説明

光ディスク装置内蔵表示装置

【課題】光ディスク装置単体を交換した際に、ユーザがすぐに自分の好みの設定で使うことができる光ディスク装置内蔵表示装置を提供する。
【解決手段】一体で取り外し可能な光ディスク装置部2と、本体側記憶装置15とを備え、前記光ディスク装置部は、前記光ディスク装置部の設定情報を記憶する光ディスク装置部記憶装置24を備え、前記本体側記憶装置には、前記光ディスク装置部記憶装置が記憶する設定情報を同じ設定情報を記憶し、光ディスク装置部が再接続された際、再接続された光ディスク装置部の光ディスク装置部記憶装置における設定情報を前記本体側記憶装置が記憶する設定情報に置き換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置内蔵表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブルーレイディスク等の光ディスクに番組等を録画することができる光ディスク装置を内蔵したテレビジョン受像機等の表示装置が普及してきている。
【0003】
通常、このような光ディスク装置内蔵表示装置は、修理や交換などのために光ディスク装置部を単体で取り外せるようになっている。また、表示装置の本体側と光ディスク装置部側のいずれか一方が故障した際にも他方が独立して動作できるように、いずれの側も、制御を行うCPUと、設定情報を記憶する記憶装置とを備えるような構成をとることが多い。
【0004】
このような光ディスク装置内蔵表示装置では、光ディスク装置部単体を取り出して修理等を行った際、以前と同じ動作にするために初期設定を再び行わなければならず、手間が掛かるという問題があった。
【0005】
特許文献1には、光ディスクに対してデータ記録を実施するために必要となる記録用設定情報を必要なときに外部から取得できるようにした、記録用設定情報設定方法及びプログラム、並びにデータ記録再生装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−15919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の技術は、データ格納用のサーバが必要であり、光ディスク記録再生装置の装置IDと光ディスクのメディアIDとによる照合のステップが必要となる等、手間が掛かるという問題があった。
【0008】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、光ディスク装置単体を交換した際に、ユーザがすぐに自分の好みの設定で使うことができる光ディスク装置内蔵表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の光ディスク装置内蔵表示装置は、一体で取り外し可能な光ディスク装置部と、本体側記憶装置とを備える光ディスク装置内蔵表示装置であって、前記光ディスク装置部は、前記光ディスク装置部の設定情報を記憶する光ディスク装置部記憶装置を備え、前記本体側記憶装置は、前記光ディスク装置部記憶装置が記憶する設定情報と同じ設定情報を記憶し、光ディスク装置部が再接続された際、再接続された光ディスク装置部の光ディスク装置部記憶装置における設定情報を前記本体側記憶装置が記憶する設定情報に置き換えることを特徴とする。
【0010】
前記本体側記憶装置に設定情報を記憶するかどうか選択可能であってもよい。
【0011】
前記本体側記憶装置に記憶された設定情報を適用できない光ディスク装置部が接続された場合、光ディスク装置部の設定が必要なことを表示してもよい。
【0012】
前記本体側記憶装置に記憶された設定情報を適用できない光ディスク装置部が接続された場合、デフォルトの設定情報を使用するようにしてもよい。
【0013】
前記光ディスク装置部の設定情報は、録画用設定、再生用設定、LAN設定の少なくともいずれか1つを含んでもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光ディスク装置単体を取り出して修理等を行った際でも、ユーザがすぐに自分の好みの設定で使うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による光ディスク装置内蔵表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】設定情報の反映の手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明による光ディスク装置内蔵表示装置は、例えば、ブルーレイディスクやDVD等の光ディスクに番組を録画したり、光ディスクに録画された番組を再生したりすることができる光ディスク装置を内蔵した、液晶テレビジョン装置等の表示装置である。図1は、本発明による光ディスク装置内蔵表示装置の構成の一例を示すブロック図である。光ディスク装置内蔵表示装置は、テレビ部1と、光ディスク装置部2とを備える。
【0017】
テレビ部1は、テレビ部動作部11と、リモコン受光部12と、テレビ部CPU13と、テレビ部通信制御部14と、テレビ部記憶装置15とを備える。テレビ部動作部11は、主に、光ディスク装置内蔵表示装置をテレビジョン受像機として動作させる機能を有する部分であり、表示部や、チューナ部等を含む。リモコン受光部12は、リモコン装置(図示せず)からの指示信号を受信し、テレビ部CPU13に伝える。テレビ部CPU13は、光ディスク装置内蔵表示装置全体の動作を制御する。テレビ部通信制御部14は、後述する光ディスク装置部2の光ディスク装置部通信制御部23と通信する。この通信では、テレビ部CPU13による光ディスク装置部2の制御や、映像データ及び音声データの送受信、後述する光ディスク装置部2の設定情報の送受信などが行われる。テレビ部記憶装置15は、光ディスク装置部2の設定情報を記憶する。
【0018】
光ディスク装置部2は、ブルーレイディスクやDVD等の光ディスクに番組等を録画したり、光ディスクに録画された番組を再生したりする機能を有する部分である。光ディスク装置部2は、光ディスク装置部動作部21と、光ディスク装置部CPU22と、光ディスク装置部通信制御部23と、光ディスク装置部記憶装置24とを備える。光ディスク装置部動作部21は、光ディスクを載置するトレー、トレーの駆動機構、光ディスクの回転駆動機構、光ピックアップ等、通常光ディスク装置が備える構成を含む。光ディスク装置部CPU22は、光ディスク装置通信制御部23を経て受けたテレビ部CPU13からの指示に応じて光ディスク装置部2全体を制御する。光ディスク装置部通信制御部23は、テレビ部CPU13による光ディスク装置部2の制御や、映像データ及び音声データの送受信、光ディスク装置部2の設定情報の送受信などを行うために、テレビ部1のテレビ部通信制御部14と通信を行う。光ディスク装置部記憶装置24は、光ディスク装置部2における種々の設定情報を記憶する。光ディスク装置部2は、光ディスク装置部記憶装置24に記憶された設定情報にしたがって、録画、再生、LANによる通信などの動作を行う。
【0019】
光ディスク装置部記憶装置24が記憶する光ディスク装置部2の設定情報は、例えば、録画レート、音声設定などの録画用設定や、音声言語設定、字幕言語設定などの再生用設定や、IP、DSNなどのLAN設定や、その他必要な設定についての情報を含む。これらの設定情報は、例えば、設定メニュー画面を表示し、ユーザによるリモコン装置の操作で項目を選択させることによって設定する。例えば言語設定など、テレビ部1における設定情報を光ディスク装置部2の設定情報として流用できるものがある場合、テレビ部1における設定情報を光ディスク装置部2に送信し、光ディスク装置部記憶装置24に記憶してもよい。
【0020】
光ディスク装置部2の設定情報は、テレビ部1のテレビ部記憶装置15にも記憶する。光ディスク装置部2の設定情報を変更する際には、光ディスク装置部記憶装置24に記憶された設定情報を更新すると共に、テレビ部記憶装置15に記憶された設定情報も更新する。このようなテレビ部記憶装置15への光ディスク装置部2の設定情報の記憶の有無は、ユーザ設定によって任意に選択できるようにしてもよい。例えば、光ディスク装置部2の設定情報を変更するたびに、テレビ部1のテレビ部記憶装置15にも記憶するかどうか、例えばOSDなどの画面表示をしてリモコン操作などでユーザに選択させるようにしてもよい。また、光ディスク装置部2を取り外す前に、任意で設定情報をテレビ部記憶装置15に記憶するようにしてもよい。
【0021】
光ディスク装置部2は、修理などの際、光ディスク装置内蔵表示装置から単体で取り出し、交換することが可能である。また、光ディスク装置部2は、ユーザが交換可能なものであってもよい。テレビ部CPU13が、光ディスク装置部2が取り外された後、(修理した、新たな、あるいは同じ)光ディスク装置部2が再度接続されたことを検知すると、テレビ部記憶装置15に記憶された設定情報を光ディスク装置部2に送信する。光ディスク装置CPU22は、受信した設定情報を光ディスク装置部記憶装置24に光ディスク装置部2の設定情報として記憶する。このようにして、光ディスク装置部2が交換された際、交換前と同じ設定情報で光ディスク装置部2の機能を使用することが可能になる。
【0022】
光ディスク装置部2への設定情報の送信は、例えば次のように行われる。光ディスク装置部2が光ディスク装置内蔵表示装置に接続され、電源が供給された状態になると、テレビ部CPU13は、光ディスク装置部2のモデル名(ID)をシリアル通信によって取得する。テレビ部CPU13は、取得したモデル名(ID)の光ディスク装置部2がテレビ部記憶装置15に記憶された設定情報を適用できるものであるかどうかを判断し、適用できるものであるならば、設定情報を一項目ずつ光ディスク部2にシリアル通信で送信する。例えば、接続された光ディスク装置部2が、バージョンアップ等で、以前に接続されていた光ディスク装置部2と異なるもので、テレビ部記憶装置15に記憶された設定情報を適用できないものであるとテレビ部CPU13が判断した場合、例えば、再度設定することが必要なことを通知するOSD表示などをしてもよいし、デフォルトの設定情報をそのまま使用するようにしてもよいし、再設定かデフォルト値をそのまま使用するかユーザが選択できるようにしてもよい。設定情報を一部のみ適用できる場合、適用できる設定情報のみを光ディスク装置部2に送信するようにしてもよい。光ディスク装置部2が接続された際には、そのモデル名(ID)もテレビ部記憶装置15に記憶し、次に光ディスク装置部2が再接続された際に取得したモデル名(ID)と比較し、同じ場合は同じ設定情報が適用できると判断するようにしてもよい。
【0023】
図2は、図1に示す光ディスク装置内蔵表示装置における設定情報の反映の手順を説明するフローチャートである。ステップS101において、光ディスク装置部2の設定が行われ、設定情報が光ディスク装置部記憶装置24に記憶される。ステップS102において、ステップS101で設定された設定情報がテレビ部記憶装置15に反映される。上述したように、このような反映を行う際にOSDなどでユーザに通知し、反映を行うか否かをユーザが選択できるようにしてもよい。また、このような反映は、光ディスク装置部2の設定が変更されるたびに行われる。
【0024】
ステップS103において、光ディスク装置部2が取り外される。ステップS104において、光ディスク装置部2が接続される。ステップS104で接続される光ディスク装置部2は、ステップS103で取り外された、すなわちこれまで接続されていた光ディスク装置部2と同じものであっても違うものであってもよい。
【0025】
ステップS105において、テレビ部CPU13は、接続された光ディスク装置部2のモデル名(ID)を取得し、取得したモデル名(ID)の光ディスク装置部2がテレビ部記憶装置15に記憶された設定情報を適用できるものであるかどうかを判断し、適用できる場合はステップS106に進み、適用できない場合はステップS107に進む。
【0026】
ステップS106において、テレビ部CPU13は、テレビ部記憶装置15に記憶された光ディスク装置部2の設定情報を、テレビ部通信制御部14を経て光ディスク部2に送信する。光ディスク装置部CPU22は、テレビ部1から送信された設定情報を光ディスク装置部通信制御部23を経て受信し、光ディスク装置部記憶装置24に記憶し、反映動作を終了する。
【0027】
ステップS107において、テレビ部CPU13は、OSD表示などによって光ディスク装置部2の再設定が必要なことをユーザに通知する。また、上述したように、デフォルトの設定値を使用するようにしてもよい。
【0028】
上記実施の形態では、光ディスク装置部2は光ディスク装置部CPU22を備えているが、テレビ部CPU13が光ディスク装置部2のすべての制御を行うようにし、光ディスク装置部CPU22を省くような構成にしてもよい。
【0029】
以上、本発明を、光ディスク装置内蔵表示装置を例として説明したが、本発明は、光ディスク装置内蔵表示装置だけでなく、ハードディスク装置等の他の記録媒体を用いる記録装置を内蔵した表示装置にも適用可能である。
【0030】
また、本発明は、記録装置を内蔵するものだけでなく、HDMI等の制御情報を伝送できる接続手段で外部記録装置を接続できる表示装置にも適用可能である。この場合、外部記録装置における設定情報を表示装置側が有する記憶装置にも記憶しておき、外部記録装置が(再)接続された際、表示装置側の記憶装置が記憶する設定情報を接続された外部記録装置に送信し、接続された外部記録装置の設定情報として用いるようにする。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、光ディスク装置内蔵表示装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 テレビ部
2 光ディスク装置部
11 テレビ部動作部
12 リモコン受光装置
13 テレビ部CPU
14 テレビ部通信制御部
15 テレビ部記憶装置
21 光ディスク装置部動作部
22 光ディスク装置部CPU
23 光ディスク装置部通信制御部
24 光ディスク装置部記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体で取り外し可能な光ディスク装置部と、
本体側記憶装置とを備える光ディスク装置内蔵表示装置であって、
前記光ディスク装置部は、前記光ディスク装置部の設定情報を記憶する光ディスク装置部記憶装置を備え、
前記本体側記憶装置は、前記光ディスク装置部記憶装置が記憶する設定情報と同じ設定情報を記憶し、
光ディスク装置部が再接続された際、再接続された光ディスク装置部の光ディスク装置部記憶装置における設定情報を前記本体側記憶装置が記憶する設定情報に置き換えることを特徴とする光ディスク装置内蔵表示装置。
【請求項2】
前記本体側記憶装置に設定情報を記憶するかどうか選択可能であることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置内蔵表示装置。
【請求項3】
前記本体側記憶装置に記憶された設定情報を適用できない光ディスク装置部が接続された場合、光ディスク装置部の設定が必要なことを表示することを特徴とする請求項1または2に記載の光ディスク装置内蔵表示装置。
【請求項4】
前記本体側記憶装置に記憶された設定情報を適用できない光ディスク装置部が接続された場合、デフォルトの設定情報を使用することを特徴とする請求項1または2に記載の光ディスク装置内蔵表示装置。
【請求項5】
前記光ディスク装置部の設定情報は、録画用設定、再生用設定、LAN設定の少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光ディスク装置内蔵表示装置。
【請求項6】
光ディスク装置内蔵表示装置において光ディスク装置部の設定情報を管理する方法であって、
前記光ディスク装置部の設定情報を前記光ディスク装置部が備える光ディスク装置部記憶装置に記憶するステップと、
前記設定情報を本体側記憶装置に記憶するステップと、
前記光ディスク装置部が取り外された後に接続されたことを検知するステップと、
前記本体側記憶装置に記憶された前記設定情報を接続された光ディスク装置部に送信するステップと、
送信された前記設定情報を前記光ディスク装置部記憶装置に記憶するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−100510(P2011−100510A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254195(P2009−254195)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】