説明

価格情報提供装置および価格情報提供方法

【課題】証券化商品の時価を評価する際に有益な情報を提供する。
【解決手段】価格情報提供装置100は、証券化商品の割引スプレッドの入力を証券化商品のカテゴリごとに促す定量アンケート画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための定量アンケート画面情報および証券化商品の所定のカテゴリ内での割引スプレッドのばらつきに関する分散情報の入力を促す定性アンケート画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための定性アンケート画面情報を保持する画面情報保持部62と、定量アンケート画面情報および定性アンケート画面情報を複数のユーザ宛に送信する画面情報送信部14と、を備える。価格情報提供装置100はアンケート結果を統計処理し、その結果をユーザに通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低流動性金融商品の価格についての情報を提供する価格情報提供装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サブプライム危機の発生以降、世界中の金融機関において、証券化商品のような流動性の低い商品の時価をいかに評価するかが、論点となっている。時価評価が注目される理由のひとつはリスク管理の観点である。金融機関が、自ら保有する証券化商品の時価を把握することはリスク管理上、基本的かつ重要なポイントであり、自己資本比率のようなリスクの定量化においても大前提となる。
【0003】
しかしながら、サブプライム危機を通して露呈したのは、金融機関における証券化商品の時価の算出や検証が必ずしも十分でない実態であった。この状況を受け、我が国では2008年8月に金融庁により「主要行等向けの総合的な監督指針」および「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」が改正されている。そこでは、金融機関に対して、証券化商品の適切な価格評価やブローカー価格の客観的な検証などが求められている。
【0004】
さらに、最近では、多くのブローカーが証券化商品部門の縮小を企画するなか、一部の外資系ブローカーが金融機関への時価提供を停止するケースも出てきており、金融機関自らが時価の算出を行わざるを得ない状況になりつつある。
【0005】
特許文献1には、証券化商品の資産価値に係る仕様、評価、格付けを含む情報を、複数の投資家にとって利用しやすい形態で積極的に情報提供するための情報提供システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−107994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、金融機関が単独で証券化商品の時価評価を行うことは容易ではない。金融機関1社では保有銘柄数も十分ではなく、比較対象となる類似銘柄も限られる場合が多いからである。また、自社で理論価格を算出したとしても、自身が利害関係者である以上、算出した価格の客観性を外部に示すことは容易ではない。
【0008】
これに対して本出願人は、特願2010−200556にて価格情報提供技術を提案している。この技術では例えば、証券化商品を複数のカテゴリに分け、カテゴリごとに割引スプレッドの代表値をユーザに提供する場合がある。この場合、各カテゴリを代表する商品として回答者の多くがイメージする同じような属性の商品(以下、標準商品と称する)についての割引スプレッドの代表値がユーザに提供されることとなる。ここで、金融機関が実際に扱う証券化商品は同じカテゴリに属するものの間でもばらつきがある。すなわち、実際の証券化商品のなかには、その証券化商品が属するカテゴリの標準商品との間に属性的な差があるものがある。そのような証券化商品については、金融機関の担当者はその差を考慮して割引スプレッドを評価することとなる。
【0009】
しかしながら、現状では「その差を考慮」するための手がかり、指標はないか限られている。これは、金融機関が割引スプレッドの代表値の情報を自己が扱う証券化商品に適用する際の障害となりうる。
【0010】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低流動性金融商品の時価を評価する際に有益な情報を提供する技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある態様は価格情報提供装置に関する。この価格情報提供装置は、低流動性金融商品の価格を決めるために使用される因子の入力を低流動性金融商品のカテゴリごとに促す第1画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための第1画面情報および低流動性金融商品のひとつのカテゴリ内での因子のばらつきに関する分散情報の入力を促す第2画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための第2画面情報を保持する画面情報保持部と、画面情報保持部によって保持される第1画面情報および第2画面情報をネットワークを介して複数のユーザ宛に送信する画面情報送信部と、第1画面に応じてユーザが入力した因子の情報および第2画面に応じてユーザが入力した分散情報をネットワークを介して受信する結果受信部と、結果受信部によって受信された因子の情報および分散情報に所定の統計処理を施す結果処理部と、結果処理部による因子の情報に対する統計処理の結果得られる代表値の情報を含む第3画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための第3画面情報および結果処理部による分散情報に対する統計処理の結果を含む第4画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための第4画面情報を生成する画面生成部と、を備える。画面情報送信部は、画面生成部によって生成される第3画面情報および第4画面情報をネットワークを介してユーザ宛に送信する。
【0012】
この態様によると、複数のユーザから低流動性金融商品の価格を決めるために使用される因子の情報および低流動性金融商品のひとつのカテゴリ内での因子のばらつきに関する分散情報を集め、集められた情報に統計処理を施し、統計処理の結果得られる情報をユーザに提供できる。
【0013】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、低流動性金融商品の時価を評価する際に有益な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施の形態に係る価格情報提供装置およびそれに接続された部材の機能および構成を示すブロック図である。
【図2】図1のユーザ情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【図3】定量アンケート画面の代表画面図である。
【図4】定性アンケート画面の代表画面図である。
【図5】図1の定量結果情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【図6】図1の定性結果情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【図7】定量アンケート結果画面の代表画面図である。
【図8】定性アンケート結果画面の代表画面図である。
【図9】図1の価格情報提供装置における一連の処理を示すフローチャートである。
【図10】図1の価格情報提供装置による作用効果を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
【0017】
「低流動性金融商品」とは、流動性が低く市場からの時価情報の取得が困難な金融商品を意味するものとする。具体的には、企業会計基準委員会による企業会計基準公開草案第43号「公正価値測定及びその開示に関する会計基準(案)」の「公正価格の算定方法」の中で規定した入力数値のレベルが2ないし3に分類される金融商品であり、代表例として証券化商品が挙げられ、他に私募債や中小規模の地方公共団体向け債権が挙げられる。
証券化商品とは、住宅ローン債権、リース債権、不動産など、将来一定の収益が見込める資産を裏付けとして発行される有価証券を指し、具体的には商業用不動産ローン担保証券(CMBS、Commercial Mortgage Backed Securities)や住宅ローン債権担保証券(RMBS、Residential Mortgage-Backed Securities)や資産担保証券(ABS、Asset Backed Securities)などが挙げられる。実施の形態に係る価格情報提供装置は、このような低流動性金融商品、特に証券化商品の価格に関する情報を提供する。この価格情報提供装置は、低流動性金融商品の価格を決めるために使用される因子の情報を複数のユーザから取得する。以下、低流動性金融商品として証券化商品の価格についての情報を提供する価格情報提供装置について説明する。
【0018】
証券化商品の価格を決める手法にはDCF(Discounted Cash Flow)法等がある。DCF法で証券化商品の価格を決めるために使用される因子には、主にトランシェのキャッシュフローと割引スプレッドとがある。本実施の形態に係る価格情報提供装置は、これらの因子のうち、よりユーザ単体での評価が難しい割引スプレッドの情報を複数のユーザから取得する。
「割引スプレッド」は将来キャッシュフローを割り引く際のスプレッドである。
価格情報提供装置のユーザは、機関投資家や証券会社などの証券化商品を扱う金融機関である。
【0019】
価格情報提供装置は、複数のユーザから取得された割引スプレッドの情報の傾向を解析する処理を行い、その処理の結果得られる情報をユーザに通知する。
特に我が国のように多くの証券化商品が私募の形態で取引されており、かつ、証券化商品が少量多品種化されている場合には、ユーザは他のユーザが設定している割引スプレッドについての情報を得にくい。したがって、自己が設定している割引スプレッドが客観的に適正であるか否かや、ブローカーが提示してきた割引スプレッドが適正であるか否かについての判断基準を得にくい状況にある。そこで本実施の形態に係る価格情報提供装置は、割引スプレッドの傾向を示す情報、特に割引スプレッドの代表値の情報をユーザに提供するので、ユーザは割引スプレッドについての客観的な判断基準を得ることができ、証券化商品の価格をより容易に評価できるようになる。
価格情報提供装置100によって提供される割引スプレッドの代表値は、多くのユーザの間でコンセンサスが取られたベンチマーク的な割引スプレッドであると言うことができ、「コンセンサススプレッド」と称してもよい。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る価格情報提供装置100およびそれに接続された部材の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(central processing unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0021】
価格情報提供装置100は、インターネットなどのネットワーク102を介して、第1回答先ユーザ端末202、第2回答先ユーザ端末204を含む複数の回答先ユーザ端末と、第1購入先ユーザ端末302、第2購入先ユーザ端末304を含む複数の購入先ユーザ端末と、に接続される。各ユーザ端末は、価格情報提供装置100が提供するサービスを利用する各ユーザの担当者が使用するPC端末である。なお、端末はPC端末に限定されない。
【0022】
サービスの利用形態により、ユーザは回答先ユーザと購入先ユーザの2種類に分類される。回答先ユーザ端末は回答先ユーザのユーザ端末であり、購入先ユーザ端末は、購入先ユーザのユーザ端末である。
回答先ユーザは、価格情報提供装置100から定期的に発せられる割引スプレッドについてのアンケートを電子的に取得して回答し、価格情報提供装置100から割引スプレッドの代表値についての情報を取得するユーザである。購入先ユーザは、割引スプレッドについてのアンケートには参加しないが、価格情報提供装置100から割引スプレッドの代表値についての情報を取得するユーザである。
サービスが課金制である場合は、回答先ユーザに対しては購入先ユーザよりも低い料金を課すことが望ましく、特に回答先ユーザは無料とすることも考えられる。
【0023】
価格情報提供装置100は、インタフェース部10、結果登録部20、結果処理部30、結果画面生成部40、ユーザ情報保持部60、画面情報保持部62、定量結果情報保持部64、定性結果情報保持部66、を備える。
【0024】
図2は、ユーザ情報保持部60の一例を示すデータ構造図である。ユーザ情報保持部60は、ユーザの名称であるユーザ名110と、ユーザを特定するユーザID112と、ユーザがアンケートの送信対象であるか否かを示す情報114と、ユーザが割引スプレッドの代表値の通知対象であるか否かを示す情報116と、ユーザの担当者の電子メールアドレス118と、を対応付けて保持する。ユーザの担当者は、ユーザの従業員のうち価格情報提供装置100からアンケートの情報や代表値の情報を電子メールで受け取るべき者である。
【0025】
図2ではユーザがアンケートの送信対象であるか否かを示す情報は「Y」、「N」で示されている。これが「Y」の場合は送信対象であること、すなわちそのユーザが回答先ユーザであることを示し、「N」の場合は送信対象でないことを示す。図2ではユーザが割引スプレッドの代表値の通知対象であるか否かを示す情報は「Y」、「N」で示されている。これが「Y」の場合は通知対象であることを示し、「N」の場合は通知対象でないことを示す。ユーザがアンケートの送信対象であるか否かを示す情報が「Y」となっている場合は、ユーザが割引スプレッドの代表値の通知対象であるか否かを示す情報は「Y」である。ユーザがアンケートの送信対象であるか否かを示す情報が「N」となっており、かつ、ユーザが割引スプレッドの代表値の通知対象であるか否かを示す情報が「Y」となっている場合は、そのユーザは購入先ユーザである。
【0026】
本実施の形態では、公知の電子メール送受信技術を使用して価格情報提供装置100とユーザ端末との間で情報を電子的にやりとりする。なお、価格情報提供装置100とユーザ端末との間の情報のやりとりは、エヌ・アール・アイ・セキュアテクノロジーズ株式会社が提供するクリプト便(登録商標)などで使用されるファイル送受信技術によって実現されてもよい。
また、価格情報提供装置100の管理者は、新規ユーザのユーザ情報保持部60への登録などのユーザ情報保持部60の管理を行う。
【0027】
図3は、定量アンケート画面120の代表画面図である。画面情報保持部62は、定量アンケート画面120を回答先ユーザ端末のディスプレイに表示させるための定量アンケート画面情報を保持する。定量アンケート画面120は、回答先ユーザ端末のディスプレイに表示された場合、証券化商品のカテゴリごとに割引スプレッドの想定値またはそのカテゴリに入る商品の実際の割引スプレッドの値の入力を促す画面である。定量アンケート画面120は、証券化商品のカテゴリごとに割引スプレッドの想定値またはそのカテゴリに入る商品の実際の割引スプレッドの値の入力を表形式で受け付ける割引スプレッド入力領域124と、証券化商品のカテゴリの定義を担当者に提示する定義提示領域126と、を含む。
本実施の形態では、スプレッドはbps(basis points)単位で示す。
なお、本実施の形態において「証券化商品のカテゴリの定義」という場合の「定義」とは、あるカテゴリ(例えばCMBSのシングルアセット)に属する証券化商品として典型的な商品の属性(例えば「立地条件は23区内」「テナント数は1つ」)情報を指すものとする。すなわち、換言すれば「定義」とは、あるカテゴリの標準的な商品を想起するためのガイドライン情報に相当する。
【0028】
図4は、定性アンケート画面122の代表画面図である。画面情報保持部62は、定性アンケート画面122を回答先ユーザ端末のディスプレイに表示させるための定性アンケート画面情報を保持する。定性アンケート画面122は、回答先ユーザ端末のディスプレイに表示された場合、担当者に証券化商品の所与のカテゴリ内での割引スプレッドのばらつきに関する分散情報の入力を促す画面である。定性アンケート画面122は、証券化商品の価格に関する定性的な質問(以下、定性価格質問と称す)を表示する定性価格質問表示領域129と、その定性価格質問についての回答を選択形式で受け付ける価格情報入力領域130と、証券化商品の属性に関する条件のうち同じカテゴリ内でも割引スプレッドに影響を与えると考えられる条件についての質問(以下、属性条件質問と称す)を表示する属性条件質問表示領域170と、その属性条件質問についての回答を選択形式と入力形式との組み合わせで受け付ける分散情報入力領域172と、を含む。
【0029】
定性アンケート画面122に示される質問は、ひとつ以上の定性価格質問と、ひとつ以上の属性条件質問と、を含む。各定性価格質問には、回答として複数の選択肢が対応付けられる。各属性条件質問には、回答として複数の選択肢および必要によって入力領域が対応付けられる。
【0030】
証券化商品の属性に関する条件のうち同じカテゴリ内でも割引スプレッドに影響を与えると考えられる条件は、例えば「CMBS−シングルアセット」の同じ格付けというカテゴリについてはテナント数や発行年である。
【0031】
価格情報提供装置100の管理者は、上記定量アンケート画面情報および定性アンケート画面情報を予め生成し、画面情報保持部62に保持させる。
【0032】
図5は、定量結果情報保持部64の一例を示すデータ構造図である。定量結果情報保持部64は、証券化商品のカテゴリ132と、証券化商品のカテゴリを特定するカテゴリID134と、複数のユーザから回答として取得した割引スプレッドの値136と、回答数138と、統計処理の結果得られる割引スプレッドの代表値140と、統計処理の結果得られる割引スプレッドの標準偏差142と、を対応付けて保持する。統計処理の結果得られる割引スプレッドの代表値140は、算術平均値と、最小値と、最大値と、中間項平均値と、を含む。
【0033】
図6は、定性結果情報保持部66の一例を示すデータ構造図である。定性結果情報保持部66は、質問項目144と、質問項目に対する選択肢145と、質問項目に対する選択肢を特定する選択肢ID146と、複数のユーザからの回答147と、選択肢に対する回答数148と、を対応付けて保持する。質問項目は、定性価格質問と、属性条件質問と、を含む。選択肢は、定性アンケート画面122に提示される回答用の選択肢である。
【0034】
図7は、定量アンケート結果画面156の代表画面図である。画面情報保持部62は、定量アンケート結果画面156を回答先ユーザ端末および購入先ユーザ端末のディスプレイに表示させるための定量アンケート結果画面情報を保持する。定量アンケート結果画面156は、回答先ユーザ端末および購入先ユーザ端末のディスプレイに表示された場合、証券化商品のカテゴリごとに割引スプレッドの代表値の情報をユーザに提示する画面である。定量アンケート結果画面156は、統計処理の結果得られる割引スプレッドの代表値を証券化商品のカテゴリごとに示すスプレッドテーブル領域158を有する。
【0035】
図8は、定性アンケート結果画面160の代表画面図である。画面情報保持部62は、定性アンケート結果画面160を回答先ユーザ端末および購入先ユーザ端末のディスプレイに表示させるための定性アンケート結果画面情報を保持する。定性アンケート結果画面160は、回答先ユーザ端末および購入先ユーザ端末のディスプレイに表示された場合、定性アンケート画面122に示される質問に対する回答の統計データをユーザに提示する画面である。定性アンケート結果画面160は、定性価格質問に対する回答結果をユーザに提示する第1表示領域162と、属性条件質問に対する回答結果をユーザに提示する第2表示領域164と、を有する。
【0036】
図1に戻る。
インタフェース部10は、ネットワーク102を介して、複数の回答先ユーザ端末および複数の購入先ユーザ端末と通信する。インタフェース部10は、送信先情報抽出部12、画面情報送信部14、結果受信部16、を含む。
【0037】
送信先情報抽出部12は、価格情報提供装置100の内部時計を参照し定期的に、例えば毎月末にユーザ情報保持部60にアクセスする。送信先情報抽出部12は、ユーザ情報保持部60から、ユーザがアンケートの送信対象であるか否かを示す情報が「Y」となっているユーザの送信先アドレス(以下、アンケート送信先アドレスと称す)を抽出する。
【0038】
画面情報送信部14は、画面情報保持部62によって保持される定量アンケート画面情報および同じく画面情報保持部62によって保持される定性アンケート画面情報を含むアンケート電子メールを生成する。画面情報送信部14は、生成したアンケート電子メールを送信先情報抽出部12によって抽出されたアンケート送信先アドレス宛にネットワーク102を介して送信する。
なお、電子メールの送受信には図示しないメールサーバ等が関与するが、電子メールの送受信自体は公知の技術であるから電子メールの送受信についての詳細な説明は省略する。
【0039】
回答先ユーザの担当者は、アンケート電子メールを回答先ユーザ端末で受信する。回答先ユーザ端末は、アンケート電子メールに含まれる定量アンケート画面情報および定性アンケート画面情報を読み込み、ディスプレイに定量アンケート画面120および定性アンケート画面122を表示させる。
担当者は、定量アンケート画面120の定義提示領域126に提示される証券化商品のカテゴリの定義を参照しながら、表形式の割引スプレッド入力領域124の各欄に割引スプレッドの想定値や実際の値を入力する。
担当者は、定性アンケート画面122の定性価格質問表示領域129に提示される定性価格質問に対する回答を価格情報入力領域130に提示される選択肢の中から選択する。担当者は、定性アンケート画面122の属性条件質問表示領域170に提示される属性条件質問に対する回答を分散情報入力領域172に提示される選択肢の中から選択し必要であれば入力領域に入力する。
【0040】
担当者は、定量アンケート画面120への割引スプレッドの入力が終わると、入力された割引スプレッドの情報を含む定量アンケート画面情報を含む第1回答電子メールを価格情報提供装置100の管理者宛に送信するよう回答先ユーザ端末に指示する。回答先ユーザ端末は、かかる指示を受けると、第1回答電子メールを生成して価格情報提供装置100の管理者宛にネットワーク102を介して送信する。
担当者は、定性アンケート画面122への回答の入力が終わると、入力された回答の情報を含む定性アンケート画面情報を含む第2回答電子メールを価格情報提供装置100の管理者宛に送信するよう回答先ユーザ端末に指示する。回答先ユーザ端末は、かかる指示を受けると、第2回答電子メールを生成して価格情報提供装置100の管理者宛にネットワーク102を介して送信する。
【0041】
結果受信部16は、第1回答電子メールおよび第2回答電子メールをネットワーク102を介して受信する。結果受信部16は、受信した第1回答電子メールから、ユーザの担当者によって入力された割引スプレッドの情報を含む定量アンケート画面情報を抽出する。結果受信部16は、受信した第2回答電子メールから、ユーザの担当者によって入力された回答の情報を含む定性アンケート画面情報を抽出する。
【0042】
結果登録部20は、結果受信部16によって抽出された定量アンケート画面情報から、入力された割引スプレッドの情報を抽出し、定量結果情報保持部64に登録する。
結果登録部20は、結果受信部16によって抽出された定性アンケート画面情報から、入力された回答の情報を抽出し、定性結果情報保持部66に登録する。
【0043】
結果処理部30は、インタフェース部10によるアンケート電子メールの送信が開始されてから所定の期日、例えば1週間が経過した後、定量結果情報保持部64および定性結果情報保持部66に蓄積された情報を処理する。結果処理部30は、結果情報抽出部32、統計処理部34、処理結果登録部36、を含む。
【0044】
結果情報抽出部32は、定量結果情報保持部64にアクセスし、複数のユーザから収集した割引スプレッドの情報をカテゴリIDごとに抽出する。
【0045】
統計処理部34は、結果情報抽出部32によって抽出された割引スプレッドの情報に所定の統計処理を施す。特に統計処理部34は、結果情報抽出部32によって抽出された割引スプレッドの情報の傾向を解析する処理を行う。例えば、統計処理部34は、カテゴリIDごとに回答数を算出する。また統計処理部34は、カテゴリIDごとに、割引スプレッドの算術平均、最小値、最大値、中間項平均、標準偏差を算出する。
統計処理部34は、定性結果情報保持部66にアクセスし、選択肢IDごとに回答数を算出する。なお、統計処理部34は、定性結果情報保持部66に保持される情報に、回答数を求める以外の他の統計処理を施してもよい。
【0046】
処理結果登録部36は、統計処理部34による統計処理の結果を定量結果情報保持部64、定性結果情報保持部66に登録する。処理結果登録部36は、統計処理部34によって算出された割引スプレッドの算術平均、最小値、最大値、中間項平均、標準偏差を定量結果情報保持部64に登録する。処理結果登録部36は、統計処理部34によって算出された選択肢IDごとの回答数を定性結果情報保持部66に登録する。
【0047】
結果画面生成部40は、結果処理部30による統計処理の後、その処理の結果をユーザに提示するアンケート結果画面をユーザ端末のディスプレイに表示させるためのアンケート結果画面情報を生成し、画面情報保持部62に保持させる。結果画面生成部40は、定量結果画面生成部42と、定性結果画面生成部44と、を含む。
【0048】
定量結果画面生成部42は、定量結果情報保持部64を参照し、定量アンケート結果画面情報を生成し、画面情報保持部62に保持させる。定量結果画面生成部42は、回答数が所定数に満たないカテゴリの代表値、標準偏差は定量アンケート結果画面に含めないように定量アンケート結果画面情報を生成する。この場合、母集団の小さな統計値はむしろ提供しないことにより、価格情報提供装置100によって提供される割引スプレッドの代表値の信頼性を高めることができる。
定性結果画面生成部44は、定性結果情報保持部66を参照し、定性アンケート結果画面情報を生成し、画面情報保持部62に保持させる。
【0049】
結果画面生成部40によるアンケート結果画面情報の生成の後、送信先情報抽出部12は、ユーザ情報保持部60からユーザが割引スプレッドの代表値の通知対象であるか否かを示す情報が「Y」となっているユーザの送信先アドレス(以下、結果送信先アドレスと称す)を抽出する。
【0050】
画面情報送信部14は、画面情報保持部62によって保持される定量アンケート結果画面情報および同じく画面情報保持部62によって保持される定性アンケート結果画面情報を含むアンケート結果電子メールを生成する。画面情報送信部14は、生成したアンケート結果電子メールを送信先情報抽出部12によって抽出された結果送信先アドレス宛にネットワーク102を介して送信する。
【0051】
上述の実施の形態において、保持部の例は、ハードディスクやメモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶するメモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0052】
図9は、価格情報提供装置100における一連の処理を示すフローチャートである。インタフェース部10は、定量アンケート画面情報および定性アンケート画面情報を含むアンケート画面情報をユーザ宛に送信する(S502)。インタフェース部10は、ユーザによって回答が入力されたアンケート画面情報を受信する(S504)。結果登録部20は、受信されたアンケート画面情報が含む、ユーザによって入力された回答を定量結果情報保持部64、定性結果情報保持部66に登録する(S506)。結果処理部30は、定量結果情報保持部64、定性結果情報保持部66に登録され保持されている回答結果を統計処理する(S508)。結果画面生成部40は、統計処理の結果に基づき定量アンケート結果画面情報および定性アンケート結果画面情報を生成する(S510)。インタフェース部10は、生成された定量アンケート結果画面情報および定性アンケート結果画面情報をユーザ宛に送信する(S512)。価格情報提供装置100は上記処理を定期的に繰り返す。
【0053】
以上の構成による価格情報提供装置100の動作を説明する。
価格情報提供装置100は毎月末に、証券化商品の割引スプレッドに関するアンケートを回答先として登録されているユーザに電子メールで送信する。価格情報提供装置100は、所定の回答期間内にアンケートに対する回答を受け付ける。価格情報提供装置100は、所定の回答期間が満了すると、それまでに得られた回答に対して統計処理を施す。価格情報提供装置100は、その統計処理の結果得られる割引スプレッドの代表値、例えば平均値を回答配信先として登録されているユーザに電子メールで送信する。各ユーザは例えば自己が設定する割引スプレッドと配信されてきた平均値とを比較することで自己の設定が適切か否かを判断できる。
【0054】
本実施の形態に係る価格情報提供装置100は、複数のユーザから割引スプレッドの値を収集し、それを統計処理する。各ユーザはその統計処理の結果得られる割引スプレッドの代表値の情報を得る。したがって、ユーザは証券化商品のカテゴリごとに割引スプレッドの市場動向について知見を得ることができる。また、市場全体の水準や流動性を示す指標は取引関係者の総意で決まるものであることを考えると、価格情報提供装置100によって提供される割引スプレッドの代表値は、市場全体の水準や流動性を示すスプレッドとして十分な説明力がある。
【0055】
また、本実施の形態に係る価格情報提供装置100では、証券化商品のカテゴリごとに割引スプレッドの代表値が算出され、ユーザに配信される。したがって、ユーザは証券化商品の類似商品別のベンチマークを価格情報提供装置100から入手できる。特に我が国のように証券化商品の少量多品種化が進んでいる場合、証券化商品をカテゴリで区切ることによって各ユーザの目線を揃えた上で割引スプレッドについての情報を収集できる。
【0056】
また、本実施の形態に係る価格情報提供装置100では、証券化商品の所与のカテゴリについて、割引スプレッドの代表値と共に属性条件質問に対する統計結果がユーザに提供される。したがってユーザは、自己が扱う実際の証券化商品の属性に関する条件とその証券化商品が属するカテゴリの標準商品の属性に関する条件との差をまず求め、属性条件質問に対する統計結果を参照してその差を割引スプレッドの乖離値に変換することができる。そしてユーザは、割引スプレッドの代表値に乖離値を加えた値と実際の証券化商品に対して自己が設定している割引スプレッドの値とを比較することにより、実際の証券化商品の価格をより精度良く評価することができる。
【0057】
図10は、価格情報提供装置100による作用効果を説明するための概念図である。図10はカテゴリ「CMBS−シングルアセット−格付けAAA」に属する証券化商品を、証券化商品の属性に関する条件のうち「テナント数」をX軸、「発行年」をY軸に見立てた2次元平面内の点として示す。図10では、カテゴリ「CMBS−シングルアセット−格付けAAA」の標準商品として想定される範囲が斜線でハッチングされた領域184で示される。また、図10の点180、182はそれぞれ、カテゴリ「CMBS−シングルアセット−格付けAAA」に属する証券化商品であって金融機関が扱う実際の証券化商品「甲」、「乙」に対応する。
【0058】
ユーザは証券化商品「甲」に対して設定した割引スプレッドを評価する際、まずカテゴリ「CMBS−シングルアセット−格付けAAA」の標準商品と証券化商品「甲」とは「発行年」は対応するが「テナント数」には差があることを把握する。ユーザは、CMBS−シングルアセットの定義において、テナント数が割引スプレッドに与える影響の大きさに関する質問に対する回答結果を参照して(例えば、図8に示される定性アンケート結果画面160を参照して)、把握された差を例えば「20bps」の乖離値に変換する。ユーザは割引スプレッドの代表値(例えば、「100bps」)に乖離値「20bps」を加えた値「120bps」と証券化商品「甲」に対して自己が設定している割引スプレッドの値とを比較することで、証券化商品「甲」の価格を精度良く評価できる。証券化商品「乙」についても同様である。
【0059】
また、本実施の形態に係る価格情報提供装置100では、定量アンケート画面120の割引スプレッド入力領域124に対して、実際の商品に設定されている割引スプレッドの値だけでなく、証券化商品のカテゴリに対してユーザの担当者が想定する割引スプレッドの値を入力可能としている。証券化商品のカテゴリについて、ユーザによってはあるカテゴリに入る商品を扱っていなかったり、守秘義務の関係で実際の値を入力できない場合もある。そこで本実施の形態では想定値の入力を可能とすることにより、そのような場合でも値の入力を可能としている。その結果、回答数は増大し、価格情報提供装置100によって提供される割引スプレッドの代表値に対する信頼性が向上する。
【0060】
また、本実施の形態に係る価格情報提供装置100では、定量アンケート画面情報は、定量アンケート画面120が割引スプレッド入力領域124と定義提示領域126とを含むように構成される。したがって、ユーザは割引スプレッド入力領域124に割引スプレッドを入力する際、定義提示領域126に提示される定義を参照することができる。その結果、複数のアンケート回答者が各カテゴリの証券化商品についての割引スプレッドを回答する際、定義が提示されていることによって、各カテゴリを代表する商品として回答者の多く、ある場合には全員、が標準商品をイメージしてその標準商品についての割引スプレッドを答えることができる。すなわち、多くの回答者が仮想的に設定された同じ商品について適正と考える割引スプレッドを回答するため、割引スプレッドの代表値に対する信頼性を向上させることができる。
【0061】
また、本実施の形態に係る価格情報提供装置100では、回答先ユーザに対してアンケート画面情報が送信され、回答先ユーザおよび購入先ユーザに対してアンケート結果画面情報が送信される。したがって、例えば守秘義務等からアンケートには参加できないが割引スプレッドの代表値についての情報は欲しいユーザも価格情報提供装置100を利用できる。
【0062】
本実施の形態に係る価格情報提供装置100によってユーザに証券化商品の時価評価の際に基準とできる信頼性の高い価格情報が提供される。これにより、各ユーザサイドで証券化商品の時価評価が進み、したがって証券化商品の売買が活性化されて流動性が増し、流動性が増した結果価格情報提供装置100に提供される価格情報の数および確度が向上する、という正のフィードバックが生じることが期待される。
【0063】
価格情報提供装置100によって提供される割引スプレッドの代表値の、ユーザサイドでの活用例としては、(1)自社価格の検証や業者価格の検証、(2)業者価格のない銘柄をプライシングする際の参考、(3)売買を行う際の参考、(4)パフォーマンス分析やリスク分析において要因分解を行う際のインデックスとして活用、がある。特に(4)では、例えば全体の変化額が−2円である場合に、価格情報提供装置100から提供される市場要因が−3円であれば、固有要因は+1円となるので相対的には善戦していることが分かる。
【0064】
以上、実施の形態に係る価格情報提供装置100の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、その各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0065】
実施の形態では価格情報提供装置100は割引スプレッドの情報を取得して統計処理し、その代表値をユーザに通知する場合について説明したが、価格情報提供装置100による取扱対象は割引スプレッドに限られない。
【0066】
定量結果画面生成部42は、標準偏差が所定値よりも大きい証券化商品のカテゴリが定量アンケート結果画面156において強調表示されるように、定量アンケート結果画面情報を生成してもよい。この場合、ユーザは標準偏差が大きい、すなわちリスクの高いカテゴリをより容易に知ることができる。
【0067】
実施の形態では、インタフェース部10が定量アンケート画面情報および定性アンケート画面情報を含むアンケート画面情報をユーザ宛に送信し、インタフェース部10がユーザによって回答が入力されたアンケート画面情報を受信する場合について説明したが、これに限られず、例えばアンケートの配布や回収は人手で行われてもよい。
【符号の説明】
【0068】
10 インタフェース部、 20 結果登録部、 30 結果処理部、 40 結果画面生成部、 60 ユーザ情報保持部、 62 画面情報保持部、 64 定量結果情報保持部、 66 定性結果情報保持部、 100 価格情報提供装置、 102 ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低流動性金融商品の価格を決めるために使用される因子の入力を低流動性金融商品のカテゴリごとに促す第1画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための第1画面情報および低流動性金融商品のひとつのカテゴリ内での因子のばらつきに関する分散情報の入力を促す第2画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための第2画面情報を保持する画面情報保持部と、
前記画面情報保持部によって保持される第1画面情報および第2画面情報をネットワークを介して複数のユーザ宛に送信する画面情報送信部と、
第1画面に応じてユーザが入力した因子の情報および第2画面に応じてユーザが入力した分散情報を前記ネットワークを介して受信する結果受信部と、
前記結果受信部によって受信された因子の情報および分散情報に所定の統計処理を施す結果処理部と、
前記結果処理部による因子の情報に対する統計処理の結果得られる代表値の情報を含む第3画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための第3画面情報および前記結果処理部による分散情報に対する統計処理の結果を含む第4画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための第4画面情報を生成する画面生成部と、を備え、
前記画面情報送信部は、前記画面生成部によって生成される第3画面情報および第4画面情報を前記ネットワークを介してユーザ宛に送信することを特徴とする価格情報提供装置。
【請求項2】
前記画面情報保持部によって保持される第1画面情報は、第1画面が低流動性金融商品のカテゴリの定義をユーザに提示する領域を含むように構成されることを特徴とする請求項1に記載の価格情報提供装置。
【請求項3】
ユーザとそのユーザが第1画面情報の送信対象であるか否かについての情報とそのユーザの送信先に関する情報とを対応付けて保持するユーザ情報保持部と、
前記ユーザ情報保持部から第1画面情報の送信対象となっているユーザの送信先に関する情報を抽出する送信先情報抽出部と、をさらに備え、
前記画面情報送信部は、前記送信先情報抽出部によって抽出された情報に基づいて前記画面情報保持部によって保持される第1画面情報および第2画面情報を前記ネットワークを介して送信し、
前記画面情報送信部はさらに、前記画面生成部によって生成される第3画面情報および第4画面情報を前記ネットワークを介して第1画面情報の送信対象となっているユーザを含む複数のユーザ宛に送信することを特徴とする請求項1または2に記載の価格情報提供装置。
【請求項4】
低流動性金融商品の価格を決めるために使用される因子の入力を低流動性金融商品のカテゴリごとに促す第1画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための第1画面情報および低流動性金融商品のひとつのカテゴリ内での因子のばらつきに関する分散情報の入力を促す第2画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための第2画面情報を保持するステップと、
保持される第1画面情報および第2画面情報をネットワークを介して複数のユーザ宛に送信するステップと、
第1画面に応じてユーザが入力した因子の情報および第2画面に応じてユーザが入力した分散情報を前記ネットワークを介して受信するステップと、
受信された因子の情報および分散情報に所定の統計処理を施すステップと、
因子の情報に対する統計処理の結果得られる代表値の情報を含む第3画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための第3画面情報および分散情報に対する統計処理の結果を含む第4画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための第4画面情報を生成するステップと、
生成される第3画面情報および第4画面情報を前記ネットワークを介してユーザ宛に送信するステップと、を含むことを特徴とする価格情報提供方法。
【請求項5】
低流動性金融商品の価格を決めるために使用される因子の入力を低流動性金融商品のカテゴリごとに促す第1画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための第1画面情報および低流動性金融商品のひとつのカテゴリ内での因子のばらつきに関する分散情報の入力を促す第2画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための第2画面情報を保持する機能と、
保持される第1画面情報および第2画面情報をネットワークを介して複数のユーザ宛に送信する機能と、
第1画面に応じてユーザが入力した因子の情報および第2画面に応じてユーザが入力した分散情報を前記ネットワークを介して受信する機能と、
受信された因子の情報および分散情報に所定の統計処理を施す機能と、
因子の情報に対する統計処理の結果得られる代表値の情報を含む第3画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための第3画面情報および分散情報に対する統計処理の結果を含む第4画面をユーザの端末のディスプレイに表示させるための第4画面情報を生成する機能と、
生成される第3画面情報および第4画面情報を前記ネットワークを介してユーザ宛に送信する機能と、をコンピュータに実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−64077(P2012−64077A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208866(P2010−208866)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)