説明

保守部品管理システム、管理方法、供給元管理装置、プログラム

【課題】保守部品の供給元管理装置は、顧客全体としての在庫情報を管理し、顧客間の余剰在庫を有効活用できる保守部品管理システム、管理方法、供給元管理装置、プログラムを提供する。
【解決手段】供給元管理装置10は、保守部品所要数37を算出するためのパラメータを設定した保守部品所要表DB111と、保守部品別障害率実績DB112とを備える。需要者は、需要者端末20ー1〜20ーnで保守部品所要表37のパラメータの入力項目41を入力する。供給元管理装置10は、入力項目41と保守部品別障害率実績DB112とから保守部品所要数37を計算後、保守部品の需要者別過不足DB113に登録し、需要者が入力した購入希望数43と販売可能数44とを各々集計し、両者を比較する。購入希望数43が販売可能数44より多いときのみ、製造元へ保守部品の発注を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保守部品管理システム、販売方法、供給元管理装置、プログラムに関し、特に、ネットワークを利用した保守部品管理システム、管理方法、供給元管理装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、保守部品を売買する技術として、最終販売が行われた後の製造中止部品を、スポット市場に比較して信頼性の高い市場で売買できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1の技術は、調停者処理装置が、製造中止部品を過去に購入したことのある保守部品購入者の端末へ、保守部品市場の開設を通知すると共に、価格決定ルールに従った製造中止部品の買い取り価格および販売価格を通知する。製造中止部品を購入或いは販売したい保守部品購入者は、購入希望個数或いは販売希望個数を含む過不足情報を調停者処理装置へ送信する。調停者処理装置は、過不足情報の送信元以外の保守部品購入者端末に対して、販売希望個数或いは購入希望個数を含む問い合わせメッセージを送信する。問い合わせメッセージを受信した保守部品購入者は、販売或いは購入が可能であれば、販売可能個数或いは購入可能個数を含む回答を調停者処理装置へ送信する。
【0004】
上記技術は、保守部品購入者自身が過不足情報を決定している。しかし、保守部品購入者は、保守部品のフィールド障害率実績データを保有していないため、予測で過不足情報を決定することになり、過不足情報の妥当性の有無については不明である。保守部品購入者は、仮に、保守部品購入者自身の範囲内でのフィールド障害率実績データを保有しているにしても、データの母数が小さい故、やはり過不足情報については不正確となる。
【0005】
また、POS(販売時点情報管理)端末の消耗部品について、使用量および消費量のデータを各企業単位で正確に把握して、適宜各企業にそのデータを提供したり、その企業の消耗部品を適切な在庫に維持する消耗部品の管理サービスを行うものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
特許文献2の技術は、POS端末に記憶するメンテナンス情報を顧客コンピュータが収集し、通信回線を介してサービス提供会社の消耗部品管理コンピュータに送信する。消耗部品管理コンピュータは、メンテナンス情報に基付いて所定期間における顧客毎の消耗部品の消費量を算出して顧客に知らせると共に、顧客の在庫情報と比較して在庫不足が生じるおそれがあるときには、消耗部品を補充するための処理を起動する。
【0007】
上記技術は、顧客全体としての在庫情報を管理していないため、顧客間での余剰在庫を活用できず、全体では消耗部品の無駄なコストを発生することになる。
【0008】
【特許文献1】特開2002ー318930号公報
【特許文献2】特開2002ー092439号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の特許文献1の技術は、保守部品のフィールド障害率実績データを保有していないか、或いは、少数のデータを保有する保守部品購入者自身が過不足情報を決定している。従って、保守部品購入者自身の決定する過不足情報は、不正確になるという課題がある。
【0010】
また、上述の特許文献2の技術は、顧客全体としての在庫情報を管理していないため、顧客間での余剰在庫を活用できず、全体では消耗部品の無駄なコストを発生するという課題がある。
【0011】
本発明の目的は、供給元管理装置で保守部品の最終所要情報をフィールド障害実績データに基付き自動演算し、顧客全体としての在庫情報を管理し、全顧客間での余剰在庫を有効活用できる保守部品管理システム、管理方法、供給元管理装置、プログラムを提供することにある。
【0012】
上記目的を達成するため、保守部品の供給元管理装置は、最終所要数を算出するパラメータを設定した保守部品所要表をウェブ(Web)サイト上で需要者端末へ提供する。需要者は、需要者端末で保守部品所要表のパラメータの入力項目を入力する。供給元管理装置は、入力結果から最終所要数を自動計算後、保守部品の過不足情報を需要者端末別に記憶手段へ登録する。供給元管理装置は、需要者端末から入力した購入希望数と販売可能数とを各々集計し、購入希望数と販売可能数とを比較する。比較結果、購入希望数が販売可能数より多いときのみ、製造元へ保守部品の発注を行う。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の保守部品管理システムは、保守部品の供給管理を行う供給元管理装置と保守部品を使用するユーザの需要者端末とをネットワークを介して接続し、保守部品の管理を行う保守部品管理システムであって、供給元管理装置は、最終所要数を算出するためのパラメータを設定した保守部品所要表と、需用者端末別に保守部品の過不足数を表示する需用者別過不足表と、購入希望数と販売可能数とを表示する需用者別購入/販売表と、保守部品別障害率実績データとを格納する記憶手段と、需要者端末から入力したパラメータの入力データに対する保守部品所要数を演算する所要数自動計算手段と、記憶手段へ情報の書き込み・読み出しを行う登録・読出手段と、需要者端末から入力した購入希望数と販売可能数とを各々集計する手段と、購入希望数と販売可能数とを比較する購入希望数/販売可能数比較手段とを有することを特徴とする。
【0014】
供給元管理装置は、購入希望数/販売可能数比較手段による比較結果、購入希望数が販売可能数より多いとき、保守部品の発注を行う受発注手段を有することを特徴とする。
【0015】
供給元管理装置は、購入希望数/販売可能数比較手段による比較結果、購入希望数が販売可能数以下のとき、保守部品製造元への発注を行わないことを特徴とする。
【0016】
所要数自動計算手段は、パラメータの入力データと保守部品別障害率実績データとから保守部品所要数を演算する手段を有することを特徴とする。
【0017】
パラメータは、装置稼働台数と撤去予定年月と自社保守部品在庫数とを有することを特徴とする。
【0018】
需用者別過不足表は、自社保守部品在庫数と保守部品所要数に対する保守部品余剰数と保守部品不足数とを有することを特徴とする。
【0019】
本発明の保守部品管理方法は、保守部品の供給管理を行う供給元管理装置と保守部品を使用するユーザの需要者端末とをネットワークを介して接続し、保守部品の管理を行う保守部品管理方法であって、供給元管理装置は、最終所要数を算出するためのパラメータを設定した保守部品所要表と、需用者端末別に保守部品の過不足数を表示する需用者別過不足表と、購入希望数と販売可能数とを表示する需用者別購入/販売表と、保守部品別障害率実績データとを登録・読出手段により記憶手段へ格納するステップと、需要者端末から入力したパラメータの入力データに対する保守部品所要数を所要数自動計算手段により演算するステップと、需要者端末から入力した購入希望数と販売可能数とを各々集計するステップと、購入希望数と販売可能数とを購入希望数/販売可能数比較手段により比較するステップと、比較結果、購入希望数が販売可能数より多いときのみ、受発注手段により保守部品の発注を行うステップとを有することを特徴とする。
【0020】
所要数自動計算手段は、パラメータの入力データと保守部品別障害率実績データとから保守部品所要数を演算するステップを有することを特徴とする。
【0021】
パラメータは、装置稼働台数と撤去予定年月と自社保守部品在庫数とを有することを特徴とする。
【0022】
本発明の供給元管理装置は、保守部品を使用するユーザの需要者端末とネットワークを介して接続し、保守部品の供給管理を行う供給元管理装置であって、最終所要数を算出するためのパラメータを設定した保守部品所要表と、需用者端末別に保守部品の過不足数を表示する需用者別過不足表と、購入希望数と販売可能数とを表示する需用者別購入/販売表と、保守部品別障害率実績データとを格納する記憶手段と、需要者端末から入力したパラメータの入力データに対する保守部品所要数を演算する所要数自動計算手段と、記憶手段へ情報の書き込み・読み出しを行う登録・読出手段と、需要者端末から入力した購入希望数と販売可能数とを各々集計する手段と、購入希望数と販売可能数とを比較する購入希望数/販売可能数比較手段とを有することを特徴とする。
【0023】
所要数自動計算手段は、パラメータの入力データと保守部品別障害率実績データとから保守部品所要数を演算する手段を有することを特徴とする。
【0024】
パラメータは、装置稼働台数と撤去予定年月と自社保守部品在庫数とを有することを特徴とする。
【0025】
需用者別過不足表は、自社保守部品在庫数と保守部品所要数に対する保守部品余剰数と保守部品不足数とを有することを特徴とする。
【0026】
記憶手段は、磁気ディスク装置または光ディスク装置を有することを特徴とする。
【0027】
本発明のプログラムは、保守部品の供給管理を行う供給元管理装置と保守部品を使用するユーザの需要者端末とをネットワークを介して接続し、保守部品の管理を行う保守部品管理方法のプログラムであって、供給元管理装置を、最終所要数を算出するためのパラメータを設定した保守部品所要表と、需用者端末別に保守部品の過不足数を表示する需用者別過不足表と、購入希望数と販売可能数とを表示する需用者別購入/販売表と、保守部品別障害率実績データとを登録・読出手段により記憶手段へ格納する手段と、需要者端末から入力したパラメータの入力データに対する保守部品所要数を所要数自動計算手段により演算する手段と、需要者端末から入力した購入希望数と販売可能数とを各々集計する手段と、購入希望数と販売可能数とを購入希望数/販売可能数比較手段により比較する手段と、比較結果、購入希望数が販売可能数より多いときのみ、受発注手段により保守部品の発注を行う手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明の保守部品管理システム、管理方法、供給元管理装置、プログラムによれば、保守部品の最終所要の精度が上がり、需要者は、より適正な保守部品在庫を持つことができるという効果がある。その理由は、供給元管理装置は、全需用者の保守部品毎の障害率実績データを元に最終所要数を計算しているためである。
【0029】
また、需要者は、最終所要数を算出する工数を削減できるという効果がある。その理由は、供給元管理装置が保守部品の最終所要数を自動的に算出するためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の保守部品管理システム1を示す概略構成ブロック図、図2は、図1中の供給元管理装置10を示す概略構成ブロック図である。
【0032】
図1を参照すると、保守部品管理システム1は、保守部品の供給管理を行う供給元管理装置10と、保守部品を使用するユーザの需要者端末20ー1〜20ーnと、保守部品を配送する業者の宅配業者端末50とをネットワーク、例えばインタネット100を介して接続する。
【0033】
供給元管理装置10は、サーバーコンピュータなどの情報処理装置である。
【0034】
需要者端末20ー1〜20ーnは、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置であり、インタネット100を介して供給元管理装置10の開設しているホームページへアクセスする。なお、nは、接続台数を示し、100台ならば、n=100となる。
【0035】
宅配業者端末50は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。なお、図面上は1台のみ図示するが、台数は限定するものではない。
【0036】
図2を参照すると、供給元管理装置10は、磁気ディスク装置11と、保守部品所要数37を演算する所要数自動計算手段12と、磁気ディスク装置11へ情報の書き込み・読み出しを行う登録・読出手段13と、需要者端末20ー1〜20ーnから入力した購入希望数43と販売可能数44とを各々集計する集計手段17と、購入希望数43と販売可能数44とを比較する購入希望数/販売可能数比較手段16と、受発注手段14と、送受信手段15とで構成する。
【0037】
磁気ディスク装置11は、情報をデータベース(以降DBと略す)として格納し、保守部品所要表DB111と、需要者別過不足表DB113と、需用者別購入/販売表DB114と、保守部品別障害率実績DB112とを備える。なお、磁気ディスク装置11は、各種データを格納する記憶手段の一例であり、光ディスク装置であってもよい。
【0038】
次に、保守部品所要表DB111の一例を示す図3を参照すると、保守部品所要表DB111は、需要者端末20ー1〜20ーnから入力したデータを元に保守部品所要数37を算出するためのパラメータ(入力項目41)を設定している。パラメータは、装置稼働台数34と撤去予定年月35と自社保守部品在庫数36とを備える。所要数自動計算手段12により演算する自動計算項目42は、保守部品所要数37に加え、保守部品余剰数38と保守部品不足数39とを備える。保守部品余剰数38と保守部品不足数39とは、自社保守部品在庫数36と保守部品所要数37との差を演算して求める。なお、保守部品所要表DB111は、各種の装置コード31、品名32、パーツコード33に対して入力項目41を設定している。
【0039】
図4は、需要者端末20ー1〜20ーnから入力したデータを元に保守部品所要数37、保守部品余剰数38、保守部品不足数39とを算出した結果の保守部品所要表DB111の一例を示す。
【0040】
次に、需要者別過不足表DB113の一例を示す図5を参照すると、需要者別過不足表DB113は、需要者別の各装置コード31毎の保守部品所要数37に対する保守部品余剰数38と保守部品不足数39とを備える。
【0041】
図6に一例を示す需要者別購入/販売表DB114は、需要者端末20ー1〜20ーn毎の購入希望数43と販売可能数44と、全需要者端末20ー1〜20ーnの購入希望数と販売可能数との各々の累計45を備える。
【0042】
保守部品別障害率実績DB112は、図示省略するが、各装置毎のフィールドでの障害実績データから求めた平均故障時間間隔(MTBF)などの信頼性データを備えている。
【0043】
所要数自動計算手段12は、需要者端末20ー1〜20ーnから入力した入力項目41のデータと保守部品別障害率実績DB112とから保守部品所要数37を演算する。保守部品所要数37は、例えば、装置のMTBFと装置稼働台数34と撤去予定年月35とのデータから障害発生予測台数を算出して求める。なお、図示しないが、供給元管理装置10は、総稼働時間を算出するための需要者端末20ー1〜20ーnに対する装置毎の稼働開始時期データを保有している。
【0044】
受発注手段14は、購入希望数/販売可能数比較手段16による比較結果、購入希望数43が販売可能数44より多いときのみ、保守部品の発注処理を行う。
【0045】
送受信手段15は、需要者端末20ー1〜20ーnと、宅配業者端末50と、保守部品の製造業者端末(図示せず)とにインタネット100を介して情報の送受信を行う。
【0046】
次に、上述のように構成した保守部品管理システム1の動作について、図面を参照して説明する。
【0047】
図7は、保守部品管理システム1の動作を説明するための図である。
【0048】
図7を参照すると、需用者は、需要者端末20ー1〜20ーnから供給元管理装置10のWebサイトにアクセスする(S11)。なお、図示省略するが、予め、需要者へ供給元管理装置10にアクセスし保守部品所要表DB111で設定した入力項目41を入力するように、供給元管理装置10は、依頼のメールを発信する。また、供給元管理装置10は、保守部品所要表DB111を表示するために必要なID、パスワードをそれぞれの需要者端末20ー1〜20ーnへメールで通知する。
【0049】
供給元管理装置10は、インタネット100上に開設しているWebサイトに保守部品所要表DB111を読み出しアップロードし(S21)、保守部品所要表DB111を需要者端末20ー1〜20ーnへ送信する(S22)。
【0050】
需要者端末20ー1〜20ーnは、図3に示す保守部品所要表DB111を受信し、装置稼働台数34、撤去予定年月35、自社保守部品在庫数36の全ての入力項目41を入力する(S12)。需要者端末20ー1〜20ーnは、入力項目41を入力して供給元管理装置10へ送信する。
【0051】
供給元管理装置10は、入力済み保守部品所要表DB111を受信し、所要数自動計算手段12により自動計算項目42の保守部品所要数37を演算する(S23)。所要数自動計算手段12は、パラメータ(入力項目41)の入力データと保守部品別障害率実績DB112とから保守部品所要数37を演算する。供給元管理装置10は、保守部品所要数37と自社保守部品在庫数36とから保守部品余剰数38と保守部品不足数39とを演算する(S24)。演算結果の保守部品所要表DB111の一例を図4に示す。
【0052】
供給元管理装置10は、登録・読出手段13により演算結果の保守部品所要表DB111を磁気ディスク装置11へ格納(登録)し(S25)、かつ、需用者別過不足表DB113の保守部品の余剰数38、不足数39とを格納する(S26)。
【0053】
次に、供給元管理装置10は、需用者別過不足表DB113と共に、需要者別購入/販売表DB114を磁気ディスク装置11から読み出し、送受信手段15を介して需要者端末20ー1〜20ーnへ送信する(S27)。このとき、供給元管理装置10は、メールにて、需要者端末20ー1〜20ーnに対して、供給元管理装置10にアクセスして需要者別購入/販売表DB114の購入希望数43と販売可能数44とを入力するように依頼する。
【0054】
需要者は、需要者端末20ー1〜20ーnで受信した需要者別過不足表DB113の余剰数38と不足数39とを参照(図5参照)して、需要者別購入/販売表DB114の購入希望数43と販売可能数44とを入力する(S13)。なお、購入希望数43と販売可能数44とは、需要者が判断して決定する。従って、余剰数38と販売可能数44、不足数39と購入希望数43とは、必ずしも一致するとは限らない。
【0055】
供給元管理装置10は、購入希望数43と販売可能数44とを入力済みの需要者別購入/販売表DB114を受信する。集計手段17は、図6に示す如く、装置コード31別のの全ての需要者端末20ー1〜20ーnに対する購入希望数43の累計45と販売可能数44の累計45とを各々求める集計処理を行う(S28)。
【0056】
次に、供給元管理装置10は、購入希望数/販売可能数比較手段16により、購入希望数43の累計45と販売可能数44の累計45とを比較する(S29)。比較結果、購入希望数43の累計45が販売可能数44の累計45より大きいとき、供給元管理装置10は、受発注手段14により、該当する装置コード31の保守部品の発注処理を行う(S30)。図6の例示では、装置コード31がZ4502、品名32がHDD、パーツコード33がCCー12345の保守部品を15個発注することになる。なお、発注処理は、宅配業者端末50と保守部品の製造業者端末(図示せず)とに対して行う。宅配業者端末50は、配送処理を行い(S51)、製造業者端末は、受注処理を行う(S61)が、上記(S30)以降の処理に関しては、詳細な説明を省略する。
【0057】
供給元管理装置10は、需要者間で調達できない保守部品と数量との情報を把握することができるため、保守部品製造メーカへ最終所要数を正確に連絡することができる。
【0058】
上記(S29)において、購入希望数43の累計45が販売可能数44の累計45以下のとき、供給元管理装置10は、新たに保守部品を製造する発注処理を行わない。供給元管理装置10は、需要者端末20ー1〜20ーnに対して、販売/購入を了承した旨の確認通知を行う(S31)が、(S31)以降の処理に関しては、詳細な説明を省略する。
【0059】
従って、供給元管理装置10は、保守部品の余剰数38、不足数39を一括管理し、需要者全体での余剰数38を活用し、無駄な保守部品を製造しないため、需要者、供給元は、双方にとって無駄なコストの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の保守部品管理システムを示す概略構成ブロック図である。
【図2】図1中の供給元管理装置を示す概略構成ブロック図である。
【図3】保守部品所要表DBの一例を示す図である。
【図4】保守部品所要表DBの一例を示す図である。
【図5】需要者別過不足表DBの一例を示す図である。
【図6】需要者別購入/販売表DBの一例を示す図である。
【図7】保守部品管理システムの動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0061】
1 保守部品管理システム
10 供給元管理装置
11 磁気ディスク装置
12 所要数自動計算手段
13 登録・読出手段
14 受発注手段
15 送受信手段
16 購入希望数/販売可能数比較手段
17 集計手段
100 インタネット
111 保守部品所要表DB
112 保守部品別障害率実績DB
113 需要者別過不足表DB
114 需要者別購入/販売表DB
20ー1〜20ーn 需要者端末
31 装置コード
32 品名
33 パーツコード
34 装置稼働台数
35 撤去予定年月
36 自社保守部品在庫数
37 保守部品所要数
38 保守部品余剰数
39 保守部品不足数
41 入力項目
42 自動計算項目
43 購入希望数
44 販売可能数
45 累計
50 宅配業者端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保守部品の供給管理を行う供給元管理装置と保守部品を使用するユーザの需要者端末とをネットワークを介して接続し、保守部品の管理を行う保守部品管理システムであって、前記供給元管理装置は、最終所要数を算出するためのパラメータを設定した保守部品所要表と、前記需用者端末別に保守部品の過不足数を表示する需用者別過不足表と、購入希望数と販売可能数とを表示する需用者別購入/販売表と、保守部品別障害率実績データとを格納する記憶手段と、前記需要者端末から入力した前記パラメータの入力データに対する保守部品所要数を演算する所要数自動計算手段と、前記記憶手段へ情報の書き込み・読み出しを行う登録・読出手段と、前記需要者端末から入力した購入希望数と販売可能数とを各々集計する手段と、前記購入希望数と前記販売可能数とを比較する購入希望数/販売可能数比較手段とを有することを特徴とする保守部品管理システム。
【請求項2】
前記供給元管理装置は、前記購入希望数/販売可能数比較手段による比較結果、前記購入希望数が前記販売可能数より多いとき、保守部品の発注を行う受発注手段を有することを特徴とする請求項1記載の保守部品管理システム。
【請求項3】
前記供給元管理装置は、前記購入希望数/販売可能数比較手段による比較結果、前記購入希望数が前記販売可能数以下のとき、保守部品製造元への発注を行わないことを特徴とする請求項1記載の保守部品管理システム。
【請求項4】
前記所要数自動計算手段は、前記パラメータの入力データと前記保守部品別障害率実績データとから前記保守部品所要数を演算する手段を有することを特徴とする請求項1記載の保守部品管理システム。
【請求項5】
前記パラメータは、装置稼働台数と撤去予定年月と自社保守部品在庫数とを有することを特徴とする請求項1または4記載の保守部品管理システム。
【請求項6】
前記需用者別過不足表は、自社保守部品在庫数と前記保守部品所要数に対する保守部品余剰数と保守部品不足数とを有することを特徴とする請求項1記載の保守部品管理システム。
【請求項7】
保守部品の供給管理を行う供給元管理装置と保守部品を使用するユーザの需要者端末とをネットワークを介して接続し、保守部品の管理を行う保守部品管理方法であって、前記供給元管理装置は、最終所要数を算出するためのパラメータを設定した保守部品所要表と、前記需用者端末別に保守部品の過不足数を表示する需用者別過不足表と、購入希望数と販売可能数とを表示する需用者別購入/販売表と、保守部品別障害率実績データとを登録・読出手段により記憶手段へ格納するステップと、前記需要者端末から入力した前記パラメータの入力データに対する保守部品所要数を所要数自動計算手段により演算するステップと、前記需要者端末から入力した購入希望数と販売可能数とを各々集計するステップと、前記購入希望数と前記販売可能数とを購入希望数/販売可能数比較手段により比較するステップと、比較結果、前記購入希望数が前記販売可能数より多いときのみ、受発注手段により保守部品の発注を行うステップとを有することを特徴とする保守部品管理方法。
【請求項8】
前記所要数自動計算手段は、前記パラメータの入力データと前記保守部品別障害率実績データとから前記保守部品所要数を演算するステップを有することを特徴とする請求項7記載の保守部品管理方法。
【請求項9】
前記パラメータは、装置稼働台数と撤去予定年月と自社保守部品在庫数とを有することを特徴とする請求項7または8記載の保守部品管理方法。
【請求項10】
保守部品を使用するユーザの需要者端末とネットワークを介して接続し、保守部品の供給管理を行う供給元管理装置であって、最終所要数を算出するためのパラメータを設定した保守部品所要表と、前記需用者端末別に保守部品の過不足数を表示する需用者別過不足表と、購入希望数と販売可能数とを表示する需用者別購入/販売表と、保守部品別障害率実績データとを格納する記憶手段と、前記需要者端末から入力した前記パラメータの入力データに対する保守部品所要数を演算する所要数自動計算手段と、前記記憶手段へ情報の書き込み・読み出しを行う登録・読出手段と、前記需要者端末から入力した購入希望数と販売可能数とを各々集計する手段と、前記購入希望数と前記販売可能数とを比較する購入希望数/販売可能数比較手段とを有することを特徴とする供給元管理装置。
【請求項11】
前記所要数自動計算手段は、前記パラメータの入力データと前記保守部品別障害率実績データとから前記保守部品所要数を演算する手段を有することを特徴とする請求項10記載の供給元管理装置。
【請求項12】
前記パラメータは、装置稼働台数と撤去予定年月と自社保守部品在庫数とを有することを特徴とする請求項10または11記載の供給元管理装置。
【請求項13】
前記需用者別過不足表は、自社保守部品在庫数と前記保守部品所要数に対する保守部品余剰数と保守部品不足数とを有することを特徴とする請求項10記載の供給元管理装置。
【請求項14】
前記記憶手段は、磁気ディスク装置または光ディスク装置を有することを特徴とする請求項10記載の供給元管理装置。
【請求項15】
保守部品の供給管理を行う供給元管理装置と保守部品を使用するユーザの需要者端末とをネットワークを介して接続し、保守部品の管理を行う保守部品管理方法のプログラムであって、前記供給元管理装置を、最終所要数を算出するためのパラメータを設定した保守部品所要表と、前記需用者端末別に保守部品の過不足数を表示する需用者別過不足表と、購入希望数と販売可能数とを表示する需用者別購入/販売表と、保守部品別障害率実績データとを登録・読出手段により記憶手段へ格納する手段と、前記需要者端末から入力した前記パラメータの入力データに対する保守部品所要数を所要数自動計算手段により演算する手段と、前記需要者端末から入力した購入希望数と販売可能数とを各々集計する手段と、前記購入希望数と前記販売可能数とを購入希望数/販売可能数比較手段により比較する手段と、比較結果、前記購入希望数が前記販売可能数より多いときのみ、受発注手段により保守部品の発注を行う手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−34771(P2007−34771A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−218313(P2005−218313)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)