説明

使い捨て可能な女性のための装置

使い捨て及び折畳み可能な性的補助用且つ膣洗浄及び衛生用装置(16、16'、18、18')、及びその使用方法について開示する。本装置には、開口端部又は開口部(34、34')を有し、略コンドームの形及び寸法をしたパウチ又はブラダ(30、30’)と、標準的な弁(20、20')又はベース(22、22'、22")を有するキャップ-首部閉止体(20")と、を備える。ブラダを、可撓性で非弾性の気密な耐性材料のシート製とする。開口部を、ベースに又は閉止体のキャップ(24")及び首部(26')で流体密に密閉する。膨張又は充填した装置は、ディルドとして機能し、小型バイブレータを包含すると、バイブレータとして機能する。突いて穿孔した装置を使用して、薬剤を膣の必要な領域に発射し、膣を水で洗浄する。ブラダを、使用前に折畳み、小パッケージに詰入、密封し、使用後は廃棄可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て及び折畳み可能な、性的補助用且つ膣洗浄及び消毒用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
膣の炎症、かゆみ、又は感染症を自己治療する、及び膣を定期的に衛生にするのに、膣の内端部はリング形をしており、膣のドームが子宮頚部に対して倒れている(前及び後円蓋)ため、困難が生じることが多い。また、通常、膣の内壁は互いに倒れている;且つ膣壁の内面には、複数の膣粘膜皺、絨毛、折り目、襞がある。デメトラコポウロス(Demetrakopoulos)氏に付与された米国特許第5,045,058号では、陰茎形をした膣洗浄及び消毒用装置について開示しており、該装置は標準的な圧注技術に対して幾つかの利点を有している。この装置は、陰茎形をした固形石鹸を本体とし、圧注に関する限界を、単純にユーザが膣壁、結果的に膣の特定部分さえも、石鹸や薬剤を該部分に塗布する際に、伸張できるため、克服可能である。この装置は、陰茎形をした本体の外面に形成した石鹸泡を、膣の適当な領域に供給できる。この膣の伸張によって、炎症を起こした粘膜皺又は襞間から不所望な膣液を排出できる可能性がある。従って、陰茎形状又はディルド形状とすることで、該置で、特に薬液を使用する際に、効率的、効果的に膣を消毒可能になる。残念ながら、この装置自体の再利用可能とする特徴については、若干衛生上の懸念がある。
【0003】
全く異なる分野では、ディルドは人体の性感帯を刺激する性的な補助器具として一般的に使用されてきた。例として、ディルドを膣等の身体開口部に挿入して使用するものが挙げられる。現代のプラスチック及び他の成形可能材料は発展しており、形、意匠的表面模様、寸法が多種多様な形状のディルドを大量に生産可能になっている。ディルドを、固体の滑らかな縁部/外形をした円筒形のように単純に、又は人間の陰茎の複製のように複雑にすることができる。材料費用のため、ディルドは殆ど再利用するよう設計される。しかしながら、時間とお金を懸けるのは厭わないとしても、使用後に完全にディルドを洗浄又は殺菌して、衛生上の懸念を払拭するのは、依然として厄介である。多くのディルドは、殆ど安価な材料製であり、煮沸や洗剤を使った洗浄で殺菌できない。
【0004】
人々は、ディルド又はバイブレータ等の性的快感を高める性的補助装置を受け入れたが、殆どの人々は、使用時以外は恥をかく恐れから、性的装置を隠して保持したがる。そのため、性的装置のオンライン販売がポルノショップより人気があり、より多くを占めている。しかしながら、ディルドは固形物で、かなりの形、寸法のため、マーケティング、販売、購入、収納においてディルドを隠蔽するのは、極めて難しい。よって、ディルドによっては小型のものもあるが、効果の面で妥協しており;その他にも通常のおもちゃ又は製品の形にしたものもあるが、余分な材料や時間を無駄に費やしている。カストロ(Castro)氏に付与された米国特許第6,599,236号では、加熱した液体で充填する中空シャフトの形をしたディルドについて開示している。該シャフトを、ネジ切りできる程、硬く及び/又は厚くして、使用中密封状態を維持可能にする必要があった。そのため、他の固体ディルドのように、ディルドを折畳めず;充填液は熱媒体としてのみ機能するが、支持体としては機能しない。一体化した手動ポンプを備えた厚い殻のゴム製ディルドが幾つか、現在市販されており、容量を空気で横寸法を増大させる「空気注入式ディルド」と呼ばれている。しかしながら、他のディルドのように、該ディルドは折畳みできず、完全な縦寸法及びかなりな横寸法のため小パッケージに詰入できない。これら全てが、ディルドに関するマーケティング力、配送容量、市場供給を、制限又は抑制してしまう、というのも主要な小売店ではディルドを現在の形状で販売しないからである。
【0005】
そのため、1)膣を洗浄及び消毒するのに使用でき;2)任意の所望寸法のディルドとして十分に機能でき;3)実質的にコンドームのように、折畳み可能で、小パッケージに詰入し、密封でき;4)輸送や運送するのに軽量で、携帯又は収納するのに都合がよく;5)1回使用した後に使い捨てできる程安価な、簡易な装置を有することが極めて望ましいであろう。従って、かかる装置はより大衆に受入れられ、より市場性が高く、インターネット又は通信販売で販売するのにだけでなく、薬局及び主要小売店で販売するのにも一層適するであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,045,058号
【特許文献2】米国特許第6,599,236号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、上述したこれらの全て利点を有するような装置を提供することである。更なる目的及び利点については、次の説明及び図面を検討することから明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、使い捨て及び折畳み可能な、性的補助用且つ膣洗浄及び衛生用装置、及び該装置の使用方法を提供する。
【0009】
いくつかの実施例によれば、使い捨て及び折畳み可能な装置には、パウチ又はブラダを備えるが、該パウチ又はブラダを、滑らかな外形をした略円筒形として、片端部に、通常のコンドームのようにニップル端部を設けずに形成し、可撓性で非弾力性の気密な耐性材料製シートから作製する。ブラダには、他端部に開口部を有し、該開口部を標準的な弁又は閉止手段等で流体密に密封できる。ブラダを、かかる手段を介して流体で膨張又は充填できる。膨張又は充填すると、ブラダはディルドとして膣に貫入可能となる。ブラダを、空の際には、折畳み、小パッケージに詰入し、密封できる。そうしたブラダを、様々な形、デザイン、色、又は寸法で、容易に成形する又は表面模様を付けることができる。ブラダを、可撓性吸収材料又は人間の肉体の一般的な感触を有する弾性ゲル等の材料による層で、永久に被膜できる。また、ブラダには、潤滑剤又は液体洗剤等の材料による一時的な被膜を有することもできる。
【0010】
使用するには、本装置をまず、弁又は閉止手段等を介して吹込又は注水して、膨張又は充填する。性的補助として使用する場合は、所望であれば、予め潤滑しておく又は潤滑することができる。膨張又は充填した装置を使用する方法は、一般的なディルドのものと同じである。小型バイブレータを包含した場合、本装置は従来のバイブレータとして機能する。膣の洗浄及び衛生に関しては、本装置の使用方法は、使用する物質又は薬剤の物理的形状によって異なる。クリーム又はゲルの薬剤又は消毒剤は、好適には、本装置を膣に挿入する前に、膨張又は充填した装置の外面に塗布する。しかしながら、液体又は溶体の薬剤又は消毒剤は、好適には、水と共に又は単独で、本装置のチャンバに充填する。数個の小孔を本装置の壁に、ピン先等の鋭利な物で突いて穿孔した後で、ユーザは、該装置を膣に挿入して、適切な領域にまで移動させる。薬剤を、内部流体を加圧して該孔から発射する。終了又は放出すると、本装置を膣から引出す。本装置を、所望であれば、再充填して繰り返し膣に挿入できる。同様に、突いて穿孔した装置を使用して、膣を洗剤及び水で洗浄できる。使用後、本装置又はブラダのみを、廃棄してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】膨張又は充填した、本発明の実施例による装置の断面斜視図である。
【図2】膨張又は充填した、本発明の別の実施例によるリング状の表面模様を有する装置の断面斜視図である。
【図3】膨張又は充填した、本発明の別の実施例による泡状表面を有する装置の断面斜視図である。
【図4】膨張又は充填した、本発明の別の実施例による被膜を有する装置の断面斜視図である。
【図5】膨張又は充填した、本発明の別の実施例による小孔を有する装置の断面斜視図である。
【図6】膨張又は充填した、本発明の別の実施例による両アール状端部を有する装置の断面図である。
【図7】液体を充填した、本発明の別の実施例による装置の断面斜視図である。
【図8】液体を充填した、本発明の別の実施例によるリング状の表面模様及び小孔を有する装置の断面斜視図である。
【図9】液体を充填した、本発明の別の実施例による小型バイブレータを包含した装置の断面斜視図である。
【図10】液体を充填した、本発明の別の実施例による取外可能なパウチを有する装置の分解図である。
【図11】本発明の別の実施例による、弁と一体化させたキャップ又は閉止体の斜視図である。
【図12】本発明の別の実施例による、バイブレータと一体化させたキャップ又は閉止体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の好適実施例である装置16を、図1に示す。この装置には、当技術分野で周知の膨張可能物用標準弁20と、陰茎円筒又はコンドームの形をした、軟質塩化ビニル(PVC)等の可撓性で非弾力性の耐性材料製シートからできた、折畳み可能な気密ブラダ、シース、又はパウチ30と、を備える。該パウチには、略筒体32と、外周にリム又はフランジ35を有する開口部又は開口端部34と、アール状頭部又は閉鎖端部36と、を備える。リムによって、開口端部を弁20の座又は基部に気密に、連結、密封、及び/又は溶接する。パウチ30のチャンバは、弁20を介してのみ環境と流体連通状態であり、該チャンバを完全に伸張させると、実質的に陰茎寸法になる。弁の栓24及びフラップ26により、弁の開口部又は管を閉鎖できる。
【0013】
図2に示すように、装置16には、略筒体32の外面にリング40の表面模様を形成する。複数のリング40を、略筒体の長さに沿って略等距離に離間して、該外面に成形又は固着させる。リング40を好適には固体材料製とする。このリング状の表面模様は、外面に形成できる多様な表面模様の1つにすぎない。
【0014】
図3に示すように、装置16には、或はまた泡形42の斑点状表面を、滑面の代わりに、略筒体32に有することができる。パウチ30を、泡形42を中空にして、該パウチの主チャンバとのみ流体連通状態にして、成形する。この泡形の斑点は、略筒体32に成形できる様々な中空柱の1つにすぎない。
【0015】
図4に示すように、装置16には、或はまたパウチ30の外面に更なる被膜又はコーティング44を施すことができる。コーティング44を、液体又は固体の可撓性材料の層とし、一時的又は永久的に外面に装着又は固着する。当技術分野で周知のように、コーティングは、パウチ30の物理的特性及び化学的特性を向上させるのに、経済的で効率的な方法である。可撓性吸収材料の被膜により、装置の液体吸収性を増大でき;弾性ゲルの被膜により、人間の肉体の一般的な感触を提供する可能性があり;ラテックスの被膜により更に衛生的になり得;潤滑剤で一時的にコーティングすることで、装置と人間の皮膚との摩擦を軽減できる。
【0016】
図5に示すように、装置16には、或はまたパウチ30の壁に複数の小孔38を有することができる。これらの孔を、好適には、頭部36又は頭部閉鎖端部付近に作る。パウチ内部の流体は、該孔から、孔の寸法及び数によって、ゆっくり又は速く放出できるが、該孔は、メーカー又はユーザがパウチ30の壁を針又はピン先で突いて穿孔できる。
【0017】
パウチ30を可撓性又は折畳み可能とすることで、空の又は空気を抜いた状態の装置16を、小パッケージ(図示せず)に詰入可能になる。かかるパッケージを、当技術分野で周知の方法で、衛生的に、便利に、隠蔽して密封できる。このパッケージを破いて開ける、又は当技術分野で既知のように、接着した閉じ目で引き離すことができる。
【0018】
パッケージから取出した後、装置16を空気で膨張させる、又は液体で充填する。ユーザは該装置を、弁20を介して空気を吹き込むか、液体を充填するかして、装填する。該液体を、好適には、暖めてから充填する。所望であれば、ユーザはパウチ30の外面を潤滑にできる。その結果、装置を完全な大きさのディルドとして、使用可能な状態とすることができる。触感が、表面模様40によって、又は充填した泡形42によって、向上する。その上、ディルドとして本装置を使用すると、膣の筋肉をまず弛緩でき、それにより薬物治療にも使える該装置を、容易に膣に挿入して薬剤又は消毒剤をその後に適用できる。
【0019】
装置16が小型バイブレータをパウチ30のチャンバ内に包含している場合(図示しないが、図9で装置18の小型バイブレータ50に関して説明したのと同様な)、該装置を、性的快楽を増強するバイブレータの代替品、或は代用品とすることができる。小型バイブレータの構造や使用法については、当技術分野で既知である。無線制御又は遠隔制御する小型バイブレータに関して、かかる小型バイブレータを製造する際に、装置16に予め包含しておき、該バイブレータの遠隔操作用コードがもしあれば、これをベース22(図示しないが、図12でバイブレータ50’に関して説明したのと同様な)を通して予め配設しておいてもよい。装置16を膨張又は充填した後、ユーザが振動を開始させる。また、該装置を液体で充填しようとする場合は、小型バイブレータも防水にする、又は液体中でも作動可能にすべきである。無線制御又は遠隔制御無しの小型バイブレータに関しては、かかる小型バイブレータを始動させて後、装置に挿入する。こうした操作は、装置を液体で充填する前又は後に、行える。しかしながら、装置を空気で膨張させる場合、この操作を行った後に膨張させるべきである。弁20のフラップ26が、小型バイブレータの挿入に対してあまりに障害となる場合は、異なる設計の弁又は機構(図示せず)を、代わりに使用すべきである。弁によっては管及び逆止め手段が、閉止前に分離可能又は取外可能であることは、当該技術分野で知られている。そうした弁では、一層広い小型バイブレータ挿入用開口部を提供できる。そのため、小型バイブレータを再充電して、再利用してもよい。
【0020】
膣を洗浄及び消毒するのに、ユーザはまず、パウチ30の外面に薬剤又は消毒剤の層を、該物質がクリーム等の物質的形状であり、これで一時的に該面に被膜できる場合には、塗布する。次に、ユーザは、装置を膣に挿入して、膣の適切又は必要な領域に移動させ、終了すると、膣から該装置を引出す。この手順を、十分な物質を必要な領域に供給するまで繰り返す。吸収材料のコーティング44を有する装置16では、液体薬剤又は消毒剤をよく吸収でき、その後同様の手順で使用できる。
【0021】
また、ユーザは、液体又は溶液の薬剤又は消毒剤を、水と混合して又は単独で、装置を装填する際に、充填できる。数個の小孔38を、好適には、パウチ30の壁の頭部36付近の領域に、ピンの先等の細い鋭い物で突いて穿孔した後、ユーザは、装置を膣に挿入して、適切な領域に移動させる。該物質(薬剤又は消毒剤)を、内部流体を加圧状態にして孔38から発射する。ユーザは、装置を絞り、この発射作用を加速してもよい。終了又は放出すると、装置を膣から引出す。孔38の寸法を小さくし、それにより装置が該孔から放出するプロセスを十分緩速にして、装置を再充填して膣に繰返し挿入可能にする。予め穿孔した装置16も、同じ方法で使用できる。
【0022】
また、突いて穿孔した又は予め穿孔した装置を、上述したように、洗浄液又は水で膣を洗浄するのに利用できる。この手順を、膣を適切に洗い流すまで、繰り返すことができる。
【0023】
使用後に、本装置を廃棄して、性感染症又は他の衛生上懸念の可能性を回避してもよい。
【0024】
図6に示すように、装置16'-装置16の代替物-には、標準的な弁20’と、2つのアール状端部を有する筒形をした、陰茎円筒又はコンドームの形をした、可撓性で非弾力性の耐性を備えた気密性材料製シートの折畳み可能なブラダ30’と、該ブラダの壁にある開口部34’と、を備える。弁20’を、弁20と殆ど同じにするが、弁20’には弁20のベース22より相当小さなベース22'を有する点だけが異なる。また、ブラダ30'を、リム35で気密に滑らかに連結した2つのパウチ30で形成することもできる(図示せず)。開口部34’を、好適には、ブラダ30'の略中央に配置し、該開口部の外周でベース22'と気密に密封する。ブラダ30'のチャンバを、弁20’のみを介して、環境と流体連通状態にする。装置16'を、空気又は液体を装填して、両頭部を有するディルドとして使用できる。
【0025】
本発明の別の好適実施例である、装置18を、図7に示す。この装置には、部分的に着脱可能な閉止体20"-当技術分野で周知の、瓶のネジ付首部又は口部とキャップの構造体を、剛性材料で作製したもの-を、装置16の弁20の代用品として、備える。肩部又はベース22"を、ネジ付首部と連結し、そのリム35でパウチ30の開口端部34を流体密に密封する。キャップ24”を、該首部に螺着固定して、口部を密封でき、その結果、パウチを流体密にできる。装置18は、液体で使い易い。ユーザは、単にキャップ24”を緩めて首部から外し、パウチを、好適には温水又は暖めた水又は液体を口部から充填し、再びキャップを螺着する。この充填した装置18を、装置16のように膣の洗浄及び消毒用器具として使用できる。装置18の本体-パウチ30-もまた、装置16の本体と同様に、表面模様を付ける又は成形することができる。図8に示すように、装置18を、突いて穿孔し又は予め穿孔し、複数のリング40で表面模様を付けている。キャップ24”を、図11で示すように、弁20と一体化させる場合、装置18を、空気と液体の両方に都合よく使用できる。使用後に、装置を分解する;パウチを廃棄する;任意には、キャップを捨てずにおき、再利用してもよい。
【0026】
図9に示すように、装置18は、小型バイブレータ50を包含できる。この小型バイブレータを、防水する又は水中でも機能するようにする。更に、該小型バイブレータを、好適には、無線で制御又は遠隔制御可能にする。その制御部を、キャップ24”(図示しないが、図12でバイブレータ50'に関して説明したのと同様な)に内蔵、又は一体化できる。使用前には、通常、小型バイブレータ50を装置18と別々に保管しておく。ユーザは、小型バイブレータを、本装置を水で充填する前又は後に、パウチ30のチャンバに入れる。小型バイブレータを収容した充填済装置18は、性的補助用バイブレータとして、機能する。キャップ24”を、図12で示すように、弁と一体化させたキャップで交換した場合でも、装置を同様に空気で膨張させることができる。また、装置を容易に組立て及び分解可能にし、それにより小型バイブレータを再充電して、再利用できるが、残りのもの又はパウチを使い捨て可能なようにする。
【0027】
図10に示すように、装置18'-装置18の代替物-には、完全に除去可能又は取外可能な閉止体20”を備え、該閉止体には、キャップ24”とベース22”及び上面26’を有するネジ付首部とを含む。これら2装置は、パウチ30を密封する方法についてのみ異なる:首部の先端でキャップ24”と、装置18'に関しては取外可能に密封させるのに対して、装置18に関してはベース22”の底部で永久的に密封させる。従って、閉止体20”は、首部の内面と略一致するパウチから、完全に分離可能又は取外可能である。使用前に、折畳み可能なパウチを、ちょうどコンドームのように、小パッケージに詰入して、密封し、閉止体とは別々に保管してもよい。ユーザは、このパッケージからパウチを取出して、口部からパウチを挿入して、首部の上面26’にパウチの、好適には補強した(ここでは図示せず)リム35、又はビード35’を取付け、パウチを水で充填し、キャップ24”を首部にしっかりと螺着する。その結果、パウチ30を充填、固定し、閉止体20”で流体密に密封できる。使用後に、装置を空にし、分解する;パウチを取出し、廃棄する;閉止体は再利用のために保管することができる。同様に、装置18’のパウチ30にも装置18のように表面模様を付けることができる。
【0028】
図11に示すように、キャップ24”を弁20と一体化させ、ベース22をキャップカバーと、キャップ中央で組み合わせる。この一体化したキャップにより、装置18又は18’は空気と液体両方で使い易くなる。また、図12で示すように、キャップ24”を防水バイブレータ50’と一体化することもできるが、該バイブレータのコントロールパネル及びバッテリー(図示せず)を、キャップの先端のケース52内に配設して包含し、該バイブレータの振動部分を、開口部(図示せず)を介してキャップの中央に配設して、該開口部を流体密に密封する。キャップ24”を交換して、コントロールパネルと一体化したキャップにすると、装置18又は18’は、制御可能な性的補助用バイブレータとして機能可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
よって、読者は、本発明の様々な実施例によって、使い捨て及び折畳み可能な性的補助用且つ膣洗浄及び消毒用装置を提供したことが、分かる。本発明の多数の利点については、上記から明白である:
・簡単、安全、効果的、経済的な装置である。
・膣の洗浄及び消毒に、効果的に使用できる。
・一回使用した後に衛生上の懸念を払拭するために、廃棄可能な程安価である。
・小さな密封パッケージに容易に詰入でき、マーケティング、販売、購入、収納時に隠蔽できる。
・小型バイブレータを包含した場合、性的快楽用バイブレータの簡単、安価、効果的、安全な代替品又は代用品となる。
・従来のディルドに必要な材料の量を大幅に削減する一方で、任意の寸法、感覚、快適さを備えたディルドとして、依然として完全に機能する。
・軽量で、携帯、出荷、取り扱いが容易且つ便利である。
・温水で充填することで、使用時の快適さが容易に向上する。
・様々な形、寸法、表面模様、色で容易に製造できる。
・ヘルスケア製品として、インターネット又は通信販売だけでなく、薬局及び小売店での販売にも適している。
【0030】
従って、これらの実施例によれば、本発明は、現在販売されている同様な製品と比べて、より大衆に受入れられ、求められ、市場性がある。
【0031】
上記説明には多くの特異な点を含むが、そうした点は本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の現時点での好適実施例を例示するものとして解釈されるべきである。他の多くの派生物及び変形物についても、本発明の教示の範囲内で可能である。例えば、1) 小ベースを有する弁で密封する小開口部を有するパウチを、両頭部を有するブラダで使用する等の、上述した実施例の異なる組み合わせもある;2)本装置を、例えば筒状本体の直径より大きな半球状面の形をしたパウチ頭部を有する等、様々な形、寸法、表面模様、色で作製できる;3)本装置では、設計又は機構が異なる様々な弁及び閉止体を使用できる;及び4)本装置の構成は、例えばパウチの開口端部を弁又は閉止手段に、下部ではなく上部で密封する等、上記実施例で説明したものとは極めて異なる場合がある。
【0032】
よって、本発明の範囲は、説明した実施例によって決定されず、付記したクレーム及びそれらの法的同等物によって決定すべきものとする。
【符号の説明】
【0033】
16、16’、18、18’ 装置
20、20’、20” 弁
22、22’、22” ベース
24 栓
24” キャップ
26 フラップ
26’ 上面
30 パウチ
30’ ブラダ
32 略筒体
34 開口端部
34’ 開口部
35 フランジ、リム
35’ ビード
36 閉鎖端部
38 小孔
40 リング
42 泡形
44 コーティング
50 小型バイブレータ
50’ バイブレータ
52 ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略陰茎形をした、伸張すると陰茎の大きさになる、滑らかな外形をした閉鎖端部を有する、可撓性又は軟質な、略非弾性で流体不透過性材料製シートのパウチと、前記パウチの開口端部を流体不透過的に密封し、それにより前記パウチを流体で膨張又は充填でき、及び前記開閉手段を介して空気を抜ける又は空にできる開閉手段と、を備える折畳み可能な性的補助用且つ膣洗浄及び衛生用装置であって、
該装置を、空のときに折畳み、小パッケージに詰入し、密封でき、膨張又は充填すると、ディルドとして膣に貫入でき、該装置の薬剤又は消毒剤を、膣の適切な又は必要な領域に供給できること、
を特徴とする折畳み可能な装置。
【請求項2】
前記パウチのチャンバに包含する小型バイブレータを更に含む、折畳み可能な装置であって、前記装置は、膨張又は充填すると、性的快楽のためのバイブレータとして機能できること、を特徴とする請求項1に記載の折畳み可能な装置。
【請求項3】
前記小型バイブレータを、無線又は遠隔制御可能にし、任意には、該小型バイブレータには、前記開閉手段と一体化した制御部を有すること、を特徴とする請求項2に記載の折畳み可能な装置。
【請求項4】
前記パウチを、前記開閉手段から取外可能又は分離可能にし、前記パウチだけを、折畳み可能、詰入可能、隠蔽可能、取替可能、廃棄可能とすること、を特徴とする請求項1に記載の折畳み可能な装置。
【請求項5】
複数の開口を前記パウチに更に含む、折畳み可能な装置であって、前記装置を、水又は洗浄液で充填する場合は、膣の洗浄に使用でき、薬剤液で充填する場合は、膣の洗浄及び衛生に使用できること、を特徴とする請求項1に記載の折畳み可能な装置。
【請求項6】
前記パウチを、様々な材料、表面模様、形、及び/又は色で、被膜する、表面模様を付ける、及び/又は成形する、折畳み可能な装置であって、前記装置には、異なる形、表面、又は外観を有せること、を特徴とする請求項1に記載の折畳み可能な装置。
【請求項7】
前記開口端部には、リム、フランジ又はビードを含み;前記開閉手段の少なくとも1部材/部品で、永久的又は取外可能に、前記開口端部を、前記リム、フランジ又はビードで流体不透過的に密封すること、を特徴とする請求項1に記載の折畳み可能な装置。
【請求項8】
前記開閉手段には、好適には剛性材料製の瓶用のキャップ-首部/口部構造か、膨張可能品用の逆止弁かのどちらかを備えること、を特徴とする請求項7に記載の折畳み可能な装置。
【請求項9】
前記構造をしたキャップを、前記逆止弁と一体化させ、前記装置を容易に水で充填でき、又は空気で膨張できること、を特徴とする請求項8に記載の折畳み可能な装置。
【請求項10】
略陰茎の横方向寸法の略円筒形をした流体密のブラダであって、少なくとも滑らかな外形をした端部を有すると共に、前記ブラダの環境との流体連通を制御する開閉手段によって、流体密に密封する開口部を有する該ブラダを、備える折畳み可能な性的補助用且つ膣洗浄及び衛生用装置であって、
前記ブラダを、軟質又は可撓性で略非弾性の材料のシート製とし、該ブラダを前記開閉手段を介して、膨張、充填又は空にでき、
前記装置を、空のときに折畳み、小パッケージに詰入、隠蔽でき、膨張又は充填すると、ディルドとして膣に貫入でき、該装置の薬剤又は消毒剤を、膣の適切な又は必要な領域に供給できること、
を特徴とする折畳み可能な装置。
【請求項11】
好適には無線又は遠隔制御部を有し、前記ブラダのチャンバ内に包含する小型バイブレータを、更に含む折畳み可能な装置であって、前記制御部を任意には、前記開閉手段と一体化させること、を特徴とする請求項10に記載の折畳み可能な装置。
【請求項12】
前記ブラダを、様々な材料、表面模様又は色で被膜又は表面模様を付け、或は様々な形又は表面に成形し、前記装置には、異なる形、表面、又は外観を有することができること、を特徴とする請求項11に記載の折畳み可能な装置。
【請求項13】
前記開閉手段を、前記ブラダから部分的又は完全に取外可能又は分離可能にし、前記開閉手段を、少なくとも部分的に再利用可能にすること、を特徴とする請求項10に記載の折畳み可能な装置。
【請求項14】
前記開口部には、リム、フランジ又はビードを備え;前記開閉手段には、好適には剛性材料製の瓶用のキャップ-首部/口部構造を備え、前記開閉手段の少なくとも1部材/部品で、永久的又は取外可能に、前記開口部を、前記リム、フランジ又はビードで流体密に、密封すること、を特徴とする請求項13に記載の折畳み可能な装置。
【請求項15】
前記構造のキャップを、小型バイブレータ、該小型バイブレータの制御又は電源ユニットと一体化させること、を特徴とする請求項14に記載の折畳み可能な装置。
【請求項16】
前記キャップを、膨張可能品用逆止弁と更に一体化させ、前記装置が、水を充填した又は空気で膨張させた後に、普通のバイブレータとして機能できること、を特徴とする請求項15に記載の折畳み可能な装置。
【請求項17】
前記ブラダを、可撓性吸収材料の層で被膜し、前記装置を使用して、液体の薬剤を吸収でき、膨張又は充填後には、前記薬剤を膣の適切又は必要な領域に供給できること、を特徴とする請求項10に記載の折畳み可能な装置。
【請求項18】
前記開閉手段を、任意には前記ブラダから部分的又は完全に取外可能にする、請求項10に記載の折畳み可能な装置を使用する方法であって、該方法には:前記ブラダを折畳むステップと、前記ブラダを、前記開閉手段と共に、又は任意には前記開閉手段無しに、小パッケージに詰入するステップと、前記パッケージを密封するステップと、及び任意には、隠蔽した装置をヘルスケア及び/又は性的補助製品として販売するステップと、を備え、前記装置が、ディルド又はバイブレータに比べて、より受入れられ、求められ、市場性があること、を特徴とする方法。
【請求項19】
前記パッケージを開くステップと、前記パッケージから前記ブラダを取出すステップと、任意には前記開閉手段を適宜設けるステップと、任意には前記ブラダ及び前記開閉手段を適宜前記装置に組付けるステップと、前記装置を、前記開閉手段を介して流体で膨張又は充填するステップと、前記開閉手段を閉じるステップと、前記装置を膣に挿入するステップと、前記装置を前後に移動させるステップと、前記装置を膣から取出すステップと、を備える方法であって、性的快楽を得る可能性がある及び/又は膣を弛緩させて、前記装置を挿入し、その後薬剤又は消毒剤を塗布すること、を特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記薬剤又は消毒剤を提供するステップと、前記薬剤又は消毒剤の層を前記ブラダの外面に塗布又は被膜するステップと、前記装置を膣に挿入するステップと、前記装置を膣の適切な又は必要な領域に移動させるステップと、前記装置を膣から取出すステップと、を更に含む方法であって、前記薬剤又は消毒剤を、膣の適切な又は必要な領域に供給すること、を特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
温水又は前記薬剤又は消毒剤を提供するステップと、前記流体を前記温水又は前記薬剤又は消毒剤と前記開閉手段を介して交換又は混合するステップと、前記開閉手段を閉じるステップと、前記ブラダに細い鋭利な物体で突いて、複数の小孔を該ブラダに作るステップと、前記ブラダを膣に挿入するステップと、前記ブラダを膣の適切な又は必要な領域に移動させるステップと、任意には前記ブラダを絞り、前記孔を通して流れを加速させるステップと、前記ブラダを、終了後膣から引出すステップと、任意には前記ブラダに前記温水、薬剤又は消毒剤を補充するステップと、上記の必要なステップを繰返すステップと、を更に含む方法であって、前記温水、薬剤又は消毒剤を、前記孔を通して、前記適切又は必要な領域に供給すること、を特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
小型バイブレータに、分離可能な制御部を設ける又は設けないステップと、任意には前記制御部を設けない前記小型バイブレータを始動させるステップと、前記小型バイブレータを前記装置に前記開口部から挿入するステップと、任意には前記装置に前記流体を前記開閉手段から適宜再装填するステップと、前記開閉手段を閉じるステップと、任意には前記制御部を設けた前記小型バイブレータを始動又は制御するステップと、を更に含む方法であって、前記装置が、使い捨て可能な本体を有し、前記小型バイブレータは再充電又は再使用できるバイブレータとして機能すること、を特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記制御部を、前記開閉手段と一体化させること、を特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記装置を、前記開閉手段を前記ブラダから部分的又は完全に取外す又は分離するステップと、前記ブラダを廃棄するステップと、任意には新しい前記ブラダを提供するステップと、任意には前記開閉手段と前記新しいブラダとを組付けるステップと、を更に含むこと、を特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記ブラダを、製造時に予め穿孔しておくこと、を特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記ブラダを、様々な材料、表面模様又は色で被膜又は表面模様を付ける、或は様々な形又は表面で成形すること、を特徴とする請求項18に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2010−531191(P2010−531191A)
【公表日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514200(P2010−514200)
【出願日】平成20年6月21日(2008.6.21)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052459
【国際公開番号】WO2009/001270
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(509343275)
【出願人】(509343286)
【Fターム(参考)】