説明

光ピックアップ

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CD(コンパクトディスク)などの光記録情報読取り用の光ピックアップに係り、特に光導波路を用いた光集積ピックアップとして好適な光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】図10(A)及び(B)は、従来の光ピックアップによる光ディスクの読取り原理(中心開口法)を示す図である。同図(A)に示すように、半導体レ−ザ11からの出射光はハーフミラー12を透過し、(対物)レンズ13によって光ディスク14上にスポットを結ぶ。スポットがピットに当たった場合はピットによる回折がおこり、光ディスク14によって反射された0次光はそのままレンズ13の開口に戻るが、±1次の回折光はピット深さdに比例した位相シフトを受け、レンズ13の開口からずれた領域16,17に戻る。よって、レンズ開口では、0次光と1次回折光の重なり部分でこれらが干渉し、位相差によって強度が低下する。以上がスポットがピット上にあった場合であるが、ピットのない、すなわち鏡面上にスポットがあたっている場合は、1次の回折光は殆んど生じず、レンズ開口全面で強度の低下がなくなる。両場合とも、レンズ開口に入った反射光はハーフミラー12によって反射され、フォトダイオード15上に集光される。上記のようにピットの有無によってレンズ開口内の反射光強度が変化するため、その強度変化に応じた電気信号がフォトダイオード出力として得られる。
【0003】また、図10(B)は光集積ピックアップによる例を示す図である。これは上述した図10(A)に対し、対物レンズ13を集光グレーティングカップラ13Aに、ハーフミラー12をグレーティングビームスプリッタ12Aに置き換えて、半導体基板19上に光導波路20を形成したもので、読取り原理は図10(A)と同様である。
【0004】これらような光ピックアップによる信号検出では、±1次回折光の内、レンズ開口に入らない部分は全く利用されず、反射光の利用効率が低い。また、ピット検出信号を複数のフォトダイオード出力の和信号として検出していたので、光学的・電気的な同相雑音を除去できず、SN比の低下を招いていた。
【0005】このため、0次光と回折光とを個別のセンサによって別々に検出し、両者の差を取ることにによってピットを検出する例が、特公昭55-26529号公報(USP3,913,076)などで提案されている。これは、図11に示すように、矩形の窓21を有する光学フィルタ22と対物レンズ23により、記録媒体24の回折要素(ピット)25に光を当て、主検出器26と側方検出器27,28とで0次光と高次の回折光とを読み取り、信号を出力するようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図11に示された方法では、0次光と回折光とは、同一点を中心とする発散光であるので、0次光と回折光とを個別のセンサによって別々に検出するには、遠視野(far field )内の光束が十分に大きい位置に、面積の大きい検出器(センサ)を配置する必要があり、検出器の容量が増加して、周波数特性が悪化したり、雑音レベルが増加してしまう。このように、センサの形状とその配置についての制約が多く、実際に光ピックアップを製作する上での設計の自由度が少ないという問題が残る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するために、深さを有する複数のピットからなるピット列が記録された光情報記録媒体からピット情報を読取る光ピックアップであって、前記ピット列のトラックピッチ及び半導体レーザの波長に従い、集光領域から前記光情報記録媒体までの光軸上の光路長と、前記トラックに直交する方向の前記集光領域の開口長とを所定の関係に定めたことにより、前記ピットによる±1次回折光が再入射しない領域に限定され、且つ、前記半導体レーザからの出射光を前記光情報記録媒体に集光して照射する共に前記ピットからの0次反射光のみを第1の光検出手段に導く第1の集光領域と、前記第1の集光領域の外側に隣接し、前記ピットによる±1次回折光のみが入射する領域に限定され、且つ、前記ピットからの±1次回折光のみを第2の光検出手段に導く第2の集光領域とを形成した集光手段と、前記集光手段に形成した前記第1の集光領域からの0次反射光を検出する第1の光検出手段と、前記集光手段に形成した前記第2の集光領域からの±1次回折光を検出する第2の光検出手段とを備え、前記第1及び第2の光検出手段の各出力の差分からピット情報を読取るようにしたことを特徴とする光ピックアップを提供するものである。
【0008】また、上記発明の光ピックアップにおいて、前記第1の集光領域から前記光情報記録媒体までの光軸上の光路長をf、前記ピット列のトラックピッチをΛ、前記半導体レーザの波長をλ、前記ピット列に直交する方向の前記第1の集光領域の開口長をLxとしたとき、2tan−1(Lx/2f)≦sin−1(λ/Λ)
になる関係を満たすように定めたことを特徴とするものである。
【0009】
【実施例】本発明になる光ピックアップの一実施例を以下図面と共に詳細に説明する。最初に、グレーティングレンズ(grating lens)を用いて光集積回路で光ピックアップを構成した例を説明する。図1は光集積回路で光ピックアップを構成した例である。半導体レーザ1からの出射光は、半導体基板7上に形成された光導波路6内を伝搬し、グレーティングレンズ3の集光グレーティングカップラ(第1の集光領域)3aによって光情報記録媒体(光ディスク)4上にスポットを結ぶように構成されている。
【0010】光ディスク4によって反射された0次光は前記集光グレーティングカップラ(第1の集光領域)3aによって再び導波光となり、グレーティングビームスプリッタ2によって0次光用フォトダイオード(第1の光検出手段)5aに集光されて出力信号となる。一方、光ディスク4上のピット(列)9の回折によって生じた±1次回折光は、それぞれ±1次光用集光グレーティングカップラ(第2の集光領域)3b,3cの開口領域に戻り、再び導波光となって±1次光用フォトダイオード(第2の光検出手段)5b,5cに集光されて出力信号となるように構成されている。
【0011】つまり、光ピックアップは、集光グレーティングカップラ(第1の集光領域)3a,±1次光用集光グレーティングカップラ(第2の集光領域)3b,3cにより、光ディスク4のピット列(9)による0次光と±1次回折光とを分離して取り出して、それぞれ0次光用フォトダイオード(第1の光検出手段)5aと±1次光用フォトダイオード(第2の光検出手段)5b,5cとに集光されるように構成されている。集光手段の形状及び配置については後に詳述する。
【0012】以上のように構成された光ピックアップでは、図2に示すように、スポットがピット9上にある場合、回折により±1次光用フォトダイオード5b,5cの出力は強く、0次光用フォトダイオード5aの出力は相対的に弱くなる。反面、スポットがピット9のないミラー面上にある場合は、回折が殆んど生じないため±1次光用フォトダイオード5b,5cの出力は殆んどなくなり、逆に0次光用フォトダイオード5aの出力が強くなる。このように、ピット情報は0次光用フォトダイオード5a,±1次光用フォトダイオード5b,5cの出力に逆相で現われる。よって、両出力信号を演算器8によって差分(減算)処理を行なうことで、ピット情報(ピットの有無)に応じた出力信号が得られる。
【0013】なお、フォーカシング誤差,トラッキング誤差検出に関しては、例えば、特開昭61-296540 号記載の「光学式ヘッド装置」や特開昭61-85637号記載の「光学式ヘッド装置」のように、検出位置の異なる4個の0次光用フォトダイオード(図1に示す5a)の出力を組合せて、加算・減算により各誤差信号を検出すればよい。
【0014】次に、集光グレーティングカップラ(第1の集光領域)3a,±1次光用集光グレーティングカップラ(第2の集光領域)3b,3cにより、光ディスク4のピット列(9)による0次光と±1次回折光とを分離して取り出す構成(集光手段の形状及び配置)について、図3(A)及び(B)を参照して説明する。
【0015】図3(A)はピット列に直交する断面での集光・回折の様子を示したものである。光ディスク4のトラックピッチ(ピット列間隔Λの光ディスクの面上に集光した光束は、0次光として同じ経路で反射されるほか、±1次回折光として各光束の中心どうしが角度αをなすように回折される。
【0016】このとき、角度αは、半導体レーザ(光源)1の波長をλとすると、α=sin-1(λ/Λ)
で表わされる。また、各光束の集光・発散角θは図3(B)において、ピット列に直交する方向(ラジアル方向)の集光グレーティングカップラ第1の集光領域)3aの開口をLx、集光グレーティングカップラ(第1の集光領域)3aから光ディスク4までの光軸上の光路長をfとしたとき、θ=tan-1(Lx/2f
で表わされる。したがって、±1次光が0次光領域と重複しない条件は、2θ≦αであり、∴2tan-1(Lx/2f)≦sin-1(λ/Λ)となる。特に等号が成り立つとき各領域は間隔なしで隣接することとなる。
【0017】例えば、CD(コンパクトディスク)のような光ディスクでは、Λ=1.6 μmであるので、λ=780nm ,f=2mmとすると、開口Lxは、Lx=2f・tan1/2sin-1(λ/Λ)}よりLx=1.04mmとすればよい。
すなわち、集光グレーティングカップラ(第1の集光手段)3aの開口(ラジアル方向)Lxを略1.04mmとして、その両側に±1次光用集光グレーティングカップラ(第2の集光手段)3b,3cそれぞれ形成し、さらに、集光グレーティングカップラ3a及び±1次光用集光グレーティングカップラ3b,3cとディスク4との距離が光路長fと等しくなるように配設すれば良い。このように構成すれば、0次光と、±1次回折光とが容易に分離されて、0次光領域と±1次回折光領域とが間隔なしで隣接することとなる。
【0018】なお、グレーティングレンズ(grating lens)の詳細については、例えば、「D.heitmann,et al.,“Calculation and experimental verification of two-dimentional focusing grating couplers,"IEE J.Quantum Erectron.,QE-17,p.1257,1981 」「T.Suhara,et al.,“光ピックアップの光集積回路化",O plus E, no.76,Mar.'86 」を参照されたい。
【0019】以上の様に構成された光ピックアップの動作(機能)について説明する。光ピックアップは、±1次回折光の略全体が±1次光用集光グレーティングカップラ(第2の集光手段)3b,3cにより検出され、さらに、干渉を用いることなく、0次光と±1次回折光の強度比だけを用いていて差動検出しているので、信号強度が増加し、検出波形の対称性が向上する。また、差動検出により読み出しているので、同相雑音を抑圧でき、S/N比が向上する。したがって、光ディスクよりピット情報を確実に再生することができる。
【0020】すなわち、図4(A)及び(B)に示すシミュレーションのように、従来の光集積ピックアップと比較すると、本光ピックアップは読み出し応答波形が極めて良好である。同図(A)は本光ピックアップの読み出し波形であり、ピット長もしくはピット間隔が最短の場合の読み出し波形の振幅L,同最長の場合の読み出し波形の振幅Lともその振幅値が大きく、かつ、振幅変化が略対称であり、スライスレベルをその中央Lに設定して、極めて正確にピット情報を復調できる。なお、同図(B)は従来の光集積ピックアップの読み出し波形であり、ピット長もしくはピット間隔が最短の場合の読みだし波形の振幅R,同最長の場合の読み出し波形の振幅Rともその振幅値が小さく、かつ、両者の振幅変化の中心値が一致していないので、スライスレベルを両振幅値の中央に設定することができず(Rの中央Rに設置することとなる)、ピット情報の復調が容易ではない。
【0021】また、本光ピックアップは、最適設計のとき、すなわち、前述したようにCD(コンパクトディスク)における最適開口(Lxを略1.04mmに設定)のとき、図5から明らかなように、隣接トラックからのクロストークがほぼ最小になる。図5は、光集積ディスクピックアップにおける読みだし応答の解析結果(「光学」第18巻第2号の82〜90頁参照)を示す図である。これは、Λ=1.6 μm ,f=2mmとした場合において、開口(ラジアル方向)Lxを0〜2mmまで変化させたときのクロストーク変化を示すものである。クロストークはラジアル方向の集光特性に依存するため、本光ピックアップの(0次)集光グレーティングカップラ(3a)の開口Lxは、同図の横軸と考えられる。CD(コンパクトディスク)における最適開口(Lxを略1.04mmに設定)のとき、同図から明らかなように、隣接トラックからのクロストークがほぼ最小になる。
【0022】さらに、本光ピックアップは、出射集光手段の開口(ラジアル方向)Lxが小さいため、許容作製誤差が緩和され、出射光のピット列に直交する方向(ラジアル方向)における強度分布を最適にするレーザ光源位置が近くなるので、素子を小型化することできる。
【0023】上述の例は、ラジアル方向についての回折光のみを分離検出するものであるが、これを2次元に拡張することもできる。ピットの前後方向においても同様な回折光は発生するので、ピットの前後方向の回折光に対しても、両側の回折光に対すると同様な集光手段(集光領域)を設けた例を図6に示す。集光グレーティングカップラ3dが新たに設けた前後方向の回折光に対する第4の集光手段である。集光グレーティングカップラ3dで集められた回折光はフォトダイオード5dにより検出され、左右方向の回折光信号の出力と加算され、0次光との差が取られてピット検出信号が得られる。
【0024】次に集光手段として、バルク状のレンズを用いた例を説明する。図7において半導体レーザ1からの出射光は、光路変更素子(例えばハーフミラー)2を透過し、レンズ3の中央部3aによってディスク4上に収束する。ディスク4で反射された0次光は再びレンズ3の中央部(第1の集光領域)3aを通り、光路変更素子2で曲げられフォトダイオード5aに集光され0次光出力信号となる。もし、ディスク4上にピット9があれば、その回折により±1次光の回折光が発生し、それぞれレンズ3の両側部(第2の集光領域)3b,3cにより、それぞれの検出用のフォトダイオード5b,5cに集光され、±1次光出力信号となる。差動増幅器8で、検出された±1次光信号の和と0次光信号の差がとられ、ピット検出信号、つまりディスク4に記録された情報信号(ピット9の有無)が再生される。
【0025】ここで、使用されるレンズ(集光手段)3について説明する。図8(A)及び(B)はレンズの断面を示す。同図(A)に示す従来のレンズにおいて、Y−Y´はレンズ中心光軸であり、Wを反射面(ディスク4の面)とする。さらに、点P,Qをレンズの共役点とする。中心光軸上の点Qからの反射光は、同じ軸上の点Pに収束するが、同じ反射面の中心光軸外の点Q´からの反射光はレンズの中心光軸上の点OとQ´を通る線状で、点Pとレンズ間の同じ距離の点P´に収束されることになる。したがって、レンズとして同図(B)に示すような、同じ曲率で、中心光軸の異なる3領域のレンズ部3a(第1の集光領域),3b(第2の集光領域),3c(第2の集光領域)を組合せたレンズ3を使用する。そして、図3ですでに説明したように、レンズ部3a(第1の集光領域)の開口(ラジアル方向)Lxとしてその両側に、レンズ部3b,3c(第2の集光領域)をそれぞれ形成し、さらに、レンズ3とディスク4との距離が光路長fと等しくなるように配設すれば、0次光と±1次回折光とが容易に分離されて、0次光領域と±1次回折光領域とが間隔なしで隣接することとなり、0次光と±1次光の回折光を分離して検出できる。
【0026】なお、レンズとして、従来の曲面の屈折を利用するレンズ3を用いた場合は、図8(B)に示す如く、中心部3aと両側部3b,3cの間の段差は避けられず、この部分での光の散乱の発生や製作上の困難さなどがある。よって、レンズとしては、上述の光学特性を同一平面で実現出来る図7に示したグレーティングレンズ(grating lens)によって構成するのが望ましい。
【0027】また、上述の例は、ラジアル方向についての回折光のみを分離検出するものであるが、これを2次元に拡張することもできる。ピットの前後方向においても同様な回折光は発生するので、ピットの前後方向の回折光に対しても、両側の回折光に対すると同様な集光手段を設けた例を図9に示す。レンズ3は、ピットの前後方向(ラジアル方向と直交する方向)に光軸をずらして形成されたレンズ部3a(第1の集光領域),レンズ部3b(第2の集光領域)であり、前後方向の回折光にも対応した集光手段である。レンズ3のレンズ部3b(第2の集光領域)で集められた回折光は±1次回折光用フォトダイオード5bにより検出され、0次光との差が取られてピット検出信号が得られる。
【0028】以上詳述したように、図1,図6,図7,図9のように構成された光ピックアップでは、光情報記録媒体4(ピット9)からの反射光(または透過光)と回折光とが第1の集光領域3aと第2の集光領域3b(,3c,3d)とを有する集光手段(グレーティングレンズ,バルク状のレンズ)3を介して略分離されて、第1及び第2の光検出手段でそれぞれ検出され、その差分からピット情報が読取られる。したがって、光検出手段(センサ)の形状とその配置に付いての制約が少なく、実際に光ピックアップを製作するときの設計の自由度が大きいこととなる。
【0029】なお、本発明になる光ピックアップは、情報記録面を透過する、いわゆる透過型の光ディスクや光カードにおいても同様な効果を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明になる光ピックアップによれば、とくに、集光手段に形成した第1の集光領域は半導体レーザからの出射光を光情報記録媒体に集光して照射する共に光情報記録媒体上のピットからの0次反射光のみを第1の光検出手段に導くことができ、一方、集光手段に形成した第2の集光領域は第1の集光領域の外側に隣接して光情報記録媒体上のピット回折効果によって生じた±1次回折光のみを第2の光検出手段に導くことができ、この後、第1及び第2の集光領域からの0次反射光及び±1次回折光が第1及び第2の光検出手段でそれぞれ検出され、その差分からピット情報が読取られることとなり、効率よくSN比の高い再生信号を得ることができ、かつ、光検出手段の形状やその配置についての制約が少なく、実際に光ピックアップを製作するときの設計の自由度が大きく、更に、集光手段と光情報記録媒体との間に集光レンズが必要なくなるので光ピックアップの構成を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる光ピックアップの一実施例を示す図である。
【図2】光ピックアップの出力波形を示す図である。
【図3】光ピックアップの集光手段(原理)を説明する図である。
【図4】本発明の光ピックアップと従来例の出力波形とを比較する図である。
【図5】光ピックアップのクロストーク特性を説明する図である。
【図6】本発明になる光ピックアップの変形例を示す図である。
図7】本発明になる光ピックアップの変形例を示す図である。
【図8】光ピックアップの集光手段(レンズ)を説明する図である。
【図9】本発明になる光ピックアップの変形例を示す図である。
【図10】従来の光ピックアップによりピット情報を読取る原理を示す図である。
【図11】従来の光ピックアップによりピット情報を読取る原理を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ、2 グレーティングビームスプリッタ、ハーフミラー3 (グレーティング)レンズ(集光手段)、3a 0次光用集光グレーティングカップラ、0次光用レンズ(第1の集光領域)、3b,3c,3d ±1次光用集光グレーティングカップラ、±1次光用レンズ(第2の集光領域)、4 光ディスク(光情報記録媒体)、5a 0次光用フォトダイオード(第1の光検出手段)、5b,5c,5d ±1次光用フォトダイオード(第2の光検出手段)、6 光導波路、7 (半導体)基板、8 演算器、9 ピット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】深さを有する複数のピットからなるピット列が記録された光情報記録媒体からピット情報を読取る光ピックアップであって、前記ピット列のトラックピッチ及び半導体レーザの波長に従い、集光領域から前記光情報記録媒体までの光軸上の光路長と、前記トラックに直交する方向の前記集光領域の開口長とを所定の関係に定めたことにより、前記ピットによる±1次回折光が再入射しない領域に限定され、且つ、前記半導体レーザからの出射光を前記光情報記録媒体に集光して照射する共に前記ピットからの0次反射光のみを第1の光検出手段に導く第1の集光領域と、前記第1の集光領域の外側に隣接し、前記ピットによる±1次回折光のみが入射する領域に限定され、且つ、前記ピットからの±1次回折光のみを第2の光検出手段に導く第2の集光領域とを形成した集光手段と、前記集光手段に形成した前記第1の集光領域からの0次反射光を検出する第1の光検出手段と、前記集光手段に形成した前記第2の集光領域からの±1次回折光を検出する第2の光検出手段とを備え、前記第1及び第2の光検出手段の各出力の差分からピット情報を読取るようにしたことを特徴とする光ピックアップ。
【請求項2】前記第1の集光領域から前記光情報記録媒体までの光軸上の光路長をf、前記ピット列のトラックピッチをΛ、前記半導体レーザの波長をλ、前記ピット列に直交する方向の前記第1の集光領域の開口長をLxとしたとき、2tan−1(Lx/2f)≦sin−1(λ/Λ)
になる関係を満たすように定めたことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図10】
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【特許番号】特許第3099906号(P3099906)
【登録日】平成12年8月18日(2000.8.18)
【発行日】平成12年10月16日(2000.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−125398
【出願日】平成3年4月26日(1991.4.26)
【公開番号】特開平4−228124
【公開日】平成4年8月18日(1992.8.18)
【審査請求日】平成9年9月30日(1997.9.30)
【審判番号】平11−2589
【審判請求日】平成11年2月18日(1999.2.18)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【合議体】
【参考文献】
【文献】特開 昭62−88150(JP,A)
【文献】特公 昭55−26529(JP,B2)