパネル3,3A〜3Cは、吸収性本体2の長手方向の左右両側のうちの何れか一方の側のみに形成されていてもよい。また、中間領域30は、全域が非接着領域38からなるものであっても良い。
【0079】
また、本体側接着剤層35と先端側接着剤層36との間に、Y方向に連続する中間接着剤層37を設けるのに代えて、シート31,32どうしが、弾性部材33と重ならない部位において熱融着した多数の熱融着部を設けても良い。また、本体側接着剤層35と先端側接着剤層36との間の全域において、シート31,32どうしが、前記両接着層35,36の接着剤に比して接着力が弱い接着剤によって接合されていても良い。
【0080】
また、前述の第1実施形態〜第3実施形態は、サイドパネル3を構成するシート31又はシート32を折り返して補強用接着剤層63(第2補強用接着剤層64)と接合していたが、折り返さずに別材のシートを重ねて配置し補強用接着剤層63(第2補強用接着剤層64)と接合しても良い。
【0081】
また、上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
【0082】
図13は、本発明におけるサイドパネル3と吸収性本体2との好ましい接合態様を示すサイドパネル及びその近傍の拡大平面図である。
図13に示す実施形態においては、前述した第1実施形態のおむつ1と同様に、立体ガード形成用シート24は、一枚のシートが折り返されて積層され、その層間が熱融着により接合されている2層構造部分24a,24bを有している。より具体的には、サイドパネル3に接合された外側の2層構造部分24aと、表面シート21の側部に重ねて該表面シート21と接合された内側の2層構造部分24bとを有している。
外側の2層構造部分24aは、図13に示すように、散点状に配置された多数の熱融着部27により層間が接合されており、内側の2層構造部分24bも、散点状に配置された多数の熱融着部27により層間が接合されている。
【0083】
外側の2層構造部分24aには、多数の熱融着部27によっておむつの長手方向に延びる帯状の接合領域28a(以下、外側接合領域28aという)が形成されている。外側接合領域28aは、サイドパネル3の吸収性本体2に対する固定強度を充分に高める観点やサイドパネル3の付け根付近の破損を防止する観点等から、おむつの長手方向における長さが、サイドパネル3の全長に亘っていることが好ましく、サイドパネル3と重なる部分から前後に延在していることが更に好ましい。外側接合領域28aは、おむつの全長に亘っていても良い。なお、熱融着部27は、立体ガード形成用シート24の立体ガード形成用の弾性部材25の近傍や、股下部C等のレッグギャザー形成用の弾性部材26が配置されている部分においては、該弾性部材を避けて設けることが好ましい。
【0084】
外側接合領域28aにおける熱融着部27は、千鳥配置で散点状に多数形成されていることが好ましく、個々の熱融着部27の面積は、下限については、0.5mm2以上が好ましく、より好ましくは1.5mm2以上であり、上限については、10mm2以下が好ましく、5mm2以下がより好ましい。また、外側接合領域28aは、熱融着部27の中心点間距離が、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは3mm以下であり、下限は、熱融着部27どうしが接する距離である。また、外側接合領域28aは、熱融着部27の面積率が、下限については、2%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上であり、上限については、15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下である。
熱融着部27の面積率(%)は、外側接合領域28aの総面積に対する熱融着部27の合計面積の割合(%)である。外側接合領域28aの総面積は、熱融着部27が同様のパターンで分布している領域の面積であり、熱融着部27とそれ以外の部分とを含む面積の合計である。
【0085】
このように熱融着部27で立体ガード形成用シート24の剛性、強度を高めた構成の外側接合領域28aとサイドパネル3とを接合することによって、サイドパネル3の吸収性本体2に対する固定強度を容易に高めることができ、またサイドパネル3の付け根付近の破損が防止される。外側接合領域28aとサイドパネル3との接合には、ホットメルト型接着剤等の接着剤を用いることが好ましいが、ヒートシール、超音波シール、高周波シール等を用いることもできる。外側接合領域28aとサイドパネル3との接合部も、サイドパネル3の全長に亘っていることが好ましく、サイドパネル3からその前後に延在していることが更に好ましい。
【0086】
内側の2層構造部分24bにも、多数の熱融着部27によっておむつの長手方向に延びる帯状の接合領域28b(以下、内側接合領域28bという)が形成されている。内側接合領域28bは、サイドパネル3を引っ張ったときに立体ガード形成用シート24が均等に力を受け止めるようにする観点等から、おむつの長手方向における長さが、サイドパネル3の全長に亘っていることが好ましく、サイドパネル3と重なる部分から前後に延在していることが更に好ましい。内側接合領域28bも、おむつの全長に亘っていても良い。外側接合領域28aにおける熱融着部27の好ましい大きさや配置は、内側接合領域28bについての熱融着部27についても同様である。
【0087】
前述した第1、第3及び第4実施形態は、第2発明の実施形態でもあるが、第2発明におけるサイドパネル3は、その吸収性本体側の端部3bが補強されていなくても良い。また、第2発明におけるサイドパネル3については、弾性部材33のシート31,32に対する接合態様に制限はなく、サイドパネル3と外装複合シート22との接合態様にも制限はない。また、第2発明においては、おむつ幅方向(X方向)において、サイドパネル3の本体側接着剤層35と外層接着剤層61とが重なっていても良いし、本体側接着剤層35と補強用接着剤層63とが、おむつ幅方向に離間していても良い。また、接続用接着剤層62と外層接着剤層61とが、おむつ幅方向に離間していても良い。
【0088】
前述した本発明の実施態様に関し、更に以下の付記(使い捨ておむつ、使い捨ておむつの製造方法)を開示する。
【0089】
<1>吸収体及び該吸収体の外面側に配された外層複合シートを含む吸収性本体と、該吸収性本体の一方又は両方の側部に取り付けられた伸縮性のサイドパネルを備えた使い捨ておむつであって、
前記サイドパネルは、2枚のシート及び該2枚のシート間に固定された弾性部材を有し、先端部にファスニングテープが設けられており、
前記外層複合シートは、液不透過性又は液難透過性の防漏シート及び該防漏シートの外面側に外層接着剤層を介して接合された外層不織布を有しており、
前記サイドパネルは、前記弾性部材の前記吸収性本体側の端部又はその近傍を固定している本体側接着剤層及び該弾性部材の前記サイドパネルの先端部側の端部又はその近傍を固定している先端側接着剤層を有し、該サイドパネルの前記吸収性本体側の端部が、前記本体側接着剤層と重なるか又は連続する補強用接着剤層を用いて補強され、補強された該端部が、接続用接着剤層により前記外層複合シートと接合されており、
おむつ幅方向において、前記本体側接着剤層は、前記外層接着剤層より外方に離間させて形成されており、該本体側接着剤層、前記補強用接着剤層、前記接続用接着剤層及び前記外層接着剤層は、おむつ幅方向に隙間が生じないように設けられている、使い捨ておむつ。
【0090】
<2>前記本体側接着剤層、前記補強用接着剤層、前記接続用接着剤層及び前記外層接着剤層は、それぞれの幅方向中心位置をおむつ幅方向(X方向)にずらして形成されている、前記<1>記載の使い捨ておむつ。
<3>前記本体側接着剤層、前記補強用接着剤層、前記接続用接着剤層及び前記外層接着剤層は、前記サイドパネルの先端部側の端部35a,63a,62a,61aが、おむつ幅方向(X方向)の外方側(図4中左側)から内方側(図4中右側)に向かって、この順に並ぶように配されている、前記<1>又は<2>記載の使い捨ておむつ。
【0091】
<4>前記本体側接着剤層、前記補強用接着剤層、前記接続用接着剤層及び前記外層接着剤層が、前記<1>〜<3>の何れか1に規定される態様で、ファスニングテープのおむつ長手方向(Y方向)の全長、好ましくは、サイドパネルの同方向(Y方向)の全長に亘って延在している、前記<1>〜<3>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【0092】
<5>おむつの幅方向において、本体側接着剤層と補強用接着剤層とが重なる部分P3の幅が、2mm以上、好ましくは4〜10mmである、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<6>おむつの幅方向において、補強用接着剤層と接続用接着剤層とが重なる部分P2の幅が、5mm以上、好ましくは10〜20mmである、前記<1>〜<5>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【0093】
<7>おむつの幅方向において、接続用接着剤層と外層接着剤層とが重なる部分P1の幅が、5mm以上、好ましくは10〜20mmである、前記<1>〜<6>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<8>おむつの幅方向において、本体側接着剤層と外層接着剤層との離間距離が、0.5mm以上、好ましくは5〜10mmである、前記<1>〜<7>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【0094】
<9>前記サイドパネルの先端部が、前記先端側接着剤層と重なるか連続する第2補強用接着剤層を用いて補強され、補強された該先端部が、第2接続用接着剤層により前記ファスニングテープと接合されている、前記<1>〜<8>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<10>おむつ幅方向において、前記先端側接着剤層は、第2接続用接着剤層より内方に離間させて形成されており、且つ該先端側接着剤層、第2補強用接着剤層及び第2接続用接着剤層は、おむつ幅方向に隙間が生じないように設けられている、前記<9>に記載の使い捨ておむつ。
【0095】
<11>前記先端側接着剤層、第2補強用接着剤層及び第2接続用接着剤層は、それぞれの幅方向中心位置をおむつ幅方向(X方向)にずらして形成されている、前記<9>又は<10>記載の使い捨ておむつ。
<12>前記先端側接着剤層、第2補強用接着剤層及び第2接続用接着剤層は、前記サイドパネルの基端部側(吸収性本体側)の端部36b,64b,65bが、おむつ幅方向(X方向)の内方側(図4中右側)から外方側(図4中左側)に向かって、この順に並ぶように配されている、前記<9>〜<11>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【0096】
<13>前記先端側接着剤層及び第2補強用接着剤層は、前記<9>〜<12>の何れか1に規定される態様で、ファスニングテープのおむつ長手方向(Y方向)の全長、好ましくはサイドパネルの同方向(Y方向)の全長に亘って延在している、前記<9>〜<12>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【0097】
<14>おむつの幅方向において、先端側接着剤層と第2補強用接着剤層とが重なる部分P4の幅が、2mm以上、好ましくは5〜10mmである、前記<9>〜<13>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<15>おむつ幅方向において、第2補強用接着剤層と第2接続用接着剤層とが重なる部分P5の幅が、5mm以上、好ましくは10〜15mmである、前記<9>〜<14>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<16>おむつ幅方向において、先端側接着剤層と第2接続用接着剤層との離間距離が、0.5mm以上、好ましくは5〜10mmである、前記<9>〜<15>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【0098】
<17>前記サイドパネルの前記2枚のシートのうち、該サイドパネルの外面側に位置するシートのみが、該サイドパネルの前記吸収性本体側の端部及び/又は先端部において該シートの外面側に折り返され、その折り返された部分が、前記補強用接着剤層及び/又は第2補強用接着剤層を介して該シートの外面に接合されている、前記<1>〜<16>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<18>前記サイドパネルの前記2枚のシートのうち、該サイドパネルの外面側に位置するシートのみが、該サイドパネルの前記吸収性本体側の端部又は先端部において該シートの外面側に折り返され、その折り返された部分が、前記補強用接着剤層又は第2補強用接着剤層を介して該シートの外面に接合されている、前記<17>に記載の使い捨ておむつ。
<19>前記サイドパネルの前記2枚のシートのうち、該サイドパネルの外面側に位置するシートのみが、該サイドパネルの前記吸収性本体側の端部及び先端部において該シートの外面側に折り返され、その折り返された部分が、前記補強用接着剤層及び第2補強用接着剤層を介して該シートの外面に接合されている、前記<17>又は<18>に記載の使い捨ておむつ。
【0099】
<20>前記サイドパネルの前記2枚のシートのうち、該サイドパネルの外面側に位置するシートが、該サイドパネルの前記吸収性本体側の端部及び/又は先端部において該シートの内面側に折り返され、その折り返された部分が、前記補強用接着剤層及び/又は第2補強用接着剤層を介して該シートの内面に接合されている、前記<1>〜<16>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<21>前記サイドパネルの前記2枚のシートのうち、該サイドパネルの外面側に位置するシートが、該サイドパネルの前記吸収性本体側の端部又は先端部において該シートの内面側に折り返され、その折り返された部分が、前記補強用接着剤層又は第2補強用接着剤層を介して該シートの内面に接合されている、前記<20>に記載の使い捨ておむつ。
<22>前記サイドパネルの前記2枚のシートのうち、該サイドパネルの外面側に位置するシートが、該サイドパネルの前記吸収性本体側の端部及び先端部において該シートの内面側に折り返され、その折り返された部分が、前記補強用接着剤層及び第2補強用接着剤層を介して該シートの内面に接合されている、前記<20>又は<21>に記載の使い捨ておむつ。
【0100】
<23>前記サイドパネルの前記2枚のシートのうち、該サイドパネルの内面側に位置するシートが、該サイドパネルの前記吸収性本体側の端部及び先端部において該シートの外面側に折り返され、その折り返された部分が、前記補強用接着剤層及び第2補強用接着剤層を介して該シートの外面に接合されている、
前記<1>〜<16>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【0101】
<24>前記吸収性本体は、前記吸収体の内面側に配された表面シート及び該表面シートの両側部に接合された立体ガード形成用シートを備えており、
前記立体ガード形成用シートは、一枚のシートが折り返されて積層され、その層間が熱融着により接合されている2層構造部分を有しており、該2層構造部分が前記サイドパネルと接合されている、前記<1>〜<23>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【0102】
<25>前記吸収性本体の長手方向の両側部に、該長手方向に沿って立体ガード形成用シートが配設されており、該立体ガード形成用シートそれぞれは、該吸収性本体の長手方向の両側部において、表面シート、該表面シートの側縁から延出した前記外層複合シート及び前記サイドパネルを構成するシートに接着剤層を介して固定されている、前記<1>〜<24>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【0103】
<26>前記サイドパネルは、前記本体側接着剤層と前記先端側接着剤層との間に複数本の中間接着剤層を有しており、複数本の弾性部材が、該各接着剤層を構成する接着剤を介して前記2枚のシート間に固定されている、前記<1>〜<25>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【0104】
<27>前記中間接着剤層は、前記本体側接着剤層と前記先端側接着剤層との間の領域である中間領域に間欠的に複数本形成されており、本体側接着剤層とそれと隣接する中間接着剤層との間、隣接する中間接着剤層どうし間、及び、先端側接着剤層とそれと隣接する中間接着剤層との間には、それぞれ、接着剤が配されていない非接着領域が形成されている、前記<26>に記載の使い捨ておむつ。
<28>前記中間接着剤層は、前記本体側接着剤層及び前記先端側接着剤層の何れよりも幅が小さい、前記<26>又は<27>に記載の使い捨ておむつ。
<29>前記本体側接着剤層、前記先端側接着剤層及び前記中間接着剤層は、何れも、おむつ幅方向(X方向)に延びる複数本、好ましくは3本以上の弾性部材と交差しておむつ長手方向(Y方向)に延びている、前記<26>〜<28>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【0105】
<30>前記接続用接着剤層は、前記サイドパネルの基端部(吸収性本体側の端部)と前記防漏シートとの間を接合していると共に、該サイドパネルの基端部(吸収性本体側の端部)と該防漏シートの端縁から延出した外層不織布との間、及び該防漏シートと立体ガード形成用シート及び/又は表面シートとの間を接合している、前記<1>〜<29>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<31>前記吸収性本体の長手方向の両側部に、該長手方向に沿って立体ガード形成用シートが配設されており、前記接続用接着剤層は、前記サイドパネルの基端部(吸収性本体側の端部)と前記防漏シートとの間を接合していると共に、該サイドパネルの基端部(吸収性本体側の端部)と該防漏シートの端縁から延出した外層不織布との間、及び該防漏シートと立体ガード形成用シート又は表面シートとの間を接合している、前記<30>に記載の使い捨ておむつ。
<32>前記接続用接着剤層は、前記サイドパネルの基端部(吸収性本体側の端部)と前記防漏シートとの間を接合していると共に、該サイドパネルの基端部(吸収性本体側の端部)と該防漏シートの端縁から延出した外層不織布との間、及び該防漏シートと立体ガード形成用シート及び表面シートとの間を接合している、前記<30>又は<31>に記載の使い捨ておむつ。
<33>前記サイドパネルの基端部(吸収性本体側の端部)は、前記防漏シートと前記外層不織布とが外層接着剤層を介して一体化された部分に接合されている、前記<1>〜<32>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【0106】
<34>前記吸収性本体の長手方向の両側部に、該長手方向に沿って立体ガード形成用シートが配設されており、
前記サイドパネルの内面側を構成するシートも、立体ガード形成用シートに、表面側接着剤層によって接合されており、本体側接着剤層と表面側接着剤層との間もおむつ幅方向(X方向)に離間している、前記<1>〜<33>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<35>前記吸収性本体の長手方向の両側部に、該長手方向に沿って立体ガード形成用シートが配設されており、
前記立体ガード形成用シートは、前記サイドパネルに接合された外側の2層構造部分と、接着剤層を介して表面シート21と接合された内側の2層構造部分とを有している、前記<1>〜<34>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【0107】
<36>前記<17>〜<19>の何れか1に記載の使い捨ておむつの製造方法であって、
前記サイドパネルの外面側に位置するシートの原反である帯状シートに、前記補強用接着剤層及び前記第2補強用接着剤層を形成するための接着剤をそれぞれ帯状に連続塗工し、それら両接着剤を覆うように、該帯状シートの両側部を折り返す工程、該サイドパネルの内面側又は外面側に位置するシートの原反である帯状シートに、前記本体側接着剤層及び前記先端側接着剤層を形成するための接着剤をそれぞれ帯状に連続塗工する工程、及び、接着剤塗工後に、該サイドパネルを構成する前記2枚のシートの原反である両帯状シートを、両者間に弾性部材を挟んだ状態に一体化させる工程を経て、前記サイドパネルを製造する工程を具備する使い捨ておむつの製造方法。
【0108】
<37>前記<20>〜<22>の何れか1に記載の使い捨ておむつの製造方法であって、
前記サイドパネルの外面側に位置するシートの原反である帯状シートに、前記補強用接着剤層及び前記第2補強用接着剤層を形成するための接着剤をそれぞれ帯状に連続塗工し、それら両接着剤の全体又は一部を覆うように、該帯状シートの両側部を折り返す工程、該帯状シートの折り返した部分どうし間に、前記本体側接着剤層及び前記先端側接着剤層を形成するための接着剤が位置するように接着剤をそれぞれ帯状に、前記サイドパネルの内面側又は外面側に位置するシートの原反である帯状シートに対して連続塗工する工程、及び接着剤塗工後の前記両帯状シートを、両者間に弾性部材を挟んだ状態に一体化させる工程を経て、前記サイドパネルを製造する工程を具備する、使い捨ておむつの製造方法。
【0109】
<38>前記サイドパネルが連なった構成の伸縮性シートの連続ウェブを用いて、<17>〜<22>の何れか1に記載の使い捨ておむつを製造する<36>又は<37>に記載の使い捨ておむつの製造方法であって、
第2接続用接着剤層を形成するための接着剤が塗られたファスニングテープの連続ウェブをカットして、前記サイドパネルが連なった構成の前記伸縮性シートの連続ウェブに間欠的に取り付ける工程、
ファスニングテープを折り返して止着部を介して前記伸縮性シートの連続ウェブに仮止めする工程、
接続用接着剤層を形成するための本体接続用の接着剤を前記伸縮性シートの連続ウェブに連続的に塗工する工程、
前記伸縮性シートの連続ウェブをカットし、それを、外層複合シートの連続ウェブ、又は前記ウェブ立体ガード形成用シートの連続ウェブと表面シートの連続ウェブとが一体化した表面シート複合連続体に取り付ける工程、
前記外層複合シートの連続ウェブと前記表面シート複合連続体とを、両者間に吸収体を挟み込んで一体化する工程、及び、
得られたおむつ連続体を、個々の使い捨ておむつに切断する工程を具備する、使い捨ておむつの製造方法。
<39>前記サイドパネルは、所定間隔離間して平行配置された一対の糸搬送用長手構造体と、一対の該糸搬送用長手構造体に弾性部材を巻回して該弾性部材の向きを該糸搬送用長手構造体の長手方向に交差する向きとする弾性体巻回手段と、該弾性体巻回手段に巻回されて該糸搬送用長手構造体により搬送される該弾性部材、一対の帯状シート間に挟んで一体化する一体化手段とを備える伸縮性シートの製造装置を用いて製造される、前記<36>〜<38>の何れか1項に記載の使い捨ておむつの製造方法。
【0110】
<40>前記<23>に記載の使い捨ておむつの製造方法であって、
前記サイドパネルの内面側に位置するシートの原反である第1帯状シートに、前記本体側接着剤層及び前記先端側接着剤層を形成するための接着剤をそれぞれ帯状に連続塗工し、その第1帯状シートと、前記サイドパネルの外面側に位置するシートの原反である第2帯状シートとを、両者間に伸長状態の弾性部材が挟まれるようにして合流させて一体化させる工程、及び第2帯状シートの両側縁から延出する第1帯状シートの両側部に、補強用接着剤層及び第2補強用接着剤層を形成するための接着剤を帯状に連続塗工し、第2帯状シートの第1帯状シートと対向しない面上に折り返して押し付ける工程を経て、前記サイドパネルを製造する工程を具備する、使い捨ておむつの製造方法。
【0111】
<41>前記<1>〜<35>の何れか1に記載の使い捨ておむつの製造方法であって、サイドパネルが連なった構成の伸縮性シートの連続ウェブを製造し、該連続ウェブを用いて、以下の(1)〜(9)の手順で使い捨ておむつを製造する使い捨ておむつの製造方法。
(1)第2接続用接着剤層を形成するための接着剤が塗られたファスニングテープの連続ウェブをカットして、サイドパネルが連なった構成の伸縮性シートの連続ウェブに間欠的に取り付ける。(2)ファスニングテープを折り返して伸縮性シートに仮止めする。(3)接続用接着剤層を形成するための(本体接続用の)接着剤を伸縮性シートに連続的に塗工する。(4)別工程で立体ガードと表面シート21を一体化させトップシート連続体を形成する。(5)別工程で防漏シートと外層不織布を一体化させ外層複合シートを形成する。(6)伸縮性シートを間欠的にカットして表面シート(立体ガード)、あるいは、外層複合シートに取り付ける。(7)表面シートと外層複合シートの間に吸収体を挟みこんで一体化する。(8)製品両側(サイドパネル飛び出し部)を内側に折りたたむ。(9)製品1個にカットする。
<42>前記サイドパネルが連なった構成の伸縮性シートの連続ウェブを、前記<36>又は<37>に記載の「前記サイドパネルを製造する工程」の方法で製造する、使い捨ておむつの製造方法。
【0112】
<43>吸収体及び該吸収体の外面側に配された外層複合シートを含む吸収性本体と、該吸収性本体の一方又は両方の側部に取り付けられた伸縮性のサイドパネルを備えた使い捨ておむつであって、
前記サイドパネルは、2枚のシート及び該2枚のシート間に固定された弾性部材を有し、先端部にファスニングテープが設けられており、
前記外層複合シートは、液不透過性又は液難透過性の防漏シート及び該防漏シートの外面側に外層接着剤層を介して接合された外層不織布を有しており、
前記吸収性本体は、前記吸収体の内面側に配された表面シート及び該表面シートの両側部に接合された立体ガード形成用シートを備えており、
前記立体ガード形成用シートは、一枚のシートが折り返されて積層され、その層間が接合されている2層構造部分を有しており、該2層構造部分が前記サイドパネルと接合されている、使い捨ておむつ。
【0113】
<44>前記吸収性本体の長手方向の両側部に、該長手方向に沿って立体ガード形成用シートが配設されており、
前記立体ガード形成用シートは、前記サイドパネルに接合された外側の2層構造部分と、接着剤層を介して表面シートと接合された内側の2層構造部分とを有している、前記<43>に記載の使い捨ておむつ
<45>前記立体ガード形成用シートにおける、前記サイドパネルに接合された前記2層構造部分は、その層間が散点状に形成された熱融着部で接合されており、個々の熱融着部27の面積は、下限については、0.5mm2以上、好ましくは1.5mm2以上であり、上限については、10mm2以下、好ましくは5mm2以下である、<43>又は<44>に記載の使い捨ておむつ。
<46>前記立体ガード形成用シートにおける、前記サイドパネルに接合された前記2層構造部分は、その層間が熱融着部で接合されており、熱融着部の面積率が、下限については、2%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上であり、上限については、15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下である、前記<43>〜<45>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<47>前記吸収性本体の長手方向の両側部に、該長手方向に沿って立体ガード形成用シートが配設されており、該立体ガード形成用シートそれぞれは、該吸収性本体の長手方向の両側部において、表面シート、該表面シートの側縁から延出した前記外層複合シート及び前記サイドパネルを構成するシートに接着剤層を介して固定されている、前記<43>〜<46>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【符号の説明】
【0114】
1 使い捨ておむつ
2 吸収性本体
21 表面シート
22 外層複合シート
22a 防漏シート
22b 外層不織布
23 吸収体
24 立体ガード形成用シート
24a,24b 2層構造部分
3,3A〜3C サイドパネル
3a サイドパネルの先端部
3b サイドパネルの基端部(吸収性本体側の端部)
30 中間領域
31,32 シート
33 弾性部材
35 本体側接着剤層
36 先端側接着剤層
37 中間接着剤層
38 非接着領域
4 ファスニングテープ
41 止着部
42 テープ基材
5 ランディングゾーン
61 外層接着剤層
62,62A 接続用接着剤層
63,63A,63C 補強用接着剤層
64,64A,64C 第2補強用接着剤層
65 第2接続用接着剤層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収体及び該吸収体の外面側に配された外層複合シートを含む吸収性本体と、該吸収性本体の一方又は両方の側部に取り付けられた伸縮性のサイドパネルを備えた使い捨ておむつであって、
前記サイドパネルは、2枚のシート及び該2枚のシート間に固定された弾性部材を有し、先端部にファスニングテープが設けられており、
前記外層複合シートは、液不透過性又は液難透過性の防漏シート及び該防漏シートの外面側に外層接着剤層を介して接合された外層不織布を有しており、
前記サイドパネルは、前記弾性部材の前記吸収性本体側の端部又はその近傍を固定している本体側接着剤層及び該弾性部材の前記サイドパネルの先端部側の端部又はその近傍を固定している先端側接着剤層を有し、該サイドパネルの前記吸収性本体側の端部が、前記本体側接着剤層と重なるか又は連続する補強用接着剤層を用いて補強され、補強された該端部が、接続用接着剤層により前記外層複合シートと接合されており、
おむつ幅方向において、前記本体側接着剤層は、前記外層接着剤層より外方に離間させて形成されており、該本体側接着剤層、前記補強用接着剤層、前記接続用接着剤層及び前記外層接着剤層は、おむつ幅方向に隙間が生じないように設けられている、使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記本体側接着剤層、前記補強用接着剤層、前記接続用接着剤層及び前記外層接着剤層は、前記サイドパネルの先端部側のそれぞれの端部が、おむつ幅方向の外方側から内方側に向かって、この順に並ぶように配されている、請求項1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記本体側接着剤層、前記補強用接着剤層、前記接続用接着剤層及び前記外層接着剤層が、前記ファスニングテープのおむつ長手方向の全長、または前記サイドパネルのおむつ長手方向の全長に亘って延在している、請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記サイドパネルの先端部が、前記先端側接着剤層と重なるか連続する第2補強用接着剤層を用いて補強され、補強された該先端部が、第2接続用接着剤層により前記ファスニングテープと接合されている、請求項1〜3の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項5】
おむつ幅方向において、前記先端側接着剤層は、第2接続用接着剤層より内方に離間させて形成されており、且つ該先端側接着剤層、第2補強用接着剤層及び第2接続用接着剤層は、おむつ幅方向に隙間が生じないように設けられている、請求項4記載の使い捨ておむつ。
【請求項6】
前記先端側接着剤層、第2補強用接着剤層及び第2接続用接着剤層は、前記サイドパネルの吸収性本体側のそれぞれの端部が、おむつ幅方向の内方側から外方側に向かって、この順に並ぶように配されている、請求項4又は5記載の使い捨ておむつ。
【請求項7】
前記先端側接着剤層及び第2補強用接着剤層は、前記ファスニングテープのおむつ長手方向の全長、または前記サイドパネルのおむつ長手方向の全長に亘って延在している、請求項4〜6の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項8】
前記サイドパネルの前記2枚のシートのうち、該サイドパネルの外面側に位置するシートのみが、該サイドパネルの前記吸収性本体側の端部及び/又は先端部において該シートの外面側に折り返され、その折り返された部分が、前記補強用接着剤層及び/又は第2補強用接着剤層を介して該シートの外面に接合されている、請求項1〜7の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項9】
前記サイドパネルの前記2枚のシートのうち、該サイドパネルの外面側に位置するシートが、該サイドパネルの前記吸収性本体側の端部及び/又は先端部において該シートの内面側に折り返され、その折り返された部分が、前記補強用接着剤層及び/又は第2補強用接着剤層を介して該シートの内面に接合されている、請求項1〜7の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項10】
前記吸収性本体は、前記吸収体の内面側に配された表面シート及び該表面シートの両側部に接合された立体ガード形成用シートを備えており、
前記立体ガード形成用シートは、一枚のシートが折り返されて積層され、その層間が熱融着により接合されている2層構造部分を有しており、該2層構造部分が前記サイドパネルと接合されている、請求項1〜9の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項11】
請求項8記載の使い捨ておむつの製造方法であって、
前記サイドパネルの外面側に位置するシートの原反である帯状シートに、前記補強用接着剤層及び前記第2補強用接着剤層を形成するための接着剤をそれぞれ帯状に連続塗工し、それら両接着剤を覆うように、該帯状シートの両側部を折り返す工程、該サイドパネルの内面側又は外面側に位置するシートの原反である帯状シートに、前記本体側接着剤層及び前記先端側接着剤層を形成するための接着剤をそれぞれ帯状に連続塗工する工程、及び、接着剤塗工後に、該サイドパネルを構成する前記2枚のシートの原反である両帯状シートを、両者間に弾性部材を挟んだ状態に一体化させる工程を経て、前記サイドパネルを製造する工程を具備する使い捨ておむつの製造方法。
【請求項12】
請求項9記載の使い捨ておむつの製造方法であって、
前記サイドパネルの外面側に位置するシートの原反である帯状シートに、前記補強用接着剤層及び前記第2補強用接着剤層を形成するための接着剤をそれぞれ帯状に連続塗工し、それら両接着剤の全体又は一部を覆うように、該帯状シートの両側部を折り返す工程、該帯状シートの折り返した部分どうし間に、前記本体側接着剤層及び前記先端側接着剤層を形成するための接着剤が位置するように接着剤をそれぞれ帯状に、前記サイドパネルの内面側又は外面側に位置するシートの原反である帯状シートに対して連続塗工する工程、及び接着剤塗工後の前記両帯状シートを、両者間に弾性部材を挟んだ状態に一体化させる工程を経て、前記サイドパネルを製造する工程を具備する、使い捨ておむつの製造方法。
【請求項13】
前記サイドパネルが連なった構成の伸縮性シートの連続ウェブを用いて、請求項8又は9に記載の使い捨ておむつを製造する請求項11又は請求項12に記載の使い捨ておむつの製造方法であって、
第2接続用接着剤層を形成するための接着剤が塗られたファスニングテープの連続ウェブをカットして、前記サイドパネルが連なった構成の前記伸縮性シートの連続ウェブに間欠的に取り付ける工程、
ファスニングテープを折り返して止着部を介して前記伸縮性シートの連続ウェブに仮止めする工程、
接続用接着剤層を形成するための本体接続用の接着剤を前記伸縮性シートの連続ウェブに連続的に塗工する工程、
前記伸縮性シートの連続ウェブをカットし、それを、外層複合シートの連続ウェブ、又は前記ウェブ立体ガード形成用シートの連続ウェブと表面シートの連続ウェブとが一体化した表面シート複合連続体に取り付ける工程、
前記外層複合シートの連続ウェブと前記表面シート複合連続体とを、両者間に吸収体を挟み込んで一体化する工程、及び、
得られたおむつ連続体を、個々の使い捨ておむつに切断する工程を具備する、使い捨ておむつの製造方法。
【請求項14】
吸収体及び該吸収体の外面側に配された外層複合シートを含む吸収性本体と、該吸収性本体の一方又は両方の側部に取り付けられた伸縮性のサイドパネルを備えた使い捨ておむつであって、
前記サイドパネルは、2枚のシート及び該2枚のシート間に固定された弾性部材を有し、先端部にファスニングテープが設けられており、
前記外層複合シートは、液不透過性又は液難透過性の防漏シート及び該防漏シートの外面側に外層接着剤層を介して接合された外層不織布を有しており、
前記吸収性本体は、前記吸収体の内面側に配された表面シート及び該表面シートの両側部に接合された立体ガード形成用シートを備えており、
前記立体ガード形成用シートは、一枚のシートが折り返されて積層され、その層間が接合されている2層構造部分を有しており、該2層構造部分が前記サイドパネルと接合されている、使い捨ておむつ。
【請求項15】
前記2層構造部分の層間が熱融着により接合され、該2層構造部分と前記サイドパネルとが接着剤を介して接合されている、請求項14記載の使い捨ておむつ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−46751(P2013−46751A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−163345(P2012−163345)
【出願日】平成24年7月24日(2012.7.24)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】