説明

保健指導支援システム及びプログラム

【課題】 指導の途中に於いて、全体の流れの中での現在の状況を容易に把握できる保健指導支援システムを提供する。
【解決手段】 保健指導の態様を複数個の項目の組合せとして規定する指導態様規定手段と、支援計画保持手段と、実施データ保持手段と、保健指導の態様を示す支援種類・形態の各々に関し、時系列確認画面での表示態様と指導日確認画面での表示態様とを規定する表示態様規定手段と、時系列確認画面の表示が指令されると実施データ保持手段に保持されている各データを読み出して日付毎にまとめ且つ日付順に配列して各日付に対応付けられている支援種類・形態の時系列確認画面での表示態様に従って表示し、指導日確認画面の表示が指令されると実施データ保持手段に保持されている各データを読み出して当該の日付に対応付けられている支援種類・形態の指導日確認画面での表示態様に従って表示する確認表示制御手段と、を有する保健指導支援システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保健指導の実施状況を時系列確認画面と指導日確認画面という2種類の確認画面に表示する機能を備えた保健指導支援システムと、コンピュータを前記保健指導支援システムとして機能させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
生活習慣病等の疾病を予防して全体的な医療費を低減するため、健康保険の個々の被保険者に対し、面接を行って目標を設定し、腹囲や体重や血圧の測定、生活習慣の改善のための指導等を継続して行う、いわゆる「保健指導」が行われている。
かかる保健指導では、目標を所定期間内に達成できるように、個々の被保険者の実情等に即して指導計画を立案し、該立案した計画に沿って指導を行う。
このような指導を支援するためのコンピュータシステムが、種々、提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
保健指導支援システムとしては、例えば、特開2006−235939号公報(特許文献1)に記載されたシステムを挙げることができる。この特許文献1のシステムは、業務計画の立案に於いて、健康指導の業務内容や、指導員及び利用者の意向を十分に反映させるようにすることを企図するものである。
【特許文献1】特開2006−235939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
保健指導では、最初に面接を行って個々の被保険者の実情等を考慮して指導計画を立案し、該立案した計画に沿って継続的に指導を行う。このため、指導の途中に於いて、全体の流れの中に於ける現在の状況(各指導要素の達成状況等)を確認し、必要に応じて、適宜、指導を微修正等できるようにすることが望まれる。
【0005】
本発明は上記要望に鑑みたものであり、指導の途中に於いて、現在の状況を容易に把握できる保健指導支援システムを提供すること、さらには、全体の流れの中での現在の状況を容易に把握できる保健指導支援システムを提供することを目的とする。
また、現在までの状況を容易に把握できるとともに、さらに、今後行うべき指導の概要を容易に把握できる保健指導支援システムを提供することを目的とする。
また、現在までに未達成の指導を容易に把握できるようにして、今後の指導に於ける補足を容易に行うことができる保健指導システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の構成を、下記[1]〜[5]に記す。
[1]構成1
保健指導の態様を示す各支援種類・形態(=指導態様)を、それぞれ、保健指導の内容を規定する種々の項目から選ばれた複数個の項目の組合せとして規定する指導態様規定手段と、
保健指導を実施する予定の日付(予定日)と、各予定日に実施するべき支援種類・形態と、各予定日での保健指導の実施スケール(実施時間/実施回数)を規定する予定スケール情報(実施予定時間/実施予定回数)と、予定スケール情報に応じて決まる各予定日の予定ポイント情報とを対応付けて成る支援計画を、所定の記憶装置にて指導対象者毎に保持する支援計画保持手段と、
何れかの支援種類・形態での保健指導の実施に基づいて得られた各項目のデータを、当該の支援種類・形態と実施した日付と当該の実施に係る指導対象者とに対応付けて、所定の記憶装置にて保持する実施データ保持手段と、
保健指導の態様を示す支援種類・形態の各々に関し、それぞれ、時系列確認画面での表示態様と指導日確認画面での表示態様とを規定する表示態様規定手段と、
指導対象者が指定された状態で時系列確認画面の表示が指令されると当該の指導対象者に対応付けて前記実施データ保持手段に保持されている各データを読み出して日付毎にまとめ且つ日付順に配列して各日付に対応付けられている支援種類・形態の時系列確認画面での表示態様に従って所定の表示装置に表示し、日付と指導対象者が指定された状態で指導日確認画面の表示が指令されると当該の日付と当該の指導対象者とに対応付けて前記実施データ保持手段に保持されている各データを読み出して当該の日付に対応付けられている支援種類・形態の指導日確認画面での表示態様に従って所定の表示装置に表示する確認表示制御手段と、
を有することを特徴とする保健指導支援システム。
【0007】
支援種類・形態としては、例えば、初回面接・個別支援,積極的関与・個別支援A(中間評価・個別支援A),励まし・個別支援B,6カ月後評価・個別支援A,初回面接・グループ支援,積極的関与・グループ支援(中間評価・グループ支援),6カ月後評価・グループ支援,積極的関与・電話支援A(中間評価・電話支援A),励まし・電話支援B,6カ月後評価・電話支援A,積極的関与・電子メール支援A/手紙支援A/ファックス支援A(中間評価・電子メール支援A/手紙支援A/ファックス支援A),励まし・電子メール支援B/手紙支援B/ファックス支援B,6カ月後評価・電子メール支援A/手紙支援A/ファックス支援A、を挙げることができる。
保健指導の内容を規定する項目としては、例えば、実施情報(具体例:実施年月日,設備,指導開始時刻,指導終了時刻,指導所要時間,実施回数,送付,受領,支援ポイント),計測値(具体例:腹囲,体重,拡張期血圧,収縮期血圧),行動変容ステージ,生活習慣の改善(具体例:栄養・食生活,身体活動,喫煙),指導実施(具体例:食事指導,運動指導,喫煙指導,その他指導),保健指導実績内容(具体例:生活習慣と健診結果の関係について,標準的な食事量・運動量の目安の提示,生活習慣の振り返り,行動目標及び計画の策定),最終確認(具体例:電話回数,その他回数,保健指導総合評価,Eメール/手紙/ファックス回数),指導者情報(具体例:指導機関,主指導者,副指導者,副指導者,指導詳細)、を挙げることができる。
日付順の配列は、日付の新しいものを先に示す降順でもよく、日付の古いものを先に示す昇順でもよい。また、これらをユーザ入力で切り換え可能としてもよい。
【0008】
[2]構成2
構成1に於いて、
前記表示態様規定手段は、支援種類・形態及び項目に応じて、時系列確認画面と指導日確認画面に於ける各項目の表示/非表示を決める、
ことを特徴とする保健指導システム。
例えば、積極的関与・個別支援Aに於いて、指導日確認画面では指導開始時刻・指導終了時刻・これら両時刻から求めた指導所要時間(各項目値)をそれぞれの項目名とともに表示し、時系列確認願では指導所要時間(項目値)のみを表示する、というように、表示/非表示を決めることができる。
或いは、励まし・電子メール支援B/手紙支援B/ファックス支援Bに於いて、指導日確認画面では送付・受領・回数(各項目値)をそれぞれの項目名とともに表示し、時系列確認画面では回数(項目値)のみを項目名とともに表示する、というように、表示/非表示を決めることができる。
これらは例示であり、上記以外の項目についても、当該の項目の性質等に基づいて、適宜、表示/非表示を決めるようにしてよい。
【0009】
[3]構成3
構成1又は構成2に於いて、
保健指導の実施に基づいて得られた実施スケールを示す実施情報(指導所要時間/実施回数)の項目値と、前記支援計画保持手段が当該実施の日付と同じ日付に対応付けて持つ予定スケール情報(指導予定所要時間/予定回数)との比較結果に基づいて、当該実施にかかる取得ポイントを求めて、前記実施データ保持手段に保持させるポイント演算手段を更に有し、
前記表示態様規定手段は、予定ポイント情報と該予定ポイント情報に対応する取得ポイント情報とを同時視認可能な態様で時系列確認画面の当該日付の欄内に表示する、
ことを特徴とする保健指導支援システム。
面接又は電話で行う保健指導では、その所要時間(=実施スケールを示す実施情報の項目値)と支援形態(個別支援A/個別支援B/グループ支援/電話支援)に基づいてポイントが算出される。また、電子メール/手紙/ファックス(以下「電子メール等」)で行う保健指導では、その1往復(=実施スケールを示す実施情報の項目値;1往復とは当該の支援が完了したと指導実施者が判断するまでの指導実施者と指導対象者との間のやりとり全体をいう。)と支援形態(電子メール等支援A/電子メール等支援B)に基づいてポイントが算出される。構成3では、これらと、予定ポイントとを、時系列確認画面に於いて、同時視認可能な態様で表示(例:並べて表示)する。
なお、現実に取得したポイントが予定ポイントより少ない場合には、その補足を未来に於いて行う予定を容易に立案できるように(=容易に支援計画を修正できるように)、当該ポイント不足の保健指導と同一の支援種類・形態に関する予定日の入力を促すように構成してもよい。例えば、当該ポイントが不足した保健指導と同一の項目を持ち且つ未来の日付を入力可能とした欄を、当該ポイントが不足した保健指導の次欄として表示して、日付入力を促すように構成してもよい(図4(c)参照)。その際、さらに、当該欄の予定ポイントが不足分に相当するポイントとなるように、当該欄の指導所要時間として、当該不足ポイントに相当する時間等を仮に表示するように構成してもよい。例えば、取得ポイントが予定ポイントより20ポイント不足しており、20ポイントに相当する当該支援種類・形態での指導所要時間が30分であれば、当該欄の指導所要時間の初期値(目安)として30分を表示するように構成してもよい。
また、構成3は予定ポイントと現実に取得したポイントを比較できるようにする例であるが、他に、例えば、腹囲や体重を目標値と比較して表示したり、それらの許容範囲を予め設定しておき、目標値の許容範囲から外れている場合に目立つ表示(例:赤色等ようにの通常と異なる色での表示や点滅表示等)を行うように構成してもよい。
【0010】
[4]構成4
構成1〜構成3の何れかに於いて、
前記確認表示制御手段は、指導対象者が指定された状態で時系列確認画面の表示が指令されると当該の指導対象者に対応付けて前記実施データ保持手段に保持されている各データを読み出すとともに、当該の指導対象者に対応付けて前記支援計画保持手段に保持されているが前記実施データ保持手段に保持されていない各日付と該各日付にそれぞれ対応付けられている各支援種類・形態を規定する項目を読み出し、それら読み出したデータを日付毎にまとめ且つ日付順に配列して、各日付に対応付けられている支援種類・形態の時系列確認画面での表示態様に従って所定の表示装置に表示する、
ことを特徴とする保健指導支援システム。
上記に於いて、支援計画保持手段には保持されているが、実施データ保持手段には保持されていない日付とは、保健指導が予定されているが未だ到来していないため実施されていない未来の日付、又は、保健指導が予定されていたが何らかの事情により実施されなかった過去の日付である。このように、構成4では、現実には実施されていない(又は、現実には実施されなかった)保健指導についても時系列画面に表示する。このため、支援計画全体の流れの中で、実施済みの保健指導を容易に確認できるとともに、今後実施すべき保健指導や、今後補足すべき保健指導を、直感的に把握することが容易となる。
なお、実施済みの保健指導の欄を通常表示とし、未実施(何らかの事情により実施されなかった過去の日付/今後実施すべき未来の日付)の保健指導の欄を例えばグレー表示とするというように、両者の表示態様を差別化してもよい。
また、現実には実施されなかった保健指導が有る場合、その補足を未来に於いて行う予定を容易に立案できるように、当該実施されなかった保健指導と同一の支援種類・形態に関する予定日の入力を促すように構成してもよい。例えば、当該実施されなかった保健指導と同一の項目を持ち且つ未来の日付を入力可能とした欄を、当該実施されなかった保健指導の欄の次欄として表示して、日付入力を促すように構成してもよい。
また、構成2の思想に「支援計画保持手段の未来の日付」に関する事項組み入れて、前記表示態様規定手段を、「支援種類・形態及び項目及びデータ取得元(支援計画テーブル/実施データテーブル)に応じて、時系列確認画面と指導日確認画面に於ける各項目の表示/非表示を決める」ように構成してもよい。
【0011】
[5]構成5
コンピュータを、構成1〜構成4の何れかの保健指導支援システムとして機能させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0012】
構成1の保健指導システムは、保健指導の態様を示す各支援種類・形態を、それぞれ、保健指導の内容を規定する種々の項目から選ばれた複数個の項目の組合せとして規定する指導態様規定手段と、保健指導を実施する予定の日付と、各予定日に実施するべき支援種類・形態と、各予定日での保健指導の実施スケールを規定する予定スケール情報と、予定スケール情報に応じて決まる各予定日の予定ポイント情報とを対応付けて成る支援計画を、所定の記憶装置にて指導対象者毎に保持する支援計画保持手段と、何れかの支援種類・形態での保健指導の実施に基づいて得られた各項目のデータを、当該の支援種類・形態と実施した日付と当該の実施に係る指導対象者とに対応付けて、所定の記憶装置にて保持する実施データ保持手段と、保健指導の態様を示す支援種類・形態の各々に関し、それぞれ、時系列確認画面での表示態様と指導日確認画面での表示態様とを規定する表示態様規定手段と、指導対象者が指定された状態で時系列確認画面の表示が指令されると当該の指導対象者に対応付けて前記実施データ保持手段に保持されている各データを読み出して日付毎にまとめ且つ日付順に配列して各日付に対応付けられている支援種類・形態の時系列確認画面での表示態様に従って所定の表示装置に表示し、日付と指導対象者が指定された状態で指導日確認画面の表示が指令されると当該の日付と当該の指導対象者とに対応付けて前記実施データ保持手段に保持されている各データを読み出して当該の日付に対応付けられている支援種類・形態の指導日確認画面での表示態様に従って所定の表示装置に表示する確認表示制御手段とを有するため、指導の途中に於いても、時系列確認画面から、全体の流れの中での現在の状況を容易に把握することができる。
【0013】
構成2の保健指導支援システムは、構成1に於いて、前記表示態様規定手段は、支援種類・形態及び項目に応じて、時系列確認画面と指導日確認画面に於ける各項目の表示/非表示を決めるものであるため、全体の流れを考慮して時系列確認画面での表示を適切に簡素化等することができ、指導の途中に於いても、時系列確認画面から全体の流れの中での現在の状況を更に容易に把握することができる。
構成3の保健指導支援システムは、構成1又は構成2に於いて、保健指導の実施に基づいて得られた実施スケールを示す実施情報の項目値と、前記支援計画保持手段が当該実施の日付と同じ日付に対応付けて持つ予定スケール情報との比較結果に基づいて、当該実施にかかる取得ポイントを求めて、前記実施データ保持手段に保持させるポイント演算手段を更に有し、前記表示態様規定手段は、予定ポイント情報と該予定ポイント情報に対応する取得ポイント情報とを同時視認可能な態様で時系列確認画面の当該日付の欄内に表示するものであるため、現在までの状況を容易に把握できるとともに、今後行うべき指導の概要を容易に把握することができ、さらに、現在までに未達成の保健指導を容易に把握できるため、今後の保健指導に於ける補足を容易に行うことができる
構成4の保健指導支援システムは、構成1〜構成3の何れかに於いて、前記確認表示制御手段は、指導対象者が指定された状態で時系列確認画面の表示が指令されると当該の指導対象者に対応付けて前記実施データ保持手段に保持されている各データを読み出すとともに、当該の指導対象者に対応付けて前記支援計画保持手段に保持されているが前記実施データ保持手段に保持されていない各日付と該各日付にそれぞれ対応付けられている各支援種類・形態を規定する項目を読み出し、それら読み出したデータを日付毎にまとめ且つ日付順に配列して、各日付に対応付けられている支援種類・形態の時系列確認画面での表示態様に従って所定の表示装置に表示するものであるため、現在までの状況を容易に把握できるとともに、さらに、今後行うべき指導の概要を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態の保健指導支援システムの構成を示すブロック図。
【図2】実施の形態の保健指導支援システムでの確認画面表示処理を示すフローチャート。
【図3】時系列確認画面と指導日確認画面を例示する説明図。
【図4】或る日のデータを、時系列確認画面(a)と指導日確認画面(b)に表示する様子を例示する説明図。(c)は所要時間が計画より不足したためにポイント不足となった場合を例示する説明図。
【図5】指導態様(支援種類・形態)規定データを例示する説明図。
【図6】(a)は支援計画データテーブル、(b)は実施データテーブルを例示する説明図。
【図7】指導態様別且つ項目別に時系列確認画面と指導日確認画面での項目名や項目値の表示/非表示を制御するデータを例示する説明図。
【図8】時系列確認画面を例示する説明図。
【図9】指導日確認画面を例示する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、本保健指導支援システムは、CPU等を備えた制御装置10、ハードディスク等で構成され得る記憶装置11、ROM12、RAM13、液晶モニタ等で構成され得る表示装置15、キーボードやマウス(ポインティングディバイス)等で構成され得る入力装置16、を有するコンピュータ装置上で実現される。図示の例では、記憶装置11は制御装置10に接続されているが、これは一例であり、LAN等のネットワークを介して、適宜、必要なデータを取り込むように構成して良いことは勿論である。
【0016】
記憶装置11には、本保健指導支援システムを実現するためのプログラムやデータが格納されており、適時に読み出されて処理に供される。
【0017】
指導態様規定データは、保健指導の態様を示す各支援種類・形態を、それぞれ、保健指導の内容を規定する種々の項目から選ばれた複数個の項目の組合せとして規定するデータである。指導態様規定データの一例を、図5に示す。
支援種類・形態としては、例えば、初回面接・個別支援,積極的関与・個別支援A,励まし・個別支援B,中間評価・個別支援A,6カ月後評価・個別支援A,初回面接・グループ支援,積極的関与・グループ支援,中間評価・グループ支援,6カ月後評価・グループ支援,積極的関与・電話支援A,中間評価・電話支援A,励まし・電話支援B,6カ月後評価・電話支援A,積極的関与・電子メール支援A/手紙支援A/ファックス支援A,中間評価・電子メール支援A/手紙支援A/ファックス支援A,励まし・電子メール支援B/手紙支援B/ファックス支援B,6カ月後評価・電子メール支援A/手紙支援A/ファックス支援A、を挙げることができる。
保健指導の内容を規定する項目としては、例えば、実施年月日,設備,指導開始時刻,指導終了時刻,指導所要時間,実施回数,送付,受領,支援ポイント等の実施情報、腹囲,体重,拡張期血圧,収縮期血圧等の計測値、行動変容ステージ、栄養・食生活,身体活動,喫煙等の生活習慣の改善、食事指導,運動指導,喫煙指導,その他指導等の指導実施、生活習慣と健診結果の関係について,標準的な食事量・運動量の目安の提示,生活習慣の振り返り,行動目標及び計画の策定等の保健指導実績内容、電話回数,その他回数,保健指導総合評価,Eメール/手紙/ファックス回数等の最終確認、指導機関,主指導者,副指導者,副指導者,指導詳細等の指導者情報、を挙げることができる。
【0018】
支援計画テーブルは、保健指導の実施予定日の日付と、各予定日に実施するべき支援種類・形態(指導態様)と、各予定日での保健指導の実施スケール(所要時間/回数)を規定する予定スケール情報と、指導態様と予定スケール情報とに応じて決まる各予定日の予定ポイント情報と、指導対象者と、を対応付けて成るテーブルであり、指導開始前に作成される。支援計画テーブルの一例を図6(a)に示す。支援計画テーブルは、単独のテーブルで構成してもよく、キーを用いて複数のテーブルの連携で構成しても良い。
【0019】
実施データテーブルは、保健指導の実施に基づいて得られた各項目のデータを、当該の実施にかかる支援種類・形態(指導態様)と、実施した日付と、当該の実施に係る指導対象者と、に対応付けて保持するテーブルである。項目は、前述のように、当該の実施に係る支援種類・形態(指導態様)に応じて決まる(図5参照)。実施データテーブルのレコードは、指導の実施毎に追加される。実施データテーブルの一例を図6(b)に示す。
【0020】
表示態様制御データは、時系列確認画面の表示態様と指導日確認画面の表示態様を、支援種類・形態(指導態様)と、項目と、さらには、データの取得元(支援計画テーブル/実施データテーブル)と、に応じて決めるデータである。
時系列確認画面の表示態様は、複数の指導日の各表示枠を一画面内に時系列に並べて表示する必要上、各指導日の表示枠内には、当該の支援種類・形態(指導態様)での内容を把握する上で必要最小限のデータのみを表示するように決められる。例えば、同じ項目のデータであっても、或る支援種類・形態(指導態様イ)では比較的重要であるが、別の或る支援種類・形態(指導態様ロ)では比較的重要性が低い場合、指導態様イでは詳細に表示し、指導態様ロでは簡略表示又は非表示とするように制御され得る。
別の切り口で言えば、当該の指導対象者に関する保健指導全体の流れや達成度合いを容易に把握できる必要最小限の表示が行われる。
【0021】
例えば、通常の表示では、項目名の横に項目値を並べて表示することが一般的と思われるが、血圧の場合、128/82mmHgという表示で理解できるため、収縮期血圧/拡張期血圧という項目名は表示されず、項目値と単位のみが表示される。腹囲や体重についても同様であり、それぞれ、82.5cm、72.5kgのように表示される。
【0022】
設備、指導開始時刻、指導終了時刻等のような指導を行う上での付帯的な情報は、指導対象者の状態や指導の実体を示す情報ではないため、項目名のみならず項目値も省略される。送付や受領についても同様に省略される。
【0023】
実施スケール(指導所要時間/指導実施回数)は、指導対象者の状態や指導の実体を示す情報ではないが、指導が十分に行われたか否かを示す情報であり、不十分だった場合や完全に欠落していて無効だった場合には別途の予定日を新たに組み入れて補足する等の対応が必要となるものであり、また、ポイントにも関連するため、20分,1回,無効、のように簡単に表示される。ポイントは、予定ポイントと取得ポイントとが並べて表示される。これにより、保健指導が予定通り実施されたか否かを容易に把握できる。なお、ポイント不足の場合や無効の場合には、目立つ表示(例:他の通常表示と異なる色での表示や点滅表示等)を行うようにしてもよい。
【0024】
生活習慣の改善(栄養・食生活,身体活動,喫煙)は、指導対象者の状態を示す情報であり、項目名の表示を省略すると意味不明となるため、項目名の横にそれぞれの結果が並べて表示される。
【0025】
指導実施(食事指導,運動指導,喫煙指導,その他指導)は、指導の実体を示す情報であり、項目名の表示を省略すると意味不明となるため、項目名の横(直前/直後位置)にチェック欄が設けられており、実施された場合にはチェックが記入される。保健指導実績内容(生活習慣と健診結果の関係について,標準的な食事量・運動量の目安の提示,生活習慣の振り返り,行動目標及び計画の策定)についても同様である。
【0026】
最終確認(電話回数,その他回数,保健指導総合評価,Eメール/手紙/ファックス回数)は、指導対象者の状態や指導の実体を示す情報ではないが、指導が予定通り適正に行われたか否かを示す情報であり、適正でなかった場合には再度の保健指導を行う等の対応が必要となるものであるため、項目名の横にそれぞれの結果が表示される。
指導者情報については、本例では表示するが、表示画面サイズが不足する場合には、省略するように構成してもよい。
【0027】
なお、時系列確認画面では、既に実施された保健指導と併せて、これから実施する予定の保健指導についても表示される。例えば、当該の指導対象者に関し、実施データテーブルに記録されているデータと併せて、支援計画テーブルに記録されているデータも、日付の重複を避けて表示される。また、支援計画テーブルに即して実施したが、指導所要時間が予定より短かったためポイントが予定に満たなかった場合や、その程度が甚だしくて無効とされた場合には、それを補足するための日枠が、例えば、当該無効とされた日枠の直後の位置に表示される。その日付は、空欄又はアスタリスクが表示される。これら未実施の日枠には、当該日の指導態様(支援種類・形態)で決まる表示項目の項目名が表示される。なお、これら未実施の日枠の表示に際しては、未実施であることを理解し易くするため、例えば、グレー表示で表示するようにしてもよい。また、これから実施する予定の保健指導については、その旨を指令するユーザ入力に応じて表示するようにしてもよい。
【0028】
指導日確認画面の表示態様は、当該の指導日の各項目の情報を、それぞれ、できるだけ詳細に表示できるように決められる。
表示態様制御データの一例を、図7に示す。
【0029】
図2のフローチャートに即して、時系列確認画面と指導日確認画面という2種類の確認画面の表示処理を説明する。
入力装置16からの入力により確認画面の表示が指令されると(S01でYES)、指導日確認画面の表示指令か否かがチェックされ、指導日確認画面の表示を指令する場合であれば(S11でYES)、当該日・当該指導対象者に対応付けられているデータを実施データテーブルから取得して、指導日確認画面の表示態様を制御するデータに従って、図3(b)のように、表示装置15に表示する(S13)。ここで、当該日・当該指導対象者とは、指導日確認画面の表示が指令された時点で選択されていた日付・指導対象者をいう。なお、本システムでは、日付と指導対象者が選択されていない状態では指導日確認画面の表示を入力装置16から指令できないように構成されているが、これに代えて、選択されていない場合には日付・指導対象者の選択をユーザに促すように構成してもよい。
【0030】
指導日確認画面の表示は、実施データテーブルから取得した当該日・当該指導対象者のデータを、できるだけ詳細に、原則として全て、当該日の日付枠内に表示するように行われる。ただし、画面サイズがデータ量に比して小さすぎる場合等には、適宜、項目名を省略するように構成してもよい。つまり、項目名の表示を省略しても理解できる項目については、項目名を省略して表示するようにしてもよい。なお、省略に代えて、スクロールにより全てを表示可能なように構成してよいことは勿論である。
【0031】
ステップ11で指導日確認画面の表示指令でなかった場合は(S11でNO)、ステップS21に進み、時系列確認画面の表示指令だったか否かを調べる。その結果、時系列確認画面の表示指令であれば(S21でYES)、当該指導対象者に対応付けられているデータを実施データテーブルから取得して、時系列確認画面の表示態様を制御するデータに従って、表示装置15に表示する(S23)。即ち、図3(a)に例示するように、日付毎に枠内にまとめ、且つ、各枠を日付順に並べて、表示する。配列順は、図示の例では古い日付を先頭としているが、これに代えて、新しい日付を先頭とする配列順を採用してもよい。また、上記に於いて、当該指導対象者とは、時系列確認画面の表示が指令された時点で選択されていた指導対象者をいう。なお、本システムでは、指導対象者が選択されていない状態では時系列確認画面の表示を入力装置16から指令できないように構成されているが、これに代えて、選択されていない場合には指導対象者の選択をユーザに促すように構成してもよい。
【0032】
時系列確認画面の表示では、さらに、実施データテーブルから取得した当該指導対象者のデータが対応付けられている日付との重複を避けて、支援計画テーブルから、当該指導対象者のデータを取得して、日付順に表示する。その様子を、図3(a)内に、破線の日付枠で示す。各日付枠内の表示は、それぞれの日付が対応付けられている指導態様(支援種類・形態)に対応する時系列確認画面の表示態様で行うものとする。なお、未来では項目値は無いため、項目名のみを、適宜、表示するものとする。また、未来の表示は、未だ実施されていなものについての表示であるため、例えば、グレー表示とする等、実施済みの日付とは異なる表示としてもよい。
このように、未来の日付分を併せて表示することで、全体の流れの中に於ける現時点での達成度合い等を、直感的に把握することができる。
なお、未来の分の表示を、その旨を指令するユーザ入力に応じて行うように構成してもよいことは勿論である。
【0033】
また、時系列表示画面では、実施データテーブルから取得した当該指導対象者の各日付のデータの中に、指導態様(支援種類・形態)と所要時間/回数に基づいて算出したポイントが、支援計画テーブルの対応する日付に対応付けられている予定ポイントより少ないものが有った場合(S25でYES)、その補足を容易に行い得るように、当該日の直後の位置等に追加の日付枠を設けて、日付(補足のための予定日)を入力できるように構成している(S27)。その様子を、図4(c)に破線枠で示す。この破線枠では、日付をユーザ入力可能としており、入力装置16から入力されると、その日付データが支援計画テーブルに記録されるように構成している。
なお、補足のための破線枠内の項目としては、図示の例のように、補足が必要な項目のみを表示するように構成してもよい。
【0034】
上記では、時系列確認画面の各日付枠内の各項目名や対応する項目値の表示位置の詳細について言及していないが、同じ種類のデータは枠内の略同じ位置に配置する等、ユーザにとって見易い配置となるようすればよい。例えば、血圧、腹囲、体重等の測定値は、各日付枠内の略同じ位置(例:左寄り上方位置)に配置する等である。
時系列画面の具体的一例を図8に示し、指導日確認画面の具体的一例を図9に示す。なお、図9に例示する画面は、入力画面としても使用可能である。即ち、指導日確認画面と実施データの入力画面を兼用している。
【符号の説明】
【0035】
10 制御装置(CPUを備える)
11 記憶装置(ハードディスク等)
15 表示装置
16 入力装置(キーボード,マウス等)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保健指導の態様を示す各支援種類・形態を、それぞれ、保健指導の内容を規定する種々の項目から選ばれた複数個の項目の組合せとして規定する指導態様規定手段と、
保健指導を実施する予定の日付と、各予定日に実施するべき支援種類・形態と、各予定日での保健指導の実施スケールを規定する予定スケール情報と、予定スケール情報に応じて決まる各予定日の予定ポイント情報とを対応付けて成る支援計画を、所定の記憶装置にて指導対象者毎に保持する支援計画保持手段と、
何れかの支援種類・形態での保健指導の実施に基づいて得られた各項目のデータを、当該の支援種類・形態と実施した日付と当該の実施に係る指導対象者とに対応付けて、所定の記憶装置にて保持する実施データ保持手段と、
保健指導の態様を示す支援種類・形態の各々に関し、それぞれ、時系列確認画面での表示態様と指導日確認画面での表示態様とを規定する表示態様規定手段と、
指導対象者が指定された状態で時系列確認画面の表示が指令されると当該の指導対象者に対応付けて前記実施データ保持手段に保持されている各データを読み出して日付毎にまとめ且つ日付順に配列して各日付に対応付けられている支援種類・形態の時系列確認画面での表示態様に従って所定の表示装置に表示し、日付と指導対象者が指定された状態で指導日確認画面の表示が指令されると当該の日付と当該の指導対象者とに対応付けて前記実施データ保持手段に保持されている各データを読み出して当該の日付に対応付けられている支援種類・形態の指導日確認画面での表示態様に従って所定の表示装置に表示する確認表示制御手段と、
を有することを特徴とする保健指導支援システム。
【請求項2】
請求項1に於いて、
前記表示態様規定手段は、支援種類・形態及び項目に応じて、時系列確認画面と指導日確認画面に於ける各項目の表示/非表示を決める、
ことを特徴とする保健指導システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に於いて、
保健指導の実施に基づいて得られた実施スケールを示す実施情報の項目値と、前記支援計画保持手段が当該実施の日付と同じ日付に対応付けて持つ予定スケール情報との比較結果に基づいて、当該実施にかかる取得ポイントを求めて、前記実施データ保持手段に保持させるポイント演算手段を更に有し、
前記表示態様規定手段は、予定ポイント情報と該予定ポイント情報に対応する取得ポイント情報とを同時視認可能な態様で時系列確認画面の当該日付の欄内に表示する、
ことを特徴とする保健指導支援システム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れかに於いて、
前記確認表示制御手段は、指導対象者が指定された状態で時系列確認画面の表示が指令されると当該の指導対象者に対応付けて前記実施データ保持手段に保持されている各データを読み出すとともに、当該の指導対象者に対応付けて前記支援計画保持手段に保持されているが前記実施データ保持手段に保持されていない各日付と該各日付にそれぞれ対応付けられている各支援種類・形態を規定する項目を読み出し、それら読み出したデータを日付毎にまとめ且つ日付順に配列して、各日付に対応付けられている支援種類・形態の時系列確認画面での表示態様に従って所定の表示装置に表示する、
ことを特徴とする保健指導支援システム。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1〜請求項4の何れかの保健指導支援システムとして機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−22801(P2011−22801A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167299(P2009−167299)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(599144712)タック株式会社 (25)