説明

保護部材用保護部材、及び保護部材

【課題】ユーザの怪我を効果的に防止し、メンテナンスに優れた遊具用保護部材及び遊具装置の提供。
【解決手段】本発明の遊具用保護部材100は、床面弾性部110と、袋状の収容部120を備える。床面弾性部110は、遊具装置基体上に配置され、袋状の収容部120は、当該床面弾性部110の下面に設けられる。更に、上記収容部120は、遊具用保護部材100の内側に開口したことを特徴とする。更に、上記遊具用保護部材100を複数備えた遊具装置は、複数の遊具用保護部材100の各床面弾性部の形状が、遊具装置基体上面を密に敷き詰めるように配置可能に構成される。そして、支持弾性部材が、遊具装置が設置される床面と各床面弾性部との隙間に嵌められ、当該支持弾性部材125遊具用保護部材100の収容部に少なくとも一部収容することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護部材用保護部材に関し、特に落下の際の怪我を効果的に防止可能な保護部材用保護部材及び当該保護部材を使用した保護部材に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、保護部材において、ユーザ(本発明を使用する幼児や年少者を想定している)が落下したときのために、装置下方に弾性部材を配置する構成を備えた保護部材は多数存在する。例えば、下記特許文献1には、遊具用敷物が開示されている。上記の遊具の他、一般に弾性部材を備えた遊具は、遊園地や、テーマパーク等で多く見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−33459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の技術は、メンテナンスに関しての考慮がなされていなかった。すなわち、上記従来技術の遊具用敷物は、雨や雪等の天候の影響を受けないように、取り外しが困難なように遊具本体に配置される構成となっていた。メンテナンスするには、上記遊具装置をある程度分解した後、上記遊具用敷物を取り外す必要があったので、遊具メーカからは、簡単にメンテナンス可能な遊具装置が要請されていた。
【0005】
更に、上記遊具用敷物を敷いた場合、当該遊具用敷物と、床面(遊具装置が配置される面を言う)との隙間に、上記ユーザが指等を挟むことで怪我をする可能性がある。
一方、子供等が落下した場合(以下落下したユーザを落下者という)、保護部材から見て外側に、当該落下者の頭が位置することが多い。上記事実を考慮に入れることで、ユーザの落下の際の怪我を更に効果的に防止することが可能となる。
【0006】
本発明の目的は、簡単な構造でユーザの怪我を効果的に防止する、メンテナンスに優れた保護部材の保護部材及び、当該保護部材を備えた保護部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するための本発明は、遊具装置基体に設置される遊具用保護部材を前提とする。そして本発明の遊具用保護部材は、床面弾性部と、袋状の収容部を備える。床面弾性部は、遊具装置基体上に配置され、袋状の収容部は、当該床面弾性部の下面に設けられる。更に、上記収容部は、遊具用保護部材の内側に開口したことを特徴とする。
上記の構成であると、遊具装置基体上に配置される床面弾性部が第一のクッションとなり、更に、袋状の収容部に第二のクッションとなる弾性部材を収容させることができる。従って、上記複数のクッションにより遊具装置の基体を保護し、ユーザの怪我を効果的に防ぐ遊具用防護部材を提供することが可能となる。なお、袋状の収容部に複数の弾性部材を収容して第二のクッションとすることも可能である。更に、袋状の収容部に第二のクッションの一部を収容する構成を採用してもよい。
【0008】
上記の構成において、遊具用保護部材の床面弾性部側面に、各遊具用保護部材同士を連結するための連結部を設けることが望ましい。上記の構成であると、一部の遊具用保護部材のみを簡単に取り外すことが可能となるので、メンテナンスを行う際に、全ての遊具用保護部材を取り外す必要なく、効果的にメンテナンスを行うことができる。
上記の構成を備えた遊具用保護部材を複数備えた遊具装置は、以下のように構成される。すなわち、複数の遊具用保護部材の各床面弾性部の形状が、遊具装置基体上面を密に敷き詰めるように配置可能に構成される。そして、支持弾性部材が、遊具装置が設置される床面と各床面弾性部との隙間に嵌められ、当該支持弾性部材を遊具用保護部材の収容部に少なくとも一部収容することを特徴とする。
【0009】
上記の構成であると、遊具装置基体上に配置される床面弾性部が第一のクッションとなり、更に、袋状の収容部に第二のクッションとなる弾性部材を収容させる(少なくとも一部収容させればよい)ことができる。従って、上記複数のクッションにより遊具装置の基体を保護し、ユーザの怪我を効果的に防ぐ遊具装置を提供することが可能となる。なお、袋状の収容部に複数の弾性部材を収容して第二のクッションとすることも可能である。更に、袋状の収容部に第二のクッションの一部を収容する構成を採用してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の遊具用保護部材は、床面弾性部と、袋状の収容部を備える。床面弾性部は、遊具装置基体上に配置され、袋状の収容部は、当該床面弾性部の下面に設けられる。更に、上記収容部は、遊具用保護部材の内側に開口したことを特徴とする。更に、上記遊具用保護部材を複数備えた遊具装置は、複数の遊具用保護部材の各床面弾性部の形状が、遊具装置基体上面を密に敷き詰めるように配置可能に構成される。そして、支持弾性部材が、遊具装置が設置される床面と各床面弾性部との隙間に嵌められ、当該支持弾性部材を遊具用保護部材の収容部に少なくとも一部収容することを特徴とする。
【0011】
上記の構成であると、遊具装置基体上に配置される床面弾性部が第一のクッションとなり、更に、袋状の収容部に第二のクッションとなる弾性部材を収容させることができる。従って、上記複数のクッションにより遊具装置の基体を保護し、ユーザの怪我を効果的に防ぐ遊具用防護部材及び、遊具装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る遊具装置用保護部材の全体構成を示す概念図である。
【図2】本発明の実施形態に係る遊具装置用保護部材を使用した遊具装置を上面視したときの全体構成を示す概念図である。
【図3】本発明の実施形態に係る遊具装置用保護部材を使用した遊具装置の側面図である。
【図4】遊具装置の全体構成を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下に、本発明の保護部材用保護部材(以下単に保護部材100と称する)について図面を参照して説明する。図1は、本発明の保護部材100の全体構成を示す概略模式図であり、図2及び図3は、本発明の保護部材100を使用した遊具装置200の概略模式図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。なお、回転基体200についての説明は後述する。
【0014】
以下本発明の保護部材で保護前の遊具を遊具枠体400と称し(図4参照)、保護部材100で保護された遊具装置200と区別する。本発明の保護部材100で保護される遊具枠体400には、少なくとも基体410が備えられる必要がある。すなわち、図4に示すように、基体410(形状は任意である)上に例えば支柱420を立設し、当該支柱420に遊具本体(図示しない)が配置されるような遊具枠体400を想定している。なお、図4に示すように、本実施例の基体410は8角形とした。
【0015】
上記のように構成された基体410を保護する本発明の保護部材100は、床面弾性部110と、当該床面弾性部110を下方から支持する支持弾性部材125を収容するための収容部120を備える(図1参照)。
上記床面弾性部110は、扇形に形成した弾性部材を床面用弾性シート113で被覆することで構成される。例えば本実施例では、中心部分をくり抜いた円形のウレタンを8等分することで、扇形の弾性部材を形成する。上記弾性部材は、保護される基体410のサイズ及び、形状に合わせて全体のサイズを調整するように構成する。このとき、上記基体410の最大外径より大きい外径を備えた円形ウレタン(図示しない)を用いて、上記扇形の弾性部材を形成する。上記円形ウレタンのサイズは、使用される遊具装置200に応じて決定される。上記床面弾性部110と実際の床面(遊具装置が実際に設置される面を言う。)との隙間に後述の支持弾性部材125を挿入するため、上記円形ウレタンの外径は、当該支持弾性部材が挿入可能な程度の大きさが必要である。
【0016】
上記円形ウレタンを扇形に形成し、当該扇形ウレタン111を床面用弾性シートで被覆縫製することで、床面弾性部が形成される。上記床面用弾性シートは、ポリエステルシート等、任意の材質のシートを使用して構わない。
上記のように、構成された床面弾性部110に袋状の収容部120が設けられる。例えば、上記床面弾性部110下部外周に、収容部用弾性シートを縫い合わせる。すなわち、上記床面弾性部110の扇形部分の外側曲線縁部に上記収容部用弾性シートを縫製等により接合する。そして、当該収容部用弾性シートを内側に折り込むことで収容部120とし、本発明の保護部材100が形成される。なお、扇形の両側面縁部(扇形の外側曲線部分に接する側面縁部から所定の長さでよい。)に上記収容部用弾性シートを接合し、隣同士の収容部用弾性シートを接合することで上記収容部120を形成しても構わない。
【0017】
次に、本発明の保護部材100の使用方法について説明する。ここで、上記のように構成した保護部材100を複数形成し、当該保護部材100の扇形部分を接合することで、全体として円環状に形成される数の保護部材100を一対の保護部材100と称する。
上記のように構成した一対の保護部材100を遊具装置200の基体410に配置する。そして、上記基体の外周に接するように、保護部材に備えた収容部に支持弾性部材125が嵌められることになる。従って、遊具装置200と実際の床面との隙間に上記支持弾性部材125が挿入されることになるので、ユーザが誤って指等を挟むようなことを効果的に防止することができる。なお、上記保護部材100同士を接合するための連結部(図示しない)を有する構成を採用することができる。当該連結部の構造は、例えばマジックテープ(登録商標)などに代表される面ファスナーを、保護部材100の外側(扇形の直線部分に相当する。)に設けることで構成される。
(その他)
本実施例では、保護部材100の形状は扇形とした。上記扇形形状の保護部材100を一対として、遊具装置200の基体410に配置することで、全体として円形状の保護部材100が構成されるからである。上記一対の保護部材100により形成される保護部材100全体の形状は円形状に限られず、図2(B)に示すように矩形状でも構わない。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明の遊具用保護部材は、床面弾性部と、袋状の収容部を備える。床面弾性部は、遊具装置基体上に配置され、袋状の収容部は、当該床面弾性部の下面に設けられる。更に、上記収容部は、遊具用保護部材の内側に開口したことを特徴とする。更に、上記遊具用保護部材を複数備えた遊具装置は、複数の遊具用保護部材の各床面弾性部の形状が、遊具装置基体上面を密に敷き詰めるように配置可能に構成される。そして、支持弾性部材が、遊具装置が設置される床面と各床面弾性部との隙間に嵌められ、当該支持弾性部材を遊具用保護部材の収容部に少なくとも一部収容することを特徴とする。
【0019】
上記の構成であると、遊具装置基体上に配置される床面弾性部が第一のクッションとなり、更に、袋状の収容部に第二のクッションとなる弾性部材を収容させることができる。従って、上記複数のクッションにより遊具装置の基体を保護し、ユーザの怪我を効果的に防ぐ遊具用防護部材及び、遊具装置を提供することが可能となり、その産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0020】
100 遊具用保護部材
110 床面弾性部
111 扇形ウレタン
113 床面用弾性シート
120 収容部
125 支持弾性部材
200 遊具装置(遊具用保護部材を備えた遊具)
400 遊具枠体(保護部材で保護前の遊具)
410 基体
420 支柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊具装置基体に設置される遊具用保護部材において、
前記遊具装置基体上に配置される床面弾性部と、
前記床面弾性部の下面に設けられ、前記遊具用保護部材の内側に開口した袋状の収容部とを備えることを特徴とする遊具用保護部材。
【請求項2】
前記遊具用保護部材の床面弾性部側面に、各遊具用保護部材同士を連結するための連結部を設けた請求項1に記載の遊具用保護部材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊具用保護部材を複数備えた遊具装置において、
前記各床面弾性部の形状が、前記遊具装置基体上面を密に敷き詰めるように配置可能に構成された複数の遊具用保護部材と、
前記遊具装置が設置される床面と前記各床面弾性部との隙間に嵌められる支持弾性部材と、
前記支持弾性部材を前記遊具用保護部材の収容部に少なくとも一部収容することを特徴とする遊具装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−100742(P2012−100742A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249554(P2010−249554)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(301033639)ビーエルデーオリエンタル株式会社 (40)