使い捨ておむつ
【課題】所謂ゴム抜けが防止されると共にサイドパネルに十分な伸縮性を確保することができ、胴回りや脚回りに対するフィット性や着用感に優れた使い捨ておむつを提供すること。
【解決手段】本発明の使い捨ておむつは、吸収体を含む吸収性本体2とサイドパネル3を備えている。サイドパネル3は、2枚のシート31,32と、それらの間におむつ幅方向に伸長した状態で固定されている複数本の弾性部材33とを有し、先端側に止着材4が設けられている。サイドパネル3は、2枚のシート31,32間に接着剤がおむつ長手方向に連続して配されている接着領域を複数本有し、該接着領域として、弾性部材3の端部又はその近傍を固定している本体側及び先端側の接着領域35,36を有し、両接着領域35,36に挟まれた中間領域37に、接着剤が配されていない一又は複数の非接着領域38,38を有する。本体側及び先端側の接着領域35,36は幅が異なる。
【解決手段】本発明の使い捨ておむつは、吸収体を含む吸収性本体2とサイドパネル3を備えている。サイドパネル3は、2枚のシート31,32と、それらの間におむつ幅方向に伸長した状態で固定されている複数本の弾性部材33とを有し、先端側に止着材4が設けられている。サイドパネル3は、2枚のシート31,32間に接着剤がおむつ長手方向に連続して配されている接着領域を複数本有し、該接着領域として、弾性部材3の端部又はその近傍を固定している本体側及び先端側の接着領域35,36を有し、両接着領域35,36に挟まれた中間領域37に、接着剤が配されていない一又は複数の非接着領域38,38を有する。本体側及び先端側の接着領域35,36は幅が異なる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吸収体を含む吸収性本体における、着用時に着用者の背中側に配される部分に、該吸収性本体の幅方向に伸縮する伸縮性のサイドパネルを取り付けてなる展開型の使い捨ておむつが知られている(特許文献1,2参照)。この種の使い捨ておむつは、サイドパネル材を、吸収性本体とは別工程で製造しておき、これを吸収性本体に付加して製造することができるので、サイドパネルに用いる資材の使用量や該資材から生じる廃棄物を抑えることができ、環境やコスト面で優れている。
【0003】
また、特許文献1,2には、サイドパネル(止着テープ)として、弾性部材を、2枚のシート間に、それぞれおむつ幅方向に延びるように多数接着固定したものが記載されている。
しかし、特許文献1においては、弾性部材を、それを挟持する2枚のシート間に固定するにあたり、弾性部材の長さ方向に亘って同様のパターンで塗工された接着剤により固定しているため、得られたサイドパネル材は、接着剤により全体的に硬さが増大して、おむつを装着する際やおむつ着用中における伸縮性に劣るものとなったり、しなやかさに劣るものとなる。
【0004】
他方、特許文献2には、弾性部材を、それを挟持する2枚のシート間に接着剤を介して固定するにあたり、接着剤の塗布パターンとして、十分に細く十分に間隔の開いた接着線群からなる縦縞状パターンを採用することが記載されている。
しかし、弾性部材そのようなパターンで全長に亘って固定した場合には、パネル材を引き伸ばされたときに、弾性部材の端部が、該端部を固定していた接合部分から抜けてしまう、いわゆるゴム抜けという現象が生じやすくなる。なお、縦縞状パターンの縞の幅を拡大すれば、ゴム抜けは生じにくくなるが、柔軟に伸縮可能な縞間の領域が減少して、伸縮性やしなやかさ、フィット性等が犠牲になり易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−22550号公報
【特許文献2】特開2010−22588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の一方又は両方の側部に取り付けられたサイドパネルを備えた使い捨ておむつであって、前記サイドパネルは、2枚のシートと、前記2枚のシート間に、おむつ幅方向に伸長した状態で固定されている複数本の弾性部材とを有し、該サイドパネルの先端部に、該サイドパネルを他の部位に止着するための止着材が設けられており、前記サイドパネルは、前記2枚のシート間に接着剤がおむつ長手方向に連続して配されている接着領域を複数本有し、該接着領域として、前記弾性部材の前記吸収性本体側の端部又はその近傍を固定している本体側接着領域、及び該弾性部材の前記サイドパネルの先端側の端部又はその近傍を固定している先端側接着領域を有し、該本体側接着領域と該先端側接着領域とに挟まれた中間領域に、接着剤が配されていない一又は複数の非接着領域を有しており、前記本体側接着領域と前記先端側接着領域とで幅が異なっている、使い捨ておむつを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の使い捨ておむつは、サイドパネルにおける所謂ゴム抜けが防止されると共に、サイドパネルに十分な伸縮性を確保することができ、胴回りや脚回りに対するフィット性や着用感に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態である使い捨ておむつを、表面シート側から見た展開平面図である。
【図2】図2は、図1に示す使い捨ておむつの着用状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に示す使い捨ておむつのサイドパネル及びその近傍を示す拡大平面図である。
【図4】図4は、図3のIV−IV線切断部端面図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態におけるサイドパネル及びその近傍を示す拡大平面図(図3相当図)である。
【図6】図6は、図5のVI−VI線切断部端面図である。
【図7】図7は、本発明の更に他の実施形態を示す展開平面図である。
【図8】図8は、本発明の更に他の実施形態におけるサイドパネルを示す拡大平面図である。
【図9】図9は、本発明の更に他の実施形態におけるサイドパネルを示す拡大平面図である。
【図10】図10は、本発明の更に他の実施形態におけるサイドパネルを示す拡大平面図である。
【図11】図11は、本発明の更に他の実施形態におけるサイドパネルを示す拡大平面図である。
【図12】図12は、本発明の更に他の実施形態におけるサイドパネルを示す拡大平面図である。
【図13】図13は、本発明の更に他の実施形態におけるサイドパネルを示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を、その好ましい実施態様に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の第1実施形態の使い捨ておむつ1(以下、おむつ1ともいう)は、図1に示すように、吸収体23を含む吸収性本体2と、該吸収性本体2の両側部に取り付けられたサイドパネル3,3を備えている。
吸収性本体2は、図1に示すように、縦長の形状を有しており、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部A、着用者の背側に位置する背側部B、及び股間部に位置する股下部Cを有している。吸収性本体2は、図1に示すように、平面状に拡げた状態において長方形状である。サイドパネル3,3は、背側部Bにおける吸収性本体2の両側部に、それぞれ吸収性本体2の両側縁部から外方に突出するように取り付けられている。
使い捨ておむつ1の長手方向は、図中のY方向であり、吸収性本体の長手方向と同方向である。使い捨ておむつ1の幅方向は、図中のX方向であり、吸収性本体2の幅方向と同方向である。以下の説明においては、おむつの長手方向又は該おむつの構成部材のおむつ長手方向に対応する方向を単にY方向、おむつの幅方向又は該おむつの構成部材のおむつ幅方向に対応する方向を単にX方向ともいう。
【0011】
吸収性本体2は、図1に示すように、液透過性の表面シート21と、液不透過性又は撥水性の裏面シート22と、これら両シート21,22間に介在された液保持性の吸収体23とを有している。また、吸収性本体2の長手方向の両側部には、該長手方向に沿って立体ガード形成用シート24,24が配設されている。立体ガード形成用シート24は、吸収性本体2の長手方向の両側部において、表面シート21及び該表面シートの側縁から延出した裏面シート22に固定されている。各立体ガード形成用シート24は、吸収性本体2の幅方向(X方向)内方側の端縁近傍に該端縁に沿って立体ガード形成用の弾性部材25を有しており、着用時には、その弾性部材25の収縮力により、該端縁から所定幅の部分が表面シート21から離間して立体ガードを形成する。また、吸収性本体2の長手方向両側部の脚廻りに配される部分には、レッグギャザー形成用の弾性部材26が配されている。
【0012】
おむつ1は、図1に示すように、吸収性本体2の長手方向中央線CLに対して左右対称に形成されている。そのため、サイドパネル3,3の構成やそれらの吸収性本体2に対する固定については、主に図1の左側のサイドパネルを例に説明するが、右側のサイドパネルについても左右対称となる以外は同様である。
【0013】
第1実施形態のおむつ1におけるサイドパネル3は、図3に示すように、平面状に拡げた状態において、矩形状である。また、サイドパネル3は、図4に示すように、不織布製の2枚のシート31,32と、2枚のシート31,32間に、おむつ幅方向(X方向)に伸長した状態で固定されている複数本の弾性部材33とを有している。サイドパネル3の先端3c側には、サイドパネル3を、他の部位に止着するための、止着部41付きのファスニングテープ(止着材)4が設けられている。
弾性部材33は、それぞれ、おむつ1の幅方向(X方向)に沿って配されている。また、各サイドパネル3における複数本の弾性部材33は、おむつの長手方向(Y方向)に略等しい間隔を設けて配されている。
【0014】
ファスニングテープ4は、テープ基材42と、該テープ基材42に接合されて止着部41を形成する機械的面ファスナーのオス部材とからなる。ファスニングテープ4は、サイドパネル3の延出方向の先端部に設けられている。より具体的には、ファスニングテープ4における、テープ基材42のみからなる部分が、サイドパネル3の前記シート31に重ねて接合されている。この接合には、熱融着や接着剤による接着等の任意の接合方法が用いられる。一方、おむつ1の腹側部Aの外面には、ファスニングテープ4、より具体的にはファスニングテープ4の止着部41を止着させるランディングゾーン5が設けられている。
【0015】
サイドパネル3は、図3及び図4に示すように、接着剤34がおむつ長手方向(Y方向)に連続して配されている接着領域35,36,37を複数本有している。そして、それらの接着領域35,36,37においては、複数本の弾性部材33が、Y方向に間隔を設けて固定されている。また、接着領域35,36,37においては、複数本の弾性部材33が、それぞれ接着剤34を介して2枚のシート31,32間に挟まれた状態に固定されていると共に、弾性部材33が介在していない部位においてはシート31,32どうし間が接着剤34を介して直接接合されている。
【0016】
第1実施形態におけるサイドパネル3は、そのような接着領域として、図3に示すように、本体側接着領域35と、先端側接着領域36と、複数本の中間接着領域37とを有している。本体側接着領域35は、サイドパネル3の延出方向における吸収性本体2側に設けられており、個々の弾性部材33の、吸収性本体2側の端部又はその近傍を固定している。先端側接着領域36は、サイドパネル3の延出方向における先端3c側に設けられており、弾性部材33の、サイドパネル3の先端3c側の端部又はその近傍を固定している。中間接着領域37は、サイドパネル3の延出方向における本体側接着領域35と先端側接着領域36との間の領域である中間領域30に複数本設けられている。中間接着領域37は、前記の両接着領域35,36の何れよりも幅が小さく、中間領域30に間欠的に複数本形成されている。サイドパネル3の延出方向において、本体側接着領域35とそれと隣接する中間接着領域37との間、隣接する中間接着領域37どうし間、及び、先端側接着領域36とそれと隣接する中間接着領域37との間には、それぞれ、接着剤34が配されていない非接着領域38が介在している。本実施形態のおむつ1においては、サイドパネル3の延出方向は、おむつ幅方向と一致している。
【0017】
本体側接着領域35、先端側接着領域36及び中間接着領域37は、何れも、X方向に延びる複数本(より好ましくは3本以上)の弾性部材33と交差しておむつ長手方向(Y方向)に延びている。本体側接着領域35、先端側接着領域36及び中間接着領域37は、何れも、X方向に延びる総ての弾性部材33と交差しておむつ長手方向(Y方向)に延びていることが好ましく、サイドパネル3の上下縁3a,3b間の全長に亘っていることが更に好ましい。X方向に延びる弾性部材とY方向に延びる接着領域の角度は30〜150度が好ましく、ほぼ垂直がさらに好ましい。
非接着領域38も同様に、X方向に延びる複数本(より好ましくは3本以上)の弾性部材33と交差しておむつ長手方向(Y方向)に延びている。非接着領域38も、X方向に延びる総ての弾性部材33と交差しておむつ長手方向(Y方向)に延びていることが好ましく、サイドパネル3の上下縁3a,3b間の全長に亘っていることが更に好ましい。
【0018】
第1実施形態のおむつ1におけるサイドパネル3は、図3に示すように、本体側接着領域35の幅W5が、先端側接着領域36の幅W6より大きくなっており、本体側接着領域35と先端側接着領域36とで、その幅〔おむつ幅方向(X方向)の寸法〕が異なっている。
【0019】
第1実施形態の使い捨ておむつ1を、着用者に装着する際には、ファスニングテープ4を手で引っ張り、サイドパネル3を伸長させた状態で、該ファスニングテープ4の止着部41を、ランディングゾーン5に押し付けて止着する。
【0020】
第1実施形態におけるサイドパネル3によれば、吸収性本体2側に、比較的幅が大きい本体側接着領域35を有するため、弾性部材33を、本体側接着領域35に強固に固定させることができ、本体側接着領域35からの所謂ゴム抜けが生じにくい。また、幅広(幅が大きい)の本体側接着領域35を有することによって、サイドパネル3の本体側接着領域35側の強度が高まり、製品全体の強度が向上する他、装着の際にサイドパネル3が破損することも防止される。
また、先端側接着領域36の幅を相対的に小さくしてあるため、中間領域30の幅を十分に確保できる。中間領域30は、一部又はその全体が非接着領域38からなるため、本体側接着領域35及び先端側接着領域36に比して、柔軟であり、また伸縮し易い。そのため、サイドパネル3が、着用者の腹囲の増減や脚の動き等に応じて柔軟に変形し易く、本実施形態のおむつ1は、胴回りや脚回りに対するフィット性や着用感(締め付け、弾性体の身体への跡つき等の防止)にも優れている。
【0021】
また、本体側接着領域35が先端側接着領域36より広いことによって、おむつ1を装着したときに中間領域30の位置が、着用者の側部において、やや腹側寄りに位置し易い。そのため、サイドパネル3の先端部についているファスニングテープ4をランディングゾーン5へ止着しやすい。また、止着しやすいと、おむつ1をよりフィットさせた状態で装着させることとなり、おむつ1からの尿や便漏れを防ぐことにつながる。
【0022】
更に、第1実施形態の使い捨ておむつ1における中間領域30には、中間接着領域37が、隣接する接着領域との間に非接着領域38を設けて形成されており、おむつ1の自然状態においては、弾性部材33の収縮によって、非接着領域38における2枚のシート31,32が、それぞれ弾性部材33から離れる方向に膨出し、サイドパネル3の両面に、複数本の弾性部材33に跨るように延びる複数本の襞(図示せず)が形成される。そして、その襞は、おむつの着用状態においても完全には消失しない。そのため、サイドパネル3における、接着剤により硬くなった接着領域35,36,37、特に中間接着領域37が、着用者の肌に当たりにくく、違和感を与えにくい。そのため、本実施形態のおむつ1によれば、一層良好な装着感が得られる。
【0023】
本体側接着領域35及び先端側接着領域36は、それぞれに配された接着剤の坪量が、中間接着領域37に配された接着剤の坪量よりも大きいことが好ましい。接着剤の坪量を異ならせる方法としては、(1)接着剤塗工機から吐出させる接着剤の単位面積当たりの量を領域毎に異ならせる方法や、(2)本体側接着領域35及び先端側接着領域36についてはシート31又はシート32に接着剤を複数回重ねて塗布する一方、中間接着領域37については同一のシートに対して接着剤を一度しか塗布しない方法、(3)本体側接着領域35及び先端側接着領域36については、シート31及びシート32の両者に接着剤を塗工しておき、接着剤どうしが重なるように両シート31,32を貼り合わせる一方、中間接着領域37においては一方のシートのみに接着剤を塗工して両シート31,32を貼り合わせる方法、(4)これらの2種以上を組み合わせた方法等が挙げられる。前記(2)の方法においては、1度目の塗工と2度目の塗工とで、塗工パターンが同じであっても良いし、異ならせても良い。
【0024】
なお、接着剤の塗工パターンは、接着剤塗工機として、コーターガンやスプレーガン等を用いて、所謂ベタ塗りすることが好ましいが、接着剤塗工機として、ノードソン(株)のサミット、シグネチャーおよび(株)ITWダイナテックのオメガ等を用いて、曲線パターン等のパターン塗工を行うこともできる。また、前述のように、ベタ塗り後に、その塗工部分に重ねてパターン塗工を行うこともできる。また、2枚のうち一方のシートにいわゆるベタ塗り、もう一方のシートに前述のパターン塗工を行うこともできる。
【0025】
サイドパネル3に配する弾性部材33は、中間領域30の柔軟性向上や伸縮性の確保の観点から、その幅(Y方向の寸法)や直径が、0.1〜5mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1mmである。また、サイドパネル3に配する弾性部材33の本数は、4〜30本程度とすることが好ましく、より好ましくは6〜20本である。
【0026】
上述したような一又は二以上の効果をより確実に得る観点等から、本体側接着領域35の幅W5及び先端側接着領域36の幅W6は、それぞれ、好ましくは3mm以上であり、より好ましくは5mm以上である。
また、本体側接着領域35の幅W5は、先端側接着領域36の幅W6に対する比(W5/W6)が、好ましくは1.1〜3.0であり、より好ましくは1.5〜2.5である。
【0027】
また本体側接着領域35、先端側接着領域36及び中間領域30の合計幅(W5+W6+W30)に対する、本体側接着領域35の幅W5の割合(百分率)は、好ましくは3.3〜30%、より好ましくは5.5〜30%であり、同合計幅(W5+W6+W30)に対する、先端側接着領域36の幅W6の割合(百分率)は、好ましくは3〜10%、より好ましくは5〜10%である。また、本体側接着領域35の幅W5の前記割合(百分率)と、先端側接着領域36の幅W6の前記割合(百分率)との差は、好ましくは0.3〜27%、より好ましくは0.5〜25%である。
【0028】
また、本体側接着領域35及び先端側接着領域36の合計幅(W5+W6)は、中間領域30の幅W30の、1/2以下、より好ましくは1/5以上〜1/4以下であることが、サイドパネル3の伸び領域をより多く確保できるという観点から好ましい。
【0029】
また、サイドパネル3のY方向の全長L3(図1参照)は、おむつ1のY方向の全長L(図1参照)の10〜30%、特に15〜25%であることが好ましい。
また、サイドパネル3の全幅W3(図1参照、サイドパネル用の不織布の寸法)は、背側部Bにおける吸収性本体2の全幅W(図1参照)の30〜70%、特に35〜60%であることが好ましい。
【0030】
中間領域30に形成する中間接着領域37は、その幅W7が、本体側接着領域35の幅W5及び先端側接着領域36の幅W6の何れよりも狭いことが好ましい。また、中間領域30の柔軟性や伸縮性の向上の観点から、中間接着領域37の幅W7は6mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3mmである。また、中間接着領域37の幅W7は、前記幅W5及び前記幅W6のそれぞれ対する割合(百分率)が、50%以下であることが好ましく、より好ましくは5〜30%である。
【0031】
また、中間接着領域37どうし間の非接着領域28の幅W8は、中間接着領域37の幅W7に対する比(W8/W7)が3〜15倍であることが好ましく、より好ましくは5〜10倍である。一つのサイドパネル3に設ける中間接着領域37の本数は、複数本であることが好ましく、より好ましくは、3〜15本、更に好ましくは5〜10本である。
これらの各部の寸法等は、弾性部材33等の弾性部材を伸長させて、サイドパネルを設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態で測定する。
【0032】
第1実施形態の使い捨ておむつ1におけるサイドパネル3は、図3及び図4に示すように、吸収性本体2側の所定幅の部分が、吸収性本体2の構成部材である立体ガード形成用シート24及び裏面シート22と積層されており、その積層された部分において、シート31と立体ガード形成用シート24、シート32と裏面シート22とが、それぞれ接着剤61,62を介して接合されていることによって、吸収性本体2に固定されている。
【0033】
また、サイドパネル3は、本体側接着領域35のおむつ中央線CL側の部分が、吸収性本体2の構成部材である立体ガード形成用シート24及び裏面シート22と積層されており、その積層部分が、立体ガード形成用シート24及び裏面シート22それぞれに対して接着剤61,62で固定されている。
このように、サイドパネル3の本体側接着領域35の一部(全体でも良い)を、吸収性本体2の構成部材と接合させることで、サイドパネル3や吸収性本体2の構成部材に損傷が生じることや、サイドパネル3が吸収性本体2から取れてしまうといった不都合を一層確実に防止することができる。サイドパネル3の本体側接着領域35と、吸収性本体2の構成部材とが積層されて接合されている接合部のX方向の幅W51(図3参照)は、2mm以上であることが好ましく、より好ましくは5mm以上である。また、前記幅W51は、本体側接着領域35の幅W5の15%以上であることが好ましく、より好ましくは40〜100%である。サイドパネル3と吸収性本体2の構成部材との接合のための接着剤61,62と、本体側接着領域35とは、図4のように重なって、おむつ幅方向に実質的に連続していることが好ましい。
【0034】
また、本実施形態においては、図3及び図4に示すように、ファスニングテープ4における、シート基材42からなる部分が、サイドパネル3の先端側接着領域36の一部と積層されており、その積層部分において、先端側接着領域36の片面を構成するシート32に対して接着剤63で固定されている。
このように、ファスニングテープ(止着材)4を、先端側接着領域36の一部に固定することで、ファスニングテープ(止着材)やサイドパネル3に損傷が生じることや、ファスニングテープ4がサイドパネル3から取れてしまうといった不都合を一層確実に防止することができる。
【0035】
また、本実施形態のおむつ1におけるサイドパネル3は、本体側接着領域35及び先端側接着領域36のそれぞれにも弾性部材33が伸長状態で固定されている。
特許文献1(特開2010−22550号公報)においては、サイドパネル材における、おむつの本体部分に固定される固定部に位置する部分の弾性部材が、非伸長状態で、それを挟持する2枚のシート間に固定されているが、そのように弾性部材の端部を非伸長状態で固定するには、複雑な工程が必要となり、製造設備のコスト高やメンテナンス負担の増大等に繋がる。
これに対して、本実施形態のおむつ1のように、本体側接着領域35及び先端側接着領域36のそれぞれにも弾性部材33が伸長状態で固定されていると、その製造工程において、中間領域30と、本体側接着領域35及び先端側接着領域36とで、シート31,32間に固定する弾性部材33の状態を異ならせる必要がないため、製造工程や製造設備の複雑化を防止することができ、また、設備のメンテナンス負担が軽減される。
【0036】
おむつ1の構成材料について説明する。
サイドパネル3を構成するシート31,32、ファスニングテープ4のテープ基材42としては、従来、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられている各種のシート材を、特に制限なく用いることができる。
例えば、シート31,32、シート基材42としては、不織布、織物、フィルム又はこれらの積層シート等を用いることができる。
吸収性本体2を構成する表面シート21、裏面シート22、吸収体23としては、それぞれ、従来、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられるもの等を、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては、親水性且つ液透過性の不織布や立体開孔フィルム等を用いることができ、裏面シート22としては、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。吸収体23としては、パルプ繊維等の繊維の集合体(不織布であっても良い)又はこれに吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コアを、透水性の薄紙や不織布からなるコアラップシートで被覆したもの等を用いることができる。立体ガードを構成する立体ガード形成用シート24としては、伸縮性のフィルム、不織布、織物又はこれらの積層シート等を用いることができる。
【0037】
弾性部材33、立体ガード形成用の弾性部材25、レッグギャザー形成用の弾性部材26としては、天然ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン等のポリエチレン−αオレフィン共重合体等からなる糸状ないし紐状の弾性部材を用いることができる。一枚のサイドパネルに配する複数本の弾性部材33は、同一種類のものが同一の伸長率で配されていることが、製造コストや製造工程の簡易化等の観点から好ましい。
弾性部材33を固定する接着剤34をはじめ、各部材間を接合するための接着剤の好ましい材料としては、非晶性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体(EEA)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などの熱可塑性ポリマー及びそれらの混合物等が挙げられる。接着剤はホットメルト型が好ましい。
【0038】
次に、本発明の第2実施形態の使い捨ておむつについて説明する。第2実施形態の使い捨ておむつは、サイドパネルの構成が第1実施形態と異なる。第2実施形態については、第1実施形態と異なる点について主として説明し、同様の点については説明を省略する。特に言及しない点については、第1実施形態に関する説明が適宜適用される。
【0039】
第2実施形態におけるサイドパネル3Aにおいては、図5に示すように、先端側接着領域36の幅W6が、本体側接着領域35の幅W5より大きくなっており、本体側接着領域35と先端側接着領域36とで、その幅(X方向の寸法)が異なっている。
【0040】
第2実施形態の使い捨ておむつも、着用者に装着する際には、ファスニングテープ4を手で引っ張り、サイドパネル3Aを伸長させた状態で、該ファスニングテープ4の止着部41を、ランディングゾーン5に押し付けて止着する。
【0041】
第2実施形態におけるサイドパネル3Aは、パネル3Aの先端側に、比較的幅が大きい先端側接着領域36が形成されているため、弾性部材33を、先端側接着領域36に強固に固定させることができ、先端側接着領域36からの所謂ゴム抜けが生じにくい。
【0042】
また、サイドパネル3の先端側は、ファスニングテープ4等を摘んでおむつを装着する際に、最も破損し易い部位であるが、第2実施形態のおむつは、その先端側に幅広(幅が大きい)の先端側接着領域36を有するため、ファスニングテープ等を引っ張った際に破損しにくい。また、サイドパネル3の先端側が、接着剤により剛性が高まった先端側接着領域36の存在によって安定するため、ファスニングテープやサイドパネルを摘み易く、またサイドパネル3の先端側を、ランディングゾーン5に止着するのも容易となる。
【0043】
また、本体側接着領域35の幅を相対的に小さくしてあるため、中間領域30の幅を十分に確保できる。中間領域30は、一部又はその全体が非接着領域38からなるため、本体側接着領域35及び先端側接着領域36に比して、柔軟であり、また伸縮し易い。そのため、サイドパネル3が、着用者の腹囲の増減や脚の動き等に応じて柔軟に変形し易く、本実施形態のおむつ1は、胴回りや脚回りに対するフィット性や着用感(締め付け、弾性体の身体への跡つき等の防止)にも優れている。
また、本体側接着領域35の幅が相対的に小さいため、サイドパネルの根元部分が変形し易く、パネルをしなやかに操作できるため、装着性やフィット性が一層向上する。
【0044】
また、ファスニングテープ4と先端側接着領域36の部分が重複される領域が多くなることで、ファスニングテープ4の強度が向上し、ファスニングテープ4を操作するとき破損を防ぐことができる。
【0045】
なお、第2実施形態の使い捨ておむつの中間領域30にも、第1実施形態と同様に、中間接着領域37及び非接着領域38が形成されているため、接着領域35,36,37、特に中間接着領域37が、着用者の肌に違和感を与えにくく、一層良好な装着感が得られる。
【0046】
上述したような一又は二以上の効果をより確実に得る観点等から、本体側接着領域35の幅W5及び先端側接着領域36の幅W6は、それぞれ、好ましくは3mm以上であり、より好ましくは5mm以上である。
また、先端側接着領域36の幅W6は、本体側接着領域35の幅W5に対する比(W6/W5)が、好ましくは1.1〜3.0であり、より好ましくは1.5〜2.5である。
【0047】
また本体側接着領域35、先端側接着領域36及び中間領域30の合計幅(W5+W6+W30)に対する、本体側接着領域35の幅W5の割合(百分率)は、好ましくは3〜10%、より好ましくは5〜10%であり、同合計幅(W5+W6+W30)に対する、先端側接着領域36の幅W6の割合(百分率)は、好ましくは3.3〜30%、より好ましくは5.5〜30%である。また、先端側接着領域36の幅W6の前記割合(百分率)と、本体側接着領域35の幅W5の前記割合(百分率)との差は、好ましくは0.3〜27%、より好ましくは0.5〜25%である。
これらの各部の寸法等も、上述した通り、弾性部材33等の弾性部材を伸長させて、サイドパネルを設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態で測定する。
【0048】
なお、第1及び第2実施形態のサイドパネル3,3Aは、任意の方法により製造することができ、特に制限されるものではないが、例えば、特許文献2の図11及び図12に示される機構等を用いて、一対の帯状シート間に弾性部材を挟持固定して複合伸縮シートを製造するに当たり、一対の帯状シートの一方及び双方に、前述した態様の接着領域が生じるように接着剤を塗工しておくことにより得ることができる。
【0049】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記の各実施形態に制限されず、種々の変更可能である。
【0050】
例えば、止着材としてのファスニングテープ4は、不織布等からなるテープ基材の片面に、機械的面ファスナーのオス部材を熱融着や接着剤等により貼り付けてなるものに代えて、不織布等からなるテープ基材の片面に粘着剤を塗布して粘着剤からなる止着部を形成したものであっても良い。また、機械的面ファスナーのオス部材からなる止着部41を止着させるランディングゾーンは、裏面シート22の外面に、機械的面ファスナーのメス部材を接合して形成しても良いし、裏面シート22の外面を、係合性に富む不織布から構成し、その所定領域をランディングゾーンとしても良い。
また、ファスニングテープ4等の止着材は、図7に示す使い捨ておむつ1Aにおけるように、腹側部Aにおける吸収性本体2の両側部に設けた一対の腹側パネル6,6に止着させるものであっても良い。また、止着材は、機械的面ファスナーのオス部材を、サイドパネル3の先端部における片面上に直接固定したものであっても良い。腹側パネル6の形成材料としては、不織布、織物、フィルム又はこれらの積層シート等を用いることができる。
【0051】
また、図4には、ファスニングテープ4のテープ基材42を、シート32の外面(シート31側ではない面)側に、接着剤により接合した例を示したが、テープ基材42を、シート31の内面(シート32側ではない面)側に、接着剤により接合したり、シート31及び/又は32の相対向する面に、接着剤により接合することもできる。
また、テープ基材42の接合方法として、接着剤による接着に代えて、図8に示すように、熱エンボス加工、超音波エンボス、高周波エンボス等のエンボス加工により、相互に離間した複数の熱融着部44を形成する方法を採用することもでき、また、接着剤による接着と、エンボス加工等による部分的な熱融着とを併用することもできる。
【0052】
また、サイドパネル3,3Aの吸収性本体2に対する固定方法として、図4には、サイドパネル3を、立体ガード形成用シート24と裏面シート22との間に接着剤を介して固定した例を示したが、サイドパネル3,3Aを、吸収性本体2を構成するシート間に熱融着により固定しても良いし、サイドパネル3,3Aを、裏面シート22の外面(立体ガード形成用シート24側ではない面)側に接着剤や熱融着等により接合しても良い。また、接着剤による接着と、エンボス加工等による部分的な熱融着とを併用することもできる。
また、使い捨ておむつは、立体ガードを有しないものであっても良く、サイドパネル3,3Aを、吸収性本体2の両側部において、表面シート21と裏面シート22との間や表面シート21上に固定しても良い。また、裏面シート22が、樹脂フィルムと不織布との積層体からなり、サイドパネル3,3Aが、該裏面シート22における、樹脂フィルムの側縁から延出した不織布部分と、立体ガード形成用シート24又は表面シート21との間に挟持固定されていても良い。
【0053】
また、弾性部材33は、概ね、おむつの幅方向に沿って配されていれば良く、おむつ長手方向中央線CLに直交する直線に対して、例えば30%以下の角度をなしていても良いし、図9に示すように、弾性部材33がジグザグに形成されていてもよい。また、図4に示した例においては、サイドパネル3の、先端側接着領域36より先端3c側に、シート31,32が接着剤では接着されていない先端側非接着領域が形成され、サイドパネル3の、本体側接着領域35よりも中央線CL側に、シート31,32が接着剤では接着されていない本体側非接着領域が形成されていたが、図10に示すように、そのような、先端側非接着領域及び/又は本体側非接着領域は形成されていなくても良い。
【0054】
また、ファスニングテープ4を有するサイドパネル3,3Aは、吸収性本体2の長手方向の左右両側のうちの何れか一方の側のみに形成されていてもよい。また、中間領域30は、全域が非接着領域38からなるものであっても良い。また、図3に示した例においては、中間領域30の接着領域37、非接着領域38は均一な間隔で配置されているが、何れもX方向において不均一であってもよい。例えば、図11に示す例においては、中間領域30の非接着領域38の幅W8がX方向において不均一となっている。また、図12に示すように、吸収性本体2側に向けて非接着領域38の幅W8が次第に狭くなっていく形態、または、図示していないが斯かる形態とは逆に、吸収性本体2側に向けて非接着領域38の幅W8が次第に広くなっていく形態でもよい。
【0055】
また、本体側接着領域35、先端側接着領域36及び中間接着領域37は、何れも、Y方向(おむつ長手方向)において、X方向(おむつ幅方向)の幅が変動していても良い。その場合には、Y方向の同部位において、それらの領域の幅の大小を比較する。特に、図13に示すように、前述の先端側接着領域36のおむつ幅方向の幅W6を、ファスニングテープ4の取付部(平面視においてファスニングテープ4と重なる部分)において、該先端側接着領域36の他の部位より大きくすることで、ファスニングテープ4の強度の一層の向上に寄与する。
【0056】
また、上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
【0057】
前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記(使い捨ておむつ)を開示する。
【0058】
<1>吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の一方又は両方の側部に取り付けられたサイドパネルを備えた使い捨ておむつであって、
前記サイドパネルは、2枚のシートと、前記2枚のシート間に、おむつ幅方向に伸長した状態で固定されている複数本の弾性部材とを有し、該サイドパネルの先端部に、該サイドパネルを他の部位に止着するための止着材が設けられており、
前記サイドパネルは、前記2枚のシート間に接着剤がおむつ長手方向に連続して配されている接着領域を複数本有し、該接着領域として、前記弾性部材の前記吸収性本体側の端部又はその近傍を固定している本体側接着領域、及び該弾性部材の前記サイドパネルの先端側の端部又はその近傍を固定している先端側接着領域を有し、該本体側接着領域と該先端側接着領域とに挟まれた中間領域に、接着剤が配されていない一又は複数の非接着領域を有しており、
前記本体側接着領域と前記先端側接着領域とで幅が異なっている、使い捨ておむつ。
【0059】
<2>前記本体側接着領域の幅が前記先端側接着領域の幅より大きい、前記<1>記載の使い捨ておむつ。
<3>前記先端側接着領域の幅が前記本体側接着領域の幅より大きい、前記<1>記載の使い捨ておむつ。
<4>前記本体側接着領域及び前記先端側接着領域の合計幅が、前記中間領域の幅の1/4以下である、前記<1>〜<3>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<5>前記中間領域に、前記両接着領域の何れよりも幅が小さい中間接着領域が、隣接する接着領域との間に前記非接着領域を設けて複数本形成されている、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<6>前記本体側接着領域、前記先端側接着領域及び前記中間接着領域は、何れも、おむつ長手方向に延びており、前記サイドパネルの上下縁間の全長に亘っている前記<5>に記載の使い捨ておむつ。
<7>前記本体側接着領域及び前記先端側接着領域は、それぞれに配された接着剤の坪量が、前記中間接着領域に配された接着剤の坪量よりも大きい、前記<5>又は<6>に記載の使い捨ておむつ。
<8>前記中間領域は、前記使い捨ておむつの自然状態において、前記弾性部材の収縮によって、前記非接着領域における前記2枚のシートが、それぞれ該弾性部材から離れる方向に膨出し、前記サイドパネルの両面に、複数本の該弾性部材に跨るように延びる複数本の襞が形成される前記<5>〜<7>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<9>前記本体側接着領域の少なくとも一部が前記吸収性本体の構成部材と接合されている、前記<1>〜<8>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<10>前記止着材が、前記先端側接着領域の一部に重ねて固定されている、前記<1>〜<9>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<11>前記止着材が、前記先端側接着領域の片面を構成するシートに対して接着剤で固定されている、前記<10>記載の使い捨ておむつ。
<12>前記止着材が、前記先端側接着領域の片面を構成するシートに対して、相互に離間した複数の熱融着部で固定されている、前記<10>記載の使い捨ておむつ。
<13>前記非接着領域の幅が、前記吸収性本体側に向けて次第に狭くなっていく、前記<1>〜<12>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<14>前記非接着領域の幅が、前記吸収性本体側に向けて次第に広くなっていく、前記<1>〜<12>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<15>前記先端側接着領域は、前記止着材の取付部におけるおむつ幅方向の幅が、該先端側接着領域の他の部位におけるおむつ幅方向の幅より大きい、前記<1>〜<14>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<16>おむつ幅方向に延びる前記弾性部材とおむつ長手方向に延びる前記接着領域の角度は30〜150度が好ましく、ほぼ垂直がさらに好ましい前記<1>〜<15>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【符号の説明】
【0060】
1 使い捨ておむつ
2 吸収性本体
21 表面シート
22 裏面シート
23 吸収体
24 立体ガード形成用シート
3,3A サイドパネル
30 中間領域
31,32 シート
33 弾性部材
34 接着剤
35 本体側接着領域(接着領域)
36 先端側接着領域(接着領域)
37 中間接着領域(接着領域)
4 ファスニングテープ(止着材)
41 止着部
42 テープ基材
5 ランディングゾーン
6 腹側パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吸収体を含む吸収性本体における、着用時に着用者の背中側に配される部分に、該吸収性本体の幅方向に伸縮する伸縮性のサイドパネルを取り付けてなる展開型の使い捨ておむつが知られている(特許文献1,2参照)。この種の使い捨ておむつは、サイドパネル材を、吸収性本体とは別工程で製造しておき、これを吸収性本体に付加して製造することができるので、サイドパネルに用いる資材の使用量や該資材から生じる廃棄物を抑えることができ、環境やコスト面で優れている。
【0003】
また、特許文献1,2には、サイドパネル(止着テープ)として、弾性部材を、2枚のシート間に、それぞれおむつ幅方向に延びるように多数接着固定したものが記載されている。
しかし、特許文献1においては、弾性部材を、それを挟持する2枚のシート間に固定するにあたり、弾性部材の長さ方向に亘って同様のパターンで塗工された接着剤により固定しているため、得られたサイドパネル材は、接着剤により全体的に硬さが増大して、おむつを装着する際やおむつ着用中における伸縮性に劣るものとなったり、しなやかさに劣るものとなる。
【0004】
他方、特許文献2には、弾性部材を、それを挟持する2枚のシート間に接着剤を介して固定するにあたり、接着剤の塗布パターンとして、十分に細く十分に間隔の開いた接着線群からなる縦縞状パターンを採用することが記載されている。
しかし、弾性部材そのようなパターンで全長に亘って固定した場合には、パネル材を引き伸ばされたときに、弾性部材の端部が、該端部を固定していた接合部分から抜けてしまう、いわゆるゴム抜けという現象が生じやすくなる。なお、縦縞状パターンの縞の幅を拡大すれば、ゴム抜けは生じにくくなるが、柔軟に伸縮可能な縞間の領域が減少して、伸縮性やしなやかさ、フィット性等が犠牲になり易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−22550号公報
【特許文献2】特開2010−22588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の一方又は両方の側部に取り付けられたサイドパネルを備えた使い捨ておむつであって、前記サイドパネルは、2枚のシートと、前記2枚のシート間に、おむつ幅方向に伸長した状態で固定されている複数本の弾性部材とを有し、該サイドパネルの先端部に、該サイドパネルを他の部位に止着するための止着材が設けられており、前記サイドパネルは、前記2枚のシート間に接着剤がおむつ長手方向に連続して配されている接着領域を複数本有し、該接着領域として、前記弾性部材の前記吸収性本体側の端部又はその近傍を固定している本体側接着領域、及び該弾性部材の前記サイドパネルの先端側の端部又はその近傍を固定している先端側接着領域を有し、該本体側接着領域と該先端側接着領域とに挟まれた中間領域に、接着剤が配されていない一又は複数の非接着領域を有しており、前記本体側接着領域と前記先端側接着領域とで幅が異なっている、使い捨ておむつを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の使い捨ておむつは、サイドパネルにおける所謂ゴム抜けが防止されると共に、サイドパネルに十分な伸縮性を確保することができ、胴回りや脚回りに対するフィット性や着用感に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態である使い捨ておむつを、表面シート側から見た展開平面図である。
【図2】図2は、図1に示す使い捨ておむつの着用状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に示す使い捨ておむつのサイドパネル及びその近傍を示す拡大平面図である。
【図4】図4は、図3のIV−IV線切断部端面図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態におけるサイドパネル及びその近傍を示す拡大平面図(図3相当図)である。
【図6】図6は、図5のVI−VI線切断部端面図である。
【図7】図7は、本発明の更に他の実施形態を示す展開平面図である。
【図8】図8は、本発明の更に他の実施形態におけるサイドパネルを示す拡大平面図である。
【図9】図9は、本発明の更に他の実施形態におけるサイドパネルを示す拡大平面図である。
【図10】図10は、本発明の更に他の実施形態におけるサイドパネルを示す拡大平面図である。
【図11】図11は、本発明の更に他の実施形態におけるサイドパネルを示す拡大平面図である。
【図12】図12は、本発明の更に他の実施形態におけるサイドパネルを示す拡大平面図である。
【図13】図13は、本発明の更に他の実施形態におけるサイドパネルを示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を、その好ましい実施態様に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の第1実施形態の使い捨ておむつ1(以下、おむつ1ともいう)は、図1に示すように、吸収体23を含む吸収性本体2と、該吸収性本体2の両側部に取り付けられたサイドパネル3,3を備えている。
吸収性本体2は、図1に示すように、縦長の形状を有しており、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部A、着用者の背側に位置する背側部B、及び股間部に位置する股下部Cを有している。吸収性本体2は、図1に示すように、平面状に拡げた状態において長方形状である。サイドパネル3,3は、背側部Bにおける吸収性本体2の両側部に、それぞれ吸収性本体2の両側縁部から外方に突出するように取り付けられている。
使い捨ておむつ1の長手方向は、図中のY方向であり、吸収性本体の長手方向と同方向である。使い捨ておむつ1の幅方向は、図中のX方向であり、吸収性本体2の幅方向と同方向である。以下の説明においては、おむつの長手方向又は該おむつの構成部材のおむつ長手方向に対応する方向を単にY方向、おむつの幅方向又は該おむつの構成部材のおむつ幅方向に対応する方向を単にX方向ともいう。
【0011】
吸収性本体2は、図1に示すように、液透過性の表面シート21と、液不透過性又は撥水性の裏面シート22と、これら両シート21,22間に介在された液保持性の吸収体23とを有している。また、吸収性本体2の長手方向の両側部には、該長手方向に沿って立体ガード形成用シート24,24が配設されている。立体ガード形成用シート24は、吸収性本体2の長手方向の両側部において、表面シート21及び該表面シートの側縁から延出した裏面シート22に固定されている。各立体ガード形成用シート24は、吸収性本体2の幅方向(X方向)内方側の端縁近傍に該端縁に沿って立体ガード形成用の弾性部材25を有しており、着用時には、その弾性部材25の収縮力により、該端縁から所定幅の部分が表面シート21から離間して立体ガードを形成する。また、吸収性本体2の長手方向両側部の脚廻りに配される部分には、レッグギャザー形成用の弾性部材26が配されている。
【0012】
おむつ1は、図1に示すように、吸収性本体2の長手方向中央線CLに対して左右対称に形成されている。そのため、サイドパネル3,3の構成やそれらの吸収性本体2に対する固定については、主に図1の左側のサイドパネルを例に説明するが、右側のサイドパネルについても左右対称となる以外は同様である。
【0013】
第1実施形態のおむつ1におけるサイドパネル3は、図3に示すように、平面状に拡げた状態において、矩形状である。また、サイドパネル3は、図4に示すように、不織布製の2枚のシート31,32と、2枚のシート31,32間に、おむつ幅方向(X方向)に伸長した状態で固定されている複数本の弾性部材33とを有している。サイドパネル3の先端3c側には、サイドパネル3を、他の部位に止着するための、止着部41付きのファスニングテープ(止着材)4が設けられている。
弾性部材33は、それぞれ、おむつ1の幅方向(X方向)に沿って配されている。また、各サイドパネル3における複数本の弾性部材33は、おむつの長手方向(Y方向)に略等しい間隔を設けて配されている。
【0014】
ファスニングテープ4は、テープ基材42と、該テープ基材42に接合されて止着部41を形成する機械的面ファスナーのオス部材とからなる。ファスニングテープ4は、サイドパネル3の延出方向の先端部に設けられている。より具体的には、ファスニングテープ4における、テープ基材42のみからなる部分が、サイドパネル3の前記シート31に重ねて接合されている。この接合には、熱融着や接着剤による接着等の任意の接合方法が用いられる。一方、おむつ1の腹側部Aの外面には、ファスニングテープ4、より具体的にはファスニングテープ4の止着部41を止着させるランディングゾーン5が設けられている。
【0015】
サイドパネル3は、図3及び図4に示すように、接着剤34がおむつ長手方向(Y方向)に連続して配されている接着領域35,36,37を複数本有している。そして、それらの接着領域35,36,37においては、複数本の弾性部材33が、Y方向に間隔を設けて固定されている。また、接着領域35,36,37においては、複数本の弾性部材33が、それぞれ接着剤34を介して2枚のシート31,32間に挟まれた状態に固定されていると共に、弾性部材33が介在していない部位においてはシート31,32どうし間が接着剤34を介して直接接合されている。
【0016】
第1実施形態におけるサイドパネル3は、そのような接着領域として、図3に示すように、本体側接着領域35と、先端側接着領域36と、複数本の中間接着領域37とを有している。本体側接着領域35は、サイドパネル3の延出方向における吸収性本体2側に設けられており、個々の弾性部材33の、吸収性本体2側の端部又はその近傍を固定している。先端側接着領域36は、サイドパネル3の延出方向における先端3c側に設けられており、弾性部材33の、サイドパネル3の先端3c側の端部又はその近傍を固定している。中間接着領域37は、サイドパネル3の延出方向における本体側接着領域35と先端側接着領域36との間の領域である中間領域30に複数本設けられている。中間接着領域37は、前記の両接着領域35,36の何れよりも幅が小さく、中間領域30に間欠的に複数本形成されている。サイドパネル3の延出方向において、本体側接着領域35とそれと隣接する中間接着領域37との間、隣接する中間接着領域37どうし間、及び、先端側接着領域36とそれと隣接する中間接着領域37との間には、それぞれ、接着剤34が配されていない非接着領域38が介在している。本実施形態のおむつ1においては、サイドパネル3の延出方向は、おむつ幅方向と一致している。
【0017】
本体側接着領域35、先端側接着領域36及び中間接着領域37は、何れも、X方向に延びる複数本(より好ましくは3本以上)の弾性部材33と交差しておむつ長手方向(Y方向)に延びている。本体側接着領域35、先端側接着領域36及び中間接着領域37は、何れも、X方向に延びる総ての弾性部材33と交差しておむつ長手方向(Y方向)に延びていることが好ましく、サイドパネル3の上下縁3a,3b間の全長に亘っていることが更に好ましい。X方向に延びる弾性部材とY方向に延びる接着領域の角度は30〜150度が好ましく、ほぼ垂直がさらに好ましい。
非接着領域38も同様に、X方向に延びる複数本(より好ましくは3本以上)の弾性部材33と交差しておむつ長手方向(Y方向)に延びている。非接着領域38も、X方向に延びる総ての弾性部材33と交差しておむつ長手方向(Y方向)に延びていることが好ましく、サイドパネル3の上下縁3a,3b間の全長に亘っていることが更に好ましい。
【0018】
第1実施形態のおむつ1におけるサイドパネル3は、図3に示すように、本体側接着領域35の幅W5が、先端側接着領域36の幅W6より大きくなっており、本体側接着領域35と先端側接着領域36とで、その幅〔おむつ幅方向(X方向)の寸法〕が異なっている。
【0019】
第1実施形態の使い捨ておむつ1を、着用者に装着する際には、ファスニングテープ4を手で引っ張り、サイドパネル3を伸長させた状態で、該ファスニングテープ4の止着部41を、ランディングゾーン5に押し付けて止着する。
【0020】
第1実施形態におけるサイドパネル3によれば、吸収性本体2側に、比較的幅が大きい本体側接着領域35を有するため、弾性部材33を、本体側接着領域35に強固に固定させることができ、本体側接着領域35からの所謂ゴム抜けが生じにくい。また、幅広(幅が大きい)の本体側接着領域35を有することによって、サイドパネル3の本体側接着領域35側の強度が高まり、製品全体の強度が向上する他、装着の際にサイドパネル3が破損することも防止される。
また、先端側接着領域36の幅を相対的に小さくしてあるため、中間領域30の幅を十分に確保できる。中間領域30は、一部又はその全体が非接着領域38からなるため、本体側接着領域35及び先端側接着領域36に比して、柔軟であり、また伸縮し易い。そのため、サイドパネル3が、着用者の腹囲の増減や脚の動き等に応じて柔軟に変形し易く、本実施形態のおむつ1は、胴回りや脚回りに対するフィット性や着用感(締め付け、弾性体の身体への跡つき等の防止)にも優れている。
【0021】
また、本体側接着領域35が先端側接着領域36より広いことによって、おむつ1を装着したときに中間領域30の位置が、着用者の側部において、やや腹側寄りに位置し易い。そのため、サイドパネル3の先端部についているファスニングテープ4をランディングゾーン5へ止着しやすい。また、止着しやすいと、おむつ1をよりフィットさせた状態で装着させることとなり、おむつ1からの尿や便漏れを防ぐことにつながる。
【0022】
更に、第1実施形態の使い捨ておむつ1における中間領域30には、中間接着領域37が、隣接する接着領域との間に非接着領域38を設けて形成されており、おむつ1の自然状態においては、弾性部材33の収縮によって、非接着領域38における2枚のシート31,32が、それぞれ弾性部材33から離れる方向に膨出し、サイドパネル3の両面に、複数本の弾性部材33に跨るように延びる複数本の襞(図示せず)が形成される。そして、その襞は、おむつの着用状態においても完全には消失しない。そのため、サイドパネル3における、接着剤により硬くなった接着領域35,36,37、特に中間接着領域37が、着用者の肌に当たりにくく、違和感を与えにくい。そのため、本実施形態のおむつ1によれば、一層良好な装着感が得られる。
【0023】
本体側接着領域35及び先端側接着領域36は、それぞれに配された接着剤の坪量が、中間接着領域37に配された接着剤の坪量よりも大きいことが好ましい。接着剤の坪量を異ならせる方法としては、(1)接着剤塗工機から吐出させる接着剤の単位面積当たりの量を領域毎に異ならせる方法や、(2)本体側接着領域35及び先端側接着領域36についてはシート31又はシート32に接着剤を複数回重ねて塗布する一方、中間接着領域37については同一のシートに対して接着剤を一度しか塗布しない方法、(3)本体側接着領域35及び先端側接着領域36については、シート31及びシート32の両者に接着剤を塗工しておき、接着剤どうしが重なるように両シート31,32を貼り合わせる一方、中間接着領域37においては一方のシートのみに接着剤を塗工して両シート31,32を貼り合わせる方法、(4)これらの2種以上を組み合わせた方法等が挙げられる。前記(2)の方法においては、1度目の塗工と2度目の塗工とで、塗工パターンが同じであっても良いし、異ならせても良い。
【0024】
なお、接着剤の塗工パターンは、接着剤塗工機として、コーターガンやスプレーガン等を用いて、所謂ベタ塗りすることが好ましいが、接着剤塗工機として、ノードソン(株)のサミット、シグネチャーおよび(株)ITWダイナテックのオメガ等を用いて、曲線パターン等のパターン塗工を行うこともできる。また、前述のように、ベタ塗り後に、その塗工部分に重ねてパターン塗工を行うこともできる。また、2枚のうち一方のシートにいわゆるベタ塗り、もう一方のシートに前述のパターン塗工を行うこともできる。
【0025】
サイドパネル3に配する弾性部材33は、中間領域30の柔軟性向上や伸縮性の確保の観点から、その幅(Y方向の寸法)や直径が、0.1〜5mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1mmである。また、サイドパネル3に配する弾性部材33の本数は、4〜30本程度とすることが好ましく、より好ましくは6〜20本である。
【0026】
上述したような一又は二以上の効果をより確実に得る観点等から、本体側接着領域35の幅W5及び先端側接着領域36の幅W6は、それぞれ、好ましくは3mm以上であり、より好ましくは5mm以上である。
また、本体側接着領域35の幅W5は、先端側接着領域36の幅W6に対する比(W5/W6)が、好ましくは1.1〜3.0であり、より好ましくは1.5〜2.5である。
【0027】
また本体側接着領域35、先端側接着領域36及び中間領域30の合計幅(W5+W6+W30)に対する、本体側接着領域35の幅W5の割合(百分率)は、好ましくは3.3〜30%、より好ましくは5.5〜30%であり、同合計幅(W5+W6+W30)に対する、先端側接着領域36の幅W6の割合(百分率)は、好ましくは3〜10%、より好ましくは5〜10%である。また、本体側接着領域35の幅W5の前記割合(百分率)と、先端側接着領域36の幅W6の前記割合(百分率)との差は、好ましくは0.3〜27%、より好ましくは0.5〜25%である。
【0028】
また、本体側接着領域35及び先端側接着領域36の合計幅(W5+W6)は、中間領域30の幅W30の、1/2以下、より好ましくは1/5以上〜1/4以下であることが、サイドパネル3の伸び領域をより多く確保できるという観点から好ましい。
【0029】
また、サイドパネル3のY方向の全長L3(図1参照)は、おむつ1のY方向の全長L(図1参照)の10〜30%、特に15〜25%であることが好ましい。
また、サイドパネル3の全幅W3(図1参照、サイドパネル用の不織布の寸法)は、背側部Bにおける吸収性本体2の全幅W(図1参照)の30〜70%、特に35〜60%であることが好ましい。
【0030】
中間領域30に形成する中間接着領域37は、その幅W7が、本体側接着領域35の幅W5及び先端側接着領域36の幅W6の何れよりも狭いことが好ましい。また、中間領域30の柔軟性や伸縮性の向上の観点から、中間接着領域37の幅W7は6mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3mmである。また、中間接着領域37の幅W7は、前記幅W5及び前記幅W6のそれぞれ対する割合(百分率)が、50%以下であることが好ましく、より好ましくは5〜30%である。
【0031】
また、中間接着領域37どうし間の非接着領域28の幅W8は、中間接着領域37の幅W7に対する比(W8/W7)が3〜15倍であることが好ましく、より好ましくは5〜10倍である。一つのサイドパネル3に設ける中間接着領域37の本数は、複数本であることが好ましく、より好ましくは、3〜15本、更に好ましくは5〜10本である。
これらの各部の寸法等は、弾性部材33等の弾性部材を伸長させて、サイドパネルを設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態で測定する。
【0032】
第1実施形態の使い捨ておむつ1におけるサイドパネル3は、図3及び図4に示すように、吸収性本体2側の所定幅の部分が、吸収性本体2の構成部材である立体ガード形成用シート24及び裏面シート22と積層されており、その積層された部分において、シート31と立体ガード形成用シート24、シート32と裏面シート22とが、それぞれ接着剤61,62を介して接合されていることによって、吸収性本体2に固定されている。
【0033】
また、サイドパネル3は、本体側接着領域35のおむつ中央線CL側の部分が、吸収性本体2の構成部材である立体ガード形成用シート24及び裏面シート22と積層されており、その積層部分が、立体ガード形成用シート24及び裏面シート22それぞれに対して接着剤61,62で固定されている。
このように、サイドパネル3の本体側接着領域35の一部(全体でも良い)を、吸収性本体2の構成部材と接合させることで、サイドパネル3や吸収性本体2の構成部材に損傷が生じることや、サイドパネル3が吸収性本体2から取れてしまうといった不都合を一層確実に防止することができる。サイドパネル3の本体側接着領域35と、吸収性本体2の構成部材とが積層されて接合されている接合部のX方向の幅W51(図3参照)は、2mm以上であることが好ましく、より好ましくは5mm以上である。また、前記幅W51は、本体側接着領域35の幅W5の15%以上であることが好ましく、より好ましくは40〜100%である。サイドパネル3と吸収性本体2の構成部材との接合のための接着剤61,62と、本体側接着領域35とは、図4のように重なって、おむつ幅方向に実質的に連続していることが好ましい。
【0034】
また、本実施形態においては、図3及び図4に示すように、ファスニングテープ4における、シート基材42からなる部分が、サイドパネル3の先端側接着領域36の一部と積層されており、その積層部分において、先端側接着領域36の片面を構成するシート32に対して接着剤63で固定されている。
このように、ファスニングテープ(止着材)4を、先端側接着領域36の一部に固定することで、ファスニングテープ(止着材)やサイドパネル3に損傷が生じることや、ファスニングテープ4がサイドパネル3から取れてしまうといった不都合を一層確実に防止することができる。
【0035】
また、本実施形態のおむつ1におけるサイドパネル3は、本体側接着領域35及び先端側接着領域36のそれぞれにも弾性部材33が伸長状態で固定されている。
特許文献1(特開2010−22550号公報)においては、サイドパネル材における、おむつの本体部分に固定される固定部に位置する部分の弾性部材が、非伸長状態で、それを挟持する2枚のシート間に固定されているが、そのように弾性部材の端部を非伸長状態で固定するには、複雑な工程が必要となり、製造設備のコスト高やメンテナンス負担の増大等に繋がる。
これに対して、本実施形態のおむつ1のように、本体側接着領域35及び先端側接着領域36のそれぞれにも弾性部材33が伸長状態で固定されていると、その製造工程において、中間領域30と、本体側接着領域35及び先端側接着領域36とで、シート31,32間に固定する弾性部材33の状態を異ならせる必要がないため、製造工程や製造設備の複雑化を防止することができ、また、設備のメンテナンス負担が軽減される。
【0036】
おむつ1の構成材料について説明する。
サイドパネル3を構成するシート31,32、ファスニングテープ4のテープ基材42としては、従来、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられている各種のシート材を、特に制限なく用いることができる。
例えば、シート31,32、シート基材42としては、不織布、織物、フィルム又はこれらの積層シート等を用いることができる。
吸収性本体2を構成する表面シート21、裏面シート22、吸収体23としては、それぞれ、従来、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられるもの等を、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては、親水性且つ液透過性の不織布や立体開孔フィルム等を用いることができ、裏面シート22としては、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。吸収体23としては、パルプ繊維等の繊維の集合体(不織布であっても良い)又はこれに吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コアを、透水性の薄紙や不織布からなるコアラップシートで被覆したもの等を用いることができる。立体ガードを構成する立体ガード形成用シート24としては、伸縮性のフィルム、不織布、織物又はこれらの積層シート等を用いることができる。
【0037】
弾性部材33、立体ガード形成用の弾性部材25、レッグギャザー形成用の弾性部材26としては、天然ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン等のポリエチレン−αオレフィン共重合体等からなる糸状ないし紐状の弾性部材を用いることができる。一枚のサイドパネルに配する複数本の弾性部材33は、同一種類のものが同一の伸長率で配されていることが、製造コストや製造工程の簡易化等の観点から好ましい。
弾性部材33を固定する接着剤34をはじめ、各部材間を接合するための接着剤の好ましい材料としては、非晶性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体(EEA)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などの熱可塑性ポリマー及びそれらの混合物等が挙げられる。接着剤はホットメルト型が好ましい。
【0038】
次に、本発明の第2実施形態の使い捨ておむつについて説明する。第2実施形態の使い捨ておむつは、サイドパネルの構成が第1実施形態と異なる。第2実施形態については、第1実施形態と異なる点について主として説明し、同様の点については説明を省略する。特に言及しない点については、第1実施形態に関する説明が適宜適用される。
【0039】
第2実施形態におけるサイドパネル3Aにおいては、図5に示すように、先端側接着領域36の幅W6が、本体側接着領域35の幅W5より大きくなっており、本体側接着領域35と先端側接着領域36とで、その幅(X方向の寸法)が異なっている。
【0040】
第2実施形態の使い捨ておむつも、着用者に装着する際には、ファスニングテープ4を手で引っ張り、サイドパネル3Aを伸長させた状態で、該ファスニングテープ4の止着部41を、ランディングゾーン5に押し付けて止着する。
【0041】
第2実施形態におけるサイドパネル3Aは、パネル3Aの先端側に、比較的幅が大きい先端側接着領域36が形成されているため、弾性部材33を、先端側接着領域36に強固に固定させることができ、先端側接着領域36からの所謂ゴム抜けが生じにくい。
【0042】
また、サイドパネル3の先端側は、ファスニングテープ4等を摘んでおむつを装着する際に、最も破損し易い部位であるが、第2実施形態のおむつは、その先端側に幅広(幅が大きい)の先端側接着領域36を有するため、ファスニングテープ等を引っ張った際に破損しにくい。また、サイドパネル3の先端側が、接着剤により剛性が高まった先端側接着領域36の存在によって安定するため、ファスニングテープやサイドパネルを摘み易く、またサイドパネル3の先端側を、ランディングゾーン5に止着するのも容易となる。
【0043】
また、本体側接着領域35の幅を相対的に小さくしてあるため、中間領域30の幅を十分に確保できる。中間領域30は、一部又はその全体が非接着領域38からなるため、本体側接着領域35及び先端側接着領域36に比して、柔軟であり、また伸縮し易い。そのため、サイドパネル3が、着用者の腹囲の増減や脚の動き等に応じて柔軟に変形し易く、本実施形態のおむつ1は、胴回りや脚回りに対するフィット性や着用感(締め付け、弾性体の身体への跡つき等の防止)にも優れている。
また、本体側接着領域35の幅が相対的に小さいため、サイドパネルの根元部分が変形し易く、パネルをしなやかに操作できるため、装着性やフィット性が一層向上する。
【0044】
また、ファスニングテープ4と先端側接着領域36の部分が重複される領域が多くなることで、ファスニングテープ4の強度が向上し、ファスニングテープ4を操作するとき破損を防ぐことができる。
【0045】
なお、第2実施形態の使い捨ておむつの中間領域30にも、第1実施形態と同様に、中間接着領域37及び非接着領域38が形成されているため、接着領域35,36,37、特に中間接着領域37が、着用者の肌に違和感を与えにくく、一層良好な装着感が得られる。
【0046】
上述したような一又は二以上の効果をより確実に得る観点等から、本体側接着領域35の幅W5及び先端側接着領域36の幅W6は、それぞれ、好ましくは3mm以上であり、より好ましくは5mm以上である。
また、先端側接着領域36の幅W6は、本体側接着領域35の幅W5に対する比(W6/W5)が、好ましくは1.1〜3.0であり、より好ましくは1.5〜2.5である。
【0047】
また本体側接着領域35、先端側接着領域36及び中間領域30の合計幅(W5+W6+W30)に対する、本体側接着領域35の幅W5の割合(百分率)は、好ましくは3〜10%、より好ましくは5〜10%であり、同合計幅(W5+W6+W30)に対する、先端側接着領域36の幅W6の割合(百分率)は、好ましくは3.3〜30%、より好ましくは5.5〜30%である。また、先端側接着領域36の幅W6の前記割合(百分率)と、本体側接着領域35の幅W5の前記割合(百分率)との差は、好ましくは0.3〜27%、より好ましくは0.5〜25%である。
これらの各部の寸法等も、上述した通り、弾性部材33等の弾性部材を伸長させて、サイドパネルを設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態で測定する。
【0048】
なお、第1及び第2実施形態のサイドパネル3,3Aは、任意の方法により製造することができ、特に制限されるものではないが、例えば、特許文献2の図11及び図12に示される機構等を用いて、一対の帯状シート間に弾性部材を挟持固定して複合伸縮シートを製造するに当たり、一対の帯状シートの一方及び双方に、前述した態様の接着領域が生じるように接着剤を塗工しておくことにより得ることができる。
【0049】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記の各実施形態に制限されず、種々の変更可能である。
【0050】
例えば、止着材としてのファスニングテープ4は、不織布等からなるテープ基材の片面に、機械的面ファスナーのオス部材を熱融着や接着剤等により貼り付けてなるものに代えて、不織布等からなるテープ基材の片面に粘着剤を塗布して粘着剤からなる止着部を形成したものであっても良い。また、機械的面ファスナーのオス部材からなる止着部41を止着させるランディングゾーンは、裏面シート22の外面に、機械的面ファスナーのメス部材を接合して形成しても良いし、裏面シート22の外面を、係合性に富む不織布から構成し、その所定領域をランディングゾーンとしても良い。
また、ファスニングテープ4等の止着材は、図7に示す使い捨ておむつ1Aにおけるように、腹側部Aにおける吸収性本体2の両側部に設けた一対の腹側パネル6,6に止着させるものであっても良い。また、止着材は、機械的面ファスナーのオス部材を、サイドパネル3の先端部における片面上に直接固定したものであっても良い。腹側パネル6の形成材料としては、不織布、織物、フィルム又はこれらの積層シート等を用いることができる。
【0051】
また、図4には、ファスニングテープ4のテープ基材42を、シート32の外面(シート31側ではない面)側に、接着剤により接合した例を示したが、テープ基材42を、シート31の内面(シート32側ではない面)側に、接着剤により接合したり、シート31及び/又は32の相対向する面に、接着剤により接合することもできる。
また、テープ基材42の接合方法として、接着剤による接着に代えて、図8に示すように、熱エンボス加工、超音波エンボス、高周波エンボス等のエンボス加工により、相互に離間した複数の熱融着部44を形成する方法を採用することもでき、また、接着剤による接着と、エンボス加工等による部分的な熱融着とを併用することもできる。
【0052】
また、サイドパネル3,3Aの吸収性本体2に対する固定方法として、図4には、サイドパネル3を、立体ガード形成用シート24と裏面シート22との間に接着剤を介して固定した例を示したが、サイドパネル3,3Aを、吸収性本体2を構成するシート間に熱融着により固定しても良いし、サイドパネル3,3Aを、裏面シート22の外面(立体ガード形成用シート24側ではない面)側に接着剤や熱融着等により接合しても良い。また、接着剤による接着と、エンボス加工等による部分的な熱融着とを併用することもできる。
また、使い捨ておむつは、立体ガードを有しないものであっても良く、サイドパネル3,3Aを、吸収性本体2の両側部において、表面シート21と裏面シート22との間や表面シート21上に固定しても良い。また、裏面シート22が、樹脂フィルムと不織布との積層体からなり、サイドパネル3,3Aが、該裏面シート22における、樹脂フィルムの側縁から延出した不織布部分と、立体ガード形成用シート24又は表面シート21との間に挟持固定されていても良い。
【0053】
また、弾性部材33は、概ね、おむつの幅方向に沿って配されていれば良く、おむつ長手方向中央線CLに直交する直線に対して、例えば30%以下の角度をなしていても良いし、図9に示すように、弾性部材33がジグザグに形成されていてもよい。また、図4に示した例においては、サイドパネル3の、先端側接着領域36より先端3c側に、シート31,32が接着剤では接着されていない先端側非接着領域が形成され、サイドパネル3の、本体側接着領域35よりも中央線CL側に、シート31,32が接着剤では接着されていない本体側非接着領域が形成されていたが、図10に示すように、そのような、先端側非接着領域及び/又は本体側非接着領域は形成されていなくても良い。
【0054】
また、ファスニングテープ4を有するサイドパネル3,3Aは、吸収性本体2の長手方向の左右両側のうちの何れか一方の側のみに形成されていてもよい。また、中間領域30は、全域が非接着領域38からなるものであっても良い。また、図3に示した例においては、中間領域30の接着領域37、非接着領域38は均一な間隔で配置されているが、何れもX方向において不均一であってもよい。例えば、図11に示す例においては、中間領域30の非接着領域38の幅W8がX方向において不均一となっている。また、図12に示すように、吸収性本体2側に向けて非接着領域38の幅W8が次第に狭くなっていく形態、または、図示していないが斯かる形態とは逆に、吸収性本体2側に向けて非接着領域38の幅W8が次第に広くなっていく形態でもよい。
【0055】
また、本体側接着領域35、先端側接着領域36及び中間接着領域37は、何れも、Y方向(おむつ長手方向)において、X方向(おむつ幅方向)の幅が変動していても良い。その場合には、Y方向の同部位において、それらの領域の幅の大小を比較する。特に、図13に示すように、前述の先端側接着領域36のおむつ幅方向の幅W6を、ファスニングテープ4の取付部(平面視においてファスニングテープ4と重なる部分)において、該先端側接着領域36の他の部位より大きくすることで、ファスニングテープ4の強度の一層の向上に寄与する。
【0056】
また、上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
【0057】
前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記(使い捨ておむつ)を開示する。
【0058】
<1>吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の一方又は両方の側部に取り付けられたサイドパネルを備えた使い捨ておむつであって、
前記サイドパネルは、2枚のシートと、前記2枚のシート間に、おむつ幅方向に伸長した状態で固定されている複数本の弾性部材とを有し、該サイドパネルの先端部に、該サイドパネルを他の部位に止着するための止着材が設けられており、
前記サイドパネルは、前記2枚のシート間に接着剤がおむつ長手方向に連続して配されている接着領域を複数本有し、該接着領域として、前記弾性部材の前記吸収性本体側の端部又はその近傍を固定している本体側接着領域、及び該弾性部材の前記サイドパネルの先端側の端部又はその近傍を固定している先端側接着領域を有し、該本体側接着領域と該先端側接着領域とに挟まれた中間領域に、接着剤が配されていない一又は複数の非接着領域を有しており、
前記本体側接着領域と前記先端側接着領域とで幅が異なっている、使い捨ておむつ。
【0059】
<2>前記本体側接着領域の幅が前記先端側接着領域の幅より大きい、前記<1>記載の使い捨ておむつ。
<3>前記先端側接着領域の幅が前記本体側接着領域の幅より大きい、前記<1>記載の使い捨ておむつ。
<4>前記本体側接着領域及び前記先端側接着領域の合計幅が、前記中間領域の幅の1/4以下である、前記<1>〜<3>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<5>前記中間領域に、前記両接着領域の何れよりも幅が小さい中間接着領域が、隣接する接着領域との間に前記非接着領域を設けて複数本形成されている、前記<1>〜<4>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<6>前記本体側接着領域、前記先端側接着領域及び前記中間接着領域は、何れも、おむつ長手方向に延びており、前記サイドパネルの上下縁間の全長に亘っている前記<5>に記載の使い捨ておむつ。
<7>前記本体側接着領域及び前記先端側接着領域は、それぞれに配された接着剤の坪量が、前記中間接着領域に配された接着剤の坪量よりも大きい、前記<5>又は<6>に記載の使い捨ておむつ。
<8>前記中間領域は、前記使い捨ておむつの自然状態において、前記弾性部材の収縮によって、前記非接着領域における前記2枚のシートが、それぞれ該弾性部材から離れる方向に膨出し、前記サイドパネルの両面に、複数本の該弾性部材に跨るように延びる複数本の襞が形成される前記<5>〜<7>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<9>前記本体側接着領域の少なくとも一部が前記吸収性本体の構成部材と接合されている、前記<1>〜<8>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<10>前記止着材が、前記先端側接着領域の一部に重ねて固定されている、前記<1>〜<9>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<11>前記止着材が、前記先端側接着領域の片面を構成するシートに対して接着剤で固定されている、前記<10>記載の使い捨ておむつ。
<12>前記止着材が、前記先端側接着領域の片面を構成するシートに対して、相互に離間した複数の熱融着部で固定されている、前記<10>記載の使い捨ておむつ。
<13>前記非接着領域の幅が、前記吸収性本体側に向けて次第に狭くなっていく、前記<1>〜<12>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<14>前記非接着領域の幅が、前記吸収性本体側に向けて次第に広くなっていく、前記<1>〜<12>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<15>前記先端側接着領域は、前記止着材の取付部におけるおむつ幅方向の幅が、該先端側接着領域の他の部位におけるおむつ幅方向の幅より大きい、前記<1>〜<14>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
<16>おむつ幅方向に延びる前記弾性部材とおむつ長手方向に延びる前記接着領域の角度は30〜150度が好ましく、ほぼ垂直がさらに好ましい前記<1>〜<15>の何れか1に記載の使い捨ておむつ。
【符号の説明】
【0060】
1 使い捨ておむつ
2 吸収性本体
21 表面シート
22 裏面シート
23 吸収体
24 立体ガード形成用シート
3,3A サイドパネル
30 中間領域
31,32 シート
33 弾性部材
34 接着剤
35 本体側接着領域(接着領域)
36 先端側接着領域(接着領域)
37 中間接着領域(接着領域)
4 ファスニングテープ(止着材)
41 止着部
42 テープ基材
5 ランディングゾーン
6 腹側パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の一方又は両方の側部に取り付けられたサイドパネルを備えた使い捨ておむつであって、
前記サイドパネルは、2枚のシートと、前記2枚のシート間に、おむつ幅方向に伸長した状態で固定されている複数本の弾性部材とを有し、該サイドパネルの先端部に、該サイドパネルを他の部位に止着するための止着材が設けられており、
前記サイドパネルは、前記2枚のシート間に接着剤がおむつ長手方向に連続して配されている接着領域を複数本有し、該接着領域として、前記弾性部材の前記吸収性本体側の端部又はその近傍を固定している本体側接着領域、及び該弾性部材の前記サイドパネルの先端側の端部又はその近傍を固定している先端側接着領域を有し、該本体側接着領域と該先端側接着領域とに挟まれた中間領域に、接着剤が配されていない一又は複数の非接着領域を有しており、
前記本体側接着領域と前記先端側接着領域とで幅が異なっている、使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記本体側接着領域の幅が前記先端側接着領域の幅より大きい、請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記先端側接着領域の幅が前記本体側接着領域の幅より大きい、請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記本体側接着領域及び前記先端側接着領域の合計幅が、前記中間領域の幅の1/4以下である、請求項1〜3の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項5】
前記中間領域に、前記両接着領域の何れよりも幅が小さい中間接着領域が、隣接する接着領域との間に前記非接着領域を設けて複数本形成されている、請求項1〜4の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項6】
前記本体側接着領域の少なくとも一部が前記吸収性本体の構成部材と接合されている、請求項1〜5の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項7】
前記止着材が、前記先端側接着領域の一部に重ねて固定されている、請求項1〜6の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項8】
前記止着材が、前記先端側接着領域の片面を構成するシートに対して接着剤で固定されている、請求項7記載の使い捨ておむつ。
【請求項9】
前記止着材が、前記先端側接着領域の片面を構成するシートに対して、相互に離間した複数の熱融着部で固定されている、請求項7記載の使い捨ておむつ。
【請求項10】
前記非接着領域の幅が、前記吸収性本体側に向けて次第に狭くなっていく、請求項1〜9の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項11】
前記非接着領域の幅が、前記吸収性本体側に向けて次第に広くなっていく、請求項1〜9の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項12】
前記先端側接着領域は、前記止着材の取付部におけるおむつ幅方向の幅が、該先端側接着領域の他の部位におけるおむつ幅方向の幅より大きい、請求項1〜11の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項1】
吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の一方又は両方の側部に取り付けられたサイドパネルを備えた使い捨ておむつであって、
前記サイドパネルは、2枚のシートと、前記2枚のシート間に、おむつ幅方向に伸長した状態で固定されている複数本の弾性部材とを有し、該サイドパネルの先端部に、該サイドパネルを他の部位に止着するための止着材が設けられており、
前記サイドパネルは、前記2枚のシート間に接着剤がおむつ長手方向に連続して配されている接着領域を複数本有し、該接着領域として、前記弾性部材の前記吸収性本体側の端部又はその近傍を固定している本体側接着領域、及び該弾性部材の前記サイドパネルの先端側の端部又はその近傍を固定している先端側接着領域を有し、該本体側接着領域と該先端側接着領域とに挟まれた中間領域に、接着剤が配されていない一又は複数の非接着領域を有しており、
前記本体側接着領域と前記先端側接着領域とで幅が異なっている、使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記本体側接着領域の幅が前記先端側接着領域の幅より大きい、請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記先端側接着領域の幅が前記本体側接着領域の幅より大きい、請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記本体側接着領域及び前記先端側接着領域の合計幅が、前記中間領域の幅の1/4以下である、請求項1〜3の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項5】
前記中間領域に、前記両接着領域の何れよりも幅が小さい中間接着領域が、隣接する接着領域との間に前記非接着領域を設けて複数本形成されている、請求項1〜4の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項6】
前記本体側接着領域の少なくとも一部が前記吸収性本体の構成部材と接合されている、請求項1〜5の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項7】
前記止着材が、前記先端側接着領域の一部に重ねて固定されている、請求項1〜6の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項8】
前記止着材が、前記先端側接着領域の片面を構成するシートに対して接着剤で固定されている、請求項7記載の使い捨ておむつ。
【請求項9】
前記止着材が、前記先端側接着領域の片面を構成するシートに対して、相互に離間した複数の熱融着部で固定されている、請求項7記載の使い捨ておむつ。
【請求項10】
前記非接着領域の幅が、前記吸収性本体側に向けて次第に狭くなっていく、請求項1〜9の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項11】
前記非接着領域の幅が、前記吸収性本体側に向けて次第に広くなっていく、請求項1〜9の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【請求項12】
前記先端側接着領域は、前記止着材の取付部におけるおむつ幅方向の幅が、該先端側接着領域の他の部位におけるおむつ幅方向の幅より大きい、請求項1〜11の何れか1項記載の使い捨ておむつ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−34850(P2013−34850A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−115457(P2012−115457)
【出願日】平成24年5月21日(2012.5.21)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月21日(2012.5.21)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
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