説明

光放射タフテッドカーペット(tuftedcarpet)

本発明は、光放射タフテッドカーペット1を提供する。カーペット1は、一次裏地層100、オプションの二次裏地層200、オプションの接着材層300、カーペット光41を発生させるように配置される複数のカーペット組込LED40、並びに、第1導電体10及び第2導電体20を有する。第1導電体10及び第2導電体20は、電源50からLED40に電力を提供するために配置される。一次裏地層100が第1フェルト層30'を含み、又は、オプションの二次裏地層200が第2フェルト層30''を含み、或いは、一次裏地層100及びオプションの二次裏地層200の両方がフェルト層30', 30''を含む。第1導電体10及び第2導電体20の一つ以上が、第1フェルト層30'及び第2フェルト層30''の一つ以上の中に少なくとも部分的に組み込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光放射機能を持つ布地材料に関する。本発明は特に、一次裏地層、一次裏地層のカーペット側にタフトを形成する糸、二次裏地層、及び、一次裏地層と二次裏地層との間に配置される接着材層を有するカーペットに関する。
【背景技術】
【0002】
カーペットは、通常、(カーペットとしての使用の間にユーザに面する側に)タフトを形成する糸を備えた一次裏地層、二次裏地層、そして一般に、一次裏地層と二次裏地層との間に設けられている接着材層を有する。糸は、人がその上を歩く等するパイル面から突き出すタフトを形成するように一次裏地層を貫通する。糸は一般にゆったりとしており、(接着材層の)接着力で接着されることを必要とする。一次裏地の裏面に存在する接着材層は、一次裏地層にタフトを接着して、適当な位置にタフトを保持し、さらに一次裏地層と二次裏地層とを接着する。後者は、第1の接着材層上の第2の接着材層で達成されることもできる。
【0003】
光ファイバを備えた布地は、従来技術において周知である。US2007/0037462は、例えば、機能性光ファイバを含む分散光ファイバスクリム(scrim)を製造するための方法、そのように製造された機能性光ファイバスクリム、及び、光ファイバスクリムが組み込まれる複合材料を説明する。この文献は、様々な布地スクリム、特に接着剤で結合された不織スクリム材料を説明し、それぞれ少なくとも生地の長さ又は幅にわたる連続的な経路を有する少なくとも一つの光ファイバを含む。そのような光ファイバスクリムは、単独で、又は、布地、フィルム、発泡体などの他の材料と組み合わせることで、センサ素子として(例えば、破損、ひずみ、圧力又はトルクの検出器として)、(例えば様々な光供給アプリケーションにおける)照光素子として、データ分配素子として、有用である。
【0004】
例えばカーペットにおける電子部品の使用は従来技術において周知である。WO2007033980は、例えば、そのようなカーペット及びカーペットに電子部品を備えるための方法を説明する。電子部品が効率的かつ正確に位置を定められるようにカーペットに適用されることができることを保証する方法を確立するために、支持材料に固定して接続される電子部品は、その支持材料を用いてカーペットに接着される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の短所は、カーペットにLEDを埋め込むときに、カーペット上の歩行からの摩耗又は他の(圧力の)影響に対するLED及び/又は他の電子部品の保護が難しいことである。さらに、高エネルギー効率で、そして設置者が任意の長さでカーペットを切ることができるように、電力を供給することが課題である。さらに、特に高電力LEDを使用するときにLEDによって生じる熱が問題である。
【0006】
したがって、一つ又は複数の上述の短所を好ましくは少なくとも部分的に軽減する他のカーペットを提供することが本発明の態様である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一実施例において、光放射タフテッドカーペット(本明細書ではカーペットとして示される)を提供し、このカーペットは、
a. 一次裏地層、オプションの二次裏地層、
b. カーペット光を発生させるために配置される複数のカーペット組込LED、
c. 第1導電体及び第2導電体を有し、
一次裏地層が第1フェルト層を含むか、若しくはオプションの二次裏地層が第2フェルト層を含むか、又は、一次裏地層及びオプションの二次裏地層の両方がフェルト層を含み、
第1導電体及び第2導電体は、電源からLEDへと電力を供給するように配置され、第1導電体及び第2導電体の一つ以上は、第1フェルト層及び第2フェルト層の一つ以上中に少なくとも部分的に組み込まれる。
【0008】
そのようなカーペットの利点は、LEDがカーペットによって保護されることができ、すなわち、カーペット上に配置される又はカーペット上で動く物体、人間又は動物に直接曝されないことである。LEDがカーペット内にあって直接露出しないので、「カーペット組込LED」という用語が用いられる。更なる利点は、導電体がカーペットによって少なくとも部分的に保護されることができることである。また更なる利点は、LEDを電源から有害に切断することなく、カーペットを所望の長さで切ることができることである。これは特に、各々のLEDがそれ自身の配電を持つ場合、及び/又は、LEDが並列に電気接続される場合、及び/又は、複数のLEDが一つ以上のLEDの二つ以上のサブセットから成る場合(この二つ以上のサブセットは電源に個別に電気接続される)に、当てはまる。フェルトを使用する利点は、その中にLEDのための凹部を備えるために比較的容易に使用されることができ(下記参照)、及び/又は、それが導電体として用いられることができる(さらに下記参照)ことである。
【0009】
明細書及び請求の範囲中の「第1」「第2」等の用語は、同様の要素を区別するために用いられ、必ずしも逐次的又は時間的な順序を表すために用いられるわけではないことに留意されたい。そのように用いられる用語は、適当な条件の下で相互に交換可能であり、本明細書に記載される本発明の実施の形態は、本明細書に記載される又は図示される順序とは異なる順序で実施可能であることが理解されるべきである。
【0010】
「一次裏地層は第1フェルト層を含む」とのフレーズ及び同様のフレーズは、第1フェルト層が一次裏地層の一部であることができることを示すが、他の実施の形態では、一次裏地層が事実上第1フェルト層から成ることを示す。したがって、特定の実施の形態では、一次裏地層は第1フェルト層である。同様に、これは二次裏地層及び第2フェルト層にも当てはまり、したがって、第2フェルト層は二次裏地層の一部であることができるが、他の実施の形態では、二次裏地層が事実上第2フェルト層から成ることを示す。したがって、特定の実施の形態では、二次裏地層は第2フェルト層である。
【0011】
変形耐性を理由として、一般に、本発明のカーペットは二次裏地層を含む。したがって、実施の形態において、カーペットは二次裏地層を含む。他の好ましい実施の形態において、二次裏地層は第2フェルト層であり、そしてオプションとして、一次裏地層は第1フェルト層を含むことができる。また更なる実施の形態において、一次裏地層は第1フェルト層であり、そして二次裏地層は第2フェルト層である。
【0012】
他の実施例において、カーペットはさらに、一次裏地層の少なくとも一部と二次裏地層との間に配置される接着材層を含む。そのような層は、一次裏地層を二次裏地層に接着するために使用されることができる(下記も参照)。好ましい実施の形態において、接着材層はカーペット光に対して透過性であり、そして好ましくは、LEDは、接着材層及び二次裏地層のうちの一つ以上に(特にこれらの層のうちの一つ以上の凹部中に)配置される。接着材層がカーペット光に対して透過性である場合、LEDの光はカーペット上面又はカーペット面へと更に容易に伝わることができる。
【0013】
上で述べたように、好ましくは一つ以上のLEDは、上述のような一次裏地層、オプションの二次裏地層及びオプションの接着材層から成るグループから選択される層の層凹部中に配置されることができる。したがって、凹部は、一次裏地層中に、オプションの二次裏地層中に、オプションの二次裏地層が存在する場合にはオプションの接着材層中にも、配置されることができる。一般に、LEDは、これらの層のうちの一つに取り付けられる。したがってLEDは、LEDが取り付けられる層の凹部中に配置されることができるが、凹部はさらに、LEDが取り付けられる層に隣接した層中にも配置されることができる。「一つ以上のLEDは、一次裏地層、オプションの二次裏地層及びオプションの接着材層から成るグループから選択される層の層凹部中に配置されることができる」とのフレーズは、複数のLEDの総数のうちの少なくとも一部が、示された層中に配置されることを表す。他の層中に又は他の層上に、オプションとしてさらに、LEDはその層の凹部中に、及び/又は層上の他の場所に配置されることができる。
【0014】
フェルト層は、ニードルフェルト層であることができる。「フェルト」という用語は、従来技術において周知であり、一般に、線維をマット状にして、凝縮し、圧縮することによって生成される不織布に関する。フェルト化は、一般に化学プロセスによって実行されて、従来技術において周知である。それはさらに、個々の線維をつかんで、その近傍の繊維に対してそれらを引きずり、それによってそれらを結合する専門のフェルトニードルにより行われる。そのような製品は、ニードルフェルトと呼ばれる。
【0015】
「フェルト層」という用語はさらに、実施の形態において、複数のフェルト層に関することができる。特定の実施の形態において、第1フェルト層及び第2フェルト層の一つ以上は、フェルト層スタック(又はフェルト層ラミネート)を含む。したがって、第1フェルト層がフェルト層スタックであることができ、及び/又は、第2フェルト層がフェルト層スタックであることができる。「フェルト層スタック」という用語は、フェルト層のスタック又はラミネートに関する(ラミネートは、層を縫い合わせることによって作られることもできる)。
【0016】
特に導電体を保護するために、導電体は、一方又は両方のフェルト層の少なくとも一部の中に配置されることができる。したがって、実施の形態において、第1導電体及び第2導電体の一つ以上の少なくとも一部は、第1フェルト層又は第2フェルト層中の一次裏地層上面に平行な面内に配置される。したがって、これらの導電体のうちの一方又は両方の少なくとも一部は、面内に平行に配置されることができる。さらに、一方の少なくとも一部は、カーペットに平行な面内に配置されることができ、他方の少なくとも一部は、カーペットに対して垂直な面内に配置されることができる。この後者のオプションにおいて、導電体は例えば、カーペット裏面においてカーペットから突出することができる。二次裏地層ひいてはオプションとして第2フェルト層の存在を仮定すると、さらに、これらの導電体の一方又は両方の導電体の少なくとも一部は第1フェルト層中に配置されるか又は第2フェルト層中に配置されることができ、あるいは、一方が第1フェルト層中に配置されて、一方が第2フェルト層中に配置されることができる。したがって、第1及び第2の導電体の特定の配置の選択は、他から独立に行われることができる。
【0017】
特定の実施の形態において、第1導電体及び第2導電体の一つ以上は、電気ワイヤ、導電性フェルト及び導電性フェルト片から成るグループから選択される。したがって、第1導電体は、これらの3つの選択肢のうちの一つから選択されることができるが、第1の選択に関係なく、第2導電体も、これらの3つの選択肢から選択されることができる。好ましい実施の形態において、第1及び第2の導電体の種類は同じものであり、例えば両方の導電体が導電性フェルトである。したがって、第1及び第2の導電体の特定の配置の選択は、他から独立に行われることができる。したがって、第1導電体が電気ワイヤであり第2導電体が導電性フェルト片であるような、他の実施の形態との組み合わせが可能である。
【0018】
「導電体」という用語(本明細書において「導体」とも呼ばれる)は、複数の導電体にも関する場合がある。原則として、各々のLEDは、それ「自身の」導電体によってパワー(すなわち電力)を供給されることができる。さらに、第1及び第2の導電体は、LEDのサブセットに電力を供給することができる。第1及び第2の導電体の複数のセットが利用される場合、各々の個々の導電体は、電気ワイヤ、導電性フェルト及び導電性フェルト片から成るグループから選択されることができる。ここでも、一般に、各々の個々のセット中の第1及び第2の導電体、より好ましくは全ての第1及び第2の導電体は同じ種類である。
【0019】
第1導電体及び第2導電体は、本明細書において、共に導電体のセットとしても示される。単一のセット又は複数のセットが、導電体配置として示される場合もある。
【0020】
上で述べたように、第1導電体及び第2導電体の一つ以上は、電気ワイヤから成ることができる。さらに、第1導電体及び第2導電体の一つ以上は、導電性フェルトから成ることができる。導電性フェルトを用いる利点は、実施の形態においてLEDがどこにでも配置されることができることである。さらに、所望のサイズにカーペットを切ることは、これが実施の形態ではLEDを電源から切断しないので、より容易である。
【0021】
特定の実施の形態において、カーペットは二次裏地層を有し、第1フェルト層が第1導電体であり、第2フェルト層が第2導電体である。そのような実施の形態において、各々のLEDの第1の接点が導電体のうちの一方と電気的に接触することができ、各々のLEDの第2の接点が他方の導電体と電気的に接触することができるので、LEDはカーペット中のどこにでも配置されることができる。接着材層は、絶縁体すなわち非導電性材料として用いられることができ、第1導電体を第2導電体から絶縁する。
【0022】
しかしながら、有利には、第1フェルト層及び第2フェルト層の一つ以上は、第1導電体としての第1導電性フェルトスタック層及び第2導電体としての第2導電性フェルトスタック層を含み、第1導電性フェルトスタック層と第2導電性フェルトスタック層との間に配置される絶縁体を伴う導電性フェルト層スタック(「フェルト層スタック」としても示される)を含むことができる。そのような導電性フェルト層スタックは、複数のLEDのために働くユニットとして用いられることができる。「導電性フェルト層スタック」は、本明細書において、「伝導フェルト層スタック」としても示される。第1フェルト層によって構成される導電性フェルト層スタックは、第1導電性フェルト層スタックとして示され、第2フェルト層によって構成される導電性フェルト層スタックは、第2導電性フェルト層スタックとして示される。本明細書において「〜のために働く」との用語は、「〜に電力を供給する/導く」ことを示す。導電性フェルト層スタックを用いる利点は、実施の形態において、LEDがどこにでも配置されることができ、そして切断がより容易になることである。
【0023】
「第1フェルト層は導電性フェルト層スタックを含む」というフレーズ及び同様のフレーズは、導電性フェルト層スタックが第1フェルト層の一部であることができることを示すが、他の実施の形態においては、第1フェルト層が事実上導電性フェルト層スタックから成ることを示す。したがって、特定の実施の形態において、第1フェルト層は導電性フェルト層スタックである。同様にこれは、第2フェルト層及び導電性フェルト層スタックに当てはまる。
【0024】
上で述べたように、好ましくは、二次裏地が存在する。さらに、上で述べたように、一次裏地層が第1フェルト層を有し又は二次裏地層が第2フェルト層を有し、或いは、一次裏地層が第1フェルト層を有し、かつ、二次裏地層が第2フェルト層を有し、或いは、二次裏地層のみが第2フェルト層を有する。
【0025】
好ましくは、少なくとも第2導電性フェルト層スタックが存在し、そしてオプションとして第1導電性フェルト層スタックも存在する。したがって、好ましくは、カーペットは二次裏地層を有し、二次裏地層は第2導電性フェルト層スタックを有し、そしてオプションとして、一次裏地層も第1導電性フェルト層スタックを有する。
【0026】
他の好ましい実施の形態において、二次裏地層は第2の導電性フェルト層スタックであり、そしてオプションとして、一次裏地層は第1の導電性フェルト層スタックを有することができる。また更なる実施の形態において、一次裏地層は第1導電性フェルト層スタックであり、そして二次裏地層は第2導電性フェルト層スタックである。
【0027】
二次裏地層の存在を仮定し、そして両方の導電性フェルト層スタックの存在を仮定して、一次裏地に含まれるフェルト層スタックはLEDのサブセットのために働くことができ、そして二次裏地に含まれるフェルト層スタックは、LEDの他のサブセットのために働くことができる。
【0028】
さらに、「導電性フェルト層スタック」という用語は、複数の(隣接した)導電性フェルト層スタックにも関することができ、導電性フェルト層スタックは、複数のLEDからなるサブセットのためにそれぞれ働くことができる。
【0029】
さらに、実施の形態において、第1の導電体及び第2の導電体の一つ以上は、導電性フェルト片を含むことができる。これは、その一部(一片)のみが導電性である第1フェルト層及び/又は第2フェルト層の使用を可能にする。実施の形態において、そのような導電性フェルト片はさらに、導電性フェルト層スタック(上述の実施の形態との組み合わせ)を含むことができる。
【0030】
電源は、カーペット外部に配置されることができる。しかしながら、電源は、カーペット中に実装されることもできる。各々のLEDは、(実装された)それ自身の電源を備えていることができるが、一つ以上の電源が、一つ以上のLED(LEDのサブセット)に電力を供給するように配置されることもできる。したがって、「電源」という用語は、複数の電源に関することもできる。本明細書において、「実装される」との用語は、電源がカーペット中に、例えば二次裏地層中に組み込まれることを示す場合がある。しかしながら、本明細書において、「実装される」との用語は、電源がカーペットに取り付けられること、例えばカーペットの底の層に積層されることを示す場合もある。
【0031】
本発明は、実装された電源を有するカーペット、電源とカーペットとの組み合わせ(電源はカーペット外部である)、及び、電源のないカーペット(但し、外部電源に電気的に接続可能であるように構成され、接続されたときに外部電源から電力を受け取って、オンにされたときにカーペット光を供給する)に関連する。
【0032】
光放射カーペットは、カーペット中に実装されるか又はカーペットに外付けであることができるコントローラをさらに有することができ、コントローラは、カーペット光の光学特性、より好ましくは複数のLEDからなる二つ以上のLEDサブセットの光学特性を、個別に制御するように配置される。用語「光学特性」は、特に、強度及び色に関することができる。それぞれのLED(のサブセット)がコントローラによりアドレス指定されると、それぞれのLED(のサブセット)は異なる色を発し、光学特性としてのカーペット光の色は容易に制御されることができる。例えば、二つ以上のサブセットが、青、緑、黄、赤及び白(但しこれらに限られない)からなるグループから選択される色の光を供給するように配置されることができる。
【0033】
さらに、第1フェルト層及び第2フェルト層の一つ以上は、熱伝導性であることができる。これは、LEDからの熱伝達を改善することができ、それによってカーペットを保護することができる。
【0034】
用語「カーペット」は、本明細書においてタフテッドカーペットを指すが、実施の形態においてはタフテッドラグ、そして他の実施の形態においてはタフテッドゴブリンを指す。さらに別の実施の形態では、用語「カーペット」は、タフテッド自動車マットを指す。実施例はさらに、壁若しくは屋根の覆いとして、又はタフテッドバスマットとして用いられることができるタフテッドカーペットである。本明細書において、光放射タフテッドカーペットは、「カーペット」又は「タフテッドカーペット」としても示される。
【0035】
「光放射タフテッドカーペット」という用語は、LED光の放射を可能にする本発明によるカーペットを指し、したがって、LED光はカーペットから外部へ漏れる。しかしながら、添付の請求の範囲は、光放射体として使用中のカーペットだけでなく、カーペット自体又はスイッチオフの間のLEDを備えたカーペットにも関する。
【0036】
一次及び二次裏地層
一次裏地層は、一次裏地層上面及び一次裏地底面を持つ。二次裏地層は、二次裏地層上面及び二次裏地底面を持つ。カーペットは、カーペット上面及びカーペット底面を持つ。一次裏地層及びオプションの二次裏地層及びオプションの接着材層は、一つ以上の層のスタック又はラミネートを形成し、より正確には、「境界」としてのカーペット上面及びカーペット底面を持つカーペットを形成する。一次裏地層はフェルト層(第1フェルト層)を含むか又はフェルト層(第1フェルト層)であり、同様に、オプションの二次裏地層はフェルト層(第2フェルト層)を含むか又はフェルト層(第2フェルト層)である。
【0037】
用語「底」及び「上」は単に、明確な態様で、一次裏地層、接着材層(以下参照)、二次裏地層及び積層体のような物体のそれぞれの面を説明するために用いられることに留意されたい。用語「底」及び「上」の使用は、請求の範囲に記載された本発明のカーペット及びその使用を、添付の図面に模式的に描かれた構成に制限しない。さらに、ロール上のカーペットも本願において請求される。
【0038】
「一次裏地層」という用語は、複数の層からなる一次裏地層を含むことができる。同様に、「二次裏地層」という用語は、複数の層からなる二次裏地層を含むことができる。
【0039】
特に、カーペットのタフトを形成する糸は、たとえカーペットが人の目には不透明であるように見えるとしても、光を通すのに十分な開口を持つ構造を形成する。外観上の理由のために、好ましくは、一次裏地層は実質的に目に見えないが、依然として光がタフト構造を通過することができるように、タフトが設けられる。光に対して透過性の一次裏地層の下に光源を配置することで、光源からの光はタフテッド面から放射される。
【0040】
そのようなタフテッドカーペットは、光放射部のサイズ制限が少ないという利点を持つ。例えば、光放射の位置で、一次裏地が除去される必要はない。
【0041】
本発明の他の実施例によれば、一次裏地層は、光に対して透過性である。この説明において用いられるように、用語「光に対して透過性」又は「光透過性」は、可視光の全部又は一部が、拡散の有無にかかわらず、材料を通過することができることを意味する。これは、光源から放射される光の強度が一次裏地層によって減少することが低減されるという利点がある。例えば、光源(すなわちLED)から結合する光強度の5%以上、10%以上又は30%以上が、一次裏地層を通過することができる(以下も参照)。そのような光透過性の一次裏地層は、LEDが一次裏地層上面とカーペット底面との間に配置される場合に、特にLEDが一次裏地層底面とカーペット底面との間に(例えばオプションの接着材層及び/又はオプションの二次裏地層のうちの少なくとも一方の中に)配置される場合に、特に重要である。
【0042】
「可視光の一部が通過することができる」との用語は、全ての可視光が部分的に透過する(すなわち100%未満が透過する)ことを示すことができるが、その代わりに又は付加的に、可視光スペクトラムのいくらかの部分は(部分的に)透過し、そして他の部分は実質的に透過しないことを示すこともできる。層は、特に接着材層は(光に対して透過性の場合)、当業者にとって周知のように、可視スペクトラムの一部の部分に対する透過性が、可視スペクトラムの他の部分に対する透過性よりも高い場合がある。
【0043】
本発明の他の実施例によれば、一次裏地層は、タフトによって覆われる開口を持つ。この開口は、放射される(「透過される」)光の輝度を増加させることができる。この場合、一次裏地層材料が光に対して透過性でなければならないという制限がないので、一次裏地層のための材料の選択の自由度は高い。例えば、織られた布地が、一次裏地層として用いられることができる。これは、織られた構造中の糸の間に開口を持つ。
【0044】
一次裏地層及び二次裏地層は、実施の形態において、従来技術において周知の手段によって互いに積層されることができる。したがって、カーペットはラミネートであることができ、本明細書においては、「カーペットラミネート」又は単に「ラミネート」としても示される。
【0045】
好ましくは、一次層と二次層とを互いに取り付けるために接着材層が適用される。したがって、実施の形態において、光放射タフテッドカーペットはさらに、接着材層上面及び接着材層底面を持ち、一次裏地層と二次裏地層との間に配置される接着材層を含み、接着材層は、好ましくは、カーペット光に対して少なくとも部分的に透過性である。したがって、本発明は、一次裏地層、接着材層及び二次裏地層を有する光放射タフテッドカーペットの実施の形態を提供する。
【0046】
この実施の形態において、一次裏地層の一次裏地層底面の少なくとも一部は、接着材層の接着材層上面の少なくとも一部と接触し、接着材層の(接着材層上面と反対側の)接着材層底面の少なくとも一部は、二次裏地層上面の少なくとも一部と接触する。このようにして、ここでは一次裏地層、接着材層及び二次裏地層の「スタック」であるラミネートが提供される。
【0047】
一実施例において、カーペットは、二次裏地を全く含まず、一次裏地層のみが提供される。
【0048】
しかしながら、カーペットは、上述の一次裏地層、オプションの接着材層及びオプションの二次裏地層より多くの層をさらにオプションとして含むことができる。そのようなオプションの層は、一次裏地層と接着材層との間、(接着材層が存在しない実施の形態において)一次裏地層と二次裏地層との間、接着材層と二次裏地層との間、及び、二次裏地層とカーペット底面との間などに配置されることができる。そのような追加のオプションの層の例は、以下で示される散乱層及び反射層であることができる。複数のオプションの更なる層がカーペットラミネート中に存在することができる。
【0049】
この説明中において用いられるように、「二次裏地層」という用語は、パイル面と反対側のカーペットの面を形成する裏地層を含む。そのような層は、通常、「二次裏地層」と呼ばれて、市販されている。
【0050】
これらの「二次裏地層」は、カーペット裏地に適切であり、カーペット工場において使用されるカーペット製造方法によく適合するという利点を持つ。二次裏地層を用いる利点は、カーペットに強度を与えることだけでなく、LED、オプションの電源及び導電体の保護でもある。したがって、好ましくは、本発明によるタフテッドカーペットは、二次裏地層を含む。しかしながら本発明は、二次裏地層の存在に制限されず、例えば接着材層から離れる方を向く二次裏地層の面に(すなわち、二次裏地層底面とカーペット底面との間に)、さらに他の場所にも(上記参照)、更なる及び/又は他の層が存在することができる。
【0051】
一次裏地層及びオプションの二次裏地層のうちの少なくとも一方はフェルト層からなる。二次裏地層が存在する場合、一次裏地層及び二次裏地層のうちの少なくとも一方はフェルト層からなり、これらの一方のみがフェルト層からなる場合、他の層はポリプロピレン、ナイロン又はジュートからなることができる。これらの材料は、比較的低コストであるという利点を持つ。ポリプロピレン又はナイロンによる光透過性の構造を製造することは容易である。さらに、これらの材料は既存のタフテッドカーペットにおいて一般的に用いられているので、本発明によるカーペットを製造するのは容易である。これらの裏地層が実質的に上述の材料から構成されうることが留意されるべきである。したがって、実施の形態において、一次裏地層がポリプロピレン、ナイロン又はジュートから成り、そして二次裏地層がフェルト層から成る。
【0052】
本発明の他の実施例によれば、二次裏地層は、少なくとも約70m3/min/m2の通気性を持つ。二次裏地層の通気性は、0.5インチ(1.27cm)の水と同じ圧力差によって、ASTMD-737に従って決定されることができる。許容できる値は、250 ft3/min/ft2(76.2 m3/min/m2)であるが、より好ましい値は、350-800 ft3/min/ft2(106.7-243.8 m3/min/m2)の範囲である。約70 ft3/min/ft2 (24.4 m3/min/m2)以下の通気性を有する二次裏地層は、高バインダ硬化速度のためには不適当であるとみなされる。
【0053】
本発明の他の実施例によれば、二次裏地層は、通気道のための開口を持つ。接着材層として使用された気化したバインダは、カーペットの硬化の間、開口を通過することができる。この実施の形態によって、二次裏地層の通気性が十分に高いことが保証され得る。
【0054】
本発明の他の実施例によれば、カーペットは、一次裏地層と二次裏地層との間で、少なくとも44.6kg/mの剥離強度を持つ。この要件は、時々「ピール強度」としても示され、通常はASTMD-3936に従って検査される。
【0055】
本発明の他の実施例によれば、LEDは二次裏地層中に組み込まれ、二次裏地層は、光源から接着材層への光の透過を可能にするために光に対して透過性であり、又はLEDは、二次裏地層上面の上に設けられる。LED及び二次裏地層のこれらの二つの配置は、光源からの光が接着材層に達し、さらに一次裏地層上面へと透過することを保証することができる。このアプローチの利点は、光源がカーペットの中で保護されることである。LEDは、例えば電子回路を破損する又は電子回路の周囲の水密封止を破損する可能性がある、例えば磨耗又は衝撃から保護されることができる。パイル面側では、光源は、タフトを有する一次裏地によって保護されており、そして反対側では、LEDは二次裏地によって保護されている。裏面の保護は、特にカーペットの設置の際に重要である。したがって、カーペットの光透過性の二次裏地に本発明を用いることは有利である。この理由は、高品質のカーペットにとって、高い剥離強度を達成するために二次裏地の一定の通気性が必要とされるからである。特に、0.5インチの水に等しい圧力差によって、ASTM規格D-737に従って決定される、少なくとも約250 ft3/min/ft2の二次裏地の通気性が好ましい。
【0056】
接着材層
接着材層は、一次裏地層に向く接着材層上面及び二次裏地層に向く接着材層底面を有する。
【0057】
また、「接着材層」という用語は、実施の形態において、複数の接着材層(例えばプレコート層及び接着材層)から成る接着材層を含むことができ、他の一実施例において、(接着剤の混合物のような)複数の接着材から成る接着材層を含むことができる。例えば、接着材層は、一次裏地の裏面に存在することができ、一次裏地層及び二次裏地層を互いに接着する(例えばLEDは接着材層内にある)だけでなく、一次裏地層にタフトを接着して、適当な位置にタフトを保持する。あるいは、第1の接着材層が一次裏地の裏面に存在することができ、一次裏地層にタフトを接着してタフトを適当な位置に保持し、そして、一次裏地層と二次裏地層を接着するために第2の接着剤層が第1の接着剤層上に存在する(例えば、LEDは第2の接着剤層内にある)。そのような接着材層は、オプションとして異なる接着材に基づく場合もあるが、接着材層として本明細書において示される。
【0058】
特に、LEDが少なくとも部分的に接着材層中に配置される実施の形態において、又は、LEDが二次裏地層中に配置される実施の形態において、接着材層は、カーペット光(すなわち、LEDからカーペットの外側へと漏れる光)に対して透過性である。したがって、実施の形態において、接着材層は、カーペット光に対して透過性である。
【0059】
したがって、タフトを適当な位置に保持する接着材層は、実施の形態において、一次裏地層の下でLEDを適当な位置に保持するために用いられることができる。LEDは、一次裏地層の一次裏地層底面と接着材層の接着材層上面との間に配置されることができる。開口(凹部)が、一次裏地層に向く接着材層上面の表面に設けられることができ、その中に光源が配置されることができる。
【0060】
本発明の好ましい実施の形態によれば、接着材層は、LEDから一次裏地層への光の透過を可能にするために、光に対して少なくとも部分的に透過性である。これは、LEDが接着材層底面に配置されることを可能にする。この場合には、LEDはオプションとして、追加の接着手段によって適当な位置に固定されることができる。LEDはさらに、接着材層中に完全に封入されることができる。あるいは、LEDは、LEDと接着材層との間の空間の中で接着材層の下に配置されることができる。
【0061】
他の実施例において、接着材層はさらに、散乱粒子(例えばTiO2又は炭酸カルシウム粒子)を含む。そのような粒子は、光出力及び/又はカーペットにわたる均一な光分布/出力を改善することができる。したがって、そのような粒子が接着材層中にカーペット光の一部を散乱させるために配置される。
【0062】
本発明の他の実施例によれば、接着材層は導電性粒子を含む。導電性粒子は、カーペットに帯電防止性を与えることができる。導電性粒子は、例えばカーボンブラック、カリウムギ酸塩(HCOOK)、酸化錫、インジウムスズ酸化物又は銀であることができる。
【0063】
本発明の他の実施例によれば、接着材層は抗酸化剤を含む。抗酸化剤は、接着材層の熱に対する耐性を高める。LEDが相当な量の熱を発生させる場合があるので、これは有利である。さらに、抗酸化剤を含まないラテックスは、より急速に経年劣化して、いくらかの時間後に黄色になる場合があり、それに起因して、おそらく導波路光のような光を吸収し始める。
【0064】
本発明の他の実施例によれば、接着材層はラテックスを含む。このラテックスは、光透過性のラテックスであることができる。接着材層が実質的にラテックスで構成される得ることが留意されるべきである。ラテックスは、スチレン、ブタジエン及び酸性ビニル単量体の三元重合体に基づくことができる。接着材層が実質的に光透過性のラテックスから構成されて、実質的に光散乱粒子を含まない場合、光源からの光は、効率的にカーペットを出ることができる。したがって、好ましくは、光散乱フィラーは接着材中に用いられず、接着材層は光透過性である。したがって、実施の形態において、接着材層は光散乱粒子を含まない。フレーズ「...を含まない」及び同様のフレーズ又は用語は、何かが「...を実質的に含まない」ことを示す。
【0065】
本発明の他の実施例によれば、接着材層はアクリル樹脂を含む。このアクリル樹脂は、光透過性のアクリル樹脂であることができる。接着材層が実質的にアクリル樹脂で構成され得ることが留意されるべきである。アクリル樹脂の例は、ポリアクリレートエステルである。アクリル樹脂の利点は、硬度、柔軟性及びUVに対する耐性である。アクリル樹脂はさらに、熱に対して高い耐性を示し、比較的大量の熱を発生させるLEDと組み合わせて用いるのに特に適した材料である。ラテックスとアクリル樹脂は、組み合わせて用いられることもできる。
【0066】
好ましい実施の形態において、ポリオレフィン分散が、(例えば接着材層を後に提供するための一次層上の)プレコート及び/又は接着材層自体として、用いられる。適切なポリオレフィン分散は、例えばダウケミカルのHYPODTMであることができる。これらは、高分子量熱可塑性材料及びエラストマの性能を高固体水媒性分散の適用利点と組み合わせるプロピレン及びエチレンベースの分散である。ポリオレフィン分散は、従来の塗布装置を用いて熱可塑性裏地を適用することを可能にすることによって、カーペット製造者に利便を提供することができる。例えば、PVB(ポリビニルブチラール)又はポリプロピレンのカーペット裏地を用いることで、UV光透過性を増加させると同時に、UV感度の問題が解決されることができる。したがって、他の適切なポリオレフィン分散は、PVBベースの分散であることができる。しかしながら、他の熱可塑性材料が、さらに高いUV光透過性を持つ可能性がある。
【0067】
LED
複数のLEDが、実質的に同様のスペクトルを有する光を発生させることができるが、実質的に異なるスペクトルを有する光を発生させることもできる。したがって、複数のLEDは、実質的に同じ色の光を発生させることができ、又は複数の色を発生させることができる。用語「複数のLED」は、2個又はさらに多くのLED、特に2個から100000個のLEDを指す。一般に、カーペットは、2-10000LED/m2カーペット、特に25-2500LED/m2カーペットを有することができる。
【0068】
好ましい実施の形態において、LEDは、赤/緑/青(RGB)LEDである。例えば、LEDの一部は赤色LEDであり、他の部分は緑色LEDであり、そしてさらに別の部分は青色LEDである。RGB LEDを使用すると、カーペットの色が変更されることが可能となるので有利である。例えばRGB LEDと組み合わせて白いタフトが用いられる場合、カーペットの色を任意の所望の色に変えることが可能である。例えば、RGB LEDを緑色に設定することによって、カーペットのタフトは、例えば緑色に見えることができる。
【0069】
特に、LEDは、凹部中に配置される。一次裏地層上面及び/又は一次裏地層底面は、LEDを収容するための凹部を有することができる。二次裏地層が存在する場合、代わりに又は加えて、二次裏地層上面及び/又は二次裏地層底面がLEDを収容するための凹部を有することができる。さらに接着材層が存在する場合、代わりに又は加えて、接着材層上面及び/又は接着材層底面がLEDを収容するための凹部を有することができる。
【0070】
その他
本発明の他の実施例によれば、一次裏地層、二次裏地層及び接着材層の少なくとも一つは、フィラーとも呼ばれる光散乱粒子を有する。フィラーは、接着材を増強すると同時に、カーペットのコストを低減するという利点を有する。フィラーが光を散乱させるので、カーペットからの光は、本来の放射スポットより大きな領域から生じるように見える。均一な光放射が望ましい場合、それは有利である。光散乱粒子は、炭酸カルシウム又は他の材料(例えばTiO2)であることができる。炭酸カルシウムの利点は、比較的低コストであることである。炭酸カルシウムは、方解石又はチョークの形態であることができる。光散乱粒子は、さらに、カオリナイト(例えばカオリンフィラー)であることができる。一般的にフィラーは、例えば600g/lのような量で用いられるが、本発明の多くの実施の形態にとって、光透過性を増加させるために、より少ない量が用いられることが好ましい。
【0071】
本発明の他の実施例によれば、タフテッドカーペットは、さらに、LEDの上流に配置される反射層を有する。反射層は、LEDからパイル表面へと光を向けることができ、タフテッドカーペットから放射される光の強度を増加させる。例えば、反射層は、LEDとカーペット底面との間に配置されることができる。あるいは、二次裏地層底面とカーペット底面との間に、反射層が配置されることができる。実質的に接着材層内に配置されるLEDを仮定すると、接着材層と二次裏地層との間に反射層が配置されることができる。そのような反射層は、例えば接着特性の観点から、一体化された層である必要はなく、複数の部分で構成されることもできる。カーペット底面自体が反射層であってもよい。反射は、鏡面反射性であるか又は拡散性であることができる。したがって、反射層は散乱層であってもよい。
【0072】
「上流」及び「下流」との用語は、LEDからの(ここではカーペット光として示される)光の伝播に対するアイテムの配置に関し、LEDからの光ビーム内の第1の位置に対して、LDEに近い光ビーム中の第2の位置は「上流」であり、LEDからさらに離れる光ビーム内の第3の位置は「下流」である。
【0073】
オプションの接着材層、オプションの反射層又はオプションの散乱層は、一次裏地層と実質的に同じ長さ及び幅寸法を持つ一体化された層であることができるが、複数の部分から構成されてもよい。例えば、一次裏地層と二次裏地層との間の良好な接着がさらに達成されることができ、「層ドメイン」が存在し、すなわち、一次及び二次裏地層の一部は接着材層によって互いに接着され、一部は間に接着材層を伴わずに互いに積層される。当業者は、望ましい結果を達成するために、オプションの接着材層、オプションの反射層又はオプションの散乱層の大きさを最適化することができる。
【0074】
「光に対して透過性」、「光に透過性」又は「光透過性」との用語は、材料(例えば層)によって透過される光に関する。本明細書において、用語「透過した」又は「透過」は、(材料中の散乱が実質的に無い)妨害されない透過及び/又は(半透明材料中のような散乱の後の)妨害された透過に関する。「光に対して透過性」又は「光透過性」との用語は、本明細書において「透過」として示される場合もある。
【0075】
透過率又は透過性は、第1の強度で特定の波長の光を材料に供給し、材料中を透過した後に測定されたその波長の積分光の強度を、その特定の波長で材料に供給された光の第1の強度に関連付けることによって決定されることができる(CRC Handbook of Chemistry and Physics, 69th edition, 1088-1989のE-208及びE-406を参照)。「光に対して透過性」又は「光透過性」との用語は、光の少なくとも1%、より好ましくは光の少なくとも10%、さらに好ましくは光の少なくとも30%が材料又は層を透過することを示す。特にハイパワーLEDを用いる場合には、低い透過率でもこのアプリケーションに対して許容される。一般に、例えば一次裏地層、二次裏地層及び接着剤層の光に対する透過性は、特に、カーペット最上層の方向に伝播する可視光に関して決定される。
【0076】
一次裏地層は、好ましくは、特にLEDが一次裏地層とカーペット底面との間に配置される実施の形態において、少なくとも約1%、より好ましくは少なくとも約10%、さらに好ましくは少なくとも約30%の可視光に対する光透過性を持つ。LEDの下流に配置される(すなわちLEDと一次裏地層上面との間に配置される)任意の他の下流の材料又は層は、好ましくは、少なくとも約1%、より好ましくは少なくとも約10%、さらに好ましくは少なくとも約30%の光透過性を持つ。
【0077】
用語「青色光」又は「青色放射」は、特に約410-490nmの範囲の波長を持つ光に関する。「緑色光」という用語は、特に約500-570nmの範囲の波長を持つ光に関する。「赤色光」という用語は、特に約590-650nmの範囲の波長を持つ光に関する。「黄色光」という用語は、特に約560-590nmの範囲の波長を持つ光に関する。本明細書において、例えば「カーペット光」、「光源光」又は「LED光」との用語における「光」という用語は、好ましくは可視光に関する。実施の形態における「カーペット光」という用語は、特に、実質的に可視光のみから構成される光に関する。さらに他の実施の形態において、カーペット光は、UV光及び/又は可視光を含むことができる。「可視光」という用語は、特に、約400-700nmの範囲から選択される波長を有する放射を持つ光に関する。
【0078】
本発明の実施の形態は、単に一例として、添付の模式的な図面を参照して以下で説明され、対応する参照符号は対応する部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1a】一次裏地層を有するカーペットの実施の形態を概略的に示す図。
【図1b】一次裏地層及び二次裏地層を有するカーペットの実施の形態を概略的に示す図。
【図1c】一次裏地層、接着剤層及び二次裏地層を有するカーペットの実施の形態を概略的に示す図。
【図2a】本発明のカーペットの実施の形態におけるLEDの配置を概略的に示す図。
【図2b】本発明のカーペットの実施の形態におけるLEDの配置を概略的に示す図。
【図2c】本発明のカーペットの実施の形態におけるLEDの配置を概略的に示す図。
【図3a】(第1及び第2)導電体の少なくとも一部が電線である(第1又は第2)フェルトの実施の形態を概略的に示す図。
【図3b】(第1及び第2)導電体の少なくとも一部が電線である(第1又は第2)フェルトの実施の形態を概略的に示す図。
【図3c】(第1及び第2)導電体の少なくとも一部が電線である(第1又は第2)フェルトの実施の形態を概略的に示す図。
【図3d】(第1及び第2)導電体の少なくとも一部が電線である(第1又は第2)フェルトの実施の形態を概略的に示す図。
【図4a】(第1及び第2)導電体の少なくとも一部が導電性フェルト層であるカーペットの実施の形態を概略的に示す図。
【図4b】(第1及び第2)導電体の少なくとも一部が導電性フェルト層であるカーペットの実施の形態を概略的に示す図。
【図5a】(第1及び第2)フェルトの少なくとも一部が導電性フェルト層スタックである(第1又は第2)フェルトの実施の形態を概略的に示す図。
【図5b】(第1及び第2)フェルトの少なくとも一部が導電性フェルト層スタックである(第1又は第2)フェルトの実施の形態を概略的に示す図。
【図6】一次裏地層及び二次裏地層が導電性フェルト層スタックからなるカーペットの実施の形態を概略的に示す図。
【図7a】(第1及び第2)導電体の少なくとも一部が導電性フェルト片である(第1又は第2)フェルトの実施の形態を概略的に示す図。
【図7b】(第1及び第2)導電体の少なくとも一部が導電性フェルト片である(第1又は第2)フェルトの実施の形態を概略的に示す図。
【図7c】(第1及び第2)導電体の少なくとも一部が導電性フェルト片である(第1又は第2)フェルトの実施の形態を概略的に示す図。
【図8】一次裏地層及び二次裏地層が導電性フェルト片を含むカーペットの実施の形態を概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図1a-1cは、一次裏地層100(図1a)、一次裏地層100及び二次裏地層200(図1b)、並びに、一次裏地層100、接着材層300及び二次裏地層200をそれぞれ有するカーペット1の実施の形態を概略的に示し、後者において、接着材層300は、一次裏地層100と二次裏地層200との間に配置される。接着材層300はさらに、ドメイン(図示せず)からなることができ、すなわち、接着材層300は、一次裏地層100の一部と二次裏地層200との間に配置されることができる。
【0081】
一次裏地層100は、一次裏地層上面101及び一次裏地底面102を持つ。二次裏地層200は、二次裏地層上面201及び二次裏地底面202を持つ。接着材層300は、接着材層上面301及び接着材層底面301を持つ。カーペットは、カーペット上面2(すなわち、その上で歩き、休み、座り、物を置くことなどが意図されるカーペット表面)及びカーペット底面3を持つ。一次裏地層100、オプションの二次裏地層200及びオプションの接着材層300は、一つ以上の層からなるスタック又はラミネートを形成することができ、より正確には、「境界」としてのカーペット上面2及びカーペット底面3を持つカーペット1を形成することができる。一次裏地層100は、フェルト層30(第1フェルト層30')を含むか又はフェルト層30(第1フェルト層30')であり、同様に、二次裏地層200は、フェルト層30(第2フェルト層30'')を含むか又はフェルト層30(第2フェルト層30'')であることができる。
【0082】
フェルト層は一般に参照番号30によって示される。一次裏地層100に含まれるフェルト層30と二次裏地層200に含まれるフェルト層30とを区別するために、これらのフェルト層30は、それぞれ、第1フェルト層30'及び第2フェルト層30''として示される。
【0083】
図1cにおいて、一例として、一次裏地層100は第1フェルト層30'であり、そして二次裏地層200は第2フェルト層30''である。しかしながら、これらの裏地層のうちの一方のみがフェルト層30を含むか又はフェルト層30であってもよい(そして、他方の層は他の素材である)。
【0084】
図1aにおいて、カーペット底面3は、一次裏地層底面102と実質的に一致する。図1bにおいて、一次裏地層底面102は二次裏地層上面201に隣接し、そしてカーペット底面3は二次裏地層底面202と実質的に一致する。図1cにおいて、一次裏地層底面102は接着材上面301に隣接し、接着材底面302は二次裏地層上面201に隣接し、そしてカーペット底面3は二次裏地層底面202と実質的に一致する。
【0085】
なお、用語「底」及び「上」は、単に、一次裏地層、接着材層(下記参照)、二次裏地層及びラミネートのような対象物の、異なる面を明確に説明するために用いられる。用語「底」及び「上」の使用は、請求される本発明のカーペット及びその使用を、添付の図面に概略的に表される構成に制限しない。
【0086】
一次裏地層10は、一次裏地上面101にタフト12(ここでは閉ループタフト)を形成する糸11を備える。
【0087】
カーペット上面2はさらに、「カーペット面」又は「カーペットの使用の間にユーザに向かう面」として本明細書において示される。
【0088】
図2a-2cは、本発明のカーペットの実施の形態におけるLEDの配置を概略的に表す。この模式図は、LED40が一例として示されることを除いては、図1a-1bと実質的に同じである。LED40は、カーペット上面2から漏れるカーペット光41を発生させるために配置される。この目的のために、LED40から下流のカーペット1の任意の部分は、カーペット光40に対して透過性であるように設計されることができる。
【0089】
図面は、全ての可能な実施の形態を網羅的に概略的に表すことを意図しない。模式図中の大部分のLED40は、一例として、凹部45中に配置される。凹部45の使用は、LEDが外部原因による圧力からより保護されるという利点を持つ。LED40は、一次裏地層上面101の凹部45中、及び/又は一次裏地底面102の凹部45中、及び/又は一次裏地底面102上に、配置されることができる(図2a)。加えて又は代わりに、LED40は、二次裏地層上面201の凹部45中、及び/又は二次裏地層上面201上、及び/又は二次裏地底面202の凹部45中、及び/又は二次裏地底面202上に配置されることができる(図2b)。さらに、代わりに又は加えて、LED40は、接着材層上面301の凹部45中、及び/又は接着材層上面301上、及び/又は接着材底面302の凹部45中、及び/又は接着材底面302上に配置されることができる(図2c)。なお、LED40の配置に依存して、一次裏地層100及び/又は接着材層300及び/又は二次裏地層200は、カーペット光41に対して透過性であることが好ましい。例えば、二次裏地底層202に配置されるLEDの光41は、二次裏地層200の少なくとも一部を通って、オプションの接着材層300を通って、そして一次裏地層100を通って伝わらなければならない。
【0090】
用語「上流」及び「下流」を説明するために、図2cを参照して、二次裏地上面201に配置されるLED40を想定すると、そのようなLED40は、さらに、上流に(すなわち二次裏地上面201に配置されるLED40の上流に)配置される、二次裏地底面202(ここではカーペット底面3)に配置されるLED40のようなLED40を持つことができ、及び/又は、一次裏地底面102中のような上流に(すなわち二次裏地上面201に配置されるLED40の上流に)配置されるLED40を持つことができる。同様に、二次裏地層200中に配置されるLED40に関して、オプションの接着材層300(図2b及び2cを参照)は、二次裏地層200の下流に配置されるとみなされ、一次裏地層100も二次裏地層200の下流に配置されるとみなされる(そしてオプションの接着剤層300の下流に配置されるともみなされる)。
【0091】
図3a-3dは、(第1及び第2)導電体の少なくとも一部が電線である、(第1又は第2)フェルト層30の実施の形態を概略的に表す。示されたフェルト層30は、第1フェルト層30'及び/又は第2フェルト層30''の実施の形態を説明する。一例として、そして明確性のために、一つのLED40のみが描かれている。
【0092】
ここで、第1導電体10及び第2導電体20が概略的に示されて、電源50からLED40へと電力を供給するように配置される。第1導電体10及び第2導電体20は、フェルト層30中に少なくとも部分的に組み込まれる。ここで、導電体10, 20は電線500から成り、それぞれ、第1導電性電気ワイヤ510及び第2導電性電気ワイヤ520として示される。
【0093】
図3aにおいて、第1導電体10及び第2導電体20は、フェルト層30中で、一次裏地層上面102に平行な面中に配置される(図示されないが、フェルト層30は一次裏地層上面102に実質的に平行に配置される。図1a-2c等参照)。
【0094】
しかしながら図3bでは、第1導電体10及び第2導電体20、すなわち第1導電性電気ワイヤ510及び第2導電性電気ワイヤ520は、例えば、変形例においてカーペット底面3に配置されることができる及び/又は変形例においてカーペット中に組み込まれることができる(ここでは図示されない)電源50に電気的に接続されるように、フェルト層30を貫通し(それによってフェルト層30中に少なくとも部分的に組み込まれる)、フェルト層30から突出することができる。
【0095】
図3cは、図3bに概略的に示された実施の形態と同じ実施の形態を概略的に示すが、ここでは、電源50はカーペット1の外部に配置される(図示せず。但し以下参照)。
【0096】
図3dは、フェルト層スタック130を概略的に示す。今回も、これは、第1フェルト層30'及び第2フェルト層30''に関することができる。フェルト層スタック130は、複数のフェルト層30を含む。導電体10及び/又は20、すなわちここでは第1導電性電気ワイヤ510及び第2導電性電気ワイヤ520は、フェルト層スタックの2つの隣接したフェルト層30の間に配置されることができる。さらに、このようにして、第1導電体10及び第2導電体20は、フェルト層30(より正確に言うとフェルト層スタック130)中に、少なくとも部分的に組み込まれる。図2a-2c中に概略的に示されるフェルト層30のいずれも、そのようなフェルト層スタック130を含むか又は実質的にそのようなフェルト層スタック130から構成されることができる。
【0097】
図4a-4bは、(第1及び第2)導電体10,20の少なくとも一部が導電性フェルト層600であるカーペット1の実施の形態を概略的に示す。
【0098】
導電性の生地は、一般に、かなりの間知られている。そのような生地は、例えば、生地を作るためのポリマー繊維の押出の前に、導電性粉末をポリマー溶融体に混合する又は混ぜ合わせることによって製造されている。そのような粉末は、例えば、カーボンブラック、銀粒子、又は銀若しくは金で被覆された粒子を含むことができる。電気を導通する帯電防止生地は、導電性線維(例えば、炭素繊維、炭素充填ナイロン若しくはポリエステル線維又はステンレススチールのような金属繊維)をそのような生地を作るために用いられる糸に組み込むことによって、あるいは生地に直接織り込む又は編み込むことによって、作られることもできる。ポリピロール又はポリアニリン(polyanaline)のような電気的又は磁気的導電性高分子材料が、導電性を提供するために布地に組み込まれることもできる。均一のコーティングを提供するように布地表面上へポリピロール又はポリアニリンのプレポリマー溶液を堆積させて、そしてポリマーの形成を完了するように処理することによって作られる導電性布地素材も開示されている。
【0099】
導電性フェルト層も従来技術において周知である。例えば、そのようなフェルトは、例えばニッケルのような導電性材料でコーティングされる糸によって作られるフェルトを含むことができる。他の可能性は、フェルトの表面を導電性コーティングで被覆することである。しかしながら、この最後の可能性は、一般に電気導伝率が低く、フェルトをさらに硬くして、空気及び水に対して目詰まりさせるので、あまり好ましくない。あるいは、通常の織編用糸及び細い金属線の混合が用いられることができる。
【0100】
図面は実質的に同じであり、図4bは斜視図であるがタフト12が描かれておらず、図4aは断面図であってタフトを示していることのみが異なる。さらに、図4a及び4bは、LEDの非排他的な選択的配置を示す。
【0101】
ここで、一例として、一次裏地層10及び二次裏地層は共にフェルト層30(すなわち第1フェルト層30'及び第2フェルト層30'')からなる。しかしながら、フェルト層30は導電性フェルト層であり、参照番号600によって示される。今回も、一次裏地層10に含まれる導電性フェルト層600を二次裏地層20に含まれる導電性フェルト層600から区別するために、導電性フェルト層600は、第1導電性フェルト層610及び第2導電性フェルト層620としてそれぞれ示される。なお、図4a及び4bは、共に導電性フェルト層600から成る裏地層100,200を示すが、上で述べたように、これらの裏地層100,200のうちの一方のみが、そのような導電性フェルト層600から成ることもできる。さらに、接着材層300の存在はオプションである。しかしながら、この実施の形態において、接着材層300は、第1導電性フェルト層610と第2導電性フェルト層620とが短絡することを防止するための絶縁体材料630としての機能をさらに持つことができる。
【0102】
明確性を理由として、LED40の電気接点が示され、これらの接点はそれぞれ参照番号43及び44を持つ。一方は第1導電体10(すなわちここでは第1導電性フェルト層610)と電気的に接触し、他方は第2導電体20(すなわちここでは第2導電性フェルト層620)と電気的に接触する。当業者にとって明らかなように、これらの接点43, 44は部分的に絶縁されることができる。
【0103】
図5a-5bは、(第1及び第2)フェルト30の少なくとも一部が導電性フェルト層スタックである、(第1又は第2)フェルト30の実施の形態を概略的に示す。導電性フェルト層スタックは、参照番号1130によって示される。そのような導電性フェルト層スタック1130はフェルト層スタック130であるが、導電特性を持つ。一例として、図5a中にLED40が示されるが、その位置はこの図面の目的のためには重要でないので、点線で示される。導電性フェルト層スタック1130は、本質的に少なくとも2つの導電性フェルト層600を有し、一方は第1導電性フェルトスタック層600(1)として示され、他方は、第2導電性フェルトスタック層600(2)として示される。したがって、導電性フェルト層スタック1130は、非導電性材料(すなわち絶縁体) 630によって互いから分離される第1導電性フェルトスタック層600(1)及び第2導電性フェルトスタック層600(2)を有する。今回も、これは、第1フェルト層30'及び第2フェルト層30''に関連することができる。
【0104】
図5aは、ここでは層である非導電性材料(すなわち絶縁体)630によって互いから分離される第1導電性フェルトスタック層600(1)及び第2導電性フェルトスタック層600(2)を有する導電性フェルト層スタック1130の実施の形態を概略的に示す。
【0105】
図5bは、参照番号630'によって示され、ここでは層である第1非導電性材料(すなわち絶縁体) 630、第1導電性フェルトスタック層600(1)、参照番号630''によって示され、ここでは層である第2非導電性材料(すなわち絶縁体) 630、及び第2導電性フェルトスタック層600(2)のスタックからなる導電性フェルト層スタック1130の実施の形態を概略的に示す。図5bにおいて、LED40は、絶縁体層630のうちの一方の凹部45中に配置される。
【0106】
一般に、第1導電性フェルトスタック層600(1)は第1導電体10として又は第2導電体20として用いられることができ、そして第2導電性フェルトスタック層600(2)は第2導電体20として又は第1導電体10として用いられることができる。しかしながら、実施の形態の組み合わせが可能であるので、他の構造が可能である。
【0107】
図5a-5bにおいて、明確性を理由として、LED40の電気接点43,44が示される。一方は第1導電体10(すなわちここでは第1導電性フェルトスタック層600(1))と電気的に接触し、他方は第2導電体20(すなわちここでは第2導電性フェルトスタック層600(2))と電気的に接触する。当業者にとって明らかであるように、これらの接点43,44は部分的に絶縁されることができる。
【0108】
図6は、一次裏地層100及び二次裏地層200が導電性フェルト層スタック1130からなるカーペットの実施の形態を概略的に示す。さらに、LED40の光学特性を制御するために配置されるコントローラ70が示される。
【0109】
今回も、一次裏地層100に含まれる導電性フェルト層スタック1130を二次裏地層200に含まれる導電性フェルト層スタック1130から区別するために、導電性フェルト層スタック1130は、それぞれ、第1導電性フェルト層スタック1130'及び第2導電性フェルト層スタック1130''として示される。なお、図6は、共に導電性フェルト層スタック1130から成る裏地層100,200を示すが、上で述べたように、これらの裏地層100,200のうちの一方のみがそのような導電性フェルト層スタック1130から成ることもできる。さらに、接着材層300の存在はオプションである。
【0110】
図7a-7cは、(第1及び第2)導電体の少なくとも一部が導電性フェルト片700である(第1又は第2)フェルト30の実施の形態を概略的に示す。図7a及び7bは、非導電性材料(すなわち絶縁体)630によって互いから分離される第1導電性フェルト片710及び第2導電性フェルト片720を含むそのようなフェルト30の実施の形態を概略的に示す。導電性フェルト片700は、図7aに概略的に示されるように、同じ面(例えばLED40と同じ面)中に存在することができるが、図7bに概略的に示されるように、異なる面に存在することもできる。今回も、これは、第1フェルト層30'及び第2フェルト層30''に関連することができる。
【0111】
一般に、第1導電性フェルト片710は第1導電体10として又は第2導電体20として用いられることができ、そして第2導電性フェルト片720は第2導電体20として又は第1導電体10として用いられることができる。しかしながら、実施の形態の組み合わせが可能であるので、他の構造が可能である。例えば、導電性フェルト700は、異なる層中に存在することもできる。(図示しないが)一例として、一次裏地層100は第1導電性フェルト片710又は第2導電性フェルト片720を含むことができ、そして二次裏地層200は第2導電性フェルト片720又は第1導電性フェルト片710を含むことができる。図7cは、考えられる実施の形態の平面図を概略的に示し、ここで、フェルト30はストリップ710, 720を含むことができるが、(実施の形態の組み合わせが可能であるので)第2導電体20として導電性ワイヤ(500)を含むこともできる。LED40の左のセットにおいて、LED40は直列に配置され、一方、右の2つのセットにおいて、LED40は並列に配置される。導電性フェルト片700は、例えば約0.5-20cm(例えば約1-5cm)の幅wを持つことができる。
【0112】
図8は、一次裏地層100及び二次裏地層200が導電性フェルト片710,720を含むカーペット1の実施の形態を概略的に示す。さらに、LED 40の光学特性を制御するために配置されたコントローラ70が示される。なお、図8は、共に導電性フェルト片710,720を含む裏地層100,200を示すが、上で述べたように、これらの裏地層100,200のうちの一方のみがそのような導電性フェルト片700を含むこともでき、あるいは、一方が第1導電性フェルト片710又は第2導電性フェルト片720を含むことができ、そして他方が第2導電性フェルト片720又は第1導電性フェルト片710を含むことができる。さらに、接着材層300の存在はオプションである。
【0113】
さらに、二次裏地層20に関して、実施の形態において、この二次裏地層20は、二次裏地層のための既存の製品(例えばActionBac(R)の名で知られるもの)に基づくことができる。これは、スリットフィルム及び紡いだオレフィン糸の絡み織りで作られる裏地である。それは、平方ヤードあたり2.1オンス(平方メートルあたり0.71グラム)の生地であり、絡み織り中にポリプロピレンたて糸テープ及びポリプロピレン多心よこ糸を備え、平均して1インチあたり(2.54cmあたり)16本のたて糸及び1インチあたり(2.54cmあたり)5本のよこ糸を伴う。そのような裏地層は、カーペットに良好な剥離強度と共に寸法安定性を与える。この裏地層はさらに、製造の間の確固たる硬化速度のために適した開放性を持つ。0.5インチの水と同じ圧力差によりASTM D-737に従って決定されるこの裏地の通気性は、約750 ft3/min/ft2 (229 m3/min/m2)を上回り、これは、堅調なバインダ硬化速度のために十分である。より多くのカウント(18x13)の絡み織り構造を持つ別の製品は、平均して約720 ft3/min/ft2 (219 m3/min/m2)を上回る通気性を持つ。これも、効率的な硬化速度のために適切である。好ましくは、カーペット100が剥離検査(例えばASTM D-3936に記述されている検査)を通過するように、二次裏地層20は、接着材層50に使用される材料との高い接着適合性を持つ。離層耐性を与える特性は、好ましくは、記述された基準カーペットに積層された裏地が、少なくとも2.5 pound/in(44.6kg/m)の剥離強度を持つ。しかしながら、好ましい値は、3-4 pound/in (53.6-71.4kg/m)より大きく、さらに好ましくは少なくとも5.5 pound/in(98.2kg/m)、より好ましくは少なくとも6 pound/in(107.1kg/m)である。
【0114】
剥離を防止するために、良好な結合が必要とされる。硬化の間にカーペットから気化するバインダ液体の通過を妨げないように十分な開放性を持つことによって、結合は改善されることができる。
【0115】
二次裏地の通気性は、0.5インチの水と同じ圧力差によって、ASTM規格D-737に従って決定されることができる(上記参照)。許容できる値は250 ft3/min/ft2であるが、より好ましい値は、350-800 ft3/min/ft2の範囲である。一例として、約70 ft3/min/ft2を下回る二次裏地は、高いバインダ硬化速度のためには不適当であるとみなされる。一例として、ActionBac(R)は非常に適切な二次裏地であり、750 ft3/min/ft2を上回る。
【0116】
図で分かるように、二次裏地の一部がLEDで覆われる場合がある。ベースの二次裏地が十分に高い通気性を持つ場合、これは許容できる。例えば、表面の50%が覆われる場合、通気性は、最悪の場合、通常の通気性の50%に低下する。したがって、許容できる通気性である250 ft3/min/ft2を達成するためには、500 ft3/min/ft2を超える通気性を有する二次裏地を用いなければならない。一例として、ActionBac(R)は、700 ft3/min/ft2を超える通気性を持ち、したがって本発明のために用いられることができる。
【0117】
任意の他の既存の二次裏地材料が、本発明において使用される二次裏地層20のためのベースとして用いられることができることが留意されるべきである。他の例は、ニードルフェルト裏地、ラバー裏地、PVC裏地、ポリウレタン裏地、ビニル裏地、クッション裏地、ナイロン裏地である。ニードルフェルト裏地中の線維は、結合のために縫われる。さらに、クッション又は詰物が二次裏地中に組み込まれることができる。二次裏地材料の他の例はビチュメン(bitumen)である。この材料は、例えばカーペットタイル又は自動車マット中のような、特別頑丈なカーペットが必要とされる場合に用いられる。いくつかの実施の形態において、ビチュメンは接着材として用いられることもできる。上で述べたように、好ましくは、そのような二次裏地層20が本発明によるタフテッドカーペット100中に含まれる。しかしながら、特に、二次裏地層は第2フェルト層30を含む。
【0118】
実施の形態において、第1フェルト層30'及び/又は第2フェルト層30''は熱伝導性であり、LED40から熱を伝えるように配置されることができる。通常は、高分子材料の熱伝導性は0.2W/mK以下であり、それは多くの場合、ハイパワーLEDが用いられることを可能にするにはあまりに低い。この実施例において、フェルト30中の線維は、例えばそれらを熱伝導性の材料で被覆することによって、又は熱伝導性の線維を用いることによって、改善された熱伝導性を持つことができる。
【0119】
一例として、35-40g/m2のニッケル被覆を伴う太さ1.5mmの線維を用いるフェルトは、推定で1.3W/mKの熱伝導性を持ち、これは、従来のフェルトと比べておよそ一桁の改善である(これは8.9g/cm3のNi密度を用いて計算され、22μm/1.5 mm=1.5%のNi濃度を与え、90.9W/mKのNi伝導性の1.5%の推定熱伝導性を与える)。導電性フェルト600は、それ自体は導電性を持つことができるが、さらに熱伝導性を持つこともでき、その場合、結果として生じる構造は熱及び電気の両方を伝えることができ、LEDとの組み合わせにおいて共に有用である。
【0120】
「実質的に全ての放射」又は「実質的に構成される」におけるような「実質的」との用語は、当業者によって理解される。「実質的に」との用語は、「全面的に」、「完全に」、「すべて」などによる実施の形態を含むこともできる。したがって、実施の形態において、この形容詞は、実質的に除去されることもできる。該当する場合、「実質的」との用語は、90%以上、例えば95%以上、特に99%以上、さらには99.5%以上に関連することもでき、100%を含む。「有する」との用語は、「有する」が「〜成る」を意味する実施の形態も含む。
【0121】
さらに、詳細な説明及び請求の範囲における「第1」「第2」「第3」などの用語は、同様の要素を区別するために用いられており、必ずしも逐次的又は時間的な順序を表すためではない。そのように用いられる用語は、適切な条件の下で相互に交換可能であり、本明細書に説明される本発明の実施の形態は、本明細書において説明又は図示される順序以外の順序で動作可能であることが理解されるべきである。
【0122】
本明細書において、装置はとりわけ動作中において説明される。当業者にとって明らかであるように、本発明は、動作方法又は動作中の装置に制限されない。上述の実施の形態は本発明を制限ではなく説明し、当業者は添付された請求の範囲の要旨を逸脱しない範囲で多くの他の実施例を設計することができることが留意されるべきである。請求の範囲において、括弧間に配置された任意の参照符号は、請求の範囲を制限するものとして解釈されてはならない。動詞「有する」「含む」「からなる」及びそれらの活用形の使用は、請求の範囲中で述べられるもの以外の要素又はステップの存在を除外しない。単数形で表される要素は、そのような要素が複数存在することを除外しない。いくつかの手段を列挙する装置の請求項において、これらの手段のいくつかは、ハードウェアの全く同一のアイテムによって実施されることができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項中に記載されているからといって、これらの手段の組み合わせが利用できないことを意味しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次裏地層、オプションの二次裏地層、
カーペット光を発生させるための複数のカーペット組込LED、
第1導電体及び第2導電体、
を有し、
一次裏地層が第1フェルト層を含むか、オプションの二次裏地層が第2フェルト層を含むか、又は一次裏地層及びオプションの二次裏地層が共にフェルト層を含み、
第1導電体及び第2導電体は、電源から前記LEDに電力を供給するように配置され、第1導電体及び第2導電体の一つ以上は、第1フェルト層及び第2フェルト層の一つ以上中に少なくとも部分的に組み込まれる、
光放射タフテッドカーペット。
【請求項2】
二次裏地層を有する請求項1に記載の光放射カーペット。
【請求項3】
一次裏地層の少なくとも一部と二次裏地層との間に配置される接着剤層をさらに有する、請求項1に記載の光放射カーペット。
【請求項4】
一次裏地層、オプションの二次裏地層及び請求項3に記載のオプションの接着剤層からなるグループから選択される層の層凹部中に、一つ以上のLEDが配置される、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光放射カーペット。
【請求項5】
第1フェルト層及び第2フェルト層の一つ以上がフェルト層スタックを含む、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光放射カーペット。
【請求項6】
第1導電体及び第2導電体の一つ以上の少なくとも一部が、第1フェルト層又は第2フェルト層中の一次裏地層上面に平行な面内に配置される、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光放射カーペット。
【請求項7】
第1導電体及び第2導電体の一つ以上が電気ワイヤからなる、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光放射カーペット。
【請求項8】
第1導電体及び第2導電体の一つ以上が導電性フェルトからなる、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光放射カーペット。
【請求項9】
二次裏地層を有し、第1フェルト層が第1導電体であり、第2フェルト層が第2導電体である、請求項8に記載の光放射カーペット。
【請求項10】
第1フェルト層及び第2フェルト層の一つ以上が、第1導電体としての第1導電性フェルトスタック層及び第2導電体としての第2導電性フェルトスタック層を有し、第1導電性フェルトスタック層と第2導電性フェルトスタック層との間に絶縁体が配置される導電性フェルト層スタックからなる、請求項8に記載の光放射カーペット。
【請求項11】
二次裏地層を有し、二次裏地層が前記導電性フェルト層スタックを含む、請求項10に記載の光放射カーペット。
【請求項12】
第1導電体及び第2導電体の一つ以上が、導電性フェルト片を含む、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の光放射カーペット。
【請求項13】
請求項3に記載の接着剤層を有し、当該接着剤層は、カーペット光に対して透過性であり、好ましくは、前記LEDは前記接着剤層及び二次裏地層の一つ以上に配置される、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の光放射カーペット。
【請求項14】
コントローラをさらに有し、当該コントローラは、複数のLEDからなる二つ以上のLEDサブセットの光学特性を個別に制御する、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の光放射カーペット。
【請求項15】
第1フェルト層及び第2フェルト層の一つ以上が熱伝導性である、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の光放射カーペット。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−504394(P2011−504394A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534576(P2010−534576)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【国際出願番号】PCT/IB2008/054803
【国際公開番号】WO2009/066224
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】