説明

光ビームの色度および拡散を両方向制御するための方法および装置

照明装置(100)がスクロール機構(500)に結合した柔軟なカラーフィルタ材料(308)を含み、スクロール機構は、カラーフィルタ材料の選択した部分を照明装置からの光ビームの一部に配置するために材料を第1方向に動かす。この機構に結合した手段は、光ビームの別の部分がフィルタリングされずに通過するように機構を第2方向(506)に動かしてもよい。このカラーフィルタ材料の種々の領域(B〜I)が種々の色度を作り出し、その手段がスクロール機構をカラーフィルタ材料の平面と実質的に平行に回転してもよい。照明装置は、この照明装置の光ビームの少なくとも一部を所定の量だけ拡散するために柔軟な拡散材料(310)に結合した第2スクロール機構(110)を含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動照明装置に関し、特に、光源からの光ビームの色度および彩度を制御する装置、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ビームの色度は、この光ビームの全部または一部が通過するようにカラーフィルタを配置することによって制御できる。このカラーフィルタが柔軟な材料で出来ている場合、異なる色度のカラーフィルタを互いに並べて取付けてフィルタの連を創ってもよい。その様な連を、この連の選択した部分を光ビームに配置するために遠隔制御する、モーター付きスクロール機構(“カラーフィルタスクロール装置”)に取付けてもよい。
【0003】
照明装置によって作った光ビームの色度を制御するためにカラーフィルタスクロール装置を使う場合、この連の個々のカラーフィルタの大きさは、典型的には光ビームの直径より僅かに大きく選択する。照明装置を使う前に、ユーザは、フィルタ連に含めるために所望に色度の一つ以上のカラーフィルタを選択してもよい。すると、このユーザは、照明装置の使用中に所望のカラーフィルタをこの光ビームを完全に覆うように配置するためにカラーフィルタスクロール装置を操作して、この照明装置に所望の色度の光ビームを作らせてもよい。
【0004】
フィルタ連に於いては、カラーフィルタを柔軟な材料の透明パネルの脇に置いてもよい。この光ビームの一部がカラーフィルタを通過し且つ光ビームの残りが透明パネルを通過するようにその様なフィルタ連を配置してもよい。出来た光ビームは、着色光と白色光の組合わせだろう。この光ビームは、カラーフィルタの色度をしているだろうが、この白色光の付加のために、色度が薄いか、または彩度が悪い。この様にして、カラー連に所望の色度のカラーフィルタを配置することによって照明装置を使う前に光ビームの色度を制御することができ、および照明装置に使用中にこのビームの着色光と白色光の比によって光ビームの彩度を制御することができる。
【0005】
フィルタ連のカラーフィルタは、異なる色度の別のカラーフィルタの隣に配置してもよい。この光ビームの一部が或るカラーフィルタを通過し且つ光ビームの残りが隣接するカラーフィルタを通過するようにその様なフィルタ連を配置してもよい。出来た光ビームの色度は、二つの色度の組合わせだろう。この様にして、照明装置の使用中にビームの光の二つの色度の比によって光ビームの色度を制御することができ、および照明装置を使用する前に所望の彩度のカラーフィルタをカラー連に配置することによって光ビームの彩度を制御することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、照明装置の使用中に光ビームの色度と彩度の両方を制御するための装置、システムおよび方法が必要である。更に、照明装置の使用中に光ビームの色度と彩度の両方を制御するために柔軟なカラーフィルタを使う装置、システムおよび方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、照明装置の使用中に柔軟なカラーフィルタで光ビームの色度と彩度の両方を制御するための改良した方法を提供する。この発明による自動機構が選択した量の光ビームをフィルタリングしないままにしながら、選択した比の二つのカラーフィルタを光ビームの中に配置してもよい。
【0008】
更に具体的には、この発明の側面は、光源およびスクロール機構に結合した柔軟なカラーフィルタ材料を含み、そのスクロール機構は、このカラーフィルタ材料の選択した部分を光源からの光ビームの第1部分に配置するためにこの柔軟な材料を第1方向に動かせる照明装置にあるかも知れない。このカラーフィルタ材料の種々の領域がこの光ビームをフィルタリングして種々の色度を作る。この光ビームの第2部分がこのカラーフィルタ材料の選択した部分を通過しないように、このスクロール機構に結合した手段がをこのスクロール機構を第2方向に動かす。
【0009】
本発明の他の側面は、光ビームの特性を制御する方法にあるかも知れない。この方法は、柔軟な材料をスクロール機構で第1方向に動かす工程を含む。この柔軟な材料は、この材料の選択した部分をこの光ビームの第1部分に配置するために動かされる。この方法は、このスクロール機構をこの第1方向とは異なる第2方向に動かす工程も含む。この運動は、この光ビームの第2部分がこの材料の選択した部分を通過しないようにこの柔軟な材料を配置する。
【0010】
本発明の更に他の側面は、スクロール機構に結合した柔軟なカラーフィルタ材料を含み、そのスクロール機構は、このカラーフィルタ材料の選択した部分を光源からの光ビームの第1部分に配置するためにこの柔軟な材料を第1方向に動かせる装置にあるかも知れない。このカラーフィルタ材料の種々の領域がこの光ビームをフィルタリングして種々の色度を作る。この光ビームの第2部分がこのカラーフィルタ材料の選択した部分を通過しないように、このスクロール機構に結合した手段がをこのスクロール機構を第2方向に動かす。
【0011】
上記は、当業者が以下のこの発明の詳細な説明をより良く理解できるように、本発明の特徴および技術的利点をかなり広く概説した。この発明の請求項の主題を形成する、この発明の付加的特徴および利点を以下に説明する。当業者は、この発明と同じ目的を達成するための他の構成を変更または設計するための基礎として開示した概念および特定の実施例を容易に使用できることを理解すべきである。当業者は、それとの等価構成がその最も広い形でこの発明の精神および範囲から逸脱しないことも理解すべきである。
【0012】
以下の“発明を実施するための形態”に着手する前に、この特許文書全体に亘って使った或る語句の定義を示すことが好都合かもしれない。用語“含む”および“包含する”、並びにその派生語は、限定することなく包含を意味している。用語“または”は、および/またはの意味を含む。句“と関連する”および“それと関連する”、並びにその派生語は、含む、に含まれる、と連結する、に伝達できる、と協同する、交互は位置する、並置する、に近接する、に縛る、持つ、の特性がある等を意味し得るものである。そして、用語“制御装置”は、少なくとも一つの働きを制御するあらゆる装置、システムまたはその一部を意味し、その様な装置は、ハードウェア、ファームウェア若しくはソフトウェア、または少なくともそれらの二つの或る組合わせで実施してもよい。何れかの特定の制御装置に関連する機能性は、局所的であろうが遠隔的であろうが、集中または分散してもよいことに注目すべきである。或る語句に対する定義をこの特許文書全体に亘って提供し、当業者は、殆どでなくても、多くの場合に、その様な定義がその様に定義した語句の将来の使用には勿論、以前の使用にも当てはまることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明、およびその利点のより完全な理解のために、次に添付の図面に関連して書いた以下の説明を参照し、これらの図面で類似の番号は類似の物体を指す。
【図1】本発明による自動照明装置の概略、破断側面図である。
【図2】図1の照明装置に使うためのスクロール機構の背面図を示す。
【図3】図1に示す本発明の実施例に使える色度および拡散連を示す。
【図4A】図1に示す本発明の実施例の作用を概略的に示す。
【図4B】図1に示す本発明の実施例の作用を概略的に示す。
【図5】本発明によるスクロール機構を動かすための装置の概略図である。
【図6】本発明による照明装置の破断概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に議論する図1ないし図6、およびこの特許文書で本発明の原理を説明するために使う種々の実施例は、単に例示に過ぎず、如何なる方法でも本発明の範囲を限定すると解釈すべきでない。当業者は、本発明の原理を何か適当に構成した無線通信ネットワークで実施してもよいことが分るだろう。
【0015】
図1は、本発明による自動照明装置の概略図を示す。ランプ102が放物面または近放物面反射器104の焦点近くに取付けてある。スクロール機構108および110がこの放物面反射器104の出口開口を横切って取付けてある。この位置で、スクロール機構108および110が担持する柔軟な材料が球102が出す光線112A〜Cを遮断する。光線112Aは、この球から直接照明装置100の口へ進み、一方光線112Bおよび112Cは、照明装置100の口から出る前に反射器104から反射する。
【0016】
スクロール機構110が担持する柔軟な材料は、柔軟な拡散器材料でもよい。スクロール機構108が担持する柔軟な材料は、カラーフィルタ材料でもよい。このカラーフィルタ材料は、このフィルタを通過しなかった周波数のほぼ全ての光を吸収するのではなく、反射するという利点を有する、ダイクロイックフィルタとして製作してもよい。その結果、このフィルタ材料は、冷たいままであり、それで頻繁な交換が必要ない。その代りに、このカラーフィルタ材料を従来のカラーゲルで製作してもよい。
【0017】
照明装置100は、放物面反射器を備えるように描いてあるが、この発明によるカラーフィルタスクロール装置は、楕円形反射器のあるまたは反射器の全くない照明装置にも使ってよいことが分るだろう。同様に、この発明によるカラーフィルタスクロール装置は、どんな種類の光源、例えば、LED、フィラメントまたはアーク光源を有する照明装置に使ってもよい。この発明による照明装置は、例えば、劇場、演奏会、映画、または建築の照明用途に使ってもよい。
【0018】
スクロール機構110に使う柔軟な拡散器材料は、米国カリフォルニア州トランス市のフィジカルオプティックス社が製造するLSD(登録商標)光成形拡散器フィルムのような、ホログラフィー拡散器でもよい。他の柔軟な拡散材料を付加的にまたはその代りに、この発明の精神および範囲から逸脱することなく、使ってもよい。
【0019】
図1は、スクロール機構が担持する柔軟な拡散器材料を有する、本発明の実施例を描くが、この発明による照明装置は、この発明によるカラーフィルタスクロール装置を通過する光ビームを他の方法で混合してもよいことが分るだろう。この発明の別の実施例では、フレネルレンズのような、ガラスまたはアクリルレンズを使ってもよい。その様なレンズをこの照明装置に固定してまたは取外し可能に取付けてもよい。その様な取外し可能な取付けは、この照明装置のユーザにこの照明装置に使うための所望量のビーム発散をもたらすレンズの選択を可能にする。
【0020】
更に別の実施例では、単品の柔軟な拡散材料をフレームに取付け、このフレームを照明装置に固定してまたは取外し可能に取付けてもよい。その様な実施例で、取外し可能な取付けは、拡散材料がこの照明装置に所望程度の拡散を与えるようにできるという利益を再びもたらすだろう。
【0021】
本発明の実施その上更に別の例では、本発明によるカラーフィルタスクロール装置を通過する光ビームの光線をスクランブル化する効果を有する光学システムを備えるように照明装置を設計してもよい。その様な光学システムは、柔軟な拡散媒体または拡散レンズの必要なしにこの光ビームの色を混合してもよい。
【0022】
図2は、図1の照明装置にスクロール機構108として使うのに適するスクロール機構200の背面図を示す。ハウジング202がこのスクロール機構108の部品を機械的に支持してもよい。このハウジング202の開口204が光源102(光線112A〜Cを含む)からの光ビームにこのハウジング202および柔軟なカラーフィルタ材料210を通過させる。
【0023】
このカラーフィルタ材料210は、両端がローラ206および208の周りに巻付けてある。モータ212がベルト214並びにプーリ216および218を介してこのローラ206を駆動する。ローラ208は、カラーフィルタ材料210をローラ206および208の間で緊張状態に維持するためにばねが掛けてあってもよい。このモータ212は、カラーフィルタ材料210の所望の部分を開口204を横切るように、従って、光源102からの光ビームを横切るように配置するために、このカラーフィルタ材料210をローラ206の周りに巻付けまたは巻戻すために当業者に知られる手法によって遠隔制御してもよい。
【0024】
図3は、照明装置100のスクロール機構に使えるカラーフィルタおよび拡散材料(または連)を示す。カラーフィルタ連308は、スクロール機構108に設置してもよい。拡散連310は、スクロール機構110に設置してもよい。図4Aおよび4Bに関して説明する方法で、スクロール機構108は、カラーフィルタ連308の選択した部分を、およびスクロール機構110は、拡散連310の選択した部分を、反射器104の出口を横切って、光源102およびこの反射器104からの光ビームの中に配置するように作動してもよい。
【0025】
カラーフィルタ連308は、パネルA〜Jを有するように示してある。これらのパネルAおよびJは、このカラーフィルタ連308をスクロール機構108のローラに取付けるために使う、先端材料を含んでもよい。パネルFおよびHは、光源102からの光ビームを着色しない、透明材料を含んでもよい。パネルB〜E、GおよびLは、異なる色のフィルタ材料を含んでもよい。パネルB〜Iは、垂直および水平寸法が反射器104の口の直径とほぼ等しい(またはそれより僅かに大きい)、実質的に正方形でもよい。
【0026】
図3のカラー連308は、パネル間に、このカラー連の側面に垂直な、明確な境界線を示す。しかし、この発明の精神および範囲から逸脱することなく、パネル間に他の境界線を使ってもよいことが分るだろう。例えば、対角境界線またはパネルへの鋸歯縁を使用してもよい。
【0027】
実際、このカラー連308は、明確な境界線を全くなしに製作してもよい。例えば、カラーフィルタの領域と透明領域の間(または異なるカラーフィルタを有する隣接領域間)の漸進的移行を、カラーフィルタ材料の結合した区域を挟んで透明材料の区域がバラバラにあるパターンとして製作してもよい。透明区域の密度は、或る点で、透明材料の区域が結合し、カラーフィルタ材料の区域が分離するようになるまで増してもよい。それでカラーフィルタ区域の密度は、カラーフィルタから透明までの漸進的移行が完了するまで減るかも知れない。有色から透明まで、または或る色から別の色までの漸進的移行を行うために当業者に知られる他の手法を使ってもよいことが分るだろう。
【0028】
拡散/パターン連310をパネルK〜Pを有するように示してある。これらのパネルKおよびPは、この拡散/パターン連310をスクロール機構110のローラに取付けるために使う、先端材料を含んでもよい。これらのパネルL〜Oは、例えば、米国カリフォルニア州トランス市のフィジカルオプティックス社が製造するLSD(登録商標)光成形拡散器フィルムのような、ホログラフィックレンズを含んでもよい。これらのパネルL〜Oは、全方向拡散が増加する累進的連続をもたらして、発散程度が増加する丸いビームを作るように選択した材料を含んでもよい。この発明の別の実施例では、一つ以上のパネルL〜Oが水平方向と垂直方向で発散量が異なり、発散程度が異なる矩形ビームを作る材料を含んでもよい。
【0029】
それで、スクロール機構110は、パネルL〜Oのどれかを反射器104の口を横切って配置するように作動してもよい。説明したような、パネルL〜Oは、光ビームを所定の発散程度に拡散するように作用してもよい。
【0030】
カラー連308に関して説明したように、拡散/パターン連310は、パネル間移行を、図3に示す明確な、垂直境界線以外にして製作してもよい。その様な漸進的移行または非垂直境界線は、或る量の拡散から他へまたは或るパターンから他への変化を滑らかにするように機能するかも知れない。
【0031】
図4Aは、作動中の図1に示すこの発明の実施例を示す。図1のスクロール機構108に類似するスクロール機構400がローラ406および408を含んでもよい。このスクロール機構400は、図3に示すカラー連308のようなカラー連を、図1に示す反射器104のような反射器の口404を横切って配置するように作動してもよい。
【0032】
このスクロール機構400は、このカラー連のパネルの一つを反射器の口404を完全に横切って配置するように作動し、その結果、この反射器からの光ビームを完全に着色しまたは無着色にしてもよい。その代りに、このスクロール機構400がこのカラーフィルタ連の所望の部分をこの反射器の口404から出る光ビームの部分410および412を横切って配置するように作動してもよい。
【0033】
例えば、着色パネルの一部および隣接する透明パネルの一部をこの反射器の口404を横切って配置してもよい。こうすれば、光ビームの一部を着色し、残りは無着色のままだろう。同様に、このスクロール機構400は、一つの着色パネルの一部および隣接する着色パネルの一部をこの反射器の口404を横切って配置するように作動してもよい。こうすれば、光ビームの一部が第1の色度を有し、残りが第2の色度を有するだろう。
【0034】
もし、図3に示すような拡散材料を、そのような部分着色した、または多色の光ビームを横切って配置するならば、その効果は、この光ビームを単一の、混色に統合することだろう。この様にして、所望量の白色光と着色光を混ぜて薄い色と完全な飽和色の間の所望の彩度を有する光ビームを作ることができる。同様に、所望の量の2色を光ビームで混ぜて所望の色の光ビームを作ることができる。
【0035】
スクロール機構400は、カラーフィルタ連の選択した部分を反射器の口404から出る光ビームを横切って配置するためにこのカラーフィルタ連を第1方向(図4Aで横方向)に動かすことができる。図4Bに示すように、このスクロール機構400は、光ビームの部分424がこのカラー連の選択した部分を通過しないように、このカラーフィルタ連を第2方向(図4Bで縦方向)にも動かしてもよい。このカラー連は、或る色のフィルタの所望量を光ビームの部分420を横切って配置し且つ別の色のカラーフィルタの対応する量をこの光ビームの部分422を横切って配置するために、この第1方向に動かしてもよい。このカラー連は、光ビームの部分424をフィルタリングしないか、白いままにするためにこの第2方向にも動かしてもよい。この様にして、このスクロール機構は、所望の色度の光ビームを作るためにカラーフィルタ連を第1方向に、および所望の色彩度の光ビームを作るために第2方向に動かしてもよい。
【0036】
図5および6は、スクロール機構を反射器の口508を横切って図4Bの説明で言及した第2方向に動かすための異なる装置を有する、本発明の二つの実施例を示す。図5では、矢印506で示す方向の運動を可能にするために、スクロール機構500がレール502および504上に取付けてある。このスクロール機構500にある開口510が、或る色のフィルタの所望量を光ビームの部分520を横切って配置し且つ別の色のカラーフィルタの対応する量をこの光ビームの部分522を横切って配置するためにカラー連を動かせるようにする。このスクロール機構500は、このビームの部分524をフィルタリングしないで通すためにレール502および504に沿って動いてもよい。
【0037】
本発明の一実施例では、スクロール機構500をケーブルによって方向506に動かしてもよい。別の実施例では、この運動をラックアンドピニオン機構によって発生してもよい。更に別の実施例では、ソレノイド機構またはリニヤアクチュエータがこのスクロール機構500を動かしてもよい。
【0038】
図6は、本発明を具体化する別の照明装置600の概略図を示す。光ビーム612を出すためにランプ602が反射器604内に取付けてあってもよい。スクロール機構608が軸630の周りに設けてあって、このスクロール機構608が担持するカラー連を光線612の全部または一部を横切って配置してもよい。図6に示すように配置したとき、光ビーム612の部分620がこのカラー連を通過し、部分624がフィルタリングしないままである。
【0039】
本発明の一実施例では、スクロール機構608を軸630に取付けた回転モータによって動かしてもよい。この発明の他の実施例では、軸630周りのスクロール機構608の旋回運動をケーブルまたはリニヤモータによって発生してもよい。
【0040】
本発明の別の実施例では、スクロール機構608の中のカラーフィルタ材料がダイクロイックフィルタ材料を含んでもよい。ダイクロイックフィルタが通す光の色は、一部、その表面に当る光の入射角に依る。スクロール機構608の傾斜運動は、このカラーフィルタ材料上への光ビーム612の入射角を変えると共にこの光ビーム612の部分624をフィルタリングせずに通させる。それで、スクロール機構608にダイクロイックフィルタ材料を使うとき、この照明装置600によって光の色度と彩度の両方を生み出した。
【0041】
図1の照明装置は、カラースクロール機構一つと拡散スクロール機構一つを備えるように描いてあるが、この発明を具体化する他の実施例では追加のスクロール機構を含めてもよいことが分るだろう。更に、この発明の他の実施例では、スクロール機構がカラーフィルタ材料と拡散材料の両方を含む柔軟な材料を担持してもよい。
【0042】
図1に示す照明装置のスクロール機構は、ローラが光ビームの同じ側にあるが、この発明の他の実施例では、一つ以上のスクロール機構をこの光ビームの縦軸周りに90度回転してもよいことが分るだろう。その上、他の実施例では、この柔軟な材料を光源に最も近いローラの側面間に拡げるためにこれらのローラの周りに巻付けてもよい。この様にして、二つのスクロール機構のローラを同じ平面内にあるように配置し、それによってこの発明による照明装置の長さを減らすことができる。
【0043】
本発明を詳細に説明したが、当業者は、ここにその最も広い形でこの発明の精神および範囲から逸脱することなく種々の変更、置換および修正を行えることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置であって、
光源、
スクロール機構に結合した柔軟な材料で、このスクロール機構は、この柔軟な材料を第1方向に動かし且つこの光源からの光ビームの第1部分がこの柔軟な材料の選択した部分を通過するようにこの柔軟な材料の選択した部分を配置するために使用でき、そこでこの柔軟な材料が光ビームの対応する第1および第2所定量のカラーフィルタリングを行う第1および第2領域を含む材料;および
スクロール機構をこの第1方向とは異なる第2方向に動かし且つこの光ビームの第2部分がこの柔軟な材料の第2部分を通過しないようにこの柔軟な材料を配置するために使用できる、このスクロール機構に結合した手段を含む照明装置。
【請求項2】
請求項1の照明装置であって、
第2スクロール機構に結合した第2の柔軟な材料を含み、この第2スクロール機構は、上記光ビームがこの第2の柔軟な材料の選択した部分を通過するようにこの第2の柔軟な材料の選択した部分を配置するために使用でき、
そこでこの第2の柔軟な材料が上記光ビームの対応する第1および第2所定量の拡散を行う第1および第2領域をさらに含む照明装置。
【請求項3】
請求項2に記載の照明装置であって、
第3スクロール機構に結合した第3の柔軟な材料を含み、第3スクロール機構は、この柔軟な材料を第3方向に動かし且つ上記光ビームの第3部分がこの第3の柔軟な材料の選択した部分を通過するようにこの第3の柔軟な材料の選択した部分を配置するために使用でき、
そこでこの第3の柔軟な材料が上記光ビームの対応する第1および第2所定量のカラーフィルタリングを行う第1および第2領域をさらに含む照明装置。
【請求項4】
請求項3の照明装置であって、
上記第3スクロール機構を上記第3方向とは異なる第4方向に動かし且つ上記光ビームの第4部分が上記第3の柔軟な材料の選択した部分を通過しないように上記第3の柔軟な材料を配置するために使用できる、前記第3スクロール機構に結合した第2手段をさらに含む照明装置。
【請求項5】
請求項1に記載の照明装置に於いて、前記柔軟な材料の表面が実質的に平面であり且つ前記手段が前記スクロール機構を前記柔軟な材料の表面の平面と実質的に平行方向に動かす照明装置。
【請求項6】
請求項1に記載の照明装置に於いて、上記柔軟な材料の表面が実質的に平面であり且つ上記手段が上記スクロール機構を上記柔軟な材料の表面の平面と実質的に平行な回転軸の周りに回転する照明装置。
【請求項7】
請求項6に記載の照明装置に於いて、上記柔軟な材料の第1領域と第2領域の一つがダイクロイックフィルタを含む照明装置。
【請求項8】
照明装置に使うための、光ビームの特性を制御する方法であって、
柔軟な材料をスクロール機構で第1方向に動かして柔軟な材料の選択した部分が光ビームの第1の所定量のカラーフィルタリングを行うように柔軟な材料の選択した部分を光ビームの第1部分に配置する工程、
光ビームの第2部分が柔軟な材料の選択した部分を通過しないように柔軟な材料を配置するためにスクロール機構を第1方向とは異なる第2方向に動かす工程を含む方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
第2の柔軟な材料の第1部分が上記光ビームの第1所定量の拡散を生じるようにこの第2の柔軟な材料の第1部分を上記光ビームに配置するためにこの第2の柔軟な材料を第2スクロール機構で動かす工程、および
この第2の柔軟な材料の第2部分が上記光ビームの第2所定量の拡散を生じるようにこの第2の柔軟な材料の第2部分を上記光ビームに配置するためにこの第2の柔軟な材料を第2スクロール機構で動かす工程をさらに含む方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、第3の柔軟な材料を第3スクロール機構で第3方向に動かして第3の柔軟な材料の選択した部分が前記光ビームの第2の所定量のカラーフィルタリングを行うようにこの第3の柔軟な材料の選択した部分を前記光ビームの第3部分に配置する工程をさらに含む方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、更に、前記光ビームの第4部分が前記第3の柔軟な材料の選択した部分を通過しないように前記第3の柔軟な材料を配置するために上記第3スクロール機構を前記第3方向とは異なる第4方向に動かす工程を含む方法。
【請求項12】
請求項8に記載の方法に於いて、前記柔軟な材料の表面が実質的に平面であり且つ前記スクロール機構を動かす工程が前記スクロール機構を前記柔軟な材料の表面の平面と実質的に平行方向に動かす工程を含む方法。
【請求項13】
請求項8に記載の方法に於いて、前記柔軟な材料の表面が実質的に平面であり且つ前記スクロール機構を動かす工程が前記スクロール機構を前記柔軟な材料の表面の平面と実質的に平行な回転軸の周りに回転する工程を含む方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法に於いて、前記柔軟な材料の選択した部分がダイクロイックフィルタを含む方法。
【請求項15】
光ビームの特性を制御するための装置であって、
スクロール機構に結合した柔軟な材料で、このスクロール機構は、この柔軟な材料を第1方向に動かし且つこの光ビームの第1部分がこの柔軟な材料の選択した領域を通過するようにこの柔軟な材料の選択した領域を配置するために使用でき、そこでこの柔軟な材料がこの光ビームの対応する第1および第2所定量のカラーフィルタリングを行う第1および第2領域を含む材料、および
スクロール機構をこの第1方向とは異なる第2方向に動かし且つこの光ビームの第2部分がこの柔軟な材料の第2部分を通過しないようにこの柔軟な材料を配置するために使用できる、スクロール機構に結合した手段を含む装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、更に:
第2スクロール機構に結合した第2の柔軟な材料を含み、この第2スクロール機構は、上記光ビームがこの第2の柔軟な材料の選択した領域を通過するようにこの第2の柔軟な材料の選択した部分を配置するために使用でき、
そこでこの第2の柔軟な材料が上記光ビームの対応する第1および第2所定量の拡散を行う第1および第2領域を含む装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置であって、
第3スクロール機構に結合した第3の柔軟な材料を含み、この第3スクロール機構は、この柔軟な材料を第3方向に動かし且つ上記光ビームの第3部分がこの第3の柔軟な材料の選択した領域を通過するようにこの第3の柔軟な材料の選択した領域を配置するために使用でき、
そこで第3の柔軟な材料が前記光ビームの対応する第1および第2所定量のカラーフィルタリングを行う第1および第2領域をさらに含む装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置であって、
上記第3スクロール機構を上記第3方向とは異なる第4方向に動かし且つ上記光ビームの第4部分がこの第3の柔軟な材料の選択した領域を通過しないように上記第3の柔軟な材料を配置するために使用できる、前記第3スクロール機構に結合した第2手段をさらに含む装置。
【請求項19】
請求項15に記載の装置に於いて、前記柔軟な材料の表面が実質的に平面であり且つ上記手段が上記スクロール機構を上記柔軟な材料の表面の平面と実質的に平行方向に動かす装置。
【請求項20】
請求項15に記載の装置に於いて、前記柔軟な材料の表面が実質的に平面であり且つ前記手段が前記スクロール機構を前記柔軟な材料の表面の平面と実質的に平行な回転軸の周りに回転する装置。
【請求項21】
請求項20に記載の装置に於いて、前記柔軟な材料の第1領域と第2領域の一つがダイクロイックフィルタを含む装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−509731(P2010−509731A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536270(P2009−536270)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2007/023343
【国際公開番号】WO2008/057523
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(507387239)オムニカラー、エル.ピー. (2)
【Fターム(参考)】