説明

光ケーブル接続用クロージャ

【課題】小型化することができ、分配する光ファイバ心線と分配しない光ファイバ心線が整理し易く、施工及び保守点検作業が容易な光ケーブル接続用クロージャを提供する。
【解決手段】ケーブル接続用クロージャ10は、カバー部材と、その開口端にエントリープレート20が勘合され、エントリープレートによって光ケーブルの導入及び導出、ドロップケーブルの導入を行う。エントリープレート20にトレイベース23が取り付けられ、トレイベース上面にはドロップ心線を収納するドロップトレイ30と、通過心線を収納する通過心線トレイ40と、保留心線を収納する保留心線トレイ50とが積層され、トレイベース壁面にはドロップケーブルを把持するドロップケーブル把持具60が設けられている。ドロップトレイと通過心線トレイはヒンジ部によってトレイベースに回動自在に積層されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル等の建物に複数の光ケーブル心線を内包した光通信ケーブルを敷設して分配する際に用いられる光ケーブル接続用クロージャにおいて、特に地下のハンドホールやフィンガーホールなどの狭い場所に配置される光ケーブル接続用クロージャに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、光ケーブル等のケーブルの接続に際しては、コネクタ等を用いてケーブル心線の接続を行いコネクタ等をクロージャで保護する。このようなクロージャ、特に、地下配線接続用のクロージャは内部への浸水を確実に防止できる高度な密閉性が求められる反面、また、心線接続部に容易にアクセスできることが望まれる。
【0003】
例えば、特許文献1のように、1対の通過型光ケーブルおよび他の分岐用光ケーブルをエンドプレートの片面で出入りさせるように構成したことで、クロージャの配置に制限を受けて一端のみにケーブルの出入り口が集中した方が好都合の鉄道線路に敷設される光ケーブルのような場合に使用される光ケーブル接続用クロージャが開示されている。
特許文献1の発明は、光ケーブルを挿通するエンドプレートの中心軸方向と交差する方向にケーブル心線とその接続部を収納する融着トレーが積層されていて、トレーを引き出すことでトレー内でのケーブルの引き回しや接続作業をする構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−100050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の発明では、エンドプレートに挿通される分岐用光ケーブルの挿通方向と、融着トレーの出し入れ方向が直交して配置されているため、分岐用光ケーブルを最小曲げ半径に注意しながら融着トレーまで引き回さなくてはならず、作業が煩雑で非常に不便であった。
【0006】
また、融着トレーを引き出さなくては作業ができないため、トレーを引き出すための光ケーブル余長部分を長くする必要があり、当然のことながらトレー引き出しの際には光ケーブルの断線に細心の注意が必要であり、作業の煩雑さを助長してしまう可能性があった。また、トレーを引き出して作業するためのスペースの確保も必要である。通常特許文献1のような装置を設置する場合、光ケーブルの長さ方向つまりエンドプレートの中心軸方向のスペースはカバーの脱着等を含め十分確保されているが、直交方向は狭い場合が多く、トレーを引き出して作業することが困難な場合もありえる。
【0007】
さらに、接続部が融着トレー内部に収納されているため、接続状態の確認作業ではいちいち融着トレーを引き出さなくてはならず、非常に不便で作業工数もかかってしまうことがあった。
【0008】
また、分岐用光ケーブルのエンドプレートでの挿通部分では、装置内部の気密性保持のため1本ごとに筒状の端面ゴムパッキンを被せてねじ止めしなくてはならず、分岐用光ケーブルの本数が多くなるほど作業が煩雑になるうえに、エンドプレートにゴムパッキンを取り付けるためのスペースが必要となるので、必然と装置のサイズが大型化することになり、狭い場所での運用が制限され、さらに装置の大型化によって製造コストも大幅に高くなってしまう可能性があった。
【0009】
本発明は上述のような課題に鑑みなされたものであり、外観形状を小型化することによって地下のハンドホールやフィンガーホールなどの狭い場所に配置でき、しかも光ケーブル心線の配線形態が整理し易く、個々の光ケーブル心線を別々に収納するだけでなく、分岐せずに通過する光ケーブル心線と、分岐する光ケーブル心線の識別が容易で、施工及び保守点検作業が容易となり、追加の分配作業でも非常に簡便に作業を執り行える光ケーブル接続用クロージャを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決したものであって、請求項1の発明は、複数本の光ケーブル心線を有する通過型光ケーブルの所定の位置から必要な光ケーブル心線を切断分岐して、外部のドロップケーブルから引き込まれた光ケーブル心線と接続するとともに、残りの光ケーブル心線は切断分岐せずにそのまま通過させる通過型の光ケーブル接続用クロージャであって、キャップ状のカバー部材と、前記カバー部材の開口端に嵌合され、前記光ケーブルを前記クロージャ内に導入する孔と該クロージャ外へ導出する孔が設けられた光ケーブル挿通孔と、前記ドロップケーブルを個々に挿通するための孔が直線上に複数配置されたドロップケーブル挿通孔とを有したエントリープレートと、前記エントリープレートの内側には、前記光ケーブルから切断分岐された上流側ドロップ用光ケーブル心線と前記ドロップケーブルから引き込まれる下流側ドロップ用光ケーブル心線を接続して収納するドロップトレイと、光ケーブル心線を分岐せずにそのまま通過する通過心線を収納する通過心線トレイと、前記ドロップトレイと前記通過心線トレイを前記光ケーブルの導出入方向に対して直交して積層し保持するトレイベースと、前記ドロップケーブル挿通孔から前記エントリープレートの平面に対して垂直方向に挿通された前記ドロップケーブルの外被を各々把持するドロップ把持部が前記個々のドロップケーブル挿通孔に対応して直線上に複数配置されたドロップケーブル把持具と、が設けられ、前記ドロップケーブルが前記ドロップケーブル把持具に把持される方向と、前記下流側ドロップ用光ケーブル心線が前記ドロップトレイに引き込まれる方向が同一方向となる構成としたことを特徴とする光ケーブル接続用クロージャである。
【0011】
また、請求項2の発明は、前記ドロップトレイの一端にヒンジ部が設けられ、該ヒンジ部によって該ドロップトレイが前記トレイベースと回動自在及び着脱可能に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の光ケーブル接続用クロージャである。
【0012】
また、請求項3の発明は、前記トレイベースには、分岐された光ケーブル心線をドロップケーブルに接続せずに収納しておく保留心線トレイが設けられて前記ドロップトレイに積層され、前記保留心線トレイの一端にヒンジ部が形成されて該ヒンジ部によって該保留心線トレイが前記トレイベースと積層方向において回動自在及び着脱可能に保持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ケーブル接続用クロージャである。
【0013】
また、請求項4の発明は、前記ドロップトレイ及び前記保留心線トレイを所定の位置に固定するためのストッパーが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の光ケーブル接続用クロージャである。
【0014】
また、請求項5の発明は、前記ドロップケーブル挿通孔にはドロップケーブルシール部材が設けられ、該ドロップケーブルシール部材が、導入される個々のドロップケーブルの外形に密着されることによってクロージャ内部の気密性が保持され、ドロップケーブルが導入されない孔は該ドロップケーブルシール部材によって閉口されてクロージャ内部の気密性が保持されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ケーブル接続用クロージャである。
【0015】
また、請求項6の発明は、光ケーブル挿通孔から導入された前記光ケーブルから引き出されたドロップ用光ケーブル心線を前記ドロップトレイまでガイドする心線ガイドが前記トレイベースに設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ケーブル接続用クロージャである。
【0016】
また、請求項7の発明は、前記心線ガイドにガイドされたドロップ用光ケーブル心線を保護する心線保護シートが設けられていることを特徴とする請求項6に記載の光ケーブル接続用クロージャである。
【0017】
また、請求項8の発明は、前記エントリープレートの光ケーブル挿通孔からクロージャ内に導入されてきた光ケーブルと、クロージャ外へ導出される光ケーブルの外被を一括して把持固定するケーブルクランプが設けられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光ケーブル接続用クロージャである。
【0018】
また、請求項9の発明は、前記エントリープレートの光ケーブル挿通孔からクロージャ内に導入されてきた光ケーブルと、クロージャ外へ導出される光ケーブルのテンションメンバを一括して把持固定するテンションメンバ把持部材が設けられたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光ケーブル接続用クロージャである。
【0019】
また、請求項10の発明は、前記エントリープレートの縁部には前記カバー部材に嵌合されて締結するためのバックルが少なくとも2個対向して設けられ、前記カバー部材には対応する位置に前記バックルを掛け留めるための係止部が形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の光ケーブル接続用クロージャである。
【0020】
また、請求項11の発明は、前記エントリープレートの内側には光ケーブル接続用クロージャ内部の浸水状態を検知する浸水検知モジュールが設けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の光ケーブル接続用クロージャである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の光ケーブル接続用クロージャは、通過型光ケーブルやドロップケーブルの挿通箇所をエンドプレートに集約させたことによって、敷設作業や保守作業時のケーブルの取り扱いが簡便になり、また、クロージャのサイズを小型、軽量化することによって地下のハンドホールやフィンガーホールなどの狭い場所での作業スペースの確保ができるので作業の効率化に貢献することができる。
また、小型化することによって製造コストを削減することもできる。
【0022】
また、本発明では、ドロップケーブルがドロップケーブル把持具に把持される方向と、下流側ドロップ用光ケーブル心線がドロップトレイに引き込まれる方向が同一方向となっているので、光ケーブル心線の引き回し時に、心線の最小曲げ半径に注意しながら部材を回避しながら引き回す必要が無く、また、ドロップトレイとドロップケーブル把持具との距離を短く配置すれば、心線の引き回しがさらに簡便となる。
【0023】
また、本発明の光ケーブル接続用クロージャは、ドロップトレイの一端にヒンジ部を設けてトレイベースと回動自在に取り付けられると、トレイ内での心線の引き回し作業では、作業をしたいトレイと、その作業面に対向するトレイをヒンジ部を中心に回動させればトレイの作業面側に作業スペースを確保することができ、いちいちトレイを引き出す必要が無く、また、トレイの確認作業でも引き出す必要がないので非常に簡単に作業を行うことができる。
【0024】
さらに、従来のクロージャではトレイを引き出すためトレイ外に露出される光ケーブル余長部分を長くする必要があり、当然のことながらトレー引き出しの際には光ケーブルの断線に細心の注意が必要であったが、本発明のクロージャはトレイを回動するだけでよいので、心線の露出部分が非常に少なく、心線の破断などの可能性が非常に低くなる利点がある。
【0025】
またさらに、ドロップトレイがヒンジ部で着脱可能となっているので、仮にトレイを取り外す必要があっても迅速に作業を行うことができる。また、敷設場所に応じてドロップトレイの数を調整できるので、敷設場所を選ばず使用することができる。
【0026】
また、請求項3の発明では、分岐された光ケーブル心線をドロップケーブルに接続せずに保留収納しておく保留心線トレイが設けられているので、後にドロップケーブルに接続する必要が出た場合、予め光ケーブル心線を収納してあった保留心線トレイの心線と接続するだけでよいため、作業が簡便に行える。
【0027】
また、請求項4の発明では、ドロップトレイと保留心線トレイを一括して所定の位置に固定するためのストッパーが設けられているので、意図せずトレイが動くことを抑制でき、光ケーブルやトレイを確実に保護することができる。
【0028】
また、請求項5の発明では、ドロップケーブル挿通孔にはドロップケーブルシール部材が設けられているので、クロージャ内の気密性を確保することができる。さらに、従来のクロージャではケーブルごとにシール部材を装着しなければならず非常に煩雑であったが、本発明のドロップケーブルシール部材はドロップケーブルをドロップケーブルシール部材の孔に差し込むだけでシール部材がドロップケーブルの外形に密着するので気密性が保つことができ非常に簡便に敷設作業を行うことができる。さらに、ドロップケーブルを差し込まない孔は自動的に挿通孔を塞ぐこともできる。
【0029】
また、請求項6の発明では、光ケーブル挿通孔から導入された前記光ケーブルから引き出されたドロップ用光ケーブル心線を前記ドロップトレイまでガイドする心線ガイドが前記トレイベースに設けられているので、配線作業が簡便になるし、心線の識別性も高まるので、保守作業時での確認等が簡便となる。
【0030】
また、請求項7の発明では、心線ガイド部分に保護シートが設けられているので、不意にドロップ用光ケーブル心線を傷つける可能性が非常に低くなる利点がある。
【0031】
また、請求項8の発明では、ケーブルクランプによってエントリープレートの光ケーブル挿通孔からクロージャ内に導入されてきた光ケーブルと、クロージャ外へ導出される光ケーブルの外被を一括して把持固定することができるので、作業の簡便化を図れるうえに、部品点数を少なくすることもできるので、装置の小型化や製造コスト削減をすることができる。
さらに、請求項9の発明のように、テンションメンバ把持部材が設けられることによって、光ケーブルのテンションメンバを一括して保持固定でき、光ケーブルをより確実に固定できるので、光ケーブル心線に不要な応力等がかかる心配が無くなる。さらに、テンションメンバ把持部材によってアースをとることも可能である。
【0032】
また、請求項10の発明では、カバーをバックルで係止することができるので、作業の効率化を図れるし、狭いスペースでもカバーの取り外し・取り付けを簡便に行うことができる。
【0033】
また、請求項11の発明では、クロージャ内に浸水検知モジュールが設けられているので、シール部材の劣化による浸水や、クロージャの損傷による浸水が起こっても検知モジュールによって検知することができるので、補修などの作業を速やかに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の光ケーブル接続用クロージャの一実施形態のうちカバー部材を取り外した状態の図であり、(a)はその正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図2】本発明の光ケーブル接続用クロージャの一実施形態のうちカバー部材を取り外した状態の斜視図であり、(a)はその正面側斜視図、(b)は背面側斜視図、(c)はトレイを回動させた図である。
【図3】本発明の光ケーブル接続用クロージャの一実施形態のうちカバー部材を取り付けた状態の図であり、(a)はその正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図4】本実施形態におけるエントリープレートの図であり、(a)はその平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は底面図、(e)は平面側斜視図、(f)は底面側斜視図である。
【図5】本実施形態におけるドロップトレイの図であり、(a)はその正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図6】本実施形態における通過心線トレイの図であり、(a)はその正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図7】本実施形態における保留心線トレイの図であり、(a)はその正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図8】本実施形態における光ケーブル接続用クロージャのドロップ用光ケーブル心線の配線状態を示す図であり、(a)はクロージャ正面図、(b)は右側面図、(c)は左側面のドロップトレイ部分配線図である。
【図9】本実施形態における光ケーブル接続用クロージャの通過心線と保留心線の配線状態を示す図であり、(a)はクロージャ正面図、(b)は右側面図、(c)は左側面の保留トレイ部分配線図(e)は右側面の通過心線トレイ部分配線図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明に係る光ケーブル接続用クロージャについて、図面を参照して説明する。先ず、図1〜図3を参照し、本実施形態の光ケーブル接続用クロージャ10について説明する。なお、本実施例では、導入される上流側光ケーブルをA1、導出される下流側光ケーブルをA2、ドロップケーブルをB、上流側光ケーブルA1から分岐された上流側ドロップ用光ケーブル心線をC1、ドロップケーブルBからの下流側ドロップ用光ケーブル心線をC2、上流側通過心線をD1、下流側通過心線をD2、保留心線をEとする。
【0036】
図1は本発明の光ケーブル接続用クロージャ10の一実施形態のうちカバー部材を取り外した状態の図である。また、図2は斜視図で、図2(a)は正面側斜視図で導入される上流側光ケーブルA1、導出される下流側光ケーブルA2とドロップケーブルBを挿通させた状態の図であり、図2(b)は背面側斜視図でドロップトレイを取り外してトレイベース部分を見やすくした図である。図2(c)はドロップトレイ30と保留心線トレイ50を回動させて収納面を露出させた状態の図である。また、図3はカバー部材を取り付けた状態の外観図となっている。
【0037】
本発明の光ケーブル接続用クロージャ10は、主に、キャップ状のカバー部材80とエントリープレート20と、内部に設けられたドロップトレイ30及び通過心線トレイ40と、ドロップケーブル把持具60で成り立っている。
【0038】
略長方形状のエントリープレート20には光ケーブル挿通孔21とドロップケーブル挿通孔22が設けられていて、本発明の光ケーブル接続用クロージャ10の土台となっている。光ケーブル挿通孔21には光ケーブルシール部材25が設けられており、またドロップケーブル挿通孔22にはドロップケーブルシール部材24が設けられているので、クロージャ10内の気密性を確保することができる。さらに、従来のクロージャではケーブルごとにシール部材を装着しなければならず非常に煩雑であったが、本発明のドロップケーブルシール部材24はドロップケーブルをドロップケーブルシール部材24の個々の孔に差し込むだけでシール部材がドロップケーブルの外形に密着するので気密性が保つことができ非常に簡便に敷設作業を行うことができる。さらに、ドロップケーブルを差し込まない孔は自動的に挿通孔を塞ぐこともできる。
【0039】
エントリープレート20の内側、図1によると上面に略コの字形状のトレイベース23が取り付けられ、そのトレイベース23の上面にドロップトレイ30と保留心線トレイ50がヒンジ部で回動自在に取り付けられていて、エントリープレート20の長手方向に積層されている。このドロップトレイ30と保留心線トレイ50は収納面が図1(a)によると左方向に向いて取り付けられている。また、積層された保留心線トレイ50のうちの光ケーブル側の保留心線トレイ50裏面には通過心線トレイ40が収納面が右方向に向くように係止されている。
【0040】
ドロップトレイ30と保留心線トレイ50は、図2(c)のようにトレイ下部に設けられたヒンジ部によって回動するので、トレイの収納面つまり作業面を速やかに上方へ露出することができ、分岐接続作業や、確認作業が非常に簡便に行うことができる。なお、ドロップトレイ30と通過心線トレイ40と保留心線トレイ50のトレイの色を異なるものにすると、さらに識別性が高まり、施工作業や保守作業の効率化を図れる。
【0041】
さらに、トレイベース23とドロップトレイ30及び保留心線トレイ50とのヒンジ部の隙間に、ドロップトレイ30及び保留心線トレイ50の回動を一括して垂直方向に保持する櫛歯状のストッパー70が設けられている。これによって、作業時以外はトレイが固定されるので、光ケーブルやトレイを確実に保護することができる。
【0042】
また、トレイベース23の壁面にはドロップケーブル挿通孔22の垂直延長線上にドロップケーブル把持具60が取り付けられている。ドロップケーブル把持具60はドロップケーブルBをドロップ把持部61によって垂直方向に把持するように取り付けられている。また、水平方向に複数本並列して把持できる構造となっており、それぞれのドロップケーブルBから引き出された下流側ドロップ用光ケーブル心線C2が対応するドロップトレイ30の心線引き込み位置の直下に配置されるようになっている。
【0043】
さらにトレイベース23には光ケーブルから分岐された上流側ドロップ用光ケーブル心線C1をドロップトレイ30にガイドする心線ガイド26と、配線された上流側ドロップ用光ケーブル心線C1を保護する樹脂シート製の心線保護シート27が設けられている。これら心線ガイド26と心線保護シート27によりより安全に分岐作業が行え、保守作業においても心線を傷つけるおそれが少なくなる。
【0044】
また、エントリープレート20内側の光ケーブル挿通孔21に対応する位置に導入される上流側光ケーブルA1と導出される下流側光ケーブルA2との外被を一括して把持固定することのできるケーブルクランプ80と、上流側光ケーブルA1と下流側光ケーブルA2とのテンションメンバを一括して把持固定することのできるテンションメンバ把持部材81が設けられている。光ケーブルを一括して把持固定できるので部品点数が少なくなり、装置の小型軽量化、製造コストの削減をすることができる。
【0045】
カバー部材90は、図3のようにキャップ状で開口部がエントリープレート20と嵌合される構造となっており、エントリープレート20の長手方向の縁部に設けられたバックル28によってしっかりと締結される構造となっている。なお、クロージャ内部の気密性を保持するために、エントリープレート20の内側縁部のカバー部材90との嵌合部分にはパッキンが取り付けられている。
【0046】
また、図2のように、エントリープレート20の内側底部には浸水検知モジュール91が設けられていて、その信号線の余長を収納する浸水検知ケーブル収納トレイ92を通過心線トレイ40もしくはトレイベース23に配設可能となっている。
【0047】
次に、図4を参照して本発明の光ケーブル接続用クロージャの構成部材であるエントリープレート20の説明をする。エントリープレート20は、導入される上流側光ケーブルAと導出される下流側光ケーブルA2を挿通するための挿通孔21が設けられている。また、ドロップケーブルBを個々に挿通するためのドロップケーブル挿通孔22が設けられている。ケーブルの配線は全てこのエントリープレート20により行うので、クロージャの取り回しが簡単で、気密性保持の面でも有利である。
【0048】
また、図4(a)の平面図を及び図4(e)の平面側斜視図を見るように、前述した浸水検知モジュール90を配置するための溝部が設けられていて、浸水検知モジュール90が作業の邪魔にならないように配慮されているほか、クロージャ内部で浸水が起こった場合、この溝部に集中して溜まりやすいため、より速やかに浸水信号を発信することもできる。
【0049】
次に、図5を参照してドロップトレイ30の説明をする。ドロップトレイ30は箱形状となっており、光ケーブルから分岐されてきた上流側ドロップ用光ケーブル心線C1と、ドロップケーブルBから引き出された下流側ドロップ用光ケーブル心線C2を接続部34で接続し、その余長部分を掛け留めて収納するためのトレイである。
【0050】
ドロップトレイ30の下端にはヒンジ部31が設けられており、このヒンジ部31が、図1、図2で示したトレイベース23に回動自在に連結されている。通常ドロップトレイ30は垂直に保持されているが、配線作業をする場合、ヒンジ部31を中心に心線を収納する面が上方に向くように回動すると、ドロップトレイ30をわざわざ引き出したり、取り外したりすること無しに作業を行えるので、非常に効率的である。また、従来のクロージャのように引き出す場合はトレー外に露出される光ケーブル余長部分が長くなり、当然のことながらトレー引き出しの際には光ケーブルの断線に細心の注意が必要であったが、本発明のクロージャはトレイを回動するだけでよいので、心線の外部への露出部分が非常に少なく、心線の破断などの可能性が非常に低くなる利点がある。
【0051】
ドロップトレイ30には上流側ドロップ用光ケーブル心線C1を導入するための開口部32と、下流側ドロップ用光ケーブル心線C2を導入するための開口部33が設けられている。特に、開口部33は図1(a)のように配線される心線が一直線上になるように設計すると、配線時に、心線に無理な応力がかかりづらく、心線の保護にも繋がる。また、回動の中心であるヒンジ部31に近い箇所から導入されるので、トレイを回動させたときに心線が大きく動くことがないようにも配慮されている。
【0052】
また、ドロップトレイ30には舌片部35が設けられていて、心線余長を掛け留めて収納する際に、心線がばらけないように舌片部35によって押えることができるので、ドロップトレイ30に蓋をする必要が無く、装置の小型軽量化にも貢献している。
【0053】
本実施例でのドロップトレイ30は単芯のドロップ用光ケーブル心線を収納する構造となっている。しかしながらそれに限らず2芯をドロップトレイ30に収納するような構造としてもよい。
【0054】
次に、図6を参照して通過心線トレイ40の説明をする。本実施例での通過心線トレイ40は、図1及び図2のように、箱形状で保留心線トレイ50に係止される構造となっている。ただし、ドロップトレイ30と同様にヒンジ部を設けてトレイベースに回動自在に取り付けられていてもよい。
通過心線トレイ40は通過する心線をひとまとめに収納するためのトレイであり、図1のようにトレイの深さが他のドロップトレイ30や保留心線トレイ50の深さに比べて深くなっている。
【0055】
通過心線トレイ40は上流側光ケーブルA1からの上流側通過心線D1を導入する開口部41と、下流側通過心線D2となって下流側光ケーブルA2へと導出される開口部42が設けられている。また、舌片部43が設けられていて、心線余長を掛け留めて収納する際に、心線がばらけないように舌片部43によって押えることができる。通過心線トレイ40の中央部付近と縁部には保留心線トレイ50に係止するための係止部44及び45が設けられている。また、浸水検知ケーブル収納トレイ92を係止する場合のために係止孔46が設けられている。
【0056】
通過心線トレイ40は、一度通過心線の配線作業を終えると、そこから分岐用の心線を取り出したりすることは稀で、接続部もなく保守作業で確認する必要がほとんど無いため、ヒンジ部を設けて回動自在にする必要もないので保留心線トレイ50に係止する構造としている。なお、通過心線の配線の説明上、上流側通過心線D1と下流側通過心線D2と表記しているが、前述のように切断されているわけではない。
【0057】
次に、図7を参照して保留心線トレイ50の説明をする。保留心線トレイ50には数本の心線をまとめて収納することができ、保留心線トレイ50の形状はドロップトレイ30の形状と似ており、下端にヒンジ部51が設けられ、このヒンジ部51が、図1、図2で示したトレイベース23に回動自在に連結されている。また、上流側ドロップ用光ケーブル心線C1を導入するための開口部52と、ドロップケーブルBから引き出された下流側ドロップ用光ケーブル心線C2を導入するための開口部53が設けられている。また、舌片部55が設けられていて、心線余長を掛け留めて収納する際に、心線がばらけないように舌片部55によって押えることができる。
【0058】
さらに、保留心線トレイ50には、通過心線トレイ40を係止するための係止孔56が設けられており、図1及び図2のように積層された保留心線トレイ50の光ケーブルA、B側の保留心線トレイ50に通過心線トレイ40が係止される構造となっている。
【0059】
新たに心線を分岐する必要がある場合、例えば、図1(a)によると、ドロップケーブルBをドロップケーブル把持具50の7番把持部51に把持させた場合、保留心線トレイ5はヒンジ部51で回動自在となっているので収納面の作業スペースを確保するようにトレイを回動させ、心線を1本取り出す。そして、新たにドロップトレイ30を追加するドロップケーブルBの直上に取り付けて取り出した心線とドロップケーブル側の心線をトレイ内部で配線することで作業が完了する。仮に従来のように通過心線から新た心線を分岐しようとすると、心線の使用状態の確認作業や分岐作業が煩雑であるばかりでなく、既に使用されている心線を誤って切断分岐するおそれがあるが、本発明ではその心配が無くなるという利点がある。
【0060】
次に、光ケーブル接続用クロージャ10内部の心線の配線状態を図8及び図9を参照して説明する。
まず、ドロップ用光ケーブル心線C1、C2の配線状態を図8に示す。
上流側光ケーブルA1より分岐された上流側ドロップ用光ケーブル心線C1は、心線ガイド26にガイド保護されながらドロップトレイ30の開口部32よりトレイ内に導入され、舌片部35に保持されながらトレイ内に掛け留められ、上流側ドロップ用光ケーブル心線C1の端部を接続部34に取り付けられる図示しない接続端子に接続される。
【0061】
また、図8(a)のようにドロップトレイ30の直下のドロップケーブル把持具60のこの図では第1把持部61に把持されたドロップケーブルBの開口端から取り出された下流側ドロップ用光ケーブル心線C2は、ドロップトレイ30の開口部33よりトレイ内に導入され、舌片部35に保持されながらトレイ内に掛け留められ、下流側ドロップ用光ケーブル心線C2の端部を、接続部34に取り付けられる図示しない接続端子に接続される。
【0062】
このように、ドロップケーブルBの開口端とドロップトレイ30の開口部33の位置が図8(a)のように直線上にあるので、心線の方向が同一方向に配線することにより光ケーブル心線の引き回し時に、心線の最小曲げ半径に注意しながら引き回す必要が無く、また、ドロップトレイ30とドロップケーブル把持具50の距離を図のように短く配置すれば、心線の引き回しがさらに簡便となる。なお、本実施例では図8(b)のように完全に一直線上に心線が配置されているわけではないが、ドロップケーブル把持具50の形状やドロップケーブル把持具50が取り付けられているトレイベース23の形状を変更することにより容易にドロップケーブルBの開口端とドロップトレイ30の開口部33を完全に一直線上に配置することが可能である。
【0063】
次に、通過心線D1、D2と保留心線Eの配線状態を図9に示す。
通過心線は本クロージャでは分岐せずに通過するのみなので、心線をひとまとめにして上流側通過心線D1を通過心線トレイ40の開口部41からトレイ内に導入され、舌片部43に保持されながらトレイ内に掛け留められ、開口部42よりトレイ外へ導出されて、下流側光ケーブルA2へと導かれる。
また、後に分岐するための保留心線Eは、上流側光ケーブルA1から数芯づつまとめてそれぞれの保留心線トレイ50の開口部52からトレイ内に導入され、舌片部55に保持されながらトレイ内に掛け留められる。保留状態なので、保留心線Eの端部はトレイ内部に収納されている。
新たに心線を分岐する必要がある場合、保留心線トレイ5はヒンジ部51で回動自在となっているので収納面の作業スペースを確保するようにトレイを回動させ、心線を1本取り出す。そして、新たにドロップトレイ30を追加するドロップケーブルBの直上に取り付けて取り出した心線とドロップケーブル側の心線をトレイ内部で配線することで作業が完了する。仮に従来のように通過心線から新た心線を分岐しようとすると、分岐作業が煩雑であるばかりでなく、既に使用されている心線を誤って切断分岐するおそれあるが、本発明ではその心配が無くなるという利点がある。
【符号の説明】
【0064】
A1 上流側光ケーブル
A2 下流側光ケーブル
B ドロップケーブル
C1 上流側ドロップ用光ケーブル心線
C2 下流側ドロップ用光ケーブル心線
D1 上流側通過心線
D2 下流側通過心線
E 保留心線
10 光ケーブル接続用クロージャ
20 エントリープレート
21 光ケーブル挿通孔
22 ドロップケーブル挿通孔
23 トレイベース
24 ドロップケーブルシール部材
25 光ケーブルシール部材
26 心線ガイド
27 保護シート
28 バックル
30 ドロップトレイ
31 ヒンジ部
32、33 開口部
34 接続部
35 舌片部
40 通過心線トレイ
41、42 開口部
43 舌片部
44、45 係止部
46 係止孔
50 保留心線トレイ
51 ヒンジ部
52、53 開口部
54 接続部
55 舌片部
56 係止孔
60 ドロップケーブル把持具
61 ドロップ把持部
70 ストッパー
80 ケーブルクランプ
81 テンションメンバ把持部材
90 カバー部材
91 浸水検知モジュール
92 浸水検知ケーブル収納トレイ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の光ケーブル心線を有する通過型光ケーブルの所定の位置から必要な光ケーブル心線を切断分岐して、外部のドロップケーブルから引き込まれた光ケーブル心線と接続するとともに、残りの光ケーブル心線は切断分岐せずにそのまま通過させる通過型の光ケーブル接続用クロージャであって、
キャップ状のカバー部材と、
前記カバー部材の開口端に嵌合され、前記光ケーブルを前記クロージャ内に導入する孔と該クロージャ外へ導出する孔が設けられた光ケーブル挿通孔と、前記ドロップケーブルを個々に挿通するための孔が直線上に複数配置されたドロップケーブル挿通孔とを有したエントリープレートと、
前記エントリープレートの内側には、
前記光ケーブルから切断分岐された上流側ドロップ用光ケーブル心線と前記ドロップケーブルから引き込まれる下流側ドロップ用光ケーブル心線を接続して収納するドロップトレイと、
光ケーブル心線を分岐せずにそのまま通過する通過心線を収納する通過心線トレイと、
前記ドロップトレイと前記通過心線トレイを前記光ケーブルの導出入方向に対して直交して積層し保持するトレイベースと、
前記ドロップケーブル挿通孔から前記エントリープレートの平面に対して垂直方向に挿通された前記ドロップケーブルの外被を各々把持するドロップ把持部が前記個々のドロップケーブル挿通孔に対応して直線上に複数配置されたドロップケーブル把持具と、
が設けられ、
前記ドロップケーブルが前記ドロップケーブル把持具に把持される方向と、前記下流側ドロップ用光ケーブル心線が前記ドロップトレイに引き込まれる方向が同一方向となる構成としたことを特徴とする光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項2】
前記ドロップトレイの一端にヒンジ部が設けられ、該ヒンジ部によって該ドロップトレイが前記トレイベースと積層方向において回動自在及び着脱可能に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項3】
前記トレイベースには、分岐された光ケーブル心線をドロップケーブルに接続せずに保留収納しておく保留心線トレイが設けられて前記ドロップトレイに積層され、前記保留心線トレイの一端にヒンジ部が形成されて該ヒンジ部によって該保留心線トレイが前記トレイベースと積層方向において回動自在及び着脱可能に保持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項4】
前記ドロップトレイ及び前記保留心線トレイを所定の位置に固定するためのストッパーが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項5】
前記ドロップケーブル挿通孔にはドロップケーブルシール部材が設けられ、該ドロップケーブルシール部材が、導入される個々のドロップケーブルの外形に密着されることによってクロージャ内部の気密性が保持され、ドロップケーブルが導入されない孔は該ドロップケーブルシール部材によって閉口されてクロージャ内部の気密性が保持されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項6】
光ケーブル挿通孔から導入された前記光ケーブルから引き出されたドロップ用光ケーブル心線を前記ドロップトレイまでガイドする心線ガイドが前記トレイベースに設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項7】
前記心線ガイドにガイドされたドロップ用光ケーブル心線を保護する心線保護シートが設けられていることを特徴とする請求項6に記載の光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項8】
前記エントリープレートの光ケーブル挿通孔からクロージャ内に導入されてきた光ケーブルと、クロージャ外へ導出される光ケーブルの外被を一括して把持固定するケーブルクランプが設けられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項9】
前記エントリープレートの光ケーブル挿通孔からクロージャ内に導入されてきた光ケーブルと、クロージャ外へ導出される光ケーブルのテンションメンバを一括して把持固定するテンションメンバ把持部材が設けられたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項10】
前記エントリープレートの縁部には前記カバー部材に嵌合されて締結するためのバックルが少なくとも2個対向して設けられ、前記カバー部材には対応する位置に前記バックルを掛け留めるための係止部が形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項11】
前記エントリープレートの内側には光ケーブル接続用クロージャ内部の浸水状態を検知する浸水検知モジュールが設けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の光ケーブル接続用クロージャ。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−113891(P2013−113891A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257498(P2011−257498)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(595083051)株式会社ジャパンリーコム (40)
【出願人】(000231936)日本通信電材株式会社 (98)
【Fターム(参考)】