説明

使用済み棒状体並びに棒状体及びその処分方法

【課題】作業者が安全に処分することが可能な使用済みの棒状体並びに、所定の目的に使用された後に作業者が安全かつ衛生的に処分することができる技術を提供する。
【解決手段】所定の目的に使用した棒状体1を、その尖鋭部14の少なくとも先端に露出防止部材15に突き刺す又は差し込むことにより当該先端の露出が露出防止部材15により防止された状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部から延びる脚部に尖鋭部を備える棒状体であって使用済みなもの並びに、頭部から延びる脚部に尖鋭部を備える棒状体であって安全な処分が可能なもの及びその処分方法に関する。
なお、本発明において、「折断する」とは、対象物を折り、当該対象物の一部を残部から分離又は切断することをいい、「折断可能」とは、対象物を折断することが可能であることをいう。
【背景技術】
【0002】
楊枝や竹串は、頭部から延びる脚部を備え、その脚部の先端に尖鋭部を備え、所定の目的に使用される棒状体の代表例である(特許文献1、2)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−121630号公報
【特許文献2】実開平8−210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる棒状体を使用した後に廃棄、焼却等の処分に供しようとする場合、その尖鋭部が鋭利であるが故に、作業者が怪我をすることがあった。
本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、作業者が安全かつ衛生的に処分することが可能な使用済みの棒状体並びに、所定の目的に使用された後に作業者が安全かつ衛生的に処分することができる棒状体及び、所定の目的に使用された棒状体を安全にかつ衛生的に処分する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための、本発明の第1の形態に係る使用済み棒状体は、頭部と、該頭部から延びる脚部と、該脚部に設けられた尖鋭部とを備える棒状体と、該棒状体が所定の目的に使用された後に前記尖鋭部の少なくとも先端の露出を防止する露出防止部材とを備えることを特徴とするものである。
【0006】
本発明の第2の形態に係る使用済み棒状体は、第1の形態に係る使用済み棒状体であって、前記露出防止部材が、前記棒状体が所定目的に使用される前に前記頭部に取り外し可能な状態で装着されていることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の第3の形態に係る使用済み棒状体は、第1又は第2の形態に係る使用済み棒状体であって、前記露出防止部材が、前記尖鋭部の少なくとも先端を差し込むことが可能な孔を備えることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の第4の形態に係る使用済み棒状体は、第1の形態に係る使用済み棒状体であって、前記露出防止部材が、前記棒状体が所定目的に使用される前に前記頭部又は前記頭部から前記脚部に向かう範囲に、前記棒状体の長軸方向に移動可能な状態で装着されていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の第5の形態に係る使用済み棒状体は、第1乃至第4のいずれかの形態に係る使用済み棒状体であって、前記露出防止部材が、弾性を有する合成樹脂製であることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の第6の形態に係る使用済み棒状体は、第1の形態に係る使用済み棒状体であって、前記露出防止部材が、折断可能な状態で前記棒状体の一部を構成していることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の第7の形態に係る棒状体は、頭部と、該頭部から延びる脚部と、該脚部に設けられた尖鋭部とを備える棒状体と、前記尖鋭部の少なくとも先端の露出を防止する露出防止部材とを備えることを特徴とするものである。
【0012】
本発明の第8の形態に係る棒状体は、第7の形態に係る棒状体であって、前記露出防止部材が、前記頭部に取り外し可能な状態で装着されていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の第9の形態に係る棒状体は、第7又は第8の形態に係る使用済み棒状体であって、前記露出防止部材が、前記尖鋭部の少なくとも先端を差し込むことが可能な孔を備えることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の第10の形態に係る棒状体は、第7の形態に係る棒状体であって、前記露出防止部材が、前記頭部又は前記頭部から前記脚部に向かう範囲に、前記棒状体の長軸方向に移動可能な状態で装着されていることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の第11の形態に係る棒状体は、第7乃至第10のいずれかの形態に係る棒状体であって、前記露出防止部材が、弾性を有する合成樹脂製であることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の第12の形態に係る棒状体は、第7の形態に係る棒状体であって、前記露出防止部材が、折断可能な状態で前記棒状体の一部を構成していることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の第13の形態に係る棒状体は、折断可能な頭部と、該頭部から延びる脚部と、該脚部に設けられた尖鋭部とを備える棒状体であって、折断された前記頭部に前記尖鋭部の少なくとも先端を突き刺す又は差し込むことにより、その先端の露出が防止されることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の第14の形態に係る棒状体は、第13の形態に係る棒状体であって、前記尖鋭部の少なくとも先端を突き刺す又は差し込む方向が前記頭部を構成する素材の繊維方向であることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の第15の形態に係る棒状体の処分方法は、頭部と、該頭部から延びる脚部と、該脚部の先端に設けられた尖鋭部とを棒状体を所定の目的に使用した後に処分する方法であって、前記尖鋭部の少なくとも先端を露出防止部材により前記先端の露出を防止する工程を有することを特徴とするものである。
【0020】
本発明の第16の形態に係る棒状体の処分方法は、頭部と、該頭部から延びる脚部と、該脚部の先端に設けられた尖鋭部とを棒状体を所定の目的に使用した後に処分する方法であって、前記尖鋭部の少なくとも先端を露出防止部材に突き刺す又は差し込むことにより前記先端の露出を防止する工程を有することを特徴とするものである。
【0021】
本発明の第17の形態に係る棒状体の処分方法は、第16の形態に係る処分方法であって、前記尖鋭部の少なくとも先端を露出防止部材に突き刺す又は差し込む方向が前記露出防止部材を構成する素材の繊維方向であることを特徴とするものである。
【0022】
本発明の第18の形態に係る棒状体の処分方法は、第16又は第17の形態に係る処分方法であって、前記先端の露出が防止された前記棒状体を廃棄又は焼却する工程とを有することを特徴とするものである。
【0023】
本発明の第19の形態に係る棒状体の処分方法は、頭部と、該頭部から延びる脚部と、該脚部の先端に設けられた尖鋭部とを備える楊枝又は竹串の処分方法であって、前記楊枝又は竹串を使用した後前記頭部又は前記脚部を折断する工程と、前記尖鋭部の少なくとも先端を前記頭部に突き刺す又は差し込むことにより前記先端の露出を防止する工程と、前記頭部が折断され、前記先端の露出が防止された前記楊枝又は竹串を廃棄又は焼却する工程とを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、先端に尖鋭部を備える棒状体を所定の目的で使用した後、その尖鋭部の露出が防止されるので、当該棒状体は、それを取り扱う者にとって安全な状態におかれることになる。このため、当該棒状体の廃棄、焼却等の処分の作業を行おうとする者は、鋭利な尖鋭部により怪我をすることなく安全に当該処分を行うことができる。より詳しくは、本発明によれば、それを取り扱う者にとって安全な状態にある使用済み棒状体を実現することができ(本発明の第1乃至第6の各形態参照)、使用後においてそれを取り扱う者にとって安全な状態にすることができる棒状体を実現することができ(本発明の第7乃至第14の各形態参照)、また、先端に尖鋭部を備える棒状体を使用後に安全に処分することができる(本発明の第15乃至第19の各形態参照)。
【0025】
なお、棒状体の使用の「所定の目的」には特に制限はない。例えば、棒状体が爪楊枝である場合には、その爪楊枝の使用者がその者の歯間に挟まった食物片を取り除くことが「所定の目的」に相当するし、棒状体が例えば焼鳥用の竹串である場合には、これに調理者が鶏肉を刺し、これを用いて当該鶏肉を焼くことにより調理した後、これを用いて注文者が調理された鶏肉(焼鳥)を食することが「所定の目的」に相当する。
【0026】
本発明の各形態が奏する作用効果は以下のとおりである。
即ち、本発明の第1の形態によれば、所定の目的に使用された棒状体の尖鋭部の少なくとも先端の露出が露出防止部材により防止されているので、それを取り扱う者にとって安全な状態にある使用済み棒状体を実現することができる。また、使用部分の棒状体の先端を覆うことができるため、衛生面の向上を図ることができる。さらに、使用部を隠したいという使用者の気持ちも満たすことができると共にエチケットの向上を図ることができる。
【0027】
本発明の第2の形態によれば、露出防止部材が、所定の目的に使用される前の棒状体の頭部に取り外し可能な状態で装着されているので、これをすぐに探し出すことができ、また露出防止部材を独立に準備する手間が掛からない。それ故、短時間で、それを取り扱う者にとって安全な状態にある使用済み棒状体を実現することができる。また、短時間で、衛生面の向上が図られた使用済み棒状体を実現することができる。
【0028】
本発明の第3の形態によれば、露出防止部材が、棒状体の尖鋭部の少なくとも先端を差し込むことが可能な孔を備えているので、いざ当該先端の露出を防止しようとしたとき、当該先端を露出防止部材に容易に差し込むことができ、しかも差し込み損じることもない。それ故、使用後短時間で、また容易に、それを取り扱う者にとって安全な状態にある使用済み棒状体を実現することができる。また、使用後短時間で、また容易に、衛生面の向上が図られた使用済み棒状体を実現することができる。
【0029】
本発明の第4の形態によれば、露出防止部材が、棒状体が所定目的に使用される前にその頭部又は頭部から脚部に向かう範囲に、棒状体の長軸方向に移動可能な状態で装着されているので、所定の目的に使用された後の棒状体の頭部から尖鋭部に向かって少なくとも先端を覆う位置まで当該露出防止部材を移動(スライド又は摺動)させるという簡単な作業により、少なくとも当該先端の露出を防止することができる。しかも、露出防止部材の所在に悩むことはなくなり、すぐに探し出すことができ、また露出防止部材を独立に準備する手間が掛からない。それ故、使用後短時間で、また容易に、それを取り扱う者にとって安全な状態にある使用済み棒状体を実現することができる。また、使用後短時間で、容易に、衛生面の向上が図られた使用済み棒状体を実現することができる。
【0030】
本発明の第5の形態によれば、露出防止部材が弾性を有する合成樹脂製であるので、棒状体の尖鋭部の少なくとも先端の露出を防止する部材として加工し易く、当該先端を差し込むことが容易にすることができ、また棒状体の長軸方向に移動可能な状態で装着され、頭部から尖鋭部に向かって移動(スライド又は摺動)させ易い部材として加工し易くなり、これにより、それを取り扱う者にとって安全な状態にあり、かつ、衛生面の向上が図られた使用済み棒状体を実現することができる。
【0031】
本発明の第6の形態によれば、露出防止部材が折断可能な状態で棒状体の一部を構成しており、露出防止部材として特別な部材を用意する必要がないので便利である。また、容易且つ経済的に、それを取り扱う者にとって安全な状態にあり、かつ、衛生面の向上が図られた使用済み棒状体を実現することができる。
【0032】
本発明の第7の形態によれば、所定の目的に使用された後に棒状体の尖鋭部の少なくとも先端の露出を露出防止部材により防止することができるので、使用後においてそれを取り扱う者にとって安全な状態にすることができる棒状体を実現することができる。また、使用後において、衛生面の向上が図られた棒状体を実現することができる。
【0033】
本発明の第8の形態によれば、露出防止部材が、所定の目的に使用される前の棒状体の頭部に取り外し可能な状態で装着されているので、使用後においてそれを取り扱う者にとって安全な状態に、短時間ですることができる棒状体を実現することができる。また、使用後において、短時間で、衛生面の向上が図られた棒状体を実現することができる。
【0034】
本発明の第9の形態によれば、露出防止部材が、棒状体の尖鋭部の少なくとも先端を差し込むことが可能な孔を備えているので、いざ当該先端の露出を防止しようとしたとき、当該先端を露出防止部材に容易に差し込むことができ、しかも差し込み損じることもない。それ故、使用後においてそれを取り扱う者にとって安全な状態に、短時間で、しかも容易にすることができる棒状体を実現することができる。また、使用後において、短時間かつ容易に、衛生面の向上が図られた棒状体を実現することができる。
【0035】
本発明の第10の形態によれば、露出防止部材が、棒状体が所定目的に使用される前にその頭部又は頭部から脚部に向かう範囲に、棒状体の長軸方向に移動可能な状態で装着されているので、所定の目的に使用された後の棒状体の頭部から尖鋭部に向かって少なくとも先端を覆う位置まで当該露出防止部材を移動(スライド又は摺動)させるという簡単な作業ことにより、少なくとも当該先端の露出を防止することができる。しかも、露出防止部材の所在に悩むことはなくなり、すぐに探し出すことができ、また露出防止部材を独立に準備する手間が掛からない。それ故、使用後においてそれを取り扱う者にとって安全な状態に、短時間で、しかも容易にすることができる棒状体を実現することができる。また、使用後において、短時間かつ容易に、衛生面の向上が図られた棒状体を実現することができる。
【0036】
本発明の第11の形態によれば、露出防止部材が弾性を有する合成樹脂製であるので、棒状体の尖鋭部の少なくとも先端の露出を防止する部材として加工し易く、当該先端を差し込むことが容易にすることができ、また棒状体の長軸方向に移動可能な状態で装着され、頭部から尖鋭部に向かって移動(スライド又は摺動)させ易い部材として加工し易くなり、これにより、使用後においてそれを取り扱う者にとって安全な状態にすることができると共に衛生面の向上が図られた棒状体(より詳しくは第1乃至第4の形態に係る棒状体)を実現することができる。
【0037】
本発明の第12の形態によれば、露出防止部材が折断可能な状態で棒状体の一部を構成しているので、露出防止部材として特別な部材を用意する必要がなく便利である。また、使用後においてそれを取り扱う者にとって安全な状態且つ衛生面が確保された状態に、短時間で、しかも容易且つ経済的にすることができる棒状体を実現することができる。
【0038】
本発明の第13の形態によれば、折断可能な棒状体の頭部を露出防止部材として使用することができる。即ち、棒状体の脚部の尖鋭部の少なくとも先端を折断後の頭部に突き刺す又は差し込むという簡単な作業ことにより、当該先端の露出を防止することができる。それ故、露出防止部材として特別な部材を用意する必要がなく、使用後においてそれを取り扱う者にとって安全な状態且つ衛生面が確保された状態に、短時間で、しかも容易且つ経済的にすることができる棒状体を実現することができる。
【0039】
本発明の第14の形態によれば、第13の形態において、棒状体の脚部の尖鋭部の少なくとも先端を突き刺す又は差し込む方向が頭部を構成する素材の繊維方向であるので、突き刺す又は差し込む作業がより容易になる。
また、尖鋭部を突き刺す又は差し込む方向が折断された頭部を構成する素材の繊維方向であれば、相対的に小さな力で突き刺す又は差し込むことが可能になるので、作業者は鋭利な尖鋭部により怪我をし難くなる又は、仮に作業者が手元を誤まり怪我をすることがあったとしても大怪我をしないで済む。それ故、この形態によれば、取り扱う者にとってより安全になる棒状体を実現することができる。
【0040】
本発明の第15の形態によれば、棒状体の脚部の尖鋭部の少なくとも先端の露出を露出防止部材により防止するので、当該棒状体を使用後に安全かつ衛生面が確保たれた状態で処分することができる。
【0041】
本発明の第16の形態によれば、棒状体の脚部の尖鋭部の少なくとも先端を露出防止部材に突き刺す又は差し込むという簡単な作業ことにより、当該先端の露出防止するので、当該棒状体を使用後に、簡単な作業により安全かつ衛生面が確保たれた状態で処分することができる。
【0042】
本発明の第17の形態によれば、第16の形態において、棒状体の脚部の尖鋭部の少なくとも先端を突き刺す又は差し込む方向が頭部を構成する素材の繊維方向であるので、突き刺す又は差し込む作業をより容易に行うことができる。
【0043】
また、尖鋭部を突き刺す又は差し込む方向が折断された頭部を構成する素材の繊維方向であれば、相対的に小さな力で突き刺す又は差し込むことが可能になるので、作業者は鋭利な尖鋭部により怪我をし難くなる又は、仮に作業者が手元を誤まり怪我をすることがあったとしても大怪我をしないで済む。それ故、この形態によれば、使用後の棒状体をより安全かつ衛生面が確保たれた状態で処分することができる。
【0044】
本発明の第18の形態によれば、先端の露出が防止された棒状体を廃棄又は焼却する作業を安全かつ衛生面が確保された状態で行うことができる。
【0045】
本発明の第19の形態によれば、楊枝又は竹串を使用した後にその頭部又は前記脚部を折断し、更に脚部の尖鋭部の少なくとも先端を、折断した頭部に突き刺す又は差し込むことにより、当該先端の露出を防止した後に、当該楊枝又は竹串を廃棄又は焼却するので、その廃棄又は焼却に係る作業を安全かつ衛生面が確保された状態で行うことができる。
【0046】
楊枝又は竹串の尖鋭部を突き刺す又は差し込む方向が折断された頭部を構成する素材の繊維方向であれば、相対的に小さな力で突き刺す又は差し込むことが可能になるので、作業者は鋭利な尖鋭部により怪我をし難くなる又は、仮に作業者が手元を誤まり怪我をすることがあったとしても大怪我をしないで済む。そして、楊枝や竹串のように木製又は竹製の場合には、折断が容易な場合が多く、通常、楊枝や竹串の長手方向が素材の繊維方向となり、頭部の頂面や折断面に先端部を突き刺す又は差し込むようにすると自ずと素材の繊維方向に突き刺す又は差し込むことになる。それ故、この形態に係る処分方法は、楊枝や竹串といった木や竹でできた棒状体の処分方法として好適なものとなる。
【0047】
なお、本発明の第6、第12及び第19の各形態において棒状体からの頭部の折断を容易にするためには、棒状体の頭部とそれ以外の部分との境に裂け目、凹部、切欠部等の応力集中部を設けるのが簡便であり、望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明の幾つかの実施形態について、必要に応じて図面を参照しつつ説明するが、各図において同じ部分または相当する若しくは共通する部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
【0049】
なお、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、均等の範囲にまで及ぶものである。本発明は、その要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。
【0050】
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る使用済み棒状体及び棒状体並びに、棒状体の処分方法の説明図である。図中、符号1は楊枝や竹串などの棒状体であり、符号11は棒状体1の頭部、符号12は頭部11の頂部又は頂面、符号13は棒状体1の脚部、符号14は脚部13が備える尖鋭部である。符号15は、尖鋭部14の少なくとも先端の露出を防止する露出防止部材である。
【0051】
露出防止部材15の材質、形状、寸法等には基本的に制限はない。しかし、尖鋭部14の少なくとも先端を突き刺す又は差し込むことができ、突き刺さった又は差し込まれた当該先端がそこから容易に抜けなくなるといった機能を少なくとも一時的に有するものが望まれる。露出防止部材15の材質の典型例は、紙、木材、竹、天然ゴム、軟質又はスポンジ状の合成樹脂等である。
【0052】
図1(A)は、脚部13の尖鋭部4の先端の露出が防止されていない状態にある棒状体1を示しており、図1(B)は、脚部13の尖鋭部14の少なくとも先端の露出が、露出防止部材15により防止されている状態にある棒状体1を示している。また、図1(A)に示された棒状体1が所定の目的に使用される前又は使用された直後のものであるとすると、図1(B)に示された棒状体1は、所定目的に使用された後に、その脚部13の尖鋭部14の少なくとも先端の露出が、露出防止部材15により防止されている状態にある使用済み棒状体に相当することになる。
【0053】
従って、図1(A)に示された棒状体であれば、所定の目的に使用された後に棒状体1の尖鋭部14の少なくとも先端の露出を露出防止部材15により防止することができ、それを取り扱う者にとって安全な状態にすることができる。また、図1(B)に示された使用済み棒状体であれば、所定の目的に使用された棒状体1の尖鋭部14の少なくとも先端の露出が露出防止部材15により防止されているので、それを取り扱う者にとって安全な状態になる。更に、棒状体1と露出防止部材15とを準備し(図1(A)参照)、棒状体1を所定の目的に使用した後、尖鋭部14の少なくとも先端の露出を露出防止部材15により防止することができるので(図1(B)参照)、棒状体1を使用後に、簡単な作業により安全にかつ衛生面を確保して処分することができる。
【0054】
<実施形態2>
図2は、本発明の実施形態2に係る使用済み棒状体及び棒状体並びに、棒状体の処分方法の説明図である。実施形態2は、露出防止部材15が異なる点及びそれが原因となって異なる点を除き、実施形態1と共通する。
【0055】
実施形態2における露出防止部材15は、頭部11を突き刺す又は差し込むことを可能にする機能とともに、尖鋭部14の少なくとも先端を突き刺す又は差し込むことを可能にし、少なくとも一時的に、突き刺さった又は差し込まれた当該先端をそこから容易に抜けなくさせるという機能を有するものである必要がある。より具体的には、この露出防止部材15は、棒状体1が貫通可能な孔16を備え、この孔16が拡径・縮径が自在であるものである。弾性を有するスポンジ状の露出防止部材15であれば、そこに設けた孔16を拡径・縮径が自在なものにすることが可能である。
【0056】
尤も、露出防止部材15の材質、形状、寸法等には基本的に制限はない。露出防止部材15の材質の典型例は、天然ゴム、軟質又はスポンジ状の合成樹脂等である。
【0057】
しかして、実施形態2によれば、まず、実施形態1と同様の効果を奏する。即ち、図2(C)に示された棒状体であれば、所定の目的に使用された後に棒状体1の尖鋭部14の少なくとも先端の露出を露出防止部材15により防止することができ、それを取り扱う者にとって安全な状態にすることができる。また、図2(D)に示された使用済み棒状体であれば、所定の目的に使用された棒状体1の尖鋭部14の少なくとも先端の露出が露出防止部材15により防止されているので、それを取り扱う者にとって安全な状態になる。更に、棒状体1と露出防止部材15とを準備し(図2(C)参照)、棒状体1を所定の目的に使用した後、尖鋭部14の少なくとも先端の露出を露出防止部材15により防止することができるので(図2(D)参照)、棒状体1を使用後に、簡単な作業により安全にかつ衛生面を確保して処分することができる。
【0058】
しかも、実施形態2によれば、露出防止部材15が拡径・縮径が自在な孔16を備えており、これを棒状体1の尖鋭部14の先端のみならず、その頭部11にも差し込んでおくことができるので、棒状体1を、その尖鋭部14の少なくとも先端の露出が露出防止部材15により防止された状態(図2(D)参照)にする前に、その頭部11に露出防止部材15が装着された状態(図2(C)参照)にしておくことができる。それ故、露出防止部材15を棒状体1と略一体的に取り扱うことができ、尖鋭部14の少なくとも先端に差し込まれた状態にする際、従って尖鋭部14の先端の露出を防止する都度、露出防止部材15を探し出す必要がなくなり、便利である。
【0059】
なお、図2(C)に示された状態から図2(D)に示された状態にするための操作としては、例えば、<1> 露出防止部材15を一度頭部11から外すことなく所定の目的に棒状体1を使用した後、頭部11から外し、引き続き尖鋭部14の先端に差し込む、<2> 露出防止部材15を一度頭部11から外し、所定の目的に棒状体1を使用した後、尖鋭部14の先端に差し込む、<3> 露出防止部材15を一度頭部11から外すことなく所定の目的に棒状体1を使用した後、棒状体1の表面を脚部13方向に沿って尖鋭部14の先端を覆う位置まで摺動させる、の3通りを考えることができるが、実施形態2においてはいずれの操作であってよく、また図2(C)に示された状態が最終的に図2(D)に示された状態になればよい。
【0060】
また、図2(C)には、露出防止部材15から頂面12が露出した状態が示されているが、実施形態2においては、露出防止部材15が頭部11に差し込まれていればよく、露出防止部材15から頂面12が露出しているか否かは問わない。
【0061】
<実施形態3>
図3は、本発明の実施形態3に係る使用済み棒状体及び棒状体並びに、棒状体の処分方法の説明図である。実施形態1及び2の場合との違いは、棒状体1の全範囲ではなく、棒状体1の頭部11又は頭部11から脚部13に向かうある程度広い(棒状体1の長軸方向に沿ってある程度長い)範囲を覆うように、管状の露出防止部材15が棒状体1に差し込まれていること(換言すれば、露出防止部材15が孔16を備え、その孔16が貫通孔であり、そこに棒状体1の少なくとも頭部11が差し込まれていること)である。
【0062】
孔16は管状を呈しているが、その表面(従って袋の内表面)は、棒状体1が所定の目的に使用される前又はその際にその棒状体1から容易に抜けない程度に、棒状体1の表面の一部と接触又は近接するように調整されている又は、そのような位置関係なるような工夫が適宜施されている。管状といっても、例えばフィルムが棒状体1の周に管状に巻き付けられて構成されるものであれば足り、またその材質には特に制限はない。
【0063】
しかして、実施形態3によれば、まず、実施形態1及び2と同様の効果を奏する。即ち、図3(F)に示された棒状体であれば、所定の目的に使用された後に棒状体1の尖鋭部14の少なくとも先端の露出を露出防止部材15により防止することができ、それを取り扱う者にとって安全な状態にすることができる。図3(F)に示された使用済み棒状体であれば、所定の目的に使用された棒状体1の尖鋭部14の少なくとも先端の露出が露出防止部材15により防止されているので、それを取り扱う者にとって安全な状態になる。また、棒状体1を所定の目的に使用した後、尖鋭部14の少なくとも先端の露出を露出防止部材15により防止することができるので(図3(F)参照)、棒状体1を使用後に、簡単な作業により安全にかつ衛生面を確保して処分することができる。
【0064】
しかも、実施形態3によれば、管状の露出防止部材15を備えており、これを棒状体1の尖鋭部14の先端のみならず、その頭部11にも差し込んでおくことができるので、棒状体1を、その尖鋭部14の少なくとも先端の露出が露出防止部材15により防止された状態(図3(F)参照)にする前に、その頭部11に露出防止部材15が装着された状態(図3(E)参照)にしておくことができる。それ故、実施形態2の場合と同様に、露出防止部材15を棒状体1と略一体的に取り扱うことができ、尖鋭部14の少なくとも先端に差し込まれた状態にする際、従って尖鋭部14の先端の露出を防止する都度、露出防止部材15を探し出す必要がなくなり、便利である。
【0065】
なお、図3(E)に示された状態から図3(F)に示された状態にするための操作としては、例えば、<1> 露出防止部材15を一度頭部11から外すことなく所定の目的に棒状体1を使用した後、頭部11から外し、引き続き尖鋭部14の先端に差し込む、<2> 露出防止部材15を一度頭部11から外し、所定の目的に棒状体1を使用した後、尖鋭部14の先端に差し込む、<3> 露出防止部材15を一度頭部11から外すことなく所定の目的に棒状体1を使用した後、棒状体1の表面を脚部13方向に沿って尖鋭部14の先端を覆う位置まで摺動させる、の3通りを考えることができるが、実施形態3においてはいずれの操作であってよく、また図3(E)に示された状態が最終的に図3(F)に示された状態になればよい。
【0066】
また、図3(E)には、露出防止部材15から頂面12が露出した状態が示されているが、実施形態3においては、露出防止部材15が頭部11に差し込まれていればよく、露出防止部材15から頂面12が露出しているか否かは問わない。
【0067】
<実施形態4>
図4は、本発明の実施形態4に係る使用済み棒状体及び棒状体並びに、棒状体の処分方法の説明図である。実施形態1乃至3の場合との違いは、棒状体1の全範囲ではなく、棒状体1の頭部11又は頭部11から脚部13に向かうある程度広い(棒状体1の長軸方向に沿ってある程度長い)範囲を覆うように、一端17が封じられた管状の露出防止部材15が棒状体1に差し込まれていること(換言すれば、露出防止部材15が孔16を備え、その孔16が一端17が封じられ、長い袋のようなになった孔であり、そこに棒状体1の少なくとも頭部11が差し込まれていること)である。
【0068】
孔16は一端17が封じられて袋状を呈しているが、その表面(従って袋の内表面)は、棒状体1が所定の目的に使用される前又はその際にその棒状体1から容易に抜けない程度に、棒状体1の表面の一部と接触又は近接するように調整されている又は、そのような位置関係なるような工夫が適宜施されている。一端17が封じられた管状又は袋状といっても、例えばフィルムが棒状体1の周に管状に巻き付けられた上で、一端17が熱融、接着等により封じられているものであれば足り、またその材質には特に制限はない。
【0069】
しかして、実施形態4によれば、まず、実施形態1乃至3と同様の効果を奏する。即ち、図4(H)又は同図(H*)に示された棒状体であれば、所定の目的に使用された後に棒状体1の尖鋭部14の少なくとも先端の露出を露出防止部材15により防止することができ、それを取り扱う者にとって安全な状態にすることができる。図4(H)又は同図(H*)に示された使用済み棒状体であれば、所定の目的に使用された棒状体1の尖鋭部14の少なくとも先端の露出が露出防止部材15により防止されているので、それを取り扱う者にとって安全な状態になる。また、棒状体1を所定の目的に使用した後、尖鋭部14の少なくとも先端の露出を露出防止部材15により防止することができるので(図4(H)又は同図(H*)参照)、棒状体1を使用後に、簡単な作業により安全にかつ衛生面を確保して処分することができる。
【0070】
しかも、実施形態4によれば、一端17が封じられた管状の(長い袋のような)露出防止部材15を備えており、これを棒状体1の尖鋭部14の先端のみならず、その頭部11にも差し込んでおくことができるので、棒状体1を、その尖鋭部14の少なくとも先端の露出が露出防止部材15により防止された状態(図4(H)又は同図(H*)参照)にする前に、その頭部11に露出防止部材15が装着された状態(図4(G)参照)にしておくことができる。それ故、実施形態2及び3の場合と同様に、露出防止部材15を棒状体1と略一体的に取り扱うことができ、尖鋭部14の少なくとも先端に差し込まれた状態にする際、従って尖鋭部14の先端の露出を防止する都度、露出防止部材15を探し出す必要がなくなり、便利である。
【0071】
なお、図4(G)に示された状態から図4(H)に示された状態にするための操作としては、例えば、<1> 一端17の封止を破った後、露出防止部材15を一度頭部11から外し、当該一端7の側から改めて尖鋭部14の先端に差し込む、<2> 露出防止部材15を一度頭部11から外した後、一端17の封止を破り、当該一端7の側から改めて尖鋭部14の先端に差し込む、<3> 一端17の封止を破った後、露出防止部材15を頭部から外すことなく、棒状体1の表面を脚部13方向に沿って尖鋭部14の先端を覆う位置まで摺動させる、<4> 露出防止部材15を頭部から外すことなく、棒状体1の表面を脚部13方向に沿って摺動させ、一端17の封止を破った後、尖鋭部14の先端を覆う位置まで摺動させ、露出防止部材15の内側で一端17の封止部が頂面12と衝突してもなお摺動させることで当該封止部を頭部11により突き破り、一端17の封止を破った後も脚部13方向に沿って尖鋭部14の先端を覆う位置まで摺動させる、の4通りを考えることができる。棒状体1を所定の目的で使用することや、一端17の封止部の破り方などを組み合わせると、更に多くの操作例が考えられるが、実施形態4においてはいずれの操作であってよく、また図4(G)に示された状態が最終的に図4(H)に示された状態になればよい。
【0072】
図4(G)に示された状態から図4(H*)に示された状態にするためには、露出防止部材15を一度頭部11から外した後、改めて尖鋭部14の先端に差し込めばよい。
【0073】
一端17の封止部の破り方としては、上記<4>のように、露出防止部材15の内側で一端17の封止部が頂面12と衝突してもなお摺動させることで当該封止部を頭部11により突き破るというやり方があるが、露出防止部材15を一度頭部11から外し、尖鋭部14から脚部13に装着した後に、露出防止部材15の内側で一端17の封止部が尖鋭部14の先端と衝突してもなお摺動させることで当該封止部を当該先端により突き破るというやり方もある。
【0074】
<実施形態5>
実施形態1乃至4においては、露出防止部材15は棒状体1と別部材である。これに対し実施形態5においては、露出防止部材15は棒状体1の一部として、例えばその頭部11の全部又は一部として、棒状体1から折断可能に構成されている(図5(I)参照)。従って、脚部13の尖鋭部14の先端の露出を防止する際には、まず、露出防止部材15に相当する部分を棒状体1から折断して露出防止部材15を作り出す(図5(J)参照)。次に、露出防止部材15の折断面19に脚部13の尖鋭部14の先端を突き刺す又は差し込む(図5(K)参照)。
【0075】
しかして、実施形態5によれば、まず、実施形態1乃至4と同様の効果を奏する。即ち、図5(K)に示された棒状体であれば、所定の目的に使用された後に棒状体1の尖鋭部14の少なくとも先端の露出を露出防止部材15により防止することができ、それを取り扱う者にとって安全な状態にすることができる。図5(K)に示された使用済み棒状体であれば、所定の目的に使用された棒状体1の尖鋭部14の少なくとも先端の露出が露出防止部材15により防止されているので、それを取り扱う者にとって安全な状態になる。また、棒状体1を所定の目的に使用した後、尖鋭部14の少なくとも先端の露出を露出防止部材15により防止することができるので(図5(K)参照)、棒状体1を使用後に、簡単な作業により安全にかつ衛生面を確保して処分することができる。
【0076】
しかも、実施形態5によれば、露出防止部材15がもともと棒状体1の一部、特に頭部11の一部又は全部であり(図5(I)参照)、必要時に折断して作り出すことができるので(図5(J)(K)参照)、尖鋭部14の少なくとも先端に差し込まれた状態にする際、従って尖鋭部14の先端の露出を防止する都度、露出防止部材15を探し出す必要がなくなり、便利である。
【0077】
なお、露出防止部材15を作り出す際に棒状体1の折断を容易にするために、折断予定位置に切欠又は溝18を設けてもよい(図5(I)参照)。棒状体1の折断予定位置に設けるのは切欠や溝に限定されず、切欠や溝以外の応力集中が起こり易くなる加工を施してもよい。また、尖鋭部14の先端を露出防止部材15の折断面19ではなく、反対側の頂面12に突き刺す又は差し込むようにしてもよい。更に、棒状体1を折断して露出防止部材15を作り出した後に棒状体1を所定の目的に使用するという手順ではなく、棒状体1を所定の目的に使用した後に棒状体1を折断して露出防止部材15を作り出すという手順により、尖鋭部14の少なくとも先端の露出を露出防止部材15により防止するようにしてもよい。
【0078】
<実施形態6>
実施形態6に係る棒状体及び使用済み棒状体の各構成は、頂面12に被差込み孔20が予め設けられている点を除き、実施形態5に係る棒状体及び使用済み棒状体の各構成と同じである。
【0079】
それ故、実施形態6によれば、まず、実施形態5と同様の作用効果を奏する。それに加えて、頂面12に被差込み孔20が予め設けられているので、尖鋭部14の先端を被差込み孔20に突き刺す又は差し込むこと、従って尖鋭部14の少なくとも先端の露出が露出防止部材15により防止された状態することが容易になる。
【0080】
なお、実施形態5の場合と同様に、露出防止部材15を作り出す際に棒状体1の折断を容易にするために、折断予定位置に切欠又は溝18を設けてもよい(図6(L)参照)。棒状体1の折断予定位置に設けるのは切欠や溝に限定されず、切欠や溝以外の応力集中が起こり易くなる加工を施してもよい。また、棒状体1を折断して露出防止部材15を作り出した後に棒状体1を所定の目的に使用するという手順ではなく、棒状体1を所定の目的に使用した後に棒状体1を折断して露出防止部材15を作り出すという手順により、尖鋭部14の少なくとも先端の露出を露出防止部材15により防止するようにしてもよい。
【0081】
<実施形態7>
図7は、本発明の実施形態7に係る使用済み棒状体及び棒状体並びに、棒状体の処分方法の説明図である。実施形態7は、露出防止部材15が異なる点及びそれが原因となって異なる点を除き、実施形態21と共通する。
【0082】
実施形態7における露出防止部材15は、頭部11を突き刺す又は差し込むことを可能にする機能とともに、尖鋭部14の少なくとも先端を突き刺す又は差し込むことを可能にし、少なくとも一時的に、突き刺さった又は差し込まれた当該先端をそこから容易に抜けなくさせるという機能を有するものである必要がある。この点は実施形態2の場合と同様である。しかし、より具体的には、実施形態2の場合と異なり、露出防止部材15は、棒状体1の頭部11が貫通可能でない一端が封じられた孔16を備え、頭部11を差し込んだとき、頂面12を露出させないものである。このような露出防止部材15を頭部11に差し込むと、棒状体1はその露出防止部材15を頭部11に装着した状態になる(図7(O)参照)。
【0083】
実施形態7の孔16は拡径・縮径が自在であってもよいが、そうである必要はない。
【0084】
露出防止部材15の材質、形状、寸法等には基本的に制限はない。しかし、尖鋭部14の少なくとも先端を突き刺す又は差し込むことができ、突き刺さった又は差し込まれた当該先端がそこから容易に抜けなくなるといった機能を少なくとも一時的に有するものが望まれる。露出防止部材15の材質の典型例は、紙、木材、竹、天然ゴム、軟質又はスポンジ状の合成樹脂等である。
【0085】
図7(O)は、脚部13の尖鋭部4の先端の露出が防止されていない状態にある棒状体1を示しており、図7(P)は、脚部13の尖鋭部14の少なくとも先端の露出が、露出防止部材15により防止されている状態にある棒状体1を示している。また、図7(O)に示された棒状体1が所定の目的に使用される前又は使用された直後のものであるとすると、図7(P)に示された棒状体1は、所定目的に使用された後に、その脚部13の尖鋭部14の少なくとも先端の露出が、露出防止部材15により防止されている状態にある使用済み棒状体に相当することになる。
【0086】
従って、図7(O)に示された棒状体であれば、所定の目的に使用された後に棒状体1の尖鋭部14の少なくとも先端の露出を露出防止部材15により防止することができ、それを取り扱う者にとって安全な状態にすることができる。また、図7(P)に示された使用済み棒状体であれば、所定の目的に使用された棒状体1の尖鋭部14の少なくとも先端の露出が露出防止部材15により防止されているので、それを取り扱う者にとって安全な状態になる。更に、棒状体1と露出防止部材15とを準備し(図7(O)参照)、棒状体1を所定の目的に使用した後、尖鋭部14の少なくとも先端の露出を露出防止部材15により防止することができるので(図7(P)参照)、棒状体1を使用後に、簡単な作業により安全に処分することができる。
【0087】
しかも、実施形態7によれば、露出防止部材15が孔16を備えており、これを棒状体1の頭部11に差し込んでおくことができるので、棒状体1を、その尖鋭部14の少なくとも先端の露出が露出防止部材15により防止された状態(図7(P)参照)にする前に、その頭部11に露出防止部材15が装着された状態(図7(O)参照)にしておくことができる。それ故、露出防止部材15を棒状体1と略一体的に取り扱うことができ、尖鋭部14の少なくとも先端に差し込まれた状態にする際、従って尖鋭部14の先端の露出を防止する都度、露出防止部材15を探し出す必要がなくなり、便利である。
【0088】
なお、図7(O)に示された状態から図7(P)に示された状態にするための操作としては、例えば、<1> 露出防止部材15を一度頭部11から外すことなく所定の目的に棒状体1を使用した後、頭部11から外し、引き続き尖鋭部14の先端に差し込む、<2> 露出防止部材15を一度頭部11から外し、所定の目的に棒状体1を使用した後、尖鋭部14の先端に差し込む、の2通りを考えることができるが、実施形態7においてはいずれの操作であってよく、また図7(O)に示された状態が最終的に図7(P)に示された状態になればよい。
【0089】
図2(D)や図7(P)には、棒状体1の尖鋭部14の先端が露出防止部材15の特定の位置に突き刺されている又は差し込まれている状態が描かれているが、実施形態2及び7においては、実施形態1の場合と同様に、露出防止部材15の任意の位置に尖鋭部14の先端を突き刺す又は差し込むようにしてもよい。
【0090】
実施形態1、2並びに5乃至7においては、尖鋭部14の先端を露出防止部材15に突き刺す又は差し込む方向を、当該露出防止部材15を形成する素材の繊維方向又はその繊維方向と略平行とするのが好ましい。そのような方向であれば、尖鋭部14の少なくとも先端を露出防止部材15に突き刺す又は差し込むことが容易になるからである。
【0091】
例えば、爪楊枝や竹串のように棒状体1が木材や竹のような植物素材から形成されている場合には、当該棒状体1の長手方向が植物素材の繊維方向又はその繊維方向と略平行になっていることが多い。従って、実施形態5及び6の場合には、棒状体1の一部を折断して作成される露出防止部材15の頂面12又は折断面19から尖鋭部14の先端を突き刺せば、その方向が既に植物素材の繊維方向又はその繊維方向と略平行になるので、それを突き刺す作業、従って尖鋭部14の少なくとも先端の露出を露出防止部材15により防止する作業が容易になる。特に実施形態6の場合には、頂面12に設けてある被差込み孔20の形成方向も植物素材の繊維方向又はその繊維方向と略平行になるので、尖鋭部14の少なくとも先端の露出を露出防止部材15により防止する作業は更に容易になる。
【0092】
変形例として、図8に示すように、露出防止部材15は、分離可能な状態で棒状体1の一部を覆うキャップ部材21が固着されていてもよい。この場合、棒状体1を使用する際には、キャップ部材21を露出防止部材15から分離し、棒状体1を露出防止部材15から引き離して使用することとなる。これによれば、キャップ部材21が分離されていれば、その棒状体1が使用されたものを意味し、分離されていなければその棒状体1は使用されていないことを意味する。したがって、棒状体1が使用済みかどうかを容易に理解することができる。また、棒状体1の使用後は、その棒状体1を露出防止部材15に戻すことで、取り扱う者の安全面と衛生面を確保することができる。
【0093】
露出防止部材15に対するキャップ部材21への固着の仕方は特に限定されないが、取り外しの容易さの観点からミシン目状に繋げるとよい。また、棒状体1を露出防止部材15とキャップ部材21で包まれた状態に固着することで、棒状体1を保護することができると共に、使用後においては棒状体1および使用した際に生じたカスなどの汚物を露出防止部材15とキャップ部材21とで覆い隠してしまうこともできる。また、これによれば、露出防止部材15の孔16を棒状体1に合わした形状にしなくても済むため、加工の自由度が増すと共に、単に袋に棒状体1を入れる場合と比べてコスト的にあまり変わらない。さらに、棒状体1の先端がばらけてしまったとしても、確実に露出防止部材15に棒状体1を収容することができる。
【0094】
他の変形例として、図9に示すように、露出防止部材15の孔16に棒状体1の抜け防止部22を設けてもよい。具体的には、抜け防止部22は、棒状体1と接する孔16内の形状が凹凸形状(たとえば山切り形状)とすることで実現することができる。この凹凸形状は、特に限定されないが、たとえば、螺旋溝にしてもよい。このように抜け防止部22を設けることで、棒状体1を抜け難くすることができる。これにより、より使用者の安全性を実現できると共に、衛生面のより確実な向上を図ることができる。
【0095】
以上の各実施形態によれば、先端に尖鋭部を備える棒状体を所定の目的で使用した後、その尖鋭部の露出が防止されるので、当該棒状体は、それを取り扱う者にとって安全かつ衛生面が確保された状態におかれることになる。このため、当該棒状体の廃棄、焼却等の処分の作業を行おうとする者は、鋭利な尖鋭部により怪我をすることなく安全にかつ衛生面が確保された状態で当該処分を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施形態1に係る使用済み棒状体及び棒状体並びに、棒状体の処分方法の説明図である。
【図2】本発明の実施形態2に係る使用済み棒状体及び棒状体並びに、棒状体の処分方法の説明図である。
【図3】本発明の実施形態3に係る使用済み棒状体及び棒状体並びに、棒状体の処分方法の説明図である。
【図4】本発明の実施形態4に係る使用済み棒状体及び棒状体並びに、棒状体の処分方法の説明図である。
【図5】本発明の実施形態5に係る使用済み棒状体及び棒状体並びに、棒状体の処分方法の説明図である。
【図6】本発明の実施形態6に係る使用済み棒状体及び棒状体並びに、棒状体の処分方法の説明図である。
【図7】本発明の実施形態7に係る使用済み棒状体及び棒状体並びに、棒状体の処分方法の説明図である。
【図8】本発明の変形例に係る棒状体の説明図である。
【図9】本発明の変形例に係る露出防止部材の説明図である。
【符号の説明】
【0097】
1 棒状体
11 頭部
12 頂面
13 脚部
14 尖鋭部
15 露出防止部材
16 孔
17 封止部
18 切欠又は溝
19 折断面
20 被差込み孔
21 キャップ部材
22 抜け防止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部と、該頭部から延びる脚部と、該脚部に設けられた尖鋭部とを備える棒状体と、該棒状体が所定の目的に使用された後に前記尖鋭部の少なくとも先端の露出を防止する露出防止部材とを備えることを特徴とする使用済み棒状体。
【請求項2】
頭部と、該頭部から延びる脚部と、該脚部に設けられた尖鋭部とを備える棒状体と、前記尖鋭部の少なくとも先端の露出を防止する露出防止部材とを備えることを特徴とする棒状体。
【請求項3】
前記露出防止部材は、前記頭部に取り外し可能な状態で装着されていることを特徴とする請求項2に記載の棒状体。
【請求項4】
前記露出防止部材は、前記頭部又は前記頭部から前記脚部に向かう範囲に、前記棒状体の長軸方向に移動可能な状態で装着されていることを特徴とする請求項1に記載の棒状体。
【請求項5】
前記露出防止部材は、折断可能な状態で前記棒状体の一部を構成していることを特徴とする請求項1に記載の棒状体。

【請求項6】
折断可能な頭部と、該頭部から延びる脚部と、該脚部に設けられた尖鋭部とを備える棒状体であって、折断された前記頭部に前記尖鋭部の少なくとも先端を突き刺す又は差し込むことにより、その先端の露出が防止されることを特徴とする棒状体。
【請求項7】
前記尖鋭部の少なくとも先端を突き刺す又は差し込む方向が前記頭部を構成する素材の繊維方向であることを特徴とする請求項5に記載の棒状体。
【請求項8】
頭部と、該頭部から延びる脚部と、該脚部の先端に設けられた尖鋭部とを棒状体を所定の目的に使用した後に処分する方法であって、前記尖鋭部の少なくとも先端を露出防止部材により前記先端の露出を防止する工程を有することを特徴とする処分方法。
【請求項9】
頭部と、該頭部から延びる脚部と、該脚部の先端に設けられた尖鋭部とを棒状体を所定の目的に使用した後に処分する方法であって、前記尖鋭部の少なくとも先端を露出防止部材に突き刺す又は差し込むことにより前記先端の露出を防止する工程を有することを特徴とする処分方法。
【請求項10】
頭部と、該頭部から延びる脚部と、該脚部の先端に設けられた尖鋭部とを備える楊枝又は竹串の処分方法であって、前記楊枝又は竹串を使用した後前記頭部又は前記脚部を折断する工程と、前記尖鋭部の少なくとも先端を前記頭部に突き刺す又は差し込むことにより前記先端の露出を防止する工程と、前記頭部が折断され、前記先端の露出が防止された前記楊枝又は竹串を廃棄又は焼却する工程とを有することを特徴とする楊枝又は竹串の処分方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−45184(P2009−45184A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213193(P2007−213193)
【出願日】平成19年8月17日(2007.8.17)
【出願人】(505199739)株式会社五合 (11)
【Fターム(参考)】