説明

傘歯車のソフト機械加工用万能機械と対応する方法

【課題】傘歯車の製造を簡素化する。
【解決手段】工作主軸22.1の回転軸B1と同軸に配置された対向主軸台23を有する旋盤22を含む。旋盤22に保持された加工用ブランクK1に対して変位可能であり、かつ軸B2を中心にして回転するように装着された工具台25を有する多機能ツールホルダ24が設けられている。工具台25は1つ以上の工具を取り付けるために設けられる。フライス加工ヘッド27を備えた工具ハウジング26が設けられ、工具ハウジング26は旋盤22に保持された加工用ブランクK1に対して変位可能であり、フライス加工ヘッド27はフライス加工ヘッド軸B3を中心にして回転するように装着されている。制御装置が、加工用ブランクK1に対して、工具台25に取り付けられた工具を用いてまず旋削加工を施し、次にフライス加工ヘッド27を用いて歯形成加工を施す加工動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傘歯車のソフト機械加工用の装置、とりわけ乾式機械加工用に設計された装置に関する。また、本発明は、各々の方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
傘歯車と類似の歯車の製造には、種々の機械が使用される。ここしばらくの間、その製造の自動化に対する要請がある。限定的な進歩でしかなかったが、1つの解決策は、数多くの製造工程を1つの機械だけを用いて実施できるように設計されているマシニングセンタである。そのような機械は、非常に複雑で、それ故に高価であるだけでなく、準備としてのセットアップに比較的大きい作業量(設定時間)を要する。一方、高い柔軟性を目的に開発された機械は、個別生産又は非常に小さいロット生産にかなり適する。
【0003】
特許文献1には、加工中の製品の旋削及び歯車のホブ切り用に設計された小型の機械が示され、また、説明されているが、前記加工中の製品は、チャックで掴み直す又は移し替える必要がないようになっている。換言すると、加工中の製品は、チャックで掴まれた後は主軸に取り付けられた状態を維持し、異なる工具を用いてその位置で機械加工される。異なる要素を配置した結果として、それが乾式機械加工を実施するように設計されていないことは不利な点であると見なされている。それは、乾式機械加工においては、高温チップの除去が特に関係してくるからである。さらに、工具を備えた2つの往復台が横方向に配置された結果として、加工中の製品に対する運動の自由度が制限される。示されている機械は、傘歯車などの機械加工には好適ではなく、シリンダ用歯車を機械加工するように設計されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第0832716号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、傘歯車の製造を簡素化するという目的に基づく。
【0006】
高価ではない各々の装置を提供することが、本発明の別の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの目的は、本発明による請求項1の特徴及び請求項9の特徴によって達成される。別の有利な実施形態については、従属クレームに記載されている。
【0008】
本発明による装置は、比較的低価格であり、それ故に、複雑であるためにしばしば高価である工作機械が経済的ではない状況において使用可能である。本発明による方法は、特に焼入れ工程の前に、即ちソフト状態のうちに歯面を機械加工するように設計されている。使用工具は、適切に選ばなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】傘歯車を製造するときの種々の機械加工ステップの略図である。
【図2】本発明による、傘歯車のソフト機械加工に使用する第1の装置の模式図である。
【図3】本発明による、傘歯車のソフト機械加工に使用する第2の装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0011】
当明細書に関連して用いる用語は、関連出版物や特許明細書でも使用される。しかし、そのような用語の使用は、より良い理解だけを目的としていることに注目されるものとする。発明の概念及び請求項で保護を求める範囲は、選択した特定の用語によって、それらの解釈が決して限定されるものではない。本発明は、別の専門用語系及び/又は専門分野に容易に移し替えることができる。これらの用語は、別の専門分野においても同様に使用される。
【0012】
本発明は、傘歯車の機械加工に関する。また、この用語は、定義に従い、冠歯車と傘ピニオンを含むものとする。それは、また、軸方向偏倚のない傘歯車、及び軸方向偏倚を有する傘歯車、いわゆるハイポイド傘歯車を含む。
【0013】
図1は、例示としての加工の実施工程10を模式的に示す。本発明は、図示した状況において有利に使用することができる。既に述べたように、それは、傘歯車を機械加工する例に関する。図示した例においては、加工用ブランクを用いて(ボックス101)、以下のソフト機械加工のステップが実施される。図示した例においては、加工用ブランクを用いて(ボックス101)、以下のソフト機械加工のステップが実施される。例えば穿孔によって、(中央の)穴を形成することができる(ボックス102)。次いで、旋盤を用いて、加工用ブランクに旋削の加工を行うことができる(ボックス103)。これらのステップは、この文脈において、プリフォーム製造又はプリ機械加工と呼ばれる。プリフォーム製造の範囲内において、別のステップ又は代替のステップを実施することができる。加工中の製品は、プリフォーム製造の終了時には歯車用ブランクと呼ばれる。
【0014】
これに続けて、いわゆる歯車歯形成が行われる。本発明によると、歯車用ブランクに歯を形成するために、好ましくは(乾式)傘歯車フライス加工が行われる(ボックス104)。これに続けて、任意のステップとしてトリミングが行われる(ボックス105)。ステップ102、103及び104又はステップ102〜105は、本発明によると、本発明による装置20を用いて実施することができる。
【0015】
これに続けて、一般には、歯車用ブランクを硬化させるための熱処理(ボックス106)、及び後処理又は仕上げ(ボックス107)が行われる。次いで、傘歯車は仕上げられる。
【0016】
以下、各々の方法のステップについてのより詳細な記述を参照し、且つ、実施例を用いて、本発明のさらなる詳細について説明する。
【0017】
傘歯車のソフト機械加工を行うための、本発明による方法は、以下のステップを含む。参照番号は、図2に関連する。加工用ブランクK1は、本発明による装置20の一部である旋盤22の第1の工作主軸22.1に締着される。加工用ブランクK1に対する第1のソフト機械加工は、1つ又は数個の工具25.1、25.2、25.3を用いて実施される。工具25.1、25.2、25.3は、装置20の第1の多機能ツールホルダ25に締着される。この第1のソフト機械加工は、以下の機械加工ステップ、穿孔、旋削、フライス削り、の1つ又は数種類に関連していてよい。この第1のソフト機械加工の目的は、加工用ブランクK1から歯車用ブランクを製造することである。
【0018】
ここで、歯車歯形成も同じ装置20を用いて行われる。これは、以下のように行われる。歯車用ブランクに対する第2のソフト機械加工は、工具ハウジング26にチャックで掴まれているフライス加工ヘッド27を用いて行われる。前記第2のソフト機械加工の目的は、歯車用ブランクに一群の歯を形成することである。第2のソフト機械加工は、フライス加工ヘッド27を用いての、歯車用ブランクに対する(乾式)傘歯車用フライス加工を含むことが好ましい。
【0019】
上述の方法で前記ステップを実施するために、多機能ツールホルダ25は、旋盤22の主軸B1に水平な面内の、刃物台24の上に配置され、フライス加工ヘッド27は、工具ハウジング26に配置される。好ましくは、刃物台24は側部に配置され、工具ハウジング26は反対側の軸B1に隣接した位置に配置される。
【0020】
機械加工の全てのステップは、乾式で行うことができるようにすることが好ましい。しかし、この場合、とりわけ高温チップの除去ができるようにするために、装置20を適切に構成配置する必要がある。
【0021】
図2は、本発明による装置20を示す。装置20は、傘歯車のソフト機械加工に使用するよう特に設計されており、加工用ブランクK1を受承するための工作主軸22.1を備えたCNC制御の旋盤22を有する。装置20は、異なる工具25.1〜25.3を備えた刃物台24、及び歯車用ブランクに歯を形成する歯切り工具(例えばフライス加工ヘッド27)を受承するための工具ハウジング26を有する。また、対向主軸台23を設けることができる。
【0022】
本発明によると、装置20は、フライス加工ヘッド27を備えた工具ハウジング26が、歯車歯形成の実施中は、歯車用ブランクが取り付けられている工作主軸22.1の横に配置される、旋盤を基礎にした横型マシニング・ステーションに関する。(同様の全体構成を、縦型に配置することも可能である。)
【0023】
本発明によると、旋盤22は、工具ハウジング26を組み合わせることによって機能ユニットを形成し、その中で、加工用ブランクK1に第1のソフト機械加工が施され、第1のソフト機械加工の後に、フライス加工ヘッド27を用いて歯車用ブランクに歯車歯形成が実施される。装置20は、図2に示したCNC制御装置28を有する。CNC制御装置28は、図2に矢印34.1で示したように、システムの少なくとも以下の部分22、24、25、26に制御接続されている。この接続は、バスにより又はケーブル配線により行うこともできる。CNC制御装置28をシステムの各々の部分22、24、25、26に接続するために、別の種類のインタフェース、例えば、ワイヤレス接続を用いることも可能である。
【0024】
以下、図2に示した装置20のさらなる詳細について説明する。旋盤22は、主回転軸B1を有する。工作主軸22は、双方向矢印29.1で示したように、前記軸B1を中心にして回転可能である。さらに、対向主軸台23は、工作主軸22.1と同軸になるよう往復台23.1に取り付けられ、矢印x1で示したように、主回転軸B1の縦方向に変位可能である。さらに、刃物台24は回転軸B2を有する。ツールホルダ25は、双方向矢印29.2で示したように、前記軸B2を中心にして回転可能である。図示した実施形態において、刃物台24は、往復台24.1、24.2に取り付けられているために、工具25.1、25.2、25.3とともに軸x2、y2の方向に変位可能である。
【0025】
フライス加工ヘッド27は、双方向矢印29.3で示したように、軸B3を中心にして回転可能である。さらに、工具ハウジング26は、往復台26.1、26.2に取り付けられており,矢印x3、y3で示したように、異なる方向に変位可能である。
【0026】
図示した実施形態において、工作主軸22.1、並びに加工用ブランクK1及び/又は歯車用ブランクは、直動して変位可能ではない。軸x1に平行な方向への変位能力は、刃物台24又は工具ハウジング26が軸x1に平行に変位するように工具25.1、25.2、25.3とフライス加工ヘッド27が前進するために、必須ではない。また、軸x1に直交する投影面における、旋盤22の変位も、刃物台24と工具ハウジング26がy方向y2、y3に変位可能であるために、必須ではない。工作主軸22.1は、自由度を増大させるために、往復台上に依然配置される。
【0027】
各々の軸は、数値制御軸に関係する。従って、各々の動きは、CNC制御装置28によって数値的に制御される。CNC制御装置28は、全ての軸が数値的に制御できるよう構成されていることが好ましい。重要なことは、連続運動の単一部分の全てが、調和して行われることである。そのような調和は、CNC制御装置28によって実施される。
【0028】
このように、本発明による装置20は、各々の機械加工ステーション24、26が水平に配置されていることが特別であって、他の公知の方法より卓越している。さらに、各々の数値制御軸の位置は、加工中の製品/ブランクに機械加工を施すための動作範囲が可能な限り大きくなるように選ばれた。各々の軸については、以下の配置がとりわけ好ましい。
【0029】
刃物台24:軸x2は軸x1に平行に延在するが、2つの軸は、y2に平行な方向の相対移動ができるよう互いに偏倚している。このようにして、例えばドリル25.3を用いて加工用ブランクK1に中央穴を明けることができる。刃物台24及び往復台24.1、24.2は、工作主軸22.1に近接して配置されて、互いに相対距離を変更することができるようになっており、これにより、相対変位がx2及び/又はy2に平行に行われる。また、2つの軸x1、x2は、(投影面に直交する)深さ方向で互いに偏倚していることが好ましい。この目的のために、往復台24.1、24.2は、任意の軸z2に平行に変位可能である。
【0030】
フライス加工ヘッド27を備えた工具ハウジング26:軸x3は軸x1に平行に延在することが好ましい。工具ハウジング26及び往復台26.1、26.2も、また、工作主軸22.1に対して水平方向に配置されて、互いの相対距離を変更することができるようになっており、これにより、相対変位が軸x3、y3に平行に行われる。2つの軸x1、x3は、互いに(投影面内の)横方向に偏倚していることが好ましい。この目的のために、往復台26.1は、軸y3に平行に変位可能である。また、2つの軸x1、x3は、(投影面に直交する)深さ方向で互いに偏倚していることが好ましい。この目的のために、往復台26.1、26.2は、任意の軸z3に平行に変位可能である。
【0031】
また、フライス加工ヘッド27を備えた工具ハウジング26を、別の座標系に関連付け、そのような座標系の軸を違うように配置することが可能である。この場合、CNC制御装置28は、異なる座標系間で連続動作ができるようにするために、座標変換を考慮に入れる必要がある。
【0032】
図2に示したように、歯車歯形成中に、角度Wが、2つの軸B1、B3の間で設定と変更が行われるが、ここでは角度は約40°である。W1からW2の範囲で、角度調節ができるようになっていることが好ましい。一般に、Wは固定値に設定されることはなく、フライス加工中は変化させられる。
【0033】
本発明の実施形態によると、加工用ブランクK1を受承する工作主軸22.1は、加工用ブランク/歯車用ブランクの締着できるようにするために、締着又は把持手段を有する。締着又は把持手段が自動装着用に設計されている実施形態は、特に好ましい。
【0034】
装置20の刃物台24は、数個の工具を受承できる工具タレット25.2を備えることが好ましい。多機能工具ヘッド25に又は工具タレット25.2に配置された少なくとも1つの工具は、個別に駆動できるようになっている実施形態がとりわけ好ましい。工具タレット25.2それ自体は、双方向矢印25.4で示したように、軸B4を中心にして回転可能である。
【0035】
刃物台24は、旋削、溝削り、穿孔などのために使用可能である。
【0036】
図示した実施形態において、多機能ツールホルダ25は、数個のツールホルダを示している。図示した実施形態は、3つの工具25.1〜25.3を備える。多機能ツールホルダ25は、ツールホルダの少なくとも1つが各々の工具を個別に駆動できるようにするために、スピンドルヘッドとして構成されるよう配置されていることが好ましい。工具25.3は、縦軸を中心にして回転可能なドリル又はフライス加工ヘッドに関連する。工具25.1、25.2は、多機能ツールホルダ25のツールホルダに不動に締着された工具タレット、旋盤バイト、又はばり取りヘッドである。
【0037】
装置20は、パラメータに合わせて、適切に変更又は調節することができる。
【0038】
装置20は、旋盤22、刃物台24及びツールホルダ25が、工具ハウジング26とともに機能ユニットとして動作できるようにするCNC制御装置28を装置20が含むよう特徴付けられていることがとりわけ好ましい。旋盤21に配置されている又は旋盤21とともに動作するように設計されているCNC制御装置を1つだけ備えるということの利点は、装置20をより高い費用効率で実現できるということである。これらのコスト削減は、フライス加工ヘッド27を用いての傘歯車のフライス加工に、主として別のCNC制御装置28を必要としないという事実により実現される。さらに、軸の連鎖の複雑さが低減され、また、装置20の連続動作の各々についての調整が簡素化される。
【0039】
図3は、さらなる実施形態を示す。この実施形態は、上述した本発明の原理に基づいている。図3においては、できる限り同一の参照番号を使用する。
【0040】
図3は、多機能ツールホルダ34がフライス加工ヘッド27のための工具ハウジング36としても作用する装置30を示す。往復台24.2は、双方向矢印29.3で示したように、垂直軸B5を中心にして回動可能である。これにより、フライス加工ヘッド27は、図3に模式的に示したように、回動して位置27’を取ることができる。これにより、フライス加工ヘッド27の棒材カッターは、歯車用ブランクK1にフライス加工を施すことができる。このフライス加工中、フライス加工ヘッド27がその軸B3を中心にして回転するとともに、歯車用ブランクが軸B2を中心にして回転する。例えばフライス加工の前に行われるこの旋削加工の間、別の工具の1つ25.1又は25.3は使用可能である。制御は、図2の制御装置28とは異なる構成のCNC制御装置38によって実施されるが、それは、軸の配置が少し異なっており、また、フライス加工ヘッド27が刃物台34に組み込まれているためである。
【0041】
工具ハウジング26、36又は46が傘歯車の乾式フライス加工又は最小潤滑油(MQL)加工用に構成されている実施形態が、とりわけ好ましい。
【0042】
強靭鋼、超硬合金、セラミックス又はサーメット(合金とセラミックの組合せ)を用いて製造し、各々好適な硬質固形被覆が施された工具が、本発明による、傘歯車用フライス盤による歯車歯加工に、工具の硬度に応じて用いられる。
【0043】
チャックによる締着をやり直す必要なく製作中の製品を、ブランクから最終的に傘歯車になるまで機械加工できることは、本発明の利点であると考えられる。従って、それは、特別な手段を講ずることにより、可能な限り小さいスペースで実現可能であり、また、手頃な価格で設置できる、実際上非常にコンパクトな製造ラインに関連する。
【0044】
1. 傘歯車の製造に使用される装置において、
工作主軸(22.1)、及び加工用ブランク(K1)を同軸で締着するために前記工作主軸(22.1)の回転軸(B1)と同軸に配置された対向主軸台(23)を有する旋盤(22)と、
前記旋盤(22)に保持された前記加工用ブランク(K1)に対して変位可能であり、且つ、前記工作主軸の前記回転軸(B1)にほぼ平行に延在する軸(B2)を中心にして回転するように装着された工具台(25)であって、少なくとも1つの工具を取り付けられるように構成されている工具台(25)を有する多機能ツールホルダ(24)と、
フライス加工ヘッド(27)を備えた工具ハウジング(26)であって、ここで、前記工具ハウジング(26)は前記旋盤(22)に保持された前記加工用ブランク(K1)に対して変位可能であり、前記フライス加工ヘッド(27)はフライス加工ヘッド軸(B3)を中心にして回転するように装着されている工具ハウジング(26)と、
前記加工用ブランク(K1)に対して、前記工具台(25)に取り付けられた工具を用いてまず旋削加工を施し、次いで前記フライス加工ヘッド(27)を用いて歯形成加工を施すために、異なる加工動作を制御する制御装置、好ましくはCNC制御装置とを備えている装置。
2. 前記旋盤(22)は、横型旋盤であることを特徴とする、1.に記載の装置(20)。
3. 前記加工ヘッド(27)は、前記加工用ブランク(K1)に対して横方向に前進可能であることを特徴とする、1.に記載の装置(20)。
4. 前記回転可能な工具台(25)は、前記工具台(25)をその軸(B2)を中心にして回転させ、且つ、直動させることにより種々の工具(25.1、25.2、25.3)を前進可能にするために、駆動装置を有することを特徴とする、1.に記載の装置(20)。
5. 前記装置は、前記加工用ブランク(K1)に第1のソフト機械加工を施し、続けて、前記加工ヘッド(26)を用いて前記歯車用ブランク(K1)に、好ましくは冷却剤又は潤滑油を使用することなく歯車歯を形成するよう、前記制御装置(28)によって制御可能であることを特徴とする、1.、2.又は3.に記載の装置(20)。
6. 前記回転可能な工具台(25)は、工具タレット(25.2)の形態に構成されていることを特徴とする、1.、2.、3.又は4.に記載の装置(20)。
7. 前記回転可能な工具台(25)は、別の駆動装置を備えた少なくとも1つの被駆動工具(25.3)を有することを特徴とする、1.〜6.のいずれか1つに記載の装置(20)。
8. 前記装置は傘歯車加工を行うための工作機械に関連し、また、前記加工ヘッド(27)は一組のカッターを備えることを特徴とする、1.〜7.のいずれか1つに記載の装置(20)。
9. 傘歯車のソフト機械加工の方法において、
(a) 加工用ブランク(K1)を同軸で締着するための対向主軸台(23)を有する旋盤(22)の第1の工作主軸(22.1)に、前記加工用ブランク(K1)を締着するステップであって、前記対向主軸台は、前記工作主軸(22.1)の回転軸(B1)と同軸に配置されているステップと、
(b) 前記旋盤(22)に締着された前記加工用ブランク(K1)に対して変位可能であり、且つ、前記第1の工作主軸の前記回転軸(B1)にほぼ平行に延在する軸(B2)を中心にして回転できるように保持された工具台(25)を有する、当目的のための多機能ツールホルダ(24)を有する前記旋盤(22)を使用して、前記工具台(25)、ここで前記工具台(25)は前記工具を取り付けるように構成されている、に取り付けられた工具により旋削加工を実施するステップと、
(c) 加工ヘッド(27)を用いて歯車歯の形成を実施するステップとを有し、
前記旋盤は、当目的のために、
(d) 前記加工ヘッド(27)のための工具ハウジング(26)を有し、前記工具ハウジング(26)は前記旋盤(22)に締着された前記加工用ブランク(K1)に対して動くことが可能であり、また、前記加工ヘッド(27)は加工ヘッド軸(B3)を中心にして回転可能に保持されている方法。
10. 前記加工用ブランク(K1)に対して、前記工具台(25)に取り付けられた工具を用いてまず旋削加工を施し、次いで前記加工ヘッド(27)を用いて歯車歯形成の加工を施すために、制御装置、好ましくはCNC制御装置が、前記旋盤(22)の連続動作の異なる動作の制御に用いられることを特徴とする、9.に記載の方法。
11. 前記加工ヘッド(27)は、前記加工用ブランク(K1)に対して横方向に前進させられることを特徴とする、9.に記載の方法。
【符号の説明】
【0045】
20 装置、22 旋盤、23 対向主軸台、24 刃物台、26 工具ハウジング、27 フライス加工ヘッド、28 CNC制御装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作主軸(22.1)、及び、加工用ブランク(K1)を同軸で締着するために前記工作主軸(22.1)の回転軸(B1)と同軸に配置された対向主軸台(23)を有する旋盤(22)と、
前記旋盤(22)に保持された前記加工用ブランク(K1)に対して変位可能であり、且つ、前記工作主軸(22.1)の前記回転軸(B1)にほぼ平行に延在する軸(B2)を中心にして回転するように装着された工具台(25)であって、少なくとも1つの工具(25.1〜25.4)を取り付けられるように構成されている工具台(25)を有する多機能ツールホルダ(24)と、
前記旋盤(22)に保持された前記加工用ブランク(K1)に対して変位可能である工具ハウジング(26)とを備えている装置(20)において、
該装置(20)は、前記工具ハウジング(26)にチャックで掴まれているフライス加工ヘッド(27)を備えていて、
前記フライス加工ヘッド(27)は、前記工作主軸(22.1)の前記回転軸(B1)に対して調節可能な角度(W)で配置された加工ヘッド軸(B3)を中心にして回転するように装着され、
該装置(20)は、前記加工用ブランク(K1)から傘歯車を製造するように構成され、
該装置は、さらに、前記加工用ブランク(K1)に対して、前記工具台(25)に取り付けられた工具を用いてまず旋削加工を施し、次いで前記フライス加工ヘッド(27)を用いて歯形成加工を施すために、異なる加工動作を制御するCNC制御装置(28)を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記旋盤(22)は、横型旋盤であることを特徴とする、請求項1に記載の装置(20)。
【請求項3】
前記フライス加工ヘッド(27)は、前記加工用ブランク(K1)に対して横方向に前進可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置(20)。
【請求項4】
前記回転可能な工具台(25)は、前記工具台(25)をその軸(B2)を中心にして回転させ、且つ、直動させることにより種々の工具(25.1、25.2、25.3)を前進可能にするために、駆動装置を有することを特徴とする、請求項1に記載の装置(20)。
【請求項5】
該装置は、前記加工用ブランク(K1)に第1のソフト機械加工を施し、続けて、前記加工ヘッド(26)を用いて前記歯車用ブランク(K1)に歯車歯を形成するよう、前記制御装置(28)によって制御可能であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1つに記載の装置(20)。
【請求項6】
冷却剤又は潤滑油を使用することなく前記歯車歯を形成することを特徴とする、請求項に記載の装置(20)。
【請求項7】
前記回転可能な工具台(25)は、工具タレット(25.2)の形態に構成されていることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1つに記載の装置(20)。
【請求項8】
前記回転可能な工具台(25)は、別の駆動装置を備えた少なくとも1つの被駆動工具(25.3)を有することを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の装置(20)。
【請求項9】
前記フライス加工ヘッド(27)は一組のカッターを備えることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の装置(20)。
【請求項10】
傘歯車をソフト機械加工する方法において、
(a) 加工用ブランク(K1)を同軸で締着するための対向主軸台(23)を有する旋盤(22)の第1の工作主軸(22.1)に、前記加工用ブランク(K1)を締着するステップであって、前記対向主軸台は、前記工作主軸(22.1)の回転軸(B1)と同軸に配置されているステップと、
(b) 前記旋盤(22)に締着された前記加工用ブランク(K1)に対して変位可能であり、且つ、前記第1の工作主軸(22.1)の前記回転軸(B1)にほぼ平行に延在する軸(B2)を中心にして回転できるように保持される一方工具を取り付けるように構成された工具台(25)を有する多機能ツールホルダ(24)を有する前記旋盤(22)を使用して、前記工具台(25)に取り付けられた前記工具により旋削加工を実施するステップと、
(c) フライス加工ヘッド(27)を用いて歯車歯の形成を実施するステップとを有し、
前記旋盤(22)は、前記フライス加工ヘッド(27)のための工具ハウジング(26)を有し、
前記工具ハウジング(26)は前記旋盤(22)に締着された前記加工用ブランク(K1)に対して動くことが可能であり、
前記フライス加工ヘッド(27)は、前記工作主軸(22.1)の前記回転軸(B1)に対して調節可能な角度(W)で、加工ヘッド軸(B3)を中心にして回転可能に保持されている方法。
【請求項11】
前記加工用ブランク(K1)に対して、前記工具台(25)に取り付けられた前記工具を用いてまず旋削加工を施し、次いで前記フライス加工ヘッド(27)を用いて歯車歯形成の加工を施すために、CNC制御装置(28)が、前記旋盤(22)の連続動作の異なる動作の制御に用いられることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記フライス加工ヘッド(27)は、前記加工用ブランク(K1)に対して横方向に前進させられることを特徴とする、請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−30360(P2012−30360A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−216982(P2011−216982)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【分割の表示】特願2008−523135(P2008−523135)の分割
【原出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(504269327)クリンゲルンベルク・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (8)
【氏名又は名称原語表記】Klingelnberg GmbH