説明

光ディスク装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラムおよび光ディスク再生プログラムを格納した記録媒体

【課題】BD−Rなどの記録可能な光ディスクを低コストにスピンアップ時間を短縮することができる光ディスク装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラムおよび光ディスク再生プログラムを格納した記録媒体を提供する。
【解決手段】最初の再生時にBD−Rであった場合は、ディスク種別とTDMAインジケータの内容をフラッシュメモリ15に記憶させる。その後電源OFF時にはフラッシュメモリ15に記憶したTDMAインジケータに基づいて有効TDMSが記録されているTDMAの位置に光ピックアップ3を移動させて、電源ONになった際には、そのTDMAにあるTDMSを最初にリードさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクを再生可能な光ディスク装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラムおよび光ディスク再生プログラムを格納した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばBD−R(Blu-ray Disc Recordable)などのように記録可能とされる光ディスクが知られている(例えば特許文献1を参照)。BD−Rでは、データの記録構造やディスクの欠陥情報を管理するため、管理情報であるTDMS(Temporary Disc Management Structure)を持ち、そのTDMSをディスク上の所定位置に設けられているユーザデータ記録管理領域としてのTDMA(Temporary Disc Management Area)に追記していくよう定められている。TDMSは後述するようにユーザデータ領域のデータ記録に応じて更新され、最後に追記されたTDMSが、有効なTDMSである。
【0003】
ここで、BD−Rの記録領域の構造について図1上段を参照して説明する。BD−Rは図1に示すように内周側からリードインゾーン、データゾーン、リードアウトゾーンが配される。リードインゾーンには、主にディスク管理領域として用いられ、PIC、DMA2、TDMA0、DMA1、PACなどの所定の領域フォーマットが設定される。PIC、PACは当該BD−Rを再生するために必要な物理情報や制御情報等が記録される。DMA1、DMA2はファイナライズ時に最新のTDMSが記録される領域であり、DMA1、DMA2とも同じ情報が記録される。
【0004】
データゾーンには、その最内周側にISA(Inner Spare Area)が、また最外周側にOSA(Outer Spare Area)が設けられる。このISA、OSAが、欠陥による交替処理に用いる交替領域とされる。ISAはデータゾーンの開始位置から所定数のクラスタサイズで形成される。OSAはデータゾーンの終了位置から内周側へ所定数のクラスタサイズで形成される。そしてデータゾーンにおいてISAとOSAに挟まれた区間がユーザデータ領域とされる。このユーザデータ領域が通常のユーザデータの記録再生に用いられる領域である。
【0005】
リードアウトゾーンは、ディスク管理領域とされ、DMA3、DMA4などの所定の領域フォーマットが設定される。DMA3、DMA4もDMA1、DMA2と同様にファイナライズ時に最新のTDMSが記録される領域であり、DMA1、DMA2と同じ情報が記録される。
【0006】
そして、リードインゾーンには、TDMA0が形成される。また、スペアエリア(ISA、OSA)内には、図示したようにTDMA1、TDMA2を設けることができる。具体的に、TDMA1はISA内に設定可能とされ、TDMA2はOSA内に設定可能とされる。このようにTDMAは、ディスク内周のリードインゾーンやデータゾーンに複数個設けられ、それぞれTDMAn(n=0、1、2、……)のように通し番号が付せられている。そして、このTDMAはTDMA0、TDMA1、TDMA2、……のように番号順に使用するとともに、各TDMAに対してTDMSを先頭から順に連続して記録するよう定められている。
【0007】
そして、BD−Rには、どのTDMAが有効であるか(すなわち、どのTDMAに最新のTDMSが書き込まれているか)を示す情報であるTDMAインジケータが書き込まれる領域が、TDMA0の先頭に確保されている。この場合、最新のTDMSがTDMA0に書き込まれている状態では、TDMAインジケータには全く書き込みされない。このTDMA0がTDMSの更新に使い切られ、TDMSが次のTDMA1に書き込まれる段階で、当該TDMA1に最新情報があることを示すためにTDMA1インジケータに対して書き込みが行われる。以降も同様に、当該TDMA1が更新に使い切られ、TDMSがTDMA2に書き込まれる段階で当該TDMA2に最新情報があることを示すTDMA2インジケータに書き込みが行われることになる。
【0008】
上述した構造のBD−Rについて、従来のユーザデータを再生する前に再生装置で行うスピンアップ動作を図1下段を参照して説明する。図1の下段はTDMA2に最新のTDMSが書き込まれている場合である。
【0009】
まず(1)でISAの位置でレーザ光をフォーカス方向やトラッキング方向に合わせてサーボを動作させて光ディスクの記録面からデータを読み込めるようにするセットアップを行う。次に(2)でリードインゾーンに記録されているPICを読み込む。次に(3)でTDMA0の先頭に記録されているTDMAインジケータを読み込む。次に(4)でOSAのTDMA2から最新のTDMSを読み込む。次に(5)でリードインゾーンに記録されているPACを読み込む。そして(6)でユーザデータ領域の先頭でポーズして再生開始の指示を待つ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−293571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した従来のスピンアップ動作では、リードインゾーンに記録されているTDMAインジケータを読み取ってどのTDMAに最新のTDMSが記録されているかを確認してから、最新のTDMSが記録されているTDMAを読み込んでいた。
【0012】
この場合、図1に示したように最新のTDMSが外周側に設けられているTDMA2に記録されている場合、内周側から外周側にシークして、その後PACを読み取るために内周側にシークしなければならず、長い距離のシークを2回行うためにスピンアップ動作に時間がかかり、結果として映像などのユーザデータの再生開始までに時間がかかってしまうという問題があった。
【0013】
この問題は例えば、初回の再生時にメモリにTDMSを記憶しておけば、2回目以降の再生ではTDMSはメモリから読み出すことでスピンアップ時間を短縮することができるが、車載機器などでは光ディスクを機器に挿入したままの状態が多く、初回と2回目の再生の間で電源を切る動作が入る場合は、メモリを揮発性メモリよりも高価な不揮発性メモリを使用しなければならない。ここで、例えばBD−Rにおいては、TDMSはデータ量が数100kバイト程度であり、データ量が大きいため電源OFF時のバックアップ用の不揮発性メモリにTDMSを記憶するとなると、搭載する不揮発性メモリの容量を大きくしなければならずコストがかかってしまうという問題があった。
【0014】
そこで、本発明は、例えば、BD−Rなどの記録可能な光ディスクを低コストにスピンアップ時間を短縮することができる光ディスク装置、光ディスク再生方法、光ディスク再生プログラムおよび光ディスク再生プログラムを格納した記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の光ディスク装置は、ユーザデータが記録されているユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域のデータ記録に応じて更新される管理情報が記録可能であって内周および外周の複数の位置に設けられたユーザデータ記録管理領域と、複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報や自身を再生するために必要な情報が記録されているディスク管理領域と、を有した光ディスクからデータを読み込む読み込み手段と、前記読み込み手段が読み込んだデータを再生する再生手段と、を備えた光ディスク装置において、複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報を記憶する不揮発性の記憶手段と、前記光ディスクが当該光ディスク装置内に挿入された直後の再生時に、前記記憶手段に複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報を記憶させる記憶制御手段と、前記光ディスクを再生後に電源を切る際には、前記記憶手段に記憶した複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報に基づいて、有効である前記ユーザデータ記録管理領域に対応する位置に前記読み込み手段を移動させ、その後に電源が投入された際は当該有効である前記ユーザデータ記録管理領域に記録された前記管理情報から前記読み込み手段に読み込ませる読み込み制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載の光ディスク再生方法は、ユーザデータが記録されているユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域のデータ記録に応じて更新される管理情報が記録可能であって内周および外周の複数の位置に設けられたユーザデータ記録管理領域と、複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報や自身を再生するために必要な情報が記録されているディスク管理領域と、を有した光ディスクからデータを読み込み手段で読み込み再生する再生装置における光ディスク再生方法において、前記光ディスクが前記再生装置内に挿入された直後の再生時に、不揮発性の記憶手段に複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報を記憶して、前記光ディスクを再生後に電源を切る際には、前記記憶手段に記憶した複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報に基づいて、有効である前記ユーザデータ記録管理領域に対応する位置に前記読み込み手段を移動させ、その後に電源が投入された際は当該有効である前記ユーザデータ記録管理領域に記録された前記管理情報から前記読み込み手段に読み込ませることを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の光ディスク再生プログラムは、ユーザデータが記録されているユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域のデータ記録に応じて更新される管理情報が記録可能であって内周および外周の複数の位置に設けられたユーザデータ記録管理領域と、複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報や自身を再生するために必要な情報が記録されているディスク管理領域と、を有した光ディスクからデータを読み込む読み込み手段と、前記読み込み手段が読み込んだデータを再生する再生手段と、を備えた光ディスク装置のコンピュータを、複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報を記憶する不揮発性の記憶手段と、前記光ディスクが当該光ディスク装置内に挿入された直後の再生時に、前記記憶手段に複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報を記憶させる記憶制御手段と、前記光ディスクを再生後に電源を切る際には、前記記憶手段に記憶した複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報に基づいて、有効である前記ユーザデータ記録管理領域に対応する位置に前記読み込み手段を移動させ、その後に電源が投入された際は当該有効である前記ユーザデータ記録管理領域に記録された前記管理情報から前記読み込み手段に読み込ませる読み込み制御手段と、として機能させることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来のスピンアップ動作の説明図である。
【図2】本発明の一実施例にかかる光ディスク装置のブロック図である。
【図3】図1に示された光ディスク装置のスピンアップ動作の説明図である。
【図4】図1に示された光ディスク装置の再生動作の概略フローチャートである。
【図5】図4に示された再生の詳細動作フローチャートである。
【図6】図5に示された再生(1)の詳細動作フローチャートである。
【図7】図5に示された再生(2)の詳細動作フローチャートである。
【図8】図5に示された電源OFF処理の詳細動作フローチャートである。
【図9】図4に示されたEJECT処理の詳細動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態にかかる光ディスク装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる光ディスク装置は、記憶制御手段が光ディスクが当該光ディスク装置内に挿入された直後の再生時に、記憶手段に複数のユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報を記憶させ、読み込み制御手段が光ディスクを再生後に電源を切る際には、記憶手段に記憶した複数のユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報に基づいて、有効であるユーザデータ記録管理領域に対応する位置に読み込み手段を移動させ、その後に電源が投入された際は当該有効であるユーザデータ記録管理領域に記録された管理情報から読み込み手段に読み込ませているので、ユーザデータ領域のデータ記録に応じて更新される管理情報であるTDMSではなく複数のユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報であるTDMAインジケータを不揮発性のメモリに記憶し、電源を切る際にはTDMAインジケータが示す最新のTDMSが記録されているTDMAの位置に読み込み手段としてピックアップ等を移動させて、電源投入時には最新のTDMSから読み込むことができることから、前後の再生間に電源を切る動作が行われる場合でも、不揮発性メモリを少ない使用量とするとともにTDMAインジケータからTDMAまでのシークを無くしてスピンアップ時間を短縮することができる。
【0020】
また、読み込み制御手段が、有効であるユーザデータ記録管理領域を読み込ませた後に、自身を再生するために必要な情報を読み込み手段に読み込ませてもよい。このようにすることにより、TDMSを読み込んだ後にPICやPACなどを読み込むことで、不揮発性メモリを最低限度の使用量として、不揮発性メモリの使用量をさらに節約することができる。
【0021】
また、記憶制御手段が、光ディスクが当該光ディスク装置から排出されたことを検出し、排出されたことを検出した際は、記憶手段に記憶されている複数のユーザデータ記録管理領域のいずれが使用されているかを示す情報を消去するようにしてもよい。このようにすることにより、記憶手段に残っている複数のユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報、つまりTDMAインジケータによって別の光ディスクを再生する際に誤動作してしまうことを防止できる。
【0022】
また、本発明の一実施形態にかかる光ディスク再生方法は、光ディスクが当該光ディスク装置内に挿入された直後の再生時に、記憶手段に複数のユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報を記憶して、光ディスクを再生後に電源を切る際には、記憶手段に記憶した複数のユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報に基づいて、有効であるユーザデータ記録管理領域に対応する位置に読み込み手段を移動させ、その後に電源が投入された際は当該有効であるユーザデータ記録管理領域に記録された管理情報から読み込み手段に読み込ませているので、ユーザデータ領域のデータ記録に応じて更新される管理情報であるTDMSではなく複数のユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報であるTDMAインジケータを不揮発性のメモリに記憶し、電源を切る際にはTDMAインジケータが示す最新のTDMSが記録されているTDMAの位置に読み込み手段としてピックアップ等を移動させて、電源投入時には最新のTDMSから読み込むことができることから、前後の再生間に電源を切る動作が行われる場合でも、不揮発性メモリを少ない使用量とするとともにTDMAインジケータからTDMAまでのシークを無くしてスピンアップ時間を短縮することができる。
【0023】
また、本発明の一実施形態にかかる光ディスク再生プログラムは、記憶制御手段が光ディスクが当該光ディスク装置内に挿入された直後の再生時に、記憶手段に複数のユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報を記憶させ、読み込み制御手段が光ディスクを再生後に電源を切る際には、記憶手段に記憶した複数のユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報に基づいて、有効であるユーザデータ記録管理領域に対応する位置に読み込み手段を移動させ、その後に電源が投入された際は当該有効であるユーザデータ記録管理領域に記録された管理情報から読み込み手段に読み込ませているので、ユーザデータ領域のデータ記録に応じて更新される管理情報であるTDMSではなく複数のユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報であるTDMAインジケータを不揮発性のメモリに記憶し、電源を切る際にはTDMAインジケータが示す最新のTDMSが記録されているTDMAの位置に読み込み手段としてピックアップ等を移動させて、電源投入時には最新のTDMSから読み込むことができることから、前後の再生間に電源を切る動作が行われる場合でも、不揮発性メモリを少ない使用量とするとともにTDMAインジケータからTDMAまでのシークを無くしてスピンアップ時間を短縮することができる。
【0024】
また、上述した光ディスク再生プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。このようにすることにより、光ディスク再生プログラムを機器に組み込む以外に単体でも流通させることができ、バージョンアップ等も容易に行える。
【実施例】
【0025】
本発明の一実施例にかかる光ディスク装置1を図2乃至図9を参照して説明する。光ディスク装置1は、図2に示すようにディスクモータ2と、光ピックアップ3と、キャリッジモータ4と、リードスクリュー5と、RFアンプ6と、サーボ信号処理部7と、ドライバ8と、音声/映像信号処理部9と、バッファ10と、マイクロコンピュータ11と、フラッシュメモリ15と、を備えている。
【0026】
ディスクモータ2は、光ディスク装置1にセットされた光ディスク12を回転させるためのモータであり、スピンドルモータなどで構成されている。
【0027】
読み込み手段としての光ピックアップ3は、光ディスク12に照射するレーザ光を発生させるレーザダイオードや、光ディスク12上にレーザダイオードからのレーザ光を集光するための対物レンズ、サーボ信号処理部7からの信号によりフォーカス方向やトラッキング方向に対物レンズを駆動するためのアクチュエータおよび光ディスク12から反射された反射光を受けるフォトダイオードなどを備え、フォトダイオードの出力から光ディスク12に記録されている映像や音楽などのトラックデータを含むRF信号やフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号などを生成しRFアンプ6へ出力する。
【0028】
キャリッジモータ4は、後述するリードスクリュー5を通じて光ピックアップ3を光ディスク12の径方向に移動させるためのモータでありステッピングモータなどで構成されている。
【0029】
リードスクリュー5は、円柱状に形成されてその外周面にネジ溝とネジ山が形成され、光ディスク12の径方向と平行に設置されている。リードスクリュー5は、キャリッジモータ4の回転軸と機械的に接続されておりキャリッジモータ4の回転に合わせて回転する。リードスクリュー5のネジ溝やネジ山は光ピックアップ3に形成された図示しないネジ山やネジ溝と噛み合っており、リードスクリュー5が回転することで光ピックアップ3が光ディスク12の径方向に沿って移動する。つまり、キャリッジモータ4とリードスクリュー5とで光ピックアップを光ディスク12の径方向に移動させる手段を構成している。
【0030】
RFアンプ6は、光ピックアップ3から入力される信号を所定の値に増幅し、サーボ信号処理部7へ出力する。
【0031】
サーボ信号処理部7は、RFアンプ6から入力されるフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号などの制御信号を基に光ピックアップ3のアクチュエータを駆動させてフォーカスおよびトラッキングの制御などを行い光ディスク12に記録された情報を正確に読めるようにする。さらに、光ディスク12に記録された映像や音楽などを含むRF信号をアナログ/デジタル変換して音声/映像信号処理部9へ出力する。
【0032】
ドライバ8は、サーボ信号処理部7から入力された信号からディスクモータ2および光ピックアップ3のアクチュエータおよびキャリッジモータ4への駆動信号の生成や記録データを出力する。
【0033】
再生手段としての音声/映像信号処理部9は、サーボ信号処理部7から入力された信号にエラー訂正などを行った後復調やデコードを行いバッファ10へ出力する。そしてマイクロコンピュータ11からの要求に従ってバッファ10から読み出してホストコンピュータ20へ出力する。また、デコードされた情報のうち映像などのコンテンツデータ以外のPICやPACおよびTDMSなどの制御情報はマイクロコンピュータ11へ出力する。
【0034】
バッファ10は、振動などによって再生が途切れないように所定量一時的に音声/映像信号処理部9で再生された映像や音声などのコンテンツデータを格納するためのメモリであり、揮発性の半導体メモリで構成される。バッファ10には光ディスク12から通常の数倍速の再生速度で読み込んだデータを格納し、通常の再生速度で出力する。
【0035】
読み込み制御手段としてのマイクロコンピュータ11は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)11aと、図示しないROM(Read Only Memory)とを内蔵し、ホストコンピュータ20からの命令に基づいて光ディスク12のセットアップなどのスピンアップ時の処理や、挿入や排出、再生や停止および一時停止などの各操作における光ディスク装置1全体の制御など行う。
【0036】
記憶手段としてのフラッシュメモリ15は、不揮発性の半導体メモリであり、TDMAインジケータやBD−Rなどのディスク種別が記憶される。
【0037】
次に、本実施例におけるスピンアップ動作を図3乃至図9を参照して説明する。図3の上段のBD−Rの記録領域の構造は図1と同様である。下段がスピンアップ動作である。図3も図1と同様にTDMA2に最新のTDMSが書き込まれている場合である。
【0038】
まず、(0)として今回の再生におけるスピンアップ動作よりも前の初回再生時にTDMAインジケータをフラッシュメモリ15に記憶させておき、電源OFF時にフラッシュメモリ15に格納したTDMAインジケータに基づいてTDMA2の領域に光ピックアップ3を移動させておく。なお、TDMAインジケータは、上述したとおりどのTDMAが有効であるか(すなわち、どのTDMAに最新のTDMSが書き込まれているか)を示す情報であり、フラッシュメモリ15に記憶させる必要があるデータは数バイトとなる。
【0039】
次に、電源ONしてスピンアップ動作を行う際には(1)でTDMA2の領域でレーザ光をフォーカス方向やトラッキング方向に合わせてサーボを動作させて光ディスクの記録面からデータを読み込めるようにするセットアップを行う。次に(2)でTDMA2に記録されている最新のTDMSを読み込む。次に(3)でリードインゾーンに記録されているPICを読み込む。次に(4)でPACを読み込む。そして(5)でユーザデータ領域の先頭でポーズして再生開始の指示を待つ。
【0040】
このように動作させることで、初回再生後に電源を切る動作が行われた後の再生時において、長い距離のシークの回数を図1と比較して1回減らすことができるのでスピンアップ時間の短縮ができる。詳細動作を図4乃至図9のフローチャートを参照して説明する。図4乃至図9に示したフローチャートはマイクロコンピュータ11で実行される。
【0041】
図4は図1に示した光ディスク装置1の再生動作の概略フローを示している。まず、ステップS101において、光ディスク12が光ディスク装置1内に挿入されたか否かを判断し、挿入された場合(Yの場合)はステップS102に進み、挿入されない場合(Nの場合)は本ステップで待機する。挿入されたか否かは、光ディスク装置1に設けられた図示しない挿入口などに設けられたセンサなどの検出装置からの信号に基づいて判断する。
【0042】
次に、ステップS102において、再生を行いステップS103に進む。本ステップの詳細は図5に示すが説明は後述する。
【0043】
ステップS103において、ホストコンピュータ20からEJECT要求(排出要求)がされたか否かを判断し、EJECT要求された場合(Yの場合)はステップS104に進み、そうでない場合(Nの場合)はステップS102に戻る。
【0044】
次に、ステップS104において、EJECT処理を行ってステップS101に戻る。本ステップの詳細は図9に示すが説明は後述する。
【0045】
図5は、図4のステップS102の再生の詳細動作フローを示している。まず、ステップS201において、再生(1)を行いステップS202に進む。本ステップの詳細は図6に示すが説明は後述する。
【0046】
次に、ステップS202において、ホストコンピュータ20から電源OFF要求が指示されたか否かを判断し、指示された場合(Yの場合)はステップS203に進み、そうでない場合(Nの場合)はステップS201に戻る。
【0047】
次に、ステップS203において、電源OFF処理を行ってステップS204に進む。本ステップの詳細は図8に示すが説明は後述する。
【0048】
次に、ステップS204において、ホストコンピュータ20から電源ON要求が指示されたか否かを判断し、指示された場合(Yの場合)はステップS205に進み、そうでない場合(Nの場合)は本ステップで待機する。
【0049】
次に、ステップS205において、再生(2)を行いステップS202に進む。本ステップの詳細は図7に示すが説明は後述する。
【0050】
次に、ステップS206において、ホストコンピュータ20から電源OFF要求が指示されたか否かを判断し、指示された場合(Yの場合)はステップS207に進み、そうでない場合(Nの場合)はステップS205に戻る。
【0051】
次に、ステップS207において、ステップS203と同様に電源OFF処理を行ってステップS204に戻る。
【0052】
図6は、図5のステップS201の再生(1)の詳細動作フローを示している。まず、ステップS301でスピンアップしてステップS302に進む。本ステップでのスピンアップは従来と同様の方法で行う。
【0053】
次に、ステップS302において、光ディスク12がBD−Rか否かを判断し、BD−Rであった場合(Yの場合)はステップS303に進み、そうでない場合(Nの場合)はステップS304に進む。BD−Rか否かは、ステップS301のセットアップ時に行うディスク種別の判別結果を用いる。ディスク種別の判別方法としては、例えば、反射率の違いを利用する方法などが挙げられる。すなわち、光ディスク12の記録層に所定波長のレーザ光を照射し、その際に記録層で反射される反射光の信号レベルに基づいて、ディスクの種別を判別する。つまり、再生(1)は光ディスク装置1内に光ディクス12が挿入された直後の再生である。
【0054】
次に、ステップS303において、物理メディア情報とTDMAインジケータをフラッシュメモリ15に記憶してステップS304に進む。
【0055】
次に、ステップS304において、実際の再生動作を行う。つまり、ユーザデータ領域に記録されている映像などのコンテンツデータを読み出して再生する。
【0056】
図7は、図5のステップS205の再生(2)の詳細動作フローを示している。まず、ステップS401において、レーザ光をフォーカス方向やトラッキング方向に合わせてサーボを動作させて光ディスク12の記録面からデータを読み込めるようにするセットアップを行いステップS402に進む。
【0057】
次に、ステップS402において、光ディスク12がBD−Rか否かを判断し、BD−Rであった場合はステップS403に進み、そうでない場合はステップS406に進む。BD−Rか否かは図6のステップS303でフラッシュメモリ15に記憶したディスク種別を読み出して判別する。
【0058】
次に、ステップS403において、TDMSをリードしてステップS404に進む。本ステップでは図8の説明において後述するように有効なTDMSが記録されているTDMAの位置に予め光ピックアップ3が移動されているので、長距離のシークを発生させずに読み込む(リードする)ことができる。
【0059】
次に、ステップS404において、PICをリードしてステップS405に進む。つまり、TDMSを読み込んだ後にリードインゾーンにシークしてPICを読み込む。
【0060】
次に、ステップS405において、PACをリードしてステップS406に進む。即ち、ステップS404、S405で自身を再生するために必要な情報を読み込ませている。
【0061】
一方、ステップS406においては、BD−Rではなかったので対応する光ディスクの制御情報等再生に必要な情報を所定の領域からリードしてステップS407に進む。
【0062】
次に、ステップS407において、実際の再生動作を行う。つまり、ユーザデータ領域に記録されている映像などのコンテンツデータを読み出して再生する。
【0063】
図8は、図5のステップS203やS207の電源OFF処理の詳細動作フローを示している。まず、ステップS501において、光ディスク12がBD−Rか否かを判断し、BD−Rであった場合はステップS502に進み、そうでない場合はステップS503に進む。BD−Rか否かは図6のステップS303でフラッシュメモリ15に記憶したディスク種別を読み出して判別する。
【0064】
次に、ステップS502において、光ピックアップ3を有効TDMAの位置に移動させてステップS503に進む。本ステップでは、図6のステップS303でフラッシュメモリ15に記憶したTDMAインジケータに基づいて光ディスク12上の有効なTDMAに対応する位置に光ピックアップ3をキャリッジモータ4とリードスクリュー5によって移動させる。
【0065】
次に、ステップS503において、電源OFF処理を行う。この処理は従来と同様の電源OFF時に行うべき処理を行っている。
【0066】
図9は、図4のステップS104のEJECT処理の詳細動作フローを示している。まず、ステップS601において、物理メディア情報とTDMAインジケータをフラッシュメモリ15からクリア(消去)してステップS602に進む。
【0067】
次に、ステップS602において、EJECT処理を行う。この処理は従来と同様のEJECT時に行うべき処理を行っている。
【0068】
本実施例によれば、まず、最初の再生時にBD−Rであった場合は、ディスク種別とTDMAインジケータの内容をフラッシュメモリ15に記憶させ、電源OFF時にはフラッシュメモリ15に記憶したTDMAインジケータに基づいて有効TDMSが記録されているTDMAの位置に光ピックアップ3を移動させる。その後電源ONになった際には、その位置にあるTDMSを最初にリードさせているので、前後の再生間に電源を切る動作が行われる場合でも、フラッシュメモリ15を少ない使用量とするとともに、TDMAインジケータからTDMAまでのシークを無くしてスピンアップ時間を短縮することができる。
【0069】
また、TDMSを読み込んだ後にPICやPACなどの自身を再生するために必要な情報を読み込んでいるので、フラッシュメモリ15の使用量をディスク種別とTDMAインジケータに絞ることで最低限度の使用量として、フラッシュメモリの使用量をさらに節約することができる。
【0070】
また、光ディスク12のEJECT時には、フラッシュメモリ15の内容をクリアしているので、別の光ディスクを再生する際に、フラッシュメモリ15に残っている情報によって誤動作してしまうことを防止できる。
【0071】
なお、上述した実施例では再生(2)の際にTDMSの読み込み後にPICとPACを読み込んでいたが、フラッシュメモリ15の容量に余裕がある場合は、再生(1)の際にPICとPACもフラッシュメモリ15に記憶しても良い。PICやPACはTDMSほどデータ量が大きくないのでフラッシュメモリ15に読み込める場合がある。このようにすることで、再生(2)の際にPICやPACを読み込むためのシークが発生しないのでスピンアップ時間を更に短縮することができる。
【0072】
また、上述した実施例では有効なTDMAが外周側のTDMA2の場合に図1の従来例に対して有効であることを示したが、例えば有効なTDMAが内周側のTDMA0やTDMA1であった場合でも、1回目の再生終了時に外周側で終了した場合は有効である。要するに、本発明は電源OFF時に有効なTDMAの位置に光ピックアップ3を予め移動させることで、次に電源ONされた際にTDMSを読み込むためのシーク時間を短縮するものである。
【0073】
また、上述した実施例では、BD−Rを例に説明したが、本願発明は、BD−Rに限らず、ユーザデータが記録されているユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域のデータ記録に応じて更新される管理情報が記録可能であって内周および外周の複数の位置に設けられたユーザデータ記録管理領域と、複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報や自身を再生するために必要な情報が記録されているディスク管理領域とを有する光ディスクであってもよい。
【0074】
前述した実施例によれば、以下の光ディスク装置1、光ディスク記録再生方法および光ディスク記録再生プログラムが得られる。
【0075】
(付記1)ユーザデータが記録されているユーザデータ領域と、TDMSが記録可能であって内周および外周の複数の位置に設けられたTDMAと、TDMAインジケータやPICやPACが記録されているリードインゾーンと、を有した光ディスク12からデータを読み込む光ピックアップ3と、光ピックアップ3が読み込んだデータを再生する音声/映像信号処理部9と、を備えた光ディスク装置1において、
TDMAインジケータを記憶するフラッシュメモリ15と、
光ディスク12が当該光ディスク装置1内に挿入された直後の再生時に、フラッシュメモリ15にTDMAインジケータを記憶させるマイクロコンピュータ11と、
光ディスク12を再生後に電源を切る際には、フラッシュメモリ15に記憶したTDMAインジケータに基づいて、有効であるTDMAに対応する位置に光ピックアップ3を移動させ、その後に電源が投入された際は当該有効であるTDMAのTDMSから光ピックアップ3に読み込ませるマイクロコンピュータ11と、
を備えたことを特徴とする光ディスク装置1。
【0076】
この光ディスク装置1によれば、TDMAインジケータのみをフラッシュメモリ15に記憶し、電源を切る際にはTDMAインジケータが示す最新のTDMSが記録されているTDMAに光ピックアップ3を移動させて、電源投入時には最新のTDMSから読み込むことができることから、前後の再生間に電源を切る動作が行われる場合でも、フラッシュメモリ15を少ない使用量とするとともにTDMAインジケータからTDMAまでのシークを無くしてスピンアップ時間を短縮することができる。
【0077】
(付記2)ユーザデータが記録されているユーザデータ領域と、TDMSが記録可能であって内周および外周の複数の位置に設けられたTDMAと、TDMAインジケータやPICやPACが記録されているリードインゾーンと、を有した光ディスク12からデータを光ピックアップ3で読み込み再生する光ディスク装置1における光ディスク再生方法において、
光ディスク12が光ディスク装置1内に挿入された直後の再生時に、フラッシュメモリ15にTDMAインジケータを記憶して、光ディスク12を再生後に電源を切る際には、フラッシュメモリ15に記憶したTDMAインジケータに基づいて、有効であるTDMAに対応する位置に光ピックアップ3を移動させ、その後に電源が投入された際は当該有効であるTDMAのTDMSから光ピックアップ3に読み込ませることを特徴とする光ディスク再生方法。
【0078】
この光ディスク再生方法によれば、TDMAインジケータのみをフラッシュメモリ15に記憶し、電源を切る際にはTDMAインジケータが示す最新のTDMSが記録されているTDMAに光ピックアップ3を移動させて、電源投入時には最新のTDMSから読み込むことができることから、前後の再生間に電源を切る動作が行われる場合でも、フラッシュメモリ15を少ない使用量とするとともにTDMAインジケータからTDMAまでのシークを無くしてスピンアップ時間を短縮することができる。
【0079】
(付記3)ユーザデータが記録されているユーザデータ領域と、TDMSが記録可能であって内周および外周の複数の位置に設けられたTDMAと、TDMAインジケータやPICやPACが記録されているリードインゾーンと、を有した光ディスク12からデータを読み込む光ピックアップ3と、光ピックアップ3が読み込んだデータを再生する音声/映像信号処理部9と、を備えた光ディスク装置1のコンピュータを、
TDMAインジケータを記憶するフラッシュメモリ15と、
光ディスク12が当該光ディスク装置1内に挿入された直後の再生時に、フラッシュメモリ15にTDMAインジケータを記憶させるマイクロコンピュータ11と、
光ディスク12を再生後に電源を切る際には、フラッシュメモリ15に記憶したTDMAインジケータに基づいて、有効であるTDMAに対応する位置に光ピックアップ3を移動させ、その後に電源が投入された際は当該有効であるTDMAのTDMSから光ピックアップ3に読み込ませるマイクロコンピュータ11と、
して機能させることを特徴とする光ディスク再生プログラム。
【0080】
この光ディスク再生プログラムによれば、TDMAインジケータのみをフラッシュメモリ15に記憶し、電源を切る際にはTDMAインジケータが示す最新のTDMSが記録されているTDMAに光ピックアップ3を移動させて、電源投入時には最新のTDMSから読み込むことができることから、前後の再生間に電源を切る動作が行われる場合でも、フラッシュメモリ15を少ない使用量とするとともにTDMAインジケータからTDMAまでのシークを無くしてスピンアップ時間を短縮することができる。
【0081】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 光ディスク装置
3 光ピックアップ(読み込み手段)
9 音声/映像信号処理部(再生手段)
11 マイクロコンピュータ(読み込み制御手段)
12 光ディスク
15 フラッシュメモリ(記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザデータが記録されているユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域のデータ記録に応じて更新される管理情報が記録可能であって内周および外周の複数の位置に設けられたユーザデータ記録管理領域と、複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報や自身を再生するために必要な情報が記録されているディスク管理領域と、を有した光ディスクからデータを読み込む読み込み手段と、前記読み込み手段が読み込んだデータを再生する再生手段と、を備えた光ディスク装置において、
複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報を記憶する不揮発性の記憶手段と、
前記光ディスクが当該光ディスク装置内に挿入された直後の再生時に、前記記憶手段に複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報を記憶させる記憶制御手段と、
前記光ディスクを再生後に電源を切る際には、前記記憶手段に記憶した複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報に基づいて、有効である前記ユーザデータ記録管理領域に対応する位置に前記読み込み手段を移動させ、その後に電源が投入された際は当該有効である前記ユーザデータ記録管理領域に記録された前記管理情報から前記読み込み手段に読み込ませる読み込み制御手段と、
を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記読み込み制御手段が、前記有効である前記ユーザデータ記録管理領域に記録された前記管理情報を読み込ませた後に、前記自身を再生するために必要な情報を前記読み込み手段に読み込ませることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記記憶制御手段が、前記光ディスクが当該光ディスク装置から排出されたことを検出し、排出されたことを検出した際は、前記記憶手段に記憶されている複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報を消去することを特徴とする請求項1または2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
ユーザデータが記録されているユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域のデータ記録に応じて更新される管理情報が記録可能であって内周および外周の複数の位置に設けられたユーザデータ記録管理領域と、複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報や自身を再生するために必要な情報が記録されているディスク管理領域と、を有した光ディスクからデータを読み込み手段で読み込み再生する再生装置における光ディスク再生方法において、
前記光ディスクが前記再生装置内に挿入された直後の再生時に、不揮発性の記憶手段に複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報を記憶して、前記光ディスクを再生後に電源を切る際には、前記記憶手段に記憶した複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報に基づいて、有効である前記ユーザデータ記録管理領域に対応する位置に前記読み込み手段を移動させ、その後に電源が投入された際は当該有効である前記ユーザデータ記録管理領域に記録された前記管理情報から前記読み込み手段に読み込ませることを特徴とする光ディスク再生方法。
【請求項5】
ユーザデータが記録されているユーザデータ領域と、前記ユーザデータ領域のデータ記録に応じて更新される管理情報が記録可能であって内周および外周の複数の位置に設けられたユーザデータ記録管理領域と、複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報や自身を再生するために必要な情報が記録されているディスク管理領域と、を有した光ディスクからデータを読み込む読み込み手段と、前記読み込み手段が読み込んだデータを再生する再生手段と、を備えた光ディスク装置のコンピュータを、
複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報を記憶する不揮発性の記憶手段と、
前記光ディスクが当該光ディスク装置内に挿入された直後の再生時に、前記記憶手段に複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報を記憶させる記憶制御手段と、
前記光ディスクを再生後に電源を切る際には、前記記憶手段に記憶した複数の前記ユーザデータ記録管理領域のいずれが有効であるかを示す情報に基づいて、有効である前記ユーザデータ記録管理領域に対応する位置に前記読み込み手段を移動させ、その後に電源が投入された際は当該有効である前記ユーザデータ記録管理領域に記録された前記管理情報から前記読み込み手段に読み込ませる読み込み制御手段と、
として機能させることを特徴とする光ディスク再生プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の光ディスク再生プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−170921(P2011−170921A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34301(P2010−34301)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】