説明

便器洗浄装置

【課題】 トイレ等の狭い空間のオゾン濃度を増加させることなくオゾン水を用いて便器を洗浄できること。
【解決手段】 オゾン発生器10とマイクロバブル化したオゾン含有気泡を発生させる微細気泡発生器11で発生させたマイクロバブル化したオゾン含有気泡を便器1の洗浄水として使用する。マイクロバブルはマイナスに帯電しており、水中或いはマイクロバブルが接触した面の菌や有機系物質を吸着する性質がある。また、マイクロバブルは自己加圧効果があるため、低いオゾン濃度として供給されたものであっても、作用時には高圧化された条件でオゾンが作用する。故に、オゾンを含有したマイクロバブルの帯電作用により、水中或いはマイクロバブルと接触した面の菌や有機系物質を吸着するから、少量のオゾン含有気泡で効率的に殺菌、脱臭、漂白、汚れ分解、防汚効果を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン水を用いて便器を洗浄する便器洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のオゾン水を用いて便器を洗浄する便器洗浄装置として、特許文献1及び特許文献2の技術を挙げることができる。
【0003】
特許文献1に記載の技術思想は、便器に供給する洗浄水貯留用の洗浄水タンク、その洗浄タンクにオゾン供給路を介してオゾンを供給するオゾン発生機、便器にオゾン含有水を供給するオゾン水供給装置、及び、前記便器への人物接近を検出するセンサを備え、前記洗浄タンクから便器への洗浄水供給路に洗浄弁を介装し、この洗浄弁とは別に、洗浄水タンク内のオゾン含有水を便器に供給するためのオゾン水供給路と、そのオゾン水供給路を開閉する給水弁とを設け、更に、前記オゾン供給装置は、前記センサが人物接近検出状態にある間のみ、前記洗浄水タンクのオゾン含有水を便器に供給するように、前記給水弁を前記近接センサの作動に連係して操作する制御手段を備えるものである。
【0004】
したがって、便器に人が接近すると、この検出状態になったセンサからの情報に基づく制御手段の自動操作のために、オゾン水供給装置が自動的にオゾン含有水を、洗浄水とは別にオゾン水供給路を経て便器に供給すると共に、人が用便を済ませて便器から離れるまで供給を継続する。よって、用便中、自動的、かつ、継続的にオゾン含有水が供給され、消臭や洗浄を水のみでしたり、洗浄用に供給される水に薬剤を混入して洗浄時点で同時に消臭するようにした場合に比べ、供給水量を少なくしても、オゾンが尿や便器に作用して分解消臭すると共に殺菌洗浄することができる。
【0005】
特許文献2に記載の技術思想は、洗浄タンク内または外にオゾン水生成装置を配設し、オゾン水を少なくとも便器洗浄後に所定量以上流すようにした便器洗浄装置に関するものである。具体的には、便器洗浄後にオゾン水を所定量以上流すことにより、汚物が搬出された後の便鉢面を前記オゾン水によって十分に洗浄でき、オゾン水に含まれるオゾンによって優れた脱臭、殺菌、防汚等の効果が得られ、便器を清潔、衛生的に保つことができるものである。また、便器洗浄後にオゾン水生成装置で生成されたオゾン水を便器へ供給するための手段として、洗浄タンク内にオゾン水タンクを設け、オゾン水生成装置で生成されたオゾン水をオゾン水タンクへ一旦貯溜しておくようにしている。特に、便器洗浄水と、オゾン水とを別々に貯溜することにより、少ないオゾン水の量であっても十分な便鉢面の脱臭、殺菌、防汚等を行うことが可能とするものである。このように少なくとも洗浄水で便器を洗浄後にオゾン水を流すことで、より少ないオゾン水でオゾンによる脱臭、殺菌、防汚等の効果を得ている。
【特許文献1】特公平7−56151号公報
【特許文献2】特開平11−71797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、オゾン発生器で発生したオゾンを洗浄タンク内の洗浄水へ供給し、オゾン水供給装置からオゾンを放出し、当該オゾンを洗浄水へ溶解させてオゾン水を生成している。このようにしてオゾン水を生成させるには、通常、オゾン水供給装置部には、散気管、多孔質フィルタ、ノズル等を使用している。また、特許文献2では、上記手段以外に、オゾナイザー(オゾン発生器)とアスピレータとで構成されるオゾン生成装置を用いている。そして、発生したオゾンが、アスピレータを流れる洗浄水によって発生した負圧により吸引され、洗浄水の中に溶け込むことでオゾン水を生成している。
【0007】
このように、特許文献1または特許文献2に掲載の技術思想を用いてオゾン水を作成する場合、洗浄水に供給されたオゾンガスが大きな気泡となるため、オゾン水の生成効率が低い。
【0008】
したがって、便器内全体に流すだけのオゾン水を作るためには時間がかかり、連続して洗浄水を流すには不向きとなる。この問題を克服するには、オゾン発生器から高濃度のオゾンガスを発生させ、所定の濃度以上のオゾン水を生成させ、洗浄水へ供給する方法がある。しかし、この方法によれば、気泡が消えて溶解されなかったオゾンが大量に大気中に放出され、周辺のオゾン濃度が高くなる可能性がある。高濃度オゾンは体に有害であることから、トイレ等の狭い空聞での使用には適さなかった。
【0009】
そこで、本発明はこれらの問題点を解消すべく、トイレ等の狭い空間のオゾン濃度を増加させることなく使用できるオゾン水を用いて便器を洗浄する便器洗浄装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の便器洗浄装置は、オゾン発生器と、マイクロバブル化したオゾン含有気泡を発生させる微細気泡発生器で発生させた前記マイクロバブル化したオゾン含有気泡を便器の洗浄水として使用するものである。
【0011】
マイクロバブルと呼ばれる超微細な気泡は、従来の気泡とは異なる性質を持つことが研究で明らかになってきた。例えば、産総研(2004.1.8プレスリリース)では、オゾンを含有するマイクロバブルの利用により、水中の菌を不活性化させることに成功し、マイクロバブルがオゾンの殺菌効果を著しく高めている可能性が高いと考えられている。
【0012】
ここで、上記オゾン発生器とマイクロバブルを発生させる微細気泡発生器は、洗浄水にマイクロバブル化したオゾン含有気泡、好ましくは、略直径50μm以下を発生させる能力を具備しておればよい。なお、ここで略直径50μm以下とは、各種データに基づき発明者等が判断したものであり、直接寸法を測定したものでないから、直径50μmと記載があっても、数割の誤差が介在するものと推定される。また、マイクロバブル化したオゾン含有気泡を収容する白濁化した洗浄水は、そのオゾン含有気泡による気泡率は数パーセント以下であることが発明者等によって確認されている。
【0013】
請求項2の便器洗浄装置は、更に、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器で発生させマイクロバブル化したオゾン含有気泡を収容する洗浄水タンクを具備するものである。
ここで、洗浄水タンクは、オゾン発生器及び微細気泡発生器で発生させマイクロバブル化したオゾン含有気泡を収容するものであり、洗浄水を収容する容積を有しておれば形状を問うものではない。本実施の形態の補助タンクをも含むものである。
【0014】
請求項3の便器洗浄装置は、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器で発生させたマイクロバブル化したオゾン含有気泡は、洗浄水タンク内の洗浄水を循環させるための循環流路を設け、該循環流路にポンプ粉砕方式の微細気泡発生器を挿入し、また、前記微細気泡発生器に前記オゾン発生器を接続して、供給されたオゾンが微細気泡発生器によって微細化するものである。
【0015】
ここで、ポンプ粉砕方式の微細気泡発生器とは、繰り返し気泡を細分化する能力を有しておればよい。
【0016】
請求項4の便器洗浄装置は、更に、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器は、人体検知センサによって人を検知したとき作動するものである。
【0017】
上記人体検知センサは、赤外線センサによる直接人体の体温の検出に限らず、人体が特定箇所のレーザ、光、電磁波等のビームを遮断したり、人体の動きをドップラ検出したり、人体からの反射波を検出する等の検出手段が使用できる。
【0018】
請求項5の便器洗浄装置は、更に、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器は、水洗便所の一連の動作に基づき作動するものである。
【0019】
ここで、水洗便所の動作に基づき作動するとは、トイレのドアの開閉、便蓋及び/または便座の開閉、洗浄水の排水レバー操作等に基づき作動するもの等を意味する。
【0020】
請求項6の便器洗浄装置は、前記水洗便所の動作は、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器が水洗便所の排便状態としたとき作動するものである。
【0021】
ここで、水洗便所の排便状態とは、便蓋及び/または便座の開閉、洗浄水の排水レバー操作等に基づき作動するもの等を意味する。
【0022】
請求項7の便器洗浄装置は、前記水洗便所の動作は、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器が水洗便所の排便前とし、前記マイクロバブル化したオゾン含有気泡を洗浄水として流すものである。
【0023】
ここで、水洗便所の排便前とは、直前のみならず、所定の時間間隔でタイマ動作させるものも含むものである。
【0024】
請求項8の便器洗浄装置は、前記マイクロバブル化は略直径50μm以下としたものである。
【0025】
直径50μm以下のオゾン含有気泡は、オゾンを洗浄水へ完全に溶解させる必要がないから、微細気泡が分散している状態で使用でき、オゾン水の生成に比較して短時間に作成することができる。そのため、便器へ連続して排水させるような、短時間に使用される洗浄水とすることができる。なお、ここで略直径50μm以下とは、前述したように、数割の誤差が介在するものと推定されるものである。
【発明の効果】
【0026】
請求項1にかかる便器洗浄装置は、オゾン発生器と、マイクロバブル化したオゾン含有気泡を発生させる微細気泡発生器で発生させた前記マイクロバブル化したオゾン含有気泡を便器の洗浄水として使用するものである。
【0027】
通常、マイクロバブルはマイナスに帯電しており、水中或いはマイクロバブルが接触した面の菌や有機系物質を吸着する性質がある。また、マイクロバブルは自己加圧効果があるため、低いオゾン濃度として供給されたものであっても、作用時には高圧化された条件でオゾンが作用する。
【0028】
したがって、オゾンを含有したマイクロバブルの帯電作用により、水中或いはマイクロバブルと接触した面の菌や有機系物質を吸着することから、少量のオゾン含有気泡で効率的にオゾンの殺菌、脱臭、漂白、汚れ分解、防汚効果を得ることができる。また、マイクロバブルの自己加圧作用により、高圧化されたオゾンと吸着した物質とが作用するため、低いオゾン濃度でも殺菌、脱臭、漂白、汚れ分解、防汚効果を得ることができる。また、マイクロバブルが弾けたときに発生する超音波により、便器に付着した汚れを剥がす効果も得られる。更に、便鉢へ流れた超微細なオゾン含有気泡は水中での上昇速度が遅いため、暫く水中に存在し、その後、溶解してオゾン水となる。そのため、通常のオゾン水よりもオゾン濃度の減少速度が遅くなり、オゾンによる効果が長く持続する。更にまた、オゾン含有気泡がしばらく水中に存在し続けることから、一度に大量のオゾンが大気中へ放出することがなくなり、トイレのような密閉空間で使用する場合の安全性が向上する。
【0029】
請求項2の便器洗浄装置は、請求項1の効果に加えて、更に、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器で発生させマイクロバブル化したオゾン含有気泡を収容する洗浄水タンクを具備するものである。
【0030】
したがって、マイクロバブル化したオゾン含有気泡は消え難いから、マイクロバブル化したオゾン含有気泡を収容する洗浄水タンクは、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器で発生させマイクロバブル化したオゾン含有気泡を収容することにより、タイムラグのない洗浄水の供給が可能となる。
【0031】
請求項3の便器洗浄装置は、請求項2の効果に加えて、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器で発生させたマイクロバブル化したオゾン含有気泡は、洗浄水タンク内の洗浄水を循環させるための循環流路を設け、該循環流路にポンプ粉砕方式の微細気泡発生器を挿入し、また、前記微細気泡発生器にオゾン発生器を接続して、供給されたオゾンが微細気泡発生器によって微細化するものである。
【0032】
したがって、マイクロバブル化したオゾン含有気泡は消え難く、更に、繰り返しオゾン含有気泡を生成するものであるから、マイクロバブル化したオゾン含有気泡を収容する洗浄水タンクは、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器で発生させマイクロバブル化したオゾン含有気泡を収容することにより、タイムラグのない洗浄水の供給が可能となる。
【0033】
請求項4の便器洗浄装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器は、人体検知センサによって人を検知したとき作動するものである。
【0034】
したがって、人体検知センサによって使用するときが判断されたときのみ、動作させることができるから、無駄なオゾンの使用量がなくなり、トイレ等の狭い空間のオゾン濃度を増加させることなく使用できる。
【0035】
請求項5の便器洗浄装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器が水洗便所の動作に基づき作動するものである。
【0036】
したがって、水洗便所の動作に基づき作動するとは、トイレのドアの開閉、便蓋及び/または便座の開閉、洗浄水の排水レバー操作等に基づき作動するもの等を意味するから、排便の有無にかかわらず、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器を動作させることができるから、応答性がよく、かつ、無駄なオゾンの使用量を抑えて、トイレ等の狭い空間のオゾン濃度を増加させることなく使用できる。
【0037】
請求項6の便器洗浄装置は、請求項5に記載の効果に加えて、前記水洗便所の動作は、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器が水洗便所の排便状態としたとき作動するものであるから、排便にかぎり、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器を動作させることができ、応答性がよく、かつ、無駄なオゾンの使用量を抑えて、トイレ等の狭い空間のオゾン濃度を増加させることなく使用できる。
【0038】
請求項7の便器洗浄装置は、請求項6に記載の効果に加えて、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器は水洗便所の排便前に動作させ、前記マイクロバブル化したオゾン含有気泡を洗浄水として流しプレ洗浄するものであるから、排便前後に便鉢内を洗浄でき、便器をよりきれいにできる。
【0039】
請求項8の便器洗浄装置は、請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の効果に加えて、前記マイクロバブル化は直径50μm以下としたものであるから、直径50μm以下のオゾン含有気泡は、オゾンを洗浄水へ完全に溶解させる必要がなくなり、微細気泡が分散している状態で使用でき、オゾン水の生成に比較して短時間に作成することができる。そのため、便器へ連続して排水させるような、短時間に使用される洗浄水とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
次に、本発明の実施の形態の便器洗浄装置について、図を用いて説明する。なお、本実施の形態2以降において、実施の形態1と同一記号または同一符号は、上記実施の形態1と同一または相当する構成部分を示すものであるから、その詳細な説明を省略し、主に相違点のみ説明する。
【0041】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1の便器洗浄装置を示す構成配置図である。また、図2は本発明の実施の形態1の便器洗浄装置の制御を示すフローチャートである。
【0042】
図に示すように、便器1には、便座2及び便蓋3が取り付けられている。便器1は、洗浄水供給管4を介して洗浄水タンク5に接続されている。この洗浄水タンク5には、自動洗浄弁6が配設されていて、操作レバー7の操作によって自動洗浄弁6が開放され、便器1に洗浄水の供給がなされる。洗浄水の供給は、自動洗浄弁6によって自動的に停止される。この機構は、公知の水洗便所の構成である。
【0043】
オゾン発生器10は、最も普及している無声放電法のほか、紫外線法、化学生成法、電解法等の方法の何れかの方法でオゾンを発生する装置である。無声放電法とは、2つの電極間に交流の高電圧を通電し、その電極間に空気を通過させ放電プラズマ中のイオンの持つエネルギーによって酸素をオゾン化するものである。
【0044】
また、微細気泡発生器11は、水とオゾン含有空気の激しい撹拌によって気泡直径が1〜50μm程度の気泡の発生装置である。この微細気泡発生器11としては、ポンプ粉砕方式、乱流方式、ベンチュリー方式、細孔加圧方式、或いはこれらを組み合わせた方式を用いることができる。特に、本発明を実施する場合には、マイクロバブルを短時聞で大量に発生させることができるポンプ粉砕方式が好ましい。このポンプ粉砕方式とは、カスケードポンプ等で空気(オゾン含有空気)を供給し、高速回転するインペラで気泡を細かく粉砕する手法である。乱流方式とは、水中の気体を水力学的な作用により小さな気泡にせん断する手法である。また、ベンチュリー方式とは、水路に設けた絞り部で発生する負圧により細孔部から空気を吸い込み、水流により細かくする手法である。そして、細孔加圧方式とは、圧縮した空気を細孔から供給して水中に気泡を発生させる手法である。
【0045】
オゾン発生器10は、制御器20の指示によって、外部から空気を吸引し、オゾン含有量を多くした空気を発生し、それをオゾン供給管13を介して、微細気泡発生器11に供給する。微細気泡発生器11では、洗浄水タンク5に接続した入力管14から洗浄水を取り込み、水とオゾン含有空気との激しい撹拌によって気泡直径が1〜50μm程度の白濁した直径50μm以下のマイクロバブル化したオゾン含有気泡を洗浄水として出力管15を介し、洗浄水供給管4に供給する。洗浄水供給管4では、出力管15から供給された気泡直径が1〜50μm程度の白濁した直径50μm以下のマイクロバブル化したオゾン含有気泡を混ぜて、便器1の便鉢内の洗浄に使用する。
【0046】
ここで、洗浄水タンク5に接続する入力管14の位置は、洗浄水の排出状態であっても、常に、洗浄水タンク5から洗浄水の供給を受ける水位位置以下に配設するのが望ましい。また、出力管15は操作レバー7の操作によって開放される自動洗浄弁6の下流側の洗浄水供給管4に接続している。これによって、微細気泡発生器11は、無駄な気泡直径が1〜50μm程度の白濁した直径50μm以下のマイクロバブル化したオゾン含有気泡を生成することがなくなる。
【0047】
人体検知センサ21は、超音波の反射を利用して人物までの距離を計測し、この距離が所定値内にあると人物が便器1に対して使用位置にまで接近していると判断し、また、距離が所定値より大であると人物が便器1に対して使用位置より遠くに離れていると判断するものであり、その出力は制御器20に入力されている。また、便蓋3には開閉を検出する便蓋開閉スイッチ22が配設されている。便蓋開閉スイッチ22の出力も制御器20に入力されている。そして、便座2には人物の着座を検出する圧力スイッチ23が配設されている。
【0048】
本発明の実施の形態1の便器洗浄装置における制御器20では、図2のように制御される。
【0049】
まず、ステップS1で人体検知センサ21の出力をみて、検知出力がないとき、ステップS1で人体検知センサ21の検知出力を待つ。ステップS1で人体検知センサ21の検知出力があると、ステップS2で検知出力から検知物のサイズが所定以上のものであるか判断し、所定以上のものでないと判断したとき、即ち、扉が開放されたが人が入ってこなかったり、扉の敷居の清掃のためにのみ扉が開けられたり、廊下の人の移動が扉の隙間からトイレ室内から検出された場合等の動作を排除すべく、ステップS2で検知出力から検知物のサイズが所定以上のものと判断されない限り、ステップS3に進まない。
【0050】
検知物のサイズが所定以上と判断されたとき、ステップS3で便蓋3の開放を便蓋開閉スイッチ22で判断する。便蓋開閉スイッチ22で開放が判断されると、ステップS4で便座2の圧力スイッチ23の出力をみて、圧力スイッチ23が動作していないとき、排便の可能性がないので、ステップS5に進まない。しかし、圧力スイッチ23が動作すると、便座2に座ったことを意味するから、ステップS5で操作レバー7の動作を待つ。操作レバー7が操作されると、自動洗浄弁6が開放され、便器1に洗浄水の供給が開始される。同時に、ステップS6でオゾン発生器10が、ステップS7で微細気泡発生器11が動作し、洗浄水供給管4は、出力管15から供給された気泡直径が1〜50μm程度の白濁した直径50μm以下のマイクロバブル化したオゾン含有気泡を混ぜて、便器1の便鉢内の洗浄に供給する。この状態は、T秒間継続する。
【0051】
通常、このT秒は、自動洗浄弁6が開放されてから止水されるまでの時間前後に設定され、好ましくは、若干長く設定すると、マイクロバブル化したオゾン含有気泡を便器1の便鉢内に、コーティング膜のように形成することができる。
【0052】
ステップS8でT秒の経過が判断されると、ステップS9でオゾン発生器10及び微細気泡発生器11を停止させ、待機状態とする。
【0053】
なお、ここで、ステップS3、ステップS4及びステップS5は、水洗便所の一連の動作に基づき作動するものである。
【0054】
このように、本発明の実施の形態1の便器洗浄装置は、直径50μm以下のオゾン含有気泡を含む洗浄水を便器1の便鉢内に流すものである。したがって、オゾンを含有したマイクロバブルの帯電作用により、水中、マイクロバブルと接触した面の菌や有機系物質を吸着し、少量のオゾン含有気泡で効率的にオゾンの殺菌、脱臭、漂白、汚れ分解、防汚効果を得ることができる。また、マイクロバブルの自己加圧作用により、高圧化されたオゾンと吸着した物質とが作用するため、低いオゾン濃度でも殺菌、脱臭、漂白、汚れ分解、防汚効果を得ることができる。そして、マイクロバブルが弾けたときに発生する超音波により、便器1の便鉢内に付着した汚れを剥がす効果も得られる。更に、便鉢内へ流れた超微細なオゾン含有気泡は水中での上昇速度が遅いため、しばらく水中に存在し、その後、溶解してオゾン水となる。そのため、通常のオゾン水よりもオゾン濃度の減少速度が遅くなり、オゾンによる効果が長く持続できる。また、オゾン含有気泡がしばらく水中に存在し続けることから、一度に大量のオゾンが大気中へ放出されることがないから、トイレのような密閉空間で使用する場合の安全性が向上する。
【0055】
加えて、本実施の形態で使用する直径50μm以下のオゾン含有気泡は、微細気泡発生器11及びオゾン発生器10によって生成され、微細気泡が分散している状態で使用できる。よって、オゾンを洗浄水に完全に溶解させる必要がないから、オゾン水と比較して短時間に生成することができる。そのため、本実施の形態1のような、便器1へ連続して排水させる場合でも、短時間に洗浄水が必要となる時には効果的である。
【0056】
このように、直径50μm以下のオゾン含有気泡を含む洗浄水で便器1の洗浄を行うことにより、低濃度オゾンの使用でも十分なオゾンの殺菌、脱臭、漂白、汚れ分解、防汚効果が得られルことが発明者等によって確認された。また、洗浄水から一度に大量のオゾンが放出されることもないから、トイレのような密閉空間での使用する場合の安全性が向上する。また、生成方法においても低濃度オゾンで作成ができることから、同様に安全性が向上する。
【0057】
[実施の形態2]
図3は本発明の実施の形態2の便器洗浄装置を示す構成配置図である。
【0058】
実施の形態1と実施の形態2との相違点は、実施の形態1が便器1の使用の際にオゾン発生器10及び微細気泡発生器11を連続動作させ、洗浄中、直径50μm以下のオゾン含有気泡を含む洗浄水を便器1に供給したものである。しかし、実施の形態2は常に、洗浄水タンク5に気泡直径50μm以下のマイクロバブル化したオゾン含有気泡を供給することにより、白濁した洗浄水として保有し、使用の際の応答性を高くしようとするものである。
【0059】
即ち、実施の形態2の便器洗浄装置は、洗浄水タンク5の洗浄水を入力管14から取り込み、水とオゾン含有空気との激しい撹拌によって気泡直径が1〜50μm程度の白濁したマイクロバブル化したオゾン含有気泡が混じった洗浄水を出力管15から洗浄水タンク5に戻している。この動作は、所定の時間間隔でオゾン発生器10及び微細気泡発生器11を動作させることによって、常に、洗浄水タンク5に気泡直径50μm以下のマイクロバブル化したオゾン含有気泡を有する洗浄水を保持することができる。
【0060】
殊に、マイクロバブル化したオゾン含有気泡は、しばらく水中に存在し、その後、溶解してオゾン水となる。そのため、通常のオゾン水よりもオゾン濃度の減少速度が遅くなり、オゾンによる効果が長く持続する。また、オゾン含有気泡が暫く水中に存在し続けることから、一度に大量のオゾンが大気中へ放出することがない。
【0061】
このように、生成した直径50μm以下のオゾン含有気泡を含む洗浄水で便器1の洗浄を行うことにより、低濃度オゾンの使用でも十分なオゾンの殺菌、脱臭、漂白、汚れ分解、防汚効果が得られ、洗浄水から一度に大量のオゾンが放出されることもないから、トイレのような密閉空間で使用する場合の安全性が向上する。また、生成方法においても低濃度オゾンで作成ができることから、同様に安全性が向上する。また、応答性が良いので、便器1が連続して使用される場合にも好適である。
【0062】
[実施の形態3]
図4は本発明の実施の形態3の便器洗浄装置を示す構成配置図である。また、図5は本発明の実施の形態3の便器洗浄装置の制御を示すフローチャートである。
【0063】
実施の形態2と実施の形態3との相違点は、実施の形態2が常に、洗浄水タンク5に気泡直径50μm以下のマイクロバブル化したオゾン含有気泡を供給することにより、白濁した洗浄水として保有し、使用の際の応答性を高くしようとするものであるが、実施の形態3は、マイクロバブル化したオゾン含有気泡が洗浄水の上面で弾けたとき、そのオゾンが大気中に拡散されるのを防止するものである。
【0064】
即ち、本実施の形態3の洗浄水タンク5は、内部に開口を下として7〜8割程度の容積を有する補助タンク5Aを有している。補助タンク5Aの上部には、気体吸気管17の一端が接続され、気体吸気管17の他端はオゾン発生器10の吸気側に接続されている。補助タンク5Aは、気体吸気管17の一端が貫通しているが、相互間は封止されている。循環流路となる入力管14及び出力管15も一端が補助タンク5Aを貫通しているが、これらも補助タンク5Aとの間は補助タンク5Aと封止状態にある。また、補助タンク5Aは洗浄水タンク5内を移動しないように、一方の面に接合されている。
【0065】
なお、他の構成は、実施の形態2と同様である。
【0066】
実施の形態3の便器洗浄装置は、洗浄水タンク5の洗浄水を入力管14から取り込み、水とオゾン含有空気との激しい撹拌によって気泡直径が1〜50μm程度の白濁したマイクロバブル化したオゾン含有気泡が混じった洗浄水を出力管15から洗浄水タンク5に戻している。この動作は、実施の形態2と同様、所定の時間間隔でオゾン発生器10及び微細気泡発生器11を動作させることによって、常に、洗浄水タンク5に気泡直径50μm以下のマイクロバブル化したオゾン含有気泡を有する洗浄水を保持することができる。
【0067】
正確には、出力管15の端部の位置から、洗浄水タンク5内の補助タンク5Aが気泡直径50μm以下のマイクロバブル化したオゾン含有気泡を有する洗浄水を保持することになる。
【0068】
このとき、マイクロバブル化したオゾン含有気泡は水中での上昇速度が遅いため、しばらく水中に存在し、その後、溶解してオゾン水となる。そのため、通常のオゾン水よりもオゾン濃度の減少速度が遅くなり、オゾンによる効果が長く持続する。また、オゾン含有気泡が暫く水中に存在し続けることから、一度に大量のオゾンが大気中へ放出することがない。一部のオゾンが洗浄水表面から放出されても、そのオゾンは補助タンク5A内の上部に止まる。その補助タンク5A内のオゾンは、気体吸気管17を介してオゾン発生器10の導入気体として使用され、再使用されるから、濃度の濃いオゾンをオゾン発生器10の出力とすることができる。
【0069】
即ち、本実施の形態で使用している補助タンク5Aは、オゾンの捕集タンクとして機能する。
【0070】
オゾン発生器10及び微細気泡発生器11が動作中に洗浄水が便器1内に供給されたり、或いは、補助タンク5A内の気体が減少したとき、補助タンク5Aの断面積Xよりも洗浄水タンク5と補助タンク5Aとの間隔の断面積Yの方が8対2程度に形成されているから、洗浄水タンク5と補助タンク5Aとの間隔の洗浄水の水位が下がり、洗浄水タンク5と補助タンク5Aとの間隔側から補助タンク5Aに対して空気を補充することになる。具体的には、補助タンク5Aの左下から空気が供給される。
【0071】
逆に、本実施の形態の便器洗浄装置が3〜4日間使用されないときには、補助タンク5Aの上部の気体空間が体積を大きくする。仮に最大になったときには、補助タンク5Aの左下から気体が排出される。
【0072】
なお、便鉢に対する洗浄については、上記実施の形態1及び実施の形態2と相違するものはない。
【0073】
実施の形態3における制御器20では、図5のように制御される。
【0074】
まず、ステップS11では、オゾン発生器10及び微細気泡発生器11を所定時間毎に駆動するタイミングであるか否かを判断する。設定されたタイミングのt分間隔の時間の経過をみて、指定された時間tになれば、ステップS16でオゾン発生器10を、また、ステップS17で微細気泡発生器11を動作させる。これにより、洗浄水タンク5内、特に、補助タンク5A内は、出力管15から供給された気泡直径が50μm以下のマイクロバブル化したオゾン含有気泡を生成しながら循環する。なお、補助タンク5A内のオゾン等の気体は、気体吸気管17を介してオゾン発生器10の導入気体として使用され、オゾンは再使用されるから、濃度の濃いオゾンをオゾン発生器10の出力とすることができる。
【0075】
通常、オゾン発生器10及び微細気泡発生器11の駆動は、補助タンク5A内のマイクロバブル化したオゾン含有気泡を所定の濃度に維持する時間M分継続され、ステップS18でM分の経過が判断されると、ステップS19でオゾン発生器10及び微細気泡発生器11を停止させ、ステップS20でオゾン発生器10及び微細気泡発生器11を駆動するタイミングのタイマをリセット(t=0)し、かつ、補助タンク5A内のマイクロバブル化したオゾン含有気泡を所定の濃度に維持する時間M分を計測するタイマをリセット(M=0)し、待機状態のステップS11に戻る。
【0076】
ステップS11でオゾン発生器10及び微細気泡発生器11を駆動するタイミングでないと判断したときでも、ステップS12で操作レバー7が操作されると、自動洗浄弁6が開放され、便器1に洗浄水の供給が開始されるからこのときにも、ステップS16乃至ステップS20のオゾン発生器10及び微細気泡発生器11を駆動し、補助タンク5A内のマイクロバブル化したオゾン含有気泡を所定の濃度に維持する動作に入る。
【0077】
ステップS11では、オゾン発生器10及び微細気泡発生器11を駆動するタイミングでないと判断され、かつ、ステップS12で操作レバー7が操作されてないと判断されたとき、ステップS13で人体検知センサ21の出力をみて、検知出力がないとき、ステップS11に戻る。ステップS13で人体検知センサ21の検知出力があると、ステップS14では便蓋3の開放を便蓋開閉スイッチ22で判断する。便蓋開閉スイッチ22で開放が判断されると、ステップS15で便座2の圧力スイッチ23の出力をみて、圧力スイッチ23が動作していないとき、排便の可能性がないので、ステップS11に戻る。しかし、圧力スイッチ23が動作すると、便座2に座ったことを意味するから、ステップS16でオゾン発生器10が、ステップS17で微細気泡発生器11が動作し、洗浄水タンク5の補助タンク5A内は、出力管15から供給された気泡直径が50μm以下のマイクロバブル化したオゾン含有気泡を混ぜて循環する。なお、補助タンク5A内のオゾン等の気体は、気体吸気管17を介してオゾン発生器10の導入気体として使用され、オゾンは再使用されるから、濃度の濃いオゾンをオゾン発生器10の出力とすることができる。この状態は、M分間継続し、その間、洗浄水タンク5の補助タンク5A内は、マイクロバブル化したオゾン含有気泡が混ぜられて循環し、濃度を高くしている。
【0078】
ステップS18でM分の経過が判断されると、ステップS19でオゾン発生器10及び微細気泡発生器11を停止させ、ステップS20でオゾン発生器10及び微細気泡発生器11を駆動するタイミングのタイマをリセット(t=0)し、かつ、補助タンク5A内のマイクロバブル化したオゾン含有気泡を所定の濃度に維持する時間M分を計測するタイマをリセット(M=0)し、待機状態のステップS11に戻る。
【0079】
なお、ここで、ステップS12、ステップS14及びステップS15は、水洗便所の一連の動作に基づき作動するものである。
【0080】
上記実施の形態1乃至実施の形態3において、人体検知センサ21は便座2及び便蓋3の取り付け部材に配設されているが、本発明を実施する場合には、この構成に限定されるものではない。
【0081】
図6は本発明の各実施の形態の便器洗浄装置に置ける人体検知センサ及び扉の開閉を検知するセンサの配置関係を示す説明図である。
【0082】
人体検知センサ21としては、近接スイッチと呼ばれるものが使用でき、赤外線センサによる直接人体の体温の検出、人体からの反射波を検出する等の検出手段が使用できる。
【0083】
レーザ、光、電磁波等のビームの送信器32A,33Aと、その受信器32B,33Bの間に、人体が位置し、レーザ、光、電磁波等のビームを遮断することにより、人の位置を検出できる。図6の送信器32Aと受信器32Bでは、トイレ40に入室した人を検出し、送信器33Aと受信器33Bでは、便座2に着座した人を検出する。また、トイレ40の扉41の開閉をマグネットスイッチ31で検出することもできる。
【0084】
本発明を実施する場合の人体検知センサ21は、赤外線センサによる直接人体の体温の検出に限らず、人体が特定箇所のレーザ、光、電磁波等のビームを遮断したり、人体の動きを超音波またはマイクロ波等でドップラ検出したり、人体からの反射波を検出する等の検出手段が使用できる。
【0085】
このように、上記実施の形態の便器洗浄装置は、オゾン発生器10と、マイクロバブル化したオゾン含有気泡を発生させる微細気泡発生器11で発生させたマイクロバブル化したオゾン含有気泡を便器1の洗浄水として使用するものである。
【0086】
一般に、マイクロバブルはマイナスに帯電しており、水中或いはマイクロバブルが接触した面の菌や有機系物質を吸着する性質がある。また、マイクロバブルは自己加圧効果があるため、低いオゾン濃度として供給されたものであっても、作用時には高圧化された条件でオゾンが作用する。
【0087】
したがって、オゾンを含有したマイクロバブルの帯電作用により、水中或いはマイクロバブルと接触した面の菌や有機系物質を吸着することから、少量のオゾン含有気泡で効率的にオゾンの殺菌、脱臭、漂白、汚れ分解、防汚効果を得ることができる。また、マイクロバブルの自己加圧作用により、高圧化されたオゾンと吸着した物質とが作用するため、低いオゾン濃度でも殺菌、脱臭、漂白、汚れ分解、防汚効果を得ることができる。
【0088】
また、マイクロバブルが弾けたときに発生する超音波により、便器に付着した汚れを剥がす効果も得られる。更に、便鉢へ流れた超微細なオゾン含有気泡は水中での上昇速度が遅いため、しばらく水中に存在し、その後、溶解してオゾン水となる。そのため、通常のオゾン水よりもオゾン濃度の減少速度が遅くなり、オゾンによる効果が長く持続する。更にまた、オゾン含有気泡がしばらく水中に存在し続けることから、一度に大量のオゾンが大気中へ放出することがなくなり、トイレのような密閉空間で使用する場合の安全性が向上する。仮に、オゾンが大気中へ放出されても、オゾン分子は結合力が不安定なため、短時間で酸素に戻ることになる。よって、二次的にトイレ40の室内の空気汚染を引き起こすことがないから環境にやさしい技術である。例えば、トイレ40の室内は、8時間連続して吸気する場合の労働環境基準値0.1ppm以下の濃度を維持できる。
【0089】
更に、オゾン発生器10及び微細気泡発生器11で発生させマイクロバブル化したオゾン含有気泡を収容する洗浄水タンク5を具備するものでは、洗浄水タンク5内でマイクロバブル化したオゾン含有気泡は消え難いから、マイクロバブル化したオゾン含有気泡を収容する洗浄水タンク5は、オゾン発生器10及び微細気泡発生器11で発生させマイクロバブル化したオゾン含有気泡を収容することにより、タイムラグのない洗浄水の供給が可能となる。
【0090】
なお、マイクロバブル化したオゾン含有気泡を収容する白濁化した洗浄水は、そのオゾン含有気泡による気泡率は数パーセント以下であることが発明者等によって確認されている。
【0091】
殊に、実施の形態2及び実施の形態3のように、オゾン発生器10及び微細気泡発生器11で発生させたマイクロバブル化したオゾン含有気泡は、洗浄水タンク5内の洗浄水を循環させるための入力管14、出力管15からなる循環流路を設け、該循環流路にポンプ粉砕方式の微細気泡発生器11を挿入し、また、微細気泡発生器11にオゾン発生器10を接続して、供給されたオゾンが微細気泡発生器11によって微細化するものである。したがって、マイクロバブル化したオゾン含有気泡は消え難く、更に、繰り返しオゾン含有気泡を生成するものであるから、マイクロバブル化したオゾン含有気泡を収容する洗浄水タンク5は、オゾン発生器10及び微細気泡発生器11で発生させマイクロバブル化したオゾン含有気泡を収容することにより、タイムラグのない洗浄水の供給が可能となる。
【0092】
実施の形態2及び実施の形態3の便器洗浄装置は、オゾン発生器10及び微細気泡発生器11が水洗便所の一連の排便の動作に基づき作動するものである。ここで、水洗便所の動作に基づく作動とは、トイレ40の扉41の開閉、便蓋3及び/または便座2の開閉、洗浄水の排水レバー7の操作等に基づき作動するもの等を意味するから、排便の有無にかかわらず、オゾン発生器10及び微細気泡発生器11を動作させることができ、応答性がよく、かつ、無駄なオゾンの使用量を抑えて、トイレ40等の狭い空間のオゾン濃度を増加させることなく使用できる。
【0093】
特に、水洗便所の動作は、オゾン発生器10及び微細気泡発生器11が水洗便所の排便状態としたとき作動するものであるから、排便に限り、オゾン発生器10及び微細気泡発生器11を動作させることができ、応答性がよく、かつ、無駄なオゾンの使用量を抑えて、トイレ40等の狭い空間のオゾン濃度を増加させることなく使用できる。
【0094】
そして、実施の形態1乃至実施の形態3では説明していないが、オゾン発生器10及び微細気泡発生器11を水洗便所の排便前に動作させ、マイクロバブル化したオゾン含有気泡を洗浄水として流し、プレ洗浄するようにすると、排便前後に便鉢内を洗浄でき、便器をよりきれいにできる。
【0095】
上記実施の形態では、マイクロバブル化は直径50μm以下としたものであるから、直径50μm以下のオゾン含有気泡は、オゾンを洗浄水へ完全に溶解させる必要がなくなり、微細気泡が分散している状態で使用でき、オゾン水の生成に比較して短時間に作成することができる。そのため、便器へ連続して排水させるような、短時間に使用される洗浄水とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明の各実施の形態の便器洗浄装置の構成は、台所、洗面所等の水周りにも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】図1は本発明の実施の形態1の便器洗浄装置を示す構成配置図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1の便器洗浄装置の制御を示すフローチャートである 。
【図3】図3は本発明の実施の形態2の便器洗浄装置を示す構成配置図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態3の便器洗浄装置を示す構成配置図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態3の便器洗浄装置の制御を示すフローチャートで ある。
【図6】図6は本発明の各実施の形態の便器洗浄装置に置ける人体検知センサ及び扉の開閉を検知するセンサの配置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
【0098】
1 便器
5 洗浄水タンク
5A 補助タンク
7 操作レバー
10 オゾン発生器
11 微細気泡発生器
14 入力管(循環流路)
15 出力管(循環流路)
20 制御器
21 人体検知センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾン発生器と、
マイクロバブル化したオゾン含有気泡を発生させる微細気泡発生器と、
前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器で発生させた前記マイクロバブル化したオゾン含有気泡を洗浄水として使用する便器と
を具備することを特徴とする便器洗浄装置。
【請求項2】
更に、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器で発生させたマイクロバブル化したオゾン含有気泡を収容する洗浄水タンクを具備することを特徴とした請求項1に記載の便器洗浄装置。
【請求項3】
前記オゾン発生器及び微細気泡発生器で発生させたマイクロバブル化したオゾン含有気泡は、洗浄水タンク内の洗浄水を循環させるための循環流路を設け、該循環流路にポンプ粉砕方式の微細気泡発生器を挿入し、また、前記微細気泡発生器に前記オゾン発生器を接続して、前記オゾン発生器から供給されたオゾンが洗浄水と共に前記微細気泡発生器によって繰り返し微細化されることを特徴とする請求項2に記載の便器洗浄装置。
【請求項4】
更に、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器は、人体検知センサによって人を検知したとき作動することを特徴とした請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の便器洗浄装置。
【請求項5】
更に、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器は、水洗便所の一連の動作に基づき作動することを特徴とした請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の便器洗浄装置。
【請求項6】
前記水洗便所の動作は、前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器が水洗便所の排便状態としたとき作動することを特徴とした請求項5に記載の便器洗浄装置。
【請求項7】
前記オゾン発生器及び前記微細気泡発生器の動作を水洗便所の排便前とし、前記排便前に前記マイクロバブル化したオゾン含有気泡を洗浄水として流すことを特徴とした請求項6に記載の便器洗浄装置。
【請求項8】
前記マイクロバブル化した気泡は、直径略50μm以下としたことを特徴とした請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の便器洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−249661(P2006−249661A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−63258(P2005−63258)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】