健康ヒータ用Si合金素材及び健康ヒータ
【課題】小型で狭い室内にも設置でき、設備費や運転コストも安く、携帯も容易で、体の必要な部位を効率よく温めることができる健康ヒータ用Si合金素材及び健康ヒータを提供する。
【解決手段】健康ヒータ1は、セラミックス粉末及び/又はSi合金素材粉末を布生地に担持させてなる布生地層2と面状発熱体4間にSi:94.00〜99.99mass%、残部不可避的不純物からなり、電気抵抗率が0.01Ω−CM以下であるSi合金素材3を敷き詰めてなり、Si合金素材3を加熱して微量放射線若しくは遠赤外線を放射する。
【解決手段】健康ヒータ1は、セラミックス粉末及び/又はSi合金素材粉末を布生地に担持させてなる布生地層2と面状発熱体4間にSi:94.00〜99.99mass%、残部不可避的不純物からなり、電気抵抗率が0.01Ω−CM以下であるSi合金素材3を敷き詰めてなり、Si合金素材3を加熱して微量放射線若しくは遠赤外線を放射する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はSi合金素材や焼結セラミックス及び鉱石から発生する微量放射線や微量放射線若しくは遠赤外線の放射により体を温める電熱式の健康ヒータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に健康の促進や、あるいは腰痛や肩こり、膝の痛みなど体の痛い時に、温泉やサウナに入って体を温めて治療することが行なわれている。この温泉やサウナは、湯や蒸気により体を温めて全身の血行を高め、発汗作用を促進して老廃物を体外に排出させることにより治療効果が得られるものである。
【0003】
しかし、この特許文献1などに示される温泉やサウナは、体全身を暖めることに利用されるものであって、体の表面から温めるので内部まで温まるのに時間がかかり、また高温多湿の環境下で長時間入浴していると心臓に負担がかかり、湯疲れによる疲労も激しいため、体力が減退した者や高齢者等には過剰な負担があり、その利用には限界がある。
【0004】
この温泉やサウナは、体全身を暖めることに利用されるものであるため一定以上の空間が必要で、そのための設備・施設が必要であり、一般家屋に安価に、簡易に備えることはできなかった。また、旅行等の際に簡易にプライベートに利用することができる性格のものでもなかった。
【特許文献1】特開平5−269177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上の従来の問題点に鑑み、小型で狭い室内にも設置でき、設備費や運転コストも安く、携帯も容易で、体の必要な部位を効率よく温めることができる健康ヒータ及びこれに用いる健康ヒータ用Si合金素材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の健康ヒータ用Si合金素材は、Si:94.00〜99.99mass%、残部不可避的不純物からなり、電気抵抗率が0.01Ω−CM以下であることを特徴とする。
【0007】
P及びBを合計で100PPM以上含有するのが好ましい。
【0008】
Fe2.0〜8.0PPb、Ni30〜80PPb、Cu90〜400PPbのうち少なくとも1以上を含有することができる。
【0009】
さらにNa0.6〜1.0PPb、Mo0.3〜0.5PPb、Sb0.005〜0.12PPb、Cr0.05〜0.9PPb、W0.08〜0.2PPb、Zn0.1〜0.3PPb、Ta0.007〜0.02PPb、Co0.005〜0.01PPb、Au0.0076〜0.0064PPb、As0.03〜0.07PPbのうち少なくとも1以上を含有してもよい。
【0010】
本発明の健康ヒータ用Si合金素材の粉末を布生地に担持させてなる布生地層と面状発熱体間に本発明の健康ヒータ用Si合金素材を収納して健康ヒータとすることができる。
【0011】
焼結セラミックス粉末を布生地に担持させてなる布生地層と面状発熱体間に本発明の健康ヒータ用Si合金素材を収納して健康ヒータとすることができる。
【0012】
前記焼結セラミックスはSi:95%〜96%(mass%、以下同じ)、Ni:3.0%〜3.2%、Fe及びCrを総量で1.0%〜1.1%以上を含有し、残部不可避的不純物からなるようにすることができる。
【0013】
前記焼結セラミックスはSi:95%〜96%、Ni:3.0%〜3.2%、Fe及びCrを総量で1.0%〜1.1%、Mn:0.026%〜0.032%を含有し、残部不可避的不純物からなるようにすることができる。
【0014】
前記布生地層は、本発明の健康ヒータ用Si合金素材若しくは焼結セラミックスを粒径2μm以下に粉末化する工程と、粉末化したSi合金素材若しくは焼結セラミックスを印刷インクに混合する工程と、Si合金素材若しくは焼結セラミックスを混合した印刷インクを布生地に塗布する工程とにより得ることができる。
【0015】
前記布生地層をほぼ同一形状の2区画に分離し、前記布生地層の2区画によって前記面状発熱体を介して対向する外側が形成されてなる健康ヒータとしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の健康ヒータ用Si合金素材及び健康ヒータによれば、簡単な構造により、微量放射線若しくは遠赤外線を多量に放射して体を内部から直接温めて、血管を広げて血行を促進し、痛みの原因となる筋肉の緊張や老廃物を除去し、また乾燥した雰囲気で使用するので心臓に負担をかけることもない。
また本発明の健康ヒータは、小型の加熱装置で十分であり、設備費が安い上、消費する電力も少なく、個人の家庭などの狭い室内にも設置することができ、携帯も可能である。
また布生地層にSi合金素材粉末及び/又はセラミックス粉末層を設けるので、このセラミックス粉末層からも微量放射線若しくは遠赤外線が照射され、体全体を全方向から効率よく加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1(a)本発明の一実施の形態の健康ヒータの正面図、(b)本発明の一実施の形態の健康ヒータの分解平面図、(c)本発明の一実施の形態の健康ヒータの部分断面図、(d)図1(a)におけるA−A断面図、(e)本発明の一実施の形態の健康ヒータの部分分解模式図である。
【図2】本発明の一実施の形態の健康ヒータの分解平面図
【図3】本発明の一実施の形態の健康ヒータの断面模式図
【図4】本発明の実施例の健康ヒータ用Si合金素材を製造するための単結晶Si製造工程の模式図である。
【図5】本発明の実施例の健康ヒータ用Si合金素材を製造するための単結晶Si製造工程に関する他の模式図である。
【図6】Si中の不純物濃度と抵抗率との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施の形態の健康ヒータに用いる焼結セラミックスのX線成分分析データ図である。
【図8】本発明の一実施の形態の健康ヒータに用いる焼結セラミックスの他のX線成分分析データ図である。
【図9】本発明の比較例の健康ヒータに用いる焼結セラミックスのX線成分分析データ図である。
【図10】本発明の実施の形態の健康ヒータを構成する粒状化したSi合金素材の粒度分布の一例を示す。
【図11】本発明の実施の形態の健康ヒータを構成する粒状化したSi合金素材の粒度分布の他の例を示す。
【図12】本発明の実施の形態の健康ヒータを構成する粒状化したSi合金素材の粒度分布の別の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明の健康ヒータ用Si合金素材について説明する。
本発明の健康ヒータ用Si合金素材にSiの添加範囲:Siは加熱されることによって微量放射線若しくは遠赤外線を射出する温熱効果が得られると推定される。Siの含有量は、95PPb〜99.99PPbの範囲であり、95PPb未満では温熱効果が小さく、99.99PPbを超える場合には電気抵抗率が過大となり効果の向上は認められない。
【0019】
本発明の健康ヒータ用Si合金素材に電気抵抗率:電気抵抗率は0.01Ω−CM以下とする。電気抵抗率はが0.01Ω−CMを超える場合には、迅速に温熱効果を得ることが困難となる。
【0020】
P及びBを合計で100PPM以上含有するようにしてもよい。P及びBが合計で100PPM未満である場合には、電気抵抗が0.01Ω−CMを超えて過大となり、健康ヒータ用Si合金素材としての十分な温熱効果が期待できない。特に迅速に温熱効果を得ることが困難となる。
【0021】
さらにFe2.0〜8.0PPb,Ni30〜80PPb、Cu90〜400PPbのうち少なくとも1以上を含有することは許容される。
【0022】
Fe:Feは強度を高めるとともに耐食性を向上する効果を有する。Feの含有量は2.0〜8.0PPbの範囲であり、2.0PPb未満では強度を高める効果が小さく、8.0PPbを超えると温熱効果の向上に悪影響がある。
【0023】
Ni:Niは耐食性を向上する効果を有する。Niの含有量は3.0PPb〜3.2PPbの範囲であり、3.0PPb未満では耐食性を向上する効果が小さく、3.2PPbを超えると温熱効果の向上に悪影響がある。
【0024】
Cu:Cuは強度を高めるとともに耐食性を向上する効果を有し、また電気抵抗を低下する効果がある。Cuの含有量は90〜400PPbの範囲であり、90PPb未満では電気抵抗を低下する効果が小さく、400PPbを超えると温熱効果の向上に悪影響がある。
【0025】
さらにNa0.6〜1.0、Mo0.3〜0.5、Sb0.005〜0.12、Cr0.05〜0.9、W0.08〜0.2、Zn0.1〜0.3、Ta0.007〜0.02、Co0.005〜0.01、Au0.0076〜0.0064、As0.03〜0.07のうち少なくとも1以上を含有することは許容される。
【0026】
以上の本発明の健康ヒータ用Si合金素材の粉末及び/又は焼結セラミックスの粉末を布生地に担持させてなる布生地層と面状発熱体間に本発明の健康ヒータ用Si合金素材を収納して健康ヒータとすることができる。
【0027】
前記焼結セラミックスはSi:95%〜96%、Ni:3.0%〜3.2%、Fe及びCrを総量で1.0%〜1.1%以上を含有し、残部不可避的不純物からなるようにすることができる。
【0028】
以下、この焼結セラミックスの成分元素の添加範囲について説明する。
Si:Siは加熱されることによって微量放射線若しくは遠赤外線を射出する温熱効果が得られると推定される。Siの含有量は、95%〜96%の範囲であり、95%未満では温熱効果が小さく、96%を超えても効果の向上は認められない。
【0029】
Ni:Niは耐食性を向上する効果を有する。Niの含有量は3.0%〜3.2%の範囲であり、3.0%未満では耐食性を向上する効果が小さく、3.2%を超えると温熱効果の向上に悪影響がある。
【0030】
Fe及びCr:Fe及びCrは強度を高めるとともに耐食性を向上する効果を有する。Fe及びCrの含有量は総量で1.0%〜1.1%の範囲であり、1.0%未満では強度を高める効果が小さく、1.1%を超えると温熱効果の向上に悪影響がある。
Mn:Mnは強度を高めるとともに耐食性を向上する効果を有する。Mnの含有量は0.026%〜0.032%であり、0.032%を越えると温熱効果の向上に悪影響がある。
【0031】
次に、以下本発明の実施の一形態の健康ヒータを図1ないし図3を参照して詳細に説明する。
図1において健康ヒータ1は、Si合金素材粉末及び/又は焼結セラミックス粉末を布生地に担持させてなる布生地層2と面状発熱体4間にSi合金素材3を敷き詰めてなる。
【0032】
布生地2aには通常のフェルトを用いることができ、この布生地2aにSi合金素材粉末及び/又は焼結セラミックス粉末を混合したアルコールを塗布し乾燥して粒径2μm以下のSi合金素材粉末及び/又は焼結セラミックス粉末2bを担持した布生地層2を得ることができる。
布生地層2を得る手法としてシルク印刷を用いることができる。
シルク印刷とは、孔版をスクリーンとして印刷対象を覆い、孔からインクを付けて印刷する方法であり、シルクスクリーン、スクリーン印刷ともいう。
シルク印刷で使用するスクリーン版は、版が柔軟で印刷対象が布生地2aでも対応できること、印圧が少なくてすむこと、多様なインク種類に対応できることなど利点も多く、布への特殊印刷を行うことができる。
【0033】
面状発熱体4には電源ケーブル5が接続されており、電源ケーブル5を介する通電によって面状発熱体4が発熱する。
【0034】
前記布生地層2は、Si合金素材及び/又は焼結セラミックスを粒径2μm以下に粉末化する工程と、Si合金素材粉末及び/又は焼結セラミックス粉末を印刷インクに混合する工程と、Si合金素材粉末及び/又は焼結セラミックス粉末を混合した印刷インクを布生地2aに塗布する工程とにより得ることができる。
【0035】
図2,図3に示されるように、前記布生地層2をほぼ同一形状の2区画2b、2cに分離し、前記布生地層2の2区画2b、2cによって面状発熱体4を介して対向する外側面が形成されてなるようにし、さらにその外側をカバー6によって被覆して本発明の健康ヒータ1となすこともできる。
【実施例1】
【0036】
以下本発明の健康ヒータ用Si合金素材の実施例について説明する。
図4に示す単結晶Si製造工程を多結晶Si原料及びP及びBを石英坩堝1に投入して実施した。石英坩堝1内の状態を図5に示す。引き上げ率は92%、石英坩堝1内の残量は8%であった。
【0037】
図5において単結晶Siの引き上げ最終テール部分(A)、最終固化部(B)、坩堝内残留平均部分(C)とした場合の各部における抵抗率を実測した。その結果、(A)が0.01Ω/cm、(B)が0.0085Ω/cm、(C)が0.009Ω/cmであった。
この実測結果から(A)〜(C)の各部位が本発明の健康ヒータ用Si合金素材に該当する。
【0038】
次に(A)〜(C)の各部位における不純物量を分析した。その分析値を表1及び表2に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
表1及び表2に示すように最終テール部分(A)及び坩堝内残留平均部分(C)におけるSi合金が本発明の健康ヒータ用Si合金素材としてより好ましい。
斯かる(A)〜(C)の各部位におけるSi中の不純物濃度と抵抗率との関係を図6のグラフに基づき評価した。
【0041】
図6に示されるようにSi中のP及びB濃度と抵抗率とは以下の評価例1〜評価例5に示される関係がある。
評価例1
健康ヒータ用Si合金素材に該当する比抵抗値0.01Ω/cmのB濃度は以下のように評価する。
図6からBの原子数は 1.1×1019 atom/cc となる。
Siの原子量は28.1であり、 比重2.33であることから、アボガドロ数 6.023×1023atom/ccを用いて、Si1モルは28.1/2.33、すなわち12.06ccとなる。したがってSi1cc中の原子数は6.023×1023 /12.06、すなわち5×1023atom/ccとなる。
これらから、健康ヒータ用Si合金素材に該当する比抵抗値0.01Ω/cmのB濃度は、(1.1×1019 /5×1022 )×100% = 0.022% となり、この場合のSi濃度は99.978%となる。
評価例2
健康ヒータ用Si合金素材に該当する比抵抗値0.01Ω/cmのP濃度は
(1.5×1018 /5×1022)×100% = 0.01% となり、この場合のSi濃度は99.99%となる。
評価例3
健康ヒータ用Si合金素材に該当する比抵抗値0.001Ω/cmのB濃度は
(1.5×1020 /5×1022 )×100%= 0.3%となり、この場合のSi濃度は99.7%となる。
評価例4
健康ヒータ用Si合金素材に該当する比抵抗値0.001Ω/cmのP濃度は
(1.8.2×1019 /5×1022)×100% = 0.164% となり、この場合のSi濃度は99.836%となる。
評価例5
本発明の健康ヒータ用Si合金素材に該当し、P及びBが添加される時の濃度は図6グラフの交差点によって特定した場合には、2.7×1020(0.00046Ω/cm)であり、(2.7×1020 /5×1022)×100% =0.54%(P又はB)となり、、この場合のSi濃度は99.46%となる。
【0042】
次に図1に示す本発明の健康ヒータ1に用いる焼結セラミックス及びこれに対する比較例の焼結セラミックスの成分元素分析結果について説明する。
本発明の実施例及び比較例の焼結セラミックスにつきX線分析装置を用いて成分分析を行った。
実施例試料1の測定条件は管電圧が50.000kV、また管電流が1.225mA、リアルタイムが241.91秒、デッドタイムが39%、ライブタイムが145.64秒、計数率は4956Counts/秒、プリセットがライブタイム240.00秒、エネルギー範囲が0−41keV、PHAモードを標準とし、空気中で分析した。さらに光学系条件は、コリメータ:4.000mm、フィルタOpenとした。 図7に実施例試料1のX線成分分析データ図を示し、成分分析結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
実施例試料2の分析条件は管電圧が50.000kV、また管電流が1.225mA、リアルタイムが398.51秒、デッドタイムが39%、ライブタイムが240.00秒、計数率は4952Counts/秒、プリセットがライブタイム 240.00秒、エネルギー範囲が0−41keV、PHAモードを標準とし、空気雰囲気とした。た。さらに光学系条件は、コリメータ:4.000mm、フィルタOpenとした。図8に実施例試料2のX線成分分析データ図を示し、成分分析結果を表4に示す。
【表4】
【0045】
比較例試料の測定条件は管電圧が50.000kV、また管電流が0.775mA、リアルタイムが401.56秒、デッドタイムが40%、ライブタイムが240.00秒、計数率は4963Counts/秒、プリセットがライブタイム 240.00秒、エネルギー範囲が0−41keV、PHAモードを標準とし、雰囲気を空気とした。さらに光学系条件は、コリメータ:4.000mm、フィルタOpenとした。図9に比較例試料のX線成分分析データ図を示し、成分分析結果を表5に示す。
【表5】
【0046】
以上の実施例試料1、実施例試料2及び比較例試料を布生地に担持させてなる布生地層2と面状発熱体4間にSi合金素材3を敷き詰めて図1ないし図3に示す本発明の実施の形態の健康ヒータを構成した。
【0047】
この際、坩堝内残留平均部分(C)におけるSi合金を粉砕し、粒状化してSi合金素材3として用いた。その際の粒度分布を図10〜図12に示す。
その結果、実施例試料1、実施例試料2を用いた場合には、体を内部から直接温めて、血管を広げて血行を促進し、痛みの原因となる筋肉の緊張や老廃物を除去するという効果が認められた。しかし、比較例試料を用いた場合には充分に迅速な加温効果は得られなかった。
【0048】
なお以上の実施例では実施例試料1、実施例試料2を布生地に担持させてなる布生地層2を用いたが、図10〜図12に示す粒度分布の本発明のSi合金素材を布生地に担持させてなる布生地層2を用いることもできる。
【符号の説明】
【0049】
1・・・健康ヒータ、2・・・布生地層、4・・・面状発熱体、3・・・焼結セラミックス、2a・・・布生地、2b・・・焼結セラミックス粉末、5・・・電源ケーブル、6・・・カバー。
【技術分野】
【0001】
本発明はSi合金素材や焼結セラミックス及び鉱石から発生する微量放射線や微量放射線若しくは遠赤外線の放射により体を温める電熱式の健康ヒータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に健康の促進や、あるいは腰痛や肩こり、膝の痛みなど体の痛い時に、温泉やサウナに入って体を温めて治療することが行なわれている。この温泉やサウナは、湯や蒸気により体を温めて全身の血行を高め、発汗作用を促進して老廃物を体外に排出させることにより治療効果が得られるものである。
【0003】
しかし、この特許文献1などに示される温泉やサウナは、体全身を暖めることに利用されるものであって、体の表面から温めるので内部まで温まるのに時間がかかり、また高温多湿の環境下で長時間入浴していると心臓に負担がかかり、湯疲れによる疲労も激しいため、体力が減退した者や高齢者等には過剰な負担があり、その利用には限界がある。
【0004】
この温泉やサウナは、体全身を暖めることに利用されるものであるため一定以上の空間が必要で、そのための設備・施設が必要であり、一般家屋に安価に、簡易に備えることはできなかった。また、旅行等の際に簡易にプライベートに利用することができる性格のものでもなかった。
【特許文献1】特開平5−269177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上の従来の問題点に鑑み、小型で狭い室内にも設置でき、設備費や運転コストも安く、携帯も容易で、体の必要な部位を効率よく温めることができる健康ヒータ及びこれに用いる健康ヒータ用Si合金素材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の健康ヒータ用Si合金素材は、Si:94.00〜99.99mass%、残部不可避的不純物からなり、電気抵抗率が0.01Ω−CM以下であることを特徴とする。
【0007】
P及びBを合計で100PPM以上含有するのが好ましい。
【0008】
Fe2.0〜8.0PPb、Ni30〜80PPb、Cu90〜400PPbのうち少なくとも1以上を含有することができる。
【0009】
さらにNa0.6〜1.0PPb、Mo0.3〜0.5PPb、Sb0.005〜0.12PPb、Cr0.05〜0.9PPb、W0.08〜0.2PPb、Zn0.1〜0.3PPb、Ta0.007〜0.02PPb、Co0.005〜0.01PPb、Au0.0076〜0.0064PPb、As0.03〜0.07PPbのうち少なくとも1以上を含有してもよい。
【0010】
本発明の健康ヒータ用Si合金素材の粉末を布生地に担持させてなる布生地層と面状発熱体間に本発明の健康ヒータ用Si合金素材を収納して健康ヒータとすることができる。
【0011】
焼結セラミックス粉末を布生地に担持させてなる布生地層と面状発熱体間に本発明の健康ヒータ用Si合金素材を収納して健康ヒータとすることができる。
【0012】
前記焼結セラミックスはSi:95%〜96%(mass%、以下同じ)、Ni:3.0%〜3.2%、Fe及びCrを総量で1.0%〜1.1%以上を含有し、残部不可避的不純物からなるようにすることができる。
【0013】
前記焼結セラミックスはSi:95%〜96%、Ni:3.0%〜3.2%、Fe及びCrを総量で1.0%〜1.1%、Mn:0.026%〜0.032%を含有し、残部不可避的不純物からなるようにすることができる。
【0014】
前記布生地層は、本発明の健康ヒータ用Si合金素材若しくは焼結セラミックスを粒径2μm以下に粉末化する工程と、粉末化したSi合金素材若しくは焼結セラミックスを印刷インクに混合する工程と、Si合金素材若しくは焼結セラミックスを混合した印刷インクを布生地に塗布する工程とにより得ることができる。
【0015】
前記布生地層をほぼ同一形状の2区画に分離し、前記布生地層の2区画によって前記面状発熱体を介して対向する外側が形成されてなる健康ヒータとしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の健康ヒータ用Si合金素材及び健康ヒータによれば、簡単な構造により、微量放射線若しくは遠赤外線を多量に放射して体を内部から直接温めて、血管を広げて血行を促進し、痛みの原因となる筋肉の緊張や老廃物を除去し、また乾燥した雰囲気で使用するので心臓に負担をかけることもない。
また本発明の健康ヒータは、小型の加熱装置で十分であり、設備費が安い上、消費する電力も少なく、個人の家庭などの狭い室内にも設置することができ、携帯も可能である。
また布生地層にSi合金素材粉末及び/又はセラミックス粉末層を設けるので、このセラミックス粉末層からも微量放射線若しくは遠赤外線が照射され、体全体を全方向から効率よく加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1(a)本発明の一実施の形態の健康ヒータの正面図、(b)本発明の一実施の形態の健康ヒータの分解平面図、(c)本発明の一実施の形態の健康ヒータの部分断面図、(d)図1(a)におけるA−A断面図、(e)本発明の一実施の形態の健康ヒータの部分分解模式図である。
【図2】本発明の一実施の形態の健康ヒータの分解平面図
【図3】本発明の一実施の形態の健康ヒータの断面模式図
【図4】本発明の実施例の健康ヒータ用Si合金素材を製造するための単結晶Si製造工程の模式図である。
【図5】本発明の実施例の健康ヒータ用Si合金素材を製造するための単結晶Si製造工程に関する他の模式図である。
【図6】Si中の不純物濃度と抵抗率との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施の形態の健康ヒータに用いる焼結セラミックスのX線成分分析データ図である。
【図8】本発明の一実施の形態の健康ヒータに用いる焼結セラミックスの他のX線成分分析データ図である。
【図9】本発明の比較例の健康ヒータに用いる焼結セラミックスのX線成分分析データ図である。
【図10】本発明の実施の形態の健康ヒータを構成する粒状化したSi合金素材の粒度分布の一例を示す。
【図11】本発明の実施の形態の健康ヒータを構成する粒状化したSi合金素材の粒度分布の他の例を示す。
【図12】本発明の実施の形態の健康ヒータを構成する粒状化したSi合金素材の粒度分布の別の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明の健康ヒータ用Si合金素材について説明する。
本発明の健康ヒータ用Si合金素材にSiの添加範囲:Siは加熱されることによって微量放射線若しくは遠赤外線を射出する温熱効果が得られると推定される。Siの含有量は、95PPb〜99.99PPbの範囲であり、95PPb未満では温熱効果が小さく、99.99PPbを超える場合には電気抵抗率が過大となり効果の向上は認められない。
【0019】
本発明の健康ヒータ用Si合金素材に電気抵抗率:電気抵抗率は0.01Ω−CM以下とする。電気抵抗率はが0.01Ω−CMを超える場合には、迅速に温熱効果を得ることが困難となる。
【0020】
P及びBを合計で100PPM以上含有するようにしてもよい。P及びBが合計で100PPM未満である場合には、電気抵抗が0.01Ω−CMを超えて過大となり、健康ヒータ用Si合金素材としての十分な温熱効果が期待できない。特に迅速に温熱効果を得ることが困難となる。
【0021】
さらにFe2.0〜8.0PPb,Ni30〜80PPb、Cu90〜400PPbのうち少なくとも1以上を含有することは許容される。
【0022】
Fe:Feは強度を高めるとともに耐食性を向上する効果を有する。Feの含有量は2.0〜8.0PPbの範囲であり、2.0PPb未満では強度を高める効果が小さく、8.0PPbを超えると温熱効果の向上に悪影響がある。
【0023】
Ni:Niは耐食性を向上する効果を有する。Niの含有量は3.0PPb〜3.2PPbの範囲であり、3.0PPb未満では耐食性を向上する効果が小さく、3.2PPbを超えると温熱効果の向上に悪影響がある。
【0024】
Cu:Cuは強度を高めるとともに耐食性を向上する効果を有し、また電気抵抗を低下する効果がある。Cuの含有量は90〜400PPbの範囲であり、90PPb未満では電気抵抗を低下する効果が小さく、400PPbを超えると温熱効果の向上に悪影響がある。
【0025】
さらにNa0.6〜1.0、Mo0.3〜0.5、Sb0.005〜0.12、Cr0.05〜0.9、W0.08〜0.2、Zn0.1〜0.3、Ta0.007〜0.02、Co0.005〜0.01、Au0.0076〜0.0064、As0.03〜0.07のうち少なくとも1以上を含有することは許容される。
【0026】
以上の本発明の健康ヒータ用Si合金素材の粉末及び/又は焼結セラミックスの粉末を布生地に担持させてなる布生地層と面状発熱体間に本発明の健康ヒータ用Si合金素材を収納して健康ヒータとすることができる。
【0027】
前記焼結セラミックスはSi:95%〜96%、Ni:3.0%〜3.2%、Fe及びCrを総量で1.0%〜1.1%以上を含有し、残部不可避的不純物からなるようにすることができる。
【0028】
以下、この焼結セラミックスの成分元素の添加範囲について説明する。
Si:Siは加熱されることによって微量放射線若しくは遠赤外線を射出する温熱効果が得られると推定される。Siの含有量は、95%〜96%の範囲であり、95%未満では温熱効果が小さく、96%を超えても効果の向上は認められない。
【0029】
Ni:Niは耐食性を向上する効果を有する。Niの含有量は3.0%〜3.2%の範囲であり、3.0%未満では耐食性を向上する効果が小さく、3.2%を超えると温熱効果の向上に悪影響がある。
【0030】
Fe及びCr:Fe及びCrは強度を高めるとともに耐食性を向上する効果を有する。Fe及びCrの含有量は総量で1.0%〜1.1%の範囲であり、1.0%未満では強度を高める効果が小さく、1.1%を超えると温熱効果の向上に悪影響がある。
Mn:Mnは強度を高めるとともに耐食性を向上する効果を有する。Mnの含有量は0.026%〜0.032%であり、0.032%を越えると温熱効果の向上に悪影響がある。
【0031】
次に、以下本発明の実施の一形態の健康ヒータを図1ないし図3を参照して詳細に説明する。
図1において健康ヒータ1は、Si合金素材粉末及び/又は焼結セラミックス粉末を布生地に担持させてなる布生地層2と面状発熱体4間にSi合金素材3を敷き詰めてなる。
【0032】
布生地2aには通常のフェルトを用いることができ、この布生地2aにSi合金素材粉末及び/又は焼結セラミックス粉末を混合したアルコールを塗布し乾燥して粒径2μm以下のSi合金素材粉末及び/又は焼結セラミックス粉末2bを担持した布生地層2を得ることができる。
布生地層2を得る手法としてシルク印刷を用いることができる。
シルク印刷とは、孔版をスクリーンとして印刷対象を覆い、孔からインクを付けて印刷する方法であり、シルクスクリーン、スクリーン印刷ともいう。
シルク印刷で使用するスクリーン版は、版が柔軟で印刷対象が布生地2aでも対応できること、印圧が少なくてすむこと、多様なインク種類に対応できることなど利点も多く、布への特殊印刷を行うことができる。
【0033】
面状発熱体4には電源ケーブル5が接続されており、電源ケーブル5を介する通電によって面状発熱体4が発熱する。
【0034】
前記布生地層2は、Si合金素材及び/又は焼結セラミックスを粒径2μm以下に粉末化する工程と、Si合金素材粉末及び/又は焼結セラミックス粉末を印刷インクに混合する工程と、Si合金素材粉末及び/又は焼結セラミックス粉末を混合した印刷インクを布生地2aに塗布する工程とにより得ることができる。
【0035】
図2,図3に示されるように、前記布生地層2をほぼ同一形状の2区画2b、2cに分離し、前記布生地層2の2区画2b、2cによって面状発熱体4を介して対向する外側面が形成されてなるようにし、さらにその外側をカバー6によって被覆して本発明の健康ヒータ1となすこともできる。
【実施例1】
【0036】
以下本発明の健康ヒータ用Si合金素材の実施例について説明する。
図4に示す単結晶Si製造工程を多結晶Si原料及びP及びBを石英坩堝1に投入して実施した。石英坩堝1内の状態を図5に示す。引き上げ率は92%、石英坩堝1内の残量は8%であった。
【0037】
図5において単結晶Siの引き上げ最終テール部分(A)、最終固化部(B)、坩堝内残留平均部分(C)とした場合の各部における抵抗率を実測した。その結果、(A)が0.01Ω/cm、(B)が0.0085Ω/cm、(C)が0.009Ω/cmであった。
この実測結果から(A)〜(C)の各部位が本発明の健康ヒータ用Si合金素材に該当する。
【0038】
次に(A)〜(C)の各部位における不純物量を分析した。その分析値を表1及び表2に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
表1及び表2に示すように最終テール部分(A)及び坩堝内残留平均部分(C)におけるSi合金が本発明の健康ヒータ用Si合金素材としてより好ましい。
斯かる(A)〜(C)の各部位におけるSi中の不純物濃度と抵抗率との関係を図6のグラフに基づき評価した。
【0041】
図6に示されるようにSi中のP及びB濃度と抵抗率とは以下の評価例1〜評価例5に示される関係がある。
評価例1
健康ヒータ用Si合金素材に該当する比抵抗値0.01Ω/cmのB濃度は以下のように評価する。
図6からBの原子数は 1.1×1019 atom/cc となる。
Siの原子量は28.1であり、 比重2.33であることから、アボガドロ数 6.023×1023atom/ccを用いて、Si1モルは28.1/2.33、すなわち12.06ccとなる。したがってSi1cc中の原子数は6.023×1023 /12.06、すなわち5×1023atom/ccとなる。
これらから、健康ヒータ用Si合金素材に該当する比抵抗値0.01Ω/cmのB濃度は、(1.1×1019 /5×1022 )×100% = 0.022% となり、この場合のSi濃度は99.978%となる。
評価例2
健康ヒータ用Si合金素材に該当する比抵抗値0.01Ω/cmのP濃度は
(1.5×1018 /5×1022)×100% = 0.01% となり、この場合のSi濃度は99.99%となる。
評価例3
健康ヒータ用Si合金素材に該当する比抵抗値0.001Ω/cmのB濃度は
(1.5×1020 /5×1022 )×100%= 0.3%となり、この場合のSi濃度は99.7%となる。
評価例4
健康ヒータ用Si合金素材に該当する比抵抗値0.001Ω/cmのP濃度は
(1.8.2×1019 /5×1022)×100% = 0.164% となり、この場合のSi濃度は99.836%となる。
評価例5
本発明の健康ヒータ用Si合金素材に該当し、P及びBが添加される時の濃度は図6グラフの交差点によって特定した場合には、2.7×1020(0.00046Ω/cm)であり、(2.7×1020 /5×1022)×100% =0.54%(P又はB)となり、、この場合のSi濃度は99.46%となる。
【0042】
次に図1に示す本発明の健康ヒータ1に用いる焼結セラミックス及びこれに対する比較例の焼結セラミックスの成分元素分析結果について説明する。
本発明の実施例及び比較例の焼結セラミックスにつきX線分析装置を用いて成分分析を行った。
実施例試料1の測定条件は管電圧が50.000kV、また管電流が1.225mA、リアルタイムが241.91秒、デッドタイムが39%、ライブタイムが145.64秒、計数率は4956Counts/秒、プリセットがライブタイム240.00秒、エネルギー範囲が0−41keV、PHAモードを標準とし、空気中で分析した。さらに光学系条件は、コリメータ:4.000mm、フィルタOpenとした。 図7に実施例試料1のX線成分分析データ図を示し、成分分析結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
実施例試料2の分析条件は管電圧が50.000kV、また管電流が1.225mA、リアルタイムが398.51秒、デッドタイムが39%、ライブタイムが240.00秒、計数率は4952Counts/秒、プリセットがライブタイム 240.00秒、エネルギー範囲が0−41keV、PHAモードを標準とし、空気雰囲気とした。た。さらに光学系条件は、コリメータ:4.000mm、フィルタOpenとした。図8に実施例試料2のX線成分分析データ図を示し、成分分析結果を表4に示す。
【表4】
【0045】
比較例試料の測定条件は管電圧が50.000kV、また管電流が0.775mA、リアルタイムが401.56秒、デッドタイムが40%、ライブタイムが240.00秒、計数率は4963Counts/秒、プリセットがライブタイム 240.00秒、エネルギー範囲が0−41keV、PHAモードを標準とし、雰囲気を空気とした。さらに光学系条件は、コリメータ:4.000mm、フィルタOpenとした。図9に比較例試料のX線成分分析データ図を示し、成分分析結果を表5に示す。
【表5】
【0046】
以上の実施例試料1、実施例試料2及び比較例試料を布生地に担持させてなる布生地層2と面状発熱体4間にSi合金素材3を敷き詰めて図1ないし図3に示す本発明の実施の形態の健康ヒータを構成した。
【0047】
この際、坩堝内残留平均部分(C)におけるSi合金を粉砕し、粒状化してSi合金素材3として用いた。その際の粒度分布を図10〜図12に示す。
その結果、実施例試料1、実施例試料2を用いた場合には、体を内部から直接温めて、血管を広げて血行を促進し、痛みの原因となる筋肉の緊張や老廃物を除去するという効果が認められた。しかし、比較例試料を用いた場合には充分に迅速な加温効果は得られなかった。
【0048】
なお以上の実施例では実施例試料1、実施例試料2を布生地に担持させてなる布生地層2を用いたが、図10〜図12に示す粒度分布の本発明のSi合金素材を布生地に担持させてなる布生地層2を用いることもできる。
【符号の説明】
【0049】
1・・・健康ヒータ、2・・・布生地層、4・・・面状発熱体、3・・・焼結セラミックス、2a・・・布生地、2b・・・焼結セラミックス粉末、5・・・電源ケーブル、6・・・カバー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Si:94.00〜99.99mass%、残部不可避的不純物からなり、電気抵抗率が0.01Ω−CM以下であることを特徴とする健康ヒータ用Si合金素材。
【請求項2】
P及びBを合計で100PPM以上含有する請求項1記載の健康ヒータ用Si合金素材。
【請求項3】
Fe2.0〜8.0PPb、Ni30〜80PPb、Cu90〜400PPbのうち少なくとも1以上を含有する請求項1又は請求項2記載の健康ヒータ用Si合金素材。
【請求項4】
さらにNa0.6〜1.0PPb、Mo0.3〜0.5PPb、Sb0.005〜0.12PPb、Cr0.05〜0.9PPb、W0.08〜0.2PPb、Zn0.1〜0.3PPb、Ta0.007〜0.02PPb、Co0.005〜0.01PPb、Au0.0076〜0.0064PPb、As0.03〜0.07PPbのうち少なくとも1以上を含有する請求項1〜請求項3のいずれか一に記載の健康ヒータ用Si合金素材。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の健康ヒータ用Si合金素材の粉末を布生地に担持させてなる布生地層と面状発熱体間に請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の健康ヒータ用Si合金素材を収納してなることを特徴とする健康ヒータ。
【請求項6】
前記布生地層は、請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の健康ヒータ用Si合金素材を粒径2μm以下に粉末化する工程と、粉末化したSi合金素材を印刷インクに混合する工程と、Si合金素材を混合した印刷インクを布生地に塗布する工程とにより得られる請求項5に記載の健康ヒータ。
【請求項7】
焼結セラミックス粉末を布生地に担持させてなる布生地層と面状発熱体間に請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の健康ヒータ用Si合金素材を収納してなることを特徴とする健康ヒータ。
【請求項8】
前記焼結セラミックスはSi:95%〜96%(mass%、以下同じ)、Ni:3.0%〜3.2%、Fe及びCrを総量で1.0%〜1.1%以上を含有し、残部不可避的不純物からなる請求項7に記載の健康ヒータ。
【請求項9】
前記焼結セラミックスはSi:95%〜96%、Ni:3.0%〜3.2%、Fe及びCrを総量で1.0%〜1.1%、Mn:0.026%〜0.032%を含有し、残部不可避的不純物からなる請求項7に記載の健康ヒータ。
【請求項10】
前記布生地層は、焼結セラミックスを粒径2μm以下に粉末化する工程と、粉末化した焼結セラミックスを印刷インクに混合する工程と、焼結セラミックスを混合した印刷インクを布生地に塗布する工程とにより得られる請求項7〜請求項9のいずれか一に記載の健康ヒータ。
【請求項11】
前記布生地層をほぼ同一形状の2区画に分離し、前記布生地層の2区画によって前記面状発熱体を介して対向する外側が形成されてなる請求項7〜請求項10のいずれか一に記載の健康ヒータ。
【請求項1】
Si:94.00〜99.99mass%、残部不可避的不純物からなり、電気抵抗率が0.01Ω−CM以下であることを特徴とする健康ヒータ用Si合金素材。
【請求項2】
P及びBを合計で100PPM以上含有する請求項1記載の健康ヒータ用Si合金素材。
【請求項3】
Fe2.0〜8.0PPb、Ni30〜80PPb、Cu90〜400PPbのうち少なくとも1以上を含有する請求項1又は請求項2記載の健康ヒータ用Si合金素材。
【請求項4】
さらにNa0.6〜1.0PPb、Mo0.3〜0.5PPb、Sb0.005〜0.12PPb、Cr0.05〜0.9PPb、W0.08〜0.2PPb、Zn0.1〜0.3PPb、Ta0.007〜0.02PPb、Co0.005〜0.01PPb、Au0.0076〜0.0064PPb、As0.03〜0.07PPbのうち少なくとも1以上を含有する請求項1〜請求項3のいずれか一に記載の健康ヒータ用Si合金素材。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の健康ヒータ用Si合金素材の粉末を布生地に担持させてなる布生地層と面状発熱体間に請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の健康ヒータ用Si合金素材を収納してなることを特徴とする健康ヒータ。
【請求項6】
前記布生地層は、請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の健康ヒータ用Si合金素材を粒径2μm以下に粉末化する工程と、粉末化したSi合金素材を印刷インクに混合する工程と、Si合金素材を混合した印刷インクを布生地に塗布する工程とにより得られる請求項5に記載の健康ヒータ。
【請求項7】
焼結セラミックス粉末を布生地に担持させてなる布生地層と面状発熱体間に請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の健康ヒータ用Si合金素材を収納してなることを特徴とする健康ヒータ。
【請求項8】
前記焼結セラミックスはSi:95%〜96%(mass%、以下同じ)、Ni:3.0%〜3.2%、Fe及びCrを総量で1.0%〜1.1%以上を含有し、残部不可避的不純物からなる請求項7に記載の健康ヒータ。
【請求項9】
前記焼結セラミックスはSi:95%〜96%、Ni:3.0%〜3.2%、Fe及びCrを総量で1.0%〜1.1%、Mn:0.026%〜0.032%を含有し、残部不可避的不純物からなる請求項7に記載の健康ヒータ。
【請求項10】
前記布生地層は、焼結セラミックスを粒径2μm以下に粉末化する工程と、粉末化した焼結セラミックスを印刷インクに混合する工程と、焼結セラミックスを混合した印刷インクを布生地に塗布する工程とにより得られる請求項7〜請求項9のいずれか一に記載の健康ヒータ。
【請求項11】
前記布生地層をほぼ同一形状の2区画に分離し、前記布生地層の2区画によって前記面状発熱体を介して対向する外側が形成されてなる請求項7〜請求項10のいずれか一に記載の健康ヒータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−115310(P2011−115310A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274217(P2009−274217)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(507152899)エスエッチビー商事株式会社 (3)
【出願人】(509332486)KIC株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(507152899)エスエッチビー商事株式会社 (3)
【出願人】(509332486)KIC株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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