保管具及び保管システム
【課題】タイムカプセル的機能を維持しつつ、不測の事態等が生じた場合には、手動操作によって開放状態とすることができる保管具及び保管システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、本体1の内側に設けられ、前記開口部21が開放状態となる時期を設定できる操作部10と、前記時期の設定後、前記開口部21を閉塞状態とすることにより、この閉塞状態を保持し、設定された時期の到来により閉塞状態を解除するロック機構5と、このロック機構5による閉塞状態を手動操作により解除操作可能なロック解除操作手段6と、復元困難な物理的変化を伴ってロック解除操作手段の操作が可能となる封印手段7とを備える保管具である。
【解決手段】本発明は、本体1の内側に設けられ、前記開口部21が開放状態となる時期を設定できる操作部10と、前記時期の設定後、前記開口部21を閉塞状態とすることにより、この閉塞状態を保持し、設定された時期の到来により閉塞状態を解除するロック機構5と、このロック機構5による閉塞状態を手動操作により解除操作可能なロック解除操作手段6と、復元困難な物理的変化を伴ってロック解除操作手段の操作が可能となる封印手段7とを備える保管具である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定した時期が到来するまで開閉が困難な保管具及び保管システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、後世の人に伝えるための記録や例えば、卒業記念の記念品、手紙等を数年後、あるいは数十年後に開封する目的で地中に埋めることが行われている。しかし、この場合、開封時期が長期間経過後に至ると、埋めた場所が不明になったり、不用意に掘り起されてしまったりして記念品等の回収が困難になる場合がある。
【0003】
そこで、開封期日設定部を設け、期日を設定することにより、その期日までの間、開封困難となるタイムカプセル機能を構成する収納ケースが提案されている(特許文献1参照)。さらに、加えて、蓋の開放年月日を予めセットするためのロック解除年月日設定器を蓋が開放された状態で操作するタイムカプセル様容器が知られている(特許文献2及び特許文献3参照)。また、使用者が所望する開封日時を設定でき、設定された開封日時が到来した時に蓋が自動開封される時限開封機能付きケースが提案されており、ここには、開封日時前であっても、所定の暗証番号を入力することによって、開封できるように工夫してもよい旨の開示がある(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−43925号公報
【特許文献2】実開昭64−47658号公報
【特許文献3】実開昭64−47659号公報
【特許文献4】特開2002−308316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に示されたものは、タイムカプセル的機能を十分に発揮するために、一旦、開封期日を設定し、蓋を閉めてしまうと開封することができない。このため緊急事態、不測の事態等が生じてケースの中に入れた物を取り出す場合には、止むを得ずケースを壊して取り出すしかなかった。これは、タイムカプセル的機能を発揮するには必要かつ十分な構成であるといえる反面、緊急事態、不測の事態等に対応できず、実際に商品化を考えた場合、ユーザにとって不便であり商品的魅力を希薄にするものとなる。
【0006】
一方、特許文献4に示されたものは、暗証番号を入力することによって開封できるものであるため、暗証番号を知っていればいつでも開封でき、また、開封しても何ら痕跡が残らず、開封を心理的に抑制する効果が少なく、タイムカプセル的機能を十分に発揮できるものとはいえない。例えば、数年後の成人式の記念にプレゼントの品を入れて贈られた場合、いつでも開封可能という安心感が働き、夢や楽しさといったものが半減する結果を招来する。さらに、暗証番号を他人に知られないように、かつ忘れないように管理しておく必要があり、特に、開封時期が長期間に亘る場合には、暗証番号の管理が容易ではない。
【0007】
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたもので、設定した時期の到来よりも前に開放状態にするのを心理的に抑制することによって、タイムカプセル的機能を維持しつつ、不測の事態等が生じた場合には、手動操作によって開放状態とすることができる保管具及び保管システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の保管具は、開閉可能な開口部を有する本体と、本体の内側に設けられ、前記開口部が開放状態となる時期を設定できる操作部と、前記時期の設定後、前記開口部を閉塞状態とすることにより、この閉塞状態を保持し、設定された時期の到来により閉塞状態を解除するロック機構と、このロック機構による閉塞状態を手動操作により解除操作可能なロック解除操作手段と、このロック解除操作手段を外方から覆うように設けられ、復元困難な物理的変化を伴ってロック解除操作手段の操作が可能となる封印手段と、を具備することを特徴とする。
【0009】
本発明及び以下の発明において、特に指定しない限り用語の定義及び技術的意味は次による。保管具とは、例えば、箱状や袋状のものを含み、その形状や大きさが格別限定されるものではなく、金庫等を含む概念である。また、時期を設定とは、特定の年月日、期間、時間等が設定される場合を意味する。ロック機構は、電気的、機械的なもの又は双方が混在するものが適用できる。ロック解除操作手段には、例えば、押しボタンスイッチ、暗証番号入力手段や機械的操作手段を用いることができる。さらに、復元困難な物理的変化を伴ってとは、封印手段が破壊されたり、再貼着困難であったりして、その痕跡が残る場合を意味する。
【0010】
請求項2に記載の保管具は、請求項1に記載の保管具において、前記本体は載置面を有し、前記封印手段は、載置面側に設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の保管システムは、開閉可能な扉を有する金庫と、この金庫の中に設けられ、開閉可能な開口部を有する本体と、本体の内側に設けられ、前記開口部が開放状態となる時期を設定できる操作部と、前記時期の設定後、前記開口部を閉塞状態とすることにより、この閉塞状態を保持し、設定された時期の到来により閉塞状態を解除するロック機構とを有する保管部と、前記金庫の外面側に設けられ、前記ロック機構による閉塞状態を手動操作により解除操作可能なロック解除操作手段と、このロック解除操作手段を外方から覆うように設けられ、復元困難な物理的変化を伴ってロック解除操作手段の操作が可能となる封印手段とを有する封印操作部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の本発明によれば、設定した時期の到来よりも前に開放状態にするには、心理的な抑制が作用するため、タイムカプセル的機能を効果的に維持することができる。また、不測の事態等が生じた場合には、手動操作によって開放状態とすることができるので商品的価値の高い保管具を提供することができる。
【0013】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、封印手段は、載置面側に設けられているので、外観上、現れることがなく、デザイン性を損なうことがない。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、セキュリティーが高く、早期に不正が発見できる保管システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る保管具を示す斜視図である。
【図2】同収納部を示す断面図である。
【図3】同収納部を示す底面図である。
【図4】同ロック解除操作手段の操作状態を示す断面図である。
【図5】同ロック機構を示す断面図である。
【図6】同じくロック機構を示す断面図である。
【図7】同じくロック機構を示す断面図である。
【図8】同保管具を示すブロック構成図である。
【図9】同操作及び動作を示すフローチャートである。
【図10】保管具の他の実施形態を示す斜視図である。
【図11】封印手段の他の実施形態を示す底面図である。
【図12】ロック解除操作手段の他の実施形態を示す底面図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る保管具を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施形態に係る保管システムを示す正面図である。
【図15】同保管システムの扉を開いた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施形態に係る保管具について図1乃至図8を参照して説明する。なお、各図において、同一又は相当部分には、同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0017】
まず、図1乃至図7に示すように、保管具としての保管ケース本体1は、各種記念日の記念品やメッセージが記録された文書、メッツセージが録音され再生できる媒体、映像が録画され再生できる媒体等を保管し、置物としても適するように装飾的な美感を有して形成されている。保管ケース本体1は、アルミニウム等の金属、合成樹脂や木材等で形成され、必要に応じ表面に塗装や皮、布を貼り付けて装飾を施した箱状であり、収納部2と蓋部3とを備えている。
【0018】
収納部2は、収納スペースを有し、前面側から後面側に向かうに従い高さ寸法が大きくなるように傾斜状に形成され、上面に四角形状の開口部21を備え、底面側を載置面22としている。蓋部3は、収納部2の開口部21と対応し、これを閉塞するような形態をなしている。そして、蓋部3は、開口部21を開閉可能なように収納部2にヒンジによって連結されている。この連結は、蓋部3による開口部21の閉塞状態と開放状態とでスナップアクションによる節度感を有するようになされている。
【0019】
収納部2には、制御装置4、ロック機構5、ロック解除操作手段としてのロック解除操作ボタン6、封印手段7、表示部8及びバッテリ9が設けられている。また、蓋部3の内側には、操作部としての入力手段10及び内部表示手段11が設けられているとともに、前面側の略中央部には、係着孔55aが形成された係着金具55が設けられている。
【0020】
制御装置4は、例えば、マイクロコンピュータであり、主として入力手段10からの入力情報に基づき、ロック機構5の動作を制御するものであり、図2に示すように、収納部2の内底面に設けられている。
【0021】
ロック機構5は、蓋部3を開口部21に対して閉塞状態に保持する機能を有するもので、収納部2の前面側の内壁面に取付けられている。このロック機構5について図5乃至図7を参照して詳細に説明する。各図において、(a)は平面方向に切断して示す断面図、(b)は(a)のY−Y線に沿って切断して示す断面図である。図5に示すように、ロック機構5は、直方体状のケース51、このケース51内に収納されたプランジャ金具52及びソレノイド53、ケース51の外面に取付けられた係止ばね板54を備えている。
【0022】
ケース51の一側面には、プランジャ金具52が出没する開口51aが形成されており、また、後面には、係止ばね板54の係合子54aが進退する開口51bが形成されている。プランジャ金具52は、係合子54aが係合する係合孔52aを有し、先端部は曲面状のテーパ面に形成され、後端部に圧縮コイルばね56が取付けられて、ケース51内に往復動可能に設けられている。したがって、プランジャ金具52は、圧縮コイルばね56によって、常時は、突出方向に付勢されている。
【0023】
ソレノイド53は、プランジャ金具52の周囲に巻回されており、制御装置4及びバッテリ9と電気的に接続されている。また、係止ばね板54は、一端側がケース51にねじ等の固定手段によって固着されており、他端側に係合子54a及び操作ノブ54bを備えている。
【0024】
このように構成されたロック機構5の動作について説明する。まず、図5に示す初期状態において、係止ばね板54の操作ノブ54bを指で摘み、固定手段を中心として図示矢印方向に回動する。すると、図6に示すように、係合子54aのプランジャ金具52の係合孔52aとの係合が解かれ、プランジャ金具52は、圧縮コイルばね56の弾性力により、突出した状態となる。この状態では、係止ばね板54の係合子54aは、プランジャ金具52の側面に所定の矢印方向の復帰弾性力で接触している。
【0025】
次に、蓋部3を閉塞状態にすると、図7に示すように、係着金具55の先端部がプランジャ金具52のテーパ面に当接され、一旦、プランジャ金具52を没入方向に後退させる。その後、係着孔55aが所定位置に達するとプランジャ金具52が復帰進出して係着孔55aに係合し、蓋部3は閉塞状態にロックされる。
【0026】
なお、この状態から後述するように、ソレノイド53が励磁されると、プランジャ金具52はケース51内に没入するように動作し、係着金具55との係合が解かれ、係止ばね板54の係合子54aがプランジャ金具52の係合孔52aに再び係合し、図5に示す状態に戻る。すなわち、蓋部3の閉塞状態のロックが解除された状態となり、蓋部3を開放状態にすることが可能となる。
【0027】
図2及び図3に示すように、ロック解除操作ボタン6は、具体的には、押ボタンスイッチであり、収納部2の底面側に周囲を隔壁により区画されて、底面より突出しないように内方に配設されている。そして、このロック解除操作ボタン6と対向する底面、すなわち、載置面22の角部には、封印手段7が設けられている。この封印手段7は、ロック解除操作ボタン6を覆うように底面と一体的に形成されており、四角形のミシン目状に多数の貫通孔を形成して構成されている。これにより封印手段7は、破壊しやすくなっている。なお、封印手段7は、底面と一体的ではなく、別体の部材で構成してもよい。
【0028】
このような構成において、ロック解除操作ボタン6を操作する場合には、図4に示すように、親指、人差指等で封印手段7を強く押し、ミシン目、もしくは切れ目に沿って破壊する。すると、ロック解除操作ボタン6が操作可能な状態となるので、操作ボタン6を押圧操作する。このとき、封印手段7は、復元困難な物理的変化を伴い、つまり、破壊されるのでロック解除操作ボタン6が操作された痕跡が明確に残るものとなる。また、封印手段7は、底面の角部、つまり、外周縁部に設けられているので、保管ケース本体1を両手で支えながら親指で操作しやすい位置となっている。
【0029】
なお、封印手段7の破壊は、ドライバ等の工具を用いて行うようにしてもよく、さらに、封印手段7を設ける場所は、載置面22側に限らず、デザイン性を損なうことがない位置であればよい。
【0030】
表示部8は、LCD等から構成され、収納部2の前面壁に設けられている。この表示部8には、現在の年月日及び設定した時期までの残日数が表示されるようになっている。なお、設定した時期を表示するようにしてもよく、加えて、表示部8には、時刻、温度、湿度等を表示するようにしてもよい。バッテリ9は、例えば、リチウム電池や太陽電池であり、制御装置4、ソレノイド53、表示部8等に電源を供給するものであり、収納部2の内底面に設けられている。
【0031】
次に、本実施形態のブロック構成について図8を参照して説明する。制御装置4は、演算手段41、記憶部42、タイマー43及び比較回路44を備え、バッテリ9に接続されている。また、制御装置4には、入力手段10、内部表示手段11、ソレノイド53、ロック解除操作ボタン6及び表示部8が接続されている。
【0032】
入力手段10は、数字キー、クリアキーC、セットキーSを備えており、このキーの操作により蓋部3を開放状態とする時期を設定できるようになっている。例えば、開放状態とする時期を「2012年5月30日15時00分」と設定する場合には、その数字キーを入力する。その入力内容は、記憶部42に格納されるとともに内部表示部11に表示されるので、入力内容を確認しながら入力操作を行うことができる。その後、セットキーSを入力するとカウントが開始される。なお、開放状態とする時期を例えば、あと何年後、何日後といった形式で設定できるようにしてもよく、また、秒単位まで設定できるようにしてもよい。さらに、電波時計機能をもたせ正確な時期のカウントができるようにすることが好ましい。
【0033】
ソレノイド53は、その通電により励磁されプランジャ金具52を吸引する機能をなすものである。ロック解除操作ボタン6は、操作されると、その信号が制御装置4に入力され、ソレノイド53に通電されるようになっている。また、表示部8は、タイマー43のカウント内容に従って現在の年月日を表示するとともに、演算手段41で演算された設定時期までの残日数を表示するようになっている。
【0034】
以上のように構成された本実施形態の操作及び動作について図9のフローチャートを参照して説明する。まず、蓋部3の開放状態において(S1)、収納部2に開口部21を通じて記念品や文書等の物を入れる(S2)。入力手段10により開放時期を設定し、セットキーSを入力する(S3)。これにより開放時期のカウントダウンがタイマー43によって行われる。続いて、ロック機構5における係止ばね板54の操作ノブ54bを操作し、プランジャ金具52を突出した状態とする(S4)。蓋部3を閉塞状態とすると、蓋部3の係着金具55がプランジャ金具52に係合し、蓋部3は閉塞状態にロックされ設定された時期までロック状態が保持される(S5)。この間、記憶部42に格納された設定された時期と現在時期との比較が比較回路44によって実行されている。そして、設定された時期が到来すると、比較回路44から一致信号が出力され(S6)、ソレノイド53に通電され、その励磁によりプランジャ金具52が吸引されてケース51内に没入し、係着金具55との係合が解かれ、その結果、ロックが解除され蓋部3は開放可能となる(S7)。
【0035】
一方、不測の事態等が生じ、止むを得ず設定された時期が到来する前に、蓋部3を開放状態にするには、封印手段7を破壊し、ロック解除操作ボタン6を押圧操作する(S8)。この場合にも同様に、ソレノイド53に通電され、ロックが解除され蓋部3を開放状態とすることができる。
【0036】
なお、設定された時期が到来し、開放状態となった以後、再度開放時期を設定し、蓋部3を閉塞状態とすることにより、再度初期の状態での使用が可能となる。また、封印手段7を破壊した場合には、いつでもロック解除操作ボタン6を操作できる状態とはなるが、再度開放時期を設定し、タイムカプセル的に使用したり、又は小物入れとして使用したりすることができる。
【0037】
以上のように本実施形態によれば、設定した時期の到来よりも前に開放状態にするには、封印手段7を破壊しなければならず、しかも、その痕跡が残るので、開放状態にすることに対し、心理的な抑制が作用するため、タイムカプセル的機能を効果的に維持することができる。また、不測の事態等が生じた場合には、手動操作によって封印手段7を破壊し、開放状態とすることができるので商品的価値の高い保管具を提供することができる。
【0038】
さらに、封印手段7は、載置面22側に設けられているので、外観上、現れることがなく、デザイン性を損なうことがない。また、封印手段7が載置面22に突出することもないので、保管ケース本体1を安定した状態で載置できる。
【0039】
操作部としての入力手段10は、保管ケース本体1の内側、すなわち、蓋部3の内側に設けられているので、時期を設定して蓋部3を閉塞状態にした後には、入力手段10は外に現れず、暗証番号等の入力によっては開放できないことが外観上、明白となる。また、不測の事態等が生じた場合には、保管ケース本体1を破壊することなく、封印手段7を破壊することにより開放状態とすることができるので、ダメージが少なく、その後も再使用が可能となる。
【0040】
続いて、本実施形態の保管具の他の実施形態について図10を参照して説明する。図10は、保管具を示す斜視図である。なお、前記実施形態と同一又は相当部分には、同一符号を付し重複した説明は省略する。
【0041】
本実施形態では、保管ケース本体1の形状を略ハート形に構成したものである。収納部2及び蓋部3を備え、収納部2には、ロック機構5、ロック解除操作ボタン6、封印手段7、表示部8等が設けられており、蓋部3には、入力手段10、係着金具55等が設けられている。このような形態の場合にも前記実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0042】
なお、保管具の形態としては、箱状に限らず、種々の形状に形成でき、厚い布や皮を用いて袋状に形成することもできる。また、保管具を形成する材料としては、ガラス、陶磁器や強化プラスティック等を用いることができる。
【0043】
次に、封印手段及びロック解除操作手段の他の実施形態について図11及び図12を参照して説明する。図11は、封印手段7の実施形態を示す一部底面図である。
【0044】
(実施例1)図11(a)に示すように、封印手段7をプルトップで形成したものである。したがって、ロック解除操作ボタン6を操作する場合には、プルトップのタブを手で引っ張り切り取って、開口を開ける。すると、ロック解除操作ボタン6が操作可能な状態となるので、操作ボタン6を押圧操作する。封印手段7は、復元困難な物理的変化を伴い、つまり、切り取られるのでロック解除操作ボタン6が操作された痕跡が明確に残るものとなる。
【0045】
(実施例2)図11(b)に示すように、本実施例の封印手段7は、ロック解除操作ボタン6を例えば、合成樹脂の長方形板材で覆うようにし、この板材の四隅を係止ピンPで固定するようにしたものである。そして、この係止ピンPはペンチ等の工具で引き抜けるが、一旦、引き抜くと再度の係止はできないようになっている。したがって、封印手段7は、ロック解除操作ボタン6が操作された痕跡が明確に残るものとなる。なお、係止ピンPをドライバで取外すことができるねじタイプのものとしてもよい。
【0046】
(実施例3)図11(c)に示すように、本実施例の封印手段7は、ロック解除操作ボタン6を例えば、アルミ箔等で形成された貼着シールで覆うようにしたものである。この貼着シールは、一度剥がすと再度の貼着は困難となるものである。したがって、前記各実施例と同様に、ロック解除操作ボタン6が操作された痕跡が明確に残るものとなる。
【0047】
続いて、図12は、ロック解除操作手段6の実施形態を示す一部底面図であり、封印手段7は省略している。なお、ロック解除操作手段6によって動作するロック機構は、上記第1の実施形態のものに限らず、種々の形態のものが適用できる。
【0048】
(実施例1)図12(a)に示すように、ロック解除操作手段6を回動式の操作摘みKとしたものである。したがって、操作摘みKを時計方向に回動することによりロックが解除され、反時計方向に回動することによりロックされるようになっている。
【0049】
(実施例2) 図12(b)に示すように、ロック解除操作手段6を往復動式の操作摘みKとしたものである。したがって、操作摘みKを右方向にスライドすることによりロックが解除され、左方向にスライドすることによりロックされるようになっている。
【0050】
(実施例3)図12(c) に示すように、ロック解除操作手段6を例えば、赤外線センサの受信部としたものである。したがって、封印手段は、赤外線信号を遮断する部材で形成されており、封印手段を破壊して初めて赤外線信号を送信できるようになっている。例えば、携帯電話等からロック解除信号を送信することにより、ロックを解除できるようになっている。なお、ロック解除信号をパスワード化し、パスワードを送信することにより、ロックを解除できるようにしてもよい。この場合、パスワードは、封印手段の裏面側に記録しておくことが考えられる。
【0051】
次に、本発明の第2の実施形態に係る保管具について図13を参照して説明する。なお、基本的な構成は、第1の実施形態で説明した保管具と同一である。本実施形態では、保管具として小型の金庫に適用したものであり、具体的には、運搬用の金庫に適用したものであり、主として、秘密書類やデータを保管するものである。
【0052】
金庫本体1は、金属、プラスティック製等であり、略一対のケース2、3が下方一端でヒンジによって開閉可能に連結されている。そして。ヒンジと反対側には運搬用の把手が設けられている。ケース2の略中央部には、封印手段7が設けられており、この封印手段7は、合成樹脂で形成された薄肉のパネルであり、指で強く押すことにより破れ、破壊できるものである。したがって、封印手段7を破壊することにより、ロック解除操作手段が操作可能な状態となる。
このように構成された金庫の使用事例を説明する。
【0053】
多くの企業は、日々生じる様々な書類やデータの保管を外部の保管委託会社に依頼している。保管委託会社は、毎日これら書類やデータを企業まで集荷に出向き、書類やデータを鍵のかかる袋や簡易な手提げ金庫に入れ、それを自社の保管場所まで運搬し、中身の書類やデータを大きな金庫に保管している。そして、翌日、また同じ袋や金庫を持って集荷に出向いている。
【0054】
ところで、この袋や金庫には、鍵を管理する面倒を軽減するため、ダイヤル式の鍵が付いているのが一般的である。しかしながら、袋や金庫は複数の人がかかわるため、複数の人が開錠番号を知り得ており、鍵をかける意味が減少しているのが現状である。
【0055】
そこで、本実施形態では、開放状態とする時期を例えば、集荷時間帯の10:00〜15:00の間の1回及び保管場所に到着する15:00過ぎとなるように設定する。したがって、少なくとも集荷時から保管場所に到着する間に、書類が盗難、改ざんされるような不正が生じた場合には、封印手段7が破壊され、痕跡が残ることとなるので、すぐに発見でき対応措置をとることが可能となる。なお、ロック解除操作手段は、押しボタンの他、暗証番号入力や生体認証方式等が適用できる。
【0056】
次に、本発明の実施形態に係る保管システムについて図14及び図15を参照して説明する。本実施形態では、基本的には、金庫と上記第1の実施形態で説明した保管具とを組み合わせたものであり、金庫の中に保管具を設けたものである。但し、ロック解除操作手段及び封印手段は、金庫の扉側に配設したものである。
【0057】
図に示すように、金庫は、周知の構成であり、収納庫を有する直方体形状の本体50と、この本体50を開閉する扉60とを備えている。そして、収納庫の下部には、保管部1が設けられており、この保管部1は、収納部2と蓋部3とを備えており、上記第1の実施形態で説明した保管具と同様に構成されている。そして、扉60の外面側上方には封印手段7が設けられている。この封印手段7は、同じく扉60に設けられたロック解除操作手段6を覆うように配設されたパネルであり、指で強く押すことにより破れ、破壊できるものである。この扉60に設けられた封印手段7と、ロック解除操作手段6とで封印操作部を構成している。
【0058】
したがって、封印手段7を破壊することにより、ロック解除操作手段6が操作可能な状態となる。なお、このロック解除操作手段6と保管部1側とは、電気的又は機械的に接続されており、ロック解除操作手段6を操作することにより、保管部1側のコックが解除され蓋部3を開放状態とすることができるようになっている。
【0059】
このように構成された保管システムによれば、例えば、当面使用予定のない不動産の権利書、貴金属や通帳等を保管部1に収納し、時期を設定して蓋部3を閉塞状態とする。したがって、金庫を開錠できる人が複数いたとしても、保管部1を開放状態にするには、封印手段7を破壊しなければならない。それゆえ、封印手段7は、扉60に設けられているので、破壊されれば、その痕跡が明確に残り、すぐに不正が発見でき対応措置をとることが可能となる。よって、セキュリティーが高く、早期に不正が発見できる保管システムを提供することができる。
【0060】
なお、保管部1に収納した物が緊急に必要になった場合には、封印手段7を破壊し、ロック解除操作手段6を操作すればよい。また、時期の設定は、無期限という設定をできるようにしてもよい。さらに、ロック解除操作手段は、押しボタン、暗証番号入力や生体認証方式が適用できる。
【0061】
本実施形態では、封印手段7とロック解除操作手段6とで構成される封印操作部を扉60に設けたものについて説明したが、扉60に限らず、本体50の外面等、外観上視認しやすい外面側に設けるようにすればよい。
【0062】
本発明は、上記各実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1・・・保管ケース本体、保管部、5・・・ロック機構、
6・・・ロック解除操作手段(ロック解除操作ボタン)、7・・・封印手段、
10・・・操作部(入力手段)、21・・・開口部、22・・・載置面、
50・・・金庫本体、60・・・扉
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定した時期が到来するまで開閉が困難な保管具及び保管システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、後世の人に伝えるための記録や例えば、卒業記念の記念品、手紙等を数年後、あるいは数十年後に開封する目的で地中に埋めることが行われている。しかし、この場合、開封時期が長期間経過後に至ると、埋めた場所が不明になったり、不用意に掘り起されてしまったりして記念品等の回収が困難になる場合がある。
【0003】
そこで、開封期日設定部を設け、期日を設定することにより、その期日までの間、開封困難となるタイムカプセル機能を構成する収納ケースが提案されている(特許文献1参照)。さらに、加えて、蓋の開放年月日を予めセットするためのロック解除年月日設定器を蓋が開放された状態で操作するタイムカプセル様容器が知られている(特許文献2及び特許文献3参照)。また、使用者が所望する開封日時を設定でき、設定された開封日時が到来した時に蓋が自動開封される時限開封機能付きケースが提案されており、ここには、開封日時前であっても、所定の暗証番号を入力することによって、開封できるように工夫してもよい旨の開示がある(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−43925号公報
【特許文献2】実開昭64−47658号公報
【特許文献3】実開昭64−47659号公報
【特許文献4】特開2002−308316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に示されたものは、タイムカプセル的機能を十分に発揮するために、一旦、開封期日を設定し、蓋を閉めてしまうと開封することができない。このため緊急事態、不測の事態等が生じてケースの中に入れた物を取り出す場合には、止むを得ずケースを壊して取り出すしかなかった。これは、タイムカプセル的機能を発揮するには必要かつ十分な構成であるといえる反面、緊急事態、不測の事態等に対応できず、実際に商品化を考えた場合、ユーザにとって不便であり商品的魅力を希薄にするものとなる。
【0006】
一方、特許文献4に示されたものは、暗証番号を入力することによって開封できるものであるため、暗証番号を知っていればいつでも開封でき、また、開封しても何ら痕跡が残らず、開封を心理的に抑制する効果が少なく、タイムカプセル的機能を十分に発揮できるものとはいえない。例えば、数年後の成人式の記念にプレゼントの品を入れて贈られた場合、いつでも開封可能という安心感が働き、夢や楽しさといったものが半減する結果を招来する。さらに、暗証番号を他人に知られないように、かつ忘れないように管理しておく必要があり、特に、開封時期が長期間に亘る場合には、暗証番号の管理が容易ではない。
【0007】
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたもので、設定した時期の到来よりも前に開放状態にするのを心理的に抑制することによって、タイムカプセル的機能を維持しつつ、不測の事態等が生じた場合には、手動操作によって開放状態とすることができる保管具及び保管システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の保管具は、開閉可能な開口部を有する本体と、本体の内側に設けられ、前記開口部が開放状態となる時期を設定できる操作部と、前記時期の設定後、前記開口部を閉塞状態とすることにより、この閉塞状態を保持し、設定された時期の到来により閉塞状態を解除するロック機構と、このロック機構による閉塞状態を手動操作により解除操作可能なロック解除操作手段と、このロック解除操作手段を外方から覆うように設けられ、復元困難な物理的変化を伴ってロック解除操作手段の操作が可能となる封印手段と、を具備することを特徴とする。
【0009】
本発明及び以下の発明において、特に指定しない限り用語の定義及び技術的意味は次による。保管具とは、例えば、箱状や袋状のものを含み、その形状や大きさが格別限定されるものではなく、金庫等を含む概念である。また、時期を設定とは、特定の年月日、期間、時間等が設定される場合を意味する。ロック機構は、電気的、機械的なもの又は双方が混在するものが適用できる。ロック解除操作手段には、例えば、押しボタンスイッチ、暗証番号入力手段や機械的操作手段を用いることができる。さらに、復元困難な物理的変化を伴ってとは、封印手段が破壊されたり、再貼着困難であったりして、その痕跡が残る場合を意味する。
【0010】
請求項2に記載の保管具は、請求項1に記載の保管具において、前記本体は載置面を有し、前記封印手段は、載置面側に設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の保管システムは、開閉可能な扉を有する金庫と、この金庫の中に設けられ、開閉可能な開口部を有する本体と、本体の内側に設けられ、前記開口部が開放状態となる時期を設定できる操作部と、前記時期の設定後、前記開口部を閉塞状態とすることにより、この閉塞状態を保持し、設定された時期の到来により閉塞状態を解除するロック機構とを有する保管部と、前記金庫の外面側に設けられ、前記ロック機構による閉塞状態を手動操作により解除操作可能なロック解除操作手段と、このロック解除操作手段を外方から覆うように設けられ、復元困難な物理的変化を伴ってロック解除操作手段の操作が可能となる封印手段とを有する封印操作部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の本発明によれば、設定した時期の到来よりも前に開放状態にするには、心理的な抑制が作用するため、タイムカプセル的機能を効果的に維持することができる。また、不測の事態等が生じた場合には、手動操作によって開放状態とすることができるので商品的価値の高い保管具を提供することができる。
【0013】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、封印手段は、載置面側に設けられているので、外観上、現れることがなく、デザイン性を損なうことがない。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、セキュリティーが高く、早期に不正が発見できる保管システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る保管具を示す斜視図である。
【図2】同収納部を示す断面図である。
【図3】同収納部を示す底面図である。
【図4】同ロック解除操作手段の操作状態を示す断面図である。
【図5】同ロック機構を示す断面図である。
【図6】同じくロック機構を示す断面図である。
【図7】同じくロック機構を示す断面図である。
【図8】同保管具を示すブロック構成図である。
【図9】同操作及び動作を示すフローチャートである。
【図10】保管具の他の実施形態を示す斜視図である。
【図11】封印手段の他の実施形態を示す底面図である。
【図12】ロック解除操作手段の他の実施形態を示す底面図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る保管具を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施形態に係る保管システムを示す正面図である。
【図15】同保管システムの扉を開いた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施形態に係る保管具について図1乃至図8を参照して説明する。なお、各図において、同一又は相当部分には、同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0017】
まず、図1乃至図7に示すように、保管具としての保管ケース本体1は、各種記念日の記念品やメッセージが記録された文書、メッツセージが録音され再生できる媒体、映像が録画され再生できる媒体等を保管し、置物としても適するように装飾的な美感を有して形成されている。保管ケース本体1は、アルミニウム等の金属、合成樹脂や木材等で形成され、必要に応じ表面に塗装や皮、布を貼り付けて装飾を施した箱状であり、収納部2と蓋部3とを備えている。
【0018】
収納部2は、収納スペースを有し、前面側から後面側に向かうに従い高さ寸法が大きくなるように傾斜状に形成され、上面に四角形状の開口部21を備え、底面側を載置面22としている。蓋部3は、収納部2の開口部21と対応し、これを閉塞するような形態をなしている。そして、蓋部3は、開口部21を開閉可能なように収納部2にヒンジによって連結されている。この連結は、蓋部3による開口部21の閉塞状態と開放状態とでスナップアクションによる節度感を有するようになされている。
【0019】
収納部2には、制御装置4、ロック機構5、ロック解除操作手段としてのロック解除操作ボタン6、封印手段7、表示部8及びバッテリ9が設けられている。また、蓋部3の内側には、操作部としての入力手段10及び内部表示手段11が設けられているとともに、前面側の略中央部には、係着孔55aが形成された係着金具55が設けられている。
【0020】
制御装置4は、例えば、マイクロコンピュータであり、主として入力手段10からの入力情報に基づき、ロック機構5の動作を制御するものであり、図2に示すように、収納部2の内底面に設けられている。
【0021】
ロック機構5は、蓋部3を開口部21に対して閉塞状態に保持する機能を有するもので、収納部2の前面側の内壁面に取付けられている。このロック機構5について図5乃至図7を参照して詳細に説明する。各図において、(a)は平面方向に切断して示す断面図、(b)は(a)のY−Y線に沿って切断して示す断面図である。図5に示すように、ロック機構5は、直方体状のケース51、このケース51内に収納されたプランジャ金具52及びソレノイド53、ケース51の外面に取付けられた係止ばね板54を備えている。
【0022】
ケース51の一側面には、プランジャ金具52が出没する開口51aが形成されており、また、後面には、係止ばね板54の係合子54aが進退する開口51bが形成されている。プランジャ金具52は、係合子54aが係合する係合孔52aを有し、先端部は曲面状のテーパ面に形成され、後端部に圧縮コイルばね56が取付けられて、ケース51内に往復動可能に設けられている。したがって、プランジャ金具52は、圧縮コイルばね56によって、常時は、突出方向に付勢されている。
【0023】
ソレノイド53は、プランジャ金具52の周囲に巻回されており、制御装置4及びバッテリ9と電気的に接続されている。また、係止ばね板54は、一端側がケース51にねじ等の固定手段によって固着されており、他端側に係合子54a及び操作ノブ54bを備えている。
【0024】
このように構成されたロック機構5の動作について説明する。まず、図5に示す初期状態において、係止ばね板54の操作ノブ54bを指で摘み、固定手段を中心として図示矢印方向に回動する。すると、図6に示すように、係合子54aのプランジャ金具52の係合孔52aとの係合が解かれ、プランジャ金具52は、圧縮コイルばね56の弾性力により、突出した状態となる。この状態では、係止ばね板54の係合子54aは、プランジャ金具52の側面に所定の矢印方向の復帰弾性力で接触している。
【0025】
次に、蓋部3を閉塞状態にすると、図7に示すように、係着金具55の先端部がプランジャ金具52のテーパ面に当接され、一旦、プランジャ金具52を没入方向に後退させる。その後、係着孔55aが所定位置に達するとプランジャ金具52が復帰進出して係着孔55aに係合し、蓋部3は閉塞状態にロックされる。
【0026】
なお、この状態から後述するように、ソレノイド53が励磁されると、プランジャ金具52はケース51内に没入するように動作し、係着金具55との係合が解かれ、係止ばね板54の係合子54aがプランジャ金具52の係合孔52aに再び係合し、図5に示す状態に戻る。すなわち、蓋部3の閉塞状態のロックが解除された状態となり、蓋部3を開放状態にすることが可能となる。
【0027】
図2及び図3に示すように、ロック解除操作ボタン6は、具体的には、押ボタンスイッチであり、収納部2の底面側に周囲を隔壁により区画されて、底面より突出しないように内方に配設されている。そして、このロック解除操作ボタン6と対向する底面、すなわち、載置面22の角部には、封印手段7が設けられている。この封印手段7は、ロック解除操作ボタン6を覆うように底面と一体的に形成されており、四角形のミシン目状に多数の貫通孔を形成して構成されている。これにより封印手段7は、破壊しやすくなっている。なお、封印手段7は、底面と一体的ではなく、別体の部材で構成してもよい。
【0028】
このような構成において、ロック解除操作ボタン6を操作する場合には、図4に示すように、親指、人差指等で封印手段7を強く押し、ミシン目、もしくは切れ目に沿って破壊する。すると、ロック解除操作ボタン6が操作可能な状態となるので、操作ボタン6を押圧操作する。このとき、封印手段7は、復元困難な物理的変化を伴い、つまり、破壊されるのでロック解除操作ボタン6が操作された痕跡が明確に残るものとなる。また、封印手段7は、底面の角部、つまり、外周縁部に設けられているので、保管ケース本体1を両手で支えながら親指で操作しやすい位置となっている。
【0029】
なお、封印手段7の破壊は、ドライバ等の工具を用いて行うようにしてもよく、さらに、封印手段7を設ける場所は、載置面22側に限らず、デザイン性を損なうことがない位置であればよい。
【0030】
表示部8は、LCD等から構成され、収納部2の前面壁に設けられている。この表示部8には、現在の年月日及び設定した時期までの残日数が表示されるようになっている。なお、設定した時期を表示するようにしてもよく、加えて、表示部8には、時刻、温度、湿度等を表示するようにしてもよい。バッテリ9は、例えば、リチウム電池や太陽電池であり、制御装置4、ソレノイド53、表示部8等に電源を供給するものであり、収納部2の内底面に設けられている。
【0031】
次に、本実施形態のブロック構成について図8を参照して説明する。制御装置4は、演算手段41、記憶部42、タイマー43及び比較回路44を備え、バッテリ9に接続されている。また、制御装置4には、入力手段10、内部表示手段11、ソレノイド53、ロック解除操作ボタン6及び表示部8が接続されている。
【0032】
入力手段10は、数字キー、クリアキーC、セットキーSを備えており、このキーの操作により蓋部3を開放状態とする時期を設定できるようになっている。例えば、開放状態とする時期を「2012年5月30日15時00分」と設定する場合には、その数字キーを入力する。その入力内容は、記憶部42に格納されるとともに内部表示部11に表示されるので、入力内容を確認しながら入力操作を行うことができる。その後、セットキーSを入力するとカウントが開始される。なお、開放状態とする時期を例えば、あと何年後、何日後といった形式で設定できるようにしてもよく、また、秒単位まで設定できるようにしてもよい。さらに、電波時計機能をもたせ正確な時期のカウントができるようにすることが好ましい。
【0033】
ソレノイド53は、その通電により励磁されプランジャ金具52を吸引する機能をなすものである。ロック解除操作ボタン6は、操作されると、その信号が制御装置4に入力され、ソレノイド53に通電されるようになっている。また、表示部8は、タイマー43のカウント内容に従って現在の年月日を表示するとともに、演算手段41で演算された設定時期までの残日数を表示するようになっている。
【0034】
以上のように構成された本実施形態の操作及び動作について図9のフローチャートを参照して説明する。まず、蓋部3の開放状態において(S1)、収納部2に開口部21を通じて記念品や文書等の物を入れる(S2)。入力手段10により開放時期を設定し、セットキーSを入力する(S3)。これにより開放時期のカウントダウンがタイマー43によって行われる。続いて、ロック機構5における係止ばね板54の操作ノブ54bを操作し、プランジャ金具52を突出した状態とする(S4)。蓋部3を閉塞状態とすると、蓋部3の係着金具55がプランジャ金具52に係合し、蓋部3は閉塞状態にロックされ設定された時期までロック状態が保持される(S5)。この間、記憶部42に格納された設定された時期と現在時期との比較が比較回路44によって実行されている。そして、設定された時期が到来すると、比較回路44から一致信号が出力され(S6)、ソレノイド53に通電され、その励磁によりプランジャ金具52が吸引されてケース51内に没入し、係着金具55との係合が解かれ、その結果、ロックが解除され蓋部3は開放可能となる(S7)。
【0035】
一方、不測の事態等が生じ、止むを得ず設定された時期が到来する前に、蓋部3を開放状態にするには、封印手段7を破壊し、ロック解除操作ボタン6を押圧操作する(S8)。この場合にも同様に、ソレノイド53に通電され、ロックが解除され蓋部3を開放状態とすることができる。
【0036】
なお、設定された時期が到来し、開放状態となった以後、再度開放時期を設定し、蓋部3を閉塞状態とすることにより、再度初期の状態での使用が可能となる。また、封印手段7を破壊した場合には、いつでもロック解除操作ボタン6を操作できる状態とはなるが、再度開放時期を設定し、タイムカプセル的に使用したり、又は小物入れとして使用したりすることができる。
【0037】
以上のように本実施形態によれば、設定した時期の到来よりも前に開放状態にするには、封印手段7を破壊しなければならず、しかも、その痕跡が残るので、開放状態にすることに対し、心理的な抑制が作用するため、タイムカプセル的機能を効果的に維持することができる。また、不測の事態等が生じた場合には、手動操作によって封印手段7を破壊し、開放状態とすることができるので商品的価値の高い保管具を提供することができる。
【0038】
さらに、封印手段7は、載置面22側に設けられているので、外観上、現れることがなく、デザイン性を損なうことがない。また、封印手段7が載置面22に突出することもないので、保管ケース本体1を安定した状態で載置できる。
【0039】
操作部としての入力手段10は、保管ケース本体1の内側、すなわち、蓋部3の内側に設けられているので、時期を設定して蓋部3を閉塞状態にした後には、入力手段10は外に現れず、暗証番号等の入力によっては開放できないことが外観上、明白となる。また、不測の事態等が生じた場合には、保管ケース本体1を破壊することなく、封印手段7を破壊することにより開放状態とすることができるので、ダメージが少なく、その後も再使用が可能となる。
【0040】
続いて、本実施形態の保管具の他の実施形態について図10を参照して説明する。図10は、保管具を示す斜視図である。なお、前記実施形態と同一又は相当部分には、同一符号を付し重複した説明は省略する。
【0041】
本実施形態では、保管ケース本体1の形状を略ハート形に構成したものである。収納部2及び蓋部3を備え、収納部2には、ロック機構5、ロック解除操作ボタン6、封印手段7、表示部8等が設けられており、蓋部3には、入力手段10、係着金具55等が設けられている。このような形態の場合にも前記実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0042】
なお、保管具の形態としては、箱状に限らず、種々の形状に形成でき、厚い布や皮を用いて袋状に形成することもできる。また、保管具を形成する材料としては、ガラス、陶磁器や強化プラスティック等を用いることができる。
【0043】
次に、封印手段及びロック解除操作手段の他の実施形態について図11及び図12を参照して説明する。図11は、封印手段7の実施形態を示す一部底面図である。
【0044】
(実施例1)図11(a)に示すように、封印手段7をプルトップで形成したものである。したがって、ロック解除操作ボタン6を操作する場合には、プルトップのタブを手で引っ張り切り取って、開口を開ける。すると、ロック解除操作ボタン6が操作可能な状態となるので、操作ボタン6を押圧操作する。封印手段7は、復元困難な物理的変化を伴い、つまり、切り取られるのでロック解除操作ボタン6が操作された痕跡が明確に残るものとなる。
【0045】
(実施例2)図11(b)に示すように、本実施例の封印手段7は、ロック解除操作ボタン6を例えば、合成樹脂の長方形板材で覆うようにし、この板材の四隅を係止ピンPで固定するようにしたものである。そして、この係止ピンPはペンチ等の工具で引き抜けるが、一旦、引き抜くと再度の係止はできないようになっている。したがって、封印手段7は、ロック解除操作ボタン6が操作された痕跡が明確に残るものとなる。なお、係止ピンPをドライバで取外すことができるねじタイプのものとしてもよい。
【0046】
(実施例3)図11(c)に示すように、本実施例の封印手段7は、ロック解除操作ボタン6を例えば、アルミ箔等で形成された貼着シールで覆うようにしたものである。この貼着シールは、一度剥がすと再度の貼着は困難となるものである。したがって、前記各実施例と同様に、ロック解除操作ボタン6が操作された痕跡が明確に残るものとなる。
【0047】
続いて、図12は、ロック解除操作手段6の実施形態を示す一部底面図であり、封印手段7は省略している。なお、ロック解除操作手段6によって動作するロック機構は、上記第1の実施形態のものに限らず、種々の形態のものが適用できる。
【0048】
(実施例1)図12(a)に示すように、ロック解除操作手段6を回動式の操作摘みKとしたものである。したがって、操作摘みKを時計方向に回動することによりロックが解除され、反時計方向に回動することによりロックされるようになっている。
【0049】
(実施例2) 図12(b)に示すように、ロック解除操作手段6を往復動式の操作摘みKとしたものである。したがって、操作摘みKを右方向にスライドすることによりロックが解除され、左方向にスライドすることによりロックされるようになっている。
【0050】
(実施例3)図12(c) に示すように、ロック解除操作手段6を例えば、赤外線センサの受信部としたものである。したがって、封印手段は、赤外線信号を遮断する部材で形成されており、封印手段を破壊して初めて赤外線信号を送信できるようになっている。例えば、携帯電話等からロック解除信号を送信することにより、ロックを解除できるようになっている。なお、ロック解除信号をパスワード化し、パスワードを送信することにより、ロックを解除できるようにしてもよい。この場合、パスワードは、封印手段の裏面側に記録しておくことが考えられる。
【0051】
次に、本発明の第2の実施形態に係る保管具について図13を参照して説明する。なお、基本的な構成は、第1の実施形態で説明した保管具と同一である。本実施形態では、保管具として小型の金庫に適用したものであり、具体的には、運搬用の金庫に適用したものであり、主として、秘密書類やデータを保管するものである。
【0052】
金庫本体1は、金属、プラスティック製等であり、略一対のケース2、3が下方一端でヒンジによって開閉可能に連結されている。そして。ヒンジと反対側には運搬用の把手が設けられている。ケース2の略中央部には、封印手段7が設けられており、この封印手段7は、合成樹脂で形成された薄肉のパネルであり、指で強く押すことにより破れ、破壊できるものである。したがって、封印手段7を破壊することにより、ロック解除操作手段が操作可能な状態となる。
このように構成された金庫の使用事例を説明する。
【0053】
多くの企業は、日々生じる様々な書類やデータの保管を外部の保管委託会社に依頼している。保管委託会社は、毎日これら書類やデータを企業まで集荷に出向き、書類やデータを鍵のかかる袋や簡易な手提げ金庫に入れ、それを自社の保管場所まで運搬し、中身の書類やデータを大きな金庫に保管している。そして、翌日、また同じ袋や金庫を持って集荷に出向いている。
【0054】
ところで、この袋や金庫には、鍵を管理する面倒を軽減するため、ダイヤル式の鍵が付いているのが一般的である。しかしながら、袋や金庫は複数の人がかかわるため、複数の人が開錠番号を知り得ており、鍵をかける意味が減少しているのが現状である。
【0055】
そこで、本実施形態では、開放状態とする時期を例えば、集荷時間帯の10:00〜15:00の間の1回及び保管場所に到着する15:00過ぎとなるように設定する。したがって、少なくとも集荷時から保管場所に到着する間に、書類が盗難、改ざんされるような不正が生じた場合には、封印手段7が破壊され、痕跡が残ることとなるので、すぐに発見でき対応措置をとることが可能となる。なお、ロック解除操作手段は、押しボタンの他、暗証番号入力や生体認証方式等が適用できる。
【0056】
次に、本発明の実施形態に係る保管システムについて図14及び図15を参照して説明する。本実施形態では、基本的には、金庫と上記第1の実施形態で説明した保管具とを組み合わせたものであり、金庫の中に保管具を設けたものである。但し、ロック解除操作手段及び封印手段は、金庫の扉側に配設したものである。
【0057】
図に示すように、金庫は、周知の構成であり、収納庫を有する直方体形状の本体50と、この本体50を開閉する扉60とを備えている。そして、収納庫の下部には、保管部1が設けられており、この保管部1は、収納部2と蓋部3とを備えており、上記第1の実施形態で説明した保管具と同様に構成されている。そして、扉60の外面側上方には封印手段7が設けられている。この封印手段7は、同じく扉60に設けられたロック解除操作手段6を覆うように配設されたパネルであり、指で強く押すことにより破れ、破壊できるものである。この扉60に設けられた封印手段7と、ロック解除操作手段6とで封印操作部を構成している。
【0058】
したがって、封印手段7を破壊することにより、ロック解除操作手段6が操作可能な状態となる。なお、このロック解除操作手段6と保管部1側とは、電気的又は機械的に接続されており、ロック解除操作手段6を操作することにより、保管部1側のコックが解除され蓋部3を開放状態とすることができるようになっている。
【0059】
このように構成された保管システムによれば、例えば、当面使用予定のない不動産の権利書、貴金属や通帳等を保管部1に収納し、時期を設定して蓋部3を閉塞状態とする。したがって、金庫を開錠できる人が複数いたとしても、保管部1を開放状態にするには、封印手段7を破壊しなければならない。それゆえ、封印手段7は、扉60に設けられているので、破壊されれば、その痕跡が明確に残り、すぐに不正が発見でき対応措置をとることが可能となる。よって、セキュリティーが高く、早期に不正が発見できる保管システムを提供することができる。
【0060】
なお、保管部1に収納した物が緊急に必要になった場合には、封印手段7を破壊し、ロック解除操作手段6を操作すればよい。また、時期の設定は、無期限という設定をできるようにしてもよい。さらに、ロック解除操作手段は、押しボタン、暗証番号入力や生体認証方式が適用できる。
【0061】
本実施形態では、封印手段7とロック解除操作手段6とで構成される封印操作部を扉60に設けたものについて説明したが、扉60に限らず、本体50の外面等、外観上視認しやすい外面側に設けるようにすればよい。
【0062】
本発明は、上記各実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1・・・保管ケース本体、保管部、5・・・ロック機構、
6・・・ロック解除操作手段(ロック解除操作ボタン)、7・・・封印手段、
10・・・操作部(入力手段)、21・・・開口部、22・・・載置面、
50・・・金庫本体、60・・・扉
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な開口部を有する本体と、
本体の内側に設けられ、前記開口部が開放状態となる時期を設定できる操作部と、
前記時期の設定後、前記開口部を閉塞状態とすることにより、この閉塞状態を保持し、設定された時期の到来により閉塞状態を解除するロック機構と、
このロック機構による閉塞状態を手動操作により解除操作可能なロック解除操作手段と、
このロック解除操作手段を外方から覆うように設けられ、復元困難な物理的変化を伴ってロック解除操作手段の操作が可能となる封印手段と、
を具備することを特徴とする保管具。
【請求項2】
前記本体は載置面を有し、前記封印手段は、載置面側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の保管具。
【請求項3】
開閉可能な扉を有する金庫と、
この金庫の中に設けられ、開閉可能な開口部を有する本体と、本体の内側に設けられ、前記開口部が開放状態となる時期を設定できる操作部と、前記時期の設定後、前記開口部を閉塞状態とすることにより、この閉塞状態を保持し、設定された時期の到来により閉塞状態を解除するロック機構とを有する保管部と、
前記金庫の外面側に設けられ、前記ロック機構による閉塞状態を手動操作により解除操作可能なロック解除操作手段と、このロック解除操作手段を外方から覆うように設けられ、復元困難な物理的変化を伴ってロック解除操作手段の操作が可能となる封印手段とを有する封印操作部と、
を具備することを特徴とする保管システム。
【請求項1】
開閉可能な開口部を有する本体と、
本体の内側に設けられ、前記開口部が開放状態となる時期を設定できる操作部と、
前記時期の設定後、前記開口部を閉塞状態とすることにより、この閉塞状態を保持し、設定された時期の到来により閉塞状態を解除するロック機構と、
このロック機構による閉塞状態を手動操作により解除操作可能なロック解除操作手段と、
このロック解除操作手段を外方から覆うように設けられ、復元困難な物理的変化を伴ってロック解除操作手段の操作が可能となる封印手段と、
を具備することを特徴とする保管具。
【請求項2】
前記本体は載置面を有し、前記封印手段は、載置面側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の保管具。
【請求項3】
開閉可能な扉を有する金庫と、
この金庫の中に設けられ、開閉可能な開口部を有する本体と、本体の内側に設けられ、前記開口部が開放状態となる時期を設定できる操作部と、前記時期の設定後、前記開口部を閉塞状態とすることにより、この閉塞状態を保持し、設定された時期の到来により閉塞状態を解除するロック機構とを有する保管部と、
前記金庫の外面側に設けられ、前記ロック機構による閉塞状態を手動操作により解除操作可能なロック解除操作手段と、このロック解除操作手段を外方から覆うように設けられ、復元困難な物理的変化を伴ってロック解除操作手段の操作が可能となる封印手段とを有する封印操作部と、
を具備することを特徴とする保管システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−269816(P2010−269816A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−122598(P2009−122598)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【出願人】(509115007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【出願人】(509115007)
【Fターム(参考)】
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