説明

便器装置

【課題】本発明は、便器装置を便器本体とスカート材から構成することにより、便器装置を設置した後においても外観意匠を容易に変更することができる便器装置を提供せんとするもので、トイレ室内を便器装置の外観意匠により変化させようとするものである。
【解決手段】両外側部に係止段部を形成して便器本体を構成し、他方、横断面U字状で両端部には各々係合部を形成し弾性により挟着自在としてスカート材を構成し、便器本体前面をスカート材で被覆し便器本体の両外側部の係止段部にスカート材の係合部を係合し弾性により着脱自在に取り付けてなる便器装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器装置を便器本体とスカート材で構成することにより、季節に応じて或いは雰囲気に応じて外観を変化させることができる便器装置に関するものである。さらに詳しく述べると、便器装置は床面に固定されるもので取り替えは容易に行うことができないものであるが、便器装置を便器本体とスカート材で構成しスカート材を弾性により脱着自在に取り付けることにより、スカート材を容易に取り替え、外観を変更することができる便器装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、便器本体と他の部材とで構成する便器装置は知られている。この従来の便器装置は、リム部材、ボール部材、スカート部材で構成され、スカート部材内にボール部材が収納されると共にボール部材の上端縁部にリム部材が装着されてなるものである。この便器装置は品質的に陶磁器質で製造する必要がある部分とそうでない部分を別個の材料で製造し、品質、コストを満足した便器装置を製造せんとするものである。具体的には特許文献1に示されるものである。
【特許文献1】特開平10−037279号公報(請求項1)、(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の便器装置では、異なった材質(例えば、陶磁器質、合成樹脂等)で形成された部材は便器装置が設置された後においては部材を取り外したり、取り替えたりすることができないもので、あくまでも製造、品質或いはコスト面から適切な材質を選択したものである。しかし、外観意匠面から考えた場合、便器装置はトイレ内で大きな比重を占めるもので、季節により或いは壁材の色により変更する要望が生じるものである。本発明はこの要望を満足するもので、便器装置を便器本体とスカート材から構成することにより、便器装置を設置した後においても外観意匠を容易に変更することができる便器装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明に係る便器装置は、両外側部に係止段部を形成して便器本体を構成し、他方、横断面U字状で両端部には各々係合部を形成し弾性により挟着自在としてスカート材を構成し、便器本体前面をスカート材で被覆し便器本体の両外側部の係止段部にスカート材の係合部を係合し弾性により着脱自在に取り付けてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載の便器装置は、便器本体前面をスカート材で被覆し便器本体の両外側部の係止段部にスカート材の係合部を係合し弾性により着脱自在に取り付けてなるために、便器本体を設置した後に便器本体前面をスカート材で着脱自在に被覆することができ、外観意匠を容易に変更することができるものである。請求項2に記載の便器装置は、請求項1に記載の便器装置の効果に加え、スカート材表面下方床接触部と便器本体前面下方床接触部との間に間隙を形成しているために便器本体前面下方床接触部に汚水が侵入し難く悪臭の発生を防止するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して、詳細に説明する。図1は本発明の便器装置を示す分解斜視図であり、図2は図1に示す便器装置の斜視図であり、図3は図2におけるX−Xに沿った断面図である。図1及び図2において、1は便器本体、2はスカート材である。便器本体1は、例えば陶磁器質や合成樹脂で形成されるもので、便器としての機能を果たすものであり、必ずしも便器本体1が一体である必要がないものである。つまり、便器本体1が基台部と便器部の二部品で構成され、基台部に便器部が支持された状態でも良いものである。
【0007】
この便器本体1の両外側部には係止段部3、3が形成されている。係止段部3、3は図面では上下に連続した凹段部として示されているがこの形状に限定されるものではない。4は嵌合凹溝である。スカート材2は横断面U字状に形成されており、その両端部には係合部5が形成され、裏面中央部には凸条部6が形成されている。このスカート材2はアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等で形成され、弾性により挟着自在で便器本体1に着脱自在に取り付けされるものである。
【0008】
即ち、便器本体1へのスカート材2の取り付けは便器本体1前面よりスカート材2の弾性を利用してスカート材2を拡開させつつ便器本体1前面に嵌合し、便器本体1の係止段部3にスカート材2の係合部5を係合する。この時、図2に示す如く、スカート材2の凸条部6が便器本体1の嵌合凹溝4に嵌合し、スカート材2が外力により位置ずれしないものである。
【0009】
図3は、スカート材2の表面下方床接触部7と便器本体1の前面下方床接触部8との間に空隙9が形成されている状態を示すものである。10は床面である。便器装置の前面や前方の床面10は飛散した小便、洗浄水等により濡れるものであるが、この便器装置ではスカート材2の表面下方床接触部7部分で阻止され、便器本体1の前面下方床接触部8に侵入する恐れが少なく清掃が容易である。即ち、便器本体1は床面10に固定されるために容易に動かすことができないがスカート材2は脱着自在に便器本体1に取り付けられており容易にはずすことができ、床面10の清掃が容易に行えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明にかかる便器装置の分解斜視図。
【図2】図1に示す実施例の便器装置の斜視図。
【図3】図2に示す実施例のX−X線に沿った断面図。
【符号の説明】
【0011】
1 便器本体
2 スカート材
3 係止段部
4 嵌合凹溝
5 係合部
6 凸条部
7 表面下方床接触部
8 前面下方床接触部
9 空隙
10 床面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両外側部に係止段部を形成して便器本体を構成し、他方、横断面U字状で両端部には各々係合部を形成し弾性により挟着自在としてスカート材を構成し、便器本体前面をスカート材で被覆し便器本体の両外側部の係止段部にスカート材の係合部を係合し弾性により着脱自在に取り付けてなる便器装置。
【請求項2】
便器本体前面下方床接触部とスカート材裏面下方床接触部との間に空隙を設けて便器本体にスカート材を取り付けてなる請求項1における便器装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−191948(P2007−191948A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−12005(P2006−12005)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】