説明

個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム

【課題】個人情報を保護管理しつつ、緊急時に携帯物品携帯者の個人情報を所属する団体又はサポートセンターから提供し、本人情報を救急施設のみへ提供し、事前に指定された近親者(緊急連絡先)のみへ携帯物品携帯者の状況を通報するシステムを提供すること。
【解決手段】ID番号を採番された携帯物品携帯者の個人情報をクラウド型のウェブアプリケーション手段を利用して管理し、緊急事態時のみに携帯物品携帯者の状況を通報し、該ID番号は、団体番号、連続番号及びセキュリティ番号とからなり、自動的に重複することなく採番され、自動的に個人情報を、本人情報と近親者情報とに分割して保存し、該携帯物品携帯者は、該ID番号及び電話番号のみが記載された携帯物品を携帯し、第三者より、電話連絡を受けた該団体又は該サポートセンターは、該ID番号から携帯物品携帯者を特定し、個人情報を救急施設のみへ提供し、状況を近親者のみへ通報するシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステムに関し、更に詳しくは、平常時は登録された個人情報を保護管理し、緊急時のみに、携帯物品携帯者の個人情報を、「携帯物品携帯者若しくは該携帯物品携帯者に関係する会員が所属する団体又はサポートセンター」から、救急施設及び/又は携帯物品携帯者の近親者等に提供し、高齢者、障害者、児童等の社会的弱者の見守り;健常者の事故;等の緊急時のサポートシステムを兼ね備えたウェブアプリケーションシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、社会の高齢化に伴い、一人暮らしの高齢者や高齢者だけの世帯が増加している。一般的に年齢を重ねると、健康に問題を抱える場合が多く、外出時に体調が変調をきたした場合や、急な発病の際、迅速な対応が求められている。特に、1人暮らしの高齢者等の場合、急な体調の変化や発病を周囲が感知できず、対応が遅れることが指摘されている。
【0003】
救急医療機関においては、事故発生等による患者搬送の連絡を受けた救急隊から患者を受入れ、患者の障害の度合い等の情報を基礎として医療行為を施す手順となるが、対応する救急医療機関側ではその患者の基礎的な医療データを救急時において、通常、知ることができない。
例えば、医療機関に通院している患者であっても、救急時に搬送された医療機関が通院している医療機関でない場合も多い。また、救急時の患者に対して、問診を行う時間がない、意識がなく問診を行うことができないこともある。更に、患者の住居がある場所から遠隔地において、事故や急病にあった場合、搬送された医療機関が患者の医療データを持っていることは全く期待できない。
【0004】
しかし、患者に対して医療行為を施す場合、まず、本人の情報、すなわち、氏名、住所、年齢等の医療受給に必要な基本情報が必要となる。更にその上でアレルギー情報、既往症、服用薬等の各種の医療データが重要になる場合がある。例えば、薬に対するアレルギーがある場合や、既に服用している薬がある場合は、アレルギーの発生や投薬に際しての副作用を回避するため、使用できる薬が制限されることがある。また、既往症の存在によっては、適切な医療行為が異なる場合もある。すなわち、個別の患者に対して最良の医療行為を行う場合は、その患者の医療データを速やかに知る必要がある。
【0005】
しかしながら、一般的に救急で搬送された患者に対して、医師、看護師等は、救急の治療時に患者個人の医療データを知ることができない場合が多く、様々な救急医療データ管理システムが開発されている(特許文献1〜4)。
【0006】
一方で、携帯物品を携帯させることによって、地域や自治体で高齢者達を見守ろうとする活動やサービスがある。
しかし、高齢者の増加等に伴い、各地域や自治体等を単位としてこのような活動やサービスを運営することには、万人単位で増加する会員登録等の事務作業の膨大化や保護されるべき個人情報のセキュリティ対策に限界が生じている。しかし、個人情報の保護が十分ではないと、不正な行為による個人情報の漏洩、なりすましや振り込め詐欺等の増加が懸念されていた。また、一年を通して24時間体制で迅速に対応するには、費用がかかりすぎてしまい非現実的であった。
【0007】
また、上記した高齢者以外でも、例えば、認知症患者や障害者、児童の見守り、ペットに関するトラブルが増加しており、上記問題点を解決したシステムが望まれていた。
【0008】
大災害や大事故等で意識不明の重篤な患者や犠牲者が多数発生した場合等で、本人の個人情報を秘匿しながら本人の識別をする事や、本人の状況を一刻も早く近親者に連絡する事の必要性が近年特に注目されてきている。
【0009】
大震災や津波等で常用薬を失い且つお薬手帳等も失った被災者にとって、こうした常用薬等の情報が物理的にも、個人情報保護の観点からも安全に保管されていれば、被災者医療にも大きな助けになる事が近年特に注目されてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−178651号公報
【特許文献2】特開平7−141442号公報
【特許文献3】特開2002−269660号公報
【特許文献4】特開2001−118020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記背景技術に鑑みてされたものであり、本発明の課題は、平常時に高齢者や障害者、児童等の個人情報を登録しておいて、通常時にはその個人情報を高度に安全保管、保護しつつ、緊急時のみに、個人情報を必要に応じて携帯物品携帯者若しくは該携帯物品携帯者に関係する会員が所属する団体又はサポートセンターから提供する緊急時サポートの相反するサービスを同時に提供することにある。特に、緊急対象である携帯物品携帯者を特定し、特定の個人情報のみを必要に応じて救急施設のみに提供したり、特定の個人情報のみを近親者のみに通報したりするシステムを提供することにある。
また、一年を通して年中無休で緊急時の対応を行うシステムを提供することにある。
【0012】
更に、携帯物品携帯者若しくは該携帯物品携帯者に関係する会員が所属する団体独自で、携帯物品携帯者の個人情報を一度登録すると、その後は保護、管理、保存及び複製する必要がなく、全携帯物品携帯者の個人情報を、全ての団体に亘り包括的に保護、管理、保存及び複製できる手段を利用した個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステムを提供することにある。
また、携帯物品と個人情報保護を社会全体に周知させ、第三者が緊急時に、携帯物品携帯者が携帯する携帯物品に気づき迅速に対応することができる緊急時サポートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、携帯物品携帯者全員の個人情報を、該携帯物品携帯者若しくは該携帯物品携帯者に関係する会員が所属する全ての団体に亘り、クラウド型のウェブアプリケーション手段を利用して登録、管理、保存及び複製することにより、該携帯物品携帯者若しくは該会員が所属する団体独自で、各々ソフトウエアを別に導入し、携帯物品携帯者の個人情報を保護、管理、保存及び複製する必要がなく、全携帯物品携帯者の個人情報を全ての団体に亘り包括的に管理する管理者が存在する手段を利用したシステムであれば、前記した問題点が解消し、現実的で実用的なものになることを見出し本発明に至った。
【0014】
携帯物品携帯者のID番号にセキュリティ番号を取り入れることで、第三者だけではなく、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体の内部の人間も、携帯物品携帯者のID番号を決して想像することができず、個人情報の流出を防止できることを見出し本発明に至った。
【0015】
携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体の管理者が、本発明の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステムの運用を行う運用作業者の個人情報の登録、照会、修正、削除、更新及び/又は検索できる作業権限を設定することにより、携帯物品携帯者の個人情報が、不特定の第三者や「携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体の内部の人間」でさえも容易に照会することができないようにし本発明に至った。
【0016】
個人情報を本人情報及び近親者情報に分割して保存することにより、本人情報と近親者情報が一緒になることでそれらの情報が様々な犯罪等(振り込め詐欺・なりすまし詐欺等)に利用されることを防止することができることを見出し本発明に至った。
【0017】
全携帯物品携帯者の個人情報と携帯物品に付与するID番号を全ての団体に亘り包括的に管理することにより、ID番号の重複を防ぎ、個人情報のデータ違いが発生せず、更には団体独自の運営では莫大な費用と労力が必要な一年を通して年中無休の緊急時の対応を、多くの団体が該システムを利用することで生じるスケールメリットにより、コスト低減を実現し、より現実的な形で行うことができることを見出し本発明に至った。
【0018】
更に、全携帯物品携帯者の個人情報と携帯物品に付与するID番号を包括的に管理することにより、社会全体に本発明の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステムを周知させることができ、第三者が緊急時に携帯物品に気づきやすくすることで迅速に対応することができることを見出し本発明に至った。
【0019】
医療施設や薬局の中では独自のパソコンや院内コンピューター管理システムを用い、電子カルテ等で医療履歴や投薬履歴の電子的な管理をしているところもあるが、大震災・津波・火災等でその医療施設や薬局そのものが流された場合にコンピューターとともに患者の個人医療情報が滅失し被災者医療に大きな障害となる場合がある。
かかる予想される事態に鑑み、個々の施設のIT機器内ではなく、物理的にも個人情報保護の観点からも安全なクラウド型のウェブアプリケーション手段上に個人情報を保存し、携帯物品携帯者や会員が所属する複数の団体が、容易かつ迅速に個人情報を引き出して、医療機関や救急施設に提供できる「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」を見出し本発明に至った。
【0020】
また、携帯物品携帯者に統一管理された特定のID番号を採番し、一元管理することにより、緊急時に携帯物品携帯者を発見した第三者より電話連絡を受けた「携帯物品携帯者若しくは該携帯物品携帯者に関係する会員」が所属する団体又はサポートセンターは、ID番号から緊急対象である携帯物品携帯者を特定し、緊急対象である携帯物品携帯者の個人情報を照会のみすることで、緊急対象である本人情報を第三者ではなく救急施設のみへ提供し、更には、事前に登録された近親者情報に基づいて、緊急事態に陥っている携帯物品携帯者の状況を近親者のみへ通報することができるシステムを見出し本発明に至った。
【0021】
すなわち、本発明は、ID番号が記載された携帯物品を携帯する携帯物品携帯者の個人情報をクラウド型のウェブアプリケーション手段を利用して保護、管理、保存及び複製し、携帯物品携帯者が緊急事態に陥っている時のみに、「該個人情報を携帯物品携帯者若しくは該携帯物品携帯者に関係する会員が所属する団体又はサポートセンター」から、携帯物品携帯者の状況を通報するシステムであって、
該ID番号は、該携帯物品携帯者若しくは該会員が所属する団体毎に付与される固有の団体番号と、該携帯物品携帯者若しくは該会員が所属する団体内において携帯物品携帯者毎に付与される連続番号と、セキュリティ番号とからなる番号であり、該クラウド型のウェブアプリケーション手段自体が、自動的に、重複することなく、各携帯物品携帯者に固有で唯一無二の番号を採番するものであり、
該クラウド型のウェブアプリケーション手段は、該携帯物品携帯者若しくは該会員が所属する団体のみが、該ID番号及びパスワードを用いて、該個人情報を登録、照会、修正、削除、更新及び/又は検索することができるものであり、
該クラウド型のウェブアプリケーション手段自体が、自動的に、該携帯物品携帯者全員の個人情報を、本人情報と近親者情報とにデータ分割して保存し、全ての団体に亘り包括的に保護、管理、保存及び複製するものであって、
該携帯物品携帯者が、該ID番号及び「該携帯物品携帯者若しくは該会員が所属する団体又はサポートセンターの電話番号」のみが記載された携帯物品を常時携帯するようにしており、
緊急事態に陥っている携帯物品携帯者を発見した第三者より、該携帯物品に記載された電話番号から電話連絡を受けた「該携帯物品携帯者若しくは該会員が所属する団体又は該サポートセンター」は、該ID番号から緊急対象である携帯物品携帯者を特定し、該緊急対象である携帯物品携帯者の個人情報を照会のみすることで、該緊急対象である本人情報を該第三者ではなく救急施設のみへ提供し、該近親者情報に基づいて、近親者のみへ、緊急事態に陥っている携帯物品携帯者の状況を通報することを特徴とする個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステムを提供するものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の特定の手段を用いて、個人情報をクラウド型のウェブアプリケーション手段を利用して保護、管理、保存及び複製することにより、前記した問題点や課題を解決し、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体独自で、各々ソフトウエアを別に導入し、個人情報を保護、管理、保存及び複製する必要がなく、全携帯物品携帯者の個人情報を、所属する全ての団体に亘り包括的に管理することができる。これにより、ソフトウエア利用コストの低減とID番号の一元管理、更には一年を通して24時間緊急受付窓口の一元化とコスト低減が可能となる。
【0023】
また、全携帯物品携帯者の個人情報を包括的に管理し、全携帯物品携帯者が、本発明において指定する「特定の携帯物品」を携帯することにより、社会全体に本発明の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステムを周知させることができ、第三者が緊急時にその特定の携帯物品に気づき、確実に迅速に対応することができる。
【0024】
特定のID番号を採番されることにより、複数の団体が存在してもID番号が重複することがない。更に、緊急時に携帯物品携帯者を発見した第三者より電話連絡を受けた携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体又はサポートセンターは、ID番号から緊急対象である携帯物品携帯者を特定し、緊急対象である携帯物品携帯者の個人情報を照会のみすることで、個人情報のうち、緊急対象である本人情報を、該第三者ではなく救急施設のみへ提供し、また、個人情報のうちの近親者情報に基づいて、近親者のみへ通報するので、個人情報が必要最低限の者にのみ開示され個人情報保護が図られる。すなわち、平常時に高齢者や障害者、児童等の個人情報を登録しておいて、通常時にはその個人情報を高度に安全保管、保護しつつ、緊急時のみに、個人情報を必要に応じて携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体又はサポートセンターから提供する緊急時サポートという相反するサービスを同時に提供することができる。
【0025】
また、ID番号におけるセキュリティ番号の採番により、携帯物品を実際に見ていない者が、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体又はサポートセンターの電話番号だけを頼りに「なりすまし」を行い個人情報にアクセスすることを防止することができ、団体の内部の人間でさえも容易にID番号を類推できないので、不用意に個人情報を照会すること等を防止することができる。
【0026】
携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体100の管理者が、最初にその団体内の運用作業者に作業権限を設定することで、団体内部の人間等が、個人情報を盗もうとしたり、悪用したりすることを防止することができる。
【0027】
個人情報を本人情報及び近親者情報に分割して保存することにより、本人情報と近親者情報が一緒になることでそれらの情報が様々な犯罪等(振り込め詐欺・なりすまし詐欺等)に利用されることを防止することができる。
【0028】
更に、団体毎に単独で運営した場合には莫大な費用と労力が必要な「一年を通して年中無休の緊急時の対応」を、既存のクラウド型のウェブアプリケーション手段に保存された全ての団体のデータを一元的に管理することで、見守りコストを低減させ、年中無休の緊急受付を実現可能な形で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態としての個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステムの概略を示すブロック図である。
【図2】団体、クラウド型のウェブアプリケーション手段、並びに、団体又はサポートセンター、の各作業を示すフローチャートである。
【図3】携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体の管理者が、運用作業者情報や個人情報を登録等する際の作業手順を示す図である。
【図4】携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体の運用作業者が、個人情報を登録等する際の作業手順を示す図である。
【図5】携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体の管理者が、運用作業者の作業権限を設定する際にクラウド型のウェブアプリケーション手段に接続した端末に表示される権限編集画面を示す図である。
【図6】個人情報を登録する際のクラウド型のウェブアプリケーション手段に接続した端末に表示されるシステム管理者一覧画面の一例を示す図である。
【図7】携帯物品携帯者の個人情報を登録する際に、クラウド型のウェブアプリケーション手段に接続した端末に表示される「携帯物品携帯者の個人情報を登録する画面」の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で任意に変形して実施することができる。
【0031】
本発明において「携帯物品携帯者」とは、携帯物品を携帯する人又は動物を言う。
本発明において「携帯物品携帯者に関係する会員」とは、携帯物品携帯者と関係を有する人であって、自身が又は該会員と関係を有する携帯物品携帯者が、本発明における団体に所属している人、又は、本発明におけるサポートセンターと契約している人、又は、該携帯物品携帯者の個人情報を登録する人であり、本発明の「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」を利用する人である。
本発明における「会員」は、例えば図7のような登録画面に記入して、実質的に会員申し込みをした人である。会員は、携帯物品携帯者の個人情報の開示請求ができる。
以下、「携帯物品携帯者に関係する会員」を、単に「会員」と略記することがある。なお、「携帯物品携帯者」が「会員」である場合もある。
【0032】
例えば、「携帯物品携帯者」が未成年の場合には、「会員」は、例えばその保護者であり、「携帯物品携帯者」が介護を必要とする老人の場合には、「会員」は、例えばその家族の人又は老人センター若しくは老人センターの所員であり、「携帯物品携帯者」がペットの場合には、「会員」は、例えばその飼い主である。
【0033】
図1に、本発明の一実施形態としての個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステムの概略を示すブロック図を示す。本実施形態は、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体100A〜100N、クラウド型のウェブアプリケーション手段200、並びに、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体又はサポートセンター300から構成され、ID番号を採番された携帯物品携帯者の個人情報をクラウド型のウェブアプリケーション手段200を利用して保護、管理、保存及び複製し、緊急時のみに個人情報を、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体又はサポートセンター300から提供するシステムである。
ここでは、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体100A〜100N(以下、単に「100」と総称する)の4つだけが示されているが、実際には多数の「携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体」が存在する。
【0034】
本発明における「緊急時」、「緊急事態」とは、携帯物品携帯者の不慮の事故、突然の発病、死、記憶喪失、迷子状態、認知症患者の徘徊等の携帯物品携帯者本人が自力で行動又は連絡することができなくなった状態である。特に、携帯物品携帯者が、認知症患者、知的障害者、ペット等の場合には、携帯物品携帯者本人(認知症患者、知的障害者、ペット等)が自力で行動できたとしても、該携帯物品携帯者を発見した第三者が緊急事態と判断した場合も「緊急時」や「緊急事態」に含まれる。
【0035】
携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体100は、本発明の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステムを利用する「携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体」であれば、特に制限はない。社会全体に本発明の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステムを周知させることができ、第三者が緊急時に携帯物品に気づき迅速に対応することができる点で、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体100は、多い方が好ましい。
【0036】
携帯物品携帯者としては、例えば、高齢者、病人、障害者、未成年、スポーツ選手、成人健常者、ペット等が挙げられる。
携帯物品携帯者が、例えば、成人健常者、スポーツ選手等のように、自分で会員申込書を提出したり、個人情報の登録ができたりする場合には、携帯物品携帯者と会員とは同一人物の場合がある。
一方、携帯物品携帯者が、高齢者、病人、障害者、未成年、ペット等、自分で会員申込書を提出したり、個人情報の登録等ができなかったりする場合には、会員と携帯物品携帯者とは異なる人物であり、会員とは、本発明の「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」を利用する人である。
【0037】
高齢者、障害者、病人、スポーツ選手等が携帯物品携帯者である場合には、後述する「データA」すなわち本人情報として、かかりつけ病院名、主治医の情報、病歴、既往症、薬歴、常用している治療機器、アレルギーの有無、認知証の症状、介護保険の有無、血液型、本人の写真データ、申込書の写真データ、常用薬処方箋写真データ(PDFデータを含む)、本人が希望するその他の情報等の救急医療に必要な情報を登録することにより、緊急時に救急施設へ適切な情報を提供することができる。
【0038】
また、未成年が携帯物品携帯者である場合には、個人情報として、保護者及び保護者の連絡先、本人の写真データ、申込書の写真データ及び/又は所属する学校名称を登録することにより、緊急時には迅速に保護者へ連絡することができる。
また、ペットが携帯物品携帯者である場合には、個人情報として、ペットの種類、雌雄、体長、体重、体色や外見的特徴、飼い主及び/又は飼い主及び飼い主の連絡先が登録されているので、緊急時には迅速に飼い主へ連絡することができる。
【0039】
すなわち、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体とは、例えば、老人が携帯物品携帯者である老人ホーム、自治体、地域包括支援センター、障害者が携帯物品携帯者である福祉団体、施設等が挙げられ、福祉団体や自治体、法人等が挙げられ、病人を携帯物品携帯者とする病院、施設、医療センター等が挙げられ、スポーツ選手が携帯物品携帯者であるスポーツチーム、スポーツ団体、スポーツ用品店等が挙げられ、未成年が携帯物品携帯者である保育園、幼稚園、学校、学習塾等が挙げられ、ペットが携帯物品携帯者であるペット保険会社、ペットショップ、ペット愛護団体等が挙げられる。
【0040】
本発明におけるクラウド型のウェブアプリケーション手段200は、個人情報を保護、管理、保存及び複製するためのウェブアプリケーション手段である。「クラウド型」とは、ネットワーク、特にインターネットをベースとしたもので、コンフィグレーション可能な計算機資源(ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、サービス等)の共有プールへの簡便でオンデマンドなネットワーク経由でのアクセスを、最小限の管理手順で迅速に供給することが可能なものである。
そのため、クラウド型のウェブアプリケーション手段200は、インターネットにつながる端末さえあれば、アプリケーションが要求するセキュリティで保護された利用者権限を得た後にアプリケーションソフトを簡単に利用することができ、大規模なデータの保護、管理、保存及び複製をすることができる。
【0041】
そのため、本発明におけるクラウド型のウェブアプリケーション手段200を用いれば、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体が独自でソフトウエアを用意して、個人情報を保護、管理、保存及び複製するよりも安価な運用コストで、個人情報を包括的に保護、管理、保存及び複製することができる。そして、莫大な費用と労力が必要な一年を通して年中無休の緊急時の対応を包括して行うことで、コスト低減を行うことができる。
ここで、本発明における個人情報の「保護」とは、個人情報が本人の承諾なしに漏洩しないように保有することであり、不正アクセスによる個人情報の漏洩を防止したり、保存されている個人情報のデータが削除されないように取り扱ったりすることである。
【0042】
後述する各携帯物品携帯者固有の特定のID番号を採番されるので、複数の団体が存在してもID番号が重複することがないため、全会員の個人情報とID番号を全ての団体に亘って包括的に一元的に管理することができる。また、全携帯物品携帯者のID番号を包括的に一元的に管理することにより、社会全体に本発明の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム及びID番号の付与された携帯物品を周知させることができ、第三者が携帯物品携帯者の緊急時に該携帯物品携帯者の形態する携帯物品に気づき迅速に対応することができる。
【0043】
「携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体」、「クラウド型のウェブアプリケーション手段」及び「携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体又はサポートセンター」の各作業を示すフローチャートを図2に示す。携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体100は、クラウド型のウェブアプリケーション手段200を用いると、各団体の運用作業者は利用の為のID番号とパスワードを入力後に、該システム作業権限を適切に得た、その作業権限の範囲において、ID番号及びパスワードを用いて、個人情報を登録、照会、修正、削除、更新、検索することができる。上記団体の管理者は、該団体内における運用作業者に対し、個人情報の登録、照会、修正、削除、更新及び/又は検索できる作業権限を設定し、該携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体内において、携帯物品携帯者の個人情報が流失するのを防止する(図6参照)。
【0044】
携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体100が行う各作業について、図2を参照しながら以下説明する。
まず、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体の管理者は、本発明の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステムの運用を行う運用作業者の個人情報の登録、照会、修正、削除、更新及び/又は検索できる作業権限を設定する(図3、図5)。すなわち、団体の管理者から作業権限を設定された運用作業者でなければ、たとえ団体内部の人間でも個人情報の登録、照会、修正、削除、更新及び又は検索することができない。また、各運用作業者に異なった作業権限を設定することができ、例えば、個人情報の照会のみできる作業権限が設定された運用作業者も存在する。そのうえで、各団体の運用作業者は、設定された作業権限を得るため、それぞれのID番号とパスワードを入力するログインを行い、本発明の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステムの運用を開始する(図4)。
すなわち、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体100の運用作業者は、クラウド型のウェブアプリケーション手段200に接続した端末に表示されるウェブページにアクセスし(ステップS101)、ID番号とパスワード入力画面に進み(ステップS201)、ID番号とパスワードを入力し(ステップS102)、クラウド型のウェブアプリケーション手段200にログインする(ステップS202)。このような操作で、管理された作業権限、例えば、個人情報の登録、照会、修正、削除、検索、更新ができる画面が表示される(ステップS203)。
【0045】
携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体100の管理者は、最初にその団体内の運用作業者に対し、本発明の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステムの作業権限を設定し、団体内部の人間の責任範囲や所掌範囲を詳細に決めることで、各機能(登録、照会、修正、削除、更新、検索・削除等)の作業が可能なようにする。
作業権限を制限することで、団体内部の人間等が、個人情報を盗もうとしたり、悪用したりすることが防止できる。特に、個人情報において、本人情報だけを照会できる作業権限と近親者情報も同時に照会できる作業権限とに分割して権限管理をすることが、個人情報が詐欺等に悪用されない点で好ましい。また、携帯物品携帯者のID番号と利用者の作業権限を設定することで、2重のセキュリティ管理が徹底され、内部からの情報流出を防止することができる。
図6に、個人情報を登録する際のクラウド型のウェブアプリケーション手段に接続した端末に表示されるシステム管理者一覧画面の一例を示すが、このように、団体内部の人間の作業権限を明確に設定する。
【0046】
また、本発明におけるクラウド型のウェブアプリケーション手段200では、登録されている個人情報の全体が一覧できる機能を持たせないことで、個人情報の大量流出を防止する。そのために、たとえ携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体100の管理者でも、自らの団体100に所属する携帯物品携帯者の情報を一覧できない。当然のことであるが、他の団体の情報については一切の情報閲覧ができない。ただし、団体100の運用作業者は、自らの団体の全体的な統計情報、例えば平均年齢、男女比等は把握することができる。
更に、本発明の「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」の統計情報等は限られた権限のもとに得られるデータであり、その権限を特定のパソコンからしか本発明におけるクラウド型のウェブアプリケーション手段200に接続できないように設定することもできる。
【0047】
そこでまず始めに、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体100の運用作業者は、これから登録する携帯物品携帯者のためのID番号をクラウド型のウェブアプリケーション手段200から採番し、それに基づきID番号が付与された携帯物品を携帯物品携帯者の登録前に準備、用意する。
該団体100の運用作業者は、会員の申込内容に沿って、携帯物品携帯者の個人情報の登録を行う(ステップS111、図7)。そして、事前に用意したID番号の付与された携帯物品のID番号を登録し、携帯物品携帯者に携帯物品を提供する。本発明においては、個人情報は、携帯物品携帯者本人に関する情報である「本人情報(データA)」と、緊急時の連絡先等に関する「近親者情報(データB)」とに自動的に分け保護、管理、保存及び複製される。
【0048】
本発明における「近親者」とは、会員が登録した「携帯物品携帯者が緊急事態に陥っている時の連絡先の人」を言い、血縁関係の有無は問わない。
また、本発明における「近親者情報」とは、携帯物品携帯者が緊急事態に陥っている時の連絡先の情報を言う。
【0049】
本人情報としては、例えば、携帯物品携帯者の氏名、住所、電話番号、生年月日、性別、血液型、身体の特徴、かかりつけ病院名、主治医、主治医の連絡先、病歴、既往症、薬歴、アレルギーの有無、認知証の症状、介護保険の有無、本人の写真データ、申込書の写真データ、常用薬処方箋写真データ(PDFデータを含む)、本人が希望するその他の情報等が挙げられ、特定の個人を識別することができる情報である。
近親者情報としては、例えば、緊急時の連絡先として、携帯物品携帯者の家族・親族の、氏名、住所、電話番号、血縁関係等が挙げられる。携帯物品携帯者がペットの場合には、携帯物品携帯者の飼い主の、氏名、住所、電話番号等が挙げられる。携帯物品携帯者が児童や未成年の場合には保護者氏名や保護者電話番号等が挙げられる。
【0050】
ここで、携帯物品携帯者が、高齢者、障害者、病人、未成年、スポーツ選手等の特定人である場合には、個人情報として、緊急時に特に必要と思われる情報が登録されていることが、より社会のニーズに即したシステムとすることができる点で好ましい。
【0051】
例えば、携帯物品携帯者が、特に高齢者、障害者、病人等の場合には、本人情報として、かかりつけ病院名主治医の情報、病歴、既往症、薬歴、常用している治療機器、アレルギーの有無、認知証の症状、介護保険の有無、血液型、本人の写真データ、申込書の写真データ、本人が希望するその他の情報が登録されていることが好ましい。
また、携帯物品携帯者が未成年の場合には、個人情報として、保護者、保護者の連絡先、本人の写真データ、申込書の写真データ、所属する学校名称が登録されていることが好ましい。
また、携帯物品携帯者がペットの場合には、個人情報として、ペットの種類、雌雄、体長、体重、体色や外見的特徴、飼い主、飼い主の連絡先が登録されていることが好ましい。
【0052】
また、スポーツ選手又はスポーツ愛好家の場合には、本人情報として、かかりつけの病院名、スポーツ歴、血液型、主治医の情報、病歴、既往症、薬歴、アレルギーの有無、スポーツ団体名、本人の写真データ、申込書の写真データ及び/又は本人が希望するその他の情報が登録されていることが好ましい。特定のスポーツにはそのスポーツ固有の病気があり、スポーツ歴の情報が緊急医療に役立つことがある。例えば、ボクサーのパンチドランカー等;スキューバダイバーの酸素酔い、窒素酔い、エアエンボイズム、ベンズ(潜水病)等が挙げられる。スポーツ歴が分かっていれば想像し易い病気ではあるが、スポーツ歴を知らされていないと、なかなか病因が特定できず、緊急医療に時間がかかる場合がある。
【0053】
携帯物品携帯者は、「ID番号」及び「携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体又はサポートセンター300の電話番号」のみが記載された携帯物品を携帯する。平常時は個人情報が保護された状態であるが、緊急時は携帯物品を携帯することと、電話で緊急問合せをすることにより、緊急時の適切な連絡と救急医療の円滑化を行うことができる。
ここで、携帯物品は、「ID番号」及び「団体又はサポートセンターの電話番号」を記載できるものであれば特に制限はないが、携帯物品携帯者が常に携帯できる点で、ペンダント、ブレスレット、携帯ストラップ、キーホルダー、緊急を知らせる笛付きのキーホルダー、ペンダント等が好ましい。携帯物品携帯者がペットである場合には、ペットの首輪、該首輪に付けられるペンダント等が好ましい。
材質は特に限定はないが、耐腐食性、耐候性、防錆性等に優れた材質であることが好ましい。
【0054】
該携帯物品には、「ID番号」及び「携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体又はサポートセンターの電話番号」のみが記載されており、個人情報は一切記載事項に含まれていないので、万一紛失しても安全であり、また、緊急時に携帯物品携帯者を発見した第三者に個人情報が知られることがない。
【0055】
携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体100の特定の作業権限を有する運用作業者は、上記個人情報を入力終了後に携帯物品携帯者に与える携帯物品携帯者ごとの携帯物品に付与されている個別のID番号を入力すると(ステップS112)、クラウド型のクラウド型のウェブアプリケーション手段200自体は自動的に入力されたID番号が、事前にシステムが発行しているID番号で、かつ未利用であることを確認し、システムが採番して、未利用であることが確認できると、クラウド型のウェブアプリケーション手段200に接続している端末の画面上に登録確認画面が表示され(ステップS211)、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体100が登録完了ボタンを押下すると(ステップS113)、個人情報がクラウド型のウェブアプリケーション手段200に自動的に保存される(ステップS212)。
【0056】
ここで、クラウド型のウェブアプリケーション手段200に保存された個人情報は、緊急時に本人情報を救急施設のみへ提供し(ステップS303)、必要に応じて近親者のみへ通報することができるように(ステップS304)、本人情報(データA)と近親者情報(データB)とに分割して保存される(ステップS213〜S215)。すなわち、クラウド型のウェブアプリケーション手段自体は自動的に、携帯物品携帯者の個人情報を、本人情報(データA)と近親者情報(データB)とに分割して、包括的に保護、管理、保存及び複製している。
【0057】
個人情報を分割することにより、本人情報と近親者情報が一緒になることで、その情報が様々な犯罪(例えば、振り込め詐欺、なりすまし詐欺等)に利用されることを防止することができる。
緊急医療に至急必要なものは本人情報(データA)であって、近親者情報(データB)は緊急医療の受給に必要なものではない。そのため、近親者情報(データB)に基づいて、緊急の対象である携帯物品携帯者の状況を近親者に直接連絡できればよく、救急施設へは開示させないようにする。団体又はサポートセンターでも、この2つの情報を同時に見る権限を有する人間は限られる。
これにより、外部の通報者や救急施設関係者、更には、団体又はサポートセンター300の人間もID番号からは本人情報のみしか情報を得ることができない。緊急の内容(例えば、入院が必要な場合の連絡、生死を分けるような重篤な状況、徘徊者の保護等)に応じて、近親者情報にアクセスする権限を持つ人間が、近親者へ連絡を行い、携帯物品携帯者の状況を伝える。
【0058】
ここで、ID番号は、「携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体」毎に付与される固有の団体番号と、団体内において携帯物品携帯者毎に付与される連続番号と、セキュリティ番号とからなる番号であり、クラウド型のウェブアプリケーション手段200自体は自動的に、重複することなく、各携帯物品携帯者に固有の番号を一元的に採番するものである。
ID番号は「団体番号−連続番号−セキュリティ番号」のようになっている。
「セキュリティ番号」とは、乱数であったり、団体番号と連続番号とから秘密のルールで決められたり、特定のロジックを元に、システム自体から自動的に決められるものである。セキュリティ番号は、任意の3桁以上の番号、記号又はその組み合わせであることが好ましい。
【0059】
セキュリティ番号は、携帯物品を実際に見ていない者が、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体又はサポートセンター300の電話番号を頼りに「なりすまし」を行なって個人情報にアクセスすることを防止するためのものである。
団体又はサポートセンターの人間でも、携帯物品携帯者のID番号が知らされていない場合は、緊急時以外に個人情報を照会することはできない。すなわち、ID番号における上記したグループ番号と連続番号は、ある携帯物品を見れば、「携帯物品携帯者若しくは携帯物品携帯者に関係する会員が所属する団体」におけるその他の携帯物品携帯者のID番号が適当に想像がつく場合があるが、セキュリティ番号として採番された番号だけは判明しない(想像すらできない)。
また、外部の第三者だけでなく、内部の人間が悪意でID番号を照会しようとしても、内部の人間でも想像のつかないセキュリティ番号だけは、誰も知らないので、実物の携帯物品に記載されているID番号内のセキュリティ番号を確認できない状態では、照会機能を利用しても個人情報にアクセスすることはできない。
【0060】
また、照会機能で複数回以上の誤入力を行った場合は、万一であっても、悪意がある場合があるため、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体に作業履歴を通知する。同時に、誤入力が繰り返されるとクラウド型のウェブアプリケーション手段200が自動的に凍結し、操作不能にする処置をとることで、団体の内部の者等が個人情報を盗もうとすることを防止することができる。
【0061】
すなわち、本発明の「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」を利用する「携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体100」は、多種多様であるにも関わらず、クラウド型のウェブアプリケーション手段200自体が自動的にID番号を採番する機能を有するシステムを採用することで(S211)、同一のID番号が存在せず、緊急時には緊急対象である携帯物品携帯者を迅速に特定することができる。
【0062】
また、クラウド型のウェブアプリケーション手段200自体が自動的に、複数の団体の携帯物品携帯者に対し、各団体と各携帯物品携帯者の組みあわせに固有のID番号を、重複することなく採番することによって、全携帯物品携帯者の個人情報を全ての団体に亘り包括的一元的に管理、保管、複製できる。また、多くの団体の緊急受付を包括的一元的に対応する仕組みを利用すると団体毎に運営するより低コストで、一年を通して緊急受付業務を実現できる。
【0063】
携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体100の特定の作業権限を有する運用作業者が、個人情報の照会を行う際(ステップS121)は、照会画面からID番号を入力すると(ステップS122)、クラウド型のウェブアプリケーション手段200に接続している端末には照会画面が表示される(ステップS221)。このようにして、該団体100は、照会したいID番号から個人情報を照会することができる(ステップS123)。
【0064】
また、団体100の特定の作業権限を有する運用作業者が、検索を行う際は、検索画面に複数以上の照会条件を入力すると(ステップS131)、クラウド型のウェブアプリケーション手段200に接続している端末には照会条件及び検索ボタンが表示される(ステップS231)。
そこで、団体100の運用作業者が検索ボタンを押下すると(ステップS132)、条件に適合するID番号が表示されるので(ステップS232、S233)、そのID番号からの照会を行う(ステップS133)。
このようにして、団体100の特定の作業権限を有する運用作業者は、照会条件からID番号を検索し、該当する個人情報を照会することができる。
【0065】
団体100は、定期的に個人情報の更新を行うことができる。緊急時に常に最新の情報を得られるように、少なくとも年1回は個人情報の更新を行うことが好ましい。例えば、携帯物品携帯者の誕生月を更新時期とした場合には、クラウド型のウェブアプリケーション手段200は、個人情報として入力された携帯物品携帯者の生年月日から、自動的に事前に更新時期を通知することができる。事前通知は、例えば、更新の1か月前や2か月前等システムで具体的に指定することができる(ステップS241)。
【0066】
更新時期を認知した団体100の特定の作業権限を有する運用作業者は(ステップS141、S142)、上記照会の作業に従い個人情報を照会し、更新専用画面を呼び出し、更新する内容を入力し(ステップS143)、更新ボタンを押下する(ステップS144)。
クラウド型のウェブアプリケーション手段200では、個人情報が更新され(ステップS242)、更新された個人情報は、本人情報と近親者情報に分割して保護、管理、保存及び複製される(ステップS213〜S215)。同時に古い記録は履歴として該システム内に保護、管理、保存される。
【0067】
携帯物品携帯者の緊急時に、「ID番号」及び「携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体又はサポートセンターの電話番号」のみが記載された携帯物品を携帯した携帯物品携帯者を発見した第三者310は、携帯物品に記載された団体又はサポートセンター300の電話番号に電話連絡を行う。
第三者310から緊急連絡を受けた携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体又はサポートセンター300等は(ステップS301)、ID番号から照会のみすることにより、緊急対象である携帯物品携帯者を特定することができる(ステップS302)。
ここで、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体又はサポートセンター300は、クラウド型のウェブアプリケーション手段200に保存されている個人情報を参照のみすることができ(S216〜S219)、セキュリティ対策として個人情報の登録、更新等の作業は一切することができない。例えば、平日の昼間は、団体の電話番号に電話がかかるが、夜間等は電話を転送状態にしておくことで、サポートセンターが電話連絡に対応する場合がある。
【0068】
携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体又はサポートセンター300は、分割して保存されている個人情報をもとに、必要に応じて本人情報を該第三者ではなく、救急施設のみへ提供し、近親者情報に基づいて、近親者のみへ通報する(ステップS303、S304)。ここで、救急施設としては、消防署、警察署、病院等の緊急時に携帯物品携帯者が搬送される施設である。救急施設は、緊急時に携帯物品携帯者を発見した第三者から、ID番号と共に、例えば「これから何処に救急搬送する」というように電話連絡を受ける場合もあるし、本人情報の中にある主治医の場合もある。
【0069】
団体又はサポートセンター300は、なりすまし防止や不正に個人情報を流出させないために、ID番号の確認を行う。緊急時に第三者からの連絡や、救急施設からの連絡では、その電話の通話内では決して個人情報は提供しない。緊急連絡を受けた携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体又はサポートセンター300は、その場は連絡を受けるのみで一度その電話は切り、再度救急施設の連絡先を確認した上で、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体又はサポートセンター300から電話をかけ直すことが好ましい。
【0070】
そして、本発明におけるサポートセンター300は、一年を通して年中無休で緊急時の対応を行うことができるので、携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体100は、安心して本発明の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステムを利用することができる。
【0071】
複数の団体とその団体に所属する携帯物品携帯者若しくは会員との間で見守り活動Xが既にできあがっている場合、それらを包括する形で、本発明の「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」を作ってもよい。個々の団体が見守り活動Xを運営する場合、夜間や休日の緊急時にまで常にサポートを会員に提供できる状態にしておこうとすると、経費が高くなったり、多くの労力が必要になったりする。
そこで、夜間や休日の緊急時にのみ、個々の団体が運営するサポートを代行する形で、複数の団体が運営する見守り活動Xを包括して、本発明の「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」としてもよい。
言い換えれば、本願発明における「サポートセンター」は、複数の団体が運営する見守り活動Xを包括して形成されたものであってもよい。
【0072】
ここで、「見守り活動X」とは、社会的に弱い立場で、社会全体で何らかの手助けが必要になる可能性の高い人を、「該人の近親者以外の第三者」が気にかけて注視する活動を言う。
【0073】
その場合、平日の昼間は、緊急時に携帯物品携帯者を発見した第三者から、見守り活動Xを利用して、電話連絡は見守り活動Xを運営する個々の団体にかかるが、夜間や休日は、該電話は、該団体から、本発明の「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」の管理者に転送されるようにしておくか、又は、携帯物品に該サポートセンターの電話番号を記載しておいて、該サポートセンターに電話をしてもらうようにしておく。
その場合、携帯物品には、該ID番号及び「該携帯物品携帯者若しくは該会員が所属する団体及びサポートセンターの電話番号」が記載される。
【0074】
すなわち、本発明の態様の1つは、「複数の団体」と「該複数の団体のそれぞれに所属する携帯物品携帯者若しくは該携帯物品携帯者に関係する会員」との間で運用されている、複数の見守り活動Xが既に存在する場合であって、夜間又は休日の緊急時にのみ、該複数の団体のそれぞれが運営する既存の見守り活動Xの運営を代行できるように、「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」が、該携帯物品携帯者に新たなID番号を採番して、該既存の複数の見守り活動Xを包括してなり、夜間又は休日は、緊急事態に陥っている携帯物品携帯者を発見した第三者より、該携帯物品に記載された「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」のサポートセンターの電話番号から直接電話連絡を受けることを特徴とする前記の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステムである。
【実施例】
【0075】
以下に実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
【0076】
実施例1
携帯物品携帯者が「高齢者」であり、「携帯物品携帯者若しくは該携帯物品携帯者に関係する会員が所属する団体」が、東京都X区地域包括支援センターの場合を例に、本発明の「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」について例示する。
【0077】
携帯物品携帯者若しくは会員が所属する団体であるX区地域包括支援センターに、クラウド型のウェブアプリケーション手段に接続可能な端末を設置し、X区地域包括支援センターの内の管理者が、X区地域包括支援センター内の運用作業者にシステム利用の作業権限を与え、運用作業者は、其々のID番号とパスワードでシステムにログインをした後に、個人情報を登録した。
携帯物品携帯者はキーホルダー又はストラップタイプの携帯物品を携帯した。
【0078】
会員数は352名であり、団体番号は「0001」と定めたので、各携帯物品携帯者のID番号は、クラウド型のウェブアプリケーション手段自体が自動的に採番したことによって、それぞれ、
0001−001−123
0001−002−386



0001−351−401
0001−352−854
のようになった。
【0079】
各携帯物品携帯者は、携帯物品としてキーホルダーを携帯している。個人情報である本人情報としては、携帯物品携帯者の氏名、住所、電話番号、生年月日、性別、血液型、主治医、主治医の連絡先、病歴、既往症、薬歴、アレルギーの有無、認知証の症状、介護保険の有無に加えて、病歴、既往症、薬歴、アレルギーの有無、認知証の症状、介護保険の有無、携帯物品携帯者の写真、申込書の写真データ、常用薬の処方箋写真データ等が登録された。
近親者情報としては、2名の近親者の連絡先、続柄が登録された(図3)。そして、これらの個人情報は年1回携帯物品携帯者の誕生月に更新することにした。
【0080】
ある日の夜、携帯物品携帯者のキーホルダーを発見した第三者から、「携帯物品携帯者若しくは該携帯物品携帯者に関係する会員」が所属する団体であるX区地域包括支援センターへ電話による緊急連絡が入ったが、夜間のため該区地域包括支援センターでは、サポートセンターへ電話転送の処理を行っていたため、電話はサポートセンターへ緊急連絡として転送された。
【0081】
サポートセンターは、携帯物品携帯者のID番号を聞き、緊急対象である携帯物品携帯者をすぐに特定することができた。そして、サポートセンターはその第三者に救急車を呼ぶように伝えて電話を切った。
【0082】
サポートセンターでは、特定した携帯物品携帯者の本人情報を救急搬送された病院に開示し、適切な処置を行えるように情報を提供することができた。また、緊急対象である携帯物品携帯者の近親者とも迅速に連絡をとることができた。
【0083】
実施例2
携帯物品携帯者がペットである場合を例に、本発明の「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」について説明する。
携帯物品携帯者に関係する会員である飼い主は、クラウド型のウェブアプリケーション手段にペットの個人情報を登録した。個人情報である本人情報としては、動物の種類、性別、年齢、主治獣医、主治獣医の連絡先を登録し、近親者情報としては、飼い主(すなわち会員)の氏名、住所、連絡先を登録した。そして、これらの個人情報は年1回携帯物品携帯者の誕生月に更新することにした。
携帯物品携帯者は、ペンダントタイプの携帯物品を首輪に装着した。
【0084】
ある日、ペンダントを装着した迷子のペットを発見した第三者からサポートセンターへ緊急連絡が入った。サポートセンターは、携帯物品携帯者のID番号を聞き、緊急対象である携帯物品携帯者をすぐに特定することができた。サポートセンターでは、迷子の携帯物品携帯者の飼い主と迅速に連絡をとることができた。
【0085】
実施例3
自治体Aの地域包括支援センターと福祉団体Bが、それぞれ別々に、見守り活動をしており、それぞれの携帯物品携帯者に対して、以下のように、携帯物品携帯者毎に付与される連続番号からなるID番号が採番されていた。
自治体Aの地域包括支援センターの会員は100名、福祉団体Bの会員は50名であった。
【0086】
自治体Aの地域包括支援センター 福祉団体B
001 001
002 002
・ ・
・ ・
・ ・
099 049
100 050
【0087】
夜間や休日にも見守り活動をしなくてはならないため、経費がかかりすぎたので、夜間と休日をサポートしてもらうため、全ての団体に亘り包括的に管理する本発明の「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」を採用した。
自治体Aの地域包括支援センターには、「503」という団体番号と、「本発明のウェブアプリケーションシステム」が採番したセキュリティ番号が付与され、福祉団体Bには、「724」という団体番号と、「本発明のウェブアプリケーションシステム」が採番したセキュリティ番号が付与された結果、本発明の「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」における上記携帯物品携帯者のID番号は、それぞれ以下のようになった。
【0088】
全てのID番号は、本発明の「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」全体において唯一無二のものとした。
503−001−104 724−001−240
503−002−492 724−002−332
・ ・
・ ・
・ ・
503−099−539 724−049−490
503−100−872 724−050−591
【0089】
自治体Aの地域包括支援センターと福祉団体Bは、本発明の「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」によって包括的に管理され、一年を通して、経費を節減しながら24時間のサポートサービスを会員に提供できた。また、既存の見守り活動では、セキュリティの不安も生じていたが、本発明の「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」によって、セキュリティ番号が付与された結果、セキュリティの不安も解消された。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステムは、個人情報を保護しながらも緊急時の救急医療に必要な情報を提供したり、近親者へ迅速に通報したりすることができるので、老人ホーム等の社会福祉関連の施設、学校、病院等の分野で広く利用できるものである。
【符号の説明】
【0091】
100:携帯物品携帯者若しくは該携帯物品携帯者に関係する会員が所属する団体
200:クラウド型のウェブアプリケーション手段
300:携帯物品携帯者若しくは該携帯物品携帯者に関係する会員が所属する団体又はサポートセンター
310:第三者
320:救急施設

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ID番号が記載された携帯物品を携帯する携帯物品携帯者の個人情報をクラウド型のウェブアプリケーション手段を利用して保護、管理、保存及び複製し、携帯物品携帯者が緊急事態に陥っている時のみに、「該個人情報を携帯物品携帯者若しくは該携帯物品携帯者に関係する会員が所属する団体又はサポートセンター」から、携帯物品携帯者の状況を通報するシステムであって、
該ID番号は、該携帯物品携帯者若しくは該会員が所属する団体毎に付与される固有の団体番号と、該携帯物品携帯者若しくは該会員が所属する団体内において携帯物品携帯者毎に付与される連続番号と、セキュリティ番号とからなる番号であり、該クラウド型のウェブアプリケーション手段自体が、自動的に、重複することなく、各会員固有で唯一無二の番号を採番するものであり、
該クラウド型のウェブアプリケーション手段は、該携帯物品携帯者若しくは該会員が所属する団体のみが、該ID番号及びパスワードを用いて、該個人情報を登録、照会、修正、削除、更新及び/又は検索することができるものであり、
該クラウド型のウェブアプリケーション手段自体が、自動的に、該携帯物品携帯者全員の個人情報を、本人情報と近親者情報とにデータ分割して保存し、全ての団体に亘り包括的に保護、管理、保存及び複製するものであって、
該携帯物品携帯者が、該ID番号及び「該携帯物品携帯者若しくは該会員が所属する団体又はサポートセンターの電話番号」のみが記載された携帯物品を常時携帯するようにしており、
緊急事態に陥っている携帯物品携帯者を発見した第三者より、該携帯物品に記載された電話番号から電話連絡を受けた「該携帯物品携帯者若しくは該会員が所属する団体又は該サポートセンター」は、該ID番号から緊急対象である携帯物品携帯者を特定し、該緊急対象である携帯物品携帯者の個人情報を照会のみすることで、該緊急対象である本人情報を該第三者ではなく救急施設のみへ提供し、該近親者情報に基づいて、近親者のみへ、緊急事態に陥っている携帯物品携帯者の状況を通報することを特徴とする個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム。
【請求項2】
「上記携帯物品携帯者若しくは該携帯物品携帯者に関係する会員が所属する団体」の管理者は、該携帯物品携帯者若しくは該会員が所属する団体内における運用作業者に対し、「個人情報の登録、照会、修正、削除、更新及び/又は検索できる作業権限」を設定し、該携帯物品携帯者が所属する団体内において個人情報が流失するのを防止する請求項1に記載の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム。
【請求項3】
「複数の団体」と「該複数の団体のそれぞれに所属する携帯物品携帯者若しくは該携帯物品携帯者に関係する会員」との間で運用されている、複数の見守り活動Xが既に存在する場合であって、夜間又は休日の緊急時にのみ、該複数の団体のそれぞれが運営する既存の見守り活動Xの運営を代行できるように、「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」が、該携帯物品携帯者に新たなID番号を採番して、該既存の複数の見守り活動Xを包括してなり、夜間又は休日は、緊急事態に陥っている携帯物品携帯者を発見した第三者より、該携帯物品に記載された「個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム」のサポートセンターの電話番号から直接電話連絡を受けることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム。
【請求項4】
上記本人情報として、かかりつけの病院名、主治医の情報、病歴、既往症、薬歴、常用している治療機器、アレルギーの有無、認知証の症状、介護保険の有無、血液型、本人の写真データ、申込書の写真データ、常用薬処方箋写真データ及び/又は本人が希望するその他の情報が登録、保存されている請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム。
【請求項5】
上記携帯物品携帯者が未成年の場合には、個人情報として、保護者、保護者の連絡先、本人の写真データ、申込書の写真データ及び/又は所属する学校名称が登録、保存されている請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム。
【請求項6】
上記携帯物品携帯者がペットの場合には、個人情報として、ペットの種類、雌雄、体長、体重、体色や外見的特徴、飼い主及び/又は飼い主の連絡先が登録、保存されている請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム。
【請求項7】
上記携帯物品携帯者がスポーツ選手又はスポーツ愛好家の場合には、本人情報として、かかりつけの病院名、スポーツ歴、主治医の情報、病歴、既往症、薬歴、アレルギーの有無、本人の写真データ、申込書の写真データ及び/又は本人が希望するその他の情報が登録、保存されている請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム。
【請求項8】
上記サポートセンターは、一年を通して年中無休で緊急時の対応を行うものである請求項1ないし請求項7の何れかの請求項に記載の個人情報保護と緊急時サポートとを両立したウェブアプリケーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−109683(P2013−109683A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255805(P2011−255805)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(510162517)株式会社アイビス (2)