説明

健康美容器具

【課題】遠赤外線を利用した場合に比較して、高い健康促進効果を奏することが可能な新
規な健康美容器具を提供する。
【解決手段】テラヘルツ波を良く吸収するネフライトを含み、人体に接触する本体部と、本体部と連続した把持部とを有する、ブラシ又は美顔ローラー、さらには、テラヘルツ波を良く吸収するネフライトを含むフェイスマスクのような、健康美容器具を構成する。ネフライトは、平均粒径50μm以下0.1μm以上の粒子であるとよい。周波数略3.34THz及び略4.78THzにピークを有するテラヘルツ波を吸収するネフライトを用いるとよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシや美顔ローラー、フェイスマスクなどの健康美容器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、天然石が放射する遠赤外線に着目し、天然石を種々の健康美容器具に使用することが試みられている。例えば、特許文献1においては、ヘアーブラシのブラシ毛の先端にトルマリン粉末を付着させ、トルマリンが放射する遠赤外線によって頭皮等の血行を促進し、ブラシによる整髪効果に加えて育毛効果を奏するようなヘアーブラシが開示されている。
【0003】
また、特許文献2においては、遠赤外線放射器を内蔵し、この遠赤外線放射器が発生する遠赤外線を利用して人体のつぼなどを刺激して、人体を治療する治療器具が開示されている。
【0004】
しかしながら、いずれの場合においても使用する放射線は遠赤外線のみであり、その周波数領域が特定の範囲に限定されていることから、上述した血行促進の効果や治療効果は限られたものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−319341号公報
【特許文献2】実開平7−9361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、遠赤外線を利用した場合に比較して、高い健康促進効果を奏することが可能な新規な健康美容器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明は、テラヘルツ波を良く吸収するネフライトを含むことを特徴とする、健康美容器具に関する。
【0008】
本発明の健康美容器具によれば、人体に接触する本体部においてネフライトを含んでいる。このネフライトは、約4μm〜1mmの波長範囲にある遠赤外線の他に、約30μm〜3mmの波長範囲にあるテラヘルツ波を良く吸収する。したがって、ネフライトがテラヘルツ波を良く吸収するということは、テラヘルツ波を良く放射する性質を有することであると期待でき、人体の健康促進効果を図るものである。
【0009】
なお、本発明において、上記ネフライトは、必ずしもテラヘルツ波の周波数全域に亘る波を吸収することを要求されるものではない。上記ネフライトは、テラヘルツ波の周波数領域内であって、遠赤外線の周波数領域を除いた周波数領域内の波を少なくとも吸収すればよい。ネフライトが吸収するテラヘルツ波の周波数は、その大きさ(例えば、粒子径)や純度等に依存して決定される。なお、天然に存在するネフライトにおいては、その大きさ及び純度に関係なく、上述した周波数領域でテラヘルツ波を吸収することができる。テラヘルツ波を吸収することによって、テラヘルツ波を放射していると期待することができる。
【0010】
特に、平均粒径50μm以下0.1μm以上のネフライト粒子は、吸光度測定によって、周波数略3.34THz及び略4.78THzの二つのピークでテラヘルツ波を吸収する。そのため、平均粒径50μm以下0.1μm以上のネフライト粒子は、周波数略3.34THz及び略4.78THzに二つのピークを有するテラヘルツ波を放射すると考えられる。または、周波数略2.35THz及び略2.75THzにおいてピークを有するテラヘルツ波を吸収するネフライトを用いてもよい。テラヘルツ波の吸収ピークが少なくとも二つ以上あれば、広帯域にテラヘルツ波を放射することが期待できるので、血行促進効果や美顔効果、育毛・発毛効果などの健康・美容効果が増大すると期待できる。
【0011】
本発明の一態様において、前記健康美容器具はネフライトを含む、人体に接触するネフライトを含む本体部と、前記本体部と連続した把持部とを有することができる。このような構成の健康美容器具を作製することにより、前記健康美容器具をブラシや美顔ローラーとして上市することができる。
【0012】
上記健康美容器具をブラシとして構成する場合、前記本体部は、前記本体部から延在したブラシ毛を有し、前記ネフライトは、前記ブラシ毛の全体に含有されてなる。本態様においては、前記ブラシ毛の全体に含有されたネフライトからテラヘルツ波が頭皮に照射されるようになると期待できるので、例えば頭皮の血行促進効果を増大させることができ、また、髪の毛も活性化され相乗効果により顕著な育毛効果を奏することができるようになる。
【0013】
上記健康美容器具を美顔ローラーとして構成する場合、前記本体部はローラー部を構成し、前記ネフライトは、前記ローラー部の少なくとも表面に付着されるか、前記ローラー部自体をネフライトから構成する。本態様においては、前記ローラー部を人体の顔面に接触させて移動させることにより、ネフライトから放射されると期待できるテラヘルツ波による温熱効果及びつぼ刺激効果の相乗効果によって、顔面の血行等を促進することができ、しみやしわ、たるみやくすみを予防及び改善して、美顔効果を図ることができる。
【0014】
また、本発明の一態様において、前記健康美容器具はフェイスマスクとすることができる。この場合、前記フェイスマスクを人体の顔面上に載置するのみで、前記フェイスマスクからテラヘルツ波が顔面に対して放射されると期待できるので、同じく顔面の血行等を促進することができ、しみやしわ、たるみやくすみを予防及び改善して、美顔効果を図ることができる。また、ネフライトが付着したフェイスマスク及びイオン導入器を用いて、イオン導入を行うと、肌の結構が良くなり、美顔効果が期待できる。
【0015】
なお、ネフライトは、軟玉と称される場合もある。
【発明の効果】
【0016】
以上、本題明によれば、遠赤外線を利用した場合に比較して、高い健康促進効果を奏す
ることが可能な新規な健康美容器具を提供することができる。
【0017】
本発明のこれら、及び他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明のブラシの一例を示す平面図である。
【図2】図2は、本発明のブラシの一例を示す側面図である。
【図3】図3は、図1及び図2に示すブラシのブラシ毛部分を拡大して示す図である。
【図4】図4は、本発明の美顔ローラーの一例を示す側面図である。
【図5】図5は、本発明のフェイスマスクの一例を示す平面図である。
【図6】図6は、吸光度測定の結果を示すグラフである。
【図7】図7は、吸光度測定の他の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(ブラシ)
図1は、本発明のブラシの一例を示す平面図であり、図2は、同じく本発明のブラシの一例を示す側面図である。また、図3は、図1及び図2に示すブラシのブラシ毛部分を拡大して示す図である。
【0020】
図1及び図2に示すように、本例におけるブラシ10は、本体部11と、本体部11と連続した把持部12とを有している。また、本体部11には上方向に延在したブラシ毛111が植設されている。また、図3に示すように、ブラシ毛111と先端球112にはネフライトが含有されている。なお、ネフライトは、ブラシ毛111及び先端球112のどちらか一方に少なくとも含有されていれば、一定の効果が得られる。なお、ブラシ毛111の先端部は、先端球112のように、球状になっていなくてもよい。
【0021】
したがって、ブラシ10で頭髪をブラッシングした際に、ブラシ毛111と先端球112のネフライトから発せられる遠赤外線及びテラヘルツ波の相乗効果によって、整髪の際、整髪のみならず頭皮の血行促進効果を増大させることが期待でき、より顕著な育毛・発毛効果を奏することができるようになる。なお、ブラシ10は、頭髪以外に、顔や手、足、胴体など、血行促進効果を得たい箇所をボディブラッシングする際に用いてもよい。ここで、テラヘルツ波とは、ミリ波と赤外線の中間帯域にある電磁波のことをいい、一般的におおよそ0.1THz〜10THzの周波数(約30μm〜3mmの波長範囲)を有する。
【0022】
本体部11および把持部12は、例えばポリプロピレンや塩化ビニルなどの汎用の樹脂材料から構成することができる。また、ブラシ毛111および先端球112は、ネフライトの粉末を熱硬化性樹脂中に分散させることによって形成することができる。具体的には、液体状の熱硬化性樹脂に対してネフライト粉末を分散配合させた後、得られた複合樹脂組成物をブラシ毛111および先端球の形状にし、その後加熱硬化させることによって形成することができる。
【0023】
また、ネフライト粉末の大きさは、例えばミクロンオーダーとすることができる。
【0024】
上記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン及びポリイミドを例示することができる。
【0025】
また、上記熱硬化性樹脂に代えて、耐熱性に優れた熱可塑性樹脂、例えばABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂などを用いることができる。
【0026】
なお、上述のような熱硬化性樹脂を介することなく、ネフライトに対して孔加工を施し、形成された孔に対してブラシ毛111の先端を挿入して嵌合させ、上述のネフライト球112を形成することもできる。但し、本方法では、たとえば、微細なネフライト球を準備し、このネフライト球のそれぞれに対して孔加工を施す必要がある。
【0027】
しかしながら、ネフライト球をブラシ毛111に嵌合させる場合は、先端球112の総てがネフライトで構成されることになるので、ブラシ10から放射される遠赤外線及びテラヘルツ波の絶対量を増大させると期待できる。この結果、上述した頭皮の血行促進効果をより増大させることができ、育毛効果をより促進させることができる。
【0028】
(美顔ローラー)
図4は、本発明の美顔ローラーの一例を示す側面図である。図4に示すように、美顔口−ラー20は、本体部を構成するローラー部21と、このローラー部21と連続した把持部22とを含む。なお、ローラー部21は、把持部22に対して回転自在に取り付けられている。また、ローラー部21は全体がネフライトで構成されている。
【0029】
したがって、ローラー部21を人体の顔面に接触させて移動させることにより、ネフライトより放射されると期待できるテラヘルツ波による温熱効果及びつぼ刺激効果の相乗効果によって、顔面の血行等を促進することができ、しみやしわ、たるみやくすみを予防及び改善して、美顔効果を図ることができる。
【0030】
把持部22は、例えばポリプロピレンや塩化ビニルなどの汎用の樹脂材料から構成することができる。また、ある程度の重量を持たせ、美顔ローラー20自体に高級感を付与するに際しては、ステンレス等の金属材料から構成することができる。
【0031】
ローラー部21の全体をネフライトで構成させるに際しては、ネフライトの塊からローラー部21の形状を切り出すことによって形成することができる。
【0032】
ローラー部21自体をネフライトから構成することによって、美顔ローラー20から放射されると期待される遠赤外線及びテラヘルツ波の絶対量を表面にのみ付着させた場合よりも増大させることができる。この結果、顔面の血行をより促進させることができ、美顔効果を高めることができるのも本発明の大きな利点である。
【0033】
なお、ネフライトの粉末や粒状物、小さな塊などをローラー部21に固着させたり、ローラー部21の表面に付着させたりすることによって、ローラー部21をネフライトで構成することができる。なお、本発明においては、ローラー部21全体がネフライトで構成されていなくてもよく、ローラー部21の少なくとも一部がネフライトで構成されていれば、一定の効果が得られる。
【0034】
(フェイスマスク)
図5は、本発明のフェイスマスクの一例を示す平面図である。フェイスマスク30は、所望の形状に切断された不織布に、ネフライトの粉末を付着させて構成されている。たとえば、ベントナイトという粘土を精製したものを水で溶かした溶液を用い、当該溶液を接着剤として、不織布にネフライトの粉末を付着させるとよい。なお、接着剤は、特に限定されるものではない。ネフライト粉末の大きさは、例えばミクロンオーダーとすることができる。
【0035】
また、図5に示すように、フェイスマスク30は、顔面の眼に相当する位置において開口30Aが形成されており、口に相当する位置において開口30Bが形成されている。さらに、鼻に相当する位置に鼻パッド31が設けられている。さらに、フェイスマスク30の下部には、切り欠き30Cが形成されている。これによって、フェイスマスク30を顔面に載せた場合に、視界を確保することができるとともに、呼吸を確保することができる。さらに、切り欠き30Cによって、フェイスマスク30を顔面のカーブに合わせて載せることができ、フェイスマスク30と顔面との密着度合を高めることができる。
【0036】
したがって、フェイスマスク30から十分な量のテラヘルツ波が顔面に対して放射されると期待できるので、美顔ローラーと同様に顔面の血行等を促進することができ、しみやしわ、たるみやくすみを予防及び改善して、美顔効果を図ることができる。
【0037】
(ネフライト粉末の平均粒径)
ブラシ10、美顔ローラー20、及びフェイスマスク30に用いるネフライト粉末の平均粒径は、好ましくは、50μm以下0.1μm以上であるとよい。このような平均粒径を有するネフライト粉末は、吸光度測定によって、周波数略3.34THz及び略4.78THzの二つのピークでテラヘルツ波を吸収することを、本発明者は、確認した。そのため、平均粒径50μm以下0.1μm以上のネフライト粒子は、周波数略3.34THz及び略4.78THzに二つのピークを有するテラヘルツ波を放射すると考えられる。このような特徴を有するネフライト粉末は、少なくとも韓国の鉱脈から採取することができる。また、本発明者が韓国以外の鉱脈から採取したネフライト鉱石自体は、吸光度測定によって、周波数略2.35THz及び略2.75THzの二つのピークでテラヘルツ波を吸収することを、確認した。そのため、ネフライトの採掘場所などによっては、吸収するテラヘルツ波の周波数は異なる可能性がある。
【0038】
したがって、本発明において、ネフライト粉末が吸収するテラヘルツ波の周波数は特に限定されるものではない。少なくとも2カ所の周波数において、テラヘルツ波の吸収のピークを有すれば、広帯域にテラヘルツ波を放射していることが期待できることになる。したがって、本発明で使用するネフライトは、テラヘルツ波帯において、2カ所のピークでテラヘルツ波を吸収するとよい。
【0039】
なお、本願の出願段階において、テラヘルツ波の吸収を測定することができる器具は、一般に入手可能であった。しかし、テラヘルツ波の放射を測定することができる器具は、一般には入手困難である。しかも、放射を安定的かつ正確に測定することができる器具は未だ実用化されていないのが現実である。また、テラヘルツ波が吸収されているということは、テラヘルツ波を放射していると推定されるに過ぎず、テラヘルツ波の吸収をもってして、テラヘルツ波の放射とは断定できない状況である。しかし、本発明者は、テラヘルツ波を吸収するネフライトを用いれば、健康増進、美容増進、血行増進等が図られるは事実であり、実験によって確認している。したがって、本発明では、テラヘルツ波を吸収するネフライトとして発明を特定することとするが、テラヘルツ波を放射するネフライトを本発明に用いることを決して排除するものではない。
【0040】
本発明者は、地球上の全てのネフライトがテラヘルツ波を吸収するか否かについて、地質学的・化学的・物理的見地から分析したわけではない。したがって、本発明を実施するためには、たとえば、入手したネフライトの鉱石自体(又は粉末にしてペレット状に固めたもの)がテラヘルツ波を吸収しているか、若しくは、少なくとも二つのピークで吸収しているかを測定し、テラヘルツ波の吸収が確認できたネフライトを用いて、上記で説明した健康美容器具を製造すればよい。なお、テラヘルツ波の吸収は、大塚電子株式会社(大阪府枚方市招提田近3丁目26−3)製のテラヘルツ分光システムTR−1000を用いれば、確認可能である。ただし、ネフライトによるテラヘルツ波吸収の確認方法は、一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0041】
韓国で採取した健然石(登録商標)と呼ばれるネフライトを平均粒径325メッシュ(約44μm)となるように粉砕し、平均粒径略44μmのネフライト粒子を用いて、ブラシ毛111の先端に大きさ約1.5mmの先端球112を形成し、図1〜図3に示すようなブラシ10を形成した(実施例1)。また、ネフライト粒子を分散配合させる樹脂としてはナイロンを用いた。なお、ブラシ毛111及び先端球112におけるネフライトの配合割合は15%とした。
【0042】
また、ローラー部21に100%のネフライト(健然石(登録商標))を使用した美顔ローラー20を形成した(実施例2)。
【0043】
なお、比較のために図1〜図3に示すブラシにおいて、ネフライトを含有しないブラシ毛および先端球を有するブラシを準備した(比較例)。
【0044】
上述のようなブラシ及び美顔ローラーを、手の甲に対して5分間使用した前後の、手の甲の血液値(MBR値)を表1に示した。
【0045】
【表1】

【0046】
表1から明らかなように、ネフライトを有するブラシ及び美顔ローラーの、5分間の使用後における血流値の増大量は、ネフライトを有しないブラシの、5分間の使用後における血流値の増大量に比較して大きいことが分かる。したがって、ブラシ及び美顔ローラーに対し、上述のようにネフライトを含有もしくはネフライトで形成することにより、このネフライトからの遠赤外線及びテラヘルツ波の放射に起因して、手の甲の血液値が増大し、血行が促進されていることが分かる。
【0047】
また、ネフライト(健然石(登録商標))を平均粒径略44μmに粉砕してフェイスマスク30を製作した。精製水を含むプラセンタ美容液を浸したフェイスマスク30を用いて、イオン導入器を用いてイオン導入を行ったところ、肌の結構が良くなることが確認できた。すなわち、フェイスマスク30に付着しているネフライトから放射されるテラヘルツ波が、プラセンタ美容液の水分子の振動を活性化させ、振動が活性化した水分子を肌にイオン導入することによって、肌の水分子が振動して、結構が良くなったものを思われる。
【0048】
図6は、吸光度測定の結果を示すグラフである。図6に示す測定結果では、平均粒径略4μmのネフライト粉末の割合を5wt%となるようにして、ポリエチレンの粉末と混ぜて厚さ1mmの錠剤に成型し、テラヘルツ波の透過率を確認した。図6に示すグラフにおいて、横軸がテラヘルツ波の周波数を示し、縦軸が透過率(吸収率)を示す。図6に示す実験結果によって、略3.34THz及び略4.78THzに非常に強い吸収(透過)が確認できた。また、略5.17THzに若干の強い吸収(透過)が確認できた。したがって、平均粒径4μmのネフライト粉末は、吸光度測定により周波数略3.34THz及び略4.78THzにピークを有するテラヘルツ波を放射していることが期待できる。この測定結果により、平均粒径が4μmになるように粉砕したときに、吸光度測定により周波数略3.34THz及び略4.78THzにピークを有するネフライト粉末を用いることが好ましいことが確認できた。よって、ネフライト粉末の好ましい平均粒径は、50μm以下0.1μm以上であると推測される。
【0049】
図7は、吸光度測定の他の結果を示すグラフである。図7に示す測定結果の内、矢印で示すAは、韓国以外の鉱脈から採取されたネフライトの鉱石自体のテラヘルツ波の吸収を示す。図7に示すグラフにおいて、横軸がテラヘルツ波の周波数を示し、縦軸が透過率(吸収率)を示す。図7に示すように、周波数略2.35THz及び略2.75THzにおいて、吸収のピークが二つ存在していることが確認できた。
【0050】
なお、本発明者は、図6の測定で用いたネフライトと、図7の測定で用いたネフライトとは、X線解析の結果、同じ結晶構造を持つことを確認している。したがって、ネフライトの採掘場所によっては、吸収するテラヘルツの波長帯は異なる可能性があるが、少なくとも、本発明において、テラヘルツ波を吸収するネフライトを用いればよく、さらに、少なくとも二つのピークでテラヘルツ波を吸収するネフライトを用いればよいことが確認できた。
【0051】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、健康美容器具として、産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0053】
10 ブラシ
11 本体部
111 ブラシ毛
112 先端球
12 把持部
20 美顔ローラー
21 ローラー部
22 把持部
30 フェイスマスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネフライトを含む又はネフライトで作製された健康美容器具であって、
前記ネフライトは、テラヘルツ波を吸収すること特徴とする、健康美容器具。
【請求項2】
前記ネフライトは、平均粒径50μm以下0.1μm以上の粒子であることを特徴する、請求項1に記載の健康美容器具。
【請求項3】
前記ネフライトは、テラヘルツ波帯において、少なくとも2カ所のピークでテラヘルツ波を吸収することを特徴とする、請求項1又は2に記載の健康美容器具。
【請求項4】
前記ネフライトは、周波数略3.34THz及び略4.78THzにピークを有するテラヘルツ波を吸収する、又は、周波数略2.35THz及び略2.75THzにおいてピークを有するテラヘルツ波を吸収することを特徴とする、請求項3に記載の健康美容器具。
【請求項5】
前記健康美容器具は、
前記ネフライトを含んでおり人体に接触する本体部と、
前記本体部と連続した把持部とを備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかにに記載の健康美容器具。
【請求項6】
前記健康美容器具は、ブラシであって、
前記本体部は、前記本体部から延在したブラシ毛を有し、
前記ネフライトは、前記ブラシ毛及び/又は前記ブラシ毛の先端部に含有されてなることを特徴とする、請求項5に記載の健康美容器具。
【請求項7】
前記健康美容器具は、美顔ローラーであって、
前記本体部は、ローラー部を構成し、
前記ネフライトは、前記ローラー部の全部又は一部に設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の健康美容器具。
【請求項8】
前記健康美容器具は、フェイスマスクであって、
前記ネフライトは、粉末状となって、前記フェイスマスクに付着していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の健康美容器具。
【請求項9】
請求項8に記載のフェイスマスク及びイオン導入器を用いて、イオン導入を行うことを特徴とする、美顔方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−5814(P2012−5814A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207614(P2010−207614)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り ホームページのアドレス http://www.thz−tec.com/ http://www.thz−tec.com/business.html http://www.thz−tec.com/business−1.html http://www.thz−tec.com/business−2.html http://www.thz−tec.com/business−3.html http://www.thz−tec.com/business−4.html http://www.thz−tec.com/teraheltz.html http://www.thz−tec.com/kennenseki.html http://www.thz−tec.com/collabo.html 掲載日 平成22年3月20日
【出願人】(510146469)
【Fターム(参考)】