説明

個人衛生機器、システム、及び方法

個人衛生機器は、個人衛生用具と第1の位置確認部材とを含む。個人衛生機器は、ユーザーの個人衛生ルーチンを支援することができるフィードバックをユーザーに提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人衛生機器、システム、及び方法に関し、より詳細には、本発明は、位置追跡システムを含む個人衛生機器、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯の表面から歯垢を取り除くために歯を磨くことによる効果は、歯磨きプロセスの間のユーザーの歯磨き動作、継続時間、及び力の作用の影響を受ける可能性がある。したがって、歯科専門家は、そのようなパラメータを特定及び規定する「推奨される歯磨き技術」を形成した。これらの推奨される歯磨き技術は、歯医者での受診中に患者に教えられる。しかしながら、患者は、いったん歯科医院を出てしまうと、この推奨歯磨き技術を忘れてしまう及び/又は放棄してしまうことが多い。
【0003】
更に、歯科医が患者に、患者の典型的な歯磨き技術を実演するように要求した場合、そのような実演は正確でない又は患者の標準的手順を表現していない場合が多い。その代わり、患者は一般に、歯科医が観察しているという理由から、習慣的な歯磨き技術を誇張する。残念なことに、間違った歯磨き習慣は、たとえ個人が1日に数回歯ブラシを利用したとしても、個人の口腔健康全般にマイナスの影響を与える可能性がある。例えば、間違った歯磨き習慣は、個人が何本かの歯又は歯の一部分を有効なやり方で洗浄するのを常に疎かにする原因となり得る。
【0004】
広くは、他の様々な個人衛生ルーチンも、ユーザーの不適切な技術のため、効果が弱められる又は無効にされる場合がある。例えば、手動のカミソリ又は電気カミソリを利用する男性は、顔及び/又は首の剃毛部分を偶発的に逸し、手を抜いた外観をもたらす場合がある。別の例として、手動のカミソリ又は電気カミソリを利用する女性は、脚の剃毛部分を意図せずに逸する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、様々な個人衛生ルーチンの有効性に役立つ個人衛生機器、システム、及び方法の必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
個人衛生機器の一実施形態は、少なくとも1つの個人衛生用具と、ユーザー及び個人衛生用具のうちの少なくとも1つの上の1つ以上の指定された特徴を識別するために物体認識を利用する少なくとも1つの位置確認部材(position member)と、を含む。
【0007】
個人衛生機器の別の実施形態は、歯ブラシと、ユーザー及び歯ブラシのうちの少なくとも1つの上の1つ以上の指定された特徴を識別するために物体認識を利用する少なくとも1つの位置確認部材と、を含む。
【0008】
個人衛生機器の別の実施形態は、カミソリ、シェーバー、及びトリマーのうちの少なくとも1つと、ユーザー、カミソリ、シェーバー、及びトリマーのうちの少なくとも1つの上の1つ以上の指定された特徴を識別するために物体認識を利用する少なくとも1つの位置確認部材と、を含む。
【0009】
個人衛生機器の別の実施形態は、洗浄用具と、ユーザー、洗い布、及びスポンジのうちの少なくとも1つの上の1つ以上の指定された特徴を識別するために物体認識を利用する少なくとも1つの位置確認部材と、を含む。
【0010】
個人衛生機器の別の実施形態は、化粧品アプリケータと、ユーザー及び化粧品アプリケータのうちの少なくとも1つの上の1つ以上の指定された特徴を識別するために物体認識を利用する少なくとも1つの位置確認部材と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による個人衛生機器の図。
【図2A】本発明の一実施形態による個人衛生機器の一部であるカメラの表示画面の描写。
【図2B】本発明の一実施形態による個人衛生機器の一部であるカメラの表示画面の描写。
【図2C】本発明の一実施形態による個人衛生機器の一部であるカメラの表示画面の描写。
【図2D】本発明の一実施形態による個人衛生機器の一部であるカメラの表示画面の描写。
【図3】本発明の一実施形態による個人衛生機器の一部であるディスプレイ装置に示されることができる擬似口腔の画像。
【図4A】本発明の一実施形態による個人衛生機器の一部である歯ブラシの正面図。
【図4B】本発明の一実施形態による個人衛生機器の一部である歯ブラシの側面図。
【図5A】本発明の一実施形態による個人衛生機器の一部である歯ブラシ、及び歯の描写。
【図5B】本発明の一実施形態による個人衛生機器の一部である歯ブラシ、及び歯の描写。図中、歯と歯ブラシとの間にフィルタが配置されている。
【図6A】受信ユニットと、擬似口腔を表示するディスプレイ装置とを含む、本発明の一実施形態による個人衛生機器の図。
【図6B】受信ユニットと、カメラと、擬似口腔を表示するディスプレイ装置とを含む、本発明の一実施形態による個人衛生機器の図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
定義:
本明細書で使用するとき、用語「個人衛生」とは、個人的な清浄度並びに身だしなみを指す。したがって、ユーザーの「個人衛生」を改善することは、歯磨き及び顔/身体洗浄、並びに体毛及び顔の毛の剃毛及びトリミング、並びに化粧品の適用及び除去を指すことができることが理解されるであろう。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「個人衛生用具」とは、個人衛生を改善するため、又は身だしなみを改めるために利用され得る任意の用具を指す。非限定的な好適な例には、手動歯ブラシ、電動歯ブラシ、男性用カミソリ、女性用カミソリ、男性用シェーバー、女性用シェーバー、トリマー、ヘチマ、スポンジ、洗い布、収れん剤入りパッド、セルフタンニングアプリケータ、並びに化粧用ブラシ及びアプリケータが挙げられる。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「生物学的堆積物」とは、一般に、良好な口腔衛生にとって通常望ましくないとされている歯垢、細菌、歯石、結石等を指す。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「化粧品」とは、一般に、任意のカラー化粧品、ヘアケア製品、ネイルケア製品、又はスキンケア製品を指す。「化粧品」のいくつかの好適な例には、マニキュア液、ネイルポリッシュ、アイライナー、マスカラ、染毛剤、シャンプー、コンディショナー、ジェル、防臭剤、バスオイル、バスソルト、リップスティック、リップグロス、リップライナー、リッププランパー、リップバーム、リップコンディショナー、リップブースター、ファンデーション、パウダー、口紅、ほお紅、アイライナー、アイシャドウ、コンシーラー、日焼け止め剤などが挙げられる。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「マーカーレス」とは、外部供給式の指標ロケーター、即ちマーカーがないことを指す。このようなマーカーの非限定的な例には、光、反射体、材質、色、サウンドエミッタ及び/又は典型的にはマーカーが関連付けられる対象物とは無関係な物質が挙げられる。
【0017】
本明細書において使用するとき、用語「画像」とは、一般に、像平面内に対象物の2次元ビューを形成する2次元ピクセル一式を指す。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「画像セット」とは、一般に、3次元データに変換される可能性がある関連する2次元画像一式を指す。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「ポイントクラウド」とは、一般に、多数の2次元ビューから再構築された対象物の3次元ビューを形成する3次元点一式を指す。3次元画像取得システムにおいて、多数のこの種のポイントクラウドは、移動カメラによって捕捉された画像から構築された、集積されたポイントクラウドに位置合わせして結合されてもよい。このように、別の意味が明確に指示されているか、ないしは文脈から明白である場合を除き、用語「画像」及び「ピクセル」は、一般に、2次元データを指し、用語「ポイントクラウド」及び「点」は、一般に、3次元データを指すことが理解されるであろう。
【0020】
本明細書で使用するとき、「3次元表面表示」、「デジタル表面表示」、「3次元表面マップ」などの用語は、本明細書で使用するとき、別の意味が明確に指示されている、ないしは文脈から明白である場合を除き、3次元走査データの捕捉及び/若しくは処理により獲得され得る、表面データのポイントクラウド、2次元多角形一式、又は対象物の表面の全体若しくは一部を示すその他の任意のデータなど、対象物の任意の3次元表面マップを指すことを意図する。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「3次元表示」は、別の意味が明確に指示されているか、ないしは文脈から明白である場合を除き、上記に記載の3次元表面表示のいずれか、並びに体積及びその他の表示を含んでもよい。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「レンダリング」又は「レンダリングする」は、一般に、モニターに表示するためなどに、3次元対象物を2次元視覚化すること指す。しかしながら、3次元レンダリング技術が存在し、本明細書において開示されるシステム及び方法で有用に利用され得ることが理解されるであろう。そのため、レンダリングする工程は、より狭い意味が明確に指示されているか、ないしは文脈から明白である場合を除き、広範に解釈されるべきである。
【0023】
本明細書で使用するとき、用語「胴体」は、一般に、身体の躯幹を指す。躯幹は、身体の脚、腕、及び/又は頭部を含まない。
【0024】
概要:
本発明による個人衛生機器、システム及び/又は方法は、ユーザーが個人衛生ルーチンを改善するのを支援することができる。例えば、本発明の個人衛生機器は、ユーザーが歯をより効果的かつ効率的に磨くのを支援することができる。別の例として、本発明の個人衛生機器は、ユーザーが顔の毛又は体毛をより効果的に剃毛又はトリミングするのを支援することができ、及び/あるいはユーザーが所望の顔の毛又は体毛の左右対称な外観をより効率的に得るのを支援することができる。別の例として、本発明の個人衛生機器は、ユーザーがより効果的及び効率的に顔及び/又は体を洗うのを支援することができる。更に別の例として、本発明の個人衛生機器は、ユーザーがより効果的及び効率的に化粧品製品(例えば、メークアップ及びセルフタンニング製品)を適用する及び除去するのを支援することができる。本発明の個人衛生機器は、ある程度、個人衛生用具の位置及び/又は向きを測定することにより、並びに一部の実施形態では、ユーザーの体の少なくとも一部分の位置及び/又は向きを同様に測定することにより、上記のようにユーザーを支援することができる。
【0025】
図1に図示ように、個人衛生機器100の実施形態は、位置確認部材90と個人衛生用具10とを含むことができる。一部の実施形態では、位置確認部材90は、カメラ20と、ディスプレイ装置30と、受信ユニット40とを備えていてもよい。これらの実施形態では、カメラ20及びディスプレイ装置30は受信ユニット40と信号通信していてもよく、これにより、カメラ20が画像データを受信ユニット40に送信し、次に受信ユニット40が、画像データをディスプレイ装置30に送信するのが可能となる。これに加え、このような実施形態では、受信ユニット40及びディスプレイ装置30は一体に形成されていてもよい。あるいは、受信ユニット40はカメラ20と一体に形成されてもよく、又はカメラ20はディスプレイ装置30と一体に形成されてもよい。他の実施形態では、受信ユニット40、ディスプレイ装置30、及びカメラ20は一体に形成されてもよい。更に他の実施形態では、受信ユニット40、ディスプレイ装置30及びカメラ20は、それぞれ個別の部品であってもよい。
【0026】
一部の実施形態では、位置確認部材90は、ユーザーの体の少なくとも一部分、及び/又は個人衛生用具10の少なくとも一部分の位置及び/又は向きを測定することができる。位置確認部材90は、多数の異なる技術を利用してこのタスクを実行することができる。非限定的な例には、視覚的マーカー、非視覚的マーカー(例えば、音声、ソーナー、レーダー、ドップラー)、物体認識、磁気、レーザー及び/又はマシンビジョン等に関連する技術が挙げられる。1つの特定の実施形態では、位置確認部材90はマーカーレス技術を利用してもよく、物体認識可能であってもよい。利用する技術に関わらず、位置確認部材90は、ユーザーの体の少なくとも一部分及び/又は個人衛生用具10の少なくとも一部分の位置及び/又は向きを測定するために、ユーザー80及び/又は個人衛生用具10に関する指定された特徴を利用することができる。レーザースキャナを含む実施形態が以下に記載される。
【0027】
位置確認部材90は、様々な指定された特徴を認識するようにプログラムされ得る。例えば、位置確認部材90が、マーカーベースの指定された特徴(以下に記載)及びマーカーレスの指定された特徴(以下に記載)を認識するようにプログラムされる実施形態が想到される。一部の実施形態では、位置確認部材90は、2つ以上の対象物の指定された特徴を区別するようにプログラムされてもよい。例えば、位置確認部材90は、個人衛生用具と、ユーザーの体の一部分とを区別するようにプログラムされてもよい。物体認識及び/又は顔認識のいくつかの好適な例は、米国特許第5,412,738号、同第6,128,398号、同第6,301,370号、同第7,221,809号;米国特許出願第2001/0043717号、同第2003/0016869号、同第2004/0062442号、同第2006/0251292号、同第2007/0073439号、及び同第2007/0258645号に提供されている。
【0028】
マーカーレス技術では、指定された特徴は、対象物の位置/向きが求められる対象物の特徴を含むことができる。例えば、ユーザー80に関する指定された特徴は、ユーザー80の体にある解剖学的ランドマーク、又はユーザー80の体全体を含んでもよい。ユーザー80の体に関する解剖学的ランドマークの非限定的な例には、顔ランドマーク、頭上ランドマーク、胴体ランドマーク、手足ランドマーク、手指、足指、及び口腔ランドマークを挙げることができる。図1に関し、顔ランドマークの非限定的な例には、目の端50、鼻孔60、口角70、これらの組み合わせなどが挙げられる。口腔ランドマークの非限定的な例には、個々の歯、歯の表面、以前の歯の治療、歯肉、頬、唇、及び舌が挙げられる。
【0029】
同様に、マーカーレス技術に関し、個人衛生用具10に関する指定された特徴は、個人衛生用具10の材料の色コントラストを含むことができる。例えば、歯ブラシを個人衛生用具10として組み込む個人衛生機器100の実施形態では、歯ブラシのヘッドのブリストル間の色コントラスト、並びに歯ブラシのハンドルの第1の材料と第2の材料との間の色コントラストを、指定された特徴として含めてもよい。別の例として、カミソリを個人衛生用具10として組み込む個人衛生機器100の実施形態では、カミソリカートリッジの色コントラスト及び/又はカミソリのハンドルの第1の材料と第2の材料との間の色コントラストが、具体的に指定された特徴であってもよい。更に別の例として、スポンジ、洗い布及び/又はその他の化粧品アプリケータを個人衛生用具10として組み込む個人衛生機器100の実施形態では、材料内又は材料間の色コントラストを指定された特徴として含めてもよい。個人衛生用具10の更なる指定された特徴には、視覚指向の個人衛生用具10用に設計された、印刷された記号並び及び/又は形状並びに3次元形状が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
更に、個人衛生用具10の一部の実施形態は、材料コントラストを含み得る指定された特徴を有する。例えば、個人衛生機器10の様々な構成要素の材料間の温度勾配を測定することにより、位置確認部材90が個人衛生用具10の位置/向きを判定してもよい。ある実施形態では、材料間の温度勾配は、赤外線光学分析装置を利用して測定され得る。
【0031】
マーカーベースの技術に関し、指定された特徴は、LED、鏡、サウンドエミッタ、及び/又はこれらの組み合わせを含んでもよい。一例として、ユーザーの体の特定部分の位置及び/又は向きを判定するために、ユーザーがこれらのマーカーベースの指定された特徴を、特定の向きにつけてもよい。更に別の例として、マーカーベースの指定された特徴は、個人衛生用具10に取り付けられてもよい。例えば、個人衛生用具10が歯ブラシの場合、x軸、y軸、及びz軸を区別するために、歯ブラシのハンドルに複数のLEDを取り付けてもよい。任意の好適なマーカーを、ユーザー及び/又は個人衛生用具10のいずれかのために利用することができる。
【0032】
一部の実施形態では、位置確認部材90が2人以上のユーザー及び/又は2つ以上の個人衛生用具を区別することが可能であるように、これまで記載されてきた指定された特徴が選択されてもよい。一例として、位置確認部材90は、第1の個人衛生用具を認識するためにマーカーレスの指定された特徴を利用し、第2の個人衛生用具を認識するためにマーカーベースの指定された特徴を利用してもよい。更に別の例として、位置確認部材90は、第1の個人衛生用具を認識するために、指定された特徴の第1のセットを利用してもよく、第2の個人衛生用具を認識するために、指定された特徴の第2のセットを利用してもよい。具体例として、歯ブラシは青と白のハンドルを含んでいてもよく、カミソリは黒と赤のハンドルを含んでいてもよい。位置確認部材90は、位置確認部材90が歯ブラシとカミソリを異なる個人衛生用具であると認識するように構成されてもよい。したがって、個人衛生機器100の特定の実施形態では、第1の個人衛生用具は、2つの用具の指定された特徴を認識する位置確認部材90によって、第2の個人衛生用具と区別され得る。同じく、第1のユーザーの顔/体もまた、位置確認部材が具体的に指定された特徴を認識することによって、第2のユーザーの顔/体と区別され得る。
【0033】
複数の対象物に関するマーカーベースの位置及び/又は向きの判定は、同様のやり方で実施されてもよい。例えば、歯ブラシはマーカーの第1のセットを利用してもよいのに対して、カミソリはマーカーの第2のセットを利用する。マーカーの第1のセット及びマーカーの第2のセットは、色、サイズ、温度、模様等の点で異なっていてもよい。
【0034】
本明細書に記載の指定された特徴を利用することにより、位置確認部材90が、ユーザー80の顔/体の少なくとも一部分の向き及び/又は場所、並びに/あるいは個人衛生用具10の少なくとも一部分の場所を測定することが可能になり得る。図1を参照すると、一例として、カメラ20は、ユーザー80の頭部に関する画像データを受信ユニット40に送信してもよい。画像データ及び選択された指定された特徴に基づき、受信ユニット40は、ユーザー80の目の端50、鼻孔60、及び口角70の場所/向きを判定することができる。目の端50、鼻孔60、及び口角70の場所/向きを判定することによって、受信ユニット40は次に、ユーザー80の頭部の場所及び/又は向きを判定することができる。別の例として、カメラ20は、個人衛生用具10に関する画像データを受信ユニット40に送信してもよい。画像データ及び選択された指定された特徴に基づき、受信ユニット40は、個人衛生用具10の場所を判定することができる。更に別の例として、カメラ20は、ユーザー80及び個人衛生用具10両方の画像データを送信してもよい。前述同様に、画像データ及び選択された指定された特徴に基づき、受信ユニット40は、ユーザー80及び個人衛生用具10の場所を判定することができる。一般に、上述のようにユーザー80及び/又は個人衛生用具10の位置及び/又は向きを位置確認部材90が測定可能なだけの十分な速度でカメラが受信ユニット40に画像データを送信できるように、カメラ20が選択される。
【0035】
図2A及び図2Bを参照すると、カメラ20(図1に図示)は、カメラ20の表示画面200内のユーザー80の頭部に関する画像データを、受信ユニット40に送信することができる。表示画面200は、x軸212に沿った所与の数のピクセルと、y軸214に沿った所与の数のピクセルとによって画定され得る。カメラ20により供給された画像データから、例えば、目の両方の端50がy軸214に沿ってほぼ同じ距離である場合には、受信ユニット40は、ユーザー80の頭部の向きがほぼ直立であるのを判定することができる(この直立位置は図2Aに例示されている)。これに対して、カメラ20により供給された画像データから、例えば、目の両方の端50がy軸214に沿って所定の距離だけオフセットしている場合には、受信ユニット40は、ユーザーの頭部の向きが傾いているのを判定することができる(この傾いた位置は図2Bに例示されている)。個人衛生用具10の場所及び/又は向きは、個人衛生機器10の指定された特徴を利用して、同様に判定され得る。x軸212及びy軸214に沿った向き/位置に加え、位置確認部材90はまた、ユーザー80の少なくとも一部分及び/又は個人衛生用具10の少なくとも一部分のz軸に沿った向き/位置、並びに/あるいは軸のそれぞれに沿った回転(即ちロール、ピッチ、ヨー)を判定するように構成されてもよい。
【0036】
一部の実施形態では、カメラ20(図1に図示)は、浴室内部、シャワー内、浴室の鏡の内部、浴室の鏡の上部などに取り付けられてもよい。カメラ20(図1に図示)は、任意の好適な場所に取り付けられてよい。カメラ20(図1に図示)は、自動調整可能であっても、手動で調整可能であってもよく、又は適所に固定されてもよい。カメラ20が自動調整可能である個人衛生機器100の実施形態では、受信ユニット40は、具体的に指定された特徴の場所をカメラが追跡するようにカメラ20を操作することができる。非限定的な例として、指定された特徴が顔ランドマーク(例えば、目の端50)を含む場合は、目の端50がカメラ20の表示画面200の一定範囲のピクセル内にあるように、カメラ20が調節され得る。
【0037】
具体例として、図2Cに例示されているように、ユーザー80の頭部は、カメラ20(図1に図示)の表示画面200の右縁部210の近くに示されている。個人衛生機器100の一部の実施形態では、選択された指定された特徴が、右縁部210のx軸212に沿って全ピクセルの10%以内にある場合(x軸に沿って左から右に数える)、選択された指定された特徴が、右縁部210のx軸212に沿って総ピクセル数の40%以内のみにあるようにカメラが右側に調節されるように、受信ユニット40を構成してもよい。図2Dに示されるように、ユーザー80の頭部の画像、したがって上記の例に関して指定された特徴(例えば、目の端50)は、表示画面200のより中央部分へとシフトされている。別の例として、選択された指定された特徴が、底縁部211のy軸214に沿って総ピクセル数の10%以内にある場合(y軸に沿って上から下に数える)、受信ユニット40は、選択された指定された特徴を表示画面200のより中央部分へとシフトするために、カメラを下方へ操作することができる。他の様々な方向へのカメラの移動に対する同様の操作もまた想到される。更に、受信ユニット40は、選択された指定された特徴に合わせてカメラ20(図1に図示)の焦点を自動的に調節してもよい。好適な調節可能カメラの非限定的な例は、Logitech(登録商標)(Fremont、California、United States)から商標名Quick Cam(登録商標)Orbit AFで販売されている。その他の好適な例は以下に論じられる。
【0038】
しかしながら、カメラ20(図1に図示)は、受信ユニット40によって自動調整可能である必要はない。ユーザー80の体の少なくとも一部分及び/又は個人衛生用具10の少なくとも一部分の位置及び/又は向きはまた、特定の場所に固定されたカメラ20によって得てもよい。カメラ20(図1に図示)が特定の場所に固定されている場合、カメラ20の表示画面200は、焦点調節機能によって調整可能であってもよく、又は調整可能でなくてもよい。更に、カメラ20(図1に図示)が特定の場所に固定されている場合、指定された特徴が表示画面200内で識別可能でない限り、ユーザー80及び/又は個人衛生用具10の位置及び/又は向きは測定されない。そのため、ユーザー80及び/又は個人衛生用具10がカメラ20の表示画面200から出た場合、位置及び/又は向きの測定値をなくす可能性がある。指定された特徴が再度表示画面200内で識別可能になると、位置及び/又は向きの測定値を回復することができる。現在当該技術分野において既知である又は今後当該技術分野において既知となる任意の好適な固定位置カメラを、個人衛生機器100と共に利用することができる。
【0039】
現在当該技術分野において既知である又は今後当該技術分野において既知となる好適なカメラ又はカメラシステムを、個人衛生機器100と共に利用することができる。カメラの非限定的な例には、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004/0155975号に開示されているマルチアパーチャスキャナー(multi-aperture scanner)が挙げられる。この参照文献は1つの特定の種類のマルチアパーチャスキャナーシステムを開示しているが、個人衛生機器100は、多数の2次元画像から3次元ポイントクラウドを再構築するのに好適な任意のマルチアパーチャスキャナーシステムを利用することができる。1つの特定のマルチアパーチャスキャナーは、レンズの中心光軸及び任意の付属の画像ハードウェア沿いに位置決めされたセンターアパーチャなどの複数のアパーチャを含む。スキャナーは、微妙に異なる多数の透視図から対象物の2次元画像を得るために多数のカメラ又は光パスを互いに一定の関係に保つ立体カメラ、トリスコープ(triscopic)カメラ、若しくはその他のマルチカメラ、又はその他の構成を含んでもよい。スキャナーはまた、画像セット若しくは多数の画像セットから3次元ポイントクラウドを得るのに適している処理を含んでいてもよく、又は各2次元画像セットを、以下で説明する受信ユニット40に内蔵されているような外部プロセッサに送信してもよい。更なる実施形態では、カメラ20は、構造光、レーザー走査、直接測距(direct ranging)、又は3次元データ若しくは3次元データに変換することができる2次元データを取得するのに適している任意のその他の技術を採用してもよい。更なる非限定的な好適なスキャナーは、世界知的所有権機関公開第WO2007/084768号、第WO2007/084647号及び第WO2007/084727号に論じられており、これらは全て参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0040】
個人衛生機器100の一部の実施形態では、位置確認部材90は、3次元画像取得システムとして動作する。このような実施形態では、スキャナーは、スキャナーが対象物の表面を通り過ぎる間に2次元画像セットをビデオレートで取得することができる。3次元ポイントクラウドを誘導するために、この2次元画像セットを受信ユニット40に転送してもよい。新たに取得した2次元画像セットそれぞれの3次元データは、多数の異なる技法を用いて、誘導し、既存の3次元データへの適合、即ち「スティッチング」を行ってもよい。このようなシステムは、スキャナーの位置を独立して追跡する必要性を回避するために、カメラ運動推定(camera motion estimation)を採用してもよい。カメラ運動推定の一例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第11/270,135号(2005年11月9日出願)に記載されている。ただし、この例は限定するものではなく、本明細書に記載の原理は、広範な3次元画像取得システムに適用してよいことが理解されるであろう。
【0041】
図1に戻って参照すると、前述したように、カメラ20は受信ユニット40と信号通信していてもよく、受信ユニット40に画像データを送ってもよい。ディスプレイ装置30に供給される画像データは、処理された画像データ及び/又は実画像データであることができる。例えば、受信ユニット40は、カメラ20からの実画像データを処理し、ディスプレイ装置3に処理された画像データを供給してもよい。別の例では、受信ユニット40は、カメラ20からの実画像データをディスプレイ装置30に供給してもよい。更に別の例として、受信ユニット40は、処理された画像データ及び実画像データの両方をディスプレイ装置30に供給してもよい。
【0042】
現在当該技術分野において既知である又は今後当該技術分野において既知となる任意の好適な受信ユニットを、個人衛生機器100の実施形態で利用することができる。例えば、受信ユニット40は、コンピュータ、例えば、パーソナルコンピュータ又はその他の処理装置であってよい。1つの特定の実施形態では、コンピュータは、デュアル2.8GHz Opteron中央演算処理装置、2ギガバイトのランダムアクセスメモリ、TYAN Thunder K8WEマザーボード、及び250ギガバイト、10,000rpmのハードドライブを有するパーソナルコンピュータであってよい。このコンピュータシステムを動作させて、本明細書に記載の技法を用いて、リアルタイムで1画像セット当たり約1,500個の点を捕捉するとともに、100万個超の点から成る集合体のポイントクラウドを保管することができる。本明細書で使用するとき、用語「リアルタイム」は、一般に、処理と表示との間に観測可能な待ち時間がないことを意味する。ビデオ系走査システムでは、リアルタイムは、より具体的には、ビデオデータのフレーム間の時間内での処理、又は複数のフレームの時間内での処理を指し、これは、具体的なビデオ技術に応じて、1秒間に約5フレームから1秒間に約30フレームの間で異なり得る。例えば、「リアルタイム」は、処理と表示との間の約5フレームのビデオデータ遅延であると考慮され得る。より一般的にいえば、コンピュータの処理能力は、対象物のサイズ、イメージ取得の速度、及び3次元点の所望の空間的分解能によって異なってよい。コンピュータはまた、キーボード、コンピュータとのユーザー相互作用のためのマウス、及び上記のような一部の実施形態では、ディスプレイ装置30、などの周辺機器を含んでもよい。
【0043】
ディスプレイ装置30に転送される画像データの種類に関わらず、ディスプレイ装置30に提供される視覚表示は、ユーザーの個人衛生ルーチンを支援することができる。例えば、ディスプレイ装置30は、使用中の個人衛生用具10の少なくとも一部分の視覚表示(例えば、歯ブラシのヘッド又は化粧品アプリケータ)を表示してもよい。別の例として、ディスプレイ装置30は、ユーザー80の体の少なくとも一部分(例えば、口腔、顔、胴体又は脚)の視覚表示を表示してもよい。更に別の例として、ディスプレイ装置30は、個人衛生用具10の一部分及びユーザー80の体の一部分の両方の視覚表示を表示してもよい。あるいは、ディスプレイ装置30は、LED表示装置によってもたらされる光の視覚表示だけを表示してもよい。また更には、ディスプレイ装置30は、視覚表示と共に又は視覚表示に代えて利用される音又は振動を放出してもよいので、ディスプレイ装置30は視覚表示を表示すらしなくてもよい。
【0044】
個人衛生機器100の特定の一実施形態では、複数の発光ダイオードをディスプレイ装置30として利用して、ある種の状態を知らせてもよい。例えば、1つの発光ダイオード又は複数の発光ダイオードに電流を流して、個人衛生ルーチンにおける特定の事象を知らせることができる。例えば、特定の事象には、十分な期間の歯磨き又は所定領域の効果的な洗浄を挙げることができる。
【0045】
特定の実施形態では、視覚表示は、予め受信ユニット40に保存された画像であり得る。あるいは、視覚表示は、カメラ20を使用してリアルタイムで受信ユニット40に提供され得る。他の実施形態では、ディスプレイ装置30は、ユーザーの口腔を近似するに過ぎない一般視覚表示(例えば、一般口腔の視覚表示)を提供してもよい。他の実施形態では、ディスプレイ装置30は、擬似又は漫画的な視覚表示(例えば、図3に例示されているような擬似口腔の視覚表示)を表示してもよい。
【0046】
一部の実施形態(具体的には、ユーザー80の口腔の一部分がリアルタイムで表示される実施形態)では、第2のカメラ(図示せず)が個人衛生用具10に実装されてもよい。他の実施形態では、カメラ20は、個人衛生機器100における唯一のカメラであってもよく、個人衛生用具10に実装され、ユーザー80の口腔からの画像データを受信ユニット40に供給してもよい。これらの実施形態では、受信ユニット40が口腔内の所定の口腔面を識別し、それにより個人衛生用具10に対するユーザー80の頭部の向き/位置を識別することができるように、利用される指定された特徴は、ユーザー80の口腔の特徴を含んでもよい。
【0047】
第2のカメラの存在又はカメラ20が個人衛生用具10内に実装されているかどうかに関わらず、個人衛生機器100の任意の好適な場所に、好適な場所の上に、又は好適な場所の中に、カメラ(1個又は複数)を配置することができる。例えば、個人衛生用具10のヘッドの中、個人衛生用具10のハンドルの中、及び/又は個人衛生用具10のネックの中にカメラを配置してもよい。他の実施形態は、別個のプローブの中に実装されるカメラ20及び/又は第2のカメラを含む。例えば、別個のプローブは、個人衛生用具10から取り外し可能であることができる。更に別の例として、別個のプローブは、口腔内挿入用に構成された別個の用具であることができる。
【0048】
同様に、現在当該技術分野において既知である又は今後当該技術分野において既知となる任意の好適なディスプレイ装置を、個人衛生機器100の実施形態と共に使用することができる。ディスプレイ装置30は、ディスプレイとの直接的かつ物理的な相互作用を通じてユーザー入力を受け取ることが可能なタッチスクリーンディスプレイであってもよい。ディスプレイ装置30は、得られたデータに対応する詳細度でのビデオ又は他の速度のレンダリングに好適な任意のディスプレイを含み得る。好適なディスプレイには、ブラウン管ディスプレイ、液晶ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、固定セグメントディスプレイ、プラズマディスプレイ、ドットマトリクスディスプレイ、これらの組み合わせなどが挙げられる。一部の実施形態では、ディスプレイ装置30は、例えば、容量性、抵抗性、若しくは表面弾性波(分散信号とも称される)タッチスクリーン技術、又はディスプレイ装置30との物理的相互作用を感知するための任意のその他の適した技術を使用するタッチスクリーンインターフェースを含んでもよい。
【0049】
個人衛生機器100の一部の実施形態は、個人衛生ルーチンの大部分が行われる浴室に配備されてもよい。このような実施形態では、ディスプレイ装置が占めるスペースの量が最小限であるように、ディスプレイ装置は比較的小さいのが望ましい場合がある。これに対して、スペースが問題でない場合には、より大きなディスプレイが望ましい場合がある。
【0050】
受信ユニット40、カメラ20、及びディスプレイ装置30の間の通信は、任意の好適な通信リンクを含んでもよい。好適な通信リンクのいくつかの例には、有線接続、無線接続、及び/又はこれらの組み合わせが挙げられる。無線接続の非限定的な特定の例には、IEEE 802.11(無線イーサネットとしても知られている)、ブルートゥース、高周波、赤外線、及びこれらの組み合わせに基づく接続が挙げられる。更に、一部の実施形態は、カメラ20から受信ユニット40へのセキュリティ保護された無線画像伝送を組み込む。このような実施形態では、受信ユニット40は、イメージ取得命令に加えて、焦点又はズームのような従来のカメラ制御を含む制御信号をカメラ20に対して生成してよい。
【0051】
口腔衛生の実施形態:
再度図1を参照すると、位置及び/又は向きに関するデータは、多くの異なる方法でユーザーの個人衛生ルーチンと共に利用され得る。例えば、個人衛生用具10が歯ブラシである個人衛生機器100の実施形態では、受信ユニット40は、歯ブラシ及びユーザー80の頭部に関して収集された位置データに基づき、効果的にブラッシングされた歯及び効果的にブラッシングされなかった歯をモニタリングすることができる。更に、受信ユニット40は、処理された画像データをディスプレイ装置30に供給して、どの歯がブラッシングされ、どの歯がブラッシングされていないかを示すことができる。
【0052】
図3に示されるように、ディスプレイ装置は、複数の歯などの口腔の擬似部分の視覚表示300を提供することができる。画像は、ユーザーの口腔の一部分の衛生状態を示すために、第1の色310の歯及び第2の色320の歯を含んでもよい。例えば、ある実施形態では、第1の色310の歯は、まだ効果的にブラッシングされていない歯を表わしてもよく、第2の色320の歯は、効果的にブラッシングされた歯を表わしてもよい。任意の色を第1の色310及び第2の色320に利用することができ、かかる色は互いから区別できなければならない。代替実施形態では、ユーザーの口腔の特定部分の任意の数又は種類の衛生状態を示すために、任意の数、種類、及び濃淡の色を利用することができる。
【0053】
更に、口腔の擬似部分の視覚表示300はまた、歯茎及び/又は舌などの軟組織を更に含んでもよい。これらの実施形態では、これらの擬似軟組織の1つ以上は、軟組織の衛生状態に応じて(例えば、ユーザー80がこれらの軟組織に洗浄作業を行ったかどうかに応じて)第1の色310又は第2の色320を利用してよい。個人衛生機器100の1つの例示されていない実施形態では、口腔の擬似部分の視覚表示300は、舌が洗浄される前に第1の色310で示される舌を含んでもよい。ユーザー80が舌に洗浄作業を行うと、視覚表示300は、舌に洗浄作業が行われたことを示すために、舌を第2の色320で表わしてもよい。
【0054】
更に、個人衛生用具10が舌クリーナーを含む歯ブラシである実施形態が想到される。これらの実施形態では、ユーザー80が舌を洗浄するのに舌クリーナーの代わりに歯ブラシのブリストルを使用しようと試みた場合、適切な洗浄作業が舌に対して実施されていないので引き続き画像が舌を第1の色310で表わし得るように、位置確認部材90は、歯ブラシの向きを判定することができる。同じく、ユーザー80が歯ブラシのブリストルの代わりに舌クリーナーで歯をブラッシングしようと試みた場合、ユーザー80が歯ブラシのブリストルを使用して歯を洗浄するまで、視覚表示300は引き続き、歯を第1の色310で表わしてもよい。
【0055】
任意の好適な舌クリーナーを個人衛生用具10に利用することができる。非限定的な例は、米国特許第5,005,246号、同第5,735,864号、同第5,766,193号、同第5,779,654号、同第5,792,159号、同第5,810,856号、同第6,571,417号、同第6,792,642号、同第6,820,299号、同第6,859,969号、同第6,944,903号、同第7,047,589号、同第7,051,394号、及び同第7,181,799号:米国特許出願第2004/0134007号、同第2004/0255416号、同第2005/0000043号、同第2005/0000049号、同第2005/0038461号、同第2005/0166344号、同第2005/0210612号、同第2005/0210613号、同第2006/0010628号、同第2006/0026784号、及び同第2007/0049956号;PCT国際特許出願WO2001/045573及びWO2007/140959;ドイツ参照文献DE202005009026U1及びDE3114507A1;又はこれらの組み合わせに開示されており、これらは全て参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0056】
どの口腔面が洗浄されたかを識別するのに加え、歯ブラシがユーザー80に歯磨き技術の効率に関するフィードバックを提供することができる実施形態が想到される。例えば、一部の実施形態では、図4A及び図4Bに示されるような歯ブラシは、電磁エネルギー源420と、洗浄要素領域410と、検出装置430とを備えていてもよい。電磁エネルギー源420は、口腔内の歯垢又はその他の生物学的堆積物の中で自己蛍光及び/又は二次蛍光を誘起するように選択されてもよく、あるいは検出剤の中で二次蛍光を誘起するように選択されてもよい。自己蛍光が利用されるか二次蛍光が利用されるかに関わらず、電磁エネルギー源420は、約380nm〜約780nm、又はこの範囲内の任意の個々の数字の波長を有する光を放出してもよい。一部の実施形態では、電磁エネルギー源420は、約380nm超過、約390nm超過、約400nm超過、約410nm超過、約420nm超過、約430nm超過、約440nm超過、約450nm超過、約460nm超過、約470nm超過、約480nm超過、約490nm超過、約500nm超過、約510nm超過、約520nm超過、約530nm超過、約540nm超過、約550nm超過、約560nm超過、約570nm超過、約580nm超過、約590nm超過、約600nm超過、約610nm超過、約620nm超過、約630nm超過、約640nm超過、約650nm超過、約660nm超過、約670nm超過、約680nm超過、約690nm超過、約700nm超過、約710nm超過、約720nm超過、約730nm超過、約740nm超過、約750nm超過、約760nm超過及び/又は約780nm未満、約770nm未満、約760nm未満、約750nm未満、約740nm未満、約730nm未満、約720nm未満、約710nm未満、約700nm未満、約690n未満、約680nm未満、約670nm未満、約660nm未満、約650nm未満、約640nm未満、約630nm未満、約620nm未満、約610nm未満、約600nm未満、約590nm未満、約580nm未満、約570nm未満、約560nm未満、約550nm未満、約540nm未満、約530nm未満、約520nm未満、約510nm未満、約500nm未満、約490nm未満、約480nm未満、約470nm未満、約460nm未満、約450nm未満、約440nm未満、約430nm未満、約420nm未満、約410nm未満、若しくは約400nm未満である波長を有する電磁エネルギーを放出してもよい。
【0057】
自己蛍光の実施形態では、ユーザーは、電磁エネルギー源420から放出された電磁エネルギーに生物学的堆積物を曝露する。理論に束縛されるものではないが、生物学的堆積物は、電磁エネルギーの少なくとも一部分を吸収し、電磁エネルギーの一部分を反射すると考えられている。生物学的堆積物はまた、電磁エネルギー源420によって放出される電磁エネルギーの波長とは異なる波長又は波長の範囲を有する電磁放射線を放出する。自己蛍光は、清潔な歯の表面と生物学的堆積物との間に、目に見える色コントラスト及び/又は検出可能な色コントラストを生成してもよく、並びに/あるいは清潔な歯の表面と生物学的堆積物との間に検出可能な波長コントラストを生成してもよい。反射する波長帯と蛍光を発する波長帯との間には、有意な重複が生じ得る。
【0058】
図5Aを参照すると、エネルギー源420が口腔に向けて及び/又は口腔の中に電磁エネルギー521を放出する際、このエネルギーの一部分は、歯510、歯茎、及び舌などの口腔の表面から反射することができる(反射エネルギー522)。更に、上述のように、エネルギー源420から伝達されるエネルギーの一部分は、口腔内の特定の状態を有する場所(例えば、歯垢のある場所)の生物学的堆積物512によって吸収され得る。吸収エネルギーの少なくとも一部分は、生物学的堆積物512によって蛍光エネルギーとして放出され、それにより口腔内の状態(例えば、歯垢の蓄積)を強調することができる。
【0059】
特定の状況において、口腔の表面からの反射エネルギー522は、生物学的堆積物512から放出される蛍光エネルギーよりも優位(overpower)であり得る強度を有し得る。したがって、反射エネルギー522(例えば、約500nm未満の光)が優位になることによって、ユーザーが蛍光エネルギーを観察する及び/又は蛍光エネルギーと反射エネルギー522とを区別するのが困難になり得る。更に、反射エネルギー522が優位になることによって、検出装置430によるエネルギー測定の精度が損なわれ、潜在的に誤りのある結果をもたらす可能性がある。更に、場合によっては、周辺光もまた、周辺光の電磁エネルギーと区別される蛍光エネルギーの検出/観測を妨げる可能性がある。
【0060】
したがって、図5Bに示されるように、ある実施形態は、歯510と検出装置430との間の電磁エネルギー経路内に、少なくとも1つのフィルタ550を組み込む。フィルタ550は、反射電磁エネルギー522の強度が検出装置430において低減されるように選択され得る。フィルタ550の下流の反射電磁エネルギー522は、フィルタ550の上流の反射電磁エネルギー522の強度よりも少なくとも約5%低い、約10%低い、約15%低い、約20%低い、約25%低い、約30%低い、約35%低い、約40%低い、約45%低い、約50%低い、約55%低い、約60%低い、約65%低い、約70%低い、約75%低い、約80%低い、約90%低い、約95%低い、又は約99%低い強度を有し得る。フィルタ550を組み込むことにより、検出装置430における許容誤差を低減することができる。
【0061】
一部の実施形態は、電磁波源420と歯510との間にフィルタ550を組み込む。他の実施形態は、図5Bに示されるように、歯510と検出装置430との間にフィルタ550を組み込む。更に他の実施形態は、電磁波源420と歯510との間に第1のフィルタを組み込み、歯510と検出装置430との間に第2のフィルタを組み込む。個人衛生機器100の実施形態は、電磁波源420と検出装置430との間に任意の数及び種類のフィルタを含むことができる。更なる実施形態は、電磁エネルギー源420と歯510との間及び/又は歯510と検出装置430との間でレンズを利用する。電磁エネルギー源420と歯510との間に組み込まれる任意のレンズは、放出された電磁エネルギー521を特定の口腔面上に集中させることができる。同様に、歯510と検出装置430との間に組み込まれるレンズは、蛍光エネルギー523を検出装置430の上に集中させることができる。
【0062】
広くは、二色性フィルタは、通常、光の不要な部分を反射し、残部を透過する。帯域通過フィルタは、一般に、選択された波長の間隔の外側にある電磁エネルギーの波長をフィルタリング/遮断する。帯域通過フィルタは、複数のフィルタリング層(例えば、青色フィルタ及び緑色フィルタ)を有する積層構造を含んでもよい。長波長通過フィルタは、短波長をフィルタリング/遮断し、選択されたスペクトルの範囲を超える長波長、例えば、紫外線、可視線、又は赤外線を透過することができる。
【0063】
当該技術分野において既知の任意の好適なフィルタを個人衛生機器に利用することができる。非限定的な例には、フィルム、シート、基材、積層体、鏡、ミラー反射型フィルタ、レンズ、メガネ、ゴーグル、二色性フィルタ、干渉フィルタ、帯域通過フィルタ、光学的な長波長通過フィルタ、フィルタリング画面、フィルタリング反射面、フィルタ処理された観察装置、フィルタ処理された反射面及び/又はこれらの組み合わせ、並びにエネルギーの所定の波長をフィルタリング又は遮断するように機能することができるその他の既知の又は未知のデバイスが挙げられる。本発明で利用することができる鏡の好適な例は、American Acrylics(Skokie、IL)から入手可能であり、Yellow Acrylic Mirror #2208として販売されている。個人衛生機器で利用可能なフィルタのその他の好適な例は、Roscolux(Stamford、CT)から入手可能であり、#312 Canary、#12 Straw、#11 Light Strawとして販売されている。本発明で用いるのに好適なフィルタの更なる例は、GamColor(Los Angeles、CA)から入手可能であり、480 Medium Yellow 88% T、及び460 Mellow Yellow 83% Tとして販売されている。本発明で用いるのに好適なフィルタの更なる例は、上記のフィルタよりも効率が悪いが、Roscoluxから入手可能な#06 No Color Straw、#07 Pale Yellow、#13 Straw Tint、及びGamColorから入手可能な440 Very Light Strawである。
【0064】
前述のように、生物学的堆積物を識別するための機構もまた、二次蛍光を含んでもよい。したがって、電磁エネルギー源420は、特定の化学的性質(例えば検出剤)からの蛍光放射を誘発するように選択され得る。二次蛍光では、検出剤を含む口腔用組成物を口腔内で利用してよい。この検出剤は、電磁エネルギーに曝露されると検出剤が蛍光を放出するように、歯垢又は他の何らかの生物学的堆積物に付着する、その中に拡散する、これと結合する、及び/又はこれを飽和することができる。検出剤を有する好適な口腔用組成物の非限定的な例は、米国特許第3,309,274号、同第3,309,274号、同第4,266,535号、同第3,723,613号、同第4,348,378号、同第4,459,277号、同第5,190,743号、及び同第5,862,559号;米国特許出願第60/858504号(2006年11月13日出願)及び同第60/932880号(2007年6月12日出願);並びに国際特許出願番号IB 2007/054597に開示されており、これらは全て参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0065】
より具体的には、好適な検出剤の非限定的な例には、フルオレセイン(fluoroscein)、ジブロモフルオレセイン(dibromofluoroscein)、トリブロモフルオレセイン(tribromofluoroscein)、テトラブロモフルオレセイン(tetrabromofluoroscein)、他のフルオレセイン誘導体(それらの塩を含む)、キサンテン、リボフラビン、チアミン、ナイアシン、ビタミンB、キニーネ、ピレン、例えば、ピラニン、D&C青色1号、D&C青色2号、D&C緑色3号、D&C赤色3号、D&C赤色6号、D&C赤色7号、D&C赤色21号、D&C赤色22号、D&C赤色27号、D&C赤色28号、D&C赤色33号、D&C赤色40号、D&C黄色5号、D&C黄色6号、D&C黄色10号、これらの組み合わせ、又は、例えば米国食品医薬品局などの監督官庁により薬品及び化粧品への使用が認可されている任意の他の染料が挙げられる。その他の好適な検出剤として、Carlsbad、CaliforniaのInvitrogen Corporationから商標名Alexafluor(商標)で販売される染料を挙げることができる。青色光に曝露されると通常励起を呈する検出剤のいくつかの例は、ジブロモフルオレセイン、フルオレセイン、リボフラビン、ピラニンである。これらの検出剤は、Spectrum Chemical(Gardena、California、United States)から入手可能である。しかしながら、任意の好適な検出剤を利用して、二次蛍光によって生物学的堆積物を識別することが可能である。
【0066】
周辺光下では、口腔内の状態を視覚的に容易に確認できないが、口腔に電磁エネルギー源420から電磁エネルギーが適用されると、より視覚的に認識できるようになるように、口腔用組成物中の検出剤濃度を選択できる。電磁エネルギー源420から供給される電磁エネルギーは、周辺光に追加されてもよく、又は周辺光がなくてもよいことに留意されたい。検出剤濃度は、選択される特定の検出剤によってある程度決定されることができ、より大きな蛍光エネルギーを吸収又は産出するには少量の検出剤が必要であり、反対に、小さな蛍光エネルギーを産出するにはより多量の検出剤が必要であり得る。更に、識別される口腔状態、特定のキャリア(例えば口内リンス剤、歯磨剤など)に組み込まれる検出剤の能力、及び識別される状態が歯垢である場合、検出剤の歯垢への付着能、拡散能、結合能、及び/又は飽和能によって、検出剤濃度がある程度決定され得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、口腔用組成物中の検出剤濃度は、約0.001重量%〜約5重量%の範囲、又はこの範囲内の任意の個々の濃度としてよい。一部の実施形態では、検出剤濃度は、約0.001重量%超過、約0.003重量%超過、約0.005重量%超過、約0.007重量%超過、約0.009重量%超過、約0.01重量%超過、約0.02重量%超過、約0.03重量%超過、約0.04重量%超過、約0.05重量%超過、約0.06重量%超過、約0.07重量%超過、約0.08重量%超過、約0.09重量%超過、約0.1重量%超過、約0.165重量%超過、約0.2重量%超過、約0.3重量%超過、約0.4重量%超過、約0.5重量%超過、約0.6重量%超過、約0.7重量%超過、約0.8重量%超過、約0.9重量%超過、約1重量%超過、約1.5重量%超過、約2重量%超過、約2.5重量%超過、約3重量%超過、約3.5重量%超過、約4重量%超過、約4.5重量%超過及び/又は約5重量%未満、約4.5重量%未満、約4重量%未満、約3.5重量%未満、約3重量%未満、約2.5重量%未満、約2重量%未満、約1.5重量%未満、約1重量%未満、約0.9重量%未満、約0.8重量%未満、約0.7重量%未満、約0.6重量%未満、約0.5重量%未満、約0.4重量%未満、約0.3重量%未満、約0.2重量%未満、約0.1重量%未満、約0.09重量%未満、約0.08重量%未満、約0.07重量%未満、約0.06重量%未満、約0.05重量%未満、約0.04重量%未満、約0.03重量%未満、約0.02重量%未満、若しくは約0.01重量%未満であり得る。
【0068】
検出剤に加え、口腔ケア組成物は、口腔に検出剤を送達するためのキャリアを含んでいてもよい。口腔に検出剤を送達するためのキャリアのいくつかの好適な例には、練り歯磨、歯用ゲル、歯磨剤、歯磨き粉、口内洗浄剤、口内リンス剤、マウススプレー、薬用キャンデー、ガム、小袋、歯科溶液、洗浄用流体、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0069】
図5A及び図5Bに関する上の説明は、上に開示した二次蛍光を組み込む実施形態に同様に適用可能である。したがって、図5A及び図5Bに示される歯ブラシ400及び/又はフィルタ550(図5Bに図示)を、検出剤を組み込む口腔用組成物と共に利用してもよい。したがって、ユーザーは、検出剤を含む口腔用組成物を口腔に供給する。次に、検出剤を、電磁エネルギー源420から放出される電磁エネルギーに曝露する。理論に束縛されるものではないが、検出剤は、電磁エネルギーの少なくとも一部分を吸収し、電磁エネルギーの一部分を反射すると考えられている。検出剤はまた、電磁エネルギー源420によって放出される電磁エネルギーの波長とは異なる波長又は波長の範囲を有する電磁放射線を放出する。二次蛍光は、清潔な歯の表面と生物学的堆積物との間に目に見える色コントラストを生成してもよく、及び/又は清潔な歯の表面と生物学的堆積物との間に検出可能な波長コントラストを生成してもよい。
【0070】
上述したように、自己蛍光又は二次蛍光技術を個人衛生機器100と共に利用してもよい。任意の好適な器具を自己蛍光又は二次蛍光において利用することができる。自己蛍光のいくつかの好適な例は、米国特許第5,894,620号、同第6,485,300号、同第5,382,163号、同第6,102,704号、同第5,590,660号、同第6,024,562号、同第6,186780;及びドイツ参照文献DE29704185、同DE29705934に提供されており、これらは全て参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。二次蛍光のいくつかの好適な例は、米国特許第3,309,274号、同第5,894,620号;世界知的所有権機関公開番号WO1992/006671A1;及び欧州特許出願公開番号EP56877A1に提供されており、これらは全て参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0071】
電磁エネルギー源420(図4A〜図4B、図5A〜図5B、及び図6A〜図6Bに図示)は、歯ブラシ400上の任意の好適な場所に配置され得る。例えば、電磁エネルギー源420は、歯ブラシ400のヘッド、ハンドル、又はネックに配置されてもよい。あるいは、電磁エネルギー源420が歯ブラシ400の本体内に配置される実施形態が想到される。このような実施形態では、歯ブラシ400の本体は半透明材料で作製されてもよく、及び/又は歯ブラシ400は、電磁エネルギー源420からのエネルギーを歯ブラシ400本体の外側の場所に伝達する光ガイドを備えてもよい。
【0072】
電磁エネルギー源420は、電磁放射線を任意の好適な方向に放出してよい。例えば、図4A及び図4Bに示されるように、一部の実施形態の歯ブラシ40は、洗浄要素領域410とほぼ平行な方向に放射を放出する電磁エネルギー源420を含む。しかしながら、歯ブラシ400の一部の実施形態は、歯ブラシ400の他の表面(例えば、歯ブラシ400の裏側面)から放射を放出する電磁エネルギー源420を含む。
【0073】
更に、歯ブラシ400が1つを超える電磁エネルギー源を備える実施形態が想到される。このような実施形態では、第2の電磁エネルギー源は、電磁エネルギー源420とは異なる発光スペクトルを有してもよく、これにより、電磁エネルギー源420によって誘起されない蛍光を生物学的堆積物内に誘起する。更に、電磁エネルギー源のそれぞれを、特定の検出剤内に蛍光発光を誘起するように選択することができる実施形態が想到される。例えば、1つを超える検出剤を含む口腔ケア組成物を利用して、種々の生物学的堆積物を強調してもよい。1つを超える電磁エネルギー源を備える歯ブラシを利用することにより、検出剤のそれぞれは、それらの対応する電磁エネルギー源によって励起され、ほぼ同時に蛍光を発することができる。また、一部の実施形態は、洗浄要素領域410とほぼ平行な方向に電磁エネルギーを放出する電磁エネルギー源420と、歯ブラシ400の裏側面から電磁エネルギーを放出する第2の電磁エネルギー源とを含む。
【0074】
自己蛍光が利用されるか二次蛍光が利用されるかに関わらず、歯ブラシ400は、個人衛生機器の位置確認部材と共に利用され得る。図6Aの非限定的な例に示されるように、歯ブラシ400は位置確認部材690と共に使用され得る。一部の実施形態では、位置確認部材690は、受信ユニット40と、ディスプレイ装置30と、検出装置430とを含む。受信ユニット40及びディスプレイ装置30のそれぞれは、上述のように構成されてもよい。歯ブラシ400は、受信ユニット40と信号通信していてもよい。説明を簡単にするために、図6A及び図6Bに関する考察は二次蛍光との関係においてなされる。しかしながら、図6A及び図6Bの実施形態に自己蛍光を同様に適用することができる。
【0075】
更に図6Aを参照すると、電磁エネルギー源420は、歯の表面上若しくは他の口腔面上、又は口腔内の検出剤上に衝突する電磁放射線を放出することができる。検出剤は、蛍光エネルギーを放出して、生物学的堆積物と清潔な歯の表面との間に視覚コントラスト又は検出可能なコントラストをもたらすことができる。検出装置430は、電磁エネルギーが適用された口腔の画像データを受信ユニット40に供給することができる。上述のように、口腔の特徴を利用して、ユーザー80の頭部の場所及び/又は向き、並びに歯ブラシ400の場所及び/又は向きを測定することができる。
【0076】
ユーザー80の頭部の場所及び/又は向き、並びに歯ブラシ400の場所及び/又は向きに関する検出装置430からの画像データを処理することによって、受信ユニット40は、擬似口腔の視覚表示600がディスプレイ装置30に示されるように、画像データをディスプレイ装置30に送ることができる。更に、検出装置430からの画像データを処理することによって、口腔の生物学的堆積物を特定及び/又は強調する視覚表示600をディスプレイ装置30が提供することができるように、生物学的堆積物と清潔な歯の表面との間のコントラストを識別することができる。図6Aに示されるように、第1の色650の歯は、まだ効果的にブラッシングされていない歯を表わしてもよく、第2の色670の歯は、効果的にブラッシングされた歯を表わしてもよい。任意の色を第1の色650及び第2の色670に利用することができ、かかる色は互いから区別できなければならない。一部の実施形態では、ブラッシングされたが残留生物学的物質がその上に堆積している歯を表すために、第3の又はそれ以上の色を利用することができる。更に、他の実施形態は、口腔の画像データを、歯ブラシ400上のカメラ(検出装置430)から受信ユニット40に送信されるリアルタイム画像として、受信ユニット40に供給する。この方法では、擬似口腔画像ではなく、口腔の実画像がディスプレイ装置30によって示されることができる。
【0077】
一部の実施形態では、検出装置430はカメラを備えていなくてもよく、半導体光検出器であってよい。このような実施形態では、ユーザー80の頭部の場所及び/又は向き並びに歯ブラシ400の向き及び/又は位置は、位置確認部材90(図1に図示)に関して論じたような、及び図1〜図3に関して記載されたような追加のカメラを使用せずに得ることはできない。図6Bに示されるように、位置確認部材90と同様に構成されている位置確認部材691を利用して、ユーザー80の頭部の場所及び/又は向き並びに歯ブラシ400の場所及び/又は向きを、検出装置430に関して本明細書で論じられる画像データと共に得ることができる。
【0078】
図4A及び図4B、図5A及び図5B、並びに図6A及び図6Bに関して論じられる実施形態は、ユーザーの口腔衛生ルーチンを支援することができる。具体的には、実際の又は仮想のいずれかの口腔の視覚表示を提供することによって、ユーザー80は、洗浄されていない、又は残留している生物学的堆積物を口腔面上に有する、任意の口腔面を見ることができる。したがって、本発明の個人衛生機器は、ユーザー80の口腔衛生にいい意味で影響を与えることができる。ユーザー80に視覚フィードバックを提供しない実施形態では、提供されるフィードバック(例えば振動、視覚等)は、同様に、ユーザー80の口腔衛生にいい意味で影響を与えることができる。
【0079】
本発明の口腔衛生機器の実施形態を利用することの別の利益は、ユーザーがより効率的な及び/又はより完璧な口腔衛生ルーチンを習得することであり得る。例えば、受信ユニット40は、見逃された口腔面、又は所与の使用回数にわたり良好に洗浄されていない口腔面を追跡するように構成されてもよい。後続の口腔衛生ルーチンでは、受信ユニット40は、慣例的に良好に洗浄されていない領域を強調して、ディスプレイ装置30にデータを供給してもよい。強調領域のおかげで、ユーザーは、強調領域に洗浄作業を実施する際に、自らの口腔衛生ルーチンにもっと注意を払うことができる。
【0080】
一部の実施形態では、付加的な利益は、本明細書に記載の位置確認部材90、690、691が、ユーザーの歯科専門家にデータを転送することができることである。例えば、受信ユニット40は、ブラッシング、フロッシング、洗浄、及びこれらの組み合わせに関する画像データ及び/又は統計データを、評価を目的としてユーザーの歯科専門家に送信するために、インターネットを利用することが可能であり得る。したがって、外来診療中、歯科専門家はユーザーの個人的な口腔衛生ルーチンを考察し、それに沿って評価することができる。更に、他の実施形態は、携帯記憶装置と通信するように本明細書に記載の位置確認部材90、690、及び691を構成する。例えば、受信ユニット40は、ユーザーが(上述のような)画像データ及び/又は統計データを携帯記憶装置にダウンロードできるようにする、USBポートを備えていてもよい。この画像データ及び/又は統計データは、次に、ユーザーの個人衛生技法の評価を目的として歯科医に提示されることができ、又は歯科医がユーザー80の口腔状態を評価するのを支援することができる。更に、本明細書に記載の位置確認部材90、690、及び691が、複数の個人に関する複数の画像及び/又は統計データファイルを保存することができる実施形態が想到される。
【0081】
他の実施形態は、口腔面(例えば組織)の変化を経時的に追跡する能力を含む。例えば、本明細書に記載の位置確認部材90、690、及び691は、硬組織と軟組織とを比較するように構成されてもよい。所定の期間にわたり、位置確認部材は、特定の歯の歯肉ラインを比較するように、並びに示される軟組織の量に対する示される歯のエナメル質の量を測定するように、構成されてもよい。したがって、個人衛生機器100は、ユーザー又は歯科専門家による評価を目的として、歯茎の後退及び象牙質露出に関するデータを記録してもよい。この機能は、歯肉炎の早期発見に役立つ可能性がある。
【0082】
電磁エネルギー源420は、任意の好適な電磁エネルギー源であり得る。いくつかの非限定的な例は発光素子を含む。本発明では、多種多様な発光素子を使用できる。例えば、発光素子は、Lumileds Lighting,LLC(San Jose CA)により製造され、Luxeon(商標)の名称で市販されているもののような、小型で低消費電力の発光ダイオード(LED)であり得る。他の市販の発光素子には、American Opto Plus LED Corp.から販売されているもの、及びLiteOn Corp.から商標名LTL42TBKL14−1B2で販売されているものが挙げられる。LEDは、約0.1ボルト超過〜約9ボルトなどの、比較的低電圧の直流電源で作動できる。いくつかの実施形態では、LEDは、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6.0、6.5、7、7.5、8、8.5ボルト超過、及び/又は約9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、若しくは0.1ボルト未満の電圧で作動できる。発光素子は、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、10、15、20mm超過、及び/又は約20、15、10、8、7、6、5、4、3、2、若しくは1mm未満の直径を有し得る。
【0083】
更に、好適な電磁エネルギー源は、多種多様の強度のエネルギーを放出してよい。任意の好適な強度を用いてよい。LEDからのエネルギー放出の強度、束密度などの特定に用いることができる、いくつかのパラメータが存在する。例えば、標本歯面における束密度(FDRT:Flux Density at a Representative Tooth Surface)、立体角、半角、及び/又は視角内の総光束率、放出温度、及び電力散逸は、米国特許出願公開第2005/0053895号に記載される方法により測定可能であり、当該特許出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0084】
検出装置430(図4A〜図4B、図5A〜図5B、及び図6A〜図6Bに図示)は、歯ブラシ400の任意の好適な場所に配置され得る。例えば、検出装置430は、歯ブラシ400のヘッド、ネック、又はハンドルの中に配置されてもよい。検出装置430が歯ブラシ400の本体内に配置される実施形態もまた想到される。このような実施形態では、歯ブラシ400の本体は半透明材料で作製されてもよく、及び/又は歯ブラシ400は、歯ブラシ400本体の外側の場所からエネルギーを受け取る光ガイドを備えてもよい。更に、歯ブラシ400が、それぞれが特定波長の光の存在を検出するように選択され得る複数の検出装置を備える実施形態が想到される。複数の検出装置は、上述のような複数の電磁エネルギー源、及び/又は上述のような複数の検出剤と共に使用されてもよいし、あるいは独立して使用されてもよい。
【0085】
任意の好適な検出装置を利用することができる。例えば、上述のように、検出装置は、半導体フォトダイオード及び/又は光センサを備えていてもよい。好適な光センサの例は、No.TSL12Sの名称でTAOS,Inc.(Plano、Texas)から市販されている。
【0086】
洗浄要素領域410(図4A及び図4B、図5A及び図5B、並びに図6A及び図6Bに図示)は、歯ブラシの分野で既知の任意の好適な洗浄及び/又はマッサージ要素を含んでもよい。例えば、洗浄要素領域410の第1の部分はブリストルを備えていてもよく、洗浄要素領域410の第2の部分は、エラストマーの洗浄要素又はエラストマーのマッサージ要素を備えていてもよい。任意の好適な種類のブリストルを利用してもよく、任意の好適なエラストマーを利用してもよく、任意の構成のブリストル及び/又はエラストマーを利用してもよい。例えば、ブリストルは、研磨剤及び/若しくはスリップ剤(例えば、Teflon(登録商標))又はこれらの組み合わせを含んでもよい。ブリストルは円形断面を有していてもよく、又は多角形の断面を有していてもよい。ブリストル又はその一部分は、織縮されていてもよく、ディンプルを含んでいてもよく、先端が丸くてもよく、分割されて(flagged)いてもよく、又はこれらの組み合わせであってもよい。エラストマーは研磨剤及び/又は着色剤を含んでもよい。ブリストル、エラストマー、ブリストル及び/又はエラストマーの構成のいくつかの好適な例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,313,909号、同第5,565,206号、同第5,722,106号、同第5,906,834号、同第6,018,840号、同第5,735,011号;及び米国特許出願公開第2006/0085931号に提供されている。更に、洗浄要素領域410は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,553,604号及び米国特許出願公開第2007/0251040号に記載するような旋回要素を含んでもよい。
【0087】
更に、歯ブラシ400のハンドル及び/又はネックは、任意の好適な材料又は材料の組み合わせから、任意の好適な方法で構築されてもよい。例えば、歯ブラシ400は、ポリプロピレンを含む第1の部分と、エラストマーを含む第2の部分とを含んでもよい。ハンドル及び/又はネックに使用されるエラストマーは、ヘッドに利用される任意のエラストマー(存在する場合)と同じであっても異なっていてもよい。更に、歯ブラシ400の一部の実施形態は、米国特許出願公開第2005/0050659号に開示されているような、ブリストルキャリアに動きを付与するためのモーターを含むか、又は米国特許出願公開第2007/0251040号に開示されているような偏心分銅を有するモーターを含んでもよく、当該特許出願は共に参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0088】
剃毛の実施形態:
個人衛生機器の一部の実施形態は、個人衛生用具(例えば、個人衛生用具10、400)としてカミソリ、シェーバー又はトリマーを含む。このような実施形態では、受信ユニット(例えば、受信ユニット40)は、口腔衛生の代表的な実施形態を参照して本明細書に示されかつ上述されているように、カミソリ/シェーバー/トリマー、並びにユーザーの顔及び/又は体に関して収集された位置データに基づいて、個人衛生ルーチン中のユーザーの顔の毛又は体毛の手入れ状態(例えば、トリミングされていない、トリミングされた又は剃毛された)を追跡及びモニターすることができる。更に、受信ユニットは、画像データをディスプレイ装置(例えば、ディスプレイ装置30)に供給することができ、ディスプレイ装置は、ユーザーの顔及び/又は体、並びに及びトリミングされた毛及びトリミングされていない毛の両方の有無の視覚表示(例えば、仮想表示300、600)を提供する。
【0089】
これまで詳細に論じられたように、指定された特徴の認識によって、位置確認部材(例えば、位置確認部材90、690、691)は、ユーザーの顔及び/又は体、並びに個人衛生用具を認識することができる。非限定的な例として、カメラ(例えば、カメラ20)は、ユーザーの顔及び/又は体に関する画像データを受信ユニット(例えば、受信ユニット40)に送信することができる。画像データ及び選択された指定された特徴に基づき、受信ユニットは、ユーザーの顔及び/又は体の場所/向きを判定することができる。同様に、カメラはまた、カミソリ/シェーバー/トリマーに関する画像データを受信ユニットに送信することができる。画像データ及び選択された指定された特徴に基づいて、受信ユニットは、カミソリ/シェーバー/トリマーの場所/向きを判定することができる。次に、剃毛若しくはトリミングルーチン、並びに/又はユーザーの顔の毛及び/若しくは体毛の手入れ状態を識別するために、受信ユニットは、カミソリ/シェーバー/トリマーの経路を追跡することができる。
【0090】
受信ユニットは画像データを処理し、この処理されたデータをディスプレイ装置に提供することができる。ディスプレイ装置に転送される画像データの種類に関わらず、ディスプレイ装置に提供される視覚表示は、ユーザーの個人衛生ルーチンを支援することができる。ディスプレイ装置は、ユーザーの顔及び/又は体のリアルタイム画像、受信ユニットに予め保存されているユーザーの顔及び/又は体の画像、男性又は女性ユーザーの一般的な顔及び/又は体の画像、あるいはユーザーの顔及び/又は体の擬似部分の視覚表示を提供することができる。視覚表示(例えば、視覚表示300、600)は、手入れ状態を示すために、顔及び/又は体の異なる色領域を含むことができる。例えば、ある実施形態では、第1の色(例えば、第1の色310、650)の顔及び/又は体の領域は、まだ剃毛されていない領域を表すことができ、第2の色(例えば、第2の色320、670)の顔及び/又は体の領域は、剃毛された領域を表すことができる。言うまでもなく、任意の色を第1の色及び第2の色に利用することができ、かかる色は互いから区別できなければならない。一部の実施形態では、剃毛又はトリミングされたが、効果的に剃毛又はトリミングされていない(例えば、シェーバーが接触したユーザーの顔及び/又は体の一部分に毛が依然として残っている)ユーザーの顔及び/又は体の部分を示すために、第3の色を利用することができる。代替実施形態では、顔及び/又は体の特定部分の任意の数又は種類の状態を示すために、任意の数、種類、及び濃淡の色を利用することができる。
【0091】
本明細書に開示の剃毛/トリミング実施形態の利益は、ユーザーがより効率的な及び/又はより完璧な剃毛/トリミングルーチンを習得することであり得る。例えば、受信ユニットは、見逃された顔表面又は体表面、又は所与の使用回数にわたり効果的に剃毛又はトリミングされていない顔表面又は体表面を追跡するように構成され得る。後続の剃毛/トリミングルーチンでは、受信ユニットは、慣例的に見逃されている領域、又は効果的に剃毛若しくはトリミングされていない領域を強調して、データをディスプレイ装置に供給してもよい。強調領域のおかげで、ユーザーは、強調領域に剃毛/トリミング作業を実施する際に、自らの剃毛/トリミングルーチンにもっと注意を払うことができる。
【0092】
本明細書に開示の剃毛/トリミング実施形態の別の利益は、よりすっきりした及び/又は左右対称の外見を顔の毛又は体毛にもたらす剃毛/トリミングルーチンをユーザーが習得することであり得る。例えば、受信ユニットは、ユーザーの顔の右側及び左側を比較して、ユーザーの顔の毛の両側が均一で左右対称であるのを確実にするために、ユーザーの顔の毛を追跡するように構成されてもよい。ユーザーの顔の毛が左右均等でない場合、ディスプレイ装置はそのような不規則性を強調し、補正画像及び/又はインストラクション(例えば、ユーザーのもみあげの片方の長さがもう片方と異なっている)を提供することができる。更なる実施形態では、ユーザーが特定のスタイルの顔の毛又は体毛(例えば、ヤギひげ、口ひげ、あごひげ)を剃毛するときにユーザーを支援するために、剃毛及び/又はトリミングインストラクション一式をディスプレイ装置に表示することができる。
【0093】
洗顔及び身体洗浄の実施形態:
個人衛生機器の一部の実施形態は、洗浄用具(例えば、スポンジ及び/又は洗い布)を個人衛生用具(例えば、個人衛生用具10、400)として含む。このような実施形態では、受信ユニット(例えば、受信ユニット40)は、口腔衛生の代表的な実施形態を参照して本明細書に示されかつ上述されているように、洗浄用具、並びにユーザーの顔及び/又は体に関して収集された位置データに基づいて、個人衛生ルーチン中のユーザーの顔及び/又は体の洗浄状態(例えば、洗浄された又は洗浄されていない)を追跡及びモニターすることができる。更に、受信ユニットは、ユーザーの顔及び/又は体、並びにユーザーの顔及び/又は体の洗浄状態の視覚表示(例えば、仮想表示300、600)を提供するディスプレイ装置(例えば、ディスプレイ装置30)に画像データを提供することができる。
【0094】
これまで詳細に論じられたように、具体的に指定された特徴の認識によって、位置確認部材(例えば、位置確認部材90、690、691)は、ユーザーの顔及び/又は体、並びに個人衛生用具を認識することができる。非限定的な例として、カメラ(例えば、カメラ20)は、ユーザーの顔及び/又は体に関する画像データを受信ユニット(例えば、受信ユニット40)に送信することができる。画像データ及び選択された指定された特徴に基づき、受信ユニットは、ユーザーの顔及び/又は体の場所/向きを判定することができる。同様に、カメラはまた、洗浄用具に関する画像データを受信ユニットに送信することができる。画像データ及び選択された指定された特徴に基づき、受信ユニットは、洗浄用具の場所/向きを判定することができる。次に、洗浄ルーチン、並びに/又はユーザーの顔及び/若しくは体の洗浄状態を識別するために、受信ユニットは、洗浄用具の経路を追跡することができる。あるいは、カメラにより提供された画像データによって、受信ユニットは、物体認識を利用してユーザーの顔及び/又は体の洗浄状態を判定することもできる。
【0095】
受信ユニットは画像データを処理し、この処理されたデータをディスプレイ装置に提供することができる。ディスプレイ装置に転送される画像データの種類に関わらず、ディスプレイ装置に提供される視覚表示(例えば、視覚表示300、600)は、ユーザーの個人衛生ルーチンを支援することができる。ディスプレイ装置は、ユーザーの顔及び/又は体のリアルタイム画像、受信ユニットに予め保存されているユーザーの顔及び/又は体の画像、男性又は女性ユーザーの一般的な顔及び/又は体の画像、あるいはユーザーの顔及び/又は体の擬似部分の視覚表示を提供することができる。視覚表示は、洗浄状態を示すために、顔及び/又は体の異なる色領域を含むことができる。例えば、ある実施形態では、第1の色(例えば、第1の色310、650)の顔及び/又は体の領域は、まだ洗浄されていない領域を表すことができ、第2の色(例えば、第2の色320、670)の顔及び/又は体の領域は、洗浄された領域を表すことができる。言うまでもなく、任意の色を第1の色及び第2の色に利用することができ、かかる色は互いから区別できなければならない。一部の実施形態では、洗浄されたが、効果的に洗浄されていない(例えば、洗浄用具が接触したユーザーの顔及び/又は体の一部分に汚れ又は油が依然として残っている)ユーザーの顔及び/又は体の部分を示すために、第3の色を利用することができる。代替実施形態では、顔及び/又は体の特定部分の任意の数又は種類の状態を示すために、任意の数、種類、及び濃淡の色を利用することができる。
【0096】
本明細書に開示の洗浄実施形態の利益は、ユーザーがより効率的な及び/又はより完璧な洗浄ルーチンを習得することであり得る。例えば、受信ユニット(例えば、受信ユニット40)は、見逃された顔表面若しくは体表面、又は所与の使用回数にわたり効果的に洗浄されていない顔表面又は体表面を追跡するように構成されてもよい。後続の洗浄ルーチンでは、受信ユニットは、慣例的に見逃されている又は効果的に洗浄されていない領域を強調して、データをディスプレイ装置に供給してもよい。強調領域のおかげで、ユーザーは、強調領域に洗浄作業を実施する際に、自らの洗浄ルーチンにもっと注意を払うことができる。
【0097】
化粧品適用/除去の実施形態:
個人衛生機器の一部の実施形態は、個人衛生用具(例えば、個人衛生用具10、400)として化粧品ブラシ又はアプリケータを含む。このような実施形態では、受信ユニット(例えば、受信ユニット40)は、口腔衛生の代表的な実施形態を参照して本明細書に示されかつ上述されているように、化粧品ブラシ/アプリケータ、並びにユーザーの顔及び/又は体に関して収集された位置データに基づいて、個人衛生ルーチン中のユーザーの顔及び/又は体への化粧品の適用及び/又は除去状態を追跡及びモニターすることができる。更に、受信ユニットは、画像データをディスプレイ装置(例えば、ディスプレイ装置30)に供給し、ディスプレイ装置は、ユーザーの顔及び/又は体、並びにユーザーの顔及び/又は体の化粧品適用又は除去状態の視覚表示(例えば、視覚表示300、600)を提供する。
【0098】
これまで詳細に論じられたように、具体的に指定された特徴の認識によって、位置確認部材(例えば、位置確認部材90、690、691)は、ユーザーの顔及び/又は体、並びに個人衛生用具を認識することができる。非限定的な例として、カメラ(例えば、カメラ20)は、ユーザーの顔及び/又は体に関する画像データを受信ユニット(例えば、受信ユニット40)に送信することができる。画像データ及び選択された指定された特徴に基づき、受信ユニットは、ユーザーの顔及び/又は体の場所/向きを判定することができる。同様に、カメラはまた、ブラシ/アプリケータに関する画像データを受信ユニットに送信することができる。画像データ及び選択された指定された特徴に基づき、受信ユニットは、ブラシ/アプリケータの場所/向きを判定することができる。次に、化粧品適用若しくは除去ルーチン、並びに/又はユーザーの顔及び/若しくは体への適用若しくは除去状態を識別するために、受信ユニットは、ブラシ/アプリケータの経路を追跡することができる。あるいは、カメラにより提供された画像データによって、受信ユニットは、物体認識を利用してユーザーの顔及び/又は体の化粧品適用又は除去状態を判定することもできる。
【0099】
受信ユニットは画像データを処理し、この処理されたデータをディスプレイ装置に提供することができる。ディスプレイ装置に転送される画像データの種類に関わらず、ディスプレイ装置に提供される視覚表示(例えば、視覚表示300、600)は、ユーザーの個人衛生ルーチンを支援することができる。ディスプレイ装置は、ユーザーの顔及び/又は体のリアルタイム画像、受信ユニットに予め保存されているユーザーの顔及び/又は体の画像、男性又は女性ユーザーの一般的な顔及び/又は体の画像、あるいはユーザーの顔及び/又は体の擬似部分の視覚表示を提供することができる。視覚表示は、化粧品適用又は除去状態を示すために、顔及び/又は体の異なる色領域を含むことができる。例えば、ある実施形態では、第1の色(例えば、第1の色310、650)の顔及び/又は体の領域は、まだ化粧品が適用されていない領域を表すことができ、第2の色(例えば、第2の色320、670)の顔及び/又は体の領域は、化粧品が適用された領域を表すことができる。言うまでもなく、任意の色を第1の色及び第2の色に利用することができ、かかる色は互いから区別できなければならない。一部の実施形態では、化粧品が提供又は除去されたが、効果的に提供又は除去されていない(例えば、適用に際して、アプリケータが接触したユーザーの顔及び/又は体の特定部分に化粧品がまだ適用されていない)ユーザーの顔及び/又は体の部分を示すために、第3の色を利用することができる。代替実施形態では、顔及び/又は体の特定部分の任意の数又は種類の状態を示すために、任意の数、種類、及び濃淡の色を利用することができる。更に、個人衛生機器は、ユーザーの顔及び/又は体上の複数の様々な化粧品を一度に追跡することができる。
【0100】
本明細書に開示の化粧品適用及び除去実施形態の利益は、ユーザーがより効率的な適用及び/又は除去ルーチンを習得することであり得る。例えば、受信ユニット(例えば、受信ユニット40)は、見逃された顔表面若しくは体表面、又は所与の使用回数にわたり化粧品が効果的若しくは均一に適用されていない顔表面若しくは体表面を追跡するように構成されてもよい。後続の化粧品適用又は除去ルーチンでは、受信ユニットは、化粧品が慣例的に効果的に又は均一に適用されていない領域を強調して、データをディスプレイ装置(例えば、ディスプレイ装置30)に供給してもよい。強調領域のおかげで、ユーザーは、強調領域に適用又は除去作業を実施する際に、自らの化粧品適用ルーチンにもっと注意を払うことができる。
【0101】
本明細書に開示の化粧品適用又は除去の実施形態の別の利益は、ユーザーがより手際のよい及び/又は左右対称の化粧品の適用又は除去を提供するルーチンを習得することであり得る。例えば、受信ユニットは、ユーザーの顔の右側及び左側を比較して、ユーザーの化粧品適用の両側が均一で左右対称であるのを確実にするために、ユーザーの化粧品適用を追跡するように構成されてもよい。ユーザーの化粧品適用が左右均等でない場合、ディスプレイ装置はそのような不規則性を強調し、補正画像及び/又はインストラクション(例えば、ユーザーのまぶたの片方へのアイシャドウの適用がもう片方と異なっている)を提供することができる。
【0102】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「500nm」として開示された寸法は、「約500nm」を意味することを意図する。
【0103】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0104】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの個人衛生用具(10、400)を備える個人衛生機器(100)であって、前記個人衛生機器が、ユーザー及び前記個人衛生用具のうちの少なくとも1つの上の1つ以上の指定された特徴を識別するために物体認識を利用する少なくとも1つの位置確認部材(90、690、691)を更に備えることを特徴とする、個人衛生機器。
【請求項2】
前記1つ以上の指定された特徴が、ユーザーの少なくとも解剖学的ランドマークを含むことを特徴とする、請求項1に記載の個人衛生機器。
【請求項3】
前記1つ以上の指定された特徴が、ユーザーの少なくとも口腔ランドマークを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の個人衛生機器。
【請求項4】
前記1つ以上の指定された特徴が、個人衛生用具ランドマーク、色コントラスト、材質コントラスト、材料コントラスト、印刷された記号、印刷された形状、及び3次元形状のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の個人衛生機器。
【請求項5】
前記少なくとも1つの位置確認部材が、少なくとも1つのカメラ(20)を更に備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の個人衛生機器。
【請求項6】
前記少なくとも1つの位置確認部材が、マーカーレスの光学的認識を利用することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の個人衛生機器。
【請求項7】
前記少なくとも1つの位置確認部材が、前記少なくとも1つのカメラと信号通信する少なくとも1つのディスプレイ装置(30)を更に備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の個人衛生機器。
【請求項8】
前記少なくとも1つのカメラが歯ブラシの中に位置付けられる、請求項5〜7のいずれか一項に記載の個人衛生機器。
【請求項9】
前記ディスプレイ装置が、歯をブラッシングする順序を表示するように構成されることを特徴とする、請求項7に記載の個人衛生機器。
【請求項10】
前記ディスプレイ装置が、まだブラッシングされていない歯の画像を第1の色で、及びブラッシングされた歯の画像を第2の色で提供するように更に構成され、前記第1の色が前記第2の色と異なる、請求項9に記載の個人衛生機器。
【請求項11】
前記ディスプレイ装置が、ブラッシングされ、且つ除去されるべき残留生物学的堆積物を有する歯の画像を第3の色で提供するように構成され、前記第3の色が、前記第1の色及び前記第2の色と異なる、請求項9に記載の個人衛生機器。
【請求項12】
圧力センサ、速度センサ、及びブラッシングタイマーのうちの少なくとも1つを更に備える、請求項38に記載の個人衛生機器。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2012−509508(P2012−509508A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537503(P2011−537503)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2009/064079
【国際公開番号】WO2010/059484
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)