説明

使い捨て紙おむつ

【課題】 紙おむつ本体を幼児の肩に掛ける吊り紐で支持することにより、紙おむつ本体がズレ落ちるのを防止できるようにする。
【解決手段】 パンツタイプの紙おむつ本体1の胴回り部2に、その腹側口縁2aと背側口縁2bとを連結し且つ幼児の肩に掛ける吊り紐3,3を設けて、紙おむつ本体1のサイズが幼児の体型と合わない場合にも、吊り紐3,3を幼児の肩に掛けた状態で紙おむつ本体1を装着することにより、紙おむつ本体1がズレ落ちるということがなくなるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、使い捨て紙おむつに関し、さらに詳しくはサイズが合わなくともズレ落ちることのない使い捨て紙おむつに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に周知されているパンツ式の使い捨て紙おむつの場合、紙おむつの胴回り部に配設された弾性伸縮体の弾性力により紙おむつの装着状態を保持するようになっている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−165832。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種使い捨て紙おむつの場合、装着する幼児の体型(例えば、胴回りおよび太ももの大きさ)に応じて数種類のサイズが使用されることとなっているが、幼児の体型と紙おむつのサイズとが合わない場合が生ずることがある。例えば、太ももが太い幼児の場合、太ももの大きさに合わせた紙おむつを買い求めると、紙おむつの胴回りが大きすぎてズレ落ちそうに感じるし、太ももが細い幼児の場合、太ももの大きさに合わせた紙おむつを買い求めると、紙おむつの胴回りが小さすぎて胴回り部分がきついと感じる場合がある。従来周知の使い捨て紙おむつの場合、胴回り部に配設された弾性伸縮体の弾性力によってのみ装着状態の保持が行われることとなっているため、上記した幼児の体型と紙おむつのサイズとが合わない場合に対処できないという不具合がある。
【0005】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、紙おむつ本体を幼児の肩に掛ける吊り紐で支持することにより、紙おむつ本体がズレ落ちるのを防止できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、外装を形成する不織布よりなるバックシートと、着用者の肌に接して不織布よりなるトップシートと、該両シート間の股間部に設けられた吸収体とを有し、胴回りの開口径と脚回りの開口径の比率が複数段階で予じめ設定されているパンツタイプの使い捨て紙おむつにおいて、該パンツタイプの紙おむつ本体の胴回り部に、前記バックシートにおける腹側口縁と背側口縁とを連結し且つ前記吸収体を持ち上げ方向に作用させるべく幼児の肩に掛ける吊り紐を設けている。
【0007】
上記のように構成したことにより、紙おむつ本体のサイズが幼児の体型と合わない場合にも、吊り紐を幼児の肩に掛けた状態で紙おむつ本体を装着すれば、紙おむつ本体がズレ落ちるということがなくなる。従って、紙おむつ本体における吸収体が幼児の股間に密着した状態を保持することができる。例えば、紙おむつ本体における胴回りのサイズが大きすぎる場合には、吊り紐によって紙おむつ本体がズレ落ちるのを防止できるし、紙おむつ本体における胴回りのサイズが小さすぎる場合であっても、紙おむつ本体の胴回り部に配設された弾性伸縮体の一部をカットして弾性力を弱めて紙おむつ本体を装着し、吊り紐を幼児の肩に掛ければ、紙おむつ本体がズレ落ちるのを防止できる。
【0008】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第2の手段として、上記第1の手段を備えた使い捨て紙おむつにおいて、前記吊り紐を、弾性伸縮する紐部材により構成することもでき、そのように構成した場合、身長の異なる幼児の場合であっても、吊り紐が弾性伸縮することにより、対応できる。
【0009】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第3の手段として、上記第1の手段を備えた使い捨て紙おむつにおいて、前記吊り紐を、その肩部以外の部分に弾性伸縮する部材を配設してなる紐部材により構成することもでき、そのように構成した場合、身長の異なる幼児の場合であっても、吊り紐における肩部以外の部材が弾性伸縮することにより、対応できるし、吊り紐の肩部は弾性伸縮することがないので、幼児への肩への確実なフィット感が得られる。
【0010】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第4の手段として、上記第1、第2又は第3の手段を備えた使い捨て紙おむつにおいて、前記吊り紐を、取り外し自在とすることもでき、そのように構成した場合、紙おむつ本体と吊り紐とを別々に保管できることとなり、保管し易くなる。
【0011】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第5の手段として、上記第4の手段を備えた使い捨て紙おむつにおいて、前記吊り紐の取付用具として、メカニカルテープを採用することもでき、そのように構成した場合、何度でも調整できる。
【0012】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第6の手段として、上記第1、第2、第3、第4又は第5の手段を備えた使い捨て紙おむつにおいて、前記吊り紐を、使用済みの紙おむつ本体を結束する後処理テープとして利用するように構成することもでき、そのように構成した場合、吊り紐を利用して使用済みの紙おむつ本体の後処理を行うことができることとなり、特別な後処理テープが不要となる。
【発明の効果】
【0013】
本願発明の第1の手段によれば、外装を形成する不織布よりなるバックシートと、着用者の肌に接して不織布よりなるトップシートと、該両シート間の股間部に設けられた吸収体とを有し、胴回りの開口径と脚回りの開口径の比率が複数段階で予じめ設定されているパンツタイプの使い捨て紙おむつにおいて、該パンツタイプの紙おむつ本体の胴回り部に、前記バックシートにおける腹側口縁と背側口縁とを連結し且つ前記吸収体を持ち上げ方向に作用させるべく幼児の肩に掛ける吊り紐を設けているので、紙おむつ本体のサイズが幼児の体型と合わない場合にも、吊り紐を幼児の肩に掛けた状態で紙おむつ本体を装着すれば、紙おむつ本体がズレ落ちるということがなくなり、紙おむつ本体における吸収体が幼児の股間に密着した状態を保持することができるという効果がある。例えば、紙おむつ本体における胴回りのサイズが大きすぎる場合には、吊り紐によって紙おむつ本体がズレ落ちるのを防止できる。しかも、紙おむつ本体における胴回りのサイズが小さすぎる場合であっても、紙おむつ本体の胴回り部に配設された弾性伸縮体の一部をカットして弾性力を弱めて紙おむつ本体を装着し、吊り紐を幼児の肩に掛ければ、紙おむつ本体がズレ落ちるのを防止できるという効果もある。
【0014】
本願発明の第2の手段におけるように、上記第1の手段を備えた使い捨て紙おむつにおいて、前記吊り紐を、弾性伸縮する紐部材により構成することもでき、そのように構成した場合、身長の異なる幼児の場合であっても、吊り紐が弾性伸縮することにより、対応できる。
【0015】
本願発明の第3の手段におけるように、上記第1の手段を備えた使い捨て紙おむつにおいて、前記吊り紐を、その肩部以外の部分に弾性伸縮する部材を配設してなる紐部材により構成することもでき、そのように構成した場合、身長の異なる幼児の場合であっても、吊り紐における肩部以外の部材が弾性伸縮することにより、対応できるし、吊り紐の肩部は弾性伸縮することがないので、幼児への肩への確実なフィット感が得られる。
【0016】
本願発明の第4の手段におけるように、上記第1、第2又は第3の手段を備えた使い捨て紙おむつにおいて、前記吊り紐を、取り外し自在とすることもでき、そのように構成した場合、紙おむつ本体と吊り紐とを別々に保管できるとともに、吊り紐を紙おむつ本体の後処理用テープとして利用できる。
【0017】
本願発明の第5の手段におけるように、上記第4の手段を備えた使い捨て紙おむつにおいて、前記吊り紐の取付用具として、メカニカルテープを採用することもでき、そのように構成した場合、何度でも調整できる。
【0018】
本願発明の第6の手段におけるように、上記第1、第2、第3、第4又は第5の手段を備えた使い捨て紙おむつにおいて、前記吊り紐を、使用済みの紙おむつ本体を結束する後処理テープとして利用するように構成することもでき、そのように構成した場合、吊り紐を利用して使用済みの紙おむつ本体の後処理を行うことができることとなり、特別な後処理テープが不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して、本願発明を幾つかの好適な実施の形態について説明する。
【0020】
第1の実施の形態
図1ないし図5には、本願発明の使い捨て紙おむつが示されている。
【0021】
この使い捨て紙おむつは、紙おむつ本体1と該紙おむつ本体1の胴回り部2における腹側口縁2aと背側口縁2bとを連結し且つ幼児の肩に掛ける一対の吊り紐3,3とによって構成されている。
【0022】
前記紙おむつ本体1は、従来からよく知られているパンツ式のものとされており、反着用者側に位置する(換言すれば、外装を形成する)不透液性のバックシートと、該バックシートの内面に固定される吸収体とを備えて構成されており、該吸収体は、不織布などからなり、着用者の肌に直接触れる長方形形状の透液性のトップシートと、ある程度の剛性を有する長方形形状の吸収体と、該吸収体の裏面から表面側に回り込んで表面側両側部を額巻き状態で覆っている長方形形状の不透液性の防水シートとが、ホットメルト接着剤により接着一体化されたものとされている。前記吸収体としては、解繊パルプを主体とし、高分子吸収ポリマーを併用したものが好ましく、クレープ紙で巻き込んだ形態として与えられる。
【0023】
ところで、前記バックシートを構成するシートは、撥水性不織布であることが好ましく、不織布の材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ナイロン、レーヨン、ビニロン、アクリルなどを挙げることができ、メルトブローン法、スパンボンド法に代表される直接法によりシート化され、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン繊維からなるものが好適に採用できる。短繊維を接合した、湿式法、乾式法(エアレイ法やカード法)、スパンレース法などにより、熱や接着剤により点接着、水流や針等でシートを形成しても良い。また、コア/シェル、サイドバイサイド構造の複合繊維からなる不織布も挙げることができ、この複合繊維として、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリプロピレンなどを挙げることができる。特に、立体ギャザー用シートは、防漏性の向上を図るために、JIS法(L−1092)で定められた方法で耐水圧が50mmH2O以上、好ましくは100mmH2O以上、さらに好ましくは150mmH2O以上を示すシートが好ましい。例えば、SMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)、SM(スパンボンド/メルトブロー)、SMMS(スパンボンド/メルトブロー/メルトブロー/スパンボンド)等の層状に複合されたシートが好適に採用される。
【0024】
また、前記トップシートの材質としては、親水性不織布、具体的には綿、レーヨン等のセルロース繊維、アクリロニトリル、ポリビニールアルコール等の親水性基を有する合成繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の疎水性繊維を親水化剤で表面処理して親水性を付与した繊維等が用いられている。
【0025】
上記親水化剤としては、各種の界面活性剤を使用でき、親油基と親水基とを有する親水性の界面活性剤であれば特に限定されないが、アニオン系界面活性剤、またはエチレンオキサイドを適当モル数付加した非イオン系界面活性剤が望ましい。例えば、アルキルエーテルサルフェート、スルホコハク酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0026】
また、吸収体を構成する高分子吸水ポリマーとしては、例えば、デンプンーアクリル酸共重合体架橋物、ポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステルー酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン、無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物、変性セルロース誘導体、架橋ポリエチレンオキシドなどが挙げられる。好ましくは、イオン浸透圧により多量の液を吸収・保持することができ、荷重や外力が加わっても離水の少ないアクリル酸塩および/またはアクリル酸を重合体の主単量体成分とするポリアクリル酸ナトリウム系の樹脂が適当である。
【0027】
また、防水シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが好適に用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填材を混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。
【0028】
前記紙おむつ本体1における胴回り部2には、該紙おむつ本体2の装着状態を保持するための弾性伸縮体(例えば、ゴム)4,4・・が配設されている。
【0029】
前記各吊り紐3は、例えば不織布からなっており、その両端部(換言すれば、腹側および背側両端部)3a,3bには、紙おむつ本体1の胴回り部2における腹側口縁2aの外面と背側口縁2bの外面に設けられたメカニカルテープ受け5,5(図1参照)に対して着脱自在に接合されるメカニカルテープ6,6がそれぞれ設けられている。符号3cは吊り紐3における肩部である。
【0030】
上記のように構成された使い捨て紙おむつにおいては、次のような作用効果が得られる。
【0031】
吊り紐3,3における背側端部3b,3bに設けられたメカニカルテープ6,6を、紙おむつ本体1の胴回り部2における背側口縁2bの外側に設けられたメカニカルテープ受け5,5に接合した状態で、紙おむつ本体1を幼児に装着し、吊り紐3,3を幼児の肩に掛けて、その腹側端部3a,3bに設けられたメカニカルテープ6,6を、紙おむつ本体1の胴回り部2における腹側口縁2aの外側に設けられたメカニカルテープ受け5,5に接合すると、紙おむつ本体1のサイズが幼児の体型と合わない場合にも、吊り紐3,3の支持力により紙おむつ本体1がズレ落ちるということがなくなる(図4参照)。従って、紙おむつ本体1における吸収体が幼児の股間に密着した状態を保持することができる。例えば、紙おむつ本体1における胴回りのサイズが大きすぎる場合には、吊り紐3,3によって紙おむつ本体1がズレ落ちるのを防止できるし、紙おむつ本体1における胴回りのサイズが小さすぎる場合であっても、胴回り部2の弾性伸縮体4,4・・の一部をカットして弾性力を弱めて紙おむつ本体1を装着し、吊り紐3,3を幼児の肩に掛ければ、紙おむつ本体1がズレ落ちるのを防止できるのである。
【0032】
また、本実施の形態においては、吊り紐3,3は、メカニカルテープ受け5,5とメカニカルテープ6,6との接合・非接合により吊り紐3,3が取り外し自在とされているので、紙おむつ本体1と吊り紐3,3とを別々に保管できることとなり、保管し易くなる。なお、メカニカルテープ6を直接紙おむつ本体1のバックシート(不織布からなっている)に接合することにより、吊り紐3の端部3a,3bを紙おむつ本体1の胴回り部2における腹側口縁2aおよび背側口縁2bに連結させる場合もある。
【0033】
前記吊り紐3は、図5(イ)に示すように、使用済みの紙おむつ本体1を丸め込んだ状態で結束する後処理用テープとしても利用できる。図5(ロ)には、取外しが不可能な吊り紐3,3を用いた場合を示しており、使用済みの紙おむつ本体1を丸め込んだ状態で吊り紐3,3で結束するが、吊り紐3,3の中間部分を巻始め部分に挟み込んで結束している。このようにすると、吊り紐3を利用して使用済みの紙おむつ本体1の後処理を行うことができることとなり、特別な後処理テープが不要となる。
【0034】
ところで、この吊り紐3は、図6に示すように、吊り紐3の長さと同幅を有する不織布からなる帯状の素材33の幅方向両端部33a,33b(即ち、吊り紐3の腹側および背側端部3a,3bとなる部分)にメカニカルテープ6,6を貼り付け、仮想線X,X・・で示す部分を裁断することにより得られる。
【0035】
本実施の形態においては、吊り紐3を、所定の幅を有する不織布からなるテープ形状のものとしているが、丸ゴム等からなる紐形状のものとすることもできる。
【0036】
第2の実施の形態
図7には、本願発明の第2の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつにおける吊り紐が示されている。
【0037】
この場合、紙おむつ本体の構成は、第1の実施の形態において説明したと同様である。
【0038】
吊り紐3の腹側端部3aには、二つのメカニカルテープ6A,6Bが長手方向に並べて設けられている。このようにすると、吊り紐3における腹側端部3aのメカニカルテープ6A,6Bのいずれかを、紙おむつ本体1の胴回り部2における腹側口縁2aの外側に設けられたメカニカルテープ受け5に接合することにより、幼児の身長に合わせて吊り紐3の腹側端部3aの留め位置を変更することができる。なお、メカニカルテープ6A,6Bのうち内側に位置するメカニカルテープ6Bをメカニカルテープ受け5に接合させた場合には、メカニカルテープ6Aが設けられている部分は不用部分となるので切除してもよい。
【0039】
なお、メカニカルテープ6を直接紙おむつ本体1のバックシート(不織布からなっている)に接合することにより、吊り紐3の端部3a,3bを紙おむつ本体1の胴回り部2における腹側口縁2aおよび背側口縁2bに連結させる場合もある。
【0040】
本実施の形態においては、吊り紐3を、所定の幅を有する不織布からなるテープ形状のものとしているが、丸ゴム等からなる紐形状のものとすることもできる。
【0041】
第3の実施の形態
図8には、本願発明の第3の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつにおける吊り紐が示されている。
【0042】
この場合、紙おむつ本体の構成は、第1の実施の形態において説明したと同様である。
【0043】
吊り紐3における腹側端部3aおよび背側端部3b(即ち、肩部3cを除く部分)には、弾性伸縮体7,7・・がそれぞれ配設されている。つまり、吊り紐3が、弾性伸縮する部材により構成されることとなっているのである。このようにすると、身長の異なる幼児の場合であっても、吊り紐3が弾性伸縮することにより、対応できる。
【0044】
なお、メカニカルテープ6を直接紙おむつ本体1のバックシート(不織布からなっている)に接合することにより、吊り紐3の端部3a,3bを紙おむつ本体1の胴回り部2における腹側口縁2aおよび背側口縁2bに連結させる場合もある。
【0045】
本実施の形態においては、吊り紐3を、所定の幅を有する不織布からなるテープ形状のものとしているが、丸ゴム等からなる紐形状のものとすることもできる。
【0046】
第4の実施の形態
図9には、本願発明の第4の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつにおける吊り紐が示されている。
【0047】
この場合、紙おむつ本体の構成は、第1の実施の形態において説明したと同様である。
【0048】
一対の吊り紐3,3は、その背側端部3b,3b側が交差され且つ交差部が接合された状態とされている。このようにすると、吊り紐3,3を幼児の肩部に掛けたときの安定性がでる。
【0049】
なお、メカニカルテープ6を直接紙おむつ本体1のバックシート(不織布からなっている)に接合することにより、吊り紐3の端部3a,3bを紙おむつ本体1の胴回り部2における腹側口縁2aおよび背側口縁2bに連結させる場合もある。
【0050】
本実施の形態においては、吊り紐3を、所定の幅を有する不織布からなるテープ形状のものとしているが、丸ゴム等からなる紐形状のものとすることもできる。
【0051】
第5の実施の形態
図10および図11には、本願発明の第5の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつおよび吊り紐が示されている。
【0052】
この場合、紙おむつ本体の構成は、第1の実施の形態において説明したと同様である。
【0053】
吊り紐3は、紙おむつ本体1の胴回り部2における腹側口縁2aおよび背側口縁の中央部外面に取り付けられる1本の幅広な(例えば、通常の2倍の幅を有する)腹側端部3aおよび背側端部3bと、該腹側端部3aと背側端部3bとの間にあって分割線8によって二つに分割された一対の肩部3c,3cとによって構成されている。そして、吊り紐3における背側端部3bは、紙おむつ本体1の背側口縁2bに対して熱溶着9により固着される一方、吊り紐3における腹側端部3aは、紙おむつ本体1の腹側口縁2aに対してメカニカルテープ6を介して着脱自在に取り付けられることとなっている。符号10は前記分割線8の両端部に形成された破断防止用の円弧部である。このようにすると、1本の吊り紐3で紙おむつ本体1の脱落を防止することができる。なお、吊り紐3自体を弾性伸縮する部材(例えば、ゴム等)で構成し、あるいは吊り紐3を不織布で構成し且つ腹側端部3aおよび背側端部3bに弾性伸縮する部材(例えば、ゴム等)を配設することもでき、そのようにすると、身長の異なる幼児の場合であっても、吊り紐3が弾性伸縮することにより、対応できる。
【0054】
なお、メカニカルテープ6を直接紙おむつ本体1のバックシート(不織布からなっている)に接合することにより、吊り紐3の端部3aを紙おむつ本体1の胴回り部2における腹側口縁2aに連結させる場合もある。
【0055】
第6の実施の形態
図12には、本願発明の第6の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつが示されている。
【0056】
この場合、第5の実施の形態における吊り紐3の腹側端部3aを幼児の腹部を覆い得るように幅広に形成して腹巻きを兼用するようにしており、前記腹側端部3aは、紙おむつ本体1の腹側口縁2aと一体的に結合されている。このようにすると、吊り紐3が、幼児の腹部を保護する腹巻きを兼用できることとなる。この場合にも、吊り紐3自体を弾性伸縮する部材(例えば、ゴム等)で構成し、あるいは吊り紐3を不織布で構成し且つ腹側端部3aおよび背側端部3bに弾性伸縮する部材(例えば、ゴム等)を配設することもでき、そのようにすると、身長の異なる幼児の場合であっても、吊り紐3が弾性伸縮することにより、対応できる。
【0057】
なお、上記各実施の形態においては、吊り紐3を紙おむつ本体1に取り付けるための取付用具としてメカニカルテープを採用し、吊り紐3は取り外し自在となっているが、吊り紐3の端部を取り付ける方法としては、縫い付け、ホットメルト接着剤による接着、ヒートシール、超音波等による溶着、ボタンによる係合、バンド金具による係合等を選択することができる。縫い付け、ホットメルト接着剤による接着、ヒートシール、超音波等による溶着を採用した場合、吊り紐3は取り外し自在とはならない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本願発明の第1の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつの側面図である。
【図2】本願発明の第1の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつの正面図である。
【図3】本願発明の第1の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつにおける吊り紐の展開状態を示す背面図である。
【図4】本願発明の第1の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつを着用した幼児を示す斜視図である。
【図5】本願発明の第1の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつにおける吊り紐を後処理用テープとして利用した状態を示す斜視図であり、(イ)は吊り紐が紙おむつ本体から取り外せる場合を示し、(ロ)は吊り紐が紙おむつ本体から取り外せない場合を示している。
【図6】本願発明の第1の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつにおける吊り紐の製造手順を示す平面図である。
【図7】本願発明の第2の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつにおける吊り紐の展開状態を示す背面図である。
【図8】本願発明の第3の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつにおける吊り紐の展開状態を示す背面図である。
【図9】本願発明の第4の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつにおける吊り紐の展開状態を示す背面図である。
【図10】本願発明の第5の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつの正面図である。
【図11】本願発明の第5の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつにおける吊り紐の展開状態を示す背面図である。
【図12】本願発明の第6の実施の形態にかかる使い捨て紙おむつを着用した幼児を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0059】
1は紙おむつ本体
2は胴回り部
2aは腹側口縁
2bは背側口縁
3は吊り紐
3aは腹側端部
3bは背側端部
4は弾性伸縮体
5はメカニカルテープ受け
6はメカニカルテープ
7は弾性伸縮体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装を形成する不織布よりなるバックシートと、着用者の肌に接して不織布よりなるトップシートと、該両シート間の股間部に設けられた吸収体とを有し、胴回りの開口径と脚回りの開口径の比率が複数段階で予じめ設定されているパンツタイプの使い捨て紙おむつであって、該パンツタイプの紙おむつ本体の胴回り部には、前記バックシートにおける腹側口縁と背側口縁とを連結し且つ前記吸収体を持ち上げ方向に作用させるべく幼児の肩に掛ける吊り紐を設けたことを特徴とする使い捨て紙おむつ。
【請求項2】
前記吊り紐を、弾性伸縮する紐部材により構成したことを特徴とする請求項1記載の使い捨て紙おむつ。
【請求項3】
前記吊り紐を、その肩部以外の部分に弾性伸縮する部材を配設してなる紐部材により構成したことを特徴とする請求項1記載の使い捨て紙おむつ。
【請求項4】
前記吊り紐を、取り外し自在としたことを特徴とする請求項1、2および3のいずれか一項記載の使い捨て紙おむつ。
【請求項5】
前記吊り紐の取付用具として、メカニカルテープを採用したことを特徴とする請求項4記載の使い捨て紙おむつ。
【請求項6】
前記吊り紐を、使用済みの紙おむつ本体を結束する後処理テープとして利用するように構成したことを特徴とする請求項1、2、3、4および5のいずれか一項記載の使い捨て紙おむつ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−149588(P2006−149588A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−343327(P2004−343327)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】