説明

個人の身体のパフォーマンス、及びバランスを維持する能力を向上させるための装置、並びにその装置の製造方法

個人の身体のパフォーマンス、及びバランスを維持する能力を向上させるための装置(1)であって、個人の肌の一部に接近して置かれるのに適している。この装置は、第1の金属層(4、4’)と、ルテニウム、ロジウム及びプラチナから選択された金属に基づき、第1の金属層(4、4’)に少なくとも部分的に重ねられた少なくとも1つの第2の金属層(5、7)とが設けられた少なくとも1つの金属本体(2,2’)と、金属本体(2、2’)を少なくとも部分的に覆っている絶縁性の層(3)とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に規定される特徴を有する、個人の身体のパフォーマンス(performance)、及びバランスを維持する能力を向上させるための装置に関する。
【0002】
本発明は、さらに、個人の身体のパフォーマンス、及びバランスを維持する能力を向上させるための装置が設けられた、衣服又は装飾品、あるいは宝飾品に関する。
【0003】
本発明はまた、請求項17に規定される特徴を有する、個人の身体のパフォーマンスを向上させるための装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0004】
身に付けられたとき、使用者の脳に送られる反射作用を刺激するように、反射療法で広く使用されている、体の所定の既知の点に圧力を及ぼすリストバンド又は同様の装置が知られている。
【0005】
脳は、かくして、体の機能的な能力を向上させることによって、脳が応答する神経情報の改良されたフローを受ける。
【0006】
さらに、人体の一部と金属の直接的な、又は間接的な接触に起因する有益な効果が知られている。
【0007】
例えば、RU2268707から、患者の体の適切な適用ゾーンに金属のプラスタを適用することによって、痛みを伴う状態を治すことが知られている。
【0008】
また、CN1260216から、鍼治療でも使用される有感点(sensitive point)への磁気素子の適用によって脳障害を治療することが知られている。
【0009】
しかし、個人のパフォーマンスを向上させるための装置の、従って、個人で入手可能な改良品の改良の余地がある。
【0010】
さらに、いくつかの既知の装置は、患者の健康又は全身の状態に逆効果をもたらしさえしうる。
【発明の概要】
【0011】
本発明の基礎をなす問題は、個人の身体のパフォーマンス、及びバランスを維持する能力を向上させる装置を提供することである。
【0012】
さらなる目的は、個人の、特に、アスリートの筋肉疲労の影響を低減させる装置を提供することである。
【0013】
さらなる目的は、慢性疲労症候群の影響を低減させる装置を提供することである。
【0014】
さらなる目的は、個人の安定性を高める装置を提供することである。
【0015】
さらなる目的は、筋力を高める、従って、個人の、アスリートの、又はトレーニングしていない(untrained)個人の、特に、ジャンプ、ペダル踏み(pedalling)、又はランニングであるスポーツのパフォーマンスを高める装置を提供することである。
【0016】
さらなる目的は、時間にわたる耐久性があり、使い古されず、それ故、非常に長期間の間その機能を保持する装置を提供することである。
【0017】
また、他の目的は、個人の全身の状態を向上させる装置を提供することである。
【0018】
添付の特許請求の範囲に係る、個人の身体のパフォーマンス、及びバランスを維持する能力を向上させるための装置、並びにその装置の製造方法によって、これらの問題が解決され、これらの目的が達成される。
【0019】
本発明の特徴並びに効果は、添付の図面を参照して非限定的な例によって説明される本発明の好ましい実施の形態の詳細な説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明に従って形成された装置の平面図である。
【図2】図2は、本発明に係る装置を平面で切った(truncated)拡大断面図である。
【図3】図3は、本発明に係る装置を平面で切った拡大断面図である。
【図4】図4は、本発明に係る装置を平面で切った拡大断面図である。
【図5】図5は、本発明に係る装置を平面で切った拡大断面図である。
【図6】図6は、本発明に係る装置を平面で切った拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明に係る装置を平面で切った拡大断面図である。
【図8】図8は、本発明に係る装置を平面で切った拡大断面図である。
【図9a】図9aは、さまざまな波長範囲に対して、通常の使用状態での遠隔制御のIR放射線放出(曲線A)、バッテリに取り付けられた本発明の装置ありでのIR放射線放出(曲線B)及びLEDに取り付けられた本発明の装置ありでのIR放射線放出(曲線C)を示すグラフである。
【図9b】図9bは、さまざまな波長範囲に対して、通常の使用状態での遠隔制御のIR放射線放出(曲線A)、バッテリに取り付けられた本発明の装置ありでのIR放射線放出(曲線B)及びLEDに取り付けられた本発明の装置ありでのIR放射線放出(曲線C)を示すグラフである。
【図9c】図9cは、さまざまな波長範囲に対して、通常の使用状態での遠隔制御のIR放射線放出(曲線A)、バッテリに取り付けられた本発明の装置ありでのIR放射線放出(曲線B)及びLEDに取り付けられた本発明の装置ありでのIR放射線放出(曲線C)を示すグラフである。
【図10a】図10aは、さまざまな波長範囲に対して、通常の使用状態で呼び出しを受信したときの携帯電話のIR放射線放出(曲線A’)、バッテリに取り付けられた本発明の装置ありでのIR放射線放出(曲線B’)及びスクリーンに取り付けられた本発明の装置ありでのIR放射線放出(曲線C’)を示すグラフである。
【図10b】図10bは、さまざまな波長範囲に対して、通常の使用状態で呼び出しを受信したときの携帯電話のIR放射線放出(曲線A’)、バッテリに取り付けられた本発明の装置ありでのIR放射線放出(曲線B’)及びスクリーンに取り付けられた本発明の装置ありでのIR放射線放出(曲線C’)を示すグラフである。
【図11a】図11aは、本発明の装置あり及びなしで、個人の胸筋の収縮パワー(contraction power)を示すグラフである。
【図11b】図11bは、本発明の装置あり及びなしで、個人の腹側の(anterior)三角筋の収縮パワーを示すグラフである。
【図12a】図12aは、本発明の装置あり及びなしで、個人のペダル踏みパワー(pedalling power)を示すグラフである。
【図12b】図12bは、本発明の装置あり及びなしで、個人のペダル踏み力(force)を示すグラフである。
【図13a】図13aは、本発明の装置あり及びなしで、女性のバスケットボール選手のグループのジャンプの高さを示すグラフである。
【図13b】図13bは、本発明の装置あり及びなしで、男性のバスケットボール選手のグループのジャンプの高さを示すグラフである。
【図13c】図13cは、本発明の装置あり及びなしで、フットボール選手のグループのジャンプの高さを示すグラフである。
【図13d】図13dは、本発明の装置あり及びなしで、スポーツ選手でない(non-sporting)個人のグループのジャンプの高さを示すグラフである。
【図14a】図14aは、本発明の装置あり及びなしで、フットボール選手のジャンプの高さを示すグラフである。
【図14b】図14bは、本発明の装置あり及びなしで、フットボール選手のジャンプのパワーを示すグラフである。
【図15a】図15aは、本発明の装置なしで、射撃試験での個人の重心の移動を示すグラフである。
【図15b】図15bは、本発明の装置ありで、射撃試験での個人の重心の移動を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
個人の身体のパフォーマンス、及びバランスを維持する能力を向上させるための、本発明に従って形成された装置が、図1ないし図8に全体として参照符号1で示される。
【0022】
装置1は、個人の肌の一部と直接的に、又は間接的に接触するようにして配置されることができる。
【0023】
装置1はまた、個人の肌の下に配置されることができるし、あるいは、個人の肌の一部から、好ましくは3cm未満、好ましくは0ないし2cmの距離に配置されることができる。
【0024】
装置1は、金属本体2を有する。この金属本体2には、その外面に、カバー3が設けられている。カバー3は、絶縁性材料でできており、金属本体2を覆うように形成されている。
【0025】
カバー3は、個人の肌との接触に適した絶縁性材料でできていることができる。
【0026】
カバー3は、好ましくは、アレルギ反応を引き起こさないために非アレルギ性であり、かつ、カバー3が本体2に適切に接着するように、金属に類似性を有する材料でできている。
【0027】
カバー3は、例えば、PVC、ポリウレタン(PU)、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、PET又はこれらから誘導される繊維、PTFE又は他のプラスチック材料のような高分子材料、あるいはシリコーンゴムでできていることができる。
【0028】
他の態様では、カバー3は、例えば、ゴム、天然ゴム又はラテックスである天然源の絶縁性材料でできていることができる。他の態様では、カバー3は、例えば、ウール、綿、麻などの絶縁性の天然繊維でできていることができる。この場合、金属本体2へのカバー3の接着性を向上させるために、金属本体2とカバー3との間に接着フィルムが介在されることができる。カバー3はまた、外部から金属本体2を封止することができる。
【0029】
ポリプロピレン、又は他の生体適合性材料の使用は、皮下への適用に適した装置が製造されることを可能にする。
【0030】
絶縁性カバー3は、少なくとも部分的に、金属本体2の対向している主面f1、f2の少なくとも一方を覆うように形成されている。図示された態様では、絶縁性カバー3は、金属本体2の対向している主面f1、f2の両方を完全に覆っている。
【0031】
本発明の一態様では、カバー3は、金属本体が外部から封止されるようにして、即ち、カバー3は、その内部に金属本体2が挿入されて外部から閉じられる種のパウチを形成するようにして、金属本体2に取り付けられている。
【0032】
本体2を部分的に、又は完全に覆っているカバー3の存在は、多くの効果を与える。
【0033】
絶縁性材料のカバー3は、外部から装置1の金属本体2を絶縁し、装置1に対する、及びその機能上の特徴に対する外部の状態の影響を制限する。
【0034】
さらに、カバー3の存在は、装置1の金属本体2を、金属本体2の材料の摩耗又は磨滅から保護し、装置2の特徴を時間にわたってほとんど不変にとどまらせる。
【0035】
特に、カバー3は、金属本体2に対する酸化の影響をかなり制限するか低減させる。
【0036】
耐久性があり、時間にわたって一定のパフォーマンスを有する装置が、かくして得られる。
【0037】
カバー3は、効果的には、金属本体2が真空下にあるようにして取り付けられている。
【0038】
これは、さらに、装置1のパフォーマンスを向上させ、その特徴、特性及び金属本体2の完全性、従って、装置1の完全性をさらによく保つ。
【0039】
金属本体2の酸化は、かくしてほぼ取り除かれ、さらに、時間にわたる装置1の安定性及び耐久性を高める。
【0040】
図示されない他の態様では、カバー3は、金属本体2の2つの対向している面f1、f2の一方のみを覆うことができるか、2つの対向している面f1、f2の一方又は両方を覆うように部分的に設けられることができるかの少なくとも一方であることができる。
【0041】
カバー3が金属本体2の2つの主面f1、f2の一方のみを覆っているとき、装置1は、好ましくは、カバー3が装置1の使用者の肌の一部に面するようにして配置される。
【0042】
図示された態様では、この装置は、平面図で矩形の断面を有するプレート1の形態をとるが、いかなる所望の形状、例えば、環状の形状を有するプレート1が製造されることができる。
【0043】
金属本体2は、好ましくは、約0.2mmないし約5mmの厚さを有し、また、好ましくは、約10mmないし約40mmの直径を備えた環状の形状である。
【0044】
好ましくは、金属本体2の厚さが約0.3mmであれば、直径は約15mmであり、また、金属本体2の厚さが約0.3mmであれば、直径は約10mmである。即ち、これにより、金属本体2は、金属の所定の全質量を含む。
【0045】
図2の態様では、金属本体2は、銀(Ag)に基づいた中心層4を含む。この中心層4は、ルテニウム(Ru)に基づいた中間層5によって覆われている。この中間層5の外側には、絶縁性カバー3が設けられている。
【0046】
中心層4は、約0.2ないし0.5mmの厚さを有し、その一方、中間層5は、約2ないし6μmの厚さを有する。
【0047】
中間層5は、中心層4の対向している主面S1、S2の両方を覆うようにして成形されている。
【0048】
図示されない他の態様では、中間層5は、中心層4の2つの対向している面S1、S2の一方のみを、選択的には、部分的に、覆っていることができる。
【0049】
図3の態様では、金属本体2は、さらに、外側層6を含む。外側層6は、ロジウム(Rh)に基づき、層5と絶縁性カバー3との間に介在されるように、中間の、ルテニウムに基づいた層5の外側に配置されている。
【0050】
外側層6は、図示された態様でのように、中間層5の対向している主面の両方に、又は、2つの面の一方のみに、あるいは、一方/両方の面を部分的に覆っているかの少なくとも1つであるように適用されることができる。
【0051】
外側層6は、約2ないし3μ(マイクロメートル)の厚さを有する。
【0052】
図4の態様では、金属本体2は、銀(Ag)に基づいた中心層4を含む。中心層4は、ロジウム(Rh)に基づいたミドル層7によって覆われている。ミドル層7の外側には、絶縁性カバー3が取り付けられている。ミドル層7は、約2ないし6μmの厚さを有する。
【0053】
ミドル層7もまた、中心層4の対向している主面S1、S2の両方を覆うようにして形成される。
【0054】
図示されない他の態様では、ミドル層7は、中心層4の2つの対向している面S1、S2の一方のみを、選択的には、部分的に、覆っていることができる。
【0055】
外側の、ルテニウムに基づいた層を形成するために、ガルバーニ電気浴のルテニウムが、2ないし9g/lの濃度で使用される。
【0056】
ロジウムに基づいた層を形成するために、1ないし8g/lの濃度を有するガルバーニ電気浴のロジウムが使用される。
【0057】
これら濃度の値は、金属本体2とガルバーニ電気浴との間の非常に短い接触時間の使用、即ち、秒のオーダの時間の使用を与えると同時に、上で示された厚さが得られることを可能にする。
【0058】
接触時間は、2ないし10秒であるが、金属本体2は、10分間、ガルバーニ電気浴に接触されることができる。
【0059】
いくつかの実施の形態では、金属本体2は、160秒間、ガルバーニ電気浴に接触される。
【0060】
接触時間を短くすることによって、ロジウムに基づいた層の黒変(blackening)を防ぐことが可能であり、さらに、ガルバーニ電気浴での低電圧、即ち、6ないし10ボルトのオーダの、あるいは12Vまでの電圧を使用することが可能である。
【0061】
さらに、上で示された厚さを達成するために、かつそれと同時にロジウムに基づいた層が適用される金属本体2からロジウムに基づいた層が分離する傾向にあるのを防ぐために、本体は、さらに以下で説明されるように、含浸工程を洗浄工程及び脱脂(degreasing)工程と交互に繰り返し行うことによって、本体2からのその分離を防ぐように所望の厚さのロジウムに基づいた層を得るのに適した所望の時間期間の間、ガルバーニ電気浴に含浸される。
【0062】
装置1のカバー層3は、以下のようにして形成されることができる。金属本体2は、カバー3を構成し、かつ金属本体2よりも大きな寸法を有するのに適した2つのシート状の材料の間に介在されて、シートの縁は、金属本体2に対して突出している。
【0063】
そして、カバーの縁が、プレス又は同様の装置によって一緒にされ、かくして、閉じた種のパウチを与えるように、永久的に互いに連結される。金属本体2は、カバー材料から形成された外縁に囲まれて収容される。
【0064】
いくつかのアプリケーションでは、カバー3の縁は、適切な溶接プロセスによって、例えば、高周波溶接によって、互いに連結される。
【0065】
他のアプリケーションでは、カバー3は、モールド成形によって、例えば、圧力又は射出モールド成形、あるいは、これらの場合に好ましくはプラスチック材料から形成されたカバー3の材料に基づいて選択された他のモールド成形技術によって形成されることができる。
【0066】
上で述べた場合には、金属本体2は、形成モールド中に挿入される。そして、カバー3が形成されるプラスチック材料が、同じモールドに取り入れられる。
【0067】
モールド成形プロセスの完了の後、金属本体2がカバー3のプラスチック材料の内部に組み入れられた物品が、かくして得られる。
【0068】
この方法は、例えば、装置1が既に設けられた、物品、例えばスキーブーツを直接得るために使用されることができる。
【0069】
スキーブーツの、又は一般的に製造される物品の材料は、金属本体2に対する絶縁性カバー3として機能する。図5ないし図7に示される態様は、図2ないし図4に示される態様にそれぞれ対応し、これらは、中心層4’が金(Au)に基づいている点でそれらと異なっている。プレート1’の他の特徴及び構成要素は、図1ないし図4に示されるプレートの特徴及び構成要素と同一であるので、詳述されない。
【0070】
図5の態様では、金属本体2’は、金(Au)に基づいた中心層4’を含む。中心層4’は、ルテニウム(Ru)に基づいた中間層5によって覆われている。中間層5の外側には、ポリマカバー3が設けられている。
【0071】
図6の態様では、金属本体2’はまた、ロジウム(Rh)に基づいた外側層6を含む。外側層6は、層5と絶縁性カバー3との間に介在されるように、中間のルテニウムに基づいた層5の外側に配置されている。
【0072】
図8の態様では、金属本体2’はまた、ロジウム(Rh)に基づいた外側層6及び外側層6の外側の絶縁性カバー層3と同様に、金(Au)に基づいた中心層4’とルテニウム(Ru)に基づいた中間層5との間に介在されたプラチナ(Pt)に基づいた層8を含む。
【0073】
図7の態様では、金属本体2は、金(Au)に基づいた中心層4’を含む。中心層4’は、ロジウム(Rh)に基づいた層7によって覆われている。層7の外側には、絶縁性カバー3が取り付けられている。
【0074】
図示されない他の態様では、金属本体2の中心層4は、プラチナ、銅、鋼、アルミニウム又は他の所望の金属に基づくことができる。
【0075】
金属本体2の中心層4もまた、銀、金、プラチナ、銅、アルミニウム、又は他の所望の合金の少なくとも1つでできていることができる。
【0076】
高純度銀、例えば、銀999が、中心層を形成するために使用されることができる。
【0077】
図示されない態様では、装置1は、プレート形状以外の形状を有することができる。例えば、装置1は、好ましくは0.2mmないし1.2cmの直径を有するワイヤの形態であることができる。
【0078】
ワイヤは、絶縁性材料のカバー3によって外側から覆われた金属本体2を含む。
【0079】
装置1の製造で使用される金属及び非金属材料の良い加工性(workability)の観点では、以下の説明から明らかになるように、厚さが制限された均一なワイヤを製造する際に問題はない。
【0080】
本出願人は、電磁放射線と本発明の装置1との相互作用を評価するために、特に、本発明に係る装置による赤外線の透過率を評価するために、トレント大学の材料工学産業技術学部で試験を行った。
【0081】
特に、赤外線の範囲(800ないし25000nm)で、本発明の装置の透過率が評価された。
【0082】
第1の場合には、Jasco660FT−IRシングルビーム分光測光器が使用されて、3つのスペクトルが得られた。1つは、空の試料チャンバ(本発明に係る装置なし)に関し、他の2つは、それぞれ、空気中及び真空中での装置の透過に関する。
【0083】
3つのスペクトルが、かなりの、即ち著しい変化なしで重ね合わせられることができ、それ故、本発明の装置によるIR放射線の透過がないことが確認された。
【0084】
試験は、1nmのデータピッチによって、400nm/分の走査速度によって、及び0.03%未満の迷光のパーセンテージによって特徴付けられた高解像度JascoV−570分光測光器を使用して、N−IR(近赤外線)波長範囲で、即ち800ないし2500nmで繰り返された。
【0085】
得られたスペクトルはまた、透過された光が0パーセントであることを示し、それ故、考慮されたこの波長範囲でもまた、本発明の材料の装置による放射線の透過がないことを明らかにした。
【0086】
同じ試験が、互いに異なるサイズを有する本発明に係る装置に対して繰り返され、この装置によるIR放射線の透過がないことを再び確認した。
【0087】
これら試験は、本発明に係る装置による透過の変化をチェックするために、300秒の時間期間の選択で、20秒の走査間隔で、所定の時間期間にわたって繰り返された。
【0088】
これらの後者の測定は、得られた信号が時間にわたって変化せず、これらの値は、常に、機器の感度の検出限界内にあり、装置の寸法は、その物理的特性に対して影響を及ぼさず、それ故、本発明に従って形成された装置は、試験された波長範囲内(800ないし25000nm)でIR放射線を透過しない、という結論を与えた。
【0089】
本発明の装置はまた、透過プロセスの起こりうる放射化(activation)をチェックするために、それぞれ、70℃に加熱されるか−20℃に冷却される熱処理を受けた。
【0090】
上で説明された試験もまた、上で述べられた処理を受けた本発明の装置に対して繰り返され、上で得られた結果、即ち、赤外線範囲(800ないし25000nm)で透過がないことを確認した。
【0091】
得られた測定は、本発明の装置が、赤外線(IR)範囲で、又は近赤外線(NEAR−IR)範囲で、即ち、800ないし25000nmの間の全波長範囲にわたって放射線を透過しないことを示した。
【0092】
さらに、動作中のときにIR放射線エミッタとして振る舞う通常の遠隔制御及び携帯電話のような機器と本発明に係る装置との相互作用が調査された。
【0093】
遠隔制御の場合には、測定手順は、空気中で、常に傍受された1次ビームで動作すること、従って、試験下のサンプルによって送られたもののみを受けることと、固定され繰り返し可能な測定システムを確実にするように、サンプルチャンバの内部の遠隔制御を位置決めすることとからなった。
【0094】
上で述べられた試験の結果が、波長によって細分された図9aないし図9cのグラフに与えられる。図9aは、2200ないし2250cm−1の波長に対するグラフであり、図9bは、1150ないし1250cm−1の波長に対するグラフであり、図9cは、102ないし108cm−1の波長に対するグラフである。
【0095】
放射線に関する第1のスペクトルが、遠隔制御によって放出され、一方、このスペクトルのキー(key)が下がり(曲線A)、また、遠隔制御の放出に関する2つの連続的なスペクトルが、当然、得られ、一方、それぞれ、遠隔制御のバッテリに本発明に係る装置を置いた後(曲線C)、及び遠隔制御の正面でLEDのそばに本発明に係る装置を置いた後(曲線B)、信号強度の変動を防ぐように下がった同じキーを保っている。
【0096】
得られた分析結果は、スペクトルが重ね合わせ可能であり、それ故、本発明に係る装置の存在は、新たな放出ピークを導入せず、以前に得られた測定を確認することを示した。しかし、2222cm−1(図9a)、1192cm−1(図9b)及び1053cm−1(図9c)の3つの比較的大きな強度のピークの領域では、放出強度は、本発明に係る装置の存在ありでの動作のみで、遠隔制御の動作から減少する変化をした。特に、本発明に係る装置が遠隔制御のバッテリにある状況に関して、より大きく減少している(曲線C)。
【0097】
図9aないし図9cのグラフの分析から、本発明に係る装置が遠隔制御と関連付けられたとき、遠隔制御の放出スペクトルが、最大強度(ピーク)の減少、及び比較的高い波長に向かった、従って比較的低い周波数に向かった最大強度の移動を含むことが理解されることができる。この減少は、本発明の装置が遠隔制御のバッテリに置かれたとき、比較的大きい(曲線C)。
【0098】
測定がまた、呼び出しの受信の間に携帯電話によって放出された放射線に対して本発明に係る装置によって及ぼされた影響をチェックするためになされた。
【0099】
記録されたIRスペクトルが、さまざまな波長範囲に対して、図10a並びに図10bのグラフに与えられる。図10aは、1050ないし1120cm−1の波長に対するグラフであり、図10bは、520ないし570cm−1の波長に対するグラフである。
【0100】
上で述べられたグラフでは、曲線A’は、本発明の装置なしで、呼び出しの受信の間に携帯電話によって放出されたスペクトルに関し、その一方、曲線B’及びC’のスペクトルは、呼び出しの受信の間に、それぞれ、本発明に係る装置がスクリーンに配置された(曲線B’)及び同じ携帯電話のバッテリに配置された(曲線C’)場合に関する。
【0101】
図10a並びに図10bのグラフから、通常の携帯電話は、実際には、IR放射線のエミッタであり、比較的低い強度ではあるが、1093及び547cm−1で2つの最大ピークを有することがわかる。
【0102】
遠隔制御に関して行われた試験でのように、スクリーンに、及び、より広範囲でバッテリに本発明に係る装置があることは、再び、放出される放射線の強度の減少につながった。
【0103】
上に報告された試験の結果は、遠隔制御の、又は携帯電話のバッテリへの本発明の装置の適用が、放出された放射線の最大強度の減少につながるという結論を与える。
【0104】
それ故、本発明の装置は、IR放射線を放出する装置と相互作用し、放出強度に影響を与える。
【0105】
上に報告された結果は、本発明に従って製造された、即ち、金属コア及び絶縁性材料の外側カバーを備えたワイヤが、携帯電話のような装置の周囲のほぼ一部に適用されたとき、赤外線の比較的大きな吸収の観点から、さらに改良されることができる。
【0106】
本出願人は、個人の体に対して、本発明に従って形成された装置の影響のタイプを評価するために、臨床試験を行った。
【0107】
上で述べられた試験が、量子生物物理記号学研究所(Institute of Quantistic Biophysical Semeiotics)によって行われ、本発明に係る装置が、個人の体の近くへのその適用の後に、非常に短い時間期間内で、個人の有機体に肯定的な効果があることを示した。
【0108】
本発明の装置は、生化学触媒として機能し、実際には、個人の有機体の内部に起こる生化学的反応を加速させる。
【0109】
本発明の装置はまた、酵素活性化体(enzymatic activator)として機能し、細胞膜を活性化し、その交換を促進し、高分子の分解に協力する。
【0110】
本発明の装置は、組織血管のプロテクタ(histangio-protector)として機能する。即ち、本発明の装置は、装置が改変されると、適用の1時間以内に、細胞呼吸が標準化されることを可能にし、そして、適用の3時間以内に、それを最大値にもたらす組織血管の酸素化(histangic oxygenation)を活性化し、それを向上させ、例えば、CAEMH(先天性アシドーシス酵素代謝組織血管症)(congenital acidosic enzymo-metabolic histangiopathy)の場合にたとえそれが危険に晒されても、自由内細胞(endocellular)エネルギを50%高める。
【0111】
上で述べた肯定的な効果は、ミトコンドリアの呼吸の活性化による遊離基の増加によって、また、CoQ10(コエンザイムQ10)の高められた合成、及び有機体のミクロ循環系(microcirculation)の著しい改良によって達成されなかった。これは、数秒の非特定の(aspecific)胃の反射作用の消失の継続によって示された。行われた試験は、本発明に係る装置1が、この装置を使用している個人のバランスを維持する能力を向上させたことを示した。
【0112】
本出願人によって行われた試験はまた、本発明に係る装置1が、この装置を使用している個人の身体のパフォーマンス及び体力(physical strength)を向上させることを示している。
【0113】
特に、これら試験の結果として、本発明の装置が体力を高めて、この装置を使用する個人の疲労を低減させることが示されている。
【0114】
所定の作業負荷(代謝の閾値)を超えた身体的な労力の間、筋肉は、所定の量の乳酸を生成し、この乳酸は、グルコースに再変換されるように血液に流れ込む。
【0115】
激しく長時間の身体運動の間、筋肉は、有機体が代謝することができるよりも多くの乳酸を生成する。この場合、血液中の乳酸の濃度は、活性状態の筋肉のレベルでもはや散逸させることができない程度まで増加する。
【0116】
乳酸は、pHを局所的に減少させ、また、所定の濃度で、炭水化物の使用によるエネルギの生成の抑制につながるので、ときどき炎症(burning)及び激しい運動の後の局所的な無能状態に付随して起こる疲労の既知の影響が、かくして現れる。これは、筋肉の収縮の停止をもたらす。
【0117】
本発明に係る装置の使用に関して、個人が激しい運動をしたとき、所定の労力に関して測定された血液中の乳酸のレベルは、本発明の装置なしで測定されたレベルよりもかなり少なかった。
【0118】
装置は、個人の肌の一部、又は肌の下と直接的に、又は間接的に接触するように配置された。
【0119】
所定の労力に関して分かった、装置ありと装置なしとの間の乳酸の値の差は、著しく、統計的誤差又は代表的な試験分散に帰することができなかった。
【0120】
従って、本発明に係る装置は、身体運動中に生成される筋肉の乳酸の散逸が改変されることを可能にし、筋肉中にある乳酸を減少させ、かくして、この装置を使用して個人の身体のパフォーマンスを向上させる。
【0121】
血液中の乳酸の濃度は、乳酸の生成と散逸との間の動力的均衡を反映する。
【0122】
運動中に生成された乳酸の約75ないし80%は、異化作用(COへの酸化)手段によって代謝される。また、残りは、同化作用(糖新生)手段によって代謝されるか、尿中への排泄作用及び発汗作用によって取り除かれる。
【0123】
筋肉、特に、トレーニングを受けた筋肉は、乳酸を生成するだけでなく、乳酸を使用することもまた可能であり、散逸は、代謝の強度に比例して運動で増加する。
【0124】
かくして分かった乳酸の量の減少は、筋肉による乳酸の使用、従ってその散逸が増加されたという推定を与える。
【0125】
従って、本発明の装置は、激しい運動に対する個人の耐性を高める。
【0126】
本出願人は、本発明の装置あり及びなしで、同じ個人の最大随意筋力(maximum voluntary contraction)での筋肉の活性化を分析するために試験を行った。得られた結果が、それぞれ、図11a並びに図11bのグラフに与えられる。
【0127】
1000Hzで動作する表面筋電図検査システム(バイオビジョン(Biovision)(登録商標))が使用された。
【0128】
個人が、2つの筋肉の最大随意筋力試験(MVC)を受けた。胸筋及び腹側の三角筋が、本発明に係る装置ありで曲線D及びEであり、本発明に係る装置なしで曲線D’及びE’である。これは、高い力の生成を必要とする、運動している個人のパフォーマンスに対する本発明の装置の影響を評価するためである。
【0129】
図11a並びに図11bのグラフの分析から容易に理解されるように、本発明の装置の使用に関する自動記録(tracing)は、考慮された所定の時間の間、ピークでと合計面積でとの両方で比較的大きい。これは、必要とされるテンションが最大ならば、運動単位レクリートメントメカニズム(motor unit recruitment mechanism)(Hennemanの原理)を強化することによって装置が機能し、対象者がより力を生成しようとすることを意味する。
【0130】
本発明の装置を使用して、胸筋に対して+23%、腹側の三角筋に対して+26%の活性化強度の増加があった。本発明の装置は、神経筋の活性化統合メカニズム(neuromuscular activation integration mechanism)を「解放し」、結果として起こる比較的大きな力の生成に関して、運動単位のレクリートメントの増加を引き起こす。
【0131】
試験は、本発明の装置あり及びなしで、ペダルを踏むアスリート(女性の自転車乗り)によって生成されたパワーを評価するために行われた。ポーター(登録商標)サイクロムラノ(Cyclomulino)が使用され、これは、アスリートによって生成されるパワーがキシオッテ(Kisciotte)(登録商標)ソフトウェアによって評価されることを可能にする。
【0132】
毎分回転数(RPM)の変化に対するパワー及び力の傾向、及びアスリートの最大パワーを評価するように、本発明の装置あり及びなしで、アスリートに差動ギアで一連の短距離走(スプリント)をさせる試験が行われた。
【0133】
得られた結果が、図12aのグラフに与えられる。このグラフでは、本発明の装置あり(曲線F)及び本発明の装置なし(曲線F’)で得られたパワー−速度(power-rate)曲線が与えられる。
【0134】
本発明の装置ありでは、パワー曲線が、明らかに、比較的高い値を有することが容易に理解されることができる。特に、生成された最大の非乳酸(alactacid)パワーが、本発明の装置なしで生成されたパワーよりも+4.45%だけ大きくなり、また、各スプリントでの平均の生成された最大パワーは、本発明の装置なしで生成されたパワーよりも+5.28%だけ大きかった。
【0135】
図12bは、本発明の装置あり(曲線G)及び装置なし(曲線G’)で得られた力−速度(force-rate)曲線を与える。図12bのグラフの力の曲線を分析することによって、本発明の装置ありで、全ての力の表現に対して、力の最大値のかなりの増加があり、最大の力+6.67%、最大の起動力(dynamic force)+5.89%、瞬発力(explosive force)+3.95%であったことが理解されることができる。
【0136】
さらに、特に、低い毎分回転数(RPM)で、即ち、比較的大きな力の生成の必要があるところで、本発明の装置が改良につながることが容易に推定されることができる。
【0137】
試験はまた、個人の跳躍能力に対する本発明の装置の効果を評価するために行われた。
【0138】
ボスコ−ビットリ踏板(bosco-Vittori footboard)が、これら試験に使用された。これは、滞空時間を検出することによって、センチメートル単位でジャンプの高さを測定し、これにより、対象者の瞬発力を評価する。
【0139】
68人の個人が試験され、これら個人は4つの同質のグループに分割され、ボスコ−ビットリ踏板を使用して、はじめに、本発明の装置ありで、次に、本発明の装置なしで、停止状態から反対の動き(counter movement)でジャンプを行うことを要求された。
【0140】
以下の人々のグループに対する結果が、図13aないし図13dのグラフに与えられる。
図13aは、13人の女性のバスケットボール選手に対して、装置なしで曲線H、本発明の装置ありで曲線H’を示している。
図13bは、15人の男性のバスケットボール選手に対して、装置なしで曲線J、本発明の装置ありで曲線J’を示している。
図13cは、15人のフットボール選手に対して、装置ありで曲線K、装置なしで曲線K’を示している。
図13dは、15ないし55歳の年齢の25人のスポーツ選手でない対象者に対して、装置なしで曲線I、本発明の装置ありで曲線I’を示している。
【0141】
本発明の装置を用いた試験では、ジャンプの高さが、本発明の装置なしの試験でよりも平均で大きかったことが理解されることができる。13人の女性のバスケットボール選手のグループに対して+3.94%、15人の男性のバスケットボール選手に対して+4.13%、15人のフットボール選手に対して+5.56%、また、スポーツ選手でない個人のジャンプの高さも平均で+9.26%の増加があった。
【0142】
さらに、試験が、個人のジャンプの高さに対する本発明の装置の効果を評価するために行われた。
【0143】
オプトジャンプ(Optojump)(登録商標)光学測定システムがこれらの試験に使用された。このシステムは、送信バーと受信バーとからなる装置であり、接触及びジャンプの滞空時間が計算されることを可能にする。センチメートル単位での個人のジャンプの高さ、及びワット/kgでのジャンプのパワーが、これら値から分かった。
【0144】
対象者である男性のフットボール選手は、まず、本発明の装置なしで、そして、本発明の装置ありで、30秒の時間の間、両足で、連続的な一連のジャンプを行わなければならなかった。
【0145】
得られた結果が、図14aのグラフに与えられる。このグラフでは、本発明の装置あり(曲線L)及び本発明の装置なし(曲線L’)で、試験時間内のジャンプの瞬間的な高さ(cm)が与えられる。
【0146】
本発明の装置を用いた試験では、個人により到達されたジャンプの高さが明らかにより高かったことが理解されることができる。全体として、本発明の装置ありでのジャンプの平均の高さは、3.02cmだけより高く、これは、+12.66%に等しい。
【0147】
図14bのグラフは、本発明の装置あり(曲線M)及び本発明の装置なし(曲線M’)で、試験時間中の各ジャンプでアスリートによって生成されたパワーを与える。
【0148】
この場合には、再び、既に理解されたように、本発明の装置ありでの試験において、生成されたパワーが、本発明の装置なしで行われた試験でよりも明らかに大きかったことが分かった。
【0149】
特に、本発明の装置ありで、個人は、2.38W/kgだけより大きい平均パワーを生成し、これは、+10.45%に等しい。
【0150】
本出願人はまた、小火器の射撃の爆発の間にバランスを維持する個人の能力に対する本発明の装置の効果をチェックするために試験を行った。
【0151】
この試験を行うために、テトラックス(TETRAX)(登録商標)の姿勢論理(posturological)システムが使用された。即ち、このシステムは、対象者のバランス、また、個人の足によって2つの分離したプラットフォームに加えられた圧力の測定により、このバランスを維持するために個人が使用するメカニズムを分析する診断装置である。
【0152】
個人は、安定した測定状態の(stabilometric)プラットフォームに置かれ、型番391Urica2のライフルで一連の射撃を行った。
【0153】
問題の試験は、はじめに、本発明に係る装置なしで、そして、本発明に係る装置ありで、型番391Urica2のライフルで20秒の時間の間射撃することからなる。特に、最初の5秒の間、個人は、なおも射撃態勢で立っていなければならず、そして、その個人は、射撃をし、最後に、20秒が経過するまで所定の位置にとどまった。得られた結果は、それぞれ、図15a(本発明の装置なしの試験)並びに図15b(本発明の装置ありの試験)のグラフに与えられる。射撃の瞬間が点Nで示される。
【0154】
本発明の装置ありで行われた試験では、重心の移動は最小であったことが注目される。重心の移動の−19.63%の減少が観察され、その結果移動が起こった領域も同様に−77.33%程度減少したことが観察された。
【0155】
最後に、射撃の間、かかとに加えられた力(アスリートが射撃後に腕の反動にどのように反応するかを示している)は、本発明の装置ありでの射撃試験では25.73%だけ少なく、この結果、足の前側の支持の向上を与え(+15.06%)、従って、全体としての個人の安定性がよくなった。
【0156】
本出願人はまた、個人の血液の乳酸塩(lactate)濃度に対する本発明の装置の効果をチェックするために試験を行った。
【0157】
反応性ストリップを使用して血液の乳酸塩濃度を測定する、ランレース(RUNRACE)(登録商標)テクノジムトレッドミル(Technogym Treadmill)及びラクテートプロ(登録商標)乳酸メータが、以下の分析に使用された。
【0158】
試験は、まず、本発明の装置なしで、一定の速度(14km/h)で10分間、そして、第1の試験の終了後、本発明の装置ありで、20分間、個人が走った。
【0159】
両方の試験において、試験の開始前(基礎の乳酸塩)及び試験がちょうど終了したとき(試験の終わりでの乳酸塩)、乳酸塩のサンプルが採取され、試験の終わりでと試験のはじめでとの血液の乳酸濃度の間の差を示す乳酸塩の増分、即ち、乳酸の蓄積度が計算された。
【0160】
試験の結果は、以下の通りであった。
装置なしでの第1の試験では、(試験前の)基礎の乳酸塩1.1m/Mol、試験の終わりでの乳酸塩8.8m/Mol、乳酸塩の増分7.7m/Molであった。
本発明の装置ありでの第2の試験では、(試験前の)基礎の乳酸塩1.9m/Mol、試験の終わりでの乳酸塩7.0m/Mol、乳酸塩の増分5.1m/Molであった。
本発明の装置ありでの試験では、基礎の乳酸塩は比較的高かったものの、試験の終わりでの血液の乳酸濃度が20.45%だけ少なかったことが理解されることができる。
【0161】
全体として、本発明の装置ありで行われた試験では、それ故、個人の血液中の乳酸の蓄積が比較的少なかった(−33.77%)。
【0162】
この装置はまた、個人の有機体が、比較的高いトレーニング負荷に耐えることを可能にし、その個人のパフォーマンスを向上させる。
【0163】
この装置はまた、上で述べられた装置が体の近くに置かれた個人のバランス及び安定性を維持するための能力を向上させるために効果的であることが分かっている。
【0164】
これは、多くのスポーツの訓練、例えば、サイクリング、モータサイクリング、登山、スポーツクライミングなどの訓練のみならず、日常生活でも重要な結果を有する。
【0165】
装置は、例えば、個人によって、又はアスリートによって着用される衣服にこの装置を挿入することによって、個人の肌の一部と直接的に、又は間接的に接触するように配置される。
【0166】
本発明の装置の効果を最適化するために、この装置は、好ましくは、アスリートのスポーツの訓練で大部分が使用される筋肉に直接的に、又は間接的に接触して、あるいは近くに配置されるか、適切な衣服に組み込まれてこれら筋肉と接触するようにされる。
【0167】
例えば、本発明の装置は、体の下半身の筋肉によって行われる動作が支配的であるスポーツのアスリート(自転車選手、走者など)用のズボンなどに、あるいは、胴及び腕の筋肉によって及ぼされた労力が支配的であるスポーツ(体操、漕艇など)用のベストに組み入れられることができる。
【0168】
装置はまた、履物の中底又は外底、あるいは履物のかかとに配置されることができる。
【0169】
他の態様では、装置は、個人の頭、又は特に、アスリートの頭を保護するためのヘルメット又は他の同様の構造体の中に配置されることができる。
【0170】
装置はまた、個人によって毎日使用される装飾品又は衣服の中に挿入されることができ、日常生活において、その人の身体のパフォーマンス、及びバランスを維持する能力を向上させる。
【0171】
装置は、衣服又は装飾品、作業に使用されるものに組み入れられることができるし、又は、個人の身体のパフォーマンス、及びその人の課業のパフォーマンス中にバランスを維持する能力を向上させるのに適切であるようにして、これらと組み合わせられることができる。
【0172】
これは、一貫した身体的な労力が必要とされたり、潜在的に危険な動作が行われたりする、精密な、あるいは骨の折れる作業で特に効果を奏する。
【0173】
この装置はまた、バランスを維持する個人の身体のパフォーマンス及び能力を向上させるために、宝飾品、又は、例えば、ベルト又はグローブのような、個人の体の所望の部位の近くに置かれる他の装飾品中に選択的に挿入されることができる。
【0174】
装置1は、好ましくは、装置が個人にその特性を及ぼすのに最適であるように、個人の肌の一部から、3cm未満の距離に、より好ましくは2cm未満に配置される。
【0175】
装置はまた、皮下に適用されることができる。
【0176】
先の説明は、特にスポーツの効果を参照しているが、本発明に係る装置は、あらゆる所望の対象の、及び最小の筋肉の労力が必要なあらゆる活動中の身体のパフォーマンスを向上させるために効果的に使用されることができる。
【0177】
本発明に係る装置は、適切な既知の方法によって、得られた金属本体への絶縁性材料の層の適用によって、多層にされた(multi-layered)金属本体の準備の通常の方法に従って準備されることができる。
【0178】
本発明に係る装置を準備する方法は、上に説明された態様の1つに従う、装置1、1’の内側層4、4’を構成するのに適した金属本体の準備と、続いて、金属本体のうわがけ(glazing)及び研磨がなされて、約5ないし7分間の間、約60℃で超音波脱脂することとを与える。
【0179】
そして、洗浄が、約60℃で、熱い蒸留水中でさらに洗浄することに続いて望ましくない合成物を除去するために行われる。そして、電解脱脂が、蒸留水を用いて約60℃で一連の温洗浄に続いて、約1分間の間、6ないし10ボルトの電圧で、周囲温度で行われる。
【0180】
金属本体は、約20ないし30秒間の間、含浸によって周囲温度で中和され、そして、約60℃で、熱い蒸留水でさらに洗浄される。ロジウムめっきは、約40℃ないし50℃の温度で、好ましくは約45℃で、約50℃で1ないし8g/lの濃度のガルバーニ電気浴のロジウムを用いて行われ、金属本体は、得られるべきロジウムの厚さに応じて、約2ないし約10秒の間の時間期間、ロジウム溶液と接触される。
【0181】
金属本体2は、10分の最大限度時間の間、ロジウム溶液と接触される。
【0182】
約5μmのロジウムの相当な厚さが得たいのであれば、ロジウム層の堆積の工程は、いくつかの連続的な段階で行われる。即ち、本体は、所定の時間期間の間ガルバーニ電気浴に含浸されて、浴から取り出されて、洗浄及び脱脂をされて、再び浴中に含浸される。
【0183】
この一連の工程が、得たい最終的な厚さに応じて、所望の回数繰り返される。
【0184】
これは、金属本体に接着するロジウムの層が得られるのを可能にし、相当な厚さのロジウム層の分離の既知の問題をなくす。
【0185】
これはまた、ロジウム層の黒変を防ぐ。
【0186】
そして、金属本体は、蒸留水中で洗浄される。
【0187】
さらなる層が装置1に必要であれば、これら層は、適切な技術によって適用される。
【0188】
そして、絶縁性のカバー層が適用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人の身体のパフォーマンス、及びバランスを維持する能力を向上させるための装置(1)であって、この装置は、個人の肌の一部に接近して置かれるのに適しており、
第1の金属層(4、4’)と、ルテニウム、ロジウム及びプラチナから選択された金属に基づき、前記第1の層(4、4’)に少なくとも部分的に重ねられた少なくとも1つの第2の金属層(5、7)とが設けられた少なくとも1つの金属本体(2,2’)と、
前記金属本体(2、2’)を少なくとも部分的に覆っている絶縁性の層(3)とを具備する装置(1)。
【請求項2】
前記第1の層(4、4’)は、銀、金、プラチナ、銅、アルミニウム及び鋼を含むグループから選択された金属に基づいている請求項1の装置(1)。
【請求項3】
前記第2の層(5、7)は、前記第1の層(4、4’)の対向している主面(S1、S2)の両方に少なくとも部分的に重ねられている請求項1又は2の装置。
【請求項4】
前記第2の金属層(5)は、約2ないし6μmの厚さを有するロジウムに基づいている請求項1ないし3のいずれか1の装置。
【請求項5】
前記第2の金属層(5)は、ルテニウム又はプラチナに基づき、
前記金属本体(2、2’)は、さらに、前記第2の層(5)と連結された、第3の、ロジウムに基づいた層(6)を有し、前記第3の層(6)は、前記第2の層(5)が前記第1の層(4、4’)と前記第3の層(6)との間に介在されるようにして形成されている請求項1ないし4のいずれか1の装置。
【請求項6】
前記第2の金属層(5)は、プラチナに基づき、
前記金属本体(2、2’)は、前記第1の層(4’)と前記第3の層(6)との間に介在された、中間の、ルテニウムに基づいた層(8)をさらに含む請求項5の装置。
【請求項7】
前記絶縁性の層(3)は、前記金属本体(2、2’)を完全に覆っている請求項1ないし6のいずれか1の装置。
【請求項8】
前記絶縁性の層(3)は、PVC、ポリウレタン(PU)、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、PET又はこれらから派生した繊維、PTFE及びシリコーンゴムを含むグループから選択されたプラスチック材料でできている請求項1ないし7のいずれか1の装置。
【請求項9】
前記絶縁性の層(3)は、ゴム、天然ゴム、ラテックス、あるいは、例えば、羊毛、綿、麻である絶縁性の天然繊維を含むグループから選択された天然由来の絶縁性材料でできている請求項1ないし8のいずれか1の装置。
【請求項10】
前記絶縁性の層(3)は、前記金属本体(2、2’)を外部から封止するようにして形成されている請求項1ないし9のいずれか1の装置。
【請求項11】
前記絶縁性の層(3)は、前記金属本体(2、2’)が真空下にあるようにして取り付けられている請求項1ないし10のいずれか1の装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1の少なくとも1つの装置が一部に取り付けられているか組み込まれている衣服。
【請求項13】
請求項1ないし11のいずれか1の少なくとも1つの装置が一部に取り付けられているか組み込まれているかの少なくとも一方である履物。
【請求項14】
前記少なくとも1つの装置が、足底の領域で履物の内部に取り付けられている請求項13の履物。
【請求項15】
請求項1ないし11のいずれかの1の少なくとも1つの装置が、一部に取り付けられているか組み込まれているかの少なくとも一方の内面を有するヘルメット。
【請求項16】
請求項1ないし11のいずれかの1の少なくとも1つの装置が、一部に取り付けられているか組み込まれているかの少なくとも一方である宝飾品。
【請求項17】
個人の身体のパフォーマンスを向上させるための装置を使用する方法であって、
請求項1ないし11のいずれか1の装置を準備する工程と、
個人の肌の一部の近くに前記装置を置く工程、又は、個人の肌の一部の下に前記装置を嵌め込む工程とを具備する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【図13d】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15a】
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【図15b】
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【公表番号】特表2012−519049(P2012−519049A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552549(P2011−552549)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050839
【国際公開番号】WO2010/100587
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(511214934)グリム・エス.アール.エル (1)
【氏名又は名称原語表記】GRIMM S.r.l.
【住所又は居所原語表記】Via G.B. Verci,40−36061 Bassano del Grappa(VI)−Italy
【Fターム(参考)】