保持金具、コネクタ接続体およびコネクタ
【課題】コネクタ接続体のハウジングからより外れにくくすることの可能な保持金具ならびに当該保持金具を用いたコネクタ接続体およびコネクタを得る。
【解決手段】保持金具40は、側板部41と底板部42とを有した略L字状の本体部と、底板部42から外方に突出して回路基板に固定される取付片部42aと、底板部42からハウジング21の外壁天面21aに向けて折曲される係止片部47と、側板部41からハウジング21の高さ方向Zに対して略垂直に折曲されてハウジング21内に食い込むアンカー部45と、を備える。そして、アンカー部45に、当該アンカー部45からハウジング21の高さ方向Zと略平行に折曲される引っ掛かり部48を設ける。
【解決手段】保持金具40は、側板部41と底板部42とを有した略L字状の本体部と、底板部42から外方に突出して回路基板に固定される取付片部42aと、底板部42からハウジング21の外壁天面21aに向けて折曲される係止片部47と、側板部41からハウジング21の高さ方向Zに対して略垂直に折曲されてハウジング21内に食い込むアンカー部45と、を備える。そして、アンカー部45に、当該アンカー部45からハウジング21の高さ方向Zと略平行に折曲される引っ掛かり部48を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持金具ならびに当該保持金具を用いたコネクタ接続体およびコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ソケット(一方のコネクタ接続体)ハウジングの周壁部に取付片部を有した保持金具を埋設し、この保持金具の取付片部を回路基板に半田付け等により固定することで、ソケットのコンタクト(端子)を回路基板に固定することと相俟って、ソケットと回路基板との結合強度を高めれるようにしたコネクタが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の保持金具は、側板部と底板部とを有した略L字状の本体部を備えており、側板部から折曲されてハウジング内に食い込むアンカー部を設けることで、ハウジングの剛性や強度を向上できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−270099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の保持金具にあっては、ハウジング内に食い込むアンカー部がハウジングの高さ方向に対して略垂直に折曲されているだけなので、外力等によって保持金具がハウジングから外れてしまう恐れがあった。
【0006】
そこで、本発明は、コネクタ接続体のハウジングからより外れにくくすることの可能な保持金具ならびに当該保持金具を用いたコネクタ接続体およびコネクタを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明にあっては、コネクタ接続体のハウジングに埋設される保持金具であって、側板部と底板部とを有した略L字状の本体部と、前記底板部から前記ハウジングの外方に突出して回路基板に固定される取付片部と、前記底板部から前記ハウジングの外壁天面に向けて折曲される係止片部と、前記側板部から前記ハウジングの高さ方向に対して略垂直に折曲されて当該ハウジング内に食い込むアンカー部と、を備えた保持金具において、前記アンカー部に、当該アンカー部から前記ハウジングの高さ方向と略平行に折曲される引っ掛かり部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ハウジング内に食い込むアンカー部にハウジングの高さ方向と略平行に折曲される引っ掛かり部を設けるようにしたので、保持金具がハウジングから外れてしまうのをより抑制することができる。
【0009】
すなわち、本発明によれば、外力等が入力されたとしても、コネクタ接続体のハウジングからより外れにくくすることの可能な保持金具ならびに当該保持金具を用いたコネクタ接続体およびコネクタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるコネクタのソケット全体を斜め上方から見た斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかるコネクタのヘッダ全体を斜め上方から見た斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかるコネクタの結合状態を図1中I−I線に対応する部分で断面した断面図である。
【図4】図1に示すソケットハウジングに埋設される保持金具を示した図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図5】図1に示す保持金具のソケットハウジングへの取付状態を透視して示した斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態にかかるソケットハウジングに埋設される保持金具を示した図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図7】図6に示す保持金具のソケットハウジングへの取付状態を透視して示した斜視図である。
【図8】従来の保持金具のソケットハウジングへの取付状態を透視して示した斜視図である。
【図9】本発明の第3実施形態にかかるコネクタのソケット全体を斜め上方から見た斜視図である。
【図10】図9に示す保持金具のソケットハウジングへの取付状態を透視して示した斜視図である。
【図11】図10の側面図である。
【図12】本発明の第4実施形態にかかる保持金具のソケットハウジングへの取付状態を透視して示した斜視図である。
【図13】図12の側面図である。
【図14】本発明の第3実施形態にかかるコネクタの変形例を示した図である。
【図15】図14に示す保持金具のソケットハウジングへの取付状態を透視して示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
[第1実施形態]
図1〜図5は、本発明にかかるコネクタ1の第1実施形態を示しており、本実施形態のコネクタ1は、図1および図2に示すように、相互に嵌合されるソケット2とヘッダ3とを備えている。なお、本実施形態を説明するにあたって、同図に示すように、図中X方向を幅方向、Y方向を長手方向、Z方向を上下方向(高さ方向)として説明するものとする。
【0013】
ソケット2は、図1に示すように、合成樹脂などの絶縁材料によって形成された細長い矩形状のソケットハウジング21と、このソケットハウジング21の対向した長辺に沿って所定ピッチをもって装着される複数のコンタクト22と、を備えている。
【0014】
ソケットハウジング21は、その周縁部に沿って略矩形環状に連続的に形成される周壁部26と、中央部において周壁部26から所定間隔をあけて形成される略矩形状の島部27とを備えている。そして、これら周壁部26と島部27との間にヘッダ3を嵌合するための凹部23が形成されている。
【0015】
コンタクト22は、本実施形態では凹部23の設けられたソケット2の幅方向両側に一対設けられており、この一対のコンタクト22がそれぞれソケット2の長手方向に複数配列されることで、ソケット側端子群22Gを構成している。
【0016】
コンタクト22は、導電性を有する細長い金属などの弾性材料を曲げ加工することにより形成されている。図3に示すように、コンタクト22は、ソケットハウジング21の幅方向外方に突出する端子部221と、端子部221の内側端部から上方に延長してソケットハウジング21に保持される被保持部222と、を備える。また、被保持部222の上端部からソケットハウジング21の内方に向かって湾曲しつつ下方に延長される第1の接触部223と、第1の接触部223の下端部から更にソケットハウジング21の内方に向けて延長される連結部224と、を備える。また、連結部224の内側端部から上方に立ち上がり、且つその先端部が第1の接触部223に対向する方向に湾曲して突出される第2の接触部225を備えている。
【0017】
そして、第1の接触部223と第2の接触部225とは、互いに対向する方向の弾発力が備わっており、これら第1の接触部223と第2の接触部225とが上述したソケットハウジング21の凹部23内に露出して配置される。また、端子部221がソケットハウジング21の下端に沿って外方に突出して配置される。このようにソケットハウジング21から突出した端子部221は、図示省略した一方の配線基板に実装される。
【0018】
一方、ヘッダ3は、同様に合成樹脂などの絶縁材料によって形成された細長い矩形状のヘッダハウジング31と、このヘッダハウジング31の対向する長辺に沿ってコンタクト22のピッチと等しいピッチをもって装着される複数のポスト32と、を備えている。
【0019】
ヘッダハウジング31は、その周縁部に沿って略矩形環状に連続的に形成される周壁部33を備えており、この周壁部33の内方に略平坦な底壁部34が形成されている。
【0020】
そして、周壁部33の設けられた幅方向両側にポスト22が一対設けられており、この一対のポスト32がそれぞれヘッダ3の長手方向に複数配列されることで、ヘッダ側端子群32Gを構成している。
【0021】
ポスト32は、コンタクト22と同様に導電性を有する細長い金属などの弾性材料を曲げ加工することにより形成されている。図3にも示すように、ポスト32は、ヘッダハウジング31の外側面に露出する第1の接触部321と、第1の接触部321の上端部から下方に向かってU字状に折曲される第2の接触部322と、を備える。また、第2の接触部322からヘッダハウジング31の幅方向外方に向かって突出する端子部323を備えている。
【0022】
そして、U字状に折曲された第1の接触部321と第2の接触部322とは、ヘッダハウジング31の周壁部33を上方から挟持し、この状態で端子部323がヘッダハウジング31の下端に沿って外方に突出して配置される。このようにヘッダハウジング31から突出した端子部323は、図示省略した他方の配線基板に実装される。
【0023】
このようにソケット2とヘッダ3とを備えたコネクタ1は、図3に示すように、ポスト32がそれぞれ取り付けられた周壁部33を、コンタクト22がそれぞれ取り付けられた凹部23に差し込む。これにより、ポスト32の第1の接触部321がコンタクト22の第1の接触部223に接離自在に圧接されるとともに、ポスト32の第2の接触部322がコンタクト22の第2の接触部225に接離自在に圧接される。この状態で、コンタクト22とポスト32とは電気的に接続されて、一方の配線基板と他方の配線基板とを導通させることができる。
【0024】
このとき、図3に示すように、コンタクト22の第1の接触部223とポスト32の第1の接触部321とには、互いに相手側の端子に係合してソケット2とヘッダ3との結合状態を保持するロック部10が設けられている。
【0025】
したがって、ヘッダ3をソケット2に嵌合させる際には、ポスト32の第1および第2の接触部321、322が、コンタクト22の第1および第2の接触部223、225を弾性力に抗して押し開きつつ挿入され、ロック部10がロックされる。そして、ロック部10の段差面どうしが図示するように互いに係合されることによって、ソケット2とヘッダ3との結合状態が保持される。
【0026】
一方、ソケット2とヘッダ3とを離脱させる際には、これら両者を引き剥がし方向に抜去することにより、ロック部10の段差面どうしが相対摺動しつつ、コンタクト22の第1および第2の接触部223、225を押し開いてロック部10の係合が解除される。これにより、ソケット2とヘッダ3とを分離させることができる。
【0027】
ここで、図1に示すように、ソケットハウジング(ハウジング)21の長手方向の両端部には保持金具40が取り付けられている。保持金具40は外方に突出する取付片部42aを有しており、この取付片部42aを一方の回路基板に半田付けする。これにより、コンタクト22の端子部221が半田付けされたことと相俟って、ソケット2が一方の回路基板に対して強固に結合されるようになっている。
【0028】
保持金具40は、図4(a)、(b)に示すように、所定厚さの金属板をプレス成形して形成されたものである。そして、本体部として、ソケットハウジング21の幅方向に延在する側板部(本体部)41と、この側板部41の両端部下側をソケットハウジング11の長手方向中央側に向かって略L字状に折曲した底板部(本体部)42と、を備えて概略構成されている。また、底板部42の両端部をソケットハウジング21の幅方向両側から突出させて回路基板への取付片部42aが形成されている。
【0029】
図5は、保持金具40のソケットハウジング21への取付状態を透視して示した斜視図であり、図5に示すように、ソケットハウジング21を型成形する際に、保持金具40はソケットハウジング21の周壁部26にインサート成形されるようになっている。このとき、保持金具40は、本体部がソケットハウジング21の周壁部26の外壁面に沿って露出した状態で、ソケットハウジング21に取り付けられている。
【0030】
すなわち、側板部41の外側面41bがソケットハウジング21の長手方向の端面(外壁側面)21bに沿って当該端面21bと略面一となる状態で露出するとともに、側板部41の天面41aがソケットハウジング21の外壁天面21aに沿って露出している。また、図5に示すように、底板部42の下面42cがソケットハウジング21の外壁下面21cに沿って露出している。
【0031】
そして、回路基板に半田付けされる取付片部42aが、ソケットハウジング21の幅方向両端面21dから外方に所要量突出して配置される。
【0032】
ここで、保持金具40は、ソケットハウジング21の周壁部26の内部に食い込むアンカー部45を備えている。アンカー部45は、側板部41からソケットハウジング21の上下方向(高さ方向)に対して略垂直に折曲されている。本実施形態では、側板部41の両端部上側をソケットハウジング21の長手方向中央側に向けて略直角に折曲させることで、一対のアンカー部45をそれぞれソケットハウジング21の長辺の周壁部26内に食い込ませるようにしている。
【0033】
また、図5に示すように、底板部42の先端側には、一対の底板部42からソケットハウジング21の外壁天面21aに向けて折曲される係止片部47が形成されている。そして、これら係止片部47とアンカー部45とは、双方とも、保持金具40をソケットハウジング21に対してインサート同時成形した際に、ソケットハウジング21内に食い込んで埋設されるようになっている。ソケットハウジング21内に埋設された係止片部47によって、保持金具40全体のソケットハウジング21に対する相対移動を規制することができる。
【0034】
ところで、図8に示すように、従来の保持金具140が用いられた構成では、ソケットハウジング121内に食い込むアンカー部145が上下方向(高さ方向)に対して略垂直に折曲されているだけなので、外力によって保持金具140が外れてしまう恐れがあった。すなわち、ソケット102に強い衝撃が加わった場合に、保持金具140は本体部の屈曲部143を支点としてソケットハウジング121の長手方向外側方向に回動してしまい、アンカー部145がソケットハウジング121から抜けてしまう不具合があった。特に、ソケットハウジング121の天面121aに保持金具140を露出させる構成では、作業者が手指などで保持金具140の天面141aを掴み持ち、側板部141を押し倒す方向に不意な力が作用した場合に、保持金具40(側板部41)が回動してしまう恐れがある。
【0035】
そこで、本実施形態では、図5に示すように、保持金具40のアンカー部45に、当該アンカー部45からソケットハウジング21の上下方向(高さ方向)と略平行に折曲される引っ掛かり部48を設けるようにしている。
【0036】
引っ掛かり部48は、本実施形態では一対のアンカー部45のそれぞれの先端側を、ソケットハウジング21の外壁下面21cに向けて折曲成形することにより形成されている。そして、この引っ掛かり部48にあっても、ソケットハウジング21内に埋設された状態でインサート成形されている。
【0037】
このように、本実施形態の保持金具40によれば、外力等によって側板部41が外側に倒れる方向に力が作用した場合にも、引っ掛かり部48がインサート成形されたソケットハウジング21内の樹脂に引っ掛かって係止される。よって、保持金具40がソケットハウジング21から外れてしまうのを抑制することができるようになる。
【0038】
以上、詳細に亘って説明してきたように、本実施形態では、ソケットハウジング21(ハウジング)内に食い込むアンカー部45に、ソケットハウジング21の上下方向(高さ方向)と略平行に折曲される引っ掛かり部48を設けるようにしている。そのため、側板部41が外側に倒れる方向に力が作用した場合にも、引っ掛かり部48によって保持金具40が係止され、ソケットハウジング21から保持金具40が外れてしまうのを抑制することができる。
【0039】
すなわち、本実施形態によれば、外力等が入力されたとしても、ソケットハウジング21からより外れにくくすることの可能な保持金具40ならびに当該保持金具40を用いたソケット2(コネクタ接続体)およびコネクタ1を得ることができる。
【0040】
また、本実施形態では、側板部41がソケットハウジング21の外壁側面21bと外壁天面21aとに露出して配置されている。そして、側板部41の長手方向両端部上側から折曲されて前記アンカー部45が設けられるとともに、当該一対のアンカー部45からソケットハウジング21の外壁下面21cに向けて前記引っ掛かり部48が折曲形成されている。よって、作業者が手指などで保持金具40の露出した天面41aを掴み持ち、側板部41を押し倒す方向に不意な力が作用した場合にも、天面21aの近傍に位置する引っ掛かり部48が係止され、保持金具40が屈曲部43を支点として回動してしまうのを抑制できる。これにより、ソケットハウジング21に対するアンカー部45の抜けをより確実に阻止することができる。
【0041】
また、本実施形態では、引っ掛かり部48をアンカー部45の先端に設けている。すなわち、側板部41から離れた位置に引っ掛かり部48を設けている。そのため、側板部41を押し倒す方向に不意な力が作用した場合に、保持金具40が屈曲部43を支点として回動してしまうのをより一層抑制できる。
【0042】
さらにまた、本実施形態では、ソケットハウジング21に食い込むアンカー部45を側板部41の長手方向両端部に設けている。そのため、保持金具40の自由端領域を減らして、保持金具40をソケットハウジング21からより外れにくくすることができるという利点がある。
【0043】
[第2実施形態]
図6および図7は、本発明の第2実施形態を示した図であり、上記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。
【0044】
本実施形態の保持金具40Aが上記第1実施形態と主に異なる点は、アンカー部45Aをソケットハウジング21の長手方向中央側に向けて延長形成し、引っ掛かり部48を係止片部47に引っ掛けるようにしたことにある。
【0045】
すなわち、保持金具40Aは、ソケットハウジング21の外壁側面21bと外壁天面21aに露出して配置される側板部41と、この側板部41の長手方向両端部下側から折曲されてソケットハウジング21の外壁下面21cに露出する底板部42とを備えている。そして、この一対の底板部42には、当該一対の底板部42からソケットハウジング21の外壁天面21aに向けて折曲される係止片部47が設けられており、この係止片部47に一対の引っ掛かり部48をそれぞれ係止するようにしている。
【0046】
以上の構成により、本実施形態の保持金具40Aによれば、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0047】
すなわち、本実施形態によれば、外力等が入力されたとしても、ソケットハウジング21からより外れにくくすることの可能な保持金具40Aならびに当該保持金具40Aを用いたソケット2(コネクタ接続体)およびコネクタ1を得ることができる。
【0048】
また、本実施形態では、引っ掛かり部48を係止片部47に係止するようにしている。そのため、側板部41が外側に倒れる方向に力が作用した場合にも、引っ掛かり部48が係止片部47に係止されるので、保持金具40が屈曲部43を支点として回動してしまうのを抑制でき、ソケットハウジング21からアンカー部45が外れてしまうのを抑制できる。また、上記第1実施形態に対して、保持金具40Aの部材同士(引っ掛かり部48、係止片部47)を係止させる構成のため、壁(ソケットハウジング21)の強度を高めることができる。よって、上記第1実施形態よりも強い外力に対して、保持金具40(側板部41)の回動を抑制できるという利点がある。
【0049】
[第3実施形態]
図9〜図11は、本発明の第3実施形態を示した図であり、上記第1および第2実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。
【0050】
本実施形態の保持金具40Bが上記第1および第2実施形態と主に異なる点は、引っ掛かり部48の先端側と係止片部47の先端側とに、第1の爪部48aと第2の爪部47aとをそれぞれ設け、これら一対の爪部47a、48aどうしを対向配置させたことにある。
【0051】
具体的には、図10および図11に示すように、本実施形態の保持金具40Bは、一対のアンカー部45の先端部45aからそれぞれ下方に向かって引っ掛かり部48が延長形成されている。そして、この一対の引っ掛かり部48の先端側(図11中下側)に、ソケット2の長手方向Y外側に向かってアンカー部45と略平行に延びる第1の爪部48aがそれぞれ延設されている。その一方で、保持金具40Bには、一対の底板部42からそれぞれ上方に向かって折曲形成されて係止片部47が設けられている。そして、この一対の係止片部47の先端側(図11中上側)に、ソケット2の長手方向Y中央側に向かってアンカー部45と略平行に延びる第2の爪部47aがそれぞれ延設されている。
【0052】
したがって、第1の爪部48aと第2の爪部47aとは、アンカー部45の延在方向となるソケット2の長手方向Yに沿って互いに反対方向に延在することとなる。そして、本実施形態では、第2の爪部47aを第1の爪部48aと引っ掛かり部48とで囲まれた空間に入り込ませるとともに、これら第1の爪部48aと第2の爪部47aとを、僅かな隙間をもって対向配置させるようにしている。このような構成により、保持金具40Bがソケットハウジング21にインサート成形されることによって、第1の爪部48aと第2の爪部47aとの間にはソケットハウジング21内の樹脂が挟まることとなる。
【0053】
また、本実施形態では、第1の爪部48aと第2の爪部47aとを対向させる際に、第2の爪部47aを、係止片部47の先端側であって少なくとも第1の爪部48aをソケットハウジング21の高さ方向Zで越える位置に設けるようにしている。こうすることで、底板部42側の第2の爪部47aを、アンカー部45側の第1の爪部48aに対して常に高さ方向Zの上側に位置させることができる。よって、保持金具40Bが屈曲部43を支点として回動してしまった場合に、第1の爪部48aを第2の爪部47a側に係止させることができるようになり、保持金具40Bがソケットハウジング21から外れてしまうのをより抑制することができる。
また、本実施形態では、ソケットハウジング21内に食い込むアンカー部45の壁面に、ソケットハウジング21内の樹脂が係合する係合部50を設けるようにしている。具体的には、図10および図11に示すように、本実施形態では係合部50がアンカー部45の外壁面45bと内壁面45cとを貫通する貫通穴50aとして形成されている。
【0054】
貫通穴50aは、本実施形態では、アンカー部45の長手方向Yに沿って延びる帯板状の長穴とこの長穴の長手方向Y外側の一端から下側に向けて延設された帯板状の短穴とによる略L字状の貫通穴50aとして形成されている。このような貫通穴50aによって、アンカー部45がソケットハウジング21にインサート成形された際に、ソケットハウジング21内の樹脂が貫通穴50a内に介在して貫通穴50aに係合されることとなる。したがって、側板部41が外側に倒れる方向に力が作用した場合に、アンカー部45は貫通穴50a内の樹脂が引っ掛かって係止されるようになり、これにより保持金具40Bがソケットハウジング21から外れてしまうのをさらに抑制することができる。
【0055】
以上の構成により、本実施形態の保持金具40Bによれば、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、本実施形態によれば、外力等が入力されたとしても、ソケットハウジング21からより外れにくくすることの可能な保持金具40Bならびに当該保持金具40Bを用いたソケット2(コネクタ接続体)およびコネクタ1を得ることができる。
【0056】
また、本実施形態では、引っ掛かり部48にアンカー部45と略平行に延びる第1の爪部48aを延設している。その一方で、係止片部47の先端側であって少なくとも第1の爪部48aをソケットハウジング21の高さ方向Zで越える位置に、アンカー部45と略平行に延びる第2の爪部47aを延設している。そして、これら第1の爪部48aと第2の爪部47aとを対向配置させたので、保持金具40Bが屈曲部43を支点として回動してしまった場合に、これら第1の爪部48aと第2の爪部47aとを係止させることができるようになる。したがって、保持金具40Bのそれ以上の回動を抑制できるようになり、保持金具40Bがソケットハウジング21から外れてしまうのをより抑制できるとともに、ソケットハウジング21のそれ以上の破損を食い止めることができるという利点がある。
ここで、上記第2実施形態では、引っ掛かり部48が係止片部47に係止されているのであるが、保持金具40Aに入力される力の作用方向によっては、保持金具40Aの回動に伴い引っ掛かり部48が係止片部47から外れてしまう恐れがある。この点、本実施形態では、保持金具40Bが外れる方向の力の作用方向に対してより広く対応することができるようになるので、より好適である。
また、本実施形態では、第1の爪部48aと第2の爪部47aとの間に隙間を設け、これら第1の爪部48aと第2の爪部47aとの間にソケットハウジング21内の樹脂を挟み込ませるようにしている。そのため、保持金具40Bが外れる方向に力が作用した場合に、ソケットハウジング内の樹脂が第1の爪部48aと第2の爪部47aとの間に引っ掛かることとなるので、保持金具40Bの回転方向に対する強度を高めることができる。
また、本実施形態では、アンカー部45の壁面(外壁面45b、内壁面45c)にソケットハウジング21内の樹脂が係合する係合部50を設けるようにしている。そのため、保持金具40Bがソケットハウジング21から外れてしまうのをさらに抑制することができ、保持金具40Bの外れによってソケットハウジング21の周壁部26が破損してしまうのをより防止できる。
【0057】
また、本実施形態では、係合部50がアンカー部45の外壁面45bと内壁面45cとを貫通する貫通穴50aとして形成されている。そのため、ソケットハウジング21内の樹脂をアンカー部45の外壁面45b側と内壁面45c側とで連通させることができるようになる。これにより、係合部50と樹脂との係合強度を高めることができ、保持金具40Bの外れをより一層抑制できる。
【0058】
さらにまた、本実施形態では、アンカー部45が、側板部41からソケット2の長手方向Yと沿うように延設されている。そのため、係合部50としての貫通穴50aを側板部41が倒れる(外れる)方向となる長手方向Yと直交する幅方向Xに形成することができるので、保持金具40Bが屈曲部43を支点として回動してしまうのをより一層抑制することができる。
【0059】
また、図9および図10に示すように、本実施形態では、保持金具40Bをソケットハウジング21にインサート成形させる際に、側板部41の天面41aがソケットハウジング21の上端面21aに沿って露出しないようにしている。そのため、作業者が側板部41の天面41aを手指などで掴み持つことを抑制でき、これに伴い作業者が側板部41を押し倒して保持金具40Bを回動させてしまうリスクを減らすことができる。
【0060】
[第4実施形態]
図12および図13は、本発明の第4実施形態を示した図であり、上記第1〜第3実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。
【0061】
本実施形態の保持金具40Cが上記第3実施形態と主に異なる点は、第1の爪部48aと第2の爪部47aとを接触させて設け、これら第1の爪部48aと第2の爪部47aとを係止させるようにしたことにある。
以上の構成により、本実施形態の保持金具40Cによれば、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、本実施形態によれば、外力等が入力されたとしても、ソケットハウジング21からより外れにくくすることの可能な保持金具40Cならびに当該保持金具40Cを用いたソケット2(コネクタ接続体)およびコネクタ1を得ることができる。
【0062】
また、本実施形態では、第1の爪部48aと第2の爪部47aとを接触させて設け、これら第1の爪部48aと第2の爪部47aとを係止させるようにしている。そのため、保持金具40Cの部材同士を係止させることができるので、回転方向に対する保持金具40Cの強度をさらに高めて、保持金具40Cをソケットハウジング21からより一層外れ難くすることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
【0063】
例えば、上記実施形態では本発明にかかるコネクタ接続体をソケットとして具現化した場合について説明したが、ヘッダとしても具現化できることは言うまでもない。
【0064】
また、コネクタ接続体のハウジングや、コンタクト、ポスト等の形状、大きさ、材質等のスペックも、適宜に変更可能である。
【0065】
また、上記第3および第4実施形態では、引っ掛かり部をアンカー部から下方に向けて折曲形成したが、引っ掛かり部をアンカー部から上方に向けて折曲形成するようにしてもよい。この場合にあっても、引っ掛かり部にアンカー部と略平行に延設される第1の爪部を設けることができる。また、これ対して例えば係止片部をアンカー部の先端側から回り込むように折曲形成されるようにし、この係止片部の先端側であって第1の爪部を高さ方向で越す位置に第2の爪部を設けることで、保持金具の回転方向の動作を規制することができる。
【0066】
また、上記第3および第4実施形態では、係合部としてアンカー部を貫通する貫通穴を設けるようにしたが、これに限定されず、例えばアンカー部の壁面(外壁面、内壁面)に係合部として凹部や凸部を設けるようにしてもよい。また、これらの係合部は、一対のアンカー部にそれぞれ複数(2つ以上ずつ)設けるようにしてもよい。
【0067】
また、上記第3および第4実施形態では、保持金具のアンカー部をソケットハウジングの長手方向両端部のそれぞれの周壁部に露出させるようにしたが、図14および図15に示す変形例のように、露出させないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 コネクタ
2 ソケット(一方のコネクタ接続体)
3 ヘッダ(他方のコネクタ接続体)
21 ソケットハウジング(ハウジング)
21a 外壁天面
21b 外壁側面
21c 外壁下面
40 保持金具
40A 保持金具
41 側板部(本体部)
42 底板部(本体部)
42a 取付片部
45 アンカー部
45A アンカー部
47 係止片部
48 引っ掛かり部
Z 上下方向(高さ方向)
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持金具ならびに当該保持金具を用いたコネクタ接続体およびコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ソケット(一方のコネクタ接続体)ハウジングの周壁部に取付片部を有した保持金具を埋設し、この保持金具の取付片部を回路基板に半田付け等により固定することで、ソケットのコンタクト(端子)を回路基板に固定することと相俟って、ソケットと回路基板との結合強度を高めれるようにしたコネクタが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の保持金具は、側板部と底板部とを有した略L字状の本体部を備えており、側板部から折曲されてハウジング内に食い込むアンカー部を設けることで、ハウジングの剛性や強度を向上できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−270099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の保持金具にあっては、ハウジング内に食い込むアンカー部がハウジングの高さ方向に対して略垂直に折曲されているだけなので、外力等によって保持金具がハウジングから外れてしまう恐れがあった。
【0006】
そこで、本発明は、コネクタ接続体のハウジングからより外れにくくすることの可能な保持金具ならびに当該保持金具を用いたコネクタ接続体およびコネクタを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明にあっては、コネクタ接続体のハウジングに埋設される保持金具であって、側板部と底板部とを有した略L字状の本体部と、前記底板部から前記ハウジングの外方に突出して回路基板に固定される取付片部と、前記底板部から前記ハウジングの外壁天面に向けて折曲される係止片部と、前記側板部から前記ハウジングの高さ方向に対して略垂直に折曲されて当該ハウジング内に食い込むアンカー部と、を備えた保持金具において、前記アンカー部に、当該アンカー部から前記ハウジングの高さ方向と略平行に折曲される引っ掛かり部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ハウジング内に食い込むアンカー部にハウジングの高さ方向と略平行に折曲される引っ掛かり部を設けるようにしたので、保持金具がハウジングから外れてしまうのをより抑制することができる。
【0009】
すなわち、本発明によれば、外力等が入力されたとしても、コネクタ接続体のハウジングからより外れにくくすることの可能な保持金具ならびに当該保持金具を用いたコネクタ接続体およびコネクタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるコネクタのソケット全体を斜め上方から見た斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかるコネクタのヘッダ全体を斜め上方から見た斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかるコネクタの結合状態を図1中I−I線に対応する部分で断面した断面図である。
【図4】図1に示すソケットハウジングに埋設される保持金具を示した図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図5】図1に示す保持金具のソケットハウジングへの取付状態を透視して示した斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態にかかるソケットハウジングに埋設される保持金具を示した図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図7】図6に示す保持金具のソケットハウジングへの取付状態を透視して示した斜視図である。
【図8】従来の保持金具のソケットハウジングへの取付状態を透視して示した斜視図である。
【図9】本発明の第3実施形態にかかるコネクタのソケット全体を斜め上方から見た斜視図である。
【図10】図9に示す保持金具のソケットハウジングへの取付状態を透視して示した斜視図である。
【図11】図10の側面図である。
【図12】本発明の第4実施形態にかかる保持金具のソケットハウジングへの取付状態を透視して示した斜視図である。
【図13】図12の側面図である。
【図14】本発明の第3実施形態にかかるコネクタの変形例を示した図である。
【図15】図14に示す保持金具のソケットハウジングへの取付状態を透視して示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
[第1実施形態]
図1〜図5は、本発明にかかるコネクタ1の第1実施形態を示しており、本実施形態のコネクタ1は、図1および図2に示すように、相互に嵌合されるソケット2とヘッダ3とを備えている。なお、本実施形態を説明するにあたって、同図に示すように、図中X方向を幅方向、Y方向を長手方向、Z方向を上下方向(高さ方向)として説明するものとする。
【0013】
ソケット2は、図1に示すように、合成樹脂などの絶縁材料によって形成された細長い矩形状のソケットハウジング21と、このソケットハウジング21の対向した長辺に沿って所定ピッチをもって装着される複数のコンタクト22と、を備えている。
【0014】
ソケットハウジング21は、その周縁部に沿って略矩形環状に連続的に形成される周壁部26と、中央部において周壁部26から所定間隔をあけて形成される略矩形状の島部27とを備えている。そして、これら周壁部26と島部27との間にヘッダ3を嵌合するための凹部23が形成されている。
【0015】
コンタクト22は、本実施形態では凹部23の設けられたソケット2の幅方向両側に一対設けられており、この一対のコンタクト22がそれぞれソケット2の長手方向に複数配列されることで、ソケット側端子群22Gを構成している。
【0016】
コンタクト22は、導電性を有する細長い金属などの弾性材料を曲げ加工することにより形成されている。図3に示すように、コンタクト22は、ソケットハウジング21の幅方向外方に突出する端子部221と、端子部221の内側端部から上方に延長してソケットハウジング21に保持される被保持部222と、を備える。また、被保持部222の上端部からソケットハウジング21の内方に向かって湾曲しつつ下方に延長される第1の接触部223と、第1の接触部223の下端部から更にソケットハウジング21の内方に向けて延長される連結部224と、を備える。また、連結部224の内側端部から上方に立ち上がり、且つその先端部が第1の接触部223に対向する方向に湾曲して突出される第2の接触部225を備えている。
【0017】
そして、第1の接触部223と第2の接触部225とは、互いに対向する方向の弾発力が備わっており、これら第1の接触部223と第2の接触部225とが上述したソケットハウジング21の凹部23内に露出して配置される。また、端子部221がソケットハウジング21の下端に沿って外方に突出して配置される。このようにソケットハウジング21から突出した端子部221は、図示省略した一方の配線基板に実装される。
【0018】
一方、ヘッダ3は、同様に合成樹脂などの絶縁材料によって形成された細長い矩形状のヘッダハウジング31と、このヘッダハウジング31の対向する長辺に沿ってコンタクト22のピッチと等しいピッチをもって装着される複数のポスト32と、を備えている。
【0019】
ヘッダハウジング31は、その周縁部に沿って略矩形環状に連続的に形成される周壁部33を備えており、この周壁部33の内方に略平坦な底壁部34が形成されている。
【0020】
そして、周壁部33の設けられた幅方向両側にポスト22が一対設けられており、この一対のポスト32がそれぞれヘッダ3の長手方向に複数配列されることで、ヘッダ側端子群32Gを構成している。
【0021】
ポスト32は、コンタクト22と同様に導電性を有する細長い金属などの弾性材料を曲げ加工することにより形成されている。図3にも示すように、ポスト32は、ヘッダハウジング31の外側面に露出する第1の接触部321と、第1の接触部321の上端部から下方に向かってU字状に折曲される第2の接触部322と、を備える。また、第2の接触部322からヘッダハウジング31の幅方向外方に向かって突出する端子部323を備えている。
【0022】
そして、U字状に折曲された第1の接触部321と第2の接触部322とは、ヘッダハウジング31の周壁部33を上方から挟持し、この状態で端子部323がヘッダハウジング31の下端に沿って外方に突出して配置される。このようにヘッダハウジング31から突出した端子部323は、図示省略した他方の配線基板に実装される。
【0023】
このようにソケット2とヘッダ3とを備えたコネクタ1は、図3に示すように、ポスト32がそれぞれ取り付けられた周壁部33を、コンタクト22がそれぞれ取り付けられた凹部23に差し込む。これにより、ポスト32の第1の接触部321がコンタクト22の第1の接触部223に接離自在に圧接されるとともに、ポスト32の第2の接触部322がコンタクト22の第2の接触部225に接離自在に圧接される。この状態で、コンタクト22とポスト32とは電気的に接続されて、一方の配線基板と他方の配線基板とを導通させることができる。
【0024】
このとき、図3に示すように、コンタクト22の第1の接触部223とポスト32の第1の接触部321とには、互いに相手側の端子に係合してソケット2とヘッダ3との結合状態を保持するロック部10が設けられている。
【0025】
したがって、ヘッダ3をソケット2に嵌合させる際には、ポスト32の第1および第2の接触部321、322が、コンタクト22の第1および第2の接触部223、225を弾性力に抗して押し開きつつ挿入され、ロック部10がロックされる。そして、ロック部10の段差面どうしが図示するように互いに係合されることによって、ソケット2とヘッダ3との結合状態が保持される。
【0026】
一方、ソケット2とヘッダ3とを離脱させる際には、これら両者を引き剥がし方向に抜去することにより、ロック部10の段差面どうしが相対摺動しつつ、コンタクト22の第1および第2の接触部223、225を押し開いてロック部10の係合が解除される。これにより、ソケット2とヘッダ3とを分離させることができる。
【0027】
ここで、図1に示すように、ソケットハウジング(ハウジング)21の長手方向の両端部には保持金具40が取り付けられている。保持金具40は外方に突出する取付片部42aを有しており、この取付片部42aを一方の回路基板に半田付けする。これにより、コンタクト22の端子部221が半田付けされたことと相俟って、ソケット2が一方の回路基板に対して強固に結合されるようになっている。
【0028】
保持金具40は、図4(a)、(b)に示すように、所定厚さの金属板をプレス成形して形成されたものである。そして、本体部として、ソケットハウジング21の幅方向に延在する側板部(本体部)41と、この側板部41の両端部下側をソケットハウジング11の長手方向中央側に向かって略L字状に折曲した底板部(本体部)42と、を備えて概略構成されている。また、底板部42の両端部をソケットハウジング21の幅方向両側から突出させて回路基板への取付片部42aが形成されている。
【0029】
図5は、保持金具40のソケットハウジング21への取付状態を透視して示した斜視図であり、図5に示すように、ソケットハウジング21を型成形する際に、保持金具40はソケットハウジング21の周壁部26にインサート成形されるようになっている。このとき、保持金具40は、本体部がソケットハウジング21の周壁部26の外壁面に沿って露出した状態で、ソケットハウジング21に取り付けられている。
【0030】
すなわち、側板部41の外側面41bがソケットハウジング21の長手方向の端面(外壁側面)21bに沿って当該端面21bと略面一となる状態で露出するとともに、側板部41の天面41aがソケットハウジング21の外壁天面21aに沿って露出している。また、図5に示すように、底板部42の下面42cがソケットハウジング21の外壁下面21cに沿って露出している。
【0031】
そして、回路基板に半田付けされる取付片部42aが、ソケットハウジング21の幅方向両端面21dから外方に所要量突出して配置される。
【0032】
ここで、保持金具40は、ソケットハウジング21の周壁部26の内部に食い込むアンカー部45を備えている。アンカー部45は、側板部41からソケットハウジング21の上下方向(高さ方向)に対して略垂直に折曲されている。本実施形態では、側板部41の両端部上側をソケットハウジング21の長手方向中央側に向けて略直角に折曲させることで、一対のアンカー部45をそれぞれソケットハウジング21の長辺の周壁部26内に食い込ませるようにしている。
【0033】
また、図5に示すように、底板部42の先端側には、一対の底板部42からソケットハウジング21の外壁天面21aに向けて折曲される係止片部47が形成されている。そして、これら係止片部47とアンカー部45とは、双方とも、保持金具40をソケットハウジング21に対してインサート同時成形した際に、ソケットハウジング21内に食い込んで埋設されるようになっている。ソケットハウジング21内に埋設された係止片部47によって、保持金具40全体のソケットハウジング21に対する相対移動を規制することができる。
【0034】
ところで、図8に示すように、従来の保持金具140が用いられた構成では、ソケットハウジング121内に食い込むアンカー部145が上下方向(高さ方向)に対して略垂直に折曲されているだけなので、外力によって保持金具140が外れてしまう恐れがあった。すなわち、ソケット102に強い衝撃が加わった場合に、保持金具140は本体部の屈曲部143を支点としてソケットハウジング121の長手方向外側方向に回動してしまい、アンカー部145がソケットハウジング121から抜けてしまう不具合があった。特に、ソケットハウジング121の天面121aに保持金具140を露出させる構成では、作業者が手指などで保持金具140の天面141aを掴み持ち、側板部141を押し倒す方向に不意な力が作用した場合に、保持金具40(側板部41)が回動してしまう恐れがある。
【0035】
そこで、本実施形態では、図5に示すように、保持金具40のアンカー部45に、当該アンカー部45からソケットハウジング21の上下方向(高さ方向)と略平行に折曲される引っ掛かり部48を設けるようにしている。
【0036】
引っ掛かり部48は、本実施形態では一対のアンカー部45のそれぞれの先端側を、ソケットハウジング21の外壁下面21cに向けて折曲成形することにより形成されている。そして、この引っ掛かり部48にあっても、ソケットハウジング21内に埋設された状態でインサート成形されている。
【0037】
このように、本実施形態の保持金具40によれば、外力等によって側板部41が外側に倒れる方向に力が作用した場合にも、引っ掛かり部48がインサート成形されたソケットハウジング21内の樹脂に引っ掛かって係止される。よって、保持金具40がソケットハウジング21から外れてしまうのを抑制することができるようになる。
【0038】
以上、詳細に亘って説明してきたように、本実施形態では、ソケットハウジング21(ハウジング)内に食い込むアンカー部45に、ソケットハウジング21の上下方向(高さ方向)と略平行に折曲される引っ掛かり部48を設けるようにしている。そのため、側板部41が外側に倒れる方向に力が作用した場合にも、引っ掛かり部48によって保持金具40が係止され、ソケットハウジング21から保持金具40が外れてしまうのを抑制することができる。
【0039】
すなわち、本実施形態によれば、外力等が入力されたとしても、ソケットハウジング21からより外れにくくすることの可能な保持金具40ならびに当該保持金具40を用いたソケット2(コネクタ接続体)およびコネクタ1を得ることができる。
【0040】
また、本実施形態では、側板部41がソケットハウジング21の外壁側面21bと外壁天面21aとに露出して配置されている。そして、側板部41の長手方向両端部上側から折曲されて前記アンカー部45が設けられるとともに、当該一対のアンカー部45からソケットハウジング21の外壁下面21cに向けて前記引っ掛かり部48が折曲形成されている。よって、作業者が手指などで保持金具40の露出した天面41aを掴み持ち、側板部41を押し倒す方向に不意な力が作用した場合にも、天面21aの近傍に位置する引っ掛かり部48が係止され、保持金具40が屈曲部43を支点として回動してしまうのを抑制できる。これにより、ソケットハウジング21に対するアンカー部45の抜けをより確実に阻止することができる。
【0041】
また、本実施形態では、引っ掛かり部48をアンカー部45の先端に設けている。すなわち、側板部41から離れた位置に引っ掛かり部48を設けている。そのため、側板部41を押し倒す方向に不意な力が作用した場合に、保持金具40が屈曲部43を支点として回動してしまうのをより一層抑制できる。
【0042】
さらにまた、本実施形態では、ソケットハウジング21に食い込むアンカー部45を側板部41の長手方向両端部に設けている。そのため、保持金具40の自由端領域を減らして、保持金具40をソケットハウジング21からより外れにくくすることができるという利点がある。
【0043】
[第2実施形態]
図6および図7は、本発明の第2実施形態を示した図であり、上記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。
【0044】
本実施形態の保持金具40Aが上記第1実施形態と主に異なる点は、アンカー部45Aをソケットハウジング21の長手方向中央側に向けて延長形成し、引っ掛かり部48を係止片部47に引っ掛けるようにしたことにある。
【0045】
すなわち、保持金具40Aは、ソケットハウジング21の外壁側面21bと外壁天面21aに露出して配置される側板部41と、この側板部41の長手方向両端部下側から折曲されてソケットハウジング21の外壁下面21cに露出する底板部42とを備えている。そして、この一対の底板部42には、当該一対の底板部42からソケットハウジング21の外壁天面21aに向けて折曲される係止片部47が設けられており、この係止片部47に一対の引っ掛かり部48をそれぞれ係止するようにしている。
【0046】
以上の構成により、本実施形態の保持金具40Aによれば、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0047】
すなわち、本実施形態によれば、外力等が入力されたとしても、ソケットハウジング21からより外れにくくすることの可能な保持金具40Aならびに当該保持金具40Aを用いたソケット2(コネクタ接続体)およびコネクタ1を得ることができる。
【0048】
また、本実施形態では、引っ掛かり部48を係止片部47に係止するようにしている。そのため、側板部41が外側に倒れる方向に力が作用した場合にも、引っ掛かり部48が係止片部47に係止されるので、保持金具40が屈曲部43を支点として回動してしまうのを抑制でき、ソケットハウジング21からアンカー部45が外れてしまうのを抑制できる。また、上記第1実施形態に対して、保持金具40Aの部材同士(引っ掛かり部48、係止片部47)を係止させる構成のため、壁(ソケットハウジング21)の強度を高めることができる。よって、上記第1実施形態よりも強い外力に対して、保持金具40(側板部41)の回動を抑制できるという利点がある。
【0049】
[第3実施形態]
図9〜図11は、本発明の第3実施形態を示した図であり、上記第1および第2実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。
【0050】
本実施形態の保持金具40Bが上記第1および第2実施形態と主に異なる点は、引っ掛かり部48の先端側と係止片部47の先端側とに、第1の爪部48aと第2の爪部47aとをそれぞれ設け、これら一対の爪部47a、48aどうしを対向配置させたことにある。
【0051】
具体的には、図10および図11に示すように、本実施形態の保持金具40Bは、一対のアンカー部45の先端部45aからそれぞれ下方に向かって引っ掛かり部48が延長形成されている。そして、この一対の引っ掛かり部48の先端側(図11中下側)に、ソケット2の長手方向Y外側に向かってアンカー部45と略平行に延びる第1の爪部48aがそれぞれ延設されている。その一方で、保持金具40Bには、一対の底板部42からそれぞれ上方に向かって折曲形成されて係止片部47が設けられている。そして、この一対の係止片部47の先端側(図11中上側)に、ソケット2の長手方向Y中央側に向かってアンカー部45と略平行に延びる第2の爪部47aがそれぞれ延設されている。
【0052】
したがって、第1の爪部48aと第2の爪部47aとは、アンカー部45の延在方向となるソケット2の長手方向Yに沿って互いに反対方向に延在することとなる。そして、本実施形態では、第2の爪部47aを第1の爪部48aと引っ掛かり部48とで囲まれた空間に入り込ませるとともに、これら第1の爪部48aと第2の爪部47aとを、僅かな隙間をもって対向配置させるようにしている。このような構成により、保持金具40Bがソケットハウジング21にインサート成形されることによって、第1の爪部48aと第2の爪部47aとの間にはソケットハウジング21内の樹脂が挟まることとなる。
【0053】
また、本実施形態では、第1の爪部48aと第2の爪部47aとを対向させる際に、第2の爪部47aを、係止片部47の先端側であって少なくとも第1の爪部48aをソケットハウジング21の高さ方向Zで越える位置に設けるようにしている。こうすることで、底板部42側の第2の爪部47aを、アンカー部45側の第1の爪部48aに対して常に高さ方向Zの上側に位置させることができる。よって、保持金具40Bが屈曲部43を支点として回動してしまった場合に、第1の爪部48aを第2の爪部47a側に係止させることができるようになり、保持金具40Bがソケットハウジング21から外れてしまうのをより抑制することができる。
また、本実施形態では、ソケットハウジング21内に食い込むアンカー部45の壁面に、ソケットハウジング21内の樹脂が係合する係合部50を設けるようにしている。具体的には、図10および図11に示すように、本実施形態では係合部50がアンカー部45の外壁面45bと内壁面45cとを貫通する貫通穴50aとして形成されている。
【0054】
貫通穴50aは、本実施形態では、アンカー部45の長手方向Yに沿って延びる帯板状の長穴とこの長穴の長手方向Y外側の一端から下側に向けて延設された帯板状の短穴とによる略L字状の貫通穴50aとして形成されている。このような貫通穴50aによって、アンカー部45がソケットハウジング21にインサート成形された際に、ソケットハウジング21内の樹脂が貫通穴50a内に介在して貫通穴50aに係合されることとなる。したがって、側板部41が外側に倒れる方向に力が作用した場合に、アンカー部45は貫通穴50a内の樹脂が引っ掛かって係止されるようになり、これにより保持金具40Bがソケットハウジング21から外れてしまうのをさらに抑制することができる。
【0055】
以上の構成により、本実施形態の保持金具40Bによれば、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、本実施形態によれば、外力等が入力されたとしても、ソケットハウジング21からより外れにくくすることの可能な保持金具40Bならびに当該保持金具40Bを用いたソケット2(コネクタ接続体)およびコネクタ1を得ることができる。
【0056】
また、本実施形態では、引っ掛かり部48にアンカー部45と略平行に延びる第1の爪部48aを延設している。その一方で、係止片部47の先端側であって少なくとも第1の爪部48aをソケットハウジング21の高さ方向Zで越える位置に、アンカー部45と略平行に延びる第2の爪部47aを延設している。そして、これら第1の爪部48aと第2の爪部47aとを対向配置させたので、保持金具40Bが屈曲部43を支点として回動してしまった場合に、これら第1の爪部48aと第2の爪部47aとを係止させることができるようになる。したがって、保持金具40Bのそれ以上の回動を抑制できるようになり、保持金具40Bがソケットハウジング21から外れてしまうのをより抑制できるとともに、ソケットハウジング21のそれ以上の破損を食い止めることができるという利点がある。
ここで、上記第2実施形態では、引っ掛かり部48が係止片部47に係止されているのであるが、保持金具40Aに入力される力の作用方向によっては、保持金具40Aの回動に伴い引っ掛かり部48が係止片部47から外れてしまう恐れがある。この点、本実施形態では、保持金具40Bが外れる方向の力の作用方向に対してより広く対応することができるようになるので、より好適である。
また、本実施形態では、第1の爪部48aと第2の爪部47aとの間に隙間を設け、これら第1の爪部48aと第2の爪部47aとの間にソケットハウジング21内の樹脂を挟み込ませるようにしている。そのため、保持金具40Bが外れる方向に力が作用した場合に、ソケットハウジング内の樹脂が第1の爪部48aと第2の爪部47aとの間に引っ掛かることとなるので、保持金具40Bの回転方向に対する強度を高めることができる。
また、本実施形態では、アンカー部45の壁面(外壁面45b、内壁面45c)にソケットハウジング21内の樹脂が係合する係合部50を設けるようにしている。そのため、保持金具40Bがソケットハウジング21から外れてしまうのをさらに抑制することができ、保持金具40Bの外れによってソケットハウジング21の周壁部26が破損してしまうのをより防止できる。
【0057】
また、本実施形態では、係合部50がアンカー部45の外壁面45bと内壁面45cとを貫通する貫通穴50aとして形成されている。そのため、ソケットハウジング21内の樹脂をアンカー部45の外壁面45b側と内壁面45c側とで連通させることができるようになる。これにより、係合部50と樹脂との係合強度を高めることができ、保持金具40Bの外れをより一層抑制できる。
【0058】
さらにまた、本実施形態では、アンカー部45が、側板部41からソケット2の長手方向Yと沿うように延設されている。そのため、係合部50としての貫通穴50aを側板部41が倒れる(外れる)方向となる長手方向Yと直交する幅方向Xに形成することができるので、保持金具40Bが屈曲部43を支点として回動してしまうのをより一層抑制することができる。
【0059】
また、図9および図10に示すように、本実施形態では、保持金具40Bをソケットハウジング21にインサート成形させる際に、側板部41の天面41aがソケットハウジング21の上端面21aに沿って露出しないようにしている。そのため、作業者が側板部41の天面41aを手指などで掴み持つことを抑制でき、これに伴い作業者が側板部41を押し倒して保持金具40Bを回動させてしまうリスクを減らすことができる。
【0060】
[第4実施形態]
図12および図13は、本発明の第4実施形態を示した図であり、上記第1〜第3実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとする。
【0061】
本実施形態の保持金具40Cが上記第3実施形態と主に異なる点は、第1の爪部48aと第2の爪部47aとを接触させて設け、これら第1の爪部48aと第2の爪部47aとを係止させるようにしたことにある。
以上の構成により、本実施形態の保持金具40Cによれば、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、本実施形態によれば、外力等が入力されたとしても、ソケットハウジング21からより外れにくくすることの可能な保持金具40Cならびに当該保持金具40Cを用いたソケット2(コネクタ接続体)およびコネクタ1を得ることができる。
【0062】
また、本実施形態では、第1の爪部48aと第2の爪部47aとを接触させて設け、これら第1の爪部48aと第2の爪部47aとを係止させるようにしている。そのため、保持金具40Cの部材同士を係止させることができるので、回転方向に対する保持金具40Cの強度をさらに高めて、保持金具40Cをソケットハウジング21からより一層外れ難くすることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
【0063】
例えば、上記実施形態では本発明にかかるコネクタ接続体をソケットとして具現化した場合について説明したが、ヘッダとしても具現化できることは言うまでもない。
【0064】
また、コネクタ接続体のハウジングや、コンタクト、ポスト等の形状、大きさ、材質等のスペックも、適宜に変更可能である。
【0065】
また、上記第3および第4実施形態では、引っ掛かり部をアンカー部から下方に向けて折曲形成したが、引っ掛かり部をアンカー部から上方に向けて折曲形成するようにしてもよい。この場合にあっても、引っ掛かり部にアンカー部と略平行に延設される第1の爪部を設けることができる。また、これ対して例えば係止片部をアンカー部の先端側から回り込むように折曲形成されるようにし、この係止片部の先端側であって第1の爪部を高さ方向で越す位置に第2の爪部を設けることで、保持金具の回転方向の動作を規制することができる。
【0066】
また、上記第3および第4実施形態では、係合部としてアンカー部を貫通する貫通穴を設けるようにしたが、これに限定されず、例えばアンカー部の壁面(外壁面、内壁面)に係合部として凹部や凸部を設けるようにしてもよい。また、これらの係合部は、一対のアンカー部にそれぞれ複数(2つ以上ずつ)設けるようにしてもよい。
【0067】
また、上記第3および第4実施形態では、保持金具のアンカー部をソケットハウジングの長手方向両端部のそれぞれの周壁部に露出させるようにしたが、図14および図15に示す変形例のように、露出させないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 コネクタ
2 ソケット(一方のコネクタ接続体)
3 ヘッダ(他方のコネクタ接続体)
21 ソケットハウジング(ハウジング)
21a 外壁天面
21b 外壁側面
21c 外壁下面
40 保持金具
40A 保持金具
41 側板部(本体部)
42 底板部(本体部)
42a 取付片部
45 アンカー部
45A アンカー部
47 係止片部
48 引っ掛かり部
Z 上下方向(高さ方向)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ接続体のハウジングに埋設される保持金具であって、側板部と底板部とを有した略L字状の本体部と、前記底板部から前記ハウジングの外方に突出して回路基板に固定される取付片部と、前記底板部から前記ハウジングの外壁天面に向けて折曲される係止片部と、前記側板部から前記ハウジングの高さ方向に対して略垂直に折曲されて当該ハウジング内に食い込むアンカー部と、を備えた保持金具において、
前記アンカー部に、当該アンカー部から前記ハウジングの高さ方向と略平行に折曲される引っ掛かり部を設けたことを特徴とする保持金具。
【請求項2】
前記側板部が前記ハウジングの外壁側面に露出して配置されるとともに、前記底板部が前記ハウジングの外壁下面に露出して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の保持金具。
【請求項3】
前記側板部は、前記ハウジングの外壁側面と外壁天面とに露出して配置され、
前記側板部の長手方向両端部上側から折曲されて前記アンカー部が設けられるとともに、当該一対のアンカー部から前記ハウジングの外壁下面に向けて前記引っ掛かり部が折曲形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の保持金具。
【請求項4】
前記引っ掛かり部を前記アンカー部の先端に設けたことを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載の保持金具。
【請求項5】
前記引っ掛かり部を、前記係止片部に係止するようにしたことを特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項に記載の保持金具。
【請求項6】
前記引っ掛かり部に、前記アンカー部と略平行に延びる第1の爪部を延設するとともに、前記係止片部の先端側であって少なくとも前記第1の爪部を前記ハウジングの高さ方向で越える位置に、前記アンカー部と略平行に延びる第2の爪部を延設し、
前記第1の爪部と前記第2の爪部とを対向配置させたことを特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項に記載の保持金具。
【請求項7】
前記第1の爪部と前記第2の爪部との間に隙間を設け、前記第1の爪部と前記第2の爪部との間に前記ハウジング内の樹脂を挟み込ませるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の保持金具。
【請求項8】
前記第1の爪部と前記第2の爪部とを接触させて設け、前記第1の爪部と前記第2の爪部とを係止させるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の保持金具。
【請求項9】
請求項1〜8のうち何れか1項に記載の前記保持金具を用いたコネクタ接続体。
【請求項10】
請求項9に記載の前記コネクタ接続体を、少なくとも一方のコネクタ接続体に用いたコネクタ。
【請求項1】
コネクタ接続体のハウジングに埋設される保持金具であって、側板部と底板部とを有した略L字状の本体部と、前記底板部から前記ハウジングの外方に突出して回路基板に固定される取付片部と、前記底板部から前記ハウジングの外壁天面に向けて折曲される係止片部と、前記側板部から前記ハウジングの高さ方向に対して略垂直に折曲されて当該ハウジング内に食い込むアンカー部と、を備えた保持金具において、
前記アンカー部に、当該アンカー部から前記ハウジングの高さ方向と略平行に折曲される引っ掛かり部を設けたことを特徴とする保持金具。
【請求項2】
前記側板部が前記ハウジングの外壁側面に露出して配置されるとともに、前記底板部が前記ハウジングの外壁下面に露出して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の保持金具。
【請求項3】
前記側板部は、前記ハウジングの外壁側面と外壁天面とに露出して配置され、
前記側板部の長手方向両端部上側から折曲されて前記アンカー部が設けられるとともに、当該一対のアンカー部から前記ハウジングの外壁下面に向けて前記引っ掛かり部が折曲形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の保持金具。
【請求項4】
前記引っ掛かり部を前記アンカー部の先端に設けたことを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載の保持金具。
【請求項5】
前記引っ掛かり部を、前記係止片部に係止するようにしたことを特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項に記載の保持金具。
【請求項6】
前記引っ掛かり部に、前記アンカー部と略平行に延びる第1の爪部を延設するとともに、前記係止片部の先端側であって少なくとも前記第1の爪部を前記ハウジングの高さ方向で越える位置に、前記アンカー部と略平行に延びる第2の爪部を延設し、
前記第1の爪部と前記第2の爪部とを対向配置させたことを特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項に記載の保持金具。
【請求項7】
前記第1の爪部と前記第2の爪部との間に隙間を設け、前記第1の爪部と前記第2の爪部との間に前記ハウジング内の樹脂を挟み込ませるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の保持金具。
【請求項8】
前記第1の爪部と前記第2の爪部とを接触させて設け、前記第1の爪部と前記第2の爪部とを係止させるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の保持金具。
【請求項9】
請求項1〜8のうち何れか1項に記載の前記保持金具を用いたコネクタ接続体。
【請求項10】
請求項9に記載の前記コネクタ接続体を、少なくとも一方のコネクタ接続体に用いたコネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−182110(P2012−182110A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196665(P2011−196665)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]