説明

傷害治療の処置を制御するための方法及び装置

本発明は、傷害治療の処置を制御する方法及び装置を提供する。本方法は、傷害の一酸化窒素のレベルをモニタリングするステップと、前記一酸化窒素を予め定義された閾値と比較することによって、制御信号を生成するステップと、前記制御信号にしたがって、傷害治療のための光の照射量を調整するステップと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傷害(怪我)治療の処置を制御するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
痛みは、いかなる傷害においても衰弱させる作用を及ぼす。しかも、関節の痛みは、日常の仕事や生産性に著しい障害を来す。特に、変形性関節炎は、多くの高齢者に対して関節の痛みを伴う。
【0003】
痛みを軽減させるために、投薬治療(例えば、カプサイシンクリーム、アセトアミノフェン、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)等)が処方され痛みを一時的に和らげる。しかしながら、重大な副作用を伴うことがある。物理療法、例えば、スパ、マッサージ、鍼及びカイロプラクティックなどの治療は、痛みを和らげるのに一時的には効果があるが、一般的に高額でありかつ熟練した者が必要となる。
【0004】
現在、物理療法の分野において、光療法システムは、非常にポピュラーである。しかしながら、光療法の最中においては、光の強度/光の照射量(intensity/dosage of light)を調整するのに、光療法システムの断続的なオンオフスイッチを用いている。これは、不便でありかつ正確でない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、傷害治療の処置を制御するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、傷害治療の処置を制御する方法であって、
傷害の一酸化窒素のレベルをモニタリングするステップと、
前記一酸化窒素を予め定義された閾値と比較することによって、制御信号を生成するステップと、
前記制御信号にしたがって、傷害治療のための光の照射量を調整するステップと、
を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の方法に基づくことによって、副作用を最小にして傷害治療の光の照射量を調整することがより正確にかつ便利に行える。
【0008】
本発明は、更に上述の方法のステップをインプリメントする装置を提供する。
【0009】
本発明の詳細な内容及びその他の特徴は、以下に説明する。
【0010】
本発明の、上述の及びその他の目的及び特徴は、図面を参照してなされる以下の詳細な説明によって、更に明らかとなる。
【0011】
図における同様の部分に対しては、同じ参照番号が用いられている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に従った方法の実施例のフローチャートを示す図である。
【図2】本発明の実施例に従った装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施例に従った傷害治療装置を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例に従った傷害治療装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明に従った方法の実施例のフローチャートを示す。傷害治療の処置を制御する方法は、
傷害の一酸化窒素のレベルをモニタリングするステップ11と、
前記一酸化窒素を予め定義された閾値と比較することによって、制御信号を生成するステップ12と、
前記制御信号にしたがって、傷害治療のための光の照射量を調整するステップ13と、
を有する。
【実施例】
【0014】
傷害治療のための光は、890nmの波長の単色の赤外光であってもよい。傷害の表層に光が当てられると、光は、血管に吸収され、そして、有益なcNOS(一酸化窒素の本質的なアイソフォームシンターゼ:constitutive isoform of Nitric Oxide Synthase)経路によって、傷害の位置において一酸化窒素の生成を刺激する。一酸化窒素は、酵素一酸化窒素合成酵素の作用によるL−アルギニンと呼ばれるアミノ酸から生成され、そして、酵素は、異なるアイソフォームを有する。cNOSは、ホメオスタシス(血流の調節)のキーのレギュレータである。有益なcNOS経路を介して一酸化窒素は、傷害の場所で減少する。変形性関節炎となっている関節では、有益なcNOS経路を介して一酸化窒素が減少することが知られている。
【0015】
したがって、傷害の位置から出る一酸化窒素は、傷害の痛みの客観的な評価のための合理的な指標である。望ましくない副作用のない十分な鎮痛は、一酸化窒素ベースの関与によりなされ、循環を活発にし、神経刺激を減少させ、関節の炎症を鎮める。生理的学的な状況において、一酸化窒素は急速に酸化ヘモグロビンに反応し、メトヘモグロビンを形成する。したがって、傷害の位置でのメトヘモグロビンの量は一酸化窒素と比例する。
【0016】
一酸化窒素レベルがあらかじめ定義された閾値より高い場合、制御信号は光の照射量(又は光の強さ)を増やすことを示す。そして、一酸化窒素レベルがあらかじめ定義された閾値より低い場合、制御信号は光の照射量を減少させることを示す。
【0017】
前記モニタリングするステップ11は、
メトヘモグロビン・レベルを検出し、
前記メトヘモグロビン・レベルと、前記一酸化窒素レベルとの間の比例関係にしたがって、一酸化窒素レベルを算出する。
【0018】
一酸化窒素は血液に溶けると、酸化ヘモグロビンと結びつく。血液の一酸化窒素と酸化ヘモグロビンは、メトヘモグロビンに変わる。一酸化窒素の最も重要な反応は、フェロヘムタンパク質によって、そして、特に酸化ヘモグロビンによってメトヘモグロビンを生成することである。
【0019】
Hb(Fe2+)O+NO → Hb(Fe3+)+NO3−、ここでHb(Fe3+)はメトヘモグロビンである。
【0020】
ヘモグロビンは、哺乳類において支配的なヘムタンパク質である。ヘモグロビンの重要な機能は、分子状酸素に結合し、これを運び、そしてこれを分離することである。ヘモグロビンにバインドされた鉄には、酸素が結合し、これを運び、これを分離する間は、二価の鉄の状態(例えば、酸化ヘモグロビン)である。ヘモグロビンに結合した鉄が酸化し、第二鉄になると、この第二鉄は酸素を運ぶことができない。酸化したヘモグロビンは、メトヘモグロビンと呼ばれる。
【0021】
一実施例において、メトヘモグロビンのレベルは、以下のようにして検出できる。まず、Fe2+からFe3+への遷移(transition)による磁場を検出するステップと、次に、磁場にしたがって、Fe3+のレベルを取得するステップと、最後に、Fe3+のレベルに基づいて、メトヘモグロビンのレベルを計算するステップと、によって検出できる。
【0022】
第二鉄(Fe3+)を測定することで、メトヘモグロビンを間接的に測定できる。更に、メトヘモグロビンは、一酸化窒素と比例しているため、第二鉄を測定することで、傷害治療のための光の照射量を調整するためのインジケータとしての一酸化窒素を測定することができる。
【0023】
鉄は、第一鉄(Fe2+)と第二鉄(Fe3+)と呼ばれるイオン状態成分で見つかる。イオンの位置的構造のアンバランスがあるときに、磁気が発生する。第一鉄のイオンは、陽2つの(+2)のチャージを有する。第2鉄イオンは、陽3つの(+3)のチャージを有する。2つのイオンは、異なる原子半径を有する。なぜなら、第二鉄のイオンの強いチャージは、このイオンの回りの電子を強く引きつけるからであり、その結果として、電子は、第一鉄から、強く正にチャージされている第二鉄に移動し、わずかな磁場を形成するからである。提案している本発明の実施例は、この磁場を測定する(これは、磁束密度と呼ばれ、SI単位Teslaで測定される)。
【0024】
別の実施例において、メトヘモグロビン・レベルは、以下によって検出することができる。
【0025】
第1に、傷害の近くの表層(組織)を照らす。この表層は、メトヘモグロビンを検出するための特定の検出光源によって照らされ、そして、この特定の検出光源は、傷害治療のためのものと異なる。この表層は、傷害治療のための光源と同じもので照らされてもよい。例えば、ウェルチ・アリン反射型ランプ部品(部品番号7103−001)等が、広帯域光源によって傷害の近くの表層を照らすために使用されてもよい。
【0026】
第2に、その表層から反射した光のスペクトルを取得する。酸化ヘモグロビンは、542ナノメートル、及び580ナノメートルにおいて吸収スペクトルを有する。メトヘモグロビンは、630nmにおいて吸収スペクトルを有する。一酸化窒素が拘束形式から発散して、周囲の傷害に拡散すると、630ナノメートルから542/580ナノメートルへ吸収スペクトルのシフトが発生する。表層からの反射光は、光ファイバーケーブルによって収集され、かつ波長レンジ(500−700ナノメートル)の光に反応するマイクロ分光計(micro−spectrometer)に導いてもよい。
【0027】
第3に、スペクトルにしたがって、メトヘモグロビン・レベルと酸化ヘモグロビン・レベルとの間の比率を分析する。
【0028】
最後に、メトヘモグロビン・レベルと酸化ヘモグロビン・レベルとの間の比率に基づいて、メトヘモグロビン・レベルを算出する。
【0029】
さらなる実施例において、メトヘモグロビン・レベルは、以下によって検出することができる。
【0030】
第1に、傷害の近くの表層を照らす。表層は、メトヘモグロビンの検出のために使用される特定の光源によって照らされ、そして、検出のために使用される特定の光源は傷害治療のための光源と異なってもよい。表層は、傷害治療のために使用するものと同じ光源によって照らされてもよい。
【0031】
第2に、前記表層から反射された光の周波数帯を取得する。
【0032】
第3に、反射した光を電流に変換することによって、表層から反射した光の電流を検出する。これは、複数のフォトダイオードによって達成することができる。このフォトダイオードは、542ナノメートル、580ナノメートル及び630ナノメートルのピークに敏感なように予め定義されている。
【0033】
第4に、電流にしたがってメトヘモグロビン・レベルと酸化ヘモグロビン・レベルとの間の比率を分析する。酸化ヘモグロビンの542ナノメートル及び580ナノメートルでのピークが特定され、酸化ヘモグロビンの強度が、630ナノメートルでのピークのメトヘモグロビンと比較される。ピークの比率が算出され、そして、あらかじめ定義されたモデルと比較される。
【0034】
最後に、メトヘモグロビン・レベルと酸化ヘモグロビン・レベルとの間の比率に基づいて、メトヘモグロビン・レベルを算出する。
【0035】
図2は、本発明の一実施例に従った装置を例示している。傷害治療の方法を制御する装置は、
傷害の一酸化窒素レベルをモニタするためのモニタリングユニット21と、
一酸化窒素レベルをあらかじめ定義された閾値と比較することによって制御信号を生成するための生成ユニット22と、
制御信号にしたがって傷害治療のための光の照射量を調整するための調整ユニット23と、
を有する。
【0036】
傷害治療のための光は、890ナノメートルの波長を有する単色の赤外光であってもよい。光が傷害の表層に照射されると、その光は、血液に吸収され、そして、有益なcNOS経路によって関節の一酸化窒素の生成を刺激する。
【0037】
したがって、傷害から発生する一酸化窒素は、傷害の痛みの客観的評価のための合理的な指標である。実質的な痛みの軽減は、望ましくない副作用のない形で、一酸化窒素ベースの関与によって得られ、循環を活発にし、神経刺激を減少させ、関節の炎症を鎮める。
【0038】
一酸化窒素レベルがあらかじめ定義された閾値より高い場合、制御信号は光の照射量を増やすことを示す。そして、一酸化窒素レベルがあらかじめ定義された閾値より低い場合、制御信号は光の照射量を減少させることを示す。
【0039】
モニタリングユニット21は、情報(図2のIFとして示される)を受信し、そして、受信された情報にしたがって一酸化窒素レベルをモニタするようになっている。この情報は、磁場の情報、スペクトル情報などを有してもよい。調整ユニット23は、光の調整された照射量を出力するようになっており、そして、図2にADとして示される。
【0040】
このモニタリングユニット21は、
メトヘモグロビン・レベルを検出し、
メトヘモグロビン・レベルと一酸化窒素レベルとの比例関係にしたがって、一酸化窒素レベルを算出する。
【0041】
生理的学的な状況において、一酸化窒素は急速に酸化ヘモグロビンに反応し、メトヘモグロビンを形成する。したがって、メトヘモグロビンの量は一酸化窒素と比例する。
【0042】
一酸化窒素は血液に溶けると、酸化ヘモグロビンと結びつく。血液の一酸化窒素と酸化ヘモグロビンは、メトヘモグロビンに変わる。一酸化窒素の最も重要な反応は、フェロヘムタンパク質によって、そして、特に酸化ヘモグロビンによってメトヘモグロビンを生成することである。
【0043】
Hb(Fe2+)O+NO → Hb(Fe3+)+NO3−、ここでHb(Fe3+)はメトヘモグロビンである。
【0044】
ヘモグロビンは、哺乳類において支配的なヘムタンパク質である。ヘモグロビンの重要な機能は、分子状酸素に結合し、これを運び、そしてこれを分離することである。ヘモグロビンにバインドされた鉄には、酸素が結合し、これを運び、これを分離する間は、二価の鉄の状態(例えば、酸化ヘモグロビン)である。ヘモグロビンに結合した鉄が酸化し、第二鉄になると、この第二鉄は酸素を運ぶことができない。酸化したヘモグロビンは、メトヘモグロビンと呼ばれる。
【0045】
一実施例において、モニタリングユニット21では、メトヘモグロビンのレベルは、以下のようにして検出できる。まず、Fe2+からFe3+への遷移による磁場を検出し、次に、磁場にしたがって、Fe3+のレベルを取得し、最後に、前記Fe3+のレベルに基づいて、メトヘモグロビンのレベルを計算することである。
【0046】
第二鉄(Fe3+)を測定することで、メトヘモグロビンを間接的に測定できる。更に、メトヘモグロビンは、一酸化窒素と比例しているため、第二鉄を測定することで、傷害治療のための光の照射量を調整するためのインジケータとしての一酸化窒素を測定することができる。
【0047】
鉄は、第一鉄(Fe2+)と第二鉄(Fe3+)と呼ばれるイオン状態成分で見つかる。イオンの位置的構造のアンバランスがあるときに、磁気が発生する。第一鉄のイオンは、陽2つの(+2)のチャージを有する。第2鉄イオンは、陽3つの(+3)のチャージを有する。2つのイオンは、異なる原子半径を有する。なぜなら、第二鉄のイオンの強いチャージは、回りの電子を強く引きつけるからであり、その結果として、電子は、第一鉄から、強く正にチャージされている第二鉄に移動し、わずかな磁場を形成するからである。提案している本発明の実施例は、この磁場を測定する(これは、磁束密度と呼ばれ、SI単位Teslaで測定される)。
【0048】
別の実施例において、モニタリングシステム21は、メトヘモグロビン・レベルを、以下のように検出することができる。
【0049】
傷害の近くの表層(組織)を照らす。この表層は、メトヘモグロビンを検出するための特定の検出光源によって照らされ、そして、この特定の検出光源は、傷害治療のためのものと異なる。この表層は、傷害治療のための光源と同じもので照らされてもよい。例えば、ウェルチ・アリン反射型ランプ部品(部品番号7103−001)等が、広帯域光源によって傷害の近くの表層を照らすために使用されてもよい。
【0050】
その表層から反射した光のスペクトルを取得する。酸化ヘモグロビンは、542ナノメートル、及び580ナノメートルにおいて吸収スペクトルを有する。メトヘモグロビンは、630nmにおいて吸収スペクトルを有する。一酸化窒素が拘束形式から発散して、周囲の傷害に拡散すると、630ナノメートルから542/580ナノメートルへ吸収スペクトルのシフトが発生する。表層からの反射光は、光ファイバーケーブルによって収集され、かつ波長レンジ(500−700ナノメートル)の光に反応するマイクロ分光計(micro−spectrometer)に導いてもよい。
【0051】
スペクトルにしたがって、メトヘモグロビン・レベルと酸化ヘモグロビン・レベルとの間の比率を分析する。
【0052】
メトヘモグロビン・レベルと酸化ヘモグロビン・レベルとの間の比率に基づいて、メトヘモグロビン・レベルを算出する。
【0053】
さらなる実施例において、モニタリングユニット21は、メトヘモグロビン・レベルを以下によって検出することができる。
【0054】
傷害の近くの表層を照らす。表層は、メトヘモグロビンの検出のために使用される特定の光源によって照らされ、そして、検出のために使用される特定の光源は傷害治療のための光源と異なってもよい。表層は、傷害治療のために使用するものと同じ光源によって照らされてもよい。
【0055】
その表層から反射された光の周波数帯を取得する。
【0056】
反射した光を電流に変換することによって、表層から反射した光の電流を検出する。これは、複数のフォトダイオードによって達成することができる。このフォトダイオードは、542ナノメートル、580ナノメートル及び630ナノメートルのピークに敏感なように予め定義されている。
【0057】
電流にしたがってメトヘモグロビン・レベルと酸化ヘモグロビン・レベルとの間の比率を分析する。酸化ヘモグロビンの542ナノメートル及び580ナノメートルでのピークが特定され、酸化ヘモグロビンの強度が、630ナノメートルでのピークのメトヘモグロビンと比較される。
【0058】
ピークの比率が算出され、そして、あらかじめ定義されたモデルと比較される。
【0059】
メトヘモグロビン・レベルと酸化ヘモグロビン・レベルとの間の比率に基づいて、メトヘモグロビン・レベルを算出する。
【0060】
図3は、本発明の実施例に従った傷害治療デバイスを示す。治療デバイス30は、複数の光源31及び装置20(図3に図示せず)を有する。装置20は、モニタリングユニット21、生成ユニット22、及び調整ユニット23を備えている。本発明の一実施例において、モニタリングユニット21は、また、複数の光源31と共に設置された複数のセンサ32を含んでもよい。
【0061】
光源31は、治療のために傷害に光を照射するためのLED(発光ダイオード)であってもよい。モニタリングユニット21は、光の照射量を調整するために、傷害の一酸化窒素レベルをモニタするために使用される。生成ユニット22からの制御信号にしたがって、調整ユニット23は、光の総合的な強度を調整することによって治療のための光の照射量を調整する。一つ以上の光源を、例えばオンオフして一つ以上の照明の強度を調整するか、又は、全ての光源の強度を調整する。
【0062】
センサ32は、モニタリングユニット21のために、傷害の情報収集のために使用される。
【0063】
光源31及びセンサ32は、基台(ラベルを付していない)に配置される。基台は、体のいかなる部分にも適応するよう柔軟である。傷害治療デバイス30は、自宅あるいは職場で患者によって使用することができ、専門家の介在を必要としない。光源31から発せられる光の照射量を調整するために、装置20は、一つ以上のCPUおよび/または制御回路によってサポートされてもよい。光源31は、電池からの電源、又は、他の要素によって電力を供給される。
【0064】
図4は、本発明の他の実施例に従った傷害治療デバイスを示す。図4において、(A)LEDの構成及びデバイスのGMRセンサを表す。(B)各々のGMRセンサによる磁場の測定を表す。(C)全てのGMRセンサから磁場の組合せを表す。
【0065】
治療デバイス30は、複数の光源31及び装置20(図3に図示せず)を有する。装置20は、モニタリングユニット21、生成ユニット22、及び調整ユニット23を備えている。本発明の一実施例において、モニタリングユニット21は、複数の光源31と共に設置される複数のセンサ32を有してもよい。
【0066】
センサ32は、磁場を検出するための巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magneto Resistive)センサである。GMRセンサは、ホール効果センサより感度が高い。このセンサ32は、3×3のアレーで構成されている。アナログマルチプレクサ(図4に図示せず)は、信号の調整、増幅及びアナログデジタル変換のために、9つのセンサ32から信号を選択するために使用されてもよい。
【0067】
光源31は、ほぼ約890ナノメートルの赤外線のレンジの光を発することができる。
【0068】
傷害治療の前に、装置20は、最初の磁場(Bin)を計算する。治療が始まるときに、装置20は定期的(periodically)に磁場(Bcur)を計算する。そして、一酸化窒素レベルをモニタするために、BcurはBinより高い。
【0069】
【数1】

上記の式で、iは0からnに等しい。iはGMRセンサのナンバを表す。
【0070】
上述の実施例は、例示を目的としており、発明を制限することを目的としていない。そして、当業者は、添付の請求項の技術的範囲を逸脱しない範囲で、代替の実施例をデザインすることができる。請求項において、括弧により示した参照符号は、請求項を限定するものと解釈してはならない。「含む、有する、備える」の語は、請求項あるいは明細書に挙げられていない要素またはステップの存在を排除しない。「a」又は「an」(単数形)は、そのような要素の複数を排除しない。本発明は、幾つかの独立の要素を有するハードウエアのユニットによって、そして、プログラムされたコンピュータのユニットによって、インプリメントすることができる。幾つかのユニットを列記したシステムの請求項において、これらのユニットのうち幾つかは、一つの同一のハードウエア又はソフトウエアのアイテムによって実現することができる。第1、第2、第3等の語の使用は、順序を示すものではない。これらの語は、名前として解釈されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傷害治療の処置を制御する方法であって、
前記傷害の一酸化窒素のレベルをモニタリングするステップと、
前記一酸化窒素を予め定義された閾値と比較することによって、制御信号を生成するステップと、
前記制御信号にしたがって、前記傷害治療のための光の照射量を調整するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記モニタリングするステップは、
メトヘモグロビン・レベルを検出し、
前記メトヘモグロビン・レベルと、前記一酸化窒素レベルとの間の比例関係にしたがって、前記一酸化窒素レベルを算出する、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記モニタリングするステップは、Fe2+からFe3+への遷移による磁場を検出し、かつ、前記Fe3+のレベルを取得し、かつ、Fe3+のレベルに基づいて、前記メトヘモグロビンのレベルを計算する、
請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記モニタリングするステップは、
前記傷害の近くの表層を照らし、
前記表層から反射された光のスペクトルを取得し、
前記スペクトルにしたがってメトヘモグロビン・レベルと酸化ヘモグロビン・レベルとの間の比率を分析し、
前記メトヘモグロビン・レベルと前記酸化ヘモグロビン・レベルとの間の前記比率に基づいて、前記メトヘモグロビン・レベルを算出する、
請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記モニタリングするステップは、更に、
傷害の近くの表層を照らし、
前記表層から反射された光の周波数帯を取得し、
前記反射した前記光を電流に変換することによって、前記表層から前記反射した光の電流を検出し、
前記電流にしたがってメトヘモグロビン・レベルと酸化ヘモグロビン・レベルとの間の比率を分析し、
前記メトヘモグロビン・レベルと前記酸化ヘモグロビン・レベルとの間の前記比率に基づいて、前記メトヘモグロビン・レベルを算出する、
請求項2記載の方法。
【請求項6】
推定された一酸化窒素レベルがあらかじめ定義された閾値より高い場合、前記制御信号は光の前記照射量を増やすことを示し、前記推定された一酸化窒素レベルが前記あらかじめ定義された閾値より低い場合、前記制御信号は光の照射量を減少させることを示す、
請求項1記載の方法。
【請求項7】
傷害治療の処置を制御する装置であって、
前記傷害の一酸化窒素レベルをモニタするためのモニタリングユニットと、
前記一酸化窒素レベルをあらかじめ定義された閾値と比較することによって制御信号を生成するための生成ユニットと、
前記制御信号にしたがって前記傷害治療のための光の照射量を調整するための調整ユニットと、
を有する装置。
【請求項8】
前記モニタリングユニットは、
メトヘモグロビン・レベルを検出し、
メトヘモグロビン・レベルと前記一酸化窒素レベルとの比例関係にしたがって、前記一酸化窒素レベルを算出する、
請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記モニタリングユニットは、Fe2+からFe3+への遷移による磁場を検出し、かつ、磁場にしたがって、Fe3+のレベルを取得し、かつ、前記Fe3+のレベルに基づいて、前記メトヘモグロビンのレベルを計算する、
請求項8記載の装置。
【請求項10】
モニタリングユニットは、
前記傷害の近くの表層を照らし、
前記表層から反射された光のスペクトルを取得し、
前記スペクトルにしたがってメトヘモグロビン・レベルと酸化ヘモグロビン・レベルとの間の比率を分析し、
前記メトヘモグロビン・レベルと前記酸化ヘモグロビン・レベルとの間の前記比率に基づいて、メトヘモグロビン・レベルを算出する、
請求項8記載の装置。
【請求項11】
前記モニタリングユニットは、
前記傷害の近くの表層を照らし、
前記表層から反射された光の周波数帯を取得し、
反射した前記光を電流に変換することによって、前記表層から反射した前記光の電流を検出し、
前記電流にしたがってメトヘモグロビン・レベルと酸化ヘモグロビン・レベルとの間の比率を分析し、
前記メトヘモグロビン・レベルと前記酸化ヘモグロビン・レベルとの間の前記比率に基づいて、前記メトヘモグロビン・レベルを算出する、
請求項8記載の装置。
【請求項12】
一酸化窒素レベルがあらかじめ定義された閾値より高い場合、制御信号は照射量を増やすことを示し、前記一酸化窒素レベルが前記あらかじめ定義された閾値より低い場合、前記制御信号は照射量を減少させることを示す、
請求項7記載の装置。
【請求項13】
前記傷害に対する治療の光を発する複数の光源と、前記光源からの光の前記照射量を制御するための装置と、を有する傷害治療デバイスであって、前記装置は、
前記傷害の一酸化窒素レベルをモニタするためのモニタリングユニットと、
前記一酸化窒素レベルをあらかじめ定義された閾値と比較することによって制御信号を生成するための生成ユニットと、
前記制御信号にしたがって前記傷害治療のための前記光の照射量を調整するための調整ユニットと、
を有する傷害治療デバイス。
【請求項14】
モニタリングユニットは、前記傷害からの情報を収集するために、ベースに複数の光源とともに設置された複数のセンサを有し、前記情報は、磁場の情報又はスペクトルの情報を含む、請求項13記載の傷害治療デバイス。
【請求項15】
前記センサは、巨大磁気抵抗センサである、請求項14記載の傷害治療デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公表番号】特表2012−513857(P2012−513857A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544102(P2011−544102)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055893
【国際公開番号】WO2010/076737
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】