説明

光源モジュール及びそれを備えた液晶表示装置

【課題】導光板の加工を伴うことなく、光源から導光板への光の結合効率を高め、光の利用効率を向上させる。
【解決手段】光源23aと、上面の出射領域から光を出射する導光板13と、光源23aと導光板13の端部下面との間に配置され、光源23aから出射された光を導光板13の端部下面に形成された入射部から反対側の端部に向けた第1の方向に入射させるように光を結合する光結合部材30と、光結合部材30に対向して配置された反射部材35とを備え、光源23aから光結合部材30に入射された光の一部が、反射部材35で反射された後、導光板13の入射部から第1の方向と反対方向に入射される構成としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源からの光を導光板によって面状に出射させるバックライト等の光源モジュール及びそれを備えた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置においては、薄型化を図るために、光源からの光を導光板によって面状に出射させるサイドエッジ型導光板を備えたバックライトが多用されている。
【0003】
このようなサイドエッジ型導光板では、導光板の長手方向の例えば両端部にLED等の光源を配置し、導光板の長手方向の各端面から、光を入射させ、導光板の内部中央へその光を全反射させながら導光板内を光が伝達し、導光板の光出射部で光の一部が全反射条件を破って導光板の表面に光を出射するようになっている。
【0004】
しかしながら、サイドエッジ型導光板においては、熱膨張により導光板が伸縮し、特に、導光板の長手方向においては伸縮量が大きい。このため、導光板の端部においては、光源を導光板に密着させることはできず、熱膨張による伸縮量を見越した隙間を有する構造となっている。この結果、隙間の存在により光源の導光板への入射効率が悪くなるといった問題を有していた。この問題は、液晶表示装置が大型になればなるほど、すなわち導光板が大型になればなるほど伸縮量が大きくなるので、光源と導光板との隙間を大きくしなければならず、その結果、入射効率がさらに低下する。また、導光板の光出射部の外側(外周側)に光源を配置する必要があるため、液晶表示装置の額縁が広くなるといった問題も有していた。
【0005】
そこで、この問題を解決するために、例えば特許文献1に開示されたバックライトユニット100では、図11に示すように、光源であるLED101と、このLED101から発した光を導く導光板110とを備え、この導光板110の一端に、受光面111a及び反射面111bを有する受光反射部111が形成されている。また、反射面111bは、導光板110の上端から受光反射部111の端部に向かって延びる楕円面に形成されている。これにより、導光板110を薄型化した場合においても、光源から発せられる光を効率よく受光及び反射させて導光板内の隅々までムラなく光を導き、液晶表示パネル等の表示部を明るく照明することのできるバックライトユニットを提供するものとなっている。
【0006】
また、例えば特許文献2に開示された表示装置用バックライト200では、図12に示すように、導光板210の下方に発光ダイオード201が、その光軸が導光板210に直交するようにして設けられている。そして、導光板210の表面における発光ダイオード201の直上においては、発光ダイオード201からの光を導光板210の両端部側へ反射すべく、曲面からなる反射面211,211が形成されている。また、発光ダイオード201の下側には反射シート202が設けられている。
【0007】
上記構成によれば、導光板210の厚み方向の伸縮量は大きくないので、発光ダイオード201を導光板210に近接して配設することができる。また、発光ダイオード201の下側に設けられた反射シート202の存在とも相俟って、発光ダイオード201から出射された光の略全てが導光板210に導入される。この結果、サイドエッジ型導光板よりも、導光板210への光の結合効率、及び光の利用効率を向上できるものとなっている。
【0008】
なお、特許文献1の表示装置用バックライト200では、導光板に加工を施す必要があるので、単なる平板状の導光板よりもコスト高になるといった問題がある。特に、大型の液晶表示装置では導光板も大型となるため、一般的に加工が困難である。さらに、液晶表示装置の組み立て時に導光板の加工位置に光源の位置を正確に合わせて固定する必要があり、組立も困難となる。
【0009】
ここで、一般的な直下型は、液晶パネルの下に、LEDをマトリックス状に配列させて液晶パネルを均一に照射する方式である。また、直下型には、LEDと拡散レンズ(光を拡散させるレンズ)を用いてLEDから出射される光を広げて液晶パネルを均一に照射する方式もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−319164号公報(2004年11月11日公開)
【特許文献2】特開2006−49324号公報(2006年2月16日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたバックライトでは、導光板に加工を施す必要があるので、単なる平板状の導光板よりもコスト高になるといった問題を有している。また、導光板の光出射部の外側に受光面111a及び反射面111bを設け、光源も光出射部の外側の導光板下面に配置する必要があるため、従来のエッジライト型と同様に、液晶表示装置の額縁が広くなるといった問題があった。
【0012】
また、特許文献2に開示されたバックライトでは、光源を導光板の光出射部の下面に配置できるため、液晶表示装置の額縁を狭くすることができるが、導光板に加工を施す必要があるので、単なる平板状の導光板よりもコスト高になるといった問題があった。
【0013】
また、上記特許文献1,2に開示されたバックライトは、光源と導光板との間に別の光結合部材を配置することについては全く想定しておらず、あくまで導光板に加工を施すことに着目している。
【0014】
本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、別途、光結合部材を設けることで、導光板の加工を伴うことなく、光源から導光板への光の結合効率を高め、光の利用効率を向上し得る光源モジュール及びそれを備えた液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明の光源モジュールは、上面の出射領域から光を出射する導光板と、前記導光板の下方に配置された光源と、前記光源と前記導光板の端部下面との間に配置され、前記光源から出射された光を前記導光板の前記端部下面に形成された入射部から反対側の端部に向けた第1の方向に入射させるように光を結合する光結合部材と、を備えた光源モジュールであって、前記光結合部材に対向して反射部材が配置され、前記光源から前記光結合部材に入射された光の一部が、前記反射部材で反射された後、前記導光板の前記入射部から前記第1の方向と反対方向に入射されることを特徴としている。
【0016】
本発明によれば、損失光となる光を再び導光板に入射することができるため、光源からの光の利用効率を向上させることができる。この場合、その入射方向は、第1の方向とは逆の方向に入射されるため、導光板において輝度分布の均一化を図ることができる。
【0017】
また、本発明では、前記光結合部材は、前記導光板の前記出射領域内の端部下面に配置されている。このように、光結合部材を光出射領域の端部に配置して導光板の第1の方向に光を入射させると、入射方向の反対側には光が入射せず暗部となるが、反射部材で反射された光が第1の方向とは逆の方向に入射されるため、暗部を無くすことができる。また、光結合部材を光出射領域の端部に配置することで、従来のサイドエッジ型バックライトとは異なり、導光板直下型のバックライトとなっているので、液晶表示装置の額縁部分にサイドエッジにくらべて余分な部品を配置する必要が無くなり、額縁寸法を小さくすることが可能である。また、サイドエッジ導光板においては必要であった熱膨張を回避するための光源と導光板の隙間が不要になるので、光源から導光板への結合効率を高め、光利用効率を向上することが可能である。また、本発明では、従来のように導光板を加工する必要がないため、製造コストも軽減される。
【0018】
また、本発明では、光結合部材は導光板の端部下面に設けられている。この結果、光源からの光を導光板の端部にて入射させることになるので、導光板において一方向に向けて導光させ、導光板全面から光を取り出し、液晶パネル全面を照射することが可能である。
【0019】
また、本発明では、前記光結合部材は、前記導光板に接する頂部平坦面と、前記光源及び前記反射部材に対向配置される下部平坦面とを有する断面逆U字型に形成された構成としている。このように構成することで、光源からの光を効率よく導光板に入射させることができる。
【0020】
また、本発明では、前記光結合部材の前記一方の下部平坦面に前記光源が対向配置され、前記他方の下部平坦面に前記反射部材が対向配置されている。このような配置構成とすることで、頂部平坦面を通らずに他方の下部平坦面に達した光源からの出射光を、反射部材で確実に反射して、頂部平坦面に導くことができる。
【0021】
また、本発明の液晶表示装置は、上記構成の光源モジュールをバックライトとして備えていることを特徴としている。
【0022】
本発明の液晶表示装置によれば、額縁部分に余分な部品を配置する必要が無いため、額縁寸法を小さくすることができる。また、サイドエッジ導光板においては必要であった熱膨張を回避するための光源と導光板との隙間が不要になるので、光源から導光板への光の結合効率及び利用効率を向上することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の光源モジュールによれば、損失光となる光を再び導光板に入射することができるため、光源からの光の結合効率及び利用効率を向上させることができる。また、光結合部材を光出射領域の端部に配置して導光板の第1の方向に光を入射させると、入射方向の反対側には光が入射せず暗部となるが、反射部材で反射された光が第1の方向とは逆の方向に入射されるため、暗部を無くすことができる。つまり、導光板において輝度分布の均一化を図ることができる。
【0024】
また、本発明の液晶表示装置によれば、液晶表示装置の額縁部分に余分な部品を配置する必要が無いため、額縁寸法を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の光源モジュールを備えた電子機器の一つである液晶表示装置の要部の構成を示す断面図である。
【図2】液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。
【図3】液晶表示装置における光源ユニットの構成を示す斜視図である。
【図4】光源ユニットにおけるLED基板及び光結合部材の接合部分を拡大して示す断面図である。
【図5】光源ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図6】光源ユニットにおけるLED基板の構成を示す平面図である。
【図7】(a)は、LEDチップから出射した光が放物面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図、(b)は、LEDチップ近傍を示す要部断面図である。
【図8】(a)は、LEDチップから出射した光が楕円面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図、(b)は、LEDチップ近傍を示す要部断面図である。
【図9】LEDチップから出射した光の一部が導光板13に入射せず、他方の下部平坦面に設けられた反射部材にて反射されて導光板に入射するときの光路を示す断面図であ。
【図10】(a),(b)は、シャーシの導光板保持面よりも下方に位置している光結合部材及び光源を示す断面図である。
【図11】従来の液晶表示装置におけるバックライトの一構成例を示す斜視図である。
【図12】従来の液晶表示装置におけるバックライトの他の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0027】
実施の形態では、本発明の光源モジュールを備えた電子機器の一つである液晶表示装置の構成について説明する。
【0028】
図1は、液晶表示装置の要部の構成を示す断面図、図2は、液晶表示装置の構成を示す分解斜視図、図3は、光源ユニットの構成を示す斜視図、図4は、光源ユニットにおけるLED基板及び光結合部材の接合部分を拡大して示す断面図、図5は、光源ユニットの構成を示す分解斜視図、図6は、LED基板の構成を示す平面図である。
【0029】
本実施の形態の液晶表示装置1は、図1及び図2に示すように、下から順に、光源モジュールとしてのバックライト10、プリズムシート2、拡散シート3、液晶パネル4及びベゼル5にて構成されている。
【0030】
バックライト10は、下から順に、光源ユニット20、一筋の開口11aを有するシャーシ11、シャーシ11と同様に一筋の開口を有する反射シート12、及び導光板13にて構成されている。
【0031】
光源ユニット20は、図3に示すように、帯状に形成された光源ホルダ21に光源としての半導体の後述するLEDチップ(Light Emitting Diode:発光ダイオード)23a、及び光結合部材30を備えて構成されている。なお、半導体のLEDチップは非常に微細なサイズであるため、図3では、図面の煩雑さを防ぐために記載を割愛している。
【0032】
光源ユニット20には、図3及び図4に示すように、長手方向(図3中、矢符Y方向)に直交する両側部分にシャーシ11への取付部21aが形成された板状の光源ホルダ21を備えている。そして、この光源ホルダ21の上に、板状のヒートシンク22が設けられ、このヒートシンク22の上に、光源基板としてのLED基板24aと光を反射する反射部材35とが所定の間隔を存して長手方向Yに沿って平行に設けられている。LED基板24a上には、LEDチップ23aが光源ユニット20の長手方向Yに沿って配置されている。
【0033】
また、LED基板24a上には、LED基板24aと光結合部材30との間に隙間を設けるためのスペーサ25aが形成されている。このスペーサ25aは、図4に示すように、光結合部材30の下部平坦面33の一部を下方に突出させて形成されており、接着剤によりLED基板24aに固定されている。
【0034】
複数のLEDチップ23aは、スペーサ25aよりも外側に配置されており、スペーサ25aにより光結合部材30の下部平坦面33と隙間を有して離間されている。この隙間により、LEDチップ23aと光結合部材30との衝突によるLEDチップ23aの破損を防いでいる。すなわち、このスペーサ25aの存在により、LED基板24aと光結合部材30の下部平坦面33との間にLEDチップ23aを配置し、かつLEDチップ23aを破損させない隙間を設けることができる。ただし、これに限られず、LEDチップ23aに損傷を与えない範囲であれば、LEDチップ23aが光結合部材30と密着していても構わない。
【0035】
次に、光源ユニット20の詳細構造について、図5及び図6を参照して説明する。図5は光源ユニット20の構成を示す分解斜視図、図6はLED基板24aの構成を示す平面図である。
【0036】
図5に示すように、LED基板24aの表面には、ダム26aが液晶表示装置1の長手方向(図5及び図6中、矢符Y方向)に沿って長尺状に形成されている。ダム26aは、図4にも示すように、断面略方形状であって中央部にスリットを形成したものである。ダム26aのスリットの内部には、図6にも示すように、複数のLEDチップ23aが、ダム26aの長手方向に例えば数mmの間隔を有して配置されている。また、ダム26aの外側には、光結合部材30との位置調整のためのアライメントマーク27a(図6参照)が複数個設けられている。
【0037】
さらに、図4に示すように、ダム26aのスリット内には、複数のLEDチップ23aを封止する樹脂28が充填されている。この樹脂28には、蛍光体が含まれている。蛍光体は、個々のLEDチップ23aに対して同一の種類のものが用いられている。
【0038】
本実施の形態では、光源としてLEDチップ23aを用いている。その理由は、半導体チップ状のLEDは、形状が小さくかつ狭い領域に配置できるので、安価な低出力のLEDチップ23aを用いた場合にも、間隔を詰めて多くのLEDを配置することによって照度も向上し、高機能のバックライトの光源として利用できる点で好ましいためである。ただし、これに限るものではなく、例えば、パッケージに収納されたLEDでもよく、有機EL発光素子又は無機EL発光素子を用いることも可能である。
【0039】
本実施の形態のLEDチップ23aは、LED基板24a上に例えば1列に並んで複数個設けられており、それら複数個のLEDチップ23aの上側と、これに平行に配置されている長尺の薄板形状に形成された反射部材35の上側とに、光結合部材30が跨がるようにして設けられた構成となっている。
【0040】
次に、光結合部材30の詳細構造及び光路について説明する。
【0041】
図1に示すように、光結合部材30は、導光板13の発光エリア(出射領域)D内の端部下面に配置されている。
【0042】
この光結合部材30は、図3及び図5に示すように、長手方向Yに長い棒状に形成されており、その断面形状は、図7(a)にも示すように、略逆U字型に形成されている。そして、LEDチップ23aに対向配置される一方の下部平坦面33に、0.5mm程度の高さのスペーサ25aが突出形成されている。一方、光結合部材30の他方の下部平坦面33にも、同じようにしてスペーサ25bが突出形成されており、その横に、スペーサ25bとほぼ同じ厚みの反射部材35が下部平坦面33に対向配置されている。
【0043】
ここで、光結合部材30の材質は、導光板13の材質と同じ樹脂からなっている。すなわち、同じ材質であれば、屈折率を同じにすることができるので、光結合部材30から導光板13への光の入射が円滑に行われる。導光板13の屈折率が光結合部材30の屈折率より僅かに高い構成でも構わない。また樹脂に限るものではなく硝子等の材質でも構わない。
【0044】
光結合部材30を断面略逆U字型に形成することにより、光結合部材30は、LEDチップ23aから出射された光を、光結合部材30の内部の反射面にて反射させて曲げながら伝搬させ、平板状の導光板13に対して斜めに入射させるように機能する。このため、LEDチップ23aからの光の殆どを導光板13に結合させることができる。
【0045】
さらに詳しく説明すると、光結合部材30における導光板13側の表面は、平板状の導光板13に当接する入射部としての頂部平坦面31と、この頂部平坦面31から両端側にそれぞれ反射面としての曲面32a,32bを有する形状となっている。
【0046】
曲面32a,32bの形状は、例えば、図7(a)に示すように、断面放物線状とすることができる。ただし、必ずしもこれに限るものではなく、断面楕円状、弓型状等の湾曲形状、または頂部平坦面31から斜めに傾斜する平坦な傾斜面であってもよい。要するに、導光板13に光を有効に結合できる形状であればどのような形状でも構わない。
【0047】
また、光結合部材30の下端側の中央部(すなわち、両下部平坦面33の間)には、凹部34が形成されている。本実施の形態では、曲面32a,32bにて反射する光の導光板13への光路が確保できればよいので、光路とならない部分は凹部34としてくり抜くことができる。これにより、コスト削減及び軽量化を図ることができる。ただし、凹部34領域は、必ずしもこれに限らず、凹部34が存在しない断面が略半円状の内部が詰った構成でも構わない。
【0048】
なお、凹部34に図示しない光学結合部材に近接する反射シート等の反射手段を設けることが可能である。これにより、頂部平坦面31近傍で迷光が発生する場合があっても、迷光の一部をこの反射手段で導光板13側に反射させることで、液晶パネル4への照射を向上させることができる。
【0049】
光結合部材30の一方の下部平坦面33の下側には、LED基板24aにボンディングされたLEDチップ23aが下部平坦面33に近接して設けられている。すなわち、LEDチップ23aは、スペーサ25aの近傍に接着剤等を塗布し、LED基板24aと接着固定されている。
【0050】
LEDチップ23aは、図7(b)に示すように、断面放物線からなる曲面32aの焦点位置Fよりも端部側に配置されていることが好ましい。これにより、図7(a)に示すように、LEDチップ23aから出射された光が光結合部材30の断面放物線状の曲面32aにて反射され、その反射光が光結合部材30の頂部平坦面31に到達し、到達方向を維持して導光板13に斜めに入射する。そして、導光板13に入射された光は、図7(a)に示す導光板13の右側の内部を全反射して第1の方向X1に進みつつ、図示しない光路変換部である光散乱体と衝突することにより導光板13中を進む角度が変わり、全反射条件が破られ、導光板13から出射し、反射シート12で反射し、さらに導光板13内を通過し、導光板13の液晶パネル4側表面から出射し、プリズムシート2及び拡散シート3を通して液晶パネル4に向かう。
【0051】
このような光路は、図8(a)に示す曲面32a,32bが断面楕円状の光結合部材30においても同様である。そして、図8(b)に示すように、断面楕円の光結合部材30においても、LEDチップ23aは、断面楕円状からなる曲面32a,32bの焦点位置Fよりも端部側に配置されていることが好ましい。
【0052】
この結果、LEDチップ23aから出射された光は光結合部材30の曲面32aにて反射され、その反射光が光結合部材30の頂部平坦面31に到達し、到達方向を維持して導光板13に斜めに入射する。そして、導光板13に入射された光は、導光板13の内部を全反射して第1の方向X1に進みつつ、図示しない光路変換部である光散乱体と衝突することにより導光板13中を進む角度が変わり、全反射条件が破られ、導光板13の液晶パネル4側表面から出射し、プリズムシート2及び拡散シート3を通して液晶パネル4に向かう。
【0053】
このように、光結合部材30における曲面32aの形状を例えば断面放物線状または断面楕円状とすることによって、LEDチップ23aからの出射光を、断面放物線状または断面楕円状の曲面32aにて反射させて効率よく結合して、頂部平坦面31から導光板13に入射させることができる。なお、断面放物線状と断面楕円状との対比においては、断面楕円状の方が光を絞って導光板13に入射するよう結合できるので、光の結合効率を高くすることができる。
【0054】
上記したように、LED光源23aから出射し光結合部材30に入射した光は、ほとんどは導光成分となり発光エリア(出射領域)D内の導光板13内を導光する。
【0055】
しかし、図9に示すように、一部の光(光線)r1は導光板13に入射せずに、他方の(図9中右側の)下部平坦面33に向かう。本実施の形態においては、他方の下部平坦面33の下に、高い反射特性を有する反射部材35を対向配置している。これにより、本来損失となる光線r1を反射させ、曲面32bで全反射されて、LEDチップ23aの本来の導光方向とは逆側(第2の方向X2)に光線r1を導光させることが可能になる。
【0056】
反射部材35を配置せず、吸収部材を配置した場合には、入光成分を100とした場合、逆方向(第2の方向X2)への導光成分は0.31であり、逆方向へほとんど導光せず逆側での導光板13からの出射光は低い。一方、本実施の形態のように反射部材35を配置した場合は、逆方向への導光成分は1.99となり、逆方向領域からの出射光を十分に確保することが可能である。
【0057】
すなわち、本実施の形態によれば、損失光となる光線r1を再び導光成分として出射光とすることができるため、LEDチップ23aから出射される光の利用効率を向上させることができる。
【0058】
また、本実施の形態では、液晶表示装置1は、特許文献1及び特許文献2に開示されている導光板の加工という技術思想を伴うことなく、LEDチップ23aからなる光源から導光板13への光の結合効率を高め、光の利用効率を向上し得る液晶表示装置を提供することが可能である。
【0059】
この結果、従来のサイドエッジ型導光板とは異なり、導光板直下型のバックライトとなっているので、額縁寸法を小さくすることができ、意匠効果も向上することができる。また、サイドエッジ型導光板においては必要であった熱膨張を回避するためのLEDチップ23aと導光板13との隙間が不要となるので、隙間から光が漏れることがない。すなわち、本実施の形態では、導光板13の下方に光結合部材30及びLEDチップ23aを配設するので、導光板13の厚さ方向は長手または短手の平面方向よりも熱膨張が小さいので、導光板13の伸縮が小さく、光結合部材30とLEDチップ23aとを近接配置し、それらの隙間を例えば0.5mm以下にすることができる。なお、光結合部材30は導光板13に当接しているので、隙間はない。このため、LEDチップ23aから導光板13への光の結合効率及び利用効率を高めることができる。
【0060】
また、本実施の形態では、導光板13とは別体の光結合部材30を設けることにより、平板状の導光板13に対して斜めに光を入射させるので、導光板13の内部では入射光が全反射しながら導光される。
【0061】
すなわち、本実施の形態では、光結合部材30は、頂部平坦面31が導光板13に当接する断面が略逆U字型の帯状体つまり棒状体にてなっている。
【0062】
この結果、特許文献1及び特許文献2のような導光板の加工をしなくても、LEDチップ23aからの光結合部材30を介した入射光を導光板13の内部にて導光させることができる。このため、導光板13自体は、単純な平板で足りるので、大型の導光板13に対する加工が不要となる。また、導光板13を加工するのは困難であるが、光結合部材30の加工はそれに比べて容易であり、製造コストを削減することができる。
【0063】
また、本実施の形態では、光結合部材30は、導光板13の端部に設けられている。この結果、LEDチップ23aからの光を導光板13の端部にて入射させることになるので、導光板13において一方向に向けて導光させ、導光板13の全面から光を取り出して、液晶パネル4の全面を照射することが可能となる。
【0064】
従って、導光板13の加工を伴うことなく、LEDチップ23aから導光板13への光の結合効率及び利用効率を向上し得るバックライト10及び液晶表示装置1を提供することができる。
【0065】
また、本実施の形態のバックライト10では、光結合部材30は、導光板13に対して斜めに光を入射させる。これにより、導光板13の内部では入射光が全反射しながら導光される。この結果、特許文献1及び特許文献2のような導光板の加工をしなくても済み、LEDチップ23aから導光板13への光の結合効率及び利用効率を向上し得ると共に、特許文献1及び特許文献2の方式に対し、製造コストも軽減される。
【0066】
また、本実施の形態のバックライト10では、光結合部材30は、反射面である曲面32a,32bを有し、LEDチップ23aからの入射光を曲面32aにて反射させて導光板13に対して光を入射させる。これにより、LEDチップ23aから出射された光は、光結合部材30に入射し、曲面32aにて反射する。そして、曲面32aにて反射された光は、導光板13の下面の頂部平坦面31から導光板13に入射するように結合されるが、一部の光は光結合部材30のもう一つの反対端面である他方の下部平坦面33側に到達する。到達光は端面から出射されるが、配置している反射部材35により再度光結合部材30に入射し、光結合部材30の曲面32bに反射されて導光板13に結合する。なおこの光線の向きは、上記したように、曲面32aで反射し結合した光線とは逆向きであり、本来導光成分が存在しない領域に光線を導光させ、その先に光路変換部を配置することで、光の取り出しを行うことが可能である。
【0067】
また、導光板13に入射させるときに、LEDチップ23aの反対方向(第2の方向X2)に光を出射させることによって、LEDチップ23aと反射部材35との中間点を通る線を軸対称として光結合部材30の両側、つまり導光板13の両端側にそれぞれ導光させることができる。従って、単純な構造にて、導光板13において輝度分布の均一化を図ることができる。
【0068】
また、本実施の形態のバックライト10では、光結合部材30は、導光板13内で全反射させるように導光板13に光を入射させる。これにより、光の利用効率を向上し得るバックライト10を提供することができる。
【0069】
さらに、本実施の形態では、LEDチップ23aは、光結合部材30への入射光における光軸方向が平板状の導光板13に対して直交するように配置されている。このため、LEDチップ23aの配置を平板状の導光板13に対して斜めにする必要がないので、LEDチップ23aの配置も容易であり、構造や組み立て方法が単純である。
【0070】
従って、導光板13の加工を伴うことなく、LEDチップ23aから導光板13板への光の結合効率及び利用効率を向上し得るバックライト10及び液晶表示装置1を提供することができる。
【0071】
なお、特許文献2に開示された表示装置用バックライト200では、発光ダイオード201の直上の輝度が周囲より明るくなり、輝線が発生するので、均一な輝度分布を作ることができないという問題があったが、本実施の形態では、その問題を解消することができる。
【0072】
また、本実施の形態では、導光板13を加工せずに済み、かつ下方から光入射するので、導光板13の液晶表示装置1の薄型化を図ることができる。具体的には、導光板13の加工にはある程度の厚さが必要である。この場合、従来のエッジライト方式は光源の幅よりも導光板を薄くすると光の結合率が低下するため薄型化に限界がある。この点、本実施の形態では、導光板13を薄型化すれば、テレビの薄型化及び軽量化に繋がる。また、導光板13の材料を節約できるので、加工が不要な点からも低コスト化を図ることができる。また、LEDチップ23aを上向きに実装すればよいので、LEDチップ23aを含め、図2に示す液晶表示装置1を構成する各部材群の組み立てにおいて、組み立て方向が1方向の組み込み方向で済み、組み立ての製造装置構成や、組み立て作業が簡単になる。すなわち、従来のエッジライトの場合は、側面から光源を取り付ける必要があるので、液晶表示装置1全体として1方向の組込み方向で済まず、製造がやや困難となる。
【0073】
また、本実施の形態の液晶表示装置1では、光結合部材30は、帯状に設けられている。さらに、この帯状に設けられた光結合部材30は、方形平板状の導光板13における長手方向に平行に設けられている。
【0074】
また、光結合部材30は、方形平板状の導光板13における縦または横方向つまり長手方向か短手方向に対し、一本の直線状の部材で構成されてもよく、また、いくつかに区切られた光結合部材の小片を帯状に連ね一直線上に配置しても構わない。
【0075】
これにより、1つの光源に対し1の光学素子を設ける必要がなくなり、複数の光源を1つの光学部材にて覆うので、光学系の構造を単純化することができる。また、光源はパッケージに収納されたタイプのものでも良いが、半導体チップ状のものも適用できる。光源は、光結合部材に沿って配置され、光源の配線も容易となる。
【0076】
ところで、本実施の形態のバックライト10では、図2に示すように、導光板13の下側には、導光板13を平面で保持する平板状のシャーシ11が設けられていると共に、シャーシ11の導光板保持面は、光結合部材30が導光板13に当接する位置付近で開口11aを有し、光結合部材30及びLEDチップ23aは、シャーシ11の導光板保持面よりも下方に位置している。すなわち、本実施の形態では、図10(a)に示すように、開口11aを有するシャーシ11に別体の光源ホルダ21が接合されており、これにより、光結合部材30及びLEDチップ23aは、シャーシ11の導光板保持面11bよりも下方に位置している。しかし、必ずしもこれに限らず、例えば、図10(b)に示すように、シャーシ11に凹部を設けてその凹部にLEDチップ23a及び光結合部材30を搭載することも可能である。この場合においても、光結合部材30及びLEDチップ23aは、シャーシ11の導光板保持面11bよりも下方に位置している。
【0077】
このような構成とすることによって、導光板13の背面側においては、光結合部材30及びLEDチップ23aのみが突出していることになる。したがって、光結合部材30及びLEDチップ23a以外の部分を薄型化することが可能となる。このため、全体として薄型化を図ることができる。さらに、このような構成とすることによって、LEDチップ23aの放熱の面でも優れたものとなる。また、光源ユニット20をシャーシ11と接続しておくことによって、シャーシ11が放熱板として機能するので、高い放熱性能を得ることができる。この結果、LEDチップ23aの発光効率も向上する。
【0078】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、光源ユニット20は、断面略逆U字型の光結合部材30を有していると共に、LEDチップ23aは、光結合部材30における一方の下部平坦面33の端部の直下に長手方向に沿って設けられている。
【0079】
本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、本実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、光源からの光を線状に出射する光源ユニットを備えて導光板によって面状に出射させるバックライト等の光源モジュール、並びにこの光源モジュールを備えたテレビ、モニター等の液晶表示装置等の電子機器に適用可能である。また、その光源モジュールは、大型平面光源として照明装置等の電子機器に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 液晶表示装置
2 プリズムシート
3 拡散シート
4 液晶パネル
5 ベゼル
10 バックライト(光源モジュール)
11 シャーシ
11a シャーシ開口部
11b 導光板保持面
12,12a,12b 反射シート
13 導光板
20 光源ユニット
21 光源ホルダ
22 ヒートシンク
23a LED
24a LED基板
25a,25b スペーサ
26a ダム
27a アライメントマーク
28 樹脂
30 光結合部材
31 頂部平坦部(入射部)
32a,32b 曲面(反射面)
33 下部平坦面
34 凹部
35 反射部材
100 バックライトユニット
101 LED
110 導光板
111a 受光面
111b 反射面
111 受光反射部
200 表示装置用バックライト
201 発光ダイオード
202 反射シート
210 導光板
211 反射面
D 発光エリア(出射領域)
r1 光(光線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面の出射領域から光を出射する導光板と、
前記導光板の下方に配置された光源と、
前記光源と前記導光板の端部下面との間に配置され、前記光源から出射された光を前記導光板の前記端部下面に形成された入射部から反対側の端部に向けた第1の方向に入射させるように光を結合する光結合部材と、
を備えた光源モジュールであって、
前記光結合部材に対向して反射部材が配置され、
前記光源から前記光結合部材に入射された光の一部が、前記反射部材で反射された後、前記導光板の前記入射部から前記第1の方向と反対方向に入射されることを特徴とする光源モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の光源モジュールであって、
前記光結合部材は、前記導光板の前記出射領域内の端部下面に配置されていることを特徴とする光源モジュール。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光源モジュールであって、
前記光結合部材は、前記導光板に接する頂部平坦面と、前記光源及び前記反射部材に対向配置される下部平坦面とを有する断面逆U字型に形成されていることを特徴とする光源モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の光源モジュールであって、
前記光結合部材の前記一方の下部平坦面に前記光源が対向配置され、前記他方の下部平坦面に前記反射部材が対向配置されていることを特徴とする光源モジュール。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光源モジュールをバックライトとして備えていることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−110020(P2013−110020A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255222(P2011−255222)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】