説明

光活性化薬物療法のための方法および装置

良性前立腺肥大症(BPH)を治療するための経尿道的装置内に位置付け可能な光伝達装置を有する前立腺治療システム。光伝達装置は、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)、または拡散石英ファイバ先端等の光発生器を含み、選択された波長もしくは波長帯で光を生成する光発生器もしくは発光ポリマー、または適切な光エネルギーの代替源に接続される。該治療システムは、さらに、治療部位で温度をモニタするための温度モニタリングシステムを含み得る。光活性化薬物は、光活性化の前に治療部位に投与される。光活性化薬物療法は、標的組織の細胞死を誘発する。該治療システムは、BPHまたは前立腺癌の治療のために低侵襲の経尿道的方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、概して、光活性剤と組み合わせて前立腺組織を治療するための前立腺治療システム、より具体的には良性前立腺肥大症(BPH)の治療で使用される光活性化薬物と組み合わせる経尿道的装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連分野の説明
良性前立腺肥大症(BPH)および前立腺癌は、高齢男性の集団によく見られる疾患である。BPHを有する人々にとって、前立腺肥大は、尿道を圧迫し、排尿困難をもたらす尿経路の閉塞を引き起こす可能性がある。前立腺肥大は、また、尿道結石、炎症、感染症、および場合によっては腎不全を引き起こし得る。
【0003】
BPHの主要な治療法は、前立腺切除または経尿道的前立腺切除等の外科治療を含む。これらの治療は、患者が入院することを必要とし、これは、患者にとって経済的負担になり得る。さらに、外科的処置は、出血、感染症、尿道閉塞もしくは尿道狭窄の後遺症、逆行性射精、および/または失禁もしくはインポテンス等の深刻な副作用を引き起こし得る。高齢すぎる患者または心血管系機能の弱い患者は、これらの治療法を受けるには適していない。
【0004】
光線力学的治療(PDT)法は、癌を治療する新しい方法である。PDTとしても知られている光活性化薬物療法では、特定の波長または波長帯の光を、光反応剤、光開始剤、または光感作薬の投与を通して感光性を与えられた標的細胞または複数の標的細胞に向ける。薬物は、一般に、静脈注射を介して、経口投与で、または治療部位への局所送達によって患者に投与される。特定の波長または波長帯を発する光源は、癌性腫瘍または肥大組織を殺すことのできる強力な酸化剤を生成するために、光感受性物質を活性化させることによって癌性腫瘍または肥大組織を照射するために使用され得る。外科の別の手段と比較して、光活性薬物療法は、低侵襲、低コストであり、合併症のリスクが低い。
【0005】
光活性薬物療法で使用される光伝達装置の1つの型は、ファイバの上に特別な光拡散先端を有する光ファイバ伝達系を用いてレーザ等の光源から標的細胞への光伝達を含む。光伝達装置のこの型は、さらに、光ファイバ円筒状拡散器、球状拡散器、マイクロレンズ系、オーバーザワイヤ型の円筒状に拡散するマルチ光ファイバカテーテル、および光を拡散する光ファイバガイドワイヤを含む。この光伝達装置は、概して、標的細胞への光伝達のために、光ファイバと連結した遠隔配置の高出力レーザまたは固体レーザダイオードアレイを使用する。
【0006】
光活性化薬物療法のために使用される光伝達装置の光源は、また、発光ダイオード(LED)または固体レーザダイオード(LD)であり得る。LEDまたはLDは、光伝達装置用に「光バー」を形成するために、細長の装置内に配列され得る。LEDまたはLDは、導電基板の上に他の種類の半導体チップを配置する際に使用される「フリップチップ」技術を利用して、ワイヤボンドされるかまたは電気的結合されるかのいずれかであり得る。LEDおよびLDの種々の配置および形態は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4に記述され、これらは、参照することによって本明細書に援用される。
【0007】
光バーの設計および生産の課題の1つは、大きさに関する。光バーの最大径は、人体構造によって規定され、および最小径は、十分なエネルギーレベルで所望の波長または波長帯の光を発する発光体の大きさによって規定される。その厚みとしての光バーの脆弱性が低下すると、患者の体内で破損するリスクが増大する。
【0008】
現在、他の治療よりも費用効率が高く、低侵襲であり、合併症のリスクが低い、尿道経由で前立腺を効果的に治療するための光活性化薬物療法の装置が必要とされている。従って、カテーテル様装置を介して導入される尿道路内の使用に安全である小型LEDまたはLDおよび他の光源が必要である。
【特許文献1】米国特許第5,445,608号明細書
【特許文献2】米国特許第6,958,498号明細書
【特許文献3】米国特許第6,784,460号明細書
【特許文献4】米国特許第6,445,011号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
要旨
本発明は、前立腺の経尿道的治療のための光活性化薬物療法用の装置、方法、およびシステムについて説明する。経尿道的治療装置の1つの実施形態は、尿道を通過するように構成される細長の支持部材と、光伝達装置と、該支持部材によって運ばれる位置決め要素とを含み得る。支持部材は、少なくとも1つのルーメンを有するカテーテルであり得、または他の実施形態では、支持部材は、ルーメンのない通常閉ざされた本体であり得る。光伝達装置は、支持部材に沿った光発生器および尿道内で治療部位に少なくとも近位に位置されるように構成される光発光領域を有し得る。光発生器は、光活性組成物の活性化波長帯の範囲で事前に選択された波長または波長帯で光を生成するように構成される。位置決め要素は、尿道内で治療部位の少なくとも近位に光発光領域を位置付けるように構成される。位置決め要素は、例えば、支持部材の上のバルーンまたは指標であり得る。
【0010】
別の実施形態では、経尿道的治療装置は、良性前立腺肥大症(BPH)の治療のための細長の支持部材内にまたは支持部材に沿って位置付け可能な光伝達装置を含む。光伝達装置は、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)を含む可能性があり、または光エネルギーの内部供給源に接続される拡散石英ファイバの先端を含み得る。経尿道的治療装置は、さらに、治療部位の温度をモニタリングするための温度モニタリングシステムおよび排尿システムを含む。
【0011】
本発明の別の実施形態により、経尿道的治療装置は、フォーリーカテーテルまたは従来のバルーンカテーテル等のカテーテル様装置内に位置付けられる光伝達装置を有する。1つの実施形態では、標準型または特注の光学的に透明なフォーリーカテーテルに適合する寸法に作られる光バーは、尿道経由で前立腺に配置されたカテーテルに挿入される。経尿道的治療装置は、前立腺処置にとって簡便なように、従って非外科的環境で治療を容易にし、費用および内科的合併症の潜在的削減につながるように、無菌フォーリーカテーテル内で使用され得る、またはカテーテルおよび/または適量の光活性剤と共に事前にパッケージされた無菌パックキットで送達され得る。
【0012】
更なる実施形態では、経尿道的治療装置は、約0.8mm〜約10mm(例えば2.5mm)の外径を有し得る。光源は、約0.5mm〜約1.5mmの断面寸法を有すが、他の実施形態では、それよりも大きいこともあり得る。LEDの大きさは、例えば、約0.25mm〜1mmであり得る。他の実施形態では、経尿道的治療装置、光源、およびLEDは、他の断面寸法を有し得る。光バーは、体内への効率的な光カップリングを確実にするために、適切な屈折率を有する柔軟なポリマー材で作られたカプセル材をさらに含む。カプセル材は、また、光を標的組織に向けて、他の組織を保護するために、不透明なまたは反射性の材料で作られることも可能である。
【0013】
更なる実施形態では、レーザダイオード(LD)等の非LED光源が、使用可能である。発生される光は、光ファイバを経由して治療部位に送られることが可能である。光伝達システムは、さらに、光源に接続される拡散石英ファイバを含み得る。
【0014】
更なる実施形態では、経尿道的治療装置の光発光領域は、細長の支持部材内の適当な位置に固定される。さらに別の実施形態では、光伝達装置の光発光領域は、細長の支持部材の内部または支持部位にそって移動可能である。例えば、治療終了後に、光伝達装置は、取り外され、細長の支持部位が尿排出として作用するように適当な位置に留置され得る。経尿道的治療装置は、さらに、カテーテル内の光バーの配置を補助するために、カテーテルの上に印刷された標識または指標を含み得る。
【0015】
更なる実施形態では、カテーテルは、光が前立腺組織に伝わる場所を制御するための選択的コーティングを有し、従って光活性化薬物療法を方向付け、かつ隣接した組織を治療してしまう可能性を低減させる。
【0016】
また、更なる実施形態に従って、漏出制御弁を有するY型連結が含まれ、光伝達装置が、蓄尿ルーメンから別のルーメンを通って細長の支持部材に挿入されることが可能となる。細長の支持部材は、光伝送源に操作と配置を提供するために、必要に応じて1つまたは複数のルーメンを含み得る。さらに実施形態では、細長の支持部材は、非切開型の方法を用いて前立腺の近位での光伝達装置の位置決めにさらに役立つように、バルーンを含み得る。さらに実施形態では、カテーテルは、膀胱内での固定および留置のためにバルーン、アンブレラ、タイン、ディスク、または他の手段等の収縮可能な固定装置を含み得る。
【0017】
更なる実施例では、光バーを超音波で可視化させるために、細長の支持部材および光バーは、高周波音波を反射させるエコー源性の物質を含むことが可能であり、従って超音波技術による画像形成が可能である。エコー源性の物質は、操作中の細長の支持部材および光バーの適切な配置に役立つ。さらに実施形態では、光伝達装置は、また、治療部位で温度をモニタするために、温度モニタに電気的に接続される温度センサを含む。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態は、前立腺疾患の効率的で低費用、低侵襲の治療を提供すると期待される。経尿道的治療装置は、前立腺癌、前立腺炎、膀胱炎、膀胱癌、膀胱三角部肥大症、および尿道括約筋肥厚を治療するために使用され得る。本発明は、尿道経由でBPHまたは前立腺癌を低侵襲で治療するために、光活性化薬物療法を利用する。その結果、BPHまたは前立腺癌の患者は、入院することなく、全身麻酔および輸血を受けることなく、従って合併症の低リスクを有して、本発明を用いて治療され得る。
【0019】
記述した実施形態の多くでは、光感受性物質は、光伝達装置を活性化する前に、静脈内投与される。光は、前立腺組織内で細胞死を促進させるために光感受性物質を活性化する。光伝達装置は、BPH、前立腺癌、または他の前立腺の疾患を治療するための低侵襲の経尿道的方法を提供する。この種類の光活性化薬物療法は、例えば、前立腺組織内で細胞死を引き起こすことにより前立腺組織を治療する。そのような細胞死および患者身体による組織の吸収は、尿が膀胱から尿道外に流出する開口部を作成する。
【0020】
本発明は、また、ヒトまたは非ヒト患者の標的組織を治療するために光活性化薬物療法を投与する方法を提供する。1つの実施形態では、この方法は、前立腺内の治療される組織の位置を同定すること;標的組織部位の少なくとも近位に光発光領域を位置付けるために細長の支持部材を尿道路に挿入すること;標的組織に有効量の光活性組成物を投与することを含む。方法は、治療の前に光源の配置を確認することを含み得る。方法は、さらに、治療の所定期間の間、光活性化薬物療法を用いて標的組織を治療することを含む。
【0021】
一部の実施形態では、光活性化薬物は、モノ−L−アスパルチルクロリンe(本明細書ではタラポルフィンナトリウムとも呼ぶ)である。この化合物の吸収スペクトルは、いくつかの吸収帯を有する:400〜420nm(例えば、約411nmのピーク)、500〜520nm(例えば、約507nmのピーク)、および655〜670nm(例えば、約664nmのピーク)。薬物は、これらの帯のいずれでも励起され得る。当技術分野で周知のように、適切な励起波長の別の光活性化薬物も、使用され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
詳細な説明
以下の説明では、本発明の種々の実施形態の完全な理解を提供するためにいくつかの特定の詳細が、記述される。しかしながら、当業者は、本発明がこれらの特定の詳細の1つまたは複数がなくとも実行されることが可能であり、または他の方法、成分、物質等を用いて実行され得ることを認識する。別の例では、本発明の実施形態の説明を不必要に分りにくくするのを回避するために、光源、カテーテルおよび/または治療装置に関連する周知の構造体は、詳細には示されていない、または記述されていない。
【0023】
通常、前立腺治療システムは、良性前立腺肥大症(BPH)および他の前立腺疾患の治療のために細長の支持部材の内部または支持部材に沿って位置付けられる光伝達装置を有する経尿道的治療装置を含み得る。1つの実施形態では、経尿道的治療装置は、細長の支持部材の表面に配置される光伝達装置を含み、あるいは他の実施形態では、光伝達装置は、細長の支持部材のルーメン内にある。光発生器は、光ファイバまたは光ガイドを経由して光発光領域に光学的に接続され得る。あるいは、光発生器および光発光領域は、治療部位の少なくとも近位で細長の支持部材の遠位端に共に位置付けられ得る。従って、光発生器は、レーザ、LED、選択された波長もしくは波長帯で光を発生する薄い樹脂製シート材、または治療部位に伝送され得るまたは留置され得る他の適切な光源を含み得る。本発明のさらなる実施形態によれば、経尿道的治療装置は、また、温度モニタに電気的に接続される温度センサを含む。
【0024】
A.良性前立腺肥大症(BPH)を治療するための治療装置
図1は、電源1を含む前立腺治療システム20ならびに細長の支持部材2と、支持部材2に沿って、もしくは支持部材の内部に位置付けられる光伝達装置6とを有する経尿道的治療装置21を図示する。経尿道的治療装置20は、さらに、バルーン3または細長の支持部材2によって運ばれる位置決め要素の他の種類を含み得る。支持部材2は、ルーメン4を有するカテーテルであり得、または支持部材2は、ルーメン4がない閉ざされた本体であり得る。実施形態によれば、支持部材2は、400〜450mmの全長を有し、3.327mmの外径を有す。支持部材2の遠位端のバルーン3は、10〜30mlの容積を有し、前立腺等の治療部位の近位に光伝達装置6を位置付け、固定するために使用される。
【0025】
光伝達装置6は、光発生器6aと光発光領域6bを有する。図1に示す実施形態では、光発生器6aと光発光領域6bは、細長の支持部材とほぼ同じ位置にあるが、以下に示す他の実施形態では、光発生器6aは、光発光領域6bと一致しないこともあり得る。以下に示すように、光発生器6aは、支持部材2の近位端に向かって配置され得る。支持部材2が、ルーメン4を有するカテーテルであるとき、光伝達装置6は、治療部位に対して位置付けられるルーメン内で移動することが可能である。他の実施形態では、光伝達装置6は、バルーン3または他の種類の位置決め要素の下方にカテーテル2の表面上に配置され得る。光発生器への電力は、電源1に接続されたリードワイヤ7を介して光伝達装置6に伝送され得る。本発明のある実施形態によれば、光は、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード、発光ポリマー、または光エネルギーの別の内部供給源に光学的に接続される石英ファイバによって発光され得る。
【0026】
図2に図示するように、支持部材2は、その中に複数のルーメンを含み得る。例えば、バルーン3は、ルーメン4を介して流入口5に接続される。気体または液体は、バルーン3を膨張させるために、ルーメン4を通って注入口5にポンピングされ得る。図1と図2を一緒に参照すると、経尿道的治療装置21は、尿ルーメン12を介して畜尿バッグ13に接続される支持部材2の遠位端に位置付けられる尿開口部11を場合により有し得る。尿開口部11は、治療の間、患者の尿を収集するために使用され得る。
【0027】
経尿道的治療装置21は、また、少なくとも1つの温度センサ8および温度モニタ10を有する温度測定システムを場合により含み得る。温度センサ8は、当技術分野で周知のように、熱電対または他のセンサであり得る。温度センサ8は、支持部材2の表面上に配置されるかまたは該表面に熱的に連結され、かつ支持部材2の内部に配置されたワイヤ9を介して温度モニタ10と電気的に接続される。温度センサ8は、治療部位(例えば、治療の間前立腺の近位に)で温度を測定する。治療部位の温度が、万一所定の値を超えた場合に、経尿道的治療装置のスイッチを自動的に切るように、制御ループ(図示せず)が、さらに温度モニタ10に接続され得る。あるいは、温度モニタ10は、視覚的表示器または聴覚的表示器等の警告装置(図示せず)をさらに含むことが可能であり、治療の間、所定の温度に達した場合、または所定の温度を超えた場合、術者に警告を与える。
【0028】
図3に図示するように、治療装置は経尿道的に位置付けられ、前立腺に接近し、続いて静脈内注入もしくは経口的注入によって光活性薬物を投与することが可能となる。経尿道的治療装置21、より具体的には支持部材2の一部は、表面麻酔下で尿道に向けられ得る。一旦支持部材が位置付けられると、バルーン3を膨張させるために、4〜10mlの生理食塩水もしくは空気が空気ポンピングチャネル4を介してバルーン3に注ぎ込まれる。バルーン3が膨張した後、バルーン3が尿道の内部開口部に固定され得るように、支持部材2は、わずかに近位に引き寄せられ得る。結果的に、光伝達装置6は、前立腺の少なくとも近位に、または前立腺内に位置付けられ得る。光活性薬物は、次いで、患者に投与されることが可能であり、光発生器6bが、活性化され得る。
【0029】
支持部材2は、電源コントローラに対して近位部と遠位部を有する。支持部材2の遠位部は、光伝達装置6を含む。1つの実施形態では、光伝達装置は、図1に示すように複数のリードワイヤ7を介して電源と電気通信する複数のLEDを含む。リードワイヤは、支持部材の寸法内に収容され得る任意の適切な伝導体(例えば、LEDをコントローラに電子的に接続する母線、柔軟なワイヤ、導電性皮膜、または基板に塗布されたインク等)から選択され得る。さらに、あるいは、標的細胞に送られる光の波長をよりよく制御するために、光伝達装置は、ブラッグ反射器を含み得る。
【0030】
電源コントローラ1は、光伝達装置のLEDをパルスシーケンスまたは連続的シーケンスで活性化および非活性化させるようにプログラムされ得る。例えば、LEDは、互いに単独でスイッチオン、オフにでき得る光アレイの2つの部分を形成し得る。あるいは、該システムは、光バーの長さに沿って様々な個別でまたはグループで選択されたLEDを選択的に活性化および非活性化(例えば、アドレス指定する)させるようにプログラムされ得る。このようして、例えば、選択した時間の間、特定のシーケンスでまたは特定の出力レベルでLEDを点灯させる治療プロトコールが、コントローラにプログラムされ得る。従って、光のパルスおよび/または位置を選択的に調節することによって、該システムは、選択されるプログラムによって光を伝達する。あるいは、LEDは、直流によって連続的に作動され得る。アドレス可能な光伝送アレイの例は、米国特許第6,096,066号に開示され、それは、その全体を参照することによって本明細書に援用される。遮蔽または末端保護を含む典型的な光伝送アレイは、米国特許出願第10/799,357号および第10/888,572号に開示され、それらはそれら全体を参照することによって本明細書に援用される。
【0031】
光がオフのとき治療された組織は周期中に再酸素化することができることを考えれば、いかなる理論にも制約されることなく、光をパルスで伝達することにより、光活性化薬物療法の有効性は改善されると出願者は信じる。治療の間、組織の酸素化が低周波数を用いることにより改善されると、出願者は、さらに信じる。1つの実施形態では、使用周波数は、50Hz〜5KHzであり、ある実施形態では、50〜70Hzである。
【0032】
本発明のさらなる実施形態によれば、経尿道的治療装置は、治療部位で温度をモニタするための温度モニタリングシステムをさらに含み得る。
【0033】
1つの実施形態では、支持部材2は、フォーリーカテーテルであり、光伝達装置6は、フォーリーカテーテル内に配置される。あるいは、経尿道的治療装置は、従来のバルーンカテーテル内に配置される光伝達装置を有する。フォーリーカテーテルは、いくつかの亜型が利用可能である。例えば、クーデカテーテルは、先端で45°の屈曲を有し、肥大した前立腺を容易に通過することが可能である。カウンシルチップカテーテルは、その先端にカテーテルがワイヤの上を通ることを可能にする小さい孔を有する。三方カテーテルは、膀胱、前立腺癌、または前立腺の手術後に主として使用され、洗浄薬が膀胱への別の細いチャネルを通ってカテーテルの先端に移動することを可能にする。これは、収集装置に排出させる第1のアームを通って血液および小さい凝血塊を洗い流す働きをする。
【0034】
図4は、経尿道的治療装置21のさらに別の実施形態の断面図である。この実施形態では、光伝達装置は、患者の体内または体外(図に示す)のいずれかにある位置で支持部材2に沿って光発生器6aを含む。光伝達装置は、さらに、治療部位の少なくとも近位に位置付けられる光発光領域6bと、光発生器6aおよび光発光領域6bの間に光伝送領域6c(例えば光ファイバ)とを含み得る。図4では、支持部材2は、光伝達装置6が位置決めのためにその中を移動されることが可能なカテーテルであり得、または支持部材は、光伝達装置6が取り付けられる(例えば、配置位置に固定される)閉ざされた本体であり得る。
【0035】
図5〜7は、経尿道的治療装置の部分の更なる実施形態を示す断面図である。図5は、より具体的には、閉ざされた本体の支持部材2および該支持部材2に取り付けられた光伝達装置を有する装置を示す。光伝達装置は、光発生器6aと、支持部材2に沿って光発生器6aから離れて遠位に配置される光発光領域と、光発生器6aおよび光発光領域6bの間の光伝送領域6cとを有する。光伝送領域6cは、光発生器6aから光発光領域6bに光を伝導する。図6は、固体の、さもなければルーメンのない支持部材2と、支持部材2に沿って縦方向に同じ位置に光発生器6aおよび光発光領域6bを有する光伝達装置6とを有する装置を図示する。図5および6では、光発生器は支持部材2の内部にある。図7は、光伝達装置が支持部材の表面上にあるさらに別の実施形態を示す。より具体的には、光伝達装置6は、支持部材の外表面上に配置された光発生器6aと光発光領域6bとを有する。
【0036】
1つの実施形態では、標準型または特注の光学的に透明なフォーリーカテーテルに適合する寸法に作られる光伝達装置は、尿道を介して前立腺に留置されるカテーテルに挿入される。光伝達装置は、無菌フォーリーカテーテル内で使用され得る、または前立腺処置にとって簡便なようにカテーテルおよび/または適量の光活性剤と共に事前にパッケージされた無菌パックキットで送達され得る。
【0037】
光バーまたは光アレイは、カテーテル組立体内に含まれる、さもなければ閉ざされた細長の支持部材に取り付けられる複数のLEDを含み得る。支持部材2は、約0.8〜約10mmの外径を有する。LEDアレイの例は、米国特許出願第11/416,783号(発明の名称「Light Transmission system for Photo−reactive Therapy」)および米国特許出願第11/323,319号(発明の名称「Medical Apparatus Employing Flexible Light Structures and Methods for Manufacturing Same」)に開示され、それらは、それら全体を参照することによって本明細書に援用される。
【0038】
さらに実施形態は、定電流DC、AC、方形波、およびパルス波駆動信号を生成できる電源コントローラ駆動回路を有する。これは、定電流源とプログラマブル電流ステアリングネットワークを組み合わせ、電源コントローラが駆動波形を選択的に変更することが可能になることによって達成される。例えば、該ステアリングネットワークは、上述の種々の機能(例えば、バッテリを完全に放電するために所望のインピーダンスを生成する)を達成するために調節され得る。さらに、AC駆動の使用は、LEDへの2本結線を可能にし、それによってカテーテルの断面直径を縮小させながら、組み合わせたときに、光源の円筒状発光パターンを生成する2つの連続発光源の使用を依然として可能にする。
【0039】
従って、上述したように、経尿道的治療装置21は、光活性化薬物療法のための一体の単回使用ディスポーザブルシステムを含み得る。いくつかの実施形態では、単一の組み込まれたユニットを形成するために、カテーテルは電源コントラーラに融合されることに注目しなければならない。この実施形態では、支持部材を切り離そうとするいかなる試みも、カテーテルもしくはモジュールのいずれかに対して、または両方に対して損傷をもたらす。
【0040】
前立腺治療システムは、当技術分野で周知の数多くの光活性化薬物から任意のものと関連して使用されることが可能である。そのうちの一部は、米国特許第7,015,240号に記載されおり、開示される光活性組成物に関して、それらを参照することによって本明細書に完全に援用される。1つの特定の実施形態では、光活性化薬物は、タラポルフィンナトリウムである。タラポルフィンナトリウムは、664nmで最大のピークを示す吸収スペクトルを有する、化学的に合成された光感受性物質である。1つの実施形態では、タラポルフィンナトリウムは、再構成用の凍結乾燥粉末として提供される。25mg/ml濃度の溶液を生じさせるために、100ミリグラムのタラポルフィンナトリウムは、4ミリリットルの0.9%の無菌生理食塩液で再構成される。
【0041】
この薬物は、光で活性化されるはずであり、光エネルギーは、本明細書では光伝送アレイの長さ1センチメートルあたりのジュール(J)で測定される。同様に、光のフルエンスは、発光アレイの長さ1センチメートルあたりのミリワット(mW)で測定される。明らかに、伝達されるエネルギーの量は、いくつかの要素に依存し、それらの要素は、とりわけ使用される光活性剤、投与される用量、治療される組織の型、治療される組織への光アレイの近接性である。伝達されるエネルギー(E)は、フルエンス(F)およびフルエンスが伝達される時間(T)の生成物である:E=F×T。フルエンスは、治療時間のほんの少しの時間に伝達され得る。なぜならば、光アレイは、例えば、60KHz等の周波数でパルスされることが可能であり、またはタイミングパターンによって制御され得るからである。タイミングパターンの例は、光アレイが20秒間完全にフルエンスであり、次いで10秒間オフになる反復周期である。もちろん、特定の処置で有用と考えられる任意のパターンおよび周期が使用され得る。制御モジュールは、そのような分割光伝達のための実施形態で、さらにプログラム可能となり得る。
【0042】
実施形態によれば、タラポルフィンナトリウムの投与から15分〜1時間後、光アレイの約50〜約1000J/cmの範囲の光エネルギー、光アレイの約5〜50mW/cmの範囲のフルエンスが治療部位に伝達される。予想され得るように、エネルギー時間とフルエンスに関する上述の式は、伝達されるフルエンスとエネルギーの選択に関与する。例えば、患者によって、特定の時間が適していると選択され得る。さらに、治療の種類によって所要のエネルギーが決定され得る。従って、フルエンスFは、次いでF=E/Tによって決定される。光アレイは、割り当てられる時間内にそのフルエンスを供給できなければならない。例えば、光アレイの計200J/cmが、光アレイの20mW/cmで治療部位に伝達されなければならない場合には、治療時間は約2.8時間である。
【0043】
さらに実施形態では、支持部材は、さらに、光が前立腺組織に伝わる場所を制御するための選択的コーティングを有し、従って光活性化薬物療法を方向付け、かつ隣接した組織を治療する可能性を低減させる。
【0044】
別の実施形態では、光伝達装置は、カテーテル内の適所に固定される。さらに別の実施形態では、光伝達装置は、カテーテル内で移動可能である。この実施形態によれば、経尿道的治療装置は、さらに、カテーテル内の光バーの配置を補助するために、カテーテルの上に印刷された標識または指標を含み得る。光伝達装置は、また、結腸または直腸を保護するために非対称光伝達を有する。例えば、光伝達装置は、光バーの片面が他面よりもより高い輝度で光を発するように、二面を持ち得るおよび/またはシールドされ得る。典型的な光伝達装置は、米国特許第5,876,427号に開示され、それは、その全体を参照することによって本明細書に援用される。
【0045】
さらに実施形態では、漏出制御弁を有するY型連結が含まれ、光伝送源が蓄尿ルーメンから別のルーメンを通ってカテーテルに挿入されることが可能となる。カテーテルは、光伝送源に操作と配置を具備するために、必要に応じて1つまたは複数のルーメンを含み得る。
【0046】
さらに実施形態では、カテーテルは、非切開型の方法を用いて前立腺の近位での光伝送源の位置決めにさらに役立つように、バルーンまたは他の位置に関する要素を含み得る。さらに実施形態では、カテーテルは、膀胱内での固定および留置のためにバルーン、アンブレラ、タイン、ディスク、または他の手段等の収縮可能な固定装置を含み得る。
【0047】
さらに実施形態では、光バーを超音波で可視化させるために、光源カテーテルおよび/または光バーは、高周波音波を反射させるエコー源性の物質を含むことが可能であり、従って超音波技術による画像形成が可能である。操作では、エコー源性の物質は、カテーテルおよび光源の適切な配置に役立つ。
【0048】
さらに実施形態では、光伝達装置は、また、温度モニタに電気的に接続される温度センサを含む。
【0049】
前立腺治療システムのいくつかの実施形態は、前立腺疾患の高効率、低費用、かつ低侵襲の治療を提供すると期待される。経尿道的治療装置は、前立腺癌、前立腺炎、膀胱炎、膀胱癌、膀胱三角部肥大症、および尿道括約筋肥厚を治療するために使用され得る。本発明は、尿道経由でBPHまたは前立腺癌を低侵襲で治療するために、光活性化薬物療法を利用する。その結果、BPHまたは前立腺癌の患者は、入院することなく、全身麻酔および輸血を受けることなく、従って合併症の低リスクを有して、本発明を用いて治療され得る。
【0050】
B.治療装置を用いてBPHを治療する方法
本発明は、また、ヒトまたは非ヒト患者の標的組織を治療するために光活性化療法を投与する方法を提供する。1つの実施形態では、この方法は、前立腺内の治療される組織の位置を同定すること;カテーテルを尿道路に挿入すること;標的組織の位置の少なくとも近位に光伝達装置を挿入すること;有効量の光活性組成物を投与することを含む。この方法は、治療の前に光源の配置を確認することを含み得る。方法は、さらに、治療の所定期間の間、光伝達装置を活性化させることによって標的組織を治療することを含む。一部の実施形態では、光活性化薬物は、モノ−L−アスパルチルクロリンeであり、本明細書ではタラポルフィンナトリウムとも呼ぶ。組成物およびタラポルフィンナトリウムを調製する方法は、同時係属の米国特許出願第 号(発明の名称「Compositions and Methods of Making a Photoactive Agent」、出願日2006年6月30日)に開示、教示され、その全体を本明細書に援用される。この化合物は、光反応性の療法で使用されるとき、好まれる波長である664nmの励起波長を有するものを含むいくつかのピークを示す吸収スペクトルを有する。当技術分野では周知のように、適切な励起波長の別の光活性化薬物も、使用され得る。
【0051】
この方法は、さらに、治療部位での温度のモニタリングを含む。温度測定システムは、治療部位で温度をモニタするための温度センサを含む。温度センサは、治療部位の温度情報を提供するために熱電対または任意の適切な装置であり得る。温度センサは、支持部材の表面上に配置されることが可能であり、さらに、ワイヤを介して温度モニタと電気的に接続される。あるいは、温度センサは、温度モニタにワイヤレスで接続され得る。温度センサは、治療部位での治療の間、安全な作動温度を確保するために、治療の間、治療部位の近位の温度を提供する。
【0052】
要約に述べられることを含み、例証した実施形態の上記説明は、包括的であること、または開示されるその通りの形態に本発明を限定することを目的としていない。特定の実施形態および実施例は、本明細書では例示を目的として記述されているが、関連技術分野で当業者によって認識されるように、種々の対応する改変は、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなくなされ得る。本明細書に提供される本発明の教示は、光源、カテーテル、および/または治療装置に適用され得るが、必ずしも概ね上述された典型的な光源、カテーテル、および/または治療装置ではない。
【0053】
文脈が必要としない限り、明細書および添付する特許請求の範囲全般にわたり、語「(複数形の)含む」およびその変形(例えば「(単数形の)含む」および「含むこと」等)は、確定していない総括的な意味(すなわち、「含むがこれに限定されるものではない」として)で解釈されるものとする。
【0054】
この明細書全般にわたり「1つの実施形態」または「ある実施形態」の参照は、実施形態に関連して記述される特定の特長、構造、または特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全般にわたり各所に見られる語句「1つの実施形態では」または「ある実施形態では」は、必ずしもすべて同一の実施形を呼ぶとは限らない。さらに、特定の特長、構造、または特徴は、任意の適切な方法で、1つまたは複数の実施形態で組み合わせられ得る。本明細書で提示した見出しは、便宜上だけのものであり、請求される発明の範囲または意味を説明しない。
【0055】
上述の種々の実施形態は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせられ得る。本明細書に引用されるおよび/または出願データシートに記述される米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許公報のすべては、その全体を参照することによって本明細書に援用される。必要に応じて、本発明の実施形態は、本発明のさらなる実施形態を提供するために、種々の特許、応用、および刊行物のシステム、回路、および概念を用いるよう改変され得る。
【0056】
これらおよび他の変更は、上記の詳細な説明を踏まえて本発明になされ得る。一般に、添付の特許請求の範囲では、使用される用語は、明細書および特許請求の範囲に開示される特定の実施形態に本発明を限定するよう解釈されてはならなく、特許請求の範囲によって操作されるカテーテル、光伝送源、および治療装置すべてを含むと解釈されるべきである。従って、本発明は、開示によって限定されないが、代わりにその範囲は、添付の特許請求の範囲によって完全に決定されるものとする。
【0057】
上述の内容から、当然のことながら、本発明の特定の実施形態は、例示の目的で本明細書に記述されているが、種々の改変は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得る。従って、本発明は添付する特許請求の範囲によることを除いて、限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
以下の図面は、本発明を理解する補助として本発明の実施例を提示することを目的とし、本明細書に記述し請求したように、本発明の範囲を限定するものではない。図面では、同一の参照番号は、類似の要素または行為を特定する。図面中の要素の大きさおよび相対的な位置は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。例えば、種々の要素の形状および角度は、一定の縮尺で描かれてなく、これらの要素の一部は、図面の視認性を向上させるために、適宜に拡大され、位置付けられている。さらに、描かれたように要素の特定の形状は、特定の要素の実際の形状に関していかなる情報を伝えることを目的としていなく、単に図面を容易に認識できるように選択されている。
【図1】図1は、本発明の1つの実施形態による経尿道的治療装置を有する前立腺治療システムの側面図である。
【図2】図2は、経尿道的治療装置内のルーメンの1つの実施形態を図示する、図1の2−2線に沿った断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態による患者の尿道路内に位置付けられる経尿道的治療装置の側面図である。
【図4】図4は、本発明の別の実施形態による経尿道的治療装置の断面図である。
【図5】図5は、本発明のさらに別の実施形態による経尿道的治療装置の断面図である。
【図6】図6は、本発明のさらに別の実施形態による経尿道的治療装置の断面図である。
【図7】図7は、本発明の別の実施形態による経尿道的治療装置の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前立腺疾患の治療のための経尿道的光活性化薬物療法装置であって、
近位端と遠位端を有する細長の支持部材で、尿道を通過するように構成される前記細長の支持部材と、
前記支持部材に沿った光発生器と治療部位の少なくとも近位で尿道内に位置付けられるように構成される光発光領域とを有し、前記光発生器が光活性組成物の活性化波長帯の範囲で事前に選択された波長または波長帯で光を発生するように構成される光伝達装置と、
尿道内に前記細長の支持部材を配置するように構成され、前記細長の支持部材によって運ばれる位置決め要素と、
を含む、前立腺疾患の治療のための経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項2】
前記光発生器が、発光ダイオード(LED)、固体レーザダイオード(LD)、発光ポリマー、レーザ、発光トランジスタ、またはその内部を光が伝導され得る別の光源伝送ファイバのうちの少なくとも1つまたは複数を含む、請求項1に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項3】
前記光発光器が、約0.25mm〜約1mmの大きさを有するLEDのアレイを含む、請求項1に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項4】
前記光発生器が、約1mm〜約5mmの大きさを有するLEDのアレイを含む、請求項1に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項5】
前記LEDのアレイが、アレイの長さ1センチメートルあたり約5mW〜約50mWを供給するよう構成される、請求項3または請求項4に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項6】
周波数によってまたは時限パターンによって前記アレイにパルスするよう構成される電源コントローラをさらに含む、請求項3または請求項4に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項7】
前記LEDのアレイが、約50Hz〜約5KHzの範囲の使用周波数を有する、請求項3もしくは請求項4に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項8】
前記光発生器が、前記支持部材に沿って光を生成するように構成されるレーザと、前記光発光領域に光を伝送するように構成される光チャネルとを含む、請求項1に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項9】
前記光伝達装置が、さらに拡散石英ファイバ先端を含む、請求項7に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項10】
温度センサに電気的に接続される温度モニタをさらに含む、請求項1に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項11】
前記温度モニタが、温度が事前に選択された値より上昇したときに作動する視覚的表示器、聴覚的表示器および/または自動切断を備える、請求項9に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項12】
前記支持部材が、その内部に前記光伝達装置が位置付けられることが可能である第1のルーメンと、患者の体内の部位と前記患者の体外の部位との間で液体を伝送するのに適している第2のルーメンとを有するカテーテルを含む、請求項1に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項13】
前記光伝達装置についての位置情報を提供するために所定の部位で前記光伝達装置の上にまたは固定関係でエコー源性の物質をさらに含む、請求項1に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項14】
前記温度センサが、制御ループに電気的に接続される熱電対であり、前記温度センサが、治療の間治療部位で温度を測定する、請求項1に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項15】
前記光伝達装置が、前記支持部材に固定されている、請求項1に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項16】
前立腺疾患の治療のための経尿道的光活性化薬物療法装置であって、
近位端、遠位端、および第1のルーメンを有し、前記遠位端が患者の尿道に挿入される寸法に作られる経尿道的カテーテルと、
前記カテーテルの前記遠位端にあって、収縮した形態で患者の膀胱に挿入される寸法であるバルーンと、
前記カテーテルの前記遠位端にあって、前記第1のルーメンに対して開いた流出開口部と、
前記カテーテルによって運ばれる前記発光ダイオード(LED)または固体レーザダイオード(LD)のアレイであって、前記LEDまたはLDの光源のアレイが、光活性組成物の活性化波長帯の範囲で事前に選択した波長または波長帯で光を生成する、LEDまたはLDのアレイと、
を含む、経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項17】
前記温度センサに電気的に接続されるモニタリング装置をさらに含む、請求項16に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項18】
前記モニタリング装置が、さらに出力装置を備え、前記出力装置が、前記治療部位の温度に対する視覚的表示器、聴覚的表示器、または他の温度表示器を提供する、請求項16に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項19】
前記カテーテルが、前記遠位端から光を発する場所を制御するための選択的コーティングを有する、請求項16に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項20】
LEDまたはLDの前記アレイを内部に含み、かつ前記アレイが前記カテーテルの内部を軸方向に移動できる第2のルーメンをさらに含む、請求項16に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項21】
LEDまたはLDの前記アレイが、治療の間、前記カテーテルの内部の選択された部位に固定される、請求項16に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項22】
治療の間、尿道路に前記カテーテルを解放可能なように保持するための固定装置をさらに含む、請求項16に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項23】
前記固定装置が、バルーン、アンブレラ、タイン、および/またはディスクである、請求項22に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項24】
前記固定装置が収縮可能である、請求項22に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項25】
前記カテーテルの前記遠位端の上もしくは前記光源の上または両方にエコー源性の標識をさらに含む、請求項16に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項26】
前記カテーテルの前記近位端の上に位置決めの指標をさらに含む、請求項16に記載の経尿道的光活性化薬物療法装置。
【請求項27】
良性前立腺肥大症の光活性化薬物療法の方法であって、
経尿道的治療装置の光発光領域が、治療部位の少なくとも近位になるように、尿道内で経尿道的治療装置の支持部材を位置付けることと、
前記治療部位に光反応剤を供給することと、
前記経尿道的治療装置の前記支持部材に沿って光発生器から光を生成して、前記光発光領域を通って前記光を通過させることと、
を含み、ここで、光は、前記光反応剤の吸収の波長帯と実質的に同等である1つまたは複数の波長もしくは波長帯を有する、方法。
【請求項28】
前記治療部位の温度を温度センサでモニタすることを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記治療部位の前記温度に基づいて光療法の投与を修正することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記光療法を投与する前に、前記支持部材を解放可能なように固定することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
尿道路内に前記支持部材を位置付けるために、前記支持部材の遠位端の上のエコー源性の標識をモニタすることをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記光療法の投与の間、前記光発光領域を移動させることをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
所定のパターンによって前記光発生器からの光の発光を制御することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記支持部材がカテーテルを含み、前記方法が、前記光発光領域を前記治療部位の少なくとも近位に位置付けるために、前記カテーテルに沿って前記光発生器および前記光発光領域を移動させることをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記光発生器および前記光発光領域が、前記支持部材に固定され、前記方法が、前記光発光領域を前記治療部位の少なくとも近位に位置付けるために、尿道の内部で前記支持部材を移動させることをさらに含む、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−523549(P2009−523549A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551389(P2008−551389)
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/001324
【国際公開番号】WO2007/084608
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(507277479)ライト サイエンシーズ オンコロジー, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】