信号評価装置及び方法
【課題】スマートアンテナを構成するときのディジタルレシーバーの応答性及び受信品質の改良。
【解決手段】ディジタルTVレシーバーに用いられるスマートアンテナの構成評価器は、レシーバーを通過したテレビジョン信号のチャンネルのインパルス応答の評価を得るように構成されたデータ入力手段と、メイン信号パスに対応した前記チャンネルインパルス応答の最大値を検出するように構成された最大値検出手段と、1以上の付加的な信号パスに対応する前記チャンネルインパルス応答値を含む前記チャンネルインパルス応答の平均値を算出するように構成された平均化手段と、前記最大値と前記チャンネルインパルス応答の平均値との比として前記品質値を算出するように構成された比算出手段とを具備する。
【解決手段】ディジタルTVレシーバーに用いられるスマートアンテナの構成評価器は、レシーバーを通過したテレビジョン信号のチャンネルのインパルス応答の評価を得るように構成されたデータ入力手段と、メイン信号パスに対応した前記チャンネルインパルス応答の最大値を検出するように構成された最大値検出手段と、1以上の付加的な信号パスに対応する前記チャンネルインパルス応答値を含む前記チャンネルインパルス応答の平均値を算出するように構成された平均化手段と、前記最大値と前記チャンネルインパルス応答の平均値との比として前記品質値を算出するように構成された比算出手段とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号評価装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地上波ビデオ放送を室内でうまく受信するには、しばしば困難を伴う。アナログTV放送の場合には、受信状態が悪いことは、ゴーストやスノーピクチャーのようなよく知られた映像の人工的なきずを伴った映像品質のグラデーションの悪化によって特徴付けされる。
【0003】
一方、デジタル地上波テレビジョン(DTT)の出現は、受信側での受信信号の品質があるしきい値より上にあれば、受信画像の品質がかなり高くなっている。しかし、このしきい値よりも低いと、画像品質は急激に悪くなるか、画像が完全に消える(「brick-wall reception performance」と呼ばれている。)。セットトップアンテナ受信状態となっている室内受信の場合には、運悪く、このパーフォーマンスしきい値より低い受信信号品質の位置にしばしば出くわし、ユーザに主観的に悪い印象を与えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006−203267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この問題に取り組むために、いわゆる「スマートアンテナ」を用いることができる。そのようなスマートアンテナは、選択されたそれぞれの受信TVチャンネルに対して最適或いはそれに近いアンテナ受信性能に適合する構成データを受信することが可能なアクティブ(走査)指向性アンテナを備える。この技術の採用を容易にするために、米国家電協会(CEA)は、標準規格CEA−909として知られる構成データに対する標準化を推進してきた。
【0006】
標準規格CEA−909は、与えられたTVチャンネルに対して、受信機からスマートアンテナへの構成信号を提供するものであり、この構成信号は、おおよその方向を指定するための2ビット、より精密な方向を指定するための2ビット、水平又は垂直偏波を指定する1ビット、ゲインレベルを指定する2ビット及びチャンネル番号を指定する7ビットからなる。
【0007】
図1はどのようにしておおよその方向の4値Nと精密な方向の4値Mとが組み合わせれて走査スマートアンテナに16の方向を与えるかを示している。16の方向やNとMの4値は一例であり、この例には限定されないことを理解されたい。
【0008】
与えられたチャンネルに対して最初に適切な構成を選択するため、全てでないにしてもいくつかの利用可能な構成の組み合わせに対して信号受信を評価する必要がある。これは非常に長い処理となりうる。評価は一般的に受信信号の強さと信号の品質の組み合わせに基づいている。
【0009】
受信信号の信号の強さは例えば信号対雑音比から評価すればよく、信号対雑音比は例えば現行の変調方式(変調エラー比(modulation error ratio:MER)に似た方式)の配置内のターゲットとするシンボルからの信号の偏差から順次決定すればよい。他の信号の強さの指標としては、RF信号の長さ又は自動ゲインコントールシステムのゲイン値がある。
【0010】
一方、信号の品質の指標としては、復調信号のビット・エラー・レート(BER)のような尺度がある。特に、TVチャンネルを許容可能な程度に見るためのしきい値ビット・エラー・レートは非常に低くてよく、BERの統計的に重要な評価が得られる以前に費やすための相当の期間が要求される。沢山のスマートアンテナの組み合わせを評価する必要と相俟って、これはスマートアンテナの構成や再構成の処理を悪化させている。
【0011】
アンテナの構成が信号の強さや信号の品質の指標の一又は両方を最大にするために選択されるので、ディジタルレシーバーの設計者に使われている信号の強さ及び/又は信号の品質の指標の組み合わせは、受信機の受信感度を決定し、また受信信号の品質も決定する。
【0012】
従って、スマートアンテナを構成するときのディジタルレシーバーの応答性及び受信した信号の結果としての品質を両方を順次改良するような指標の改良が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の側面では、信号受信の推定方法が請求項1により提供される。
別の側面では、スマートアンテナ構成評価器が請求項11により提供される。
さらにこの発明のそれぞれの側面及び特徴が従属の請求項により特徴付けされる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】CEA−909を適用したスマートアンテナの受信方向の概念図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る信号評価システムの概念図である。
【図3】マルチパスの信号を受信するディジタルTVレシーバーからのチャンネルインパルス応答(CIR)の概念図である。
【図4A】第1のスマートアンテナの指向性に対するCIR電力の概念図である。
【図4B】第2のスマートアンテナの指向性に対するCIR電力の概念図である。
【図5】8つのDVB−Tチャンネルに対する受信及び性能の評価値の表である。
【図6】本発明の一実施形態に係るディジタルTVレシーバーの受信の流れの概念図である。
【図7】本発明の一実施形態の係るスマートアンテナを最初に構成するためのスキャン手順のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係るスマートアンテナを最初に構成するときに使われるいわゆるブラインドサーチ手順のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係るスマートアンテナを最初に構成するときに使われるいわゆるゲイン評価手順のフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係る品質要因の評価手順のフローチャートである。
【図11】6つのDVB−Tに対する受信及び性能の評価値の表である。
【図12】本発明の一実施形態に係る構成トラッキング手順のフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態に係るゲイントラッキング手順のフローチャートである。
【図14A】本発明の一実施形態に係る方向性テスト手順のフローチャートである。
【図14B】本発明の一実施形態に係る指向性テスト手順のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
信号評価システム及び方法が開示される。次の説明では、本発明の実施形態を完全に理解するために、いくつかの具体的な詳細が提供される。しかし、当業者はこれらの具体的な詳細がなくても本発明を十分に実施することができる。逆に、当業者に知られた具体的な詳細は明確化のために適宜省かれている。
【0016】
図2より、ディジタルTVレシーバー1000は、標準化規格DVB−T、DVB−T2或いはISDB−Tのような地上波ディジタルTV信号を受信するように構成されているが、このような規格に限定されるものではない。このレシーバーは、例えば同軸ケーブル1002を介してセットトップスマートアンテナ1010から信号を得る。
【0017】
スマートアンテナ1010は、アンテナコントローラー1020と、例えばアンテナコントローラーによって設定された位相遅延を使ったアンテナアレー走査のような走査アンテナ1030とを備える。
【0018】
走査方向を設定し、またスマートアンテナを構成するために、ディジタルTVレシーバーはそのときにコントロールケーブル1004を用いてスマートアンテナに対して標準化規格CEA−909に準拠した構成データを送信する。
ディジタルTVレシーバでは、スマートアンテナの構成を評価し、選択する最初の手順は、3つの部分に分かれる。
【0019】
第一に、与えられたRFチャンネルに対して、スマートアンテナのそれぞれの構成で、前述したように、信号の強度及び/又は信号の品質の表示をモニターする。第二に、ベストの信号の強度及び/又は信号、又はそのような測定結果に基づく別の基準を発生するスマートアンテナの構成を選択する。第三に、チャンネル番号に関連付けてこの構成を記憶し、標準化規格CEA−909を用いてこれを要求としてスマートアンテナに送信する。
【0020】
従来のシステムでは、RF信号の強度のような信号強度の評価が使われている。しかし、マルチパスの状態では、複雑な信号のパスに対する信号強度の貢献度を適切に区別することはできず、それゆえ良いマルチパスの受信状態と悪いマルチパスの受信状態とを適切に区別することができず、不利になる。レシーバー側でマルチパスの信号の状態を解決するその後の技術(例えば受信したシンボルやシンボルの配置を参照する技術)は、複雑で遅くなる傾向にある。
【0021】
次に、図3にも示すように、本発明の一実施形態では、従来のディジタルTVレシーバーがマルチパスや他チャンネルの欠陥から悪影響が出ている受信信号を等化するためのチャンネル推定を実行していることを評価した。この手順の一環として、ディジタルTVレシーバーは、チャンネルインパルス応答(CIR)又はCIRに由来する周波数応答を発生する。例えばOFDM方式では、逆FFTを実行したときにCIRの推定を得ることができるように、パイロット信号はOFDMシンボルのあるサブキャリアにフォーマットされている。従って、CIRは既にチャンネルの等化を実行した既存のチャンネルの推定(すなわち、受信の手順での通常の処理のようなスマートアンテナの構成以外の目的のため。)から得ることができる。
【0022】
図3はマルチパスの状態にあるRFチャンネルに対する典型的なCIRを示しており、y軸が正規化した応答、x軸が時間(ms)である。このCIRの中で、長いパスや短いパス303、305ばかりでなく、メインパス301からの信号に対する応答を見分けることができる。また雑音が他のインターフェアレンス307も生じていることが分かる。この応答の値はメインパスの応答を基準としている。
【0023】
従って、本発明の一実施形態では、品質の表示又はQファクタは、メイン信号のパスに対する応答(又はより一般的にはCIRでのピークサンプル)と他のパスからの信号の応答を含む残りの応答の平均との比から得られる。
それゆえ、Q=Max(CIR)/Mean(CIR)
【0024】
いくつかの実施形態では偏った平均値が好ましいが、最大値が平均値の推定から排除されるか、されないか(偏った平均又は偏ってない平均)という相違は両方とも等しいと考えることでできる。
【0025】
従って、特にQファクタはSN比を定量化するのではなく、むしろメイン信号のパス(CIRでのピークサンプルに応じて推定される)と追加的な信号のパス及びチャンネルインパルス応答の他の残りの応答との比を定量化する。従って、全体が同じRF信号の強さに対し信号の強さがよりメインのパスに集中したときにはQ値は増加し、Q値がその後複数の信号のパスにわたる信号の強さの分布を区別するのにいっそうよく役立つ。
【0026】
結果として、好都合にも、よりマルチパスの状態を指向するスマートアンテナの構成をより区別することが可能である。一例として、アンテナを[0,0]に走査することによって地上波ディジタルTV放送の受信は、等しい強さで全体の強さがNの3つの信号のパスを受信することになる。一方、アンテナを[0,1]に走査するとメイン信号のパスが以前よりも強く、他の受信のパスは弱いが、全体の信号の合計N−1の3つの信号パスを受信することになる。この場合、従来のシステムは、上記したQファクタはより良い構成としてポジション[0,1]を選択するのに、最適以下の方向[0,0]を選択するかもしれない。
CIRの電力をdBにし、Qファクタも以下のとおり同様にdBの単位で表すことができる。
QdB=CIRmaxdB−CIRmeandB (式2)
【0027】
図4A及び4Bは2つの異なったスマートアンテナの構成でのCIRの電力に対するQファクタをdBの単位で図示している。ここで、それぞれのケースでCIRmaxを0dBにする最大値の応答に対する電力を正規化する。この例では、アンテナを図4Bの新たな方向に向ける構成とすることによって、Qファクタはほぼ6dB改善する。
【0028】
図5は本発明の実施形態に係るディジタルTVレシーバーやスマートアンテナの操作のテストの中で8つのDVB−Tチャンネルを受信するためのスマートアンテナの構成の設定をリスト化したテーブルを示す。2つのチャンネル(1チャンネルと2チャンネル)はより弱く、4チャンネルや8チャンネルと等価で重複したチャンネルである。特に、1チャンネルと4チャンネルは信号の強さが等しい一方で、これらの等価であるQファクタが5dB異なり、それぞれのチャンネルに対する異なったマルチパスの状態が反映している。従って、従来の信号の強さの測定がこれらの等しいチャンネルの差異を生じさせない間、Q値は明らかにチャンネル1のより好ましいチャンネル4を識別する。メインの送信(最も近い送信機から)に対して、変調エラー比を推定することで生成されるより遅い評価に基づき3−8チャンネルはすべてよい信号の品質であることを示している。
ここで、図6を参照し、本発明の一実施形態に係るディジタルTVレシーバーの処理の流れの例を示す。ただし、本発明は、この例に限定されない。
【0029】
直交周波数分割多重方式(OFDM)の信号は、アンテナ100により受信され、チューナ102により検出され、その後アナログ/ディジタル変換器104によりディジタル形式に変換される。ガード区間移動プロセッサー106は、受信したOFDMシンボルからガード区間を移動し、その後データを示す変調されたシンボルは、チャンネル評価・訂正110と埋め込み信号抽出(復調)ユニット111との組み合わせである高速フーリエ変換(FFT)プロセッサー108を用いてそれぞれ受信したシンボルから復調される。変調されたシンボルは、周波数デインターリーバー112に送出され、ここで変調されたシンボルとOFDMシンボルのサブキャリアとの間の逆マッピング(逆写像)が実行され、それぞれのOFDMシンボルから変調されたシンボルのストリームが形成される。次に、フレームデマッパー114は、OFDM送信インターフェースの時分割多重構成の異なったフレームで送信された変調されたシンボルを論理チャンネルに分離し、次に論理チャンネルはタイムデインターリーバー115や次のいわゆるセルデインターリーバー116であるさらなるデインターリーバーにより、タイムデインターリーブの処理がされる。次に、循環遅延除去ユニット117は、送信機のデータに導入された循環シフトを除去する。次に、復調されたデータは、デマッパー118により変調されたシンボルより復元され、それぞれのチャンネルに対するビットストリームが生成される。次に、ビットデインターリーバー120は、信号中のすべてのビットインタリービングをリバースする。最後に、誤り訂正デコーダ121は、誤りを訂正するように構成され、元のデータの評価を復元する。
【0030】
レシーバーの上記の従来の要素に付加して、図6ではさらにすでに説明した現在のチャンネルのCIR又はCIRの電力を受信する構成評価器125を示し、そしてこの構成評価器125は、より好ましいスマートアンテナの構成を評価し、選択する動作が可能である。次に、この構成は、CEA−909適合の送信機127により、フォーマットされ、スマートアンテナに(例えばUSBケーブル1004を介して)送信される。特に、ディジタルTVレシーバーのCPU(図示を省略)は、構成評価として動作するようにとのソフトウェアの命令の下で動作が可能である。あるいは、構成評価器が専用のハードウェアを備える場合には、CEA−909適合の送信機が構成評価器に含まれてよいことを十分に理解することができる。他のハードウェアやソフトウェアの構成であってもよいことは当業者にとって明らかである。
【0031】
当然のことながら、通常の受信処理の結果としてCIR又はCIR電力あるいはそれらに由来するデータを生成する(例えば、チャンネルの推定中)ほとんどのどの適切な従来のディジタルTVレシーバーでも、前記同様の方法において構成評価器及びCEA−909適合の送信機からなるように構成される。
図7に関して、本発明の一実施形態において、当該ディジタルTVレシーバーによって実行される初期のスキャン処理は以下のステップを構成する。
【0032】
第1のステップs3210において、ディジタルTVレシーバーは、順に初期のチャンネルから始まって、スキャンするためにNRFチャンネルの隣のものから受信用に初期化される。必要に応じて、スマートアンテナと共にいずれの初期ハンドシェーキング処理も実行される。
【0033】
第2のステップs3220において、構成評価器はいわゆるブラインドサーチ(下記図8参照)を実行し、スマートアンテナが利用できる一部又は好ましいすべての方向に対するQ値を推定する。任意で、このブラインドサーチはCEA−909のもとにスマートアンテナが利用できる最も低い4個のゲイン設定値で最初に実行される。ブラインドサーチのその結果が、最も大きい検出されたQ値に対応するスマートアンテナに対して選択された方向DirQである。
【0034】
以下の4個の任意のステップは、Qファクターの推定に関連する不測の問題が万が一ある場合にディジタルTVレシーバーにとって優れた代替策を提供する。例えば、早い結果の一式を得るために、これらのステップを省略して初期のブラインドサーチを実行してもよく、その後にブックグランドアクティビティーである追加的なステップを使って再度このサーチのプロセスを実行してもよい。
【0035】
任意で、第3のステップs3230において、選択されたアンテナ方向に対して対応する変調誤差検出測定値(MERQ)を測定する。さらに任意で、この方向(QQ)に関するQファクターもこの時点で再推定され、これらの2つの測定値に対するRF条件のより近い対応するものを提供する。
【0036】
任意で、第4のステップs3240において、スマートアンテナに対する方向DirRFが、そのとき最も高いRF信号強度(例えば前記ステップs3220中に並行して測定される)に基づいて選択される。
【0037】
当然のことながら、このステップはステップs3220のブラインドサーチの一環である。その結果、各々の位置にかかわらず二度スマートアンテナを走査させる必要なしに、同時に両方の選択がなされうる。
【0038】
任意で、第5のステップs3250において、この第2の選択されたアンテナ方向に対して対応する変調誤差検出測定値(MERRF)を測定する。さらに任意で、この方向に対するQファクター(QRF)も再推定される。
【0039】
任意で、第6のステップs3260において、構成評価器はMERQをMERRFと比較する。そして、DirQは、MERQ+0.5>MERRF(この場合当該MER値の単位はdB)であるときに、最終的に選択される。そうでなければ、DirRFが最終的に選択される。つまり、Qファクターの構成の選択肢を選ぶのに有利な0.5dBバイアスである。ゆえに、Qファクターの推定に基づく当該方向が、RF信号強度評価に関して、著しく(例えば0.5dBごとに)低い実行性であるようにみえない限り選択される。当然のことながら、バイアス値は限定されず、特定の伝送方式に関し当業者によって経験的に決定され得、又は省略され得る。BERのようなMER以外の一部の共通の受信性能測定基準が用いられ得る。このように当該方向を選択するのに加えて、さら任意にて、対応する再推定されるQファクター(QRF又はQQ)はこのチャンネル用のQファクターとして選択され得る。
【0040】
選択されたアンテナ方向DirQ又は任意のDirRFを前提として、第7のステップs3270において、好ましいゲイン設定値が算出され(下記図9参照)、現在のチャンネルに対するスマートアンテナの構成が順に更新される。
【0041】
第8のステップにおいて、現在のチャンネルに対する当該構成はディジタルTVレシーバーのメモリー(不図示)に記憶される。当該構成は通常以下を含むが限定されない。
―RFチャンネル周波数
―チャンネル数
―粗方向設定値
―微方向設定値
―ゲイン設定値
―極性
例えば、1以上の以下の値も含まれる。
―関連するQファクター値(任意で規定通りにQRF又はQQ)
―関連するRF信号強度
―評価中に得られるMER
この方法で記憶され得る他の値は当業者にとって明らかである。
【0042】
最終的に、第7のステップs3290において、当該評価がすべてのNRFチャンネルがスキャンされるまで次のチャンネルに対して、繰り返される。評価を繰り返す。
【0043】
当然のことながら、さまざまな出口条件が前記処理における任意のステップとして考慮され得る。例えば、未解決信号がどのアンテナ方向に対しても、及び、任意でどのゲインレベルに対しても検出されるなら、空のチャンネルとして登録し、次のチャンネルに移動する。
図8を参照して、構成評価器によって実行されるいわゆるブラインドサーチは以下のステップを構成する。
【0044】
第1のステップs3310において、CEA−909方式[粗、微]における次方向スマートアンテナ値は設定される。初期状態で、これらは方向[0,0]に設定され得る(図1)。他の構成変数値も、例えば、ゲイン値=0、初期偏光設定値(例えば、水平方向)に初期化される。これらの構成設定値はこのときスマートアンテナに送られる。加えて、構成カウンターkはk=0に初期化される。
【0045】
任意にて、第2のステップs3320において、ディジタルTVレシーバーは単純なチューニング動作を実行し、復調ロックが当該現在の構成を実現できるかどうか検出する。もしできないなら、任意で当該処理を下記第5のステップにスキップし得る。
第3のステップs3330において、構成評価器は現在のスマートアンテナの構成に関するQファクターQkを評価する(下記図10参照)。
【0046】
任意の第4のステップs3340において、構成評価器は現在のスマートアンテナ構成に対するRF信号強度RFを推定する。当然のことながら、図6を参照して、ディジタルTVレシーバーにおける他の場所からRF信号強度値を得るべくどの適切なデータリンクにも提供され得る。
【0047】
第5のステップs3350において、当該CEA−909方向値は入れ子ループにおいて増加され、各値0、1、2、3が図1に示された16の組み合わせを順に生成する。その結果、実行するたびに、少なくとも前記第1及び第3のステップ並びに任意で前記第2及び第4のステップが現在の方向値と共に繰り返される。加えて、実行するたびに、構成カウンターkもまた増加させられる。
【0048】
第6のステップs3260において、方向[3,3]が評価された後(上記例では)、構成評価器はMax=QMAXを評価し、図7のスキャン処理において選択された方向DirQ用として、対応する粗い及び細かい方向設定値を返す。
【0049】
任意でこのステップの一端として、構成評価器もまたMax=RFMAXを評価し、図7のスキャン過程における選択された方向DirRF用として対応する粗及び微方向設定値を返す。
図9を参照して、構成評価器による好ましいゲイン設定の評価は以下のステップからなる。
【0050】
第1のステップs3410において、CEA−909型[粗、微]における次のスマートアンテナ方向値は選択された方向DirQに設定され、又は任意でDirRF(前もって考慮して)、ゲインはCEA―909に利用可能な最も低い4設定(0,1,2,3)に設定される。加えて、構成カウンターkはk=0に初期化される。
【0051】
任意の第2のステップs3420において、ディジタルTVレシーバーは単純なチューニング動作を実行する。復調ロックは選択された方向に実現されると仮定されるが、もしそうなら、もちろんこの条件は明白に合致し得、ロックが実現されるなら電流ゲイン値は無視される。
【0052】
第3のステップs3430において、電流構成に関する信号対雑音比SNRkは記録される。とりわけSNRは同じマルチパス条件に対するゲインに対応する。それゆえ、スマートアンテナが好ましいゲインの評価中に方向を変化させているので、SNRはこのような場合に実行のための都合のよい測定基準である。
【0053】
第4のステップs3440において、ゲイン値は増加され、上記ステップは、k=3に関して(本例において)SNRkが評価されるまで、必要に応じて繰り返される。
【0054】
第5のステップにおいて、構成評価器はMax(SNRk(0,..k,..3))=SNRMAXの値を求め、前述の図7のスキャンプロセスに対応するゲインパラメーター値を返す(0,1,2,または3)。
図10に関して、前述のように、本発明の一実施形態において、構成評価器によるQファクターの評価は以下のステップからなる。
【0055】
最初のステップs3510において、チャンネルインパルス応答は例えばチャンネル評価器110のようなディジタルTVレシーバーの既存の従来のレシーバーチェーンから得られる。好ましくは、CIRデータは直接的に利用できる。しかし、代わりにレシーバーチェーンからのデータは以下の処理を要求する。例えば、周波数インパルス応答のみがレシーバーチェーンにおいて利用できるなら、その結果構成評価器は逆FETを実行し、CIRを得る。当該CIRはdB表示においてCIR電力の形をとる。
第2のステップs3520において、CIRの最大値が検出される。これは、メイン信号パスによると考えられる。
【0056】
第3のステップs3530において、付加的な信号パスに対応するサンプル値を含むCIRの平均は算出される。すでに述べたように、当該平均の算出は任意で前のステップにおいて、最大値が検出される。
【0057】
第4のステップs3540において、Qファクターは、チャンネル入力応答の最大値に対する、チャンネル入力応答の偏りのある又は偏りのない平均値の比のような式1又は式2に従って、算出される。
【0058】
したがって、図7のスキャニング機能は、測定されたQ値に応じて最良のスマートアンテナの方向を、続けて最良のゲイン値を評価することによって、ディジタルTVレシーバーの各々のチャンネルに対して好ましい構成変数のセットを検出する。任意で、もう1つの測定スキーム(例えば、RF信号強度に基づく測定等)と並行してこれを実行でき、二重の安全装置を提供する。
【0059】
このようにして、マルチパス受信条件における地上波ディジタルTV信号に対するスマートアンテナ構成の初期の選択が改良され得る。さらに、MER又はBERのような動作平均化方法と比べると、CIRの瞬間的(すなわちデータフレームごとの)性質はそのような方法を用いるシステムよりずっと速い初期設定を可能にする。
【0060】
図11に関して、これは、最初に本発明の一実施形態に従って構成されたスマートアンテナを用いるディジタルTVレシーバー、次に従来の無指向性アンテナを用いるディジタルTVレシーバーに関する6つのDVBTチャンネル(図5のチャンネル3乃至8に対応する)に対する受信動作を比較する表を示す。両方の状況に対する動作はMERを用いて同じように測定される。
【0061】
以上のように、本発明の一実施形態により構成されたシステムは、10dBの6つ全てのチャンネルに渡って、平均動作の改善が伴いRFチャンネル無指向性アンテナよりも一貫して優れている。とりわけ、この改良は、6つ全てのチャンネルが当該スマートアンテナを用いて視認できるが、一方で無指向性アンテナを用いて視認できないことを意味する。
【0062】
当然のことながら、さまざまなスマートアンテナ方向に対して、Qファクター測定が識別できるマルチパス条件が確定されないかもしれない。つまり、送信機と受信機の間の多重伝送パスが時間とともに変化するかもしれない。長期的には、これは大気条件や地面条件の季節的変動、都市の建造物、あるいはスマートアンテナが置かれた部屋に新たに備え付けられた家具により起こるかもしれない。短期的には、送信パスは部屋で人が座る場所や、もちろんスマートアンテナが強打されたり、故意に移動されたりすることによっても影響されうる。
【0063】
それ故、特定のチャンルに関するスマートアンテナに対して選択された構成設定値は定期的に再評価される(後述の「トラックされる」)ことが望ましい。しかしながら、初期設定プロセス中と違い、続けてTVのユーザーがTVをつけたとき、望ましいチャンネルを見ることを期待する。
【0064】
マルチパス条件の評価を追跡(トラック)し、必要に応じて現在のTV視聴の効果を軽減させながら、スマートアンテナ設定値を再評価するために、本願発明の一実施形態において、現在の方向にすぐ近接する方向が受け入れ可能な視聴条件を同様に提供するであろうと考える。このように例えば、当該スマートアンテナが方向[0,0]に現在設定されるなら、方向[3,3]及び[0,1]が当該チャンネルを見るユーザーの能力に重大な影響を及ぼすことなしに、検査され得る。
【0065】
当然のことながら、そのような検査は1つ以上のイベントによって引き起こされる。例えば、検査は定期的(例えば、時間ごと、日ごと)であるかもしれない、又はユーザー主導型(例えば、あるチャンネルに切り替えるとき、または、メニューから選択によって、)であるかもしれない、又は、予定している(例えば、チャンネル上の番組の予定された録画より前の期間中に起こる)かもしれない、又は、駆動測定される(例えば、継続するMER又はBER測定が所定の絶対的又は相対的な閾値より下にさがったとき)かもしれない。任意で、タイマーが備えられ、最小の後続期間内に後続のイベントに応答して追加の検査をするのを防ぐ。説明を簡単にするために、いずれの上記トリガー信号も、「イベント」として述べ得る。
【0066】
逆に、MER又はBERのような測定が、現在の受信がすでに非常に良好(すなわち、最初の所定の閾値より上)であることを示すときは、方向検査は任意で、止められる。その上、MERまたは、BERのような現在の受信が悪い(すなわち、第2の所定の閾値より下)であることを示すときは、変化が必要でない、又は、変化が直感的に反対となり、ただ信号を表示するために適合するだけである。それは、方向を変化させることが受信状態をより悪くさせ、既に述べた受信動作の「障害(brick wall)」を経て信号品質を通すからである。その結果として、チャンネルのユーザーの視聴に深刻な影響を与える。
【0067】
方向を変化させることに加えて、ゲインの変化が雑音比に対して信号を改善させるかどうか検査することもまたできる。さらに、ゲインレベル又は現在のゲインレベルに隣接するレベルが検査され得る。さらに、1つ以上の同様のトリガーイベントが用いられ得る。当該イベントが定期的なトリガー信号である場合、任意で、これは指向性検査に関して、より頻繁に起こる。
図12に示すように、本発明の一実施形態による構成トラッキング処理は以下のステップからなる。
従って、本発明の実施形態では、言うまでもない。
【0068】
受信したテレビジョン信号の品質値を評価する方法が、レシーバーを通過したテレビジョン信号のチャンネルのインパルス応答の評価を得て(s3510)、メイン信号パスに対応した(又は対応すると推定される)前記チャンネルインパルス応答の最大値を検出し(s3520)、1以上の付加的な信号パスに対応する前記チャンネルインパルス応答値を含む前記チャンネルインパルス応答の平均値を算出し(s3530)、前記最大値と前記チャンネルインパルス応答の平均値との比として前記品質値を算出する(s3540)。特に、前記チャンネルインパルス応答は、信号の受信に関連するチャンネル等化処理から得る。
【0069】
上記の方法を用い、所定のチャンネルへのスマートアンテナの構成方法は、スマートアンテナを初期化し、利用可能な複数の方向のうちの1つから信号を受信し(s3310)、(上記の方法を用い)前記1つの方向の信号受信を評価し(s3330)、前記1つの方向に対する品質値を記憶し、いくつか又はすべての他の利用可能な方向に対してこれを繰り返す(s3350)。ただし、念のため、前記レシーバーが特定の方向への信号受信の復調のロックができない場合には、その特定の方向への信号受信の評価を実行しなくてもよい(s3320)。
【0070】
前記構成方法は、品質値が最大の方向を選択し、これに伴うようにスマートアンテナを構成してもよく、また複数の利用可能な方向のそれぞれについてRF信号の強度を求め(s3340)、それぞれの方向に対する前記RF信号の強度を記憶し、前記品質値が最大の方向及び前記RF信号の強度が最大の方向に対し、共通の受信性能を発揮するメトリックを評価し(s3230、s3250)、共通の受信性能を発揮するメトリックにより受信特性が最も良いと評価される方向を選択し、これに伴うようにスマートアンテナを構成してもよい(s3280)。前記共通の受信性能を発揮するメトリックにより受信特性が最も良いと評価される方向の選択は、最大値の品質値に関連する方向に向くように、所定のバイアスの量によりバイアスされるようにしてもよい(s3260)。
【0071】
前記方向を評価する際に、上記の方法は、前記選択された方向で、ゲイン値の所定のセットの最低のものを用いてスマートアンテナを構成し(s3410)、前記構成に対する信号対雑音比を評価し(s3430)、前記信号対雑音比を前記ゲイン値と関連付けて記憶し、前記ゲイン値の所定のセット内でその後のそれぞれのゲイン値に対して前記構成、評価及び記憶のステップを繰り返し(s3440)、最大の信号対雑音比に対するゲイン値を選択し(s3450)てもよい。
これらの実施形態では、その方法は、CEA−909規格に従って構成される前記スマートアンテナに実行される。
【0072】
上記の方法を実行するため、ディジタルTVレシーバー(1000)に用いられるスマートアンテナの構成評価器(125)は、レシーバーを通過したテレビジョン信号のチャンネルのインパルス応答の評価を得るように構成されたデータ入力手段(例えばデータリンク及び入力メモリバッファのような)と、メイン信号パスの応答を含む(又は含むと推定される)CIRの最大値を検出するように構成された最大値検出手段(CPUや専用のハードウェアのような)と、1以上の付加的な信号パスに対応するCIRを含む前記チャンネルインパルス応答の平均値を算出するように構成された平均化手段(CPUや専用のハードウェアのような)と、前記最大値と平均値との比として前記品質値を算出するように構成された比算出手段(CPUや専用のハードウェアのような)とを具備する。
【0073】
また、ディジタルテレビジョンレシーバーは、スマートアンテナの利用可能な複数の受信方向のうち1つを特定する構成データをスマートアンテナ(1010)に送信するように構成されたスマートアンテナ信号化手段(127)と、上記のようなスマートアンテナの構成評価器と、特定された受信方向に関連付けて品質値を記憶するように構成されたメモリとを具備し、前記ディジタルテレビジョンレシーバーは、所定のRF信号チャンネルに対し、スマートアンテナの利用可能な受信方向のいつくか又はすべてを特定するようにスマートアンテナ信号化手段に順次指示し、それぞれの受信方向に対して品質値を評価するように前記スマートアンテナの構成評価器に指示するようにしてもよい。
【0074】
これらの設備においては、ディジタルテレビジョンレシーバーは、(前記所定のRF信号チャンネルの信号の後の受信に対して)最大の品質値に関連する受信方向を選択してもよい。或いは、ディジタルテレビジョンレシーバーは、受信したRF信号の強度を評価するように構成された信号評価手段(CPU、専用のハードウェア又は現有の受信系列の一部)を具備し、前記メモリは、特定の受信方向と関連付けて前記評価されたRF信号の強度を記憶し、前記最大の品質値に関連する方向及び前記最大のRF信号の強さに関連する方向に対して、受信性能を評価する受信性能評価手段(CPU又は専用のハードウェア)を具備し、前記ディジタルテレビジョンレシーバーは、前記所定のRFチャンネルの信号の後の受信に対して、前記共通の受信性能のメトリックによって評価された最適な受信性能に関連する受信方向を選択する(再度、前記所定のRF信号チャンネルの信号の後の受信に対して)ように構成してもよい。共通の受信性能のメトリックにより最適な受信性能を持つように評価される方向の選択は、最大値の品質値に関連する方向に向くように、所定のバイアスの量によりバイアスされるようにしてもよい。
【0075】
なお、ここで開示された方法は、ソフトウェアの命令により又は専用のハードウェアの介入若しくは代替により適合できるように適宜構成された従来のハードウェアにより実行してもよいことは言うまでもない。例えば、イベントモニター及び/又は構成評価器は、ハードウェアによって構成してもよく、またディジタルTVレシーバーのCPU上で動作するソフトウェアで全体又は一部分が実行されるようにしてもよい。
【0076】
このように、従来の等価の装置の必須の部分に要求される適合は、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、ハードディスク、PROM、RAM、フラッシュメモリ又はこれらまたは他の記憶媒体のどんな組合せのようなデータ・キャリヤーに保存された処理実行命令を備えるコンピュータープログラム製品又は製品の類似物、又はイーサネット(登録商標)、無線ネットワーク、インターネット若しくは他のネットワークのこれらのどんな組合せの上のデータ信号を介して送信される処理実行命令を備えるコンピュータープログラム製品又は製品の類似物、又は従来の等価の装置に適合して用いられるように構成されたASIC(特定用途向け集積回路)若しくはFPGA(フィールド・プログラム可能なゲート・アレイ)若しくは他の構成可能な回路としてハードウェアにより実現される処理実行命令を備えるコンピュータープログラム製品又は製品の類似物の形式で実行してもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号評価装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地上波ビデオ放送を室内でうまく受信するには、しばしば困難を伴う。アナログTV放送の場合には、受信状態が悪いことは、ゴーストやスノーピクチャーのようなよく知られた映像の人工的なきずを伴った映像品質のグラデーションの悪化によって特徴付けされる。
【0003】
一方、デジタル地上波テレビジョン(DTT)の出現は、受信側での受信信号の品質があるしきい値より上にあれば、受信画像の品質がかなり高くなっている。しかし、このしきい値よりも低いと、画像品質は急激に悪くなるか、画像が完全に消える(「brick-wall reception performance」と呼ばれている。)。セットトップアンテナ受信状態となっている室内受信の場合には、運悪く、このパーフォーマンスしきい値より低い受信信号品質の位置にしばしば出くわし、ユーザに主観的に悪い印象を与えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006−203267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この問題に取り組むために、いわゆる「スマートアンテナ」を用いることができる。そのようなスマートアンテナは、選択されたそれぞれの受信TVチャンネルに対して最適或いはそれに近いアンテナ受信性能に適合する構成データを受信することが可能なアクティブ(走査)指向性アンテナを備える。この技術の採用を容易にするために、米国家電協会(CEA)は、標準規格CEA−909として知られる構成データに対する標準化を推進してきた。
【0006】
標準規格CEA−909は、与えられたTVチャンネルに対して、受信機からスマートアンテナへの構成信号を提供するものであり、この構成信号は、おおよその方向を指定するための2ビット、より精密な方向を指定するための2ビット、水平又は垂直偏波を指定する1ビット、ゲインレベルを指定する2ビット及びチャンネル番号を指定する7ビットからなる。
【0007】
図1はどのようにしておおよその方向の4値Nと精密な方向の4値Mとが組み合わせれて走査スマートアンテナに16の方向を与えるかを示している。16の方向やNとMの4値は一例であり、この例には限定されないことを理解されたい。
【0008】
与えられたチャンネルに対して最初に適切な構成を選択するため、全てでないにしてもいくつかの利用可能な構成の組み合わせに対して信号受信を評価する必要がある。これは非常に長い処理となりうる。評価は一般的に受信信号の強さと信号の品質の組み合わせに基づいている。
【0009】
受信信号の信号の強さは例えば信号対雑音比から評価すればよく、信号対雑音比は例えば現行の変調方式(変調エラー比(modulation error ratio:MER)に似た方式)の配置内のターゲットとするシンボルからの信号の偏差から順次決定すればよい。他の信号の強さの指標としては、RF信号の長さ又は自動ゲインコントールシステムのゲイン値がある。
【0010】
一方、信号の品質の指標としては、復調信号のビット・エラー・レート(BER)のような尺度がある。特に、TVチャンネルを許容可能な程度に見るためのしきい値ビット・エラー・レートは非常に低くてよく、BERの統計的に重要な評価が得られる以前に費やすための相当の期間が要求される。沢山のスマートアンテナの組み合わせを評価する必要と相俟って、これはスマートアンテナの構成や再構成の処理を悪化させている。
【0011】
アンテナの構成が信号の強さや信号の品質の指標の一又は両方を最大にするために選択されるので、ディジタルレシーバーの設計者に使われている信号の強さ及び/又は信号の品質の指標の組み合わせは、受信機の受信感度を決定し、また受信信号の品質も決定する。
【0012】
従って、スマートアンテナを構成するときのディジタルレシーバーの応答性及び受信した信号の結果としての品質を両方を順次改良するような指標の改良が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の側面では、信号受信の推定方法が請求項1により提供される。
別の側面では、スマートアンテナ構成評価器が請求項11により提供される。
さらにこの発明のそれぞれの側面及び特徴が従属の請求項により特徴付けされる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】CEA−909を適用したスマートアンテナの受信方向の概念図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る信号評価システムの概念図である。
【図3】マルチパスの信号を受信するディジタルTVレシーバーからのチャンネルインパルス応答(CIR)の概念図である。
【図4A】第1のスマートアンテナの指向性に対するCIR電力の概念図である。
【図4B】第2のスマートアンテナの指向性に対するCIR電力の概念図である。
【図5】8つのDVB−Tチャンネルに対する受信及び性能の評価値の表である。
【図6】本発明の一実施形態に係るディジタルTVレシーバーの受信の流れの概念図である。
【図7】本発明の一実施形態の係るスマートアンテナを最初に構成するためのスキャン手順のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係るスマートアンテナを最初に構成するときに使われるいわゆるブラインドサーチ手順のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係るスマートアンテナを最初に構成するときに使われるいわゆるゲイン評価手順のフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係る品質要因の評価手順のフローチャートである。
【図11】6つのDVB−Tに対する受信及び性能の評価値の表である。
【図12】本発明の一実施形態に係る構成トラッキング手順のフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態に係るゲイントラッキング手順のフローチャートである。
【図14A】本発明の一実施形態に係る方向性テスト手順のフローチャートである。
【図14B】本発明の一実施形態に係る指向性テスト手順のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
信号評価システム及び方法が開示される。次の説明では、本発明の実施形態を完全に理解するために、いくつかの具体的な詳細が提供される。しかし、当業者はこれらの具体的な詳細がなくても本発明を十分に実施することができる。逆に、当業者に知られた具体的な詳細は明確化のために適宜省かれている。
【0016】
図2より、ディジタルTVレシーバー1000は、標準化規格DVB−T、DVB−T2或いはISDB−Tのような地上波ディジタルTV信号を受信するように構成されているが、このような規格に限定されるものではない。このレシーバーは、例えば同軸ケーブル1002を介してセットトップスマートアンテナ1010から信号を得る。
【0017】
スマートアンテナ1010は、アンテナコントローラー1020と、例えばアンテナコントローラーによって設定された位相遅延を使ったアンテナアレー走査のような走査アンテナ1030とを備える。
【0018】
走査方向を設定し、またスマートアンテナを構成するために、ディジタルTVレシーバーはそのときにコントロールケーブル1004を用いてスマートアンテナに対して標準化規格CEA−909に準拠した構成データを送信する。
ディジタルTVレシーバでは、スマートアンテナの構成を評価し、選択する最初の手順は、3つの部分に分かれる。
【0019】
第一に、与えられたRFチャンネルに対して、スマートアンテナのそれぞれの構成で、前述したように、信号の強度及び/又は信号の品質の表示をモニターする。第二に、ベストの信号の強度及び/又は信号、又はそのような測定結果に基づく別の基準を発生するスマートアンテナの構成を選択する。第三に、チャンネル番号に関連付けてこの構成を記憶し、標準化規格CEA−909を用いてこれを要求としてスマートアンテナに送信する。
【0020】
従来のシステムでは、RF信号の強度のような信号強度の評価が使われている。しかし、マルチパスの状態では、複雑な信号のパスに対する信号強度の貢献度を適切に区別することはできず、それゆえ良いマルチパスの受信状態と悪いマルチパスの受信状態とを適切に区別することができず、不利になる。レシーバー側でマルチパスの信号の状態を解決するその後の技術(例えば受信したシンボルやシンボルの配置を参照する技術)は、複雑で遅くなる傾向にある。
【0021】
次に、図3にも示すように、本発明の一実施形態では、従来のディジタルTVレシーバーがマルチパスや他チャンネルの欠陥から悪影響が出ている受信信号を等化するためのチャンネル推定を実行していることを評価した。この手順の一環として、ディジタルTVレシーバーは、チャンネルインパルス応答(CIR)又はCIRに由来する周波数応答を発生する。例えばOFDM方式では、逆FFTを実行したときにCIRの推定を得ることができるように、パイロット信号はOFDMシンボルのあるサブキャリアにフォーマットされている。従って、CIRは既にチャンネルの等化を実行した既存のチャンネルの推定(すなわち、受信の手順での通常の処理のようなスマートアンテナの構成以外の目的のため。)から得ることができる。
【0022】
図3はマルチパスの状態にあるRFチャンネルに対する典型的なCIRを示しており、y軸が正規化した応答、x軸が時間(ms)である。このCIRの中で、長いパスや短いパス303、305ばかりでなく、メインパス301からの信号に対する応答を見分けることができる。また雑音が他のインターフェアレンス307も生じていることが分かる。この応答の値はメインパスの応答を基準としている。
【0023】
従って、本発明の一実施形態では、品質の表示又はQファクタは、メイン信号のパスに対する応答(又はより一般的にはCIRでのピークサンプル)と他のパスからの信号の応答を含む残りの応答の平均との比から得られる。
それゆえ、Q=Max(CIR)/Mean(CIR)
【0024】
いくつかの実施形態では偏った平均値が好ましいが、最大値が平均値の推定から排除されるか、されないか(偏った平均又は偏ってない平均)という相違は両方とも等しいと考えることでできる。
【0025】
従って、特にQファクタはSN比を定量化するのではなく、むしろメイン信号のパス(CIRでのピークサンプルに応じて推定される)と追加的な信号のパス及びチャンネルインパルス応答の他の残りの応答との比を定量化する。従って、全体が同じRF信号の強さに対し信号の強さがよりメインのパスに集中したときにはQ値は増加し、Q値がその後複数の信号のパスにわたる信号の強さの分布を区別するのにいっそうよく役立つ。
【0026】
結果として、好都合にも、よりマルチパスの状態を指向するスマートアンテナの構成をより区別することが可能である。一例として、アンテナを[0,0]に走査することによって地上波ディジタルTV放送の受信は、等しい強さで全体の強さがNの3つの信号のパスを受信することになる。一方、アンテナを[0,1]に走査するとメイン信号のパスが以前よりも強く、他の受信のパスは弱いが、全体の信号の合計N−1の3つの信号パスを受信することになる。この場合、従来のシステムは、上記したQファクタはより良い構成としてポジション[0,1]を選択するのに、最適以下の方向[0,0]を選択するかもしれない。
CIRの電力をdBにし、Qファクタも以下のとおり同様にdBの単位で表すことができる。
QdB=CIRmaxdB−CIRmeandB (式2)
【0027】
図4A及び4Bは2つの異なったスマートアンテナの構成でのCIRの電力に対するQファクタをdBの単位で図示している。ここで、それぞれのケースでCIRmaxを0dBにする最大値の応答に対する電力を正規化する。この例では、アンテナを図4Bの新たな方向に向ける構成とすることによって、Qファクタはほぼ6dB改善する。
【0028】
図5は本発明の実施形態に係るディジタルTVレシーバーやスマートアンテナの操作のテストの中で8つのDVB−Tチャンネルを受信するためのスマートアンテナの構成の設定をリスト化したテーブルを示す。2つのチャンネル(1チャンネルと2チャンネル)はより弱く、4チャンネルや8チャンネルと等価で重複したチャンネルである。特に、1チャンネルと4チャンネルは信号の強さが等しい一方で、これらの等価であるQファクタが5dB異なり、それぞれのチャンネルに対する異なったマルチパスの状態が反映している。従って、従来の信号の強さの測定がこれらの等しいチャンネルの差異を生じさせない間、Q値は明らかにチャンネル1のより好ましいチャンネル4を識別する。メインの送信(最も近い送信機から)に対して、変調エラー比を推定することで生成されるより遅い評価に基づき3−8チャンネルはすべてよい信号の品質であることを示している。
ここで、図6を参照し、本発明の一実施形態に係るディジタルTVレシーバーの処理の流れの例を示す。ただし、本発明は、この例に限定されない。
【0029】
直交周波数分割多重方式(OFDM)の信号は、アンテナ100により受信され、チューナ102により検出され、その後アナログ/ディジタル変換器104によりディジタル形式に変換される。ガード区間移動プロセッサー106は、受信したOFDMシンボルからガード区間を移動し、その後データを示す変調されたシンボルは、チャンネル評価・訂正110と埋め込み信号抽出(復調)ユニット111との組み合わせである高速フーリエ変換(FFT)プロセッサー108を用いてそれぞれ受信したシンボルから復調される。変調されたシンボルは、周波数デインターリーバー112に送出され、ここで変調されたシンボルとOFDMシンボルのサブキャリアとの間の逆マッピング(逆写像)が実行され、それぞれのOFDMシンボルから変調されたシンボルのストリームが形成される。次に、フレームデマッパー114は、OFDM送信インターフェースの時分割多重構成の異なったフレームで送信された変調されたシンボルを論理チャンネルに分離し、次に論理チャンネルはタイムデインターリーバー115や次のいわゆるセルデインターリーバー116であるさらなるデインターリーバーにより、タイムデインターリーブの処理がされる。次に、循環遅延除去ユニット117は、送信機のデータに導入された循環シフトを除去する。次に、復調されたデータは、デマッパー118により変調されたシンボルより復元され、それぞれのチャンネルに対するビットストリームが生成される。次に、ビットデインターリーバー120は、信号中のすべてのビットインタリービングをリバースする。最後に、誤り訂正デコーダ121は、誤りを訂正するように構成され、元のデータの評価を復元する。
【0030】
レシーバーの上記の従来の要素に付加して、図6ではさらにすでに説明した現在のチャンネルのCIR又はCIRの電力を受信する構成評価器125を示し、そしてこの構成評価器125は、より好ましいスマートアンテナの構成を評価し、選択する動作が可能である。次に、この構成は、CEA−909適合の送信機127により、フォーマットされ、スマートアンテナに(例えばUSBケーブル1004を介して)送信される。特に、ディジタルTVレシーバーのCPU(図示を省略)は、構成評価として動作するようにとのソフトウェアの命令の下で動作が可能である。あるいは、構成評価器が専用のハードウェアを備える場合には、CEA−909適合の送信機が構成評価器に含まれてよいことを十分に理解することができる。他のハードウェアやソフトウェアの構成であってもよいことは当業者にとって明らかである。
【0031】
当然のことながら、通常の受信処理の結果としてCIR又はCIR電力あるいはそれらに由来するデータを生成する(例えば、チャンネルの推定中)ほとんどのどの適切な従来のディジタルTVレシーバーでも、前記同様の方法において構成評価器及びCEA−909適合の送信機からなるように構成される。
図7に関して、本発明の一実施形態において、当該ディジタルTVレシーバーによって実行される初期のスキャン処理は以下のステップを構成する。
【0032】
第1のステップs3210において、ディジタルTVレシーバーは、順に初期のチャンネルから始まって、スキャンするためにNRFチャンネルの隣のものから受信用に初期化される。必要に応じて、スマートアンテナと共にいずれの初期ハンドシェーキング処理も実行される。
【0033】
第2のステップs3220において、構成評価器はいわゆるブラインドサーチ(下記図8参照)を実行し、スマートアンテナが利用できる一部又は好ましいすべての方向に対するQ値を推定する。任意で、このブラインドサーチはCEA−909のもとにスマートアンテナが利用できる最も低い4個のゲイン設定値で最初に実行される。ブラインドサーチのその結果が、最も大きい検出されたQ値に対応するスマートアンテナに対して選択された方向DirQである。
【0034】
以下の4個の任意のステップは、Qファクターの推定に関連する不測の問題が万が一ある場合にディジタルTVレシーバーにとって優れた代替策を提供する。例えば、早い結果の一式を得るために、これらのステップを省略して初期のブラインドサーチを実行してもよく、その後にブックグランドアクティビティーである追加的なステップを使って再度このサーチのプロセスを実行してもよい。
【0035】
任意で、第3のステップs3230において、選択されたアンテナ方向に対して対応する変調誤差検出測定値(MERQ)を測定する。さらに任意で、この方向(QQ)に関するQファクターもこの時点で再推定され、これらの2つの測定値に対するRF条件のより近い対応するものを提供する。
【0036】
任意で、第4のステップs3240において、スマートアンテナに対する方向DirRFが、そのとき最も高いRF信号強度(例えば前記ステップs3220中に並行して測定される)に基づいて選択される。
【0037】
当然のことながら、このステップはステップs3220のブラインドサーチの一環である。その結果、各々の位置にかかわらず二度スマートアンテナを走査させる必要なしに、同時に両方の選択がなされうる。
【0038】
任意で、第5のステップs3250において、この第2の選択されたアンテナ方向に対して対応する変調誤差検出測定値(MERRF)を測定する。さらに任意で、この方向に対するQファクター(QRF)も再推定される。
【0039】
任意で、第6のステップs3260において、構成評価器はMERQをMERRFと比較する。そして、DirQは、MERQ+0.5>MERRF(この場合当該MER値の単位はdB)であるときに、最終的に選択される。そうでなければ、DirRFが最終的に選択される。つまり、Qファクターの構成の選択肢を選ぶのに有利な0.5dBバイアスである。ゆえに、Qファクターの推定に基づく当該方向が、RF信号強度評価に関して、著しく(例えば0.5dBごとに)低い実行性であるようにみえない限り選択される。当然のことながら、バイアス値は限定されず、特定の伝送方式に関し当業者によって経験的に決定され得、又は省略され得る。BERのようなMER以外の一部の共通の受信性能測定基準が用いられ得る。このように当該方向を選択するのに加えて、さら任意にて、対応する再推定されるQファクター(QRF又はQQ)はこのチャンネル用のQファクターとして選択され得る。
【0040】
選択されたアンテナ方向DirQ又は任意のDirRFを前提として、第7のステップs3270において、好ましいゲイン設定値が算出され(下記図9参照)、現在のチャンネルに対するスマートアンテナの構成が順に更新される。
【0041】
第8のステップにおいて、現在のチャンネルに対する当該構成はディジタルTVレシーバーのメモリー(不図示)に記憶される。当該構成は通常以下を含むが限定されない。
―RFチャンネル周波数
―チャンネル数
―粗方向設定値
―微方向設定値
―ゲイン設定値
―極性
例えば、1以上の以下の値も含まれる。
―関連するQファクター値(任意で規定通りにQRF又はQQ)
―関連するRF信号強度
―評価中に得られるMER
この方法で記憶され得る他の値は当業者にとって明らかである。
【0042】
最終的に、第7のステップs3290において、当該評価がすべてのNRFチャンネルがスキャンされるまで次のチャンネルに対して、繰り返される。評価を繰り返す。
【0043】
当然のことながら、さまざまな出口条件が前記処理における任意のステップとして考慮され得る。例えば、未解決信号がどのアンテナ方向に対しても、及び、任意でどのゲインレベルに対しても検出されるなら、空のチャンネルとして登録し、次のチャンネルに移動する。
図8を参照して、構成評価器によって実行されるいわゆるブラインドサーチは以下のステップを構成する。
【0044】
第1のステップs3310において、CEA−909方式[粗、微]における次方向スマートアンテナ値は設定される。初期状態で、これらは方向[0,0]に設定され得る(図1)。他の構成変数値も、例えば、ゲイン値=0、初期偏光設定値(例えば、水平方向)に初期化される。これらの構成設定値はこのときスマートアンテナに送られる。加えて、構成カウンターkはk=0に初期化される。
【0045】
任意にて、第2のステップs3320において、ディジタルTVレシーバーは単純なチューニング動作を実行し、復調ロックが当該現在の構成を実現できるかどうか検出する。もしできないなら、任意で当該処理を下記第5のステップにスキップし得る。
第3のステップs3330において、構成評価器は現在のスマートアンテナの構成に関するQファクターQkを評価する(下記図10参照)。
【0046】
任意の第4のステップs3340において、構成評価器は現在のスマートアンテナ構成に対するRF信号強度RFを推定する。当然のことながら、図6を参照して、ディジタルTVレシーバーにおける他の場所からRF信号強度値を得るべくどの適切なデータリンクにも提供され得る。
【0047】
第5のステップs3350において、当該CEA−909方向値は入れ子ループにおいて増加され、各値0、1、2、3が図1に示された16の組み合わせを順に生成する。その結果、実行するたびに、少なくとも前記第1及び第3のステップ並びに任意で前記第2及び第4のステップが現在の方向値と共に繰り返される。加えて、実行するたびに、構成カウンターkもまた増加させられる。
【0048】
第6のステップs3260において、方向[3,3]が評価された後(上記例では)、構成評価器はMax=QMAXを評価し、図7のスキャン処理において選択された方向DirQ用として、対応する粗い及び細かい方向設定値を返す。
【0049】
任意でこのステップの一端として、構成評価器もまたMax=RFMAXを評価し、図7のスキャン過程における選択された方向DirRF用として対応する粗及び微方向設定値を返す。
図9を参照して、構成評価器による好ましいゲイン設定の評価は以下のステップからなる。
【0050】
第1のステップs3410において、CEA−909型[粗、微]における次のスマートアンテナ方向値は選択された方向DirQに設定され、又は任意でDirRF(前もって考慮して)、ゲインはCEA―909に利用可能な最も低い4設定(0,1,2,3)に設定される。加えて、構成カウンターkはk=0に初期化される。
【0051】
任意の第2のステップs3420において、ディジタルTVレシーバーは単純なチューニング動作を実行する。復調ロックは選択された方向に実現されると仮定されるが、もしそうなら、もちろんこの条件は明白に合致し得、ロックが実現されるなら電流ゲイン値は無視される。
【0052】
第3のステップs3430において、電流構成に関する信号対雑音比SNRkは記録される。とりわけSNRは同じマルチパス条件に対するゲインに対応する。それゆえ、スマートアンテナが好ましいゲインの評価中に方向を変化させているので、SNRはこのような場合に実行のための都合のよい測定基準である。
【0053】
第4のステップs3440において、ゲイン値は増加され、上記ステップは、k=3に関して(本例において)SNRkが評価されるまで、必要に応じて繰り返される。
【0054】
第5のステップにおいて、構成評価器はMax(SNRk(0,..k,..3))=SNRMAXの値を求め、前述の図7のスキャンプロセスに対応するゲインパラメーター値を返す(0,1,2,または3)。
図10に関して、前述のように、本発明の一実施形態において、構成評価器によるQファクターの評価は以下のステップからなる。
【0055】
最初のステップs3510において、チャンネルインパルス応答は例えばチャンネル評価器110のようなディジタルTVレシーバーの既存の従来のレシーバーチェーンから得られる。好ましくは、CIRデータは直接的に利用できる。しかし、代わりにレシーバーチェーンからのデータは以下の処理を要求する。例えば、周波数インパルス応答のみがレシーバーチェーンにおいて利用できるなら、その結果構成評価器は逆FETを実行し、CIRを得る。当該CIRはdB表示においてCIR電力の形をとる。
第2のステップs3520において、CIRの最大値が検出される。これは、メイン信号パスによると考えられる。
【0056】
第3のステップs3530において、付加的な信号パスに対応するサンプル値を含むCIRの平均は算出される。すでに述べたように、当該平均の算出は任意で前のステップにおいて、最大値が検出される。
【0057】
第4のステップs3540において、Qファクターは、チャンネル入力応答の最大値に対する、チャンネル入力応答の偏りのある又は偏りのない平均値の比のような式1又は式2に従って、算出される。
【0058】
したがって、図7のスキャニング機能は、測定されたQ値に応じて最良のスマートアンテナの方向を、続けて最良のゲイン値を評価することによって、ディジタルTVレシーバーの各々のチャンネルに対して好ましい構成変数のセットを検出する。任意で、もう1つの測定スキーム(例えば、RF信号強度に基づく測定等)と並行してこれを実行でき、二重の安全装置を提供する。
【0059】
このようにして、マルチパス受信条件における地上波ディジタルTV信号に対するスマートアンテナ構成の初期の選択が改良され得る。さらに、MER又はBERのような動作平均化方法と比べると、CIRの瞬間的(すなわちデータフレームごとの)性質はそのような方法を用いるシステムよりずっと速い初期設定を可能にする。
【0060】
図11に関して、これは、最初に本発明の一実施形態に従って構成されたスマートアンテナを用いるディジタルTVレシーバー、次に従来の無指向性アンテナを用いるディジタルTVレシーバーに関する6つのDVBTチャンネル(図5のチャンネル3乃至8に対応する)に対する受信動作を比較する表を示す。両方の状況に対する動作はMERを用いて同じように測定される。
【0061】
以上のように、本発明の一実施形態により構成されたシステムは、10dBの6つ全てのチャンネルに渡って、平均動作の改善が伴いRFチャンネル無指向性アンテナよりも一貫して優れている。とりわけ、この改良は、6つ全てのチャンネルが当該スマートアンテナを用いて視認できるが、一方で無指向性アンテナを用いて視認できないことを意味する。
【0062】
当然のことながら、さまざまなスマートアンテナ方向に対して、Qファクター測定が識別できるマルチパス条件が確定されないかもしれない。つまり、送信機と受信機の間の多重伝送パスが時間とともに変化するかもしれない。長期的には、これは大気条件や地面条件の季節的変動、都市の建造物、あるいはスマートアンテナが置かれた部屋に新たに備え付けられた家具により起こるかもしれない。短期的には、送信パスは部屋で人が座る場所や、もちろんスマートアンテナが強打されたり、故意に移動されたりすることによっても影響されうる。
【0063】
それ故、特定のチャンルに関するスマートアンテナに対して選択された構成設定値は定期的に再評価される(後述の「トラックされる」)ことが望ましい。しかしながら、初期設定プロセス中と違い、続けてTVのユーザーがTVをつけたとき、望ましいチャンネルを見ることを期待する。
【0064】
マルチパス条件の評価を追跡(トラック)し、必要に応じて現在のTV視聴の効果を軽減させながら、スマートアンテナ設定値を再評価するために、本願発明の一実施形態において、現在の方向にすぐ近接する方向が受け入れ可能な視聴条件を同様に提供するであろうと考える。このように例えば、当該スマートアンテナが方向[0,0]に現在設定されるなら、方向[3,3]及び[0,1]が当該チャンネルを見るユーザーの能力に重大な影響を及ぼすことなしに、検査され得る。
【0065】
当然のことながら、そのような検査は1つ以上のイベントによって引き起こされる。例えば、検査は定期的(例えば、時間ごと、日ごと)であるかもしれない、又はユーザー主導型(例えば、あるチャンネルに切り替えるとき、または、メニューから選択によって、)であるかもしれない、又は、予定している(例えば、チャンネル上の番組の予定された録画より前の期間中に起こる)かもしれない、又は、駆動測定される(例えば、継続するMER又はBER測定が所定の絶対的又は相対的な閾値より下にさがったとき)かもしれない。任意で、タイマーが備えられ、最小の後続期間内に後続のイベントに応答して追加の検査をするのを防ぐ。説明を簡単にするために、いずれの上記トリガー信号も、「イベント」として述べ得る。
【0066】
逆に、MER又はBERのような測定が、現在の受信がすでに非常に良好(すなわち、最初の所定の閾値より上)であることを示すときは、方向検査は任意で、止められる。その上、MERまたは、BERのような現在の受信が悪い(すなわち、第2の所定の閾値より下)であることを示すときは、変化が必要でない、又は、変化が直感的に反対となり、ただ信号を表示するために適合するだけである。それは、方向を変化させることが受信状態をより悪くさせ、既に述べた受信動作の「障害(brick wall)」を経て信号品質を通すからである。その結果として、チャンネルのユーザーの視聴に深刻な影響を与える。
【0067】
方向を変化させることに加えて、ゲインの変化が雑音比に対して信号を改善させるかどうか検査することもまたできる。さらに、ゲインレベル又は現在のゲインレベルに隣接するレベルが検査され得る。さらに、1つ以上の同様のトリガーイベントが用いられ得る。当該イベントが定期的なトリガー信号である場合、任意で、これは指向性検査に関して、より頻繁に起こる。
図12に示すように、本発明の一実施形態による構成トラッキング処理は以下のステップからなる。
従って、本発明の実施形態では、言うまでもない。
【0068】
受信したテレビジョン信号の品質値を評価する方法が、レシーバーを通過したテレビジョン信号のチャンネルのインパルス応答の評価を得て(s3510)、メイン信号パスに対応した(又は対応すると推定される)前記チャンネルインパルス応答の最大値を検出し(s3520)、1以上の付加的な信号パスに対応する前記チャンネルインパルス応答値を含む前記チャンネルインパルス応答の平均値を算出し(s3530)、前記最大値と前記チャンネルインパルス応答の平均値との比として前記品質値を算出する(s3540)。特に、前記チャンネルインパルス応答は、信号の受信に関連するチャンネル等化処理から得る。
【0069】
上記の方法を用い、所定のチャンネルへのスマートアンテナの構成方法は、スマートアンテナを初期化し、利用可能な複数の方向のうちの1つから信号を受信し(s3310)、(上記の方法を用い)前記1つの方向の信号受信を評価し(s3330)、前記1つの方向に対する品質値を記憶し、いくつか又はすべての他の利用可能な方向に対してこれを繰り返す(s3350)。ただし、念のため、前記レシーバーが特定の方向への信号受信の復調のロックができない場合には、その特定の方向への信号受信の評価を実行しなくてもよい(s3320)。
【0070】
前記構成方法は、品質値が最大の方向を選択し、これに伴うようにスマートアンテナを構成してもよく、また複数の利用可能な方向のそれぞれについてRF信号の強度を求め(s3340)、それぞれの方向に対する前記RF信号の強度を記憶し、前記品質値が最大の方向及び前記RF信号の強度が最大の方向に対し、共通の受信性能を発揮するメトリックを評価し(s3230、s3250)、共通の受信性能を発揮するメトリックにより受信特性が最も良いと評価される方向を選択し、これに伴うようにスマートアンテナを構成してもよい(s3280)。前記共通の受信性能を発揮するメトリックにより受信特性が最も良いと評価される方向の選択は、最大値の品質値に関連する方向に向くように、所定のバイアスの量によりバイアスされるようにしてもよい(s3260)。
【0071】
前記方向を評価する際に、上記の方法は、前記選択された方向で、ゲイン値の所定のセットの最低のものを用いてスマートアンテナを構成し(s3410)、前記構成に対する信号対雑音比を評価し(s3430)、前記信号対雑音比を前記ゲイン値と関連付けて記憶し、前記ゲイン値の所定のセット内でその後のそれぞれのゲイン値に対して前記構成、評価及び記憶のステップを繰り返し(s3440)、最大の信号対雑音比に対するゲイン値を選択し(s3450)てもよい。
これらの実施形態では、その方法は、CEA−909規格に従って構成される前記スマートアンテナに実行される。
【0072】
上記の方法を実行するため、ディジタルTVレシーバー(1000)に用いられるスマートアンテナの構成評価器(125)は、レシーバーを通過したテレビジョン信号のチャンネルのインパルス応答の評価を得るように構成されたデータ入力手段(例えばデータリンク及び入力メモリバッファのような)と、メイン信号パスの応答を含む(又は含むと推定される)CIRの最大値を検出するように構成された最大値検出手段(CPUや専用のハードウェアのような)と、1以上の付加的な信号パスに対応するCIRを含む前記チャンネルインパルス応答の平均値を算出するように構成された平均化手段(CPUや専用のハードウェアのような)と、前記最大値と平均値との比として前記品質値を算出するように構成された比算出手段(CPUや専用のハードウェアのような)とを具備する。
【0073】
また、ディジタルテレビジョンレシーバーは、スマートアンテナの利用可能な複数の受信方向のうち1つを特定する構成データをスマートアンテナ(1010)に送信するように構成されたスマートアンテナ信号化手段(127)と、上記のようなスマートアンテナの構成評価器と、特定された受信方向に関連付けて品質値を記憶するように構成されたメモリとを具備し、前記ディジタルテレビジョンレシーバーは、所定のRF信号チャンネルに対し、スマートアンテナの利用可能な受信方向のいつくか又はすべてを特定するようにスマートアンテナ信号化手段に順次指示し、それぞれの受信方向に対して品質値を評価するように前記スマートアンテナの構成評価器に指示するようにしてもよい。
【0074】
これらの設備においては、ディジタルテレビジョンレシーバーは、(前記所定のRF信号チャンネルの信号の後の受信に対して)最大の品質値に関連する受信方向を選択してもよい。或いは、ディジタルテレビジョンレシーバーは、受信したRF信号の強度を評価するように構成された信号評価手段(CPU、専用のハードウェア又は現有の受信系列の一部)を具備し、前記メモリは、特定の受信方向と関連付けて前記評価されたRF信号の強度を記憶し、前記最大の品質値に関連する方向及び前記最大のRF信号の強さに関連する方向に対して、受信性能を評価する受信性能評価手段(CPU又は専用のハードウェア)を具備し、前記ディジタルテレビジョンレシーバーは、前記所定のRFチャンネルの信号の後の受信に対して、前記共通の受信性能のメトリックによって評価された最適な受信性能に関連する受信方向を選択する(再度、前記所定のRF信号チャンネルの信号の後の受信に対して)ように構成してもよい。共通の受信性能のメトリックにより最適な受信性能を持つように評価される方向の選択は、最大値の品質値に関連する方向に向くように、所定のバイアスの量によりバイアスされるようにしてもよい。
【0075】
なお、ここで開示された方法は、ソフトウェアの命令により又は専用のハードウェアの介入若しくは代替により適合できるように適宜構成された従来のハードウェアにより実行してもよいことは言うまでもない。例えば、イベントモニター及び/又は構成評価器は、ハードウェアによって構成してもよく、またディジタルTVレシーバーのCPU上で動作するソフトウェアで全体又は一部分が実行されるようにしてもよい。
【0076】
このように、従来の等価の装置の必須の部分に要求される適合は、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、ハードディスク、PROM、RAM、フラッシュメモリ又はこれらまたは他の記憶媒体のどんな組合せのようなデータ・キャリヤーに保存された処理実行命令を備えるコンピュータープログラム製品又は製品の類似物、又はイーサネット(登録商標)、無線ネットワーク、インターネット若しくは他のネットワークのこれらのどんな組合せの上のデータ信号を介して送信される処理実行命令を備えるコンピュータープログラム製品又は製品の類似物、又は従来の等価の装置に適合して用いられるように構成されたASIC(特定用途向け集積回路)若しくはFPGA(フィールド・プログラム可能なゲート・アレイ)若しくは他の構成可能な回路としてハードウェアにより実現される処理実行命令を備えるコンピュータープログラム製品又は製品の類似物の形式で実行してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信したテレビジョン信号の品質値を評価する方法であって、
レシーバーを通過したテレビジョン信号のチャンネルのインパルス応答の評価を得て、
メイン信号パスに対応した前記チャンネルインパルス応答の最大値を検出し、
1以上の付加的な信号パスに対応する前記チャンネルインパルス応答値を含む前記チャンネルインパルス応答の平均値を算出し、
前記最大値と前記チャンネルインパルス応答の平均値との比として前記品質値を算出する
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記チャンネルインパルス応答は、信号の受信に関連するチャンネル等化処理から得る方法。
【請求項3】
所定のチャンネルへのスマートアンテナの構成方法であって、
スマートアンテナを初期化し、利用可能な複数の方向のうちの1つから信号を受信し、
請求項1又は2に記載の方法に従って前記1つの方向の信号受信を評価し、
前記1つの方向に対する品質値を記憶し、
いくつか又はすべての他の利用可能な方向に対してこれらのステップを繰り返す
方法。
【請求項4】
請求項3に記載のスマートアンテナの構成方法であって、前記レシーバーが特定の方向への信号受信の復調のロックができない場合には、その特定の方向への信号受信の評価を実行しない方法。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載のスマートアンテナの構成方法であって、品質値が最大の方向を選択し、これに伴うようにスマートアンテナを構成するステップを備える方法。
【請求項6】
請求項3又は請求項4に記載のスマートアンテナの構成方法であって、
複数の利用可能な方向のそれぞれについてRF信号の強度を求め、
それぞれの方向に対する前記RF信号の強度を記憶し、
前記品質値が最大の方向及び前記RF信号の強度が最大の方向に対し、
共通の受信性能を発揮するメトリックを評価し、
共通の受信性能を発揮するメトリックにより受信特性が最も良いと評価される方向を選択し、これに伴うようにスマートアンテナを構成する
方法。
【請求項7】
請求項6に記載のスマートアンテナの構成方法であって、前記共通の受信性能を発揮するメトリックにより受信特性が最も良いと評価される方向の選択は、最大値の品質値に関連する方向に向くように、所定のバイアスの量によりバイアスされる方法。
【請求項8】
請求項5に記載のスマートアンテナの構成方法であって、
前記選択された方向で、ゲイン値の所定のセットの最低のものを用いてスマートアンテナを構成し、
前記構成に対する信号対雑音比を評価し、
前記信号対雑音比を前記ゲイン値と関連付けて記憶し、
前記ゲイン値の所定のセット内でその後のそれぞれのゲイン値に対して前記構成、評価及び記憶のステップを繰り返し、
最大の信号対雑音比に対するゲイン値を選択する
方法。
【請求項9】
請求項5に記載のスマートアンテナの構成方法であって、前記スマートアンテナの構成は、CEA−909規格に従っている方法。
【請求項10】
請求項1のステップを実行するコンピュータプログラム。
【請求項11】
ディジタルTVレシーバーに用いられるスマートアンテナの構成評価器であって、
レシーバーを通過したテレビジョン信号のチャンネルのインパルス応答の評価を得るように構成されたデータ入力手段と、
メイン信号パスに対応した前記チャンネルインパルス応答の最大値を検出するように構成された最大値検出手段と、
1以上の付加的な信号パスに対応する前記チャンネルインパルス応答値を含む前記チャンネルインパルス応答の平均値を算出するように構成された平均化手段と、
前記最大値と前記チャンネルインパルス応答の平均値との比として前記品質値を算出するように構成された比算出手段と
を具備するスマートアンテナの構成評価器。
【請求項12】
ディジタルテレビジョンレシーバーであって、
スマートアンテナの利用可能な複数の受信方向のうち1つを特定する構成データをスマートアンテナに送信するように構成されたスマートアンテナ信号化手段と、
請求項11に記載のスマートアンテナの構成評価器と、
特定された受信方向に関連付けて品質値を記憶するように構成されたメモリとを具備し、
前記ディジタルテレビジョンレシーバーは、所定のRF信号チャンネルに対し、スマートアンテナの利用可能な受信方向のいつくか又はすべてを特定するようにスマートアンテナ信号化手段に順次指示し、それぞれの受信方向に対して品質値を評価するように前記スマートアンテナの構成評価器に指示する
ディジタルテレビジョンレシーバー。
【請求項13】
請求項12に記載のディジタルテレビジョンレシーバーであって、このディジタルテレビジョンレシーバーは、前記所定のRF信号チャンネルの信号の後の受信に対して最大の品質値に関連する受信方向を選択するように構成されているディジタルテレビジョンレシーバー。
【請求項14】
請求項13に記載のディジタルテレビジョンレシーバーであって、
受信したRF信号の強度を評価するように構成された信号評価手段を具備し、
前記メモリは、特定の受信方向と関連付けて前記評価されたRF信号の強度を記憶し、
前記最大の品質値に関連する方向及び前記最大のRF信号の強さに関連する方向に対して、受信性能を評価する受信性能評価手段を具備し、
前記ディジタルテレビジョンレシーバーは、前記所定のRFチャンネルの信号の後の受信に対して、前記共通の受信性能のメトリックによって評価された最適な受信性能に関連する受信方向を選択するように構成されたディジタルテレビジョンレシーバー。
【請求項15】
請求項14に記載のディジタルテレビジョンレシーバーであって、共通の受信性能のメトリックにより最適な受信性能を持つように評価される方向の選択は、最大値の品質値に関連する方向に向くように、所定のバイアスの量によりバイアスされるディジタルテレビジョンレシーバー。
【請求項1】
受信したテレビジョン信号の品質値を評価する方法であって、
レシーバーを通過したテレビジョン信号のチャンネルのインパルス応答の評価を得て、
メイン信号パスに対応した前記チャンネルインパルス応答の最大値を検出し、
1以上の付加的な信号パスに対応する前記チャンネルインパルス応答値を含む前記チャンネルインパルス応答の平均値を算出し、
前記最大値と前記チャンネルインパルス応答の平均値との比として前記品質値を算出する
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記チャンネルインパルス応答は、信号の受信に関連するチャンネル等化処理から得る方法。
【請求項3】
所定のチャンネルへのスマートアンテナの構成方法であって、
スマートアンテナを初期化し、利用可能な複数の方向のうちの1つから信号を受信し、
請求項1又は2に記載の方法に従って前記1つの方向の信号受信を評価し、
前記1つの方向に対する品質値を記憶し、
いくつか又はすべての他の利用可能な方向に対してこれらのステップを繰り返す
方法。
【請求項4】
請求項3に記載のスマートアンテナの構成方法であって、前記レシーバーが特定の方向への信号受信の復調のロックができない場合には、その特定の方向への信号受信の評価を実行しない方法。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載のスマートアンテナの構成方法であって、品質値が最大の方向を選択し、これに伴うようにスマートアンテナを構成するステップを備える方法。
【請求項6】
請求項3又は請求項4に記載のスマートアンテナの構成方法であって、
複数の利用可能な方向のそれぞれについてRF信号の強度を求め、
それぞれの方向に対する前記RF信号の強度を記憶し、
前記品質値が最大の方向及び前記RF信号の強度が最大の方向に対し、
共通の受信性能を発揮するメトリックを評価し、
共通の受信性能を発揮するメトリックにより受信特性が最も良いと評価される方向を選択し、これに伴うようにスマートアンテナを構成する
方法。
【請求項7】
請求項6に記載のスマートアンテナの構成方法であって、前記共通の受信性能を発揮するメトリックにより受信特性が最も良いと評価される方向の選択は、最大値の品質値に関連する方向に向くように、所定のバイアスの量によりバイアスされる方法。
【請求項8】
請求項5に記載のスマートアンテナの構成方法であって、
前記選択された方向で、ゲイン値の所定のセットの最低のものを用いてスマートアンテナを構成し、
前記構成に対する信号対雑音比を評価し、
前記信号対雑音比を前記ゲイン値と関連付けて記憶し、
前記ゲイン値の所定のセット内でその後のそれぞれのゲイン値に対して前記構成、評価及び記憶のステップを繰り返し、
最大の信号対雑音比に対するゲイン値を選択する
方法。
【請求項9】
請求項5に記載のスマートアンテナの構成方法であって、前記スマートアンテナの構成は、CEA−909規格に従っている方法。
【請求項10】
請求項1のステップを実行するコンピュータプログラム。
【請求項11】
ディジタルTVレシーバーに用いられるスマートアンテナの構成評価器であって、
レシーバーを通過したテレビジョン信号のチャンネルのインパルス応答の評価を得るように構成されたデータ入力手段と、
メイン信号パスに対応した前記チャンネルインパルス応答の最大値を検出するように構成された最大値検出手段と、
1以上の付加的な信号パスに対応する前記チャンネルインパルス応答値を含む前記チャンネルインパルス応答の平均値を算出するように構成された平均化手段と、
前記最大値と前記チャンネルインパルス応答の平均値との比として前記品質値を算出するように構成された比算出手段と
を具備するスマートアンテナの構成評価器。
【請求項12】
ディジタルテレビジョンレシーバーであって、
スマートアンテナの利用可能な複数の受信方向のうち1つを特定する構成データをスマートアンテナに送信するように構成されたスマートアンテナ信号化手段と、
請求項11に記載のスマートアンテナの構成評価器と、
特定された受信方向に関連付けて品質値を記憶するように構成されたメモリとを具備し、
前記ディジタルテレビジョンレシーバーは、所定のRF信号チャンネルに対し、スマートアンテナの利用可能な受信方向のいつくか又はすべてを特定するようにスマートアンテナ信号化手段に順次指示し、それぞれの受信方向に対して品質値を評価するように前記スマートアンテナの構成評価器に指示する
ディジタルテレビジョンレシーバー。
【請求項13】
請求項12に記載のディジタルテレビジョンレシーバーであって、このディジタルテレビジョンレシーバーは、前記所定のRF信号チャンネルの信号の後の受信に対して最大の品質値に関連する受信方向を選択するように構成されているディジタルテレビジョンレシーバー。
【請求項14】
請求項13に記載のディジタルテレビジョンレシーバーであって、
受信したRF信号の強度を評価するように構成された信号評価手段を具備し、
前記メモリは、特定の受信方向と関連付けて前記評価されたRF信号の強度を記憶し、
前記最大の品質値に関連する方向及び前記最大のRF信号の強さに関連する方向に対して、受信性能を評価する受信性能評価手段を具備し、
前記ディジタルテレビジョンレシーバーは、前記所定のRFチャンネルの信号の後の受信に対して、前記共通の受信性能のメトリックによって評価された最適な受信性能に関連する受信方向を選択するように構成されたディジタルテレビジョンレシーバー。
【請求項15】
請求項14に記載のディジタルテレビジョンレシーバーであって、共通の受信性能のメトリックにより最適な受信性能を持つように評価される方向の選択は、最大値の品質値に関連する方向に向くように、所定のバイアスの量によりバイアスされるディジタルテレビジョンレシーバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図6】
【公開番号】特開2013−42497(P2013−42497A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−177067(P2012−177067)
【出願日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【出願人】(593081408)ソニー ヨーロッパ リミテッド (93)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−177067(P2012−177067)
【出願日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【出願人】(593081408)ソニー ヨーロッパ リミテッド (93)
【Fターム(参考)】
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