説明

個別作業の工場オペレーション登録システム

【課題】顧客の要求仕様に応じたソフトウエアのフレキシブルなセットアップを、製造工程において組み入れることができるようにする。
【解決手段】顧客に納入するコンピュータに対するソフトのセットアップ作業を受注す際に、上記コンピュータに対してセットアップすべきソフトを指定するためのページデータを、ユーザ端末に送信する。これに対してユーザ端末から、セットアップすべきソフトの指定データを受信し、注文識別情報に対応付けてデータ格納部に格納する。上記ページデータでは、予め定められたソフトである標準ソフトについての選択に加えて、当該標準ソフト以外のソフトである非標準ソフトを指定できるようになっている。また、上記ページデータ等において、非標準ソフトのセットアップに用いられる構築自動化ツールの実行ファイルのファイル名及び当該構築自動化ツールの設定データを含む設定ファイルのファイル名を指定できるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客に納入する機器のセットアップ作業を受注するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、顧客から、ある業務処理を実行するサーバの発注を受けると、図1に示すような業務フローでセットアップを実施していた。すなわち、工場において仕様に沿ったハードウエアとしてサーバを製造する(ステップS1000)。そして、工場では、仕様に沿ったオペレーティングシステム(OS)をインストールする(ステップS1100)。この後、サーバは顧客の設置先まで搬送され、指定の場所に設置される(ステップS1200)。
【0003】
そして、顧客の設置先において、発注を受けたシステム構築企業のシステムエンジニア等が、予め定められた標準的なアプリケーションである標準アプリケーションのうち要求仕様に沿った標準アプリケーションAのインストール及び設定作業を含むセットアップを行う(ステップS1300)。また、システムエンジニア等は、顧客からの要求に応じて特別に用意されたアプリケーションである非標準アプリケーションBのセットアップを行い(ステップS1400)、標準アプリケーションCのセットアップを行い(ステップS1500)、非標準アプリケーションDのセットアップを行う(ステップS1600)。なお、標準アプリケーションAから非標準アプリケーションCまでのセットアップの順番はサーバに正常動作を行わせる上で定められたものである。特に非標準アプリケーションのセットアップの場合には、スキルのあるシステムエンジニアが、その非標準アプリケーションと他のアプリケーションとサーバの構成等とから適切な設定を行いながらセットアップを行っている。
【0004】
これまではこのような業務フローを実施していたが、現在においては業務効率上の観点から、そしてセキュリティの観点から問題であるとされている。すなわち、システムエンジニアを、顧客の設置先に派遣しなければならず、そのためのコストが発生してしまう。また、顧客企業によっては、セキュリティの観点から、サーバの設置先に他社の人間を立ち入らせることを原則禁止している場合もあり、システムエンジニアでもサーバの設置先に立ち入ることが困難な場合もある。しかし、上で述べたようにセットアップすべきアプリケーションによってはスキルのあるシステムエンジニアがセットアップを行うことが好ましいので、問題となる。
【0005】
一方、ハードウエア製品を顧客の要求仕様に合わせて製造して販売するため、注文をオンラインで受け付けるといった技術が存在する。例えば、ネットワークを介してユーザからの注文を受け付けてユーザの運用方法にカスタマイズした製品を販売するためのカスタマイズ製品生産システムが存在している。このシステムでは、ユーザ情報、製品名を指示する情報、当該情報により指示された指示製品に関する運用方法を入力する部分を備えたGUI(Graphical User Interface)形式の画面フレームを含む、あらかじめ作成された第1のファイルと、ユーザからの要求により第1のファイルをネットワークを介して送信し、且つユーザによって第1のファイルを使用して入力された申し込み情報を受信する。この申し込み情報に基づいて、指示製品を構成する構成品あるいは関連する製品を列挙した発注伝票データを生成し、当該発注伝票データを備えるGUI形式の画面フレームを含む第2のファイルを送信してユーザからの確認情報を受信する。そして、発注情報、確認情報及び申し込み情報のいずれかあるいは組み合わせに基づいて発注伝票データを確定し、申し込み情報、発注伝票データ及び確認情報のいずれかあるいは組み合わせに基づいて、確定された発注伝票データに含まれる製品に関する初期設定データを生成する。また、生産ラインのネットワークに接続されたデータベースに上記確定した発注伝票データと初期設定データを格納する。そして、ユーザに、上記確定した発注伝票データを含む発注完了通知を送信する。しかしながら、ここで製品はプリンタを前提としており、上で述べたような問題を認識できない。また、初期設定データを生成するのは、製品生産システム側であり、ユーザ側が用意した任意のデータを製品に組み入れることができるわけではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−265348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上述べたように、従来技術では、顧客の要求仕様に応じたソフトウエアのフレキシブルなセットアップを、製造工程に組み入れることはできない。
【0008】
従って、本発明の目的は、一側面において、顧客の要求仕様に応じたソフトウエアのフレキシブルなセットアップを、製造工程において組み入れることができるようにするための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る受注処理方法は、顧客に納入するコンピュータに対するソフトウエアのセットアップ作業を受注する受注処理方法であって、(A)顧客に納入するコンピュータに対してセットアップすべきソフトウエアを指定するためのページデータを、注文元ユーザ端末に送信するステップと、(B)注文元ユーザ端末から、セットアップすべきソフトウエアの指定データを受信し、注文識別情報(案件識別子とも呼ぶ)に対応付けてデータ格納部に格納するステップとを含む。そして、上記ページデータでは、予め定められたソフトウエアである標準ソフトウエアについての選択に加えて、当該標準ソフトウエア以外のソフトウエアである非標準ソフトウエアを指定できるようになっている。また、上記ページデータ又は非標準ソフトウエアの指定に応じて送信される第2のページデータにおいて、非標準ソフトウエアのセットアップに用いられる構築自動化ツールの実行ファイルのファイル名及び当該構築自動化ツールの設定データを含む設定ファイルのファイル名を指定できるようになっている。さらに、上記指定データ又は当該指定データとは別に注文元ユーザ端末から送信される送信データに、構築自動化ツールの実行ファイルのファイル名及び構築自動化ツールの設定データを含む設定ファイルのファイル名が含まれている。そして、受注処理方法は、(C)構築自動化ツールの実行ファイルのファイル名及び構築自動化ツールの設定データを含む設定ファイルのファイル名を、注文識別情報及び非標準ソフトウエアの識別子に対応付けてデータ格納部に格納するステップをさらに含む。
【0010】
このように、非標準ソフトウエアについては、セットアップに用いられる構築自動化ツール及びその設定データを指定することができるようになる。そして、別途注文元ユーザから提供されるそれらのファイルで、顧客に納入するコンピュータに対して、非標準ソフトウエアを適切にセットアップできるようになる。すなわち、コンピュータの製造工程で、スキルのあるシステムエンジニアでなくともフレキシブルなセットアップが可能となる。
【0011】
また、(D)非標準ソフトウエアが指定された場合には、注文元ユーザ端末から、非標準ソフトウエアのセットアップに用いられる構築自動化ツールの実行ファイル及び当該構築自動化ツールの設定データを含む設定ファイルを受信し、非標準ソフトウエアの識別子及び注文識別情報に対応付けてファイル格納部に格納するステップをさらに含むようにしても良い。ファイルについては別途納入するのではなく、オンラインで送信するようにしても良い。
【0012】
さらに、上記ページデータ又は当該ページデータとは別に送信される第3のページデータにおいて、標準ソフトウエアの指定に応じて当該標準ソフトウエアのセットアップに用いられる設定データを含む第2の設定ファイルのファイル名を指定できるようになっている場合もある。この場合、上記指定データ又は当該指定データとは別に注文元ユーザ端末から送信される第2の送信データに、第2の設定ファイルのファイル名が含まれている場合もある。そうすると、本受注処理方法は、(E)第2の設定ファイルのファイル名を、指定された標準ソフトウエアの識別子及び注文識別情報に対応付けてデータ格納部に格納するステップと、(F)第2の設定ファイルのファイル名が指定された場合には、注文元ユーザ端末から、第2の設定ファイルを受信し、指定された標準ソフトウエアの識別子及び注文識別情報に対応付けてファイル格納部に格納するステップとをさらに含むようにしても良い。
【0013】
このように標準ソフトウエアについても、個別の設定を行わなければならない場合があるため、このように設定データを指定して納入すれば、製造工程でフレキシブルなセットアップが可能となる。
【0014】
さらに、上記ページデータにおいて、顧客に納入するコンピュータに対するセットアップを当該顧客に納入するコンピュータを製造する工場外から遠隔操作によって行うリモート構築を指定できるようになっている場合もある。そのような場合には、上記指定データに、リモート構築を表すデータを含むようにしてもよい。かなり複雑なセットアップが要求される場合においても、工場側にこのような手順の要求を行っておけば、対処できるようになる。
【0015】
また、本受注処理方法は、(G)上記指定データに応じて、上記指定データに含まれるセットアップすべきソフトウエアのセットアップ順番を指定するための第4のページデータを生成し、注文元ユーザ端末に送信するステップと、(H)注文元ユーザ端末から、セットアップ順番のデータを受信し、注文識別情報に対応付けてデータ格納部に格納するステップとをさらに含むようにしてもよい。このように、正しい順番でのセットアップを指示できるようになる。
【0016】
なお、上で述べたような処理を行わせるプログラムを作成することができ、そのプログラムは例えばフレキシブル・ディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納される。なお、処理途中のデータについては、コンピュータのメモリ等の記憶装置に一時保管される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、顧客の要求仕様に応じたソフトウエアのフレキシブルなセットアップを、製造工程において組み入れることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、従来の業務フローの一例を示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態における業務フローの概略を示す図である。
【図3】図3は、実施の形態における業務フローの詳細を示す図である。
【図4】図4は、システム構成図である。
【図5】図5は、事務局サーバの機能ブロック図である。
【図6】図6は、システム動作を説明するための図である。
【図7】図7は、システム動作を説明するための図である。
【図8】図8は、画面遷移を説明するための図である。
【図9】図9は、画面遷移を説明するための図である。
【図10】図10は、画面遷移を説明するための図である。
【図11】図11は、画面遷移を説明するための図である。
【図12】図12は、画面遷移を説明するための図である。
【図13】図13は、画面遷移を説明するための図である。
【図14】図14は、画面遷移を説明するための図である。
【図15】図15は、画面遷移を説明するための図である。
【図16】図16は、画面遷移を説明するための図である。
【図17】図17は、画面遷移を説明するための図である。
【図18】図18は、画面遷移を説明するための図である。
【図19】図19は、画面遷移を説明するための図である。
【図20】図20は、画面遷移を説明するための図である。
【図21】図21は、画面遷移を説明するための図である。
【図22】図22は、画面遷移を説明するための図である。
【図23】図23は、画面遷移を説明するための図である。
【図24】図24は、画面遷移を説明するための図である。
【図25】図25は、画面遷移を説明するための図である。
【図26】図26は、画面遷移を説明するための図である。
【図27】図27は、画面遷移を説明するための図である。
【図28】図28は、画面遷移を説明するための図である。
【図29】図29は、画面遷移を説明するための図である。
【図30】図30は、画面遷移を説明するための図である。
【図31】図31は、画面遷移を説明するための図である。
【図32】図32は、画面遷移を説明するための図である。
【図33】図33は、画面遷移を説明するための図である。
【図34】図34は、画面遷移を説明するための図である。
【図35】図35は、画面遷移を説明するための図である。
【図36】図36は、画面遷移を説明するための図である。
【図37】図37は、画面遷移を説明するための図である。
【図38】図38は、画面遷移を説明するための図である。
【図39】図39は、画面遷移を説明するための図である。
【図40】図40は、画面遷移を説明するための図である。
【図41】図41は、画面遷移を説明するための図である。
【図42】図42は、画面遷移を説明するための図である。
【図43】図43は、画面遷移を説明するための図である。
【図44】図44は、画面遷移を説明するための図である。
【図45】図45は、画面遷移を説明するための図である。
【図46】図46は、画面遷移を説明するための図である。
【図47】図47は、画面遷移を説明するための図である。
【図48】図48は、画面遷移を説明するための図である。
【図49】図49は、事務局サーバから発注管理サーバへ送られるデータを模式的に示す図である。
【図50】図50は、発注管理サーバから工場サーバへ送られるデータを模式的に示す図である。
【図51】図51は、コンピュータの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態における業務フローの概略を図2に示す。
【0020】
例えば、顧客から、ある業務処理を実行するサーバの発注を受けると、工場において仕様に沿ったハードウエアとしてサーバを製造する(ステップS1)。そして、工場では、仕様に沿ったOSをインストールする(ステップS3)。ここまでは従来と同じである。
【0021】
しかし、この後の行程が異なる。すなわち、工場では、作業員が、予め定められた標準的なアプリケーションである標準アプリケーションのうち要求仕様に沿った標準アプリケーションAのインストール及び設定作業を含むセットアップを行う(ステップS5)。本ステップでは、構築自動化ツールが用いられ、当該構築自動化ツールには、予めプールされているものを用いる。設定データについては、標準のものを採用する場合もあれば、サーバの発注に携わっている営業担当者やシステムエンジニア等が用意して納入したものを用いる場合もある。また、工場の作業員は、顧客からの要求に応じて特別に用意されたアプリケーションである非標準アプリケーションBのセットアップを行う(ステップS7)。本ステップで用いられる構築自動化ツール及び設定データ等には、サーバの発注に携わっている営業担当者やシステムエンジニア等が用意して納入したものを用いる。非標準アプリケーションB自体のファイルについても、サーバの発注に携わっている営業担当者やシステムエンジニア等から納入されたものを用いる場合もある。
【0022】
さらに、工場の作業員は、順番に、標準アプリケーションCのセットアップを行い(ステップS9)、非標準アプリケーションDのセットアップを行う(ステップS11)。標準アプリケーションAから非標準アプリケーションDまでのセットアップの順番も、サーバの発注に携わっている営業担当者やシステムエンジニア等からの指示に含まれる。
【0023】
このように、セットアップに用いられる構築自動化ツール及び設定データを揃えることによって、システムエンジニアほどスキルがあるとは言えない工場の作業員であっても、要求仕様に沿ったソフトウエアのセットアップを実施することができるようになる。要求仕様に含まれる全てのソフトウエアのセットアップが完了すれば、所定のテストを実施する場合もある。
【0024】
その後、注文に係るサーバを梱包して、配送業者によって顧客の設置先まで配送し、配送業者又は顧客自身が、設置先に設置する(ステップS13)。顧客は、マウス、キーボード、電源ケーブル、モニタ、ネットワークケーブル等の接続を行って、スイッチを入れればサーバは動作を開始する。
【0025】
このような業務フローに従えば、営業担当者やシステムエンジニア等は、工場作業員のための準備作業を行うだけで、顧客の設置先に出向かなくても済む。また、コストの削減にもつながっている。さらに、背景技術の欄で述べたように、顧客の設置先に立ち入ることもないので、セキュリティの面でも問題が発生することはない。
【0026】
このような業務フローを実際に実施する際には、例えば図3に示すような業務を各実施主体が順番に行う。
【0027】
まず、顧客企業の担当者は、例えばシステム構築企業の営業担当者に、要求仕様についてのデータを伝えて発注する(ステップ(1))。営業担当者は、担当システムエンジニアに対して、要求仕様を伝えると共に、工場でのセットアップで用いられるデータの作成を依頼する(ステップ(2))。担当システムエンジニアは、要求仕様においてセットアップが要求されているソフトウエアを特定し、その中に非標準ソフトウエアが存在する場合には、構築手順記録を実施する(ステップ(3))。構築手順記録には、例えば特開2004−78268号公報や特願2010−72741号に開示されているような技術を用いる。具体的には、操作手順を記録して、スクリプトファイル(構築自動化ツールに相当する)及び設定データを含む設定ファイルを生成するツールを用いる。このようなツールを用いることによって、特定のソフトウエアについて実施すべきセットアップについての操作を汎用的に構築自動化ツールとして記録すると共に、個別マシンについての設定(例えばIPアドレスなど)については設定データとして設定ファイルに保存することができる。設定ファイルをマシン毎に変えれば、同一のソフトウエアについてのセットアップには同一の構築自動化ツールを用いることができる。従って、ステップ(3)についても、以前に作成した構築自動化ツールがあれば、設定ファイルだけを作成する場合もある。
【0028】
さらに、担当システムエンジニアは、各種データを準備する(ステップ(4))。すなわち、要求仕様においてセットアップが要求されている標準ソフトウエアについても、設定データを用意すべき場合には、当該設定データを含む設定ファイルを作成する。さらに、ソフトウエアによってはセットアップの順番が問題となる場合もある。従って、ソフトウエアのセットアップの順番を含む順番情報をも作成する。なお、構築自動化ツールを用いてもセットアップできない又は困難な場合には、ネットワーク経由で担当システムエンジニア自身が遠隔操作で設定を行うリモート構築を行う場合もある。その場合には、順番情報には、このようなリモート構築も順番に含める。また、予めリモート構築に用いられるデータを作成する場合もある。
【0029】
このようにして担当システムエンジニアは、作業が完了すると、作成したデータを、営業担当者に引き渡す(ステップ(5))。営業担当者は、要求仕様及び担当システムエンジニアから得たデータに基づき、事務局に対して発注登録を行う(ステップ(6))。案件データ(顧客の識別情報等と、担当者情報と、構築自動化ツール及び設定ファイルのファイル名と、ハードウエアの構成情報と、ソフトウエアのセットアップ順序情報とを含む)と、セットアップに用いられる設定データ又は構築自動化ツール及び設定ファイルの組み合わせとを登録する。
【0030】
事務局は、適切なタイミングで、案件毎に、ハードウエアの発注を工場に対して行う(ステップ(7))。具体的には、ハードウエアの構成情報を工場に送る。また、事務局は、ソフトウエアのセットアップに用いられる構築データを工場に送信する(ステップ(8))。構築データは、セットアップの順序情報と、インストールデータ(具体的には、セットアップすべきソフトウエア自身のインストールファイル及び標準又は非標準の構築自動化ツール及び構築自動化ツールで用いられる設定ファイル)とを含む。
【0031】
工場の作業員は、ハードウエアの発注に応じて、ハードウエアの構成情報に従ってハードウエア(すなわちサーバ)の製造を行う(ステップ(9))。さらに、工場の作業員は、ソフトウエアのセットアップを行う(ステップ(10))。途中にリモート構築が組み込まれていれば、リモート構築前までのソフトウエアのセットアップまでを順序情報に従って、構築自動化ツール及び設定ファイルを用いて行う。
【0032】
リモート構築が順序情報に含まれれば、工場の作業員は、セットアップ中のマシンをリモート構築のためにネットワークに接続する(ステップ(11))。システムエンジニアは、ネットワーク経由で、リモート構築を実施する(ステップ(11))。作業の同期は、工場側とシステムエンジニア側とで、予め定められた手法で行う。例えば、工場の作業員側から時期について通知を行うようにしてもよい。
【0033】
リモート構築が完了すると、工場の作業員は、後半のソフトウエアのセットアップを実施する(ステップ(12))。セットアップの対象は異なるが、作業内容はステップ(10)と同じである。そして、セットアップが全て終わると、工場の作業員は、所定のテストを実施して(ステップ(13))、問題がないことが確認されると、サーバを梱包して、顧客企業の設置場所へ出荷する(ステップ(14))。顧客企業の担当者は、出荷されたサーバを受け取り、顧客企業の設置場所に運んで設置し、マウス、キーボード、モニタ、電源ケーブル、ネットワークケーブル等を接続し、電源を投入することで、運用を開始する。場合によってはテストを実施しても良い。
【0034】
このような業務フローを実施すれば、上でも述べたように、営業担当者やシステムエンジニア等は、工場作業員のための準備作業を行うだけで、顧客の設置場所に出向かなくても済む。また、コストの削減にもつながっている。さらに、顧客の設置場所に立ち入ることもないので、セキュリティの面でも問題が発生することはない。
【0035】
なお、上ではシステム構築企業に、事務局及び工場が属するケースを示しているが、同一企業内に属しなくても良い。例えば、事務局は、このようなシステムエンジニアなどの省力化サービスを提供する企業であってもよいし、工場もEMS(Electronics Manufacturing Service)のような企業であってもよいし、他の生産請負企業であってもよい。
【0036】
次に、上で説明した業務フローを実施する上で用いられるコンピュータシステムについて図4乃至図51を用いて説明する。
【0037】
インターネットや社内LAN(Local Area Network)などのネットワーク1には、営業担当者が操作する例えばパーソナルコンピュータである営業担当者端末3と、システムエンジニアが操作する例えばパーソナルコンピュータであるSE担当者端末9と、事務局が管理する事務局サーバ5と、事務局が管理する発注管理サーバ7と、工場が管理する工場サーバ11とが接続されている。リモート構築を行う場合には、ネットワーク1に、構築中のサーバ21等のマシンも接続させて、SE担当者端末9から遠隔操作を行ってセットアップを実施する。ネットワーク構成については様々な形態が可能であり、ここではこれ以上述べない。
【0038】
事務局サーバ5は、ネットワーク1を介して発注を受け付けるためのサーバであり、受け付けた発注のデータについては発注管理サーバ7に送信して登録する。また、発注管理サーバ7は、適切なタイミング又は工場サーバ11等からの要求に応じて、案件毎に、セットアップに用いられるデータをまとめて工場サーバ11などへ送信する。
【0039】
発注管理サーバ7は、案件DB71と、ソフトウエアDB72と、ハードウエアDB73と、設定ファイル格納部74と、標準構築自動化ツール格納部75と、非標準構築自動化ツール格納部76とを管理している。このようなデータ格納部によって発注のデータ等を管理すると共に工場サーバ11等にセットアップに使用される他のデータ(例えばインストールファイル、構築自動化ツール及び設定ファイルなど)を管理する。
【0040】
事務局サーバ5の機能ブロック図を図5に示す。事務局サーバ5は、ネットワーク1に接続されている端末に対するインタフェースであるWebサーバ部51と、案件データ格納部52と、インストールデータ格納部53と、登録処理部54とを有する。Webサーバ部51は、例えば営業担当者端末3から受信した受注案件のデータ(例えば、案件識別子(注文識別子とも呼ぶ)と、顧客識別情報、ハードウエアの構成情報、ソフトウエアの順序情報、ソフトウエアのセットアップで用いられるファイルのファイル名など)を、案件データ格納部52に格納する。また、Webサーバ部51は、例えば営業担当者端末3から受信した設定ファイルや構築自動化ツール及び設定ファイルを、インストールデータ格納部53に格納する。さらに、Webサーバ部51は、1受注案件のデータが揃うと、登録処理部54に指示して、登録処理部54は、案件データ格納部52とインストールデータ格納部53に格納されているデータを、発注管理サーバ7に送信する。
【0041】
発注管理サーバ7は、事務局サーバ5から受信した案件データを案件DB71に格納する。また、発注管理サーバ7は、ソフトウエアのセットアップに使用される設定ファイルを、案件識別子に対応付けて設定ファイル格納部74に格納する。なお、設定ファイルについては、対象となるソフトウエアの識別子とも何らかの方法で対応付けておく。なお、標準の設定ファイルがある場合には、対象となるソフトウエアの識別子との対応付けはなされている。また、非標準ソフトウエアについては、構築自動化ツールを受信するので、当該構築自動化ツールを、案件識別子に対応付けて非標準構築自動化ツール格納部76に格納する。なお、非標準ソフトウエアの構築自動化ツールについても、対象となるソフトウエアの識別子とも何らかの方法で対応付けておく。
【0042】
ソフトウエアDB72には、標準ソフトウエアであるOS、ミドルウェア、アプリケーションなどのインストールデータが格納されている。非標準ソフトウエアのインストールファイルも、受け取れば案件識別子及び非標準ソフトウエアの識別子に対応付けてこのDBに格納するものとする。また、ハードウエアDB73には、工場で生産できるハードウエアについてのデータを格納する。標準構築自動化ツール格納部75には、OS、ミドルウェア、アプリケーションなどの標準ソフトウエアのセットアップに用いられる構築自動化ツールのファイルを標準ソフトウエアの識別子に対応付けて格納している。
【0043】
次に、図6乃至図51を用いて、営業担当者端末3から事務局サーバ5へ発注案件についてのデータを登録する際の処理について説明する。
【0044】
例えば事務局サーバ5へのログイン後に、営業担当者端末3は、営業担当者からの指示に応じて、発注案件登録ページへアクセスする(ステップS21)。事務局サーバ5のWebサーバ部51は、営業担当者端末3からのアクセスに応じて、発注案件登録ページデータを、営業担当者端末3へ送信する(ステップS23)。営業担当者端末3は、発注案件登録ページデータを受信し、表示装置に表示する(ステップS25)。例えば、顧客の情報(名称、出荷先住所、連絡先など)、営業担当者名、担当システムエンジニア名などの案件識別情報を入力するようになっている。営業担当者は、このような案件データを入力し、送信を指示する。営業担当者端末3は、営業担当者から案件データの入力を受け付け、事務局サーバ5へ送信する(ステップS27)。事務局サーバ5のWebサーバ部51は、営業担当者端末3から案件識別情報を受信すると、例えば案件識別子を発行して、当該案件識別子に対応付けて案件データ格納部52に格納する(ステップS29)。その後、事務局サーバ5のWebサーバ部51と営業担当者端末3との間で、発注内容登録処理を実施する(ステップS31)。この発注内容登録処理については、図7乃至図48を用いて説明する。
【0045】
事務局サーバ5のWebサーバ部51は、ハードウエア及びOSについての基本構成データ入力ページデータを営業担当者端末3に送信する(ステップS41)。営業担当者端末3は、事務局サーバ5から、ハードウエア及びOSについての基本構成データ入力ページデータを受信し、表示装置に表示する(ステップS43)。営業担当者端末3の表示装置には、例えば図8に示すような画面が表示される。図8の例では、機種を選択するための機種選択欄が設けられている。ここで、機種選択欄をクリックすると、図9に示すようなプルダウンメニューが表示され、選択可能な機種名が列挙される。営業担当者は、要求仕様に合致する機種を選択してクリックする。ここでは図10に示すように、「RX300S5」という機種を選択したものとする。そうすると、例えば図11に示すように、OS選択欄が表示されるようになる。このOS選択欄をクリックすると、図12に示すようなプルダウンメニューが表示され、選択可能なOS名が列挙される。営業担当者は、要求仕様に合致するOSを選択してクリックする。ここでは図13に示すように、「OS3」というOSを選択したものとする。そうすると、例えば図14に示すように、オプションの選択欄及び追加ボタンが表示されるようになる。このオプションの選択欄をクリックすると、図15に示すようなプルダウンメニューが表示され、選択可能なオプションが列挙される。営業担当者は、要求仕様に合致するオプションを選択してクリックする。ここでは図16に示すように、LANカードをオプションとして選択したものとする。
【0046】
そして、さらにオプションを追加する場合には、追加ボタンをここでクリックする。そうすると、図17に示すように、オプションの選択欄が追加される。このオプションの選択欄をクリックすると、図18に示すようなプルダウンメニューが表示され、選択可能なオプションが列挙される。営業担当者は、要求仕様に合致するオプションを選択してクリックする。ここでは図19に示すように、増設メモリ4GBをオプションとして選択したものとする。
【0047】
そして、さらにオプションを追加する場合には、追加ボタンをここでクリックする。そうすると、図20に示すように、オプションの選択欄が追加される。但し、これ以上オプションを追加しなくても良いということが分かり、基本構成についての入力が終わったとする。そうすると、「次へ」ボタンをクリックして、入力データの送信及び次にソフトウエアのセットアップ開始を指示する。
【0048】
なお以上の入力処理については、例えばJavascript(Sun Microsystems社の商標)などで事務局サーバ5と営業担当者端末3との通信を行わずに実施するような例を示したが、入力する毎にデータを事務局サーバ5へ送信し、その応答としてさらなる入力欄を含むページデータを事務局サーバ5から受信して表示するような処理の繰り返しを行うようにしても良い。このことは以下でも同様である。
【0049】
図7の処理の説明に戻って、営業担当者端末3は、営業担当者からの上で述べたような基本構成データの入力を受け付け、事務局サーバ5へ送信する(ステップS45)。事務局サーバ5のWebサーバ部51は、基本構成データを営業担当者端末3から受信し、案件識別子に対応付けて案件データ格納部52に格納する(ステップS47)。基本構成データは、ハードウエアの構成情報とOSの構成情報を含む。以下、OSの構成情報は、ハードウエアの構成情報に含まれることとする。また、事務局サーバ5のWebサーバ部51は、構築作業発注データ入力ページデータを生成し、営業担当者端末3に送信する(ステップS48)。営業担当者端末3は、事務局サーバ5から構築作業発注データ入力ページデータを受信し、表示装置に表示する(ステップS49)。営業担当者端末3の表示装置には、例えば図21に示すような画面が表示される。なお、オプションについては、選択機種に適合する型番に置換されているが、このためのデータベースを事務局サーバ5に設けても良いし、発注管理サーバ7へ問い合わせるようにしても良い。例えばハードウエアDB73から該当する型番を読み出して通知しても良い。但し、この部分は本実施の形態の主要部ではないのでこれ以上述べない。
【0050】
図21の例では、追加構築作業選択欄が設けられている。ここで、追加構築作業選択欄をクリックすると、図22に示すようなプルダウンメニューが表示され、選択可能な構築作業名が列挙される。営業担当者は、要求仕様を満たすため構築作業を選択してクリックする。ここでは4つしか構築作業を示していないが、より多くの構築作業名を提示してもよい。なお、「非標準ソフトウエアのセットアップ」及び「リモート構築」といった本実施の形態特有の構築作業をもここで選択することができるようになる。ここでは図23に示すように、「ミドルウェアAのセットアップ」という構築作業を選択したものとする。ここで追加ボタンをクリックするとする。そうすると、例えば図24に示すように、設定ファイルの入力欄(図24では「設定情報のファイル」の入力欄)が表示されるようになる。ここでこの入力欄にカーソルを移動させて、設定ファイルのファイル名を指定する。ファイル名をディレクトリ表示から選択するような形であっても良い。図25に示すように、ファイル名を入力すると、登録ボタンをクリックする。
【0051】
そうすると、営業担当者端末3は、例えば、構築作業名又はソフトウエア名(若しくは構築作業の識別子又はソフトウエアの識別子)と共に設定ファイルを、事務局サーバ5に送信する。事務局サーバ5のWebサーバ部51は、営業担当者端末3から、構築作業名又はソフトウエア名等と共に設定ファイルを受信し、案件識別子に対応付けてインストールデータ格納部53に格納する。設定ファイルのファイル名については、案件データ格納部52に案件識別子及びソフトウエアの識別子等と対応付けて格納する。そうすれば、後に該当ファイルを読み出しやすい。この段階ではなく、後にまとめて送信するようにしても良い。また、ここでは設定ファイルを送信するのではなく、設定ファイルのファイル名を送信して、後に設定ファイル自身を送信するようにしても良い。
【0052】
これに対して事務局サーバ5のWebサーバ部51は、次の追加構築作業の指定を行うためのページデータを生成して、営業担当者端末3へ送信する。営業担当者端末3は、事務局サーバ5から、当該ページデータを受信し、表示装置に表示する。営業担当者端末3の表示装置には、例えば図26に示すような画面が表示される。
【0053】
図26に示すように、次の追加構築作業選択欄が設けられている。ここで、追加された追加構築作業選択欄をクリックすると、図27に示すようなプルダウンメニューが表示され、選択可能な構築作業名が列挙される。営業担当者は、要求仕様を満たすため構築作業を選択してクリックする。ここでは図28に示すように、「アプリケーションBのセットアップ」という構築作業を選択したものとする。ここで追加ボタンをクリックするとする。そうすると、例えば図29に示すように、設定ファイルの入力欄(図29では「設定情報のファイル」の入力欄)が表示されるようになる。ここでこの入力欄にカーソルを移動させて、設定ファイルのファイル名を指定する。ファイル名をディレクトリ表示から選択するような形であっても良い。図30に示すように、ファイル名を入力すると、登録ボタンをクリックする。
【0054】
そうすると、営業担当者端末3は、例えば、構築作業名又はソフトウエア名(若しくは構築作業の識別子又はソフトウエアの識別子)と共に設定ファイルを、事務局サーバ5に送信する。事務局サーバ5のWebサーバ部51は、営業担当者端末3から、構築作業名又はソフトウエア名等と共に設定ファイルを受信し、案件識別子に対応付けてインストールデータ格納部53に格納する。設定ファイルのファイル名については、案件データ格納部52に案件識別子及びソフトウエアの識別子等と対応付けて格納する。そうすれば、後に該当ファイルを読み出しやすい。この段階ではなく、後にまとめて送信するようにしても良い。また、ここでは設定ファイルを送信するのではなく、設定ファイルのファイル名を送信し、後に設定ファイル自身を送信するようにしても良い。
【0055】
これに対して事務局サーバ5のWebサーバ部51は、次の追加構築作業の指定を行うためのページデータを生成して、営業担当者端末3へ送信する。営業担当者端末3は、事務局サーバ5から、当該ページデータを受信し、表示装置に表示する。営業担当者端末3の表示装置には、例えば図31に示すような画面が表示される。
【0056】
図31に示すように、次の追加構築作業選択欄が設けられている。ここで、追加された追加構築作業選択欄をクリックすると、図32に示すようなプルダウンメニューが表示され、選択可能な構築作業名が列挙される。営業担当者は、要求仕様を満たすため構築作業を選択してクリックする。ここでは図33に示すように、「非標準ソフトウエアのセットアップ」という構築作業を選択したものとする。そうすると、例えば図34に示すように、追加構築作業名称の入力欄が表示されるようになる。ここでこの入力欄にカーソルを移動させて、追加構築作業名称として「特殊業務アプリC」という名称が入力されたとする。ここで登録ボタンをクリックすると、図35に示すように、この非標準ソフトウエアのセットアップに用いる構築自動化ツールのファイル名と設定ファイルのファイル名(図35では「設定情報」)とを指定する欄が表示されるようになる。なお、追加構築作業名「非標準ソフトウエアのセットアップ」は、具体的なソフトウエア名に置換される。ここで、構築自動化ツールのファイル名及び設定ファイルのファイル名を指定する。ファイル名をディレクトリ表示から選択するような形であっても良い。図36に示すように、ファイル名を入力すると、登録ボタンをクリックする。
【0057】
そうすると、営業担当者端末3は、例えば、構築作業名又はソフトウエア名(若しくは構築作業の識別子又はソフトウエアの識別子)と共に構築自動化ツール及び設定ファイルを、事務局サーバ5に送信する。事務局サーバ5のWebサーバ部51は、営業担当者端末3から、構築作業名又はソフトウエア名等と共に構築自動化ツール及び設定ファイルを受信し、案件識別子に対応付けてインストールデータ格納部53に格納する。構築自動化ツール及び設定ファイルのファイル名については、案件データ格納部52に案件識別子及びソフトウエアの識別子等と対応付けて格納する。そうすれば、後に該当ファイルを読み出しやすい。この段階ではなく、後にまとめて送信するようにしても良い。また、ここでは構築自動化ツール及び設定ファイルを送信するのではなく、構築自動化ツールのファイル名及び設定ファイルのファイル名を送信し、後にファイル自身を送信するようにしても良い。
【0058】
これに対して事務局サーバ5のWebサーバ部51は、次の追加構築作業の指定を行うためのページデータを生成して、営業担当者端末3へ送信する。営業担当者端末3は、事務局サーバ5から、当該ページデータを受信し、表示装置に表示する。営業担当者端末3の表示装置には、例えば図37に示すような画面が表示される。
【0059】
図37に示すように、次の追加構築作業選択欄が設けられている。ここで、追加された追加構築作業選択欄をクリックすると、図38に示すようなプルダウンメニューが表示され、選択可能な構築作業名が列挙される。営業担当者は、要求仕様を満たすため構築作業を選択してクリックする。ここでは図39に示すように、「リモート構築」という構築作業を選択したものとする。リモート構築の場合には、設定ファイルは存在しないので、追加ボタンをクリックすると、図40に示すように、次の追加構築作業選択欄が設けられる。ここでは、これ以上追加構築作業は存在しないので、「次へ」ボタンをクリックするものとする。
【0060】
このように、営業担当者端末3は、営業担当者から、セットアップすべきソフトウエア等のデータと構築自動化ツール及び設定ファイル等の入力を受け付け、セットアップすべきソフトウエアのデータと指定された構築自動化ツール及び設定ファイルを、事務局サーバ5へ送信する(図7:ステップS51)。事務局サーバ5のWebサーバ部51は、セットアップすべきソフトウエア等のデータと構築自動化ツール及び設定ファイルとを受信し、セットアップすべきソフトウエア等のデータについては例えばメインメモリなどの記憶装置に格納すると共に、構築自動化ツール及び設定ファイルを案件識別子に対応付けてインストールデータ格納部53に格納する(ステップS53)。上で述べたように、ファイルのファイル名については、案件データ格納部52に案件識別子及びソフトウエアの識別子等と対応付けて格納する。そうすれば、後に該当ファイルを読み出しやすい。なお、何らかの方法で、対象となるソフトウエアの識別子と対応付けておく。
【0061】
ステップS48乃至S53については、上で述べたように何回か繰り返される場合もある。
【0062】
そして、事務局サーバ5のWebサーバ部51は、セットアップすべきソフトウエア名等を列挙した順序情報入力ページデータを生成して、営業担当者端末3へ送信する(ステップS55)。営業担当者端末3は、事務局サーバ5から、順序情報入力ページデータを受信し、表示装置に表示する(ステップS57)。営業担当者端末3の表示装置には、例えば図41に示すような画面が表示される。
【0063】
図41に示すように、これまでに選択した構築作業(リモート構築及びソフトウエア)のリストが表示されている。ここでは、順番を定義するため、「Up」ボタンと「Down」ボタンが設けられている。図42に示すように、ここでは「リモート構築」を選択したものとする。そうすると「リモート構築」は強調表示される。そして、「Up」ボタンをクリックすると、図43に示すように、1つ順番が繰り上げられる。さらに、「Up」ボタンをクリックすると、図44に示すように、さらに1つ順番が繰り上げられる。
【0064】
ここで、「特殊業務アプリC」を選択したものとする。そうすると、図45に示すように、「特殊業務アプリC」が強調表示される。そして、「Up」ボタンをクリックすると、図46に示すように、1つ順番が繰り上げられる。さらに、「Up」ボタンをクリックすると、図47に示すように、さらに1つ順番が繰り上げられる。順番の変更が完了すると、「次へ」ボタンをクリックする。そうすると、図48に示すように最終状態を提示する。ここで「完了」ボタンをクリックすると、このソフトウエア等の順番情報を送信することになる。
【0065】
すなわち、営業担当者端末3は、上で述べたような形で順序情報の入力を受け付け、当該順序情報(セットアップすべきソフトウエア等の順番)を事務局サーバ5へ送信する(ステップS59)。事務局サーバ5のWebサーバ部51は、営業担当者端末3から順序情報を受信し、案件識別子に対応付けて案件データ格納部52に格納する(ステップS61)。
【0066】
このような処理を行うことによって、発注内容を事務局サーバ5へ登録することができる。
【0067】
図6の説明に戻って、事務局サーバ5のWebサーバ部51は、営業担当者端末3へ発注完了通知を含むページデータを生成し、営業担当者端末3へ送信する(ステップS33)。営業担当者端末3は、発注完了通知を含むページデータを受信し、表示装置に表示する(ステップS35)。これによって営業担当者は、正常に発注データが登録されたことを認識することができるようになる。また、事務局サーバ5のWebサーバ部51は、登録処理部54に案件識別子を含む登録指示を出力する。そうすると、登録処理部54は、案件識別子で案件データ格納部52を検索して案件データ格納部52から該当する案件データを読み出し、さらに案件識別子とソフトウエアの識別子等とを用いてインストールデータ格納部53から設定ファイル及び構築自動化ツールのファイルを抽出して、発注管理サーバ7へ送信する(ステップS37)。なお、ファイル名も案件データに含まれる場合には、インストールデータ格納部53から読み出す際に用いることができ、さらに確認にも用いることができる。
【0068】
例えば、図49に示すようなデータを、発注管理サーバ7へ送信する。図49に示すように、案件データ(顧客識別情報、ハードウエアの構成情報、ソフトウエアの順序情報等)と、ミドルウェアAの設定ファイルと、アプリケーションBの設定ファイルと、特殊業務アプリケーションCの構築自動化ツールと、特殊業務アプリケーションCの設定ファイルとを送信する。なお、上で述べた処理フローでは、特殊業務アプリケーションCのインストールファイルについては、営業担当者端末3から事務局サーバ5へ送信する処理については述べなかった。これは特殊業務アプリケーションCのインストールファイルのサイズが大きい場合があるためである。このような場合には後日事務局へ郵送する等して送付する。サイズが小さい場合にはオンラインで、事務局サーバ5へ送信し、事務局サーバ5から発注管理サーバ7へ送信するようにしても良い。
【0069】
発注管理サーバ7は、適切なタイミングで、工場サーバ11等へ送信する。この際には、例えば図50に示すようなデータが送信される。案件データと、ミドルウェアAのインストールファイル(ソフトウエアDB72)と、ミドルウェアAの標準構築自動化ツール(標準構築自動化ツール格納部75)と、ミドルウェアAの設定ファイル(設定ファイル格納部74)と、アプリケーションBのインストールファイル(ソフトウエアDB72)と、アプリケーションBの標準構築自動化ツール(標準構築自動化ツール格納部75)と、アプリケーションBの(設定ファイル格納部74)と、特殊業務アプリケーションCのインストールファイル(ソフトウエアDB72)と、特殊業務アプリケーションCの非標準構築自動化ツール(非標準構築自動化ツール格納部76)と、特殊業務アプリケーションCの設定ファイル(設定ファイル格納部74)とを送信する。ハードウエアの構成情報については、別途送信される場合もある。なお、工場に納入する方法は、このような方法ではなく、指定されたソフトウエアの全てについてのセットアップ管理プログラムを生成して、ネットワーク1を介して送信するようにしても良いし、別途郵送などの方法を採用しても良い。
【0070】
工場では、図50に示すようなデータを用いて、仕様に合致したハードウエアに対してソフトウエアをセットアップする。リモート構築が順序情報に含まれる場合には、リモート構築より前のソフトウエアのセットアップが完了すれば、例えばネットワーク1に構築中サーバ21を接続して、担当システムエンジニアはSE担当者端末9から遠隔操作して複雑なセットアップを実施する。
【0071】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、機能ブロック図は一例であって必ずしも実際のプログラムモジュール構成と一致しない場合もある。また、処理フローについても処理結果が変化しない限り、処理順番を変更したり、並列実施するようにしても良い。また、ページデータの構成は多様であるから、営業担当者端末3と事務局サーバ5との間の通信態様は、実装によって変化するが、どのような実装であっても通信すべきデータについては上で述べたものと同様である。
【0072】
なお、上で述べた営業担当者端末3、事務局サーバ5、発注管理サーバ7、SE担当者端末9及び工場サーバ11は、コンピュータ装置であって、図51に示すように、メモリ2501とCPU2503とハードディスク・ドライブ(HDD)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施例における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。CPU2503は、アプリケーション・プログラムの処理内容に応じて表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、所定の動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、主としてメモリ2501に格納されるが、HDD2505に格納されるようにしてもよい。本技術の実施例では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはコンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及びアプリケーション・プログラムなどのプログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
【符号の説明】
【0073】
3 営業担当者端末 5 事務局サーバ
7 発注管理サーバ 9 SE担当者端末
11 工場サーバ
71 案件DB 72 ソフトウエアDB
73 ハードウエアDB 74 設定ファイル格納部
75 標準構築自動化ツール格納部
76 非標準構築自動化ツール格納部
51 Webサーバ部 52 案件データ格納部
53 インストールデータ格納部
54 登録処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客に納入するコンピュータに対するソフトウエアのセットアップ作業を受注する受注処理方法であって、
前記顧客に納入するコンピュータに対してセットアップすべきソフトウエアを指定するためのページデータを、注文元ユーザ端末に送信するステップと、
前記注文元ユーザ端末から、セットアップすべきソフトウエアの指定データを受信し、注文識別情報に対応付けてデータ格納部に格納するステップと、
を含み、
前記ページデータでは、予め定められたソフトウエアである標準ソフトウエアについての選択に加えて、当該標準ソフトウエア以外のソフトウエアである非標準ソフトウエアを指定できるようになっており、
前記ページデータ又は前記非標準ソフトウエアの指定に応じて送信される第2のページデータにおいて、前記非標準ソフトウエアのセットアップに用いられる構築自動化ツールの実行ファイルのファイル名及び当該構築自動化ツールの設定データを含む設定ファイルのファイル名を指定できるようになっており、
前記指定データ又は当該指定データとは別に前記注文元ユーザ端末から送信される送信データに、前記構築自動化ツールの実行ファイルのファイル名及び前記構築自動化ツールの設定データを含む設定ファイルのファイル名が含まれ、
前記構築自動化ツールの実行ファイルのファイル名及び前記構築自動化ツールの設定データを含む設定ファイルのファイル名を、前記注文識別情報及び前記非標準ソフトウエアの識別子に対応付けて前記データ格納部に格納するステップ
をさらに含み、受注処理サーバにより実行される受注処理方法。
【請求項2】
前記非標準ソフトウエアが指定された場合には、前記注文元ユーザ端末から、前記非標準ソフトウエアのセットアップに用いられる構築自動化ツールの実行ファイル及び当該構築自動化ツールの設定データを含む設定ファイルを受信し、前記非標準ソフトウエアの識別子及び前記注文識別情報に対応付けてファイル格納部に格納するステップ
をさらに含む請求項1記載の受注処理方法。
【請求項3】
前記ページデータ又は当該ページデータとは別に送信される第3のページデータにおいて、前記標準ソフトウエアの指定に応じて当該標準ソフトウエアのセットアップに用いられる設定データを含む第2の設定ファイルのファイル名を指定できるようになっており、
前記指定データ又は当該指定データとは別に前記注文元ユーザ端末から送信される第2の送信データに、前記第2の設定ファイルのファイル名が含まれ、
前記第2の設定ファイルのファイル名を、指定された前記標準ソフトウエアの識別子及び前記注文識別情報に対応付けて前記データ格納部に格納するステップと、
前記第2の設定ファイルのファイル名が指定された場合には、前記注文元ユーザ端末から、前記第2の設定ファイルを受信し、指定された前記標準ソフトウエアの識別子及び前記注文識別情報に対応付けてファイル格納部に格納するステップと、
をさらに含む請求項1又は2記載の受注処理方法。
【請求項4】
前記ページデータにおいて、前記顧客に納入するコンピュータに対するセットアップを当該顧客に納入するコンピュータを製造する工場外から遠隔操作によって行うリモート構築を指定できるようになっており、
前記指定データに、前記リモート構築を表すデータを含む
請求項1乃至3のいずれか1つ記載の受注処理方法。
【請求項5】
前記指定データに応じて、前記指定データに含まれるセットアップすべきソフトウエアのセットアップ順番を指定するための第4のページデータを生成し、前記注文元ユーザ端末に送信するステップと、
前記注文元ユーザ端末から、前記セットアップ順番のデータを受信し、前記注文識別情報に対応付けて前記データ格納部に格納するステップと、
をさらに含む請求項1乃至4のいずれか1つ記載の受注処理方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つを前記受注処理サーバに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
顧客に納入するコンピュータに対するソフトウエアのセットアップ作業を受注する受注処理装置であって、
前記顧客に納入するコンピュータに対してセットアップすべきソフトウエアを指定するためのページデータを、注文元ユーザ端末に送信する手段と、
前記注文元ユーザ端末から、セットアップすべきソフトウエアの指定データを受信し、注文識別情報に対応付けてデータ格納部に格納する手段と、
を含み、
前記ページデータでは、予め定められたソフトウエアである標準ソフトウエアについての選択に加えて、当該標準ソフトウエア以外のソフトウエアである非標準ソフトウエアを指定できるようになっており、
前記ページデータ又は前記非標準ソフトウエアの指定に応じて送信される第2のページデータにおいて、前記非標準ソフトウエアのセットアップに用いられる構築自動化ツールの実行ファイルのファイル名及び当該構築自動化ツールの設定データを含む設定ファイルのファイル名を指定できるようになっており、
前記指定データ又は当該指定データとは別に前記注文元ユーザ端末から送信される送信データに、前記構築自動化ツールの実行ファイルのファイル名及び前記構築自動化ツールの設定データを含む設定ファイルのファイル名が含まれ、
前記構築自動化ツールの実行ファイルのファイル名及び前記構築自動化ツールの設定データを含む設定ファイルのファイル名を、前記注文識別情報及び前記非標準ソフトウエアの識別子に対応付けて前記データ格納部に格納する手段
をさらに有する受注処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate


【公開番号】特開2012−37918(P2012−37918A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174358(P2010−174358)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(598057291)株式会社富士通エフサス (147)