説明

光ファイバ配線具

【課題】本発明の課題は、施工工数を削減して光ファイバの配線を実現でき、施工効率が向上する光ファイバ配線具を提供することにある。
【解決手段】本発明は、保護被覆12が設けられた光ファイバ11と、前記光ファイバ11の長手方向に沿って接着され、裏面に接着剤が設けられた接着テープ13とを具備することを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば住宅内の壁面等に光ファイバを配線する光ファイバ配線具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅内において光ファイバを配線する場合に光ファイバを覆うワイヤプロテクタを用いる方法がある(例えば、特許文献1参照。)。ワイヤプロテクタは壁面上に固定されるベース部材とベース部材を覆うカバー部材からなる。光ファイバはベース部材とカバー部材の間に配線される。
ワイヤプロテクタを使用する施工方法では、ドロップ光ファイバやインドア光ファイバを使用して住宅内配線を実施している。
【0003】
【特許文献1】特開2002−290070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ワイヤプロテクタによる光ファイバ配線方法では、先ずベース部材を壁面へ固定し、光ファイバを収容しながらカバー部材をベース部材へ装着していた。また、配線ルートに沿って一定の長さのベース部材とカバー部材を繋いだり切ったりしながら施工する。光ファイバを曲げて配線する箇所では曲げ部用のワイヤプロテクタが必要であり、直線部と曲げ部で部材を変えるため、施工効率が良くない。また、ワイヤプロテクタを配線ルートに沿って設置した後で光ファイバを収容するため、従来の光ファイバ配線では、施工現場において光ファイバ配線部品の設置と光ファイバの収納といった2工程が必要であり、施工効率の向上が課題であった。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、施工工数を削減して光ファイバの配線を実現でき、施工効率が向上する光ファイバ配線具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の光ファイバ配線具は、保護被覆が設けられた光ファイバと、前記光ファイバの長手方向に沿って接着され、裏面に接着剤が設けられた接着テープとを具備することを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の光ファイバ配線具は、光ファイバが長手方向に沿って収容された光ファイバ収容部材と、前記光ファイバ収容部材の長手方向に沿って接着され、裏面に接着剤が設けられた接着テープとを具備することを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の光ファイバ配線具は、光ファイバが長手方向に沿って取出し可能に収容された着脱可能な光ファイバ収容部材と、前記着脱可能な光ファイバ収容部材の長手方向に沿って接着され、裏面に接着剤が設けられた接着テープとを具備することを特徴とするものである。
【0009】
また本発明は、前記光ファイバ配線具において、光ファイバの長手方向の一部に、接着テープの一部が切除された切除部を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
また本発明は、前記光ファイバ配線具において、光ファイバの長手方向の一部に、光ファイバ収容部材及び接着テープの一部が切除された切除部を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
また本発明は、前記光ファイバ配線具において、光ファイバの長手方向の一部に、着脱可能な光ファイバ収容部材及び接着テープの一部が切除された切除部を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
また本発明は、前記光ファイバ配線具において、光ファイバとして、光ファイバ心線と並列にテンションメンバを配置して保護被覆で覆った光ファイバを用いることを特徴とするものである。
【0013】
また本発明は、前記光ファイバ配線具において、光ファイバとして、光ファイバ心線の周囲にテンションメンバを配置して保護被覆で覆った光ファイバコードを用いることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、例えば住宅内の壁面等へ光ファイバを施工するための光ファイバ配線具であり、光ファイバと壁面へ接着させるテープ部を一体化した状態で施工するため、1工程で壁面への光ファイバの配線を実現でき、施工効率が向上する。また、直線部と曲げ部で同じ部材で対応できるため、施工効率が向上するだけでなく、光ファイバ配線具の低コストも可能にする。特に、紫外線硬化樹脂で被覆して透明化した光ファイバ心線を用いて配線する場合は、光ファイバ心線以外の部材も透明化することで、住宅内において配線が目立たず美観に優れた光ファイバ配線を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る光ファイバ配線具を示す構成説明斜視図である。図1に示すように、光ファイバ11には紫外線硬化樹脂等よりなる保護被覆12が設けられ、前記光ファイバ11の保護被覆12は長手方向に沿って接着テープ13の表面に接着される。前記接着テープ13裏面には接着剤が設けられる。
【0016】
すなわち、住宅内の壁面へ光ファイバ11を施工する場合、接着テープ13の表面に光ファイバ11を接着して一体化した光ファイバ配線具を用い、接着テープ13裏面の接着剤を壁面へ接着して施工する。したがって、1工程で壁面への光ファイバ11の配線を実現でき、施工効率が向上する。
【0017】
光ファイバ11の保護被覆12として紫外線硬化樹脂を用い、且つ接着テープ13として両面接着テープを用いた場合、光ファイバ11の外径として、0.25mm、0.5mm、0.9mmが主に用いられる。両面接着テープの幅は光ファイバ11の外径より大きくする。例えば、両面接着テープの幅を1mm以上とする。光ファイバ11は両面接着テープへ沈みこんだ状態で接着している。これは円形である光ファイバ11と両面接着テープの接着面積を増加させるためである。光ファイバ11を接着する面について、光ファイバ11が接着する部分以外は接着剤層が露出しない構造とする。例えば、光ファイバ11が接着される箇所以外は予め接着剤を付与せずに両面接着テープを作製する。または、光ファイバ11が接着されず露出する部分の接着剤層の上へシートを載せて接着剤層の露出部分を塞ぐ。接着剤層が露出することで埃が接着剤層へ付着して美感を損なうことを防ぐ効果がある。施工前は両面接着テープの壁面と接着する接着剤層側にも埃を付着させないためにシートを載せた状態とする。施工時には、両面接着テープの壁面と接着する接着剤層側のシートを剥ぎ取りながら、光ファイバ配線具を壁面へ取り付ける。
【0018】
したがって、光ファイバ配線部品と光ファイバを一体化したため、1工程で光ファイバの配線が実現する。また、光ファイバを紫外線硬化樹脂で被覆した場合、光ファイバは透明となる。両面接着テープ部材も透明部材を使用することで光ファイバ配線具が透明となり、特に美感にすぐれた住宅内光ファイバ配線を実現できる。
【0019】
尚、光ファイバ11の代わりに、光ファイバ心線の周囲をテンションメンバで覆い保護被覆で覆った光ファイバコードを使用した場合にも、光ファイバ11を使用した場合と同様に実施できる。光ファイバコードの外径は1.1mmや2.0mmであるため、両面接着テープの幅は、光ファイバ11を使用した場合に比べて大きくする必要がある。例えば、光ファイバコードを使用した場合は、両面接着テープの幅を3mm以上とする。
【0020】
図2は本発明の第2の実施形態に係る光ファイバ配線具を示す構成説明斜視図である。図2に示すように、光ファイバ心線21の長手方向に沿って両側にはテンションメンバ22が並列に配置され、前記光ファイバ心線21及びテンションメンバ22は保護被覆23で覆われてインドア光ファイバ24が構成される。前記保護被覆23はは長手方向に沿って接着テープ25の表面に接着され、前記接着テープ25の裏面には接着剤が設けられる。
【0021】
すなわち、住宅内の壁面へインドア光ファイバ24を施工する場合、接着テープ25の表面に保護被覆23を接着して接着テープ25とインドア光ファイバ24を一体化した光ファイバ配線具を用い、接着テープ24裏面の接着剤を壁面へ接着して施工する。したがって、1工程で壁面へのインドア光ファイバ24の配線を実現でき、施工効率が向上する。
【0022】
インドア光ファイバは断面が長方形である。長さが3mm強ある長辺側の表面に両面接着テープの片面を接着している。図2においては、インドア光ファイバと同じ幅である両面接着テープを用いているが、壁面との接着面積をより多く必要とする場合は、インドア光ファイバより幅広な両面接着テープを使用する。インドア光ファイバより幅広な両面接着テープを使用する場合は、インドア光ファイバが接着される箇所以外は予め接着剤を付与せずに両面接着テープを作製する。もしくは、インドア光ファイバが接着されず露出する部分の接着剤層の上へシートを載せる。接着剤層が露出することで埃が接着剤層へ付着して美感を損なうことを防ぐ効果がある。施工前は壁面と接着する両面接着テープ裏面の接着剤層側へ埃を付着させないためにシートを載せた状態とする。施工時には、壁面と接着する両面接着テープ裏面の接着剤層側のシートを剥ぎ取りながら、光ファイバ配線具を壁面へ取り付ける。光ファイバ配線部品とインドア光ファイバを一体化したため、1工程でインドア光ファイバの配線が実現する。
【0023】
尚、光ファイバ11の代わりに、光ファイバ心線と並列にテンションメンバを配置して保護被覆で覆い、さらに支持線を沿わせたドロップ光ファイバを使用した場合にも、インドア光ファイバを使用した場合と同様に実施できる。ドロップ光ファイバは支持線を分離した状態で住宅内へ引き込むため、インドア光ファイバを使用した形態と同様である。
【0024】
図3は本発明の第3の実施形態に係る光ファイバ配線具を示す構成説明斜視図である。図3に示すように、光ファイバ31には紫外線硬化樹脂等よりなる保護被覆32が設けられ、前記光ファイバ31は長手方向に沿って光ファイバ収容部材33に収容される。前記光ファイバ収容部材33は細長い四角柱よりなり、中心軸部に断面円形の貫通孔34を設けて構成され、前記貫通孔34に光ファイバ31が挿入されて収容される。前記光ファイバ収容部材33は接着テープ35の表面に接着され、前記接着テープ35の裏面には接着剤が設けられる。
【0025】
すなわち、住宅内の壁面へ光ファイバ31を施工する場合、接着テープ35の表面に光ファイバ収容部材33を接着して一体化した光ファイバ配線具を用い、接着テープ35裏面の接着剤を壁面へ接着して施工する。したがって、1工程で壁面への光ファイバ31の配線を実現でき、施工効率が向上する。
【0026】
光ファイバ収容部材33の貫通孔34への光ファイバ31の挿入を容易にするため、貫通孔34の径は光ファイバ31の外径より大きくし、貫通孔34内部で光ファイバ31は緩やかに保持される構造となっている。光ファイバ収容部材33は合成樹脂を材質として押出成型で作製する。予め工場において、両面接着テープの表面を光ファイバ収容部材33と接着し、光ファイバ31を光ファイバ収容部材33に収容した状態とし、壁面と接着する両面接着テープの裏面側にシートを載せた状態で施工現場へ持ち込む。施工時には、壁面と接着する両面接着テープの裏面側のシートを剥ぎ取りながら、光ファイバ配線具を壁面に取り付ける。光ファイバ配線部品と光ファイバを一体化したため、1工程で光ファイバの配線が実現する。光ファイバを紫外線硬化樹脂で被覆した場合、光ファイバは透明となる。光ファイバ収容部材も透明部材を使用することで光ファイバ配線具が透明となり、特に美感に優れた住宅内光ファイバ配線を実現できる。
【0027】
尚、光ファイバ31の代わりに、光ファイバコードを使用した場合、光ファイバ31を使用した場合と同様に実施できる。光ファイバコードの外径は1.1mmや2.0mmであるため、光ファイバ31を使用した場合に比べて光ファイバ収容部材のサイズも大きくなり、貫通孔の径もより大きくする必要がある。
【0028】
また、光ファイバ31の代わりに、インドア光ファイバやドロップ光ファイバを使用した場合、光ファイバ31を使用した場合と同様に実施できる。インドア光ファイバやドロップ光ファイバを使用した場合は、インドア光ファイバやドロップ光ファイバの外形に合わせて光ファイバ収容部の貫通孔の形状を矩形とする。
【0029】
図4は本発明の第4の実施形態に係る光ファイバ配線具を示す構成説明斜視図である。図4に示すように、光ファイバ41には紫外線硬化樹脂等よりなる保護被覆42が設けられ、前記光ファイバ41は長手方向に沿って光ファイバ収容部材43に収容される。前記光ファイバ収容部材43は細長い四角筒よりなり、中心軸部に断面四角形の貫通孔44が設けられ、前記貫通孔44の表面には軸方向に光ファイバ入出用の割り部45が設けられる。前記割り部45は2つの方持ち梁部が重なるような形状としており、光ファイバ41を一旦挿入した後は故意に光ファイバ41を取出そうとしない限りは光ファイバ収容部材43から飛び出すことはない。前記貫通孔44には光ファイバ41が挿入されて収容される。前記光ファイバ収容部材43は接着テープ46の表面に接着され、前記接着テープ46の裏面には接着剤が設けられる。
【0030】
すなわち、住宅内の壁面へ光ファイバ41を施工する場合、光ファイバ41が挿入収容された光ファイバ収容部材43を接着テープ46の表面に接着して一体化した光ファイバ配線具を用い、接着テープ46裏面の接着剤を壁面へ接着して施工する。したがって、1工程で壁面への光ファイバ41の配線を実現でき、施工効率が向上する。
【0031】
光ファイバ収容部材43は光ファイバ41を着脱自在な構造となっている。光ファイバ41を光ファイバ収容部材43から取出すときは、割り部45に細い棒の形状をした治具を挿入して光ファイバ41を引き出す。予め工場において、両面接着テープの片面を光ファイバ収容部材43と接着し、光ファイバ41を光ファイバ収容部材43に収容した状態とし、壁面と接着する接着テープ46の裏面側をシートを載せた状態で施工現場へ持ち込む。施工時には、壁面と接着する接着テープ46の裏面側のシートを剥ぎ取りながら、光ファイバ配線具を壁面へ取り付ける。
【0032】
光ファイバ配線部品と光ファイバを一体化したため、1工程で光ファイバの配線が実現する。光ファイバを紫外線硬化樹脂で被覆した場合、光ファイバは透明となる。光ファイバ収容部材も透明部材を使用することで光ファイバ配線具が透明となり、特に美感に優れた住宅内光ファイバ配線を実現できる。さらに、光ファイバを取出しが可能な構造としたことで、なんらかの事故等により光ファイバの不具合が発生した場合は、光ファイバ収容部材を壁面へ接着したまま、光ファイバのみを取出して新しい光ファイバと交換することができるため、保守性に優れた構造となっている。
【0033】
尚、光ファイバ41の代わりに、光ファイバコードを使用した場合、光ファイバ41を使用した場合と同様に実施できる。光ファイバコードの外径は1.1mmや2.0mmであるため、光ファイバ41を使用した場合に比べて光ファイバ収容部材のサイズも大きくする必要がある。
【0034】
図5は本発明の第5の実施形態に係る光ファイバ配線具を示す構成説明斜視図である。図5に示すように、光ファイバ心線51の長手方向に沿って両側にはテンションメンバ52が並列に配置され、前記光ファイバ心線51及びテンションメンバ52は保護被覆53で覆われてインドア光ファイバ54が構成される。前記インドア光ファイバ54は長手方向に沿って光ファイバ収容部材55に収容される。前記光ファイバ収容部材55は細長い四角筒よりなり、前記光ファイバ収容部材55の側面には軸方向に光ファイバ入出用の割り部56が設けられる。前記割り部56は2つの方持ち梁部が重なるような形状としており、光ファイバ51を一旦挿入した後は故意に光ファイバ51を取出そうとしない限りは光ファイバ収容部材55から飛び出すことはない。前記光ファイバ収容部材55には光ファイバ51が挿入されて収容される。前記光ファイバ収容部材55は接着テープ57の表面に接着され、前記接着テープ57の裏面には接着剤が設けられる。
【0035】
すなわち、住宅内の壁面へ光ファイバ51を施工する場合、光ファイバ51が挿入収容された光ファイバ収容部材55を接着テープ57の表面に接着して一体化した光ファイバ配線具を用い、接着テープ57裏面の接着剤を壁面へ接着して施工する。したがって、1工程で壁面への光ファイバ51の配線を実現でき、施工効率が向上する。
【0036】
光ファイバ収容部材55は光ファイバ51を着脱可能な構造となっている。光ファイバ収容部材55の接着テープ57を接着していない面において、割り部56が入った形状としている。インドア光ファイバ54を光ファイバ収容部材55に収容する場合は、インドア光ファイバ54の挿入と取出しを容易にすることを目的として光ファイバ収容部材55の断面における短辺へ割り部56を設ける。インドア光ファイバ54を光ファイバ収容部材55から取出すときは、光ファイバ収容部材55における割り部56がある面の対面側より手で押し出すことでインドア光ファイバ54を引き出す。予め工場において、両面接着テープの片面を光ファイバ収容部材と接着し、光ファイバ収容部材に光ファイバを収容した光ファイバ配線具の状態とし、壁面と接着する両面接着テープの接着剤層側にシートを載せた状態で施工現場へ持ち込む。施工時には、壁面と接着する両面接着テープの接着剤層側のシートを剥ぎ取りながら、光ファイバ配線具を壁面へ取り付ける。
【0037】
光ファイバ配線部品と光ファイバを一体化したため、1工程で光ファイバの配線が実現する。光ファイバを取り出しが可能な構造としたことで、なんらかの事故等により光ファイバの不具合が発生した場合は、光ファイバ収容部材を壁面へ接着したまま、光ファイバのみを取り出して新しい光ファイバと交換することができるため、保守性に優れた構造となっている。
【0038】
尚、光ファイバ51の代わりに、光ファイバコードを使用した場合、光ファイバ51を使用した場合と同様に実施できる。ドロップ光ファイバを使用した場合、支持線を分離した状態で住宅内へ引き込むため、インドア光ファイバを使用した形態と同様である。
【0039】
図6は本発明の第6の実施形態に係る光ファイバ配線具を示す構成説明正面図である。図6に示すように、保護被覆が設けられた光ファイバ61は長手方向に沿って接着テープ62の表面に接着され、前記接着テープ62の裏面には接着剤が設けられる。前記光ファイバ61の長手方向の曲げ部(一部)には光ファイバ61を挟むようにして接着テープ62の両側部近傍の一部が切除された切除部63が設けられ、接着テープ62の幅が狭く形成される。
【0040】
接着テープ62の両側部近傍は、施工時に切断治具を用いて切断する。すなわち、切断していない状態で壁面へ接着しながら施工し、曲げたい箇所が発生したところで、切断治具を用いて接着テープ62の両側部近傍を切断して幅狭部とする。そして、幅狭部で曲げながら壁面へ接着する。
すなわち、住宅内の壁面へ光ファイバ61を施工する場合、接着テープ62の表面に光ファイバ61を接着して一体化した光ファイバ配線具を用い、接着テープ62裏面の接着剤を壁面へ接着して施工する。この場合、切除部63が設けられた接着テープ62の幅狭部が例えば90度の曲がり部になるようにして曲げ施工を容易にする。したがって、1工程で壁面への光ファイバ11の配線を実現でき、施工効率が向上する。
【0041】
曲げた箇所は、両面接着テープの一部を切り落として光ファイバ配線具の幅を狭くすることで曲げを容易にしている。両面接着テープの曲げたい箇所のみを幅を狭くすることで、直線部では壁面との接着面積を確保するだけの広い幅を持った構造とできる。直線部と曲げ部によらず、同一の光ファイバ配線具で配線できるため、施工効率が向上し、光ファイバ配線具の低コスト化も実現できる。
【0042】
尚、前記光ファイバ収容部材または前記着脱可能光ファイバ収容部材を用いた場合にも第6の実施形態と同様に実施することができる。この場合、光ファイバの両側の両面接着テープ部だけでなく、光ファイバ収容部材または着脱可能な光ファイバ収容部材も切断治具により切除した切除部を設けて幅を狭くする。また、インドア光ファイバやドロップ光ファイバを用いた場合にも第6の実施形態と同様に実施することができる。この場合は、光ファイバのみと比べて幅広のため、テンションメンバ及び保護被覆も切除した切除部を設けて幅を狭くする。
【0043】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ファイバ配線具を示す構成説明斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る光ファイバ配線具を示す構成説明斜視図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る光ファイバ配線具を示す構成説明斜視図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る光ファイバ配線具を示す構成説明斜視図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る光ファイバ配線具を示す構成説明斜視図である。
【図6】本発明の第6の実施形態に係る光ファイバ配線具を示す構成説明正面図である。
【符号の説明】
【0045】
11…光ファイバ、12…保護被覆、13…接着テープ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護被覆が設けられた光ファイバと、
前記光ファイバの長手方向に沿って接着され、裏面に接着剤が設けられた接着テープと
を具備することを特徴とする光ファイバ配線具。
【請求項2】
光ファイバが長手方向に沿って収容された光ファイバ収容部材と、
前記光ファイバ収容部材の長手方向に沿って接着され、裏面に接着剤が設けられた接着テープと
を具備することを特徴とする光ファイバ配線具。
【請求項3】
光ファイバが長手方向に沿って取出し可能に収容された着脱可能な光ファイバ収容部材と、
前記着脱可能な光ファイバ収容部材の長手方向に沿って接着され、裏面に接着剤が設けられた接着テープと
を具備することを特徴とする光ファイバ配線具。
【請求項4】
光ファイバの長手方向の一部に、接着テープの一部が切除された切除部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ配線具。
【請求項5】
光ファイバの長手方向の一部に、光ファイバ収容部材及び接着テープの一部が切除された切除部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ配線具。
【請求項6】
光ファイバの長手方向の一部に、着脱可能な光ファイバ収容部材及び接着テープの一部が切除された切除部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の光ファイバ配線具。
【請求項7】
光ファイバとして、光ファイバ心線と並列にテンションメンバを配置して保護被覆で覆った光ファイバを用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバ配線具。
【請求項8】
光ファイバとして、光ファイバ心線の周囲にテンションメンバを配置して保護被覆で覆った光ファイバコードを用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバ配線具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−309894(P2008−309894A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155573(P2007−155573)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】