説明

信号生成装置及び照明制御装置及び通信システム及び照明システム

【課題】異なる種類の信号を入力する信号入力装置に対して共通の信号線を使って伝送できる共通の信号を生成する。
【解決手段】パルス幅変調信号生成部110は、照明器具820(照明装置、パルス幅変調信号入力装置)に対するパルス幅変調信号を生成する。オンオフ変調信号生成部120は、照明器具830(照明装置、オンオフ変調信号入力装置)に対するデジタル信号(オンオフ変調信号)を生成する。信号出力部130は、パルス幅変調信号生成部110が生成したパルス幅変調信号の一部に、オンオフ変調信号生成部120が生成したデジタル信号を組み込んだ信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の信号入力装置に対する共通の信号を生成する信号生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
調光度を指示する調光信号を入力して、調光度が変えられる照明装置がある。調光信号としては、例えば、調光度によってパルス幅変調されたパルス幅変調信号が用いられる。
また、調光度だけでなく、例えば相関色温度などが変えられる照明装置がある。このような照明装置には、調光度によってパルス幅変調された調光信号と相関色温度によってパルス幅変調された相関色温度信号とを入力するもの、調光度や相関色温度をデジタルデータで表わすデジタル信号を入力するものなどがある。デジタル信号を入力する照明装置には、調光度や相関色温度を変える指示だけでなく、更に複雑な指示を受け付けることができるものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平3−35793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多数の照明装置を有する照明システムにおいて、照明制御装置を設け、照明制御装置が生成した調光信号などの制御信号を照明装置が入力することにより、照明装置を制御する場合がある。多数の照明装置を複数のグループに分けて、グループごとに異なる制御をしたい場合、パルス幅変調された制御信号を入力する照明装置は、グループ内で制御信号の信号線を共通化することはできるが、異なるグループで制御信号の信号線を共通化することはできないので、少なくともグループの数と同じ数の信号線が必要になる。これに対し、デジタル信号を入力する照明装置は、グループごとにアドレスを割り当てることにより、異なるグループで制御信号の信号線を共通化できる。
それまで1つのグループとして運用されていた複数の照明装置を、複数のグループに分ける必要が生じた場合、その照明装置がパルス幅変調された制御信号を入力する照明装置であれば、信号線の配線を変える必要があり、また、後からグループ分けを変更することは難しい。
そこで、照明装置を、デジタル信号を入力する照明装置にリニューアルすることが考えられる。そうすれば、信号線の配線を変える必要はなく、また、後からグループ分けを変更することも容易になる。
【0005】
大規模な照明システムでは、すべての照明装置を一斉にリニューアルすることは、コストがかかり、難しい場合がある。そのため、一部の照明装置だけをリニューアルしたいという要望がある。
しかし、照明装置を、パルス幅変調信号を入力する照明装置から、デジタル信号を入力する照明装置に変更する場合、それに合わせて、照明制御装置も、パルス幅変調信号を出力する照明制御装置から、デジタル信号を出力する照明制御装置に変更する必要がある。また、パルス幅変調信号を入力する照明装置と、デジタル信号を入力する照明装置とで信号線を分ける必要がある。このため、一部の照明装置だけをリニューアルして、パルス幅変調信号を入力する照明装置と、デジタル信号を入力する照明装置とを混在させることは困難である。
【0006】
この発明は、例えば上記のような課題を解決するためになされたものであり、照明制御装置などの信号生成装置が、異なる種類の信号を入力する照明装置などの信号入力装置に対して共通の信号線を使って伝送できる共通の信号を生成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明にかかる信号生成装置は、入力した信号をパルス幅変調された信号として解釈するパルス幅変調信号入力装置に対するパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調信号生成部と、入力した信号をオンオフ変調された信号として解釈するオンオフ変調信号入力装置に対するオンオフ変調信号を生成するオンオフ変調信号生成部と、上記パルス幅変調信号生成部が生成したパルス幅変調信号の一部に上記オンオフ変調信号生成部が生成したオンオフ変調信号を組み込んだ信号を出力する信号出力部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
この発明にかかる信号生成装置によれば、パルス幅変調信号入力装置と、オンオフ変調信号入力装置とに対して共通の信号線を使って伝送できる共通の信号を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1における照明システム800の全体構成を示すシステム構成図。
【図2】実施の形態1における照明器具820のブロック構成を示すブロック図。
【図3】実施の形態1における信号入力回路823の構成を示す回路図。
【図4】実施の形態1における照明器具830の構成を示すブロック図。
【図5】実施の形態1における信号入力回路833の構成を示す回路図。
【図6】実施の形態1におけるデジタル信号のフレーム510の構造を示す図。
【図7】実施の形態1における調光制御コントローラ810の構成を示すブロック図。
【図8】実施の形態1における信号出力部130が出力する制御信号の構造を示す図。
【図9】実施の形態2におけるデジタル信号のフレーム510の構造を示す図。
【図10】実施の形態4におけるデジタル信号のフレーム510の構造を示す図。
【図11】実施の形態4における調光制御コントローラ810の構成を示すブロック図。
【図12】実施の形態5における信号出力部130が出力する制御信号の構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図8を用いて説明する。
【0011】
図1は、この実施の形態における照明システム800の全体構成を示すシステム構成図である。
【0012】
照明システム800(照明制御システム、通信システム)は、調光制御コントローラ810と、複数の照明器具820,830とを有する。調光制御コントローラ810(照明制御装置)は、複数の照明器具820,830を制御する制御信号(点灯制御信号)を生成し、出力する。調光制御コントローラ810が出力する制御信号は、例えば、照明器具820,830の点灯消灯、調光度、相関色温度などを指示する。それぞれの照明器具820,830(照明装置)は、調光制御コントローラ810が出力した制御信号を入力し、入力した制御信号にしたがって、動作する。
複数の照明器具820,830のうち、照明器具820は、パルス幅変調(PWM)された調光信号(パルス幅変調信号)を制御信号として入力する。照明器具820は、入力した調光信号にしたがって、点灯消灯し、調光する。照明器具820が入力するPWM信号は、例えば、周波数が100Hz〜1kHzの信号である。
これに対し、照明器具830は、オンオフ変調されたデジタル信号(オンオフ変調信号)を制御信号として入力する。なお、照明器具830が入力するデジタル信号は、基底帯域伝送されるものであってもよいし、搬送帯域伝送されるものであってもよい。照明器具830は、入力したデジタル信号にしたがって、点灯消灯し、調光し、相関色温度を調整する。照明器具830が入力するデジタル信号は、例えば、毎秒100キロビット〜毎秒10メガビットのシリアル信号である。
このように、複数の照明器具820,830には、入力する制御信号の変調方式が異なるものが混在している。しかし、調光制御コントローラ810と、複数の照明器具820,830とを接続する信号線(通信線)は一対であり、調光制御コントローラ810は、すべての照明器具820,830に共通の制御信号を出力する。調光制御コントローラ810が出力した一つの制御信号を、照明器具820は、PWM信号(パルス幅変更方式)として解釈し、照明器具830は、デジタル信号(デジタル方式)として解釈する。
【0013】
図2は、この実施の形態における照明器具820のブロック構成を示すブロック図である。
【0014】
照明器具820は、例えば、光源回路821と、点灯装置822とを有する。
光源回路821は、LEDなどの光源を有し、あるいは、放電灯(蛍光ランプ)などの着脱自在な光源を接続する。光源回路821は、点灯装置822から供給される電力を光源に供給して、光源を点灯させる。
点灯装置822(照明点灯装置)は、調光制御コントローラ810からの指示などにしたがって、光源回路821に対して電力を供給することにより、光源を点灯消灯し、調光する。点灯装置822は、例えば、信号入力回路823と、制御回路824と、電源回路825とを有する。
信号入力回路823(パルス幅変調信号入力装置)は、調光制御コントローラ810からの制御信号を入力して、制御回路824に対する信号に変換する。信号入力回路823は、入力した制御信号をPWM信号として解釈する。例えば、信号入力回路823は、入力した制御信号のオンデューティを測定して、測定したオンデューティを表わす信号(点灯状態信号)を出力する。
制御回路824は、信号入力回路823が出力した信号を入力し、入力した信号にしたがって、電源回路825の動作を制御する。制御回路824は、例えばマイコンである。
電源回路825は、商用電源などの電源ACから供給される電力を入力し、入力した電力を光源回路821に対して供給する電力に変換する。電源回路825は、制御回路824からの信号を入力し、入力した信号にしたがって動作する。電源回路825は、例えば、整流回路と、昇圧型コンバータ回路と、インバータ回路とを有し、光源回路821に対して交流電力を供給する。整流回路は、電源ACからの交流電力を全波整流する。昇圧型コンバータ回路は、整流回路が全波整流した脈流電力を平滑するとともに昇圧する。インバータ回路は、昇圧型コンバータ回路が昇圧した高い電圧を有する直流電力を、高周波の交流電力に変換する。
例えば、調光制御コントローラ810からの制御信号が、光源の消灯を指示する場合、制御回路824は、電源回路825の動作を停止させる。これにより、光源回路821に電力が供給されないので、光源が消灯する。また、調光制御コントローラ810からの制御信号が、光源の点灯を指示する場合、制御回路824は、制御信号により指示された調光度にしたがって、電源回路825が光源回路821に対して供給する電力を調整する。光源回路821に供給される電力が大きければ光源が明るく点灯し、光源回路821に供給される電力が小さければ光源が暗く点灯する。制御回路824は、例えば、光源回路821の周波数特性に基づいて、電源回路825が生成する交流電力の周波数(動作周波数)を変えることにより、光源回路821に供給される電力を変化させる。
【0015】
図3は、この実施の形態における信号入力回路823の構成を示す回路図である。
【0016】
信号入力回路823は、例えば、絶縁伝達回路827と、オンデューティ測定回路828とを有する。信号入力回路823は、例えば、制御電源回路826から供給される直流電力を電源として動作する。制御電源回路826は、例えば電源ACなどから供給される電力を、所定の制御電源電圧を有する直流電力に変換する。
絶縁伝達回路827は、調光制御コントローラ810から入力した信号を、電気的に絶縁しつつ、オンデューティ測定回路828に伝達する。絶縁伝達回路827は、例えば、抵抗R71,R73,R75と、フォトカプラP72と、スイッチング素子Q74とを有する。抵抗R71と、フォトカプラP72の一次側である発光ダイオードとは、互いに直列に電気接続し、調光制御コントローラ810の出力に電気接続している。抵抗R71は、フォトカプラP72の発光ダイオードを流れる電流を制限する。フォトカプラP72は、調光制御コントローラ810と、オンデューティ測定回路828とを電気的に絶縁する。抵抗R73と、フォトカプラP72の二次側であるフォトトランジスタとは、互いに直列に電気接続し、制御電源回路826の出力に電気接続している。抵抗R75と、スイッチング素子Q74とは、互いに直列に電気接続し、抵抗R73とフォトカプラP72のフォトトランジスタとの直列回路と並列に、制御電源回路826の出力に電気接続している。スイッチング素子Q74は、例えばNPN型バイポーラトランジスタである。スイッチング素子Q74のオンオフを制御する信号を入力する端子(例えばバイポーラトランジスタのベース端子)は、抵抗R73とフォトカプラP72のフォトトランジスタとの接続点に電気接続している。絶縁伝達回路827は、抵抗R75とスイッチング素子Q74との接続点の電位を出力する。
調光制御コントローラ810から入力する制御信号の電圧値が所定の閾値より高い場合、抵抗R71を介して、フォトカプラP72の発光ダイオードに電流が流れる。フォトカプラP72の発光ダイオードが発光すると、フォトカプラP72のフォトトランジスタがオンになる。このため、抵抗R73とフォトカプラP72のフォトトランジスタとの接続点の電位が低くなるので、スイッチング素子Q74がオフになる。したがって、抵抗R75とスイッチング素子Q74との接続点の電位は高くなる。
逆に、調光制御コントローラ810から入力する制御信号の電圧値が所定の閾値より低い場合、抵抗R71を電流が流れない。フォトカプラP72の発光ダイオードが発光しないので、フォトカプラP72のフォトトランジスタがオフになる。このため、抵抗R73とフォトカプラP72のフォトトランジスタとの接続点の電位が高くなり、スイッチング素子Q74がオンになる。したがって、抵抗R75とスイッチング素子Q74との接続点の電位は低くなる。
このように、絶縁伝達回路827は、フォトカプラP72により調光制御コントローラ810とオンデューティ測定回路828とを電気的に絶縁しつつ、調光制御コントローラ810からの信号と同位相の信号をオンデューティ測定回路828に伝達する。
【0017】
オンデューティ測定回路828は、絶縁伝達回路827が伝達した信号のオンデューティを測定する。オンデューティ測定回路828は、例えば、スイッチング素子Q81,Q82と、抵抗R83,R84,R85と、コンデンサC86とを有する。スイッチング素子Q81と、抵抗R83と、抵抗R84と、スイッチング素子Q82とは、互いに直列に電気接続し、制御電源回路826の出力に接続している。スイッチング素子Q81は、例えば、エンハンスメント型PMOSFETである。スイッチング素子Q82は、例えば、エンハンスメント型NMOSFETである。スイッチング素子Q81のオンオフを制御する信号を入力する端子(例えばFETのゲート端子)と、スイッチング素子Q82のオンオフを制御する信号を入力する端子(例えばFETのゲート端子)とは、絶縁伝達回路827の抵抗R75とスイッチング素子Q74との接続点に電気接続し、絶縁伝達回路827が出力した信号を入力する。2つのスイッチング素子Q81,Q82は、交互に動作(オン/オフ)する。すなわち、スイッチング素子Q81がオンのときはスイッチング素子Q82がオフになり、スイッチング素子Q82がオンのときはスイッチング素子Q81がオフになる。抵抗R85と、コンデンサC86とは、互いに直列に電気接続し、抵抗R84とスイッチング素子Q82との直列回路に並列に電気接続している。オンデューティ測定回路828は、抵抗R85とコンデンサC86との接続点の電位(すなわち、コンデンサC86の両端電圧)を出力する。
絶縁伝達回路827が出力した信号の電位が所定の閾値より高い場合、スイッチング素子Q81がオフになり、スイッチング素子Q82がオンになる。抵抗R84,R85を介して、コンデンサC86が放電する。
絶縁伝達回路827が出力した信号の電位が所定の閾値より低い場合、スイッチング素子Q81がオンになり、スイッチング素子Q82がオフになる。抵抗R83,R85を介して、コンデンサC86が充電される。
コンデンサC86を充放電する電流に比べてコンデンサC86の静電容量が十分大きければ、コンデンサC86の両端電圧は、充電時間と放電時間との比によって定まる。絶縁伝達回路827からの信号のオンデューティが大きければ、放電時間が長くなるので、コンデンサC86の両端電圧は低くなる。絶縁伝達回路827からの信号のオンデューティが小さければ、充電時間が長くなるので、コンデンサC86の両端電圧は高くなる。すなわち、オンデューティ測定回路828は、入力した信号のオンデューティを測定し、測定したオンデューティを表わす電圧を出力する。
【0018】
制御回路824は、例えば、信号入力回路823が出力した信号の電位が高いほど、電源回路825が光源回路821に対して供給する電力が大きくなるよう、電源回路825を制御する。これにより、信号入力回路823が入力した調光制御コントローラ810からの信号のオンデューティが小さいほど、光源回路821の光源が明るく点灯する。逆に、信号入力回路823が入力した調光制御コントローラ810からの信号のオンデューティが大きいほど、光源回路821の光源が暗く点灯する。
【0019】
図4は、この実施の形態における照明器具830の構成を示すブロック図である。
【0020】
照明器具830は、例えば、2つの光源回路831a,831bと、点灯装置832とを有する。
光源回路831a,831bは、LEDなどの光源を有し、あるいは、光源を接続する。光源回路831a,831bは、点灯装置832から供給される電力を光源に供給して、光源を点灯させる。光源回路831aの光源と、光源回路831bの光源とは、放射する光の相関色温度が異なる。照明器具830は、光源回路831aの光源が放射した光(例えば昼白色)と、光源回路831bの光源が放射した光(例えば電球色)とを混合した光を放射する。照明器具830は、光源回路831aの光源が放射する光の強さと、光源回路831bの光源が放射する光の強さとを、それぞれ独立して変化させることにより、照明器具830が放射する光の調光度及び相関色温度を変化させることができる。
点灯装置832(照明点灯装置)は、調光制御コントローラ810からの指示などにしたがって、2つの光源回路831a,831bに対して電力を供給することにより、光源を点灯消灯し、調光し、相関色温度を調整する。点灯装置832は、例えば、信号入力回路833と、制御回路834と、電源回路835とを有する。
信号入力回路833(オンオフ変調信号入力装置)は、調光制御コントローラ810からの制御信号を入力して、制御回路834に対する信号に変換する。信号入力回路833は、入力した信号をデジタル信号として解釈する。例えば、信号入力回路833は、入力した制御信号をシリアル信号として解釈して、解釈したデータを記憶する。信号入力回路833は、記憶したデータを表わす信号(点灯状態信号)を出力する。
制御回路834は、信号入力回路833が出力した信号を入力し、入力した信号にしたがって、電源回路835の動作を制御する。制御回路834は、例えばマイコンである。
電源回路835は、商用電源などの電源ACから供給される電力を入力し、入力した電力を光源回路831aに対して供給する電力と、光源回路831bに対して供給する電力とに変換する。電源回路835は、制御回路824からの信号を入力し、入力した信号にしたがって動作する。電源回路835は、例えば、整流回路と、昇圧型コンバータ回路と、2つの降圧型コンバータ回路とを有し、光源回路831a,831bに対して直流電力を供給する。整流回路は、電源ACからの交流電力を全波整流する。昇圧型コンバータ回路は、整流回路が全波整流した脈流電力を平滑するとともに昇圧する。降圧型コンバータ回路は、昇圧型コンバータ回路が昇圧した高い電圧を有する直流電力を降圧して、低い電圧を有する直流電力に変換する。2つの降圧型コンバータ回路のうちの1つは、光源回路831aに対して直流電力を供給し、他の1つは、光源回路831bに対して直流電力を供給する。なお、電源回路835は、光源回路831aに対して電力を供給する電源回路と、光源回路831bに対して電力を供給する電源回路とに分かれた構成であってもよい。
例えば、調光制御コントローラ810からの制御信号が、光源の消灯を指示する場合、制御回路834は、電源回路835の動作を停止させる。これにより、光源回路831a,831bに電力が供給されないので、光源が消灯する。また、調光制御コントローラ810からの制御信号が、光源の点灯を指示する場合、制御回路834は、制御信号により指示された調光度及び相関色温度にしたがって、電源回路835が光源回路831a,831bに対して供給する電力を調整する。光源回路831aに供給される電力が大きく、光源回路831bに供給される電力が小さければ、光源回路831aの光源が明るく点灯し、光源回路831bの光源が暗く点灯するので、照明器具830が放射する光の相関色温度は、光源回路831aの光源の相関色温度に近くなる。逆に、光源回路831に供給される電力が小さく、光源回路831bに供給される電力が大きければ、光源回路831aの光源が暗く点灯し、光源回路831bの光源が明るく点灯するので、照明器具830が放射する光の相関色温度は、光源回路831bの光源の相関色温度に近くなる。制御回路834は、例えば、指示された調光度及び相関色温度に基づいて、それぞれの光源回路831a,831bに流すべき電流を算出する。例えば、制御回路834は、調光度及び相関色温度と、それぞれの光源回路831a,831bに流すべき電流との対応関係を表わすテーブルを、あらかじめ記憶しておく。制御回路834は、そのテーブルを参照することにより、それぞれの光源回路831a,831bに流すべき電流を算出する。制御回路834は、それぞれの光源回路831a,831bを実際に流れている電流を検出し、検出した電流が算出した電流と一致するよう、電源回路835を制御する。
【0021】
図5は、この実施の形態における信号入力回路833の構成を示す回路図である。
【0022】
信号入力回路833は、例えば、絶縁伝達回路837と、受信回路838とを有する。信号入力回路833は、例えば、制御電源回路836から供給される直流電力を電源として動作する。制御電源回路836は、例えば電源ACなどから供給される電力を、所定の制御電源電圧を有する直流電力に変換する。
絶縁伝達回路837は、調光制御コントローラ810から入力した信号を電気的に絶縁しつつ、受信回路838に伝達する。絶縁伝達回路837は、例えば、絶縁伝達回路827と同様の構成である。
【0023】
受信回路838は、絶縁伝達回路837が伝達した信号を解釈して記憶する。受信回路838は、例えば、集積回路(IC)やマイコンである。受信回路838は、制御回路834と一体のICやマイコンであってもよい。例えば、受信回路838は、絶縁伝達回路837が出力した信号を入力する。受信回路838は、入力した信号を監視して、所定の開始パターンを見つけると、そこがフレームの開始であると判断して同期を取り、それ以降の信号を、オンオフ変調されたシリアル信号として解釈し、解釈した結果として得られたデータを記憶する。受信回路838は、1つのフレームが終了すると、再び、入力した信号を監視して所定の開始パターンを探す。受信回路838は、例えば、所定の終了パターンを見つけた場合にフレームの終了であると判断する構成であってもよいし、フレームの長さをあらかじめ定めておき、受信回路838は、定められた長さのデータをシリアルパラレル変換した場合に、フレームの終了であると判断する構成であってもよい。また、フレームの長さをあらかじめ定めておくのではなく、フレームの先頭付近にそのフレームのデータ長を表わすデータを入れておき、受信回路838は、そのデータに基づいて、フレームの終了を判断する構成であってもよい。
【0024】
図6は、この実施の形態におけるデジタル信号のフレーム510の構造を示す図である。
【0025】
フレーム510は、開始パターン511と、調光度データ513と、色温度データ514とを有する。開始パターン511は、フレーム510の開始を表わす。開始パターン511は、例えば8ビットであり、例えば「10100101」(2進数)など所定の値のデータである。調光度データ513は、照明器具830に対して指示される調光度を表わす。調光度データ513は、例えば8ビットであり、その場合、最大256段階の調光が可能となる。色温度データ514は、照明器具830に対して指示される相関色温度を表わす。色温度データ514は、例えば8ビットであり、その場合、最大256段階の色温度調整が可能となる。この例では、1つのフレームの長さは、24ビットであり、ビットレートが毎秒10メガビットの場合、1つのフレームの持続時間は、2.4マイクロ秒である。
【0026】
図7は、この実施の形態における調光制御コントローラ810の構成を示すブロック図である。
【0027】
調光制御コントローラ810は、例えば、指示入力部811と、指示記憶部812と、信号生成装置100とを有する。
指示入力部811は、照明器具820,830に対する指示を入力する。指示入力部811は、例えばリモコン受信回路であり、利用者によるリモコン操作を入力する。指示入力部811が入力する指示は、例えば、照明器具820に対する点灯消灯や調光度の指示、照明器具830に対する点灯消灯や調光度や相関色温度の指示などである。なお、指示入力部811は、照明器具820に対する指示と照明器具830に対する指示とを区別せず、すべての照明器具820,830に対して共通の指示を入力する構成であってもよい。
指示記憶部812は、指示入力部811が入力した指示を記憶する。指示記憶部812は、例えば不揮発性メモリであり、指示入力部811が入力した指示を表わすデータを記憶する。
【0028】
信号生成装置100は、指示記憶部812が記憶した指示に基づいて、照明器具820,830に対する制御信号を生成し、出力する。信号生成装置100は、例えば、パルス幅変調信号生成部110と、オンオフ変調信号生成部120と、信号出力部130とを有する。
パルス幅変調信号生成部110は、指示記憶部812が記憶した指示に基づいて、照明器具820に対するPWM信号を生成する。
オンオフ変調信号生成部120は、指示記憶部812が記憶した指示に基づいて、照明器具830に対するデジタル信号を生成する。オンオフ変調信号生成部120が生成するデジタル信号は、例えば、フレーム510の開始パターン511である開始パターン信号と、調光度データ513(データ)を表わす調光度信号(データ信号)と、色温度データ514(データ)を表わす色温度信号(データ信号)とを含む。オンオフ変調信号生成部120は、例えば、開始信号生成部121と、調光度信号生成部123と、色温度信号生成部124とを有する。
開始信号生成部121は、開始パターン信号を生成する。開始信号生成部121は、例えば、パルス幅変調信号生成部110がパルス幅変調信号を生成するタイミングに合わせて、PWM信号の一周期のなかの所定のタイミングで、開始パターン信号を生成する。
調光度信号生成部123は、開始信号生成部121が生成した開始パターン信号に続けて、指示記憶部812が記憶した調光度の指示に基づいて、調光度信号を生成する。
色温度信号生成部124は、調光度信号生成部123が生成した調光度信号に続けて、指示記憶部812が記憶した相関色温度の指示に基づいて、色温度信号を生成する。
【0029】
信号出力部130は、パルス幅変調信号生成部110が生成したパルス幅変調信号の一部に、オンオフ変調信号生成部120が生成したデジタル信号を組み込んだ信号を生成して、照明器具820,830に対する制御信号として外部に出力する。信号出力部130は、例えば、オンオフ変調信号生成部120がデジタル信号を生成しているタイミングでは、オンオフ変調信号生成部120が生成したデジタル信号を出力し、それ以外のタイミングでは、パルス幅変調信号生成部110が生成したPWM信号を出力する。
【0030】
図8は、この実施の形態における信号出力部130が出力する制御信号の構造を示す図である。
周期500は、パルス幅変調信号生成部110が生成するPWM信号の一周期である。例えば、PWM信号の周波数が100Hzの場合、一つの周期500の持続時間は、10ミリ秒である。オン期間520は、パルス幅変調信号生成部110が生成するPWM信号がオンの期間である。オフ期間530は、パルス幅変調信号生成部110が生成するPWM信号がオフの期間である。オン期間520及びオフ期間530の持続時間は、指示記憶部812が記憶した調光度の指示によって変化する。
フレーム510は、オンオフ変調信号生成部120が生成するデジタル信号のフレームである。オンオフ変調信号生成部120は、例えば、オフ期間530の終わりに当たるタイミングで、一つのフレーム510を生成する。なお、オンオフ変調信号生成部120は、他のタイミングでデジタル信号を生成する構成であってもよい。また、オンオフ変調信号生成部120は、一つの周期500に複数のフレーム510を生成する構成であってもよいし、複数の周期500に一つのフレーム510を生成する構成であってもよい。
【0031】
照明器具820の信号入力回路823は、調光制御コントローラ810が出力した制御信号をPWM信号として解釈する。オンオフ変調信号生成部120がデジタル信号を生成している期間において、調光制御コントローラ810が出力した制御信号の電圧は、オン期間520と同じ電圧になるときと、オフ期間530と同じ電圧になるときとがある。本来、オフ期間530であるべき期間に、オンオフ変調信号生成部120が生成したデジタル信号が組み込まれているので、調光制御コントローラ810が出力した制御信号のオンデューティは、パルス幅変調信号生成部110が生成したPWM信号のオンデューティよりもわずかに大きくなる。例えば、一つの周期500の持続時間が10ミリ秒、一つのフレーム510の持続時間が2.4マイクロ秒である場合、オンデューティは、最大で0.024%増加する。例えば、パルス幅変調信号生成部110が生成したPWM信号のオンデューティが50%である場合、調光制御コントローラ810が出力した制御信号のオンデューティは、50%〜50.024%になる。したがって、照明器具820は、オンデューティが50%〜50.024%のPWM信号を入力したものとして動作する。
パルス幅変調信号生成部110が生成するPWM信号の一つの周期500につきオンオフ変調信号生成部120が生成するデジタル信号の持続時間が、一つの周期500の持続時間の100分の1以下であれば、信号入力回路823が解釈するPWM信号のオンデューティの誤差が1%以内となるので、ほとんど無視できる。更に、デジタル信号の持続時間が一つの周期500の持続時間の1000分の1以下であれば、デジタル信号を組み込むことによる誤差は0.1%以内となり、PWM信号におけるばらつき公差と同程度になる。
したがって、照明器具820は、通常のPWM信号を入力した場合と同様に動作する。
【0032】
なお、オンオフ変調信号生成部120が生成するPWM信号のオフ期間530に、パルス幅変調信号生成部110がデジタル信号を生成するのではなく、PWM信号のオン期間520に、パルス幅変調信号生成部110がデジタル信号を生成する構成としてもよい。
【0033】
照明器具830の信号入力回路833は、調光制御コントローラ810が出力した制御信号をデジタル信号として解釈する。オンオフ変調信号生成部120が生成したデジタル信号以外の部分に、開始パターン511と同じパターンが出現しなければ、信号入力回路833は、オンオフ変調信号生成部120が生成したデジタル信号以外の部分を無視するので、オンオフ変調信号生成部120が生成したデジタル信号だけを解釈する。したがって、信号入力回路833は、一つの周期500に一回ずつ、デジタル信号を解釈し、取得したデータを記憶しておく。照明器具830の制御回路834は、信号入力回路833が記憶しているデータに基づいて、信号入力回路833を制御する。
したがって、照明器具830は、通常のデジタル信号を入力した場合と同様に動作する。
【0034】
なお、オンオフ変調信号生成部120が複数の周期500に一つのフレーム510を生成する構成とすれば、信号入力回路823が解釈するPWM信号のオンデューティの誤差が更に小さくなるので、望ましい。
ただし、オンオフ変調信号生成部120がフレーム510を生成する周期を長くすると、指示入力部811が照明器具830に対する指示を入力してから、その指示が照明器具830に伝達されるまでの遅延時間が大きくなる。
このため、オンオフ変調信号生成部120は、指示記憶部812が記憶した照明器具830に対する指示が変更されたときは、すぐにフレーム510を生成し、照明器具830に対する指示に変更がないときは、比較的長い周期(例えば1秒)ごとに1つのフレーム510を生成する構成であってもよい。そうすれば、照明器具830に対する指示が変更されたときは、その指示をすぐに照明器具830に伝達できるとともに、照明器具820が解釈するPWM信号のオンデューティの誤差を小さくすることができる。
【0035】
実施の形態2.
実施の形態2について、図9を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0036】
この実施の形態における照明システム800、調光制御コントローラ810、照明器具820,830の構成は、実施の形態1と同様である。
【0037】
図9は、この実施の形態におけるデジタル信号のフレーム510の構造を示す図である。
【0038】
フレーム510は、終了パターン515を有する。終了パターン515は、フレーム510の終了を表わす。終了パターン515は、例えば8ビットであり、例えば「11111111」(2進数)など所定の値のデータである。照明器具830の信号入力回路833は、フレーム510の受信中に終了パターン515を見つけると、そこでフレーム510が終了したと判断する。
【0039】
調光制御コントローラ810の信号出力部130が出力する制御信号の構造は、図8と同様なので、図8を参照して説明する。
【0040】
オンオフ変調信号生成部120は、オフ期間530の終わりに当たるタイミングで、一つのフレーム510を生成する。ただし、オンオフ変調信号生成部120が生成するフレーム510には、終了パターン515が含まれていない。
信号出力部130が出力する制御信号において、オンオフ変調信号生成部120が生成したフレーム510の次に、オン期間520が存在する。照明器具830の信号入力回路833は、まだフレームが続いていると考えているので、オン期間520の始めの部分をデジタル信号のつもりで解釈する。信号入力回路833は、例えば、オン期間520の始めの部分を解釈して、データ「11111111」(2進数)を得る。このデータが終了パターンと一致する場合、信号入力回路833は、そこでフレーム510が終了したと判断する。
【0041】
このように、照明器具830が終了パターン515の出現をもってフレーム510の終了を判断する構成であり、パルス幅変調信号生成部110が生成するPWM信号のなかに、終了パターン515と一致するパターンが存在する場合、オンオフ変調信号生成部120は、そのパターンの直前のタイミングで、終了パターン515を含まないフレーム510を生成する。
これにより、照明器具830の信号入力回路833は、そこでフレーム510が終了したと判断し、次のフレーム510が開始するまでの間の信号を無視する。したがって、照明器具830は、通常のデジタル信号を入力した場合と同様に動作する。
また、オンオフ変調信号生成部120が生成するフレーム510の長さが終了パターン515を含まない分短くなるので、照明器具820が解釈するPWM信号のオンデューティの誤差を小さくすることができる。
【0042】
実施の形態3.
実施の形態3について、説明する。
なお、実施の形態1または実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0043】
この実施の形態における照明システム800、調光制御コントローラ810、照明器具820,830の構成は、実施の形態1または実施の形態2と同様である。
【0044】
信号生成装置100のパルス幅変調信号生成部110は、信号出力部130が出力する制御信号に、オンオフ変調信号生成部120が生成したデジタル信号が組み込まれることを考慮して、PWM信号のオン期間520及びオフ期間530の持続時間を決定し、決定した結果に基づいてPWM信号を生成する。
例えば、パルス幅変調信号生成部110が生成したPWM信号のオフ期間530に、オンオフ変調信号生成部120が生成したデジタル信号が組み込まれる場合、パルス幅変調信号生成部110は、一つ前の周期500において、信号出力部130が出力した制御信号の電圧が、デジタル信号が組み込まれたことによりオン期間520と同じ電圧になった時間の合計を算出する。パルス幅変調信号生成部110は、オン期間520の持続時間を、指示記憶部812が記憶した調光度の指示から求められる本来の持続時間から、算出した合計時間を差し引いた時間にする。例えば、指示記憶部812が記憶した調光度の指示を表わすオンデューティが50%であり、一つの周期500の持続時間が10ミリ秒である場合、オン期間520の持続時間は、本来5ミリ秒になる。一つ前の周期500において、デジタル信号が組みこまれることにより、制御信号の電圧が、オン期間520と同じ電圧になった時間が10マイクロ秒あったとすると、パルス幅変調信号生成部110は、オン期間520の持続時間を4.99ミリ秒にする。
逆に、パルス幅変調信号生成部110が生成したPWM信号のオン期間520に、オンオフ変調信号生成部120が生成したデジタル信号が組み込まれる場合は、信号出力部130が出力した制御信号の電圧が、デジタル信号が組み込まれたことによりオフ期間530と同じ電圧になった合計時間を、オン期間520の本来の持続時間に加えて、オン期間520の持続時間を長くする。
【0045】
これにより、照明器具820の信号入力回路823が解釈するPWM信号のオンデューティの誤差を、ほとんどなくすことができる。
なお、本来のオンデューティが0%である場合、オン期間520の持続時間をそれ以上短くすることができないので、信号入力回路823が解釈するPWM信号のオンデューティの誤差が発生する。同様に、本来のオンデューティが100%である場合、オン期間520の持続時間をそれ以上長くすることができないので、信号入力回路823が解釈するPWM信号のオンデューティの誤差が発生する。
しかし、PWM信号が、例えば、オンデューティが5%以下である場合には、最大光出力を意味し、オンデューティが95%以上である場合には、消灯を意味するという構成であれば、オンデューティが0%や100%のPWM信号を使う必要はないから、このときの誤差は無視できる。その場合、PWM信号の一つの周期500の持続時間に対するデジタル信号の持続時間の割合が、5%以内であれば、信号入力回路823が解釈するPWM信号のオンデューティの誤差をなくすことができる。
【0046】
なお、信号出力部130が出力する制御信号に、オンオフ変調信号生成部120が生成したデジタル信号が組み込まれることを考慮して、パルス幅変調信号生成部110が、PWM信号のオン期間520及びオフ期間530の持続時間を変えるのではなく、オンオフ変調信号生成部120がデジタル信号を生成するタイミングを変える構成であってもよい。
例えば、オンオフ変調信号生成部120がデジタル信号を生成するタイミングを、パルス幅変調信号生成部110が生成するPWM信号が、オン期間520からオフ期間530へ、あるいは、オフ期間530からオン期間520へ遷移するタイミングと重なるタイミングに設定しておく。オンオフ変調信号生成部120は、オンオフ変調信号生成部120が生成するデジタル信号の電圧が、オン期間520と同じ電圧になる期間と、オフ期間530と同じ電圧になる期間との比率を算出し、生成するデジタル信号が、算出した比率と同じ比率で、オン期間520及びオフ期間530に重なるタイミングで、デジタル信号を生成する。例えば、オンオフ変調信号生成部120が生成するデジタル信号の電圧が、オン期間520と同じ電圧になる期間が60%、オフ期間530と同じ電圧になる期間が40%ある場合、オンオフ変調信号生成部120は、生成するデジタル信号の持続時間のうち、60%がオン期間520に重なり、40%がオフ期間530に重なるタイミングで、デジタル信号を生成する。
なお、オンオフ変調信号生成部120がデジタル信号を生成するタイミングを変えるのではなく、信号出力部130が、デジタル信号を遅延させて、PWM信号に組み込む構成であってもよい。
【0047】
実施の形態4.
実施の形態4について、図10〜図11を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態3と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0048】
この実施の形態における照明システム800,照明器具820,830の構成は、実施の形態1〜実施の形態3と同様である。ただし、照明システム800は、複数の照明器具830を有し、複数の照明器具830は、複数のグループに分けられている。照明システム800は、グループごとに、照明器具830の点灯消灯、調光度、相関色温度などを制御することができる。
【0049】
図10は、この実施の形態におけるデジタル信号のフレーム510の構造を示す図である。
フレーム510は、アドレスデータ512を有する。アドレスデータ512は、そのフレーム510による指示の対象である照明器具830のグループを指定するグループ識別子を表わす。アドレスデータ512は、例えば8ビットであり、その場合、最大256個のグループに対して、1つの制御信号で指示をすることができる。なお、照明器具820に対しては、照明器具830とは異なる指示をすることができるから、照明器具820を1つのグループとみなせば、別々の指示をすることができるグループの数は、1つ増える。
【0050】
照明器具830の受信回路838は、例えば、あらかじめ照明器具830が分類されたグループのグループ識別子を記憶している。例えば、受信回路838は、ディップスイッチを有し、その照明器具830が分類されたグループのグループ識別子にしたがって、利用者がディップスイッチをあらかじめ設定しておく。受信回路838は、ディップスイッチの状態を読み取ることにより、照明器具830が分類されたグループのグループ識別子を取得する。
受信回路838は、入力した信号を監視して、開始パターン511を見つけると、そこがフレームの開始であると判断して同期を取り、それ以降の信号を、オンオフ変調されたシリアル信号として解釈して、アドレスデータ512を取得する。受信回路838は、あらかじめ記憶しているグループ識別子と、取得したアドレスデータ512が表わすグループ識別子とを比較して、一致するか否かを判定する。
グループ識別子が一致した場合、受信回路838は、更にそれ以降の信号を、オンオフ変調されたシリアル信号として解釈して、調光度データ513や色温度データ514を取得して、記憶する。制御回路834は、受信回路838が記憶した調光度データ513が表わす調光度や色温度データ514が表わす相関色温度にしたがって、点灯装置832を制御する。
グループ識別子が一致しない場合、受信回路838は、そのフレームを無視し、そのフレームが終了して次のフレームが開始するのを待つ。受信回路838が記憶した調光度データ513や色温度データ514が変わらないので、制御回路834は、それまでと変わらない調光度や相関色温度にしたがって、点灯装置832を制御する。
【0051】
このようにして、照明器具830は、自身が分類されたグループに対する指示を含むフレーム510だけを取得し、取得したフレーム510に含まれる指示にしたがって動作する。
【0052】
図11は、この実施の形態における調光制御コントローラ810の構成を示すブロック図である。
【0053】
調光制御コントローラ810は、実施の形態1で説明した構成に加えて、更に、アドレス入力部813と、アドレス記憶部814とを有する。
アドレス入力部813は、照明システム800に含まれる照明器具830が分類されるグループを指定するグループ識別子を入力する。
アドレス記憶部814は、アドレス入力部813が入力したグループ識別子を記憶する。アドレス記憶部814は、例えば不揮発性メモリなどである。
【0054】
指示入力部811は、照明器具820,830に対する指示と、その指示の対象であるグループを指定するグループ識別子とを入力する。なお、照明器具830が分類されたグループに割り当てられたグループ識別子のいずれとも異なるグループ識別子を照明器具820に割り当てておき、照明器具820に対する指示も、グループ識別子によって識別する構成であってもよい。
指示記憶部812は、指示入力部811が入力した指示を、その指示の対象であるグループを表わすグループ識別子と対応づけて記憶する。
【0055】
オンオフ変調信号生成部120が生成するデジタル信号は、例えば、フレーム510の開始パターン511である開始パターン信号と、アドレスデータ512を表わすアドレス信号と、調光度データ513(データ本体)を表わす調光度信号(データ本体信号)と、色温度データ514(データ本体)を表わす色温度信号(データ本体信号)とを含む。オンオフ変調信号生成部120は、実施の形態1で説明した構成に加えて、更に、アドレス信号生成部122を有する。
アドレス信号生成部122は、開始信号生成部121が生成した開始パターン信号に続けて、アドレス記憶部814が記憶したグループ識別子に基づいて、アドレス信号を生成する。
調光度信号生成部123は、アドレス信号生成部122が生成したアドレス信号に続けて、アドレス信号生成部122が生成したアドレス信号が表わすグループ識別子に対応づけて指示記憶部812が記憶した調光度の指示に基づいて、調光度信号を生成する。
色温度信号生成部124は、調光度信号生成部123が生成した調光度信号に続けて、アドレス信号生成部122が生成したアドレス信号が表わすグループ識別子に対応づけて指示記憶部812が記憶した相関色温度の指示に基づいて、色温度信号を生成する。
【0056】
オンオフ変調信号生成部120は、例えば、パルス幅変調信号生成部110が生成するPWM信号の一つの周期500につき、一つのフレーム510を生成する。一つのフレーム510は、一つのグループに対する指示を表わすから、すべてのグループに対して指示をするには、グループの数と同じ数の周期500が必要である。例えば、10個のグループに対して指示をするには、一つの周期500の持続時間の10倍の時間がかかる。例えば、一つの周期500の持続時間が10ミリ秒である場合、10個のグループに対して指示するには0.1秒かかる。
そこで、オンオフ変調信号生成部120は、それぞれのグループに対する指示を表わすフレーム510を順番に生成するのではなく、指示に変更があったグループに対する指示を表わすフレーム510を優先的させて先に生成する構成であってもよい。また、オンオフ変調信号生成部120は、指示に変更がないグループに対する指示を表わすフレーム510を、比較的長い周期(例えば1秒)ごとに1つ生成する構成であってもよい。
【0057】
このように、フレーム510がアドレスデータ512を有することにより、照明器具820と照明器具830とに対して異なる指示をするだけでなく、複数の照明器具830を複数のグループに分けて、グループごとに異なる指示をすることができる。
【0058】
実施の形態5.
実施の形態5について、図12を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態4と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0059】
この実施の形態における照明システム800、調光制御コントローラ810、照明器具820,830の構成は、実施の形態4で説明したものと同様である。
【0060】
また、この実施の形態におけるデジタル信号のフレーム510の構成は、実施の形態4で説明したものと同様である。
【0061】
照明器具830の受信回路838は、フレーム510の受信中に次のフレーム510の開始パターン511を見つけると、その前で、前のフレーム510が終了したと判断する。すなわち、あるフレーム510の開始パターン511は、その前のフレーム510の終了パターン515としての役割を兼ねている。
【0062】
調光制御コントローラ810の開始信号生成部121は、色温度信号生成部124が生成した色温度信号に続けて、第二の開始パターンである第二の開始パターン信号を生成する。
アドレス信号生成部122は、開始信号生成部121が生成した第二の開始パターン信号に続けて、アドレス記憶部814が記憶したグループ識別子に基づいて、グループが割り当てられているグループ識別子のいずれとも異なるグループ識別子(すなわち、グループが割り当てられていないグループ識別子)を表わす第二のアドレス信号を生成する。
【0063】
図12は、この実施の形態における信号出力部130が出力する制御信号の構造を示す図である。
デジタル信号540は、オンオフ変調信号生成部120が生成したものである。デジタル信号540は、開始パターン信号と、アドレス信号と、調光度信号と、色温度信号と、第二の開始パターン信号と、第二のアドレス信号とからなる。
照明器具830は、このうち、開始パターン信号から、第二の開始パターン信号の前の色温度信号までを、一つのフレーム510として認識する。アドレス信号が表わすグループ識別子が、照明器具830自身が属するグループのグループ識別子と一致した場合、照明器具830は、そのフレーム510が照明器具830自身に対する指示を表わすと理解して、調光度信号が表わす調光度や色温度信号が表わす相関色温度にしたがって、動作する。
また、照明器具830は、第二の開始パターン信号から、次のフレーム510の最初の開始パターン信号までを、一つのフレーム550として認識する。しかし、第二のアドレス信号と、次のフレーム510の最初の開始パターン信号との間の部分は、オンオフ変調信号生成部120が生成したデジタル信号540ではないから、フレーム550は、本物のフレームではなく、擬似フレームである。また、第二のアドレス信号が表わすグループ識別子は、いずれのグループのグループ識別子とも一致しないので、すべての照明器具830が、フレーム550が照明器具830自身に対する指示を表わすものではないと理解する。
【0064】
以上、各実施の形態で説明した構成は、一例であり、他の構成であってもよい。例えば、異なる実施の形態で説明した構成を組み合わせた構成であってもよいし、本質的でない部分の構成を、異なる構成で置き換えた構成であってもよい。
【符号の説明】
【0065】
100 信号生成装置、110 パルス幅変調信号生成部、120 オンオフ変調信号生成部、121 開始信号生成部、122 アドレス信号生成部、123 調光度信号生成部、124 色温度信号生成部、130 信号出力部、500 周期、510,550 フレーム、511 開始パターン、512 アドレスデータ、513 調光度データ、514 色温度データ、515 終了パターン、520 オン期間、530 オフ期間、540 デジタル信号、800 照明システム、810 調光制御コントローラ、811 指示入力部、812 指示記憶部、813 アドレス入力部、814 アドレス記憶部、820,830 照明器具、821,831 光源回路、822,832 点灯装置、823,833 信号入力回路、824,834 制御回路、825,835 電源回路、826,836 制御電源回路、827,837 絶縁伝達回路、828 オンデューティ測定回路、838 受信回路、AC 電源、C86 コンデンサ、P72 フォトカプラ、Q74,Q81,Q82 スイッチング素子、R71,R73,R75,R83,R84,R85 抵抗。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力した信号をパルス幅変調された信号として解釈するパルス幅変調信号入力装置に対するパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調信号生成部と、
入力した信号をオンオフ変調された信号として解釈するオンオフ変調信号入力装置に対するオンオフ変調信号を生成するオンオフ変調信号生成部と、
上記パルス幅変調信号生成部が生成したパルス幅変調信号の一部に上記オンオフ変調信号生成部が生成したオンオフ変調信号を組み込んだ信号を出力する信号出力部とを有することを特徴とする信号生成装置。
【請求項2】
上記オンオフ変調信号生成部がオンオフ変調信号を生成する期間の持続時間は、上記パルス幅変調信号生成部が生成するパルス幅変調信号の周期の100分の1以下であることを特徴とする請求項1に記載の信号生成装置。
【請求項3】
上記パルス幅変調信号生成部は、上記オンオフ変調信号生成部が生成するオンオフ変調信号のオン期間の長さに基づいて、上記信号出力部が出力する信号のオンデューティが所望の値になるよう、生成するパルス幅変調信号のオンデューティを決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の信号生成装置。
【請求項4】
上記オンオフ変調信号生成部は、フレームの開始を表わす開始パターン信号を生成し、上記開始パターン信号に続いて、上記オンオフ変調信号入力装置に対して通知するデータ本体を含むデータによりオンオフ変調したデータ信号を生成し、生成した開始パターン信号とデータ信号とを上記オンオフ変調信号とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の信号生成装置。
【請求項5】
上記信号出力部が出力する信号のうち、上記オンオフ変調信号生成部が生成したオンオフ変調信号に続く部分は、上記オンオフ変調信号入力装置によって上記フレームの終了を表わす終了パターン信号として解釈されることを特徴とする請求項4に記載の信号生成装置。
【請求項6】
上記オンオフ変調信号生成部は、複数のオンオフ変調信号入力装置のなかからオンオフ変調信号入力装置を指定するアドレスデータによりオンオフ変調したアドレス信号を生成し、上記アドレス信号に続いて、上記アドレスデータにより指定されるオンオフ変調信号入力装置に対して通知するデータ本体によりオンオフ変調したデータ本体信号を生成し、生成したアドレス信号とデータ本体信号とを上記データ信号とし、更に、第二の開始パターン信号を生成し、生成した第二の開始パターン信号に続いて、上記複数のオンオフ変調信号入力装置のいずれを指定するアドレスデータとも異なるアドレスデータによりオンオフ変調した第二のアドレス信号を生成し、
上記信号出力部が出力する信号のうち、上記オンオフ変調信号生成部が生成したオンオフ変調信号以外の部分は、上記複数のオンオフ変調信号入力装置によって第二のデータ本体信号として解釈されることを特徴とする請求項4に記載の信号生成装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の信号生成装置を有し、
上記信号生成装置が出力する信号を、照明装置を制御する照明制御信号として出力することを特徴とする照明制御装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の信号生成装置と、
上記信号生成装置が出力した信号を入力し、入力した信号をパルス幅変調された信号として解釈するパルス幅変調信号入力装置と、
上記信号生成装置が出力した信号を入力し、入力した信号をオンオフ変調された信号として解釈するオンオフ変調信号入力装置とを有することを特徴とする通信システム。
【請求項9】
請求項7に記載の照明制御装置と、
上記信号生成装置が出力した信号を入力し、入力した信号をパルス幅変調された信号として解釈するパルス幅変調信号入力装置を有し、上記パルス幅変調信号入力装置が入力した信号にしたがって動作する第一の照明装置と、
上記信号生成装置が出力した信号を入力し、入力した信号をオンオフ変調された信号として解釈するオンオフ変調信号入力装置を有し、上記オンオフ変調信号入力装置が入力した信号にしたがって動作する第二の照明装置とを有することを特徴とする照明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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