説明

光源ユニットおよびこの光源ユニットを備える表示装置

【課題】 内部に組み込まれた光源ランプがどの方向を向いた状態で使用しても、光源ランプの温度が不均一とならない光源ユニットを提供すること。
【解決手段】
光源ユニット1aの内部領域を、複数の区画壁13aによって互いに空気の移動ができないかまたは互いの空気の移動を大きく制限される複数の領域に分割し、内部に水銀が封入される光源ランプ11を、これら複数の領域にまたがるように配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源ユニットおよびこの光源ユニットを備える表示装置に関するものであり、特に、液晶表示装置に好適な表示装置用の光源ユニットと、この光源ユニットを備える表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
透過型の液晶表示パネルを備える液晶表示装置などは、一般的に、液晶表示パネルの背面側に光源ユニットが配設される構成を備える。この光源ユニットに組み込まれる光源ランプとしては、たとえば熱陰極管や冷陰極管などといった蛍光管が広く一般に用いられている。
【0003】
一般的な蛍光管は、ガラスなどにより形成される管体と、この管体の両端近傍に配設される電極とを備える。管体の内部には希ガス類および水銀が封入され、管体の内壁面には蛍光被膜が形成される。
【0004】
蛍光管の使用中に管体の温度分布が不均一となると、管体内部の温度が低い部分の水銀蒸気圧が局所的に低下する。そして、管体の内部に封入された水銀は、水銀蒸気圧が均一になろうとして温度が低い部分へ移動する。この結果、管体の温度が低い部分に水銀が溜まり、温度の高い部分の水銀が少なくなる。このような状態で使用を継続すると、蛍光管の寿命が短くなるおそれがある。そこで、蛍光管の使用時において管体の温度分布が不均一とならないよう、一般的には、蛍光管の管体を水平方向に向けた状態で使用される。
【0005】
図8は、光源として蛍光管が組み込まれた従来の光源ユニットと、この光源ユニットが組み込まれた表示装置の構成の一例を、模式的に示した分解斜視図である。
【0006】
この光源ユニット9は、シャーシ91と、光源ランプである蛍光管92と、蛍光管92が発する光を乱反射する反射シート93と、蛍光管92が発する光の特性を調整する光学シート類94と、光学シート類94のスペーサなどとなるサイドホルダ95と、光学シート類94や蛍光管92をシャーシ91に保持するフレーム96とを備える。また、シャーシ91の背面側には、蛍光管92を駆動する光源駆動回路基板97などが配設される。
【0007】
シャーシ91の前面側には反射シート93が布設され、その前面側に蛍光管92が載置され、さらにその前面側に光学シート類94が載置される。そしてフレーム96が装着される。なお、蛍光管92はランプクリップ911により保持され、光学シート類94は支持ピン912により変形しないように支持される。このようにこの光源ユニット9は、反射シート93と光学シート類94とに囲まれた領域に、複数の蛍光管92が略平行に配置される構成を備える。
【0008】
この光源ユニット9が組み込まれた表示装置8は、光源ユニット9の前面側に液晶モジュール81が配設され、さらにその前面側からベゼル82が装着される構成を備える。また、シャーシ91の背面側には、液晶モジュール81を制御するコントロール回路基板83が設けられる。そして、通常は、矢印aに示す向きを上側または下側に向け、液晶モジュール81の液晶パネルが横長となる状態で使用される。
【0009】
このような構成によれば、常態においては蛍光管92の管体は水平に寝た状態となる。使用時における蛍光管92やその他の部材の発熱により前記反射シート93と光学シート類94とに囲まれた領域の空気が加熱されると、昇温した空気は上方へ移動し温度の低い空気は下方に溜まる。したがってこの領域は、上下方向についてみると温度分布が不均一となるが、水平方向については不均一とならないから、各蛍光管92の管体はそれぞれ全長にわたって均一の温度が維持される。
【0010】
【特許文献1】特開2003−92109号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、このような表示装置において、表示パネルを縦長に配置して使用したいという要求もある。たとえば、広告用の表示装置についてこのような要求が大きい。しかしながら従来の表示装置は、表示パネルを縦長に配置すると蛍光管の管体が略垂直方向に立った状態になる。このような状態で使用すると、加熱されて昇温した空気は上方へ移動して蛍光管の上端側に集まり、温度の低い空気は蛍光管の下端側に溜まる。その結果、蛍光管の上端側と下端側とで温度差が生じて水銀が温度の低い下端側に移動するから、蛍光管の寿命に悪影響を与える状態で使用することになる。
【0012】
上記実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、光源の全体にわたって温度分布が不均一となることを防止または抑制できる光源ユニットおよび表示装置を提供すること、特に、光源が水平方向に寝た状態以外の態様で使用する場合において、光源の上端側と下端側とで温度差が発生することを防止または抑制できる光源ユニットおよび表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような課題を解決するため、光源ユニットの内部に、互いに空気の移動が不可能または困難な複数の区画を画成する。別の表現をすると、光源ランプが収納される領域を、互いに空気の移動が不可能または困難な複数の区画に区分けする。そして光源ランプを、これら複数の区画にまたがるように配設する。
【0014】
これら複数の区画を画成する区画壁、または複数の領域に分割する区画壁は、光を照射する側に向かって先細り形状に形成されることが好ましい。また、この区画壁の先端は、これら複数の区画の光を照射する側に配設される光学シート類にほぼ当接する高さに形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
光源ユニットの使用時は、光源ランプやその他の部材が発する熱により、各区画内の空気が加熱されて温度が上昇する。複数の区画は、互いに空気の移動が不可能または困難に画成または分割されるから、加熱されて温度が上昇した空気は、当該区画から他の区画へ流出できないか、または流出が大きく制限される。このため、たとえば光源ランプの両端で位置的な高低差が存在するような態様で使用しても、温度が上昇した空気が光源ランプの上端側に集中することが防止または抑制される。その結果、光源ランプの全体にわたって温度が均一に維持されて水銀の偏在が防止されるから、光源ランプの寿命に悪影響を与えることがなくなる。したがって、光源ランプの寿命に悪影響をあたえることなく光源ユニットの使用態様の自由度を向上させることができる。
【0016】
また、区画壁の側面が傾斜面状に形成されるから、この傾斜面が光源ランプが発した光を反射する反射面として機能する。さらに、先細り形状に形成される区画壁の先端で光学シート類を支持できる。このため、表示品位を低下させることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下に示す実施形態は、液晶表示装置などに組み込まれる光源ユニットに適用される形態である。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る光源ユニットの第一の実施例の構成を模式的に示した分解斜視図である。以下の説明においては、図1中の上側を「光源ユニットの前面側」、下側を「背面側」と称する。
【0019】
第一の実施例に係る光源ユニット1aは、光源ランプ11と、シャーシ12aと、区画壁13aと、反射シート14と、光学シート類15と、サイドホルダ16と、フレーム17aとを備える。このほか、光源駆動回路基板21と、光源駆動回路基板カバー22とを備える。
【0020】
シャーシ12aは、略四辺形に形成される底面121aを有する。この底面121aの相対向する一組の辺(図1に示す構成では長辺)の周縁部には、前面側に向かって衝立状に起立する側壁122aが設けられる。そして、この側壁122aの上端、すなわち前面側には、底面121aに略平行な載置面123aが設けられる。この載置面123aは、光学シート類15を載置できる面である。このシャーシ12aは、たとえば金属の板材などにより、プレス加工などを用いて一体に形成される。
【0021】
光源ランプ11は、たとえば冷陰極管や熱陰極管といった蛍光管など、管体の内部に水銀が封入されるタイプの光源ランプが適用できる。なお、この光源ランプ11は、従来一般の構成を有する蛍光管等が適用できることから、詳細な説明は省略する。
【0022】
光源ランプ11の管体111には、所定の箇所に弾性リング112が装着される。この弾性リング112は、たとえば耐熱性のゴムやその他弾性変形容易な樹脂材料などにより形成される。
【0023】
区画壁13aは、光源ランプ11が収納される領域を複数の区画に分割する部材である。この区画壁13aは細長い板状の部材であり、蛍光管11の管体111を挿通可能な開口部131aが、所定の位置に形成される。この区画壁13aの長さは、シャーシ12aの相対向する側壁122aの内側の面の間隔にほぼ等しい。すなわち、この区画壁13aをシャーシ12aの底面121aにその短辺に平行に載置したときに、相対向する側壁122aの間にほぼ隙間なく収まる長さに形成される。一方、この区画壁13aの高さ方向寸法は、シャーシ12aの底面121aから載置面123aまでの高さ寸法にほぼ等しく形成されることが好ましい。また、この区画壁13aの背面側は所定の厚みを有し、前面側に向かうにつれて厚さが薄くなるような断面形状を有する。具体的にはたとえば、背面側の面を底辺とする二等辺三角形などの断面形状が挙げられる。
【0024】
この区画壁13aの色彩や表面性状は特に限定されるものではないが、たとえば白色で、光源ランプ11の光を乱反射する表面性状であることが好ましい。なお、この区画壁13aの材質は限定されるものではなく、各種樹脂材料や金属材料などにより形成することができる。
【0025】
反射シート14は、光源ランプ11が発した光を乱反射させるシート状または薄板状の部材である。たとえば、発泡PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)などにより形成される。光学シート類15は、光源ランプ11が発した光の特性を調整する板状もしくはシート状の部材、またはこれらの集合をいう。光学シート類15には、たとえば拡散板、レンズシート、偏光反射フィルムなどが含まれる。そして一般的にはこれらが積み重ねられて用いられる。
【0026】
サイドホルダ16は、光学シート類15を載置するためのスペーサなどとして機能する略棒状の部材である。このサイドホルダ16は、たとえば樹脂材料などにより一体に形成される。フレーム17aは、光源ランプ11や光学シート類15などの部材をシャーシ12aに保持するための部材である。このフレーム17aは、開口した略四辺形に形成される。外周縁には、背面側に向かって衝立状に起立する側壁が設けられる。このフレーム17aは、たとえば金属の板材などにより、プレス加工などを用いて形成される。光源駆動回路基板21は、光源ランプ11を駆動するための電気回路や電子回路が構築された回路基板である。
【0027】
これら反射シート14、サイドホルダ16、フレーム17、光学シート類15、光源駆動回路基板21は、従来一般に用いられるものが適用できることから、詳細な説明は省略する。
【0028】
このような部材を備える光源ユニット1aの組み付けは、次の通りである。図2は、この光源ユニット1aの組み付け途中の状態を示した一部分解斜視図であり、具体的には、シャーシ12a、反射シート14、光源ランプ11、区画壁13aおよびサイドホルダ16が組み付けられた状態を示す。
【0029】
光源ランプ11の管体111の所定の位置に弾性リング112を装着し、管体111を区画壁13aの開口部に挿通させる。そして、弾性リング112が区画壁13aの開口部内に収まるようにする。これにより、区画壁13aの開口部の内壁面と、光源ランプ11の管体111の外表面との間には、弾性リング112が介在し、この間には気体が流通容易な隙間がなくなる。
【0030】
シャーシ12aの底面121aの前面側に反射シート14を布設し、その前面側に光源ランプ11と区画壁13aの結合体を載置する。その状態で、シャーシ12aの短辺の周縁部にサイドホルダ16を載置する。これにより、図2に示すように、サイドホルダ16および光学シート類15とに囲まれる領域は、区画壁13aにより複数の区画に分割される。そして、各光源ランプ11は、複数の区画にまたがって配設される構成となる。
【0031】
なお、図2においては5枚の区画壁13aが装着される構成を示すが、この区画壁13aの数や、区画壁13aどうしの間隔は、図2に示す構成に限定されるものではない。ただし区画壁13aは、シャーシ12aの底面121の中心線Aを中心に線対称となるように装着されることが好ましい。
【0032】
そしてシャーシ12aの載置面123aとサイドホルダ16の前面側に光学シート類15を載置し、さらにその前面側からフレーム17aを装着する。区画壁13aの底面および両端面は反射シートに14に接触しており、また区画壁13aの先端は光学シート類15に接触する。そして区画壁13aの開口部の内壁面と、光源ランプ11の管体111の間には、弾性リング112が介在している。したがって、光学シート類15が載置されると、分割された各区画の相互間では、空気の移動ができないか、または空気の移動が大きく制限される。
【0033】
この光源ユニット1aが、光源ランプ11の両端で位置的な高低差を有する向きに設置されると、区画壁13aにより画成される各区画も、互いに高低差がある状態に列ぶ。この状態で光源ユニット1aを使用すると、各区画内に存在する空気は、光源ランプ11やその他の部材が発する熱により加熱されて温度上昇する。そして、温度が上昇した空気は、各区画内を上方へ移動する。しかしながら、区画壁13aにより、温度上昇した空気は隣接する別の区画に移動することができないか、または移動が大きく制限される。このため、温度の高い空気が光源ランプ11の上端近傍に集まることを防止、または遅らせることができる。
【0034】
したがって、光源ランプ11の上端近傍と下端近傍とが位置的な高低差があるような状態で使用しても、光源ランプ11の全長にわたって温度差が小さい状態を維持できる。このため、たとえば光源ランプ11が垂直に立った状態で使用しても、従来のような、温度分布の不均一に起因する水銀の低温部分への集中を抑制できる。この結果、光源ランプ11の寿命に悪影響を与えることがなく、光源ユニット1aの使用態様の自由度を高くできる。
【0035】
また、区画壁13aの先端で光学シート類15を支持できる構成であるから、従来のような支持ピンを配設する必要がなくなる。さらに、区画壁13aにより光源ランプ11の管体111を支持できるから、やはり従来のようなランプクリップを配設する必要もなくなる。そして区画壁13aの側面が傾斜を有していれば、この側面が反射面として機能する。このため、表示品位に影響を与えることもない。
【0036】
なお、区画壁13aは、シャーシ12aの底面121aの中心線Aを中心に線面対称となる位置に設けられる。したがって、どちらの短辺を上側に位置するようにして用いても、同様の作用効果を奏することができる。
【0037】
次に、この光源ユニット1aが組み込まれる表示装置について説明する。図3は、この光源ユニット1aが組み込まれる表示装置の構成を模式的に示した分解斜視図である。この表示装置3aは、前記光源ユニット1aと、液晶モジュール31と、ベゼル32aと、コントロール回路基板33とを備える。コントロール回路基板33は、液晶モジュール31のドライバ類を制御する制御信号を生成する。これらの各部材は、従来一般の構成のものが適用できることから、説明は省略する。
【0038】
光源ユニット1aの前面側に液晶モジュール31が配設され、さらにその前面側からベゼル32aが装着される。シャーシ12aの背面側には、コントロール回路基板33や、その他必要な部品などが装着される。このような構成の表示装置3aは、光源ユニット1aから発せられた光が液晶モジュール31を透過することにより、液晶モジュール31の前面側に画像が可視状態に表示される。
【0039】
このような表示装置3aによれば、光源ランプ11の寿命に悪影響を与えることなく、液晶モジュール31を縦長の向きに配置して使用できる。したがってたとえば広告用の表示装置など、縦長の画面を用いて画像を表示する用途などに好適に用いることができる。
【0040】
次に、本発明の実施形態の第二の実施例について説明する。図4は、第二の実施例に係る光源ユニットの構造を模式的に示した分解斜視図である。なお、以下の説明においては、図4中の上側を「光源ユニットの前面側」、下側を「背面側」と称する。
【0041】
この実施例に係る光源ユニット1bは、シャーシ12bと、光源ランプ11と、区画壁上部13bと、光学シート類15と、フレーム17bとを備える。また、図示しないが、シャーシ12bの背面側には、光源ランプ11を駆動するための光源駆動回路基板や、その他必要な回路基板などが配設される。
【0042】
シャーシ12bは、たとえば合成樹脂材料などにより一体に形成される。このシャーシ12bは、略四辺形に形成される底面121bを有する。この底面121bの相対向する一組の辺(図4においては長辺)には、所定の角度をもって前面側にせりあがる傾斜面124が設けられる。また、相対向する他の一組の辺(図においては短辺)には、前面側に衝立状に起立する側壁126が設けられる。そして底面121b、傾斜面124および側壁126により、シャーシ12bは全体として底の浅いトレイ状に形成される。
【0043】
底面121bには、区画壁下部125が形成される。この区画壁下部125は、前面側に向かって突起する凸条の構造物である。光源ランプ11の管体111の軸線と略直角方向に延伸し、相対向する傾斜面124どうしをつなぐように形成される。この区画壁下部125は、前面側に向かうにしたがって厚さが薄くなる形状に形成されることが好ましい。たとえば断面が等脚台形などの形状に形成される。そしてこの区画壁下部125の上面(すなわち前面側の面)1251には、光源ランプ11の管体111を遊嵌可能な凹部1252が形成される。また、この区画壁下部125の側面は、光源ランプ11が発した光を乱反射しやすい表面性状に形成される。
【0044】
この区画壁下部125の数や、区画壁下部125どうしの間の間隔は特に限定されるものではない。ただし、略等間隔で、シャーシ12bの底面121bの中心線Aを中心に線対称の位置に形成されることが好ましい。
【0045】
シャーシ12bのこのほかの構造は、従来一般のものと同じ構造が適用できる。簡単に説明すると、底面121bおよび傾斜面124の前面側の表面は、光源ランプ11から発せられた光を乱反射しやすい性状に形成される。傾斜面124の先端からは、底面121bの面方向に略平行な載置面123bが設けられる。この載置面123bは、光学シート類15の周縁部が載置される面である。
【0046】
区画壁上部13bは、光源ランプ11の管体111が収納される空間を分割する部材である。この区画壁上部13bは細長い板状の部材であり、断面は略三角形に形成される。この区画壁上部13bの背面側の面には、光源ランプ11の管体111を遊嵌可能な凹部131bが形成される。また、この区画壁上部13bの側面(すなわち前記背面側以外の面)の表面は、光源ランプ11が発した光が乱反射しやすい性状を備える。
【0047】
フレーム17bは、光源ランプ11や光学シート類15をシャーシ12bに保持する部材である。このフレーム17bは、開口した四辺形に形成される。外周縁に沿って衝立状に背面側に向かって起立する側壁を備え、略L字形状の断面形状を有する。
【0048】
なお、光源ランプ11、光源ランプ11の管体111に装着される弾性リング112、光学シート類15、光源駆動回路基板(図示せず)は、前記第一の実施例と同じものが適用できることから、説明は省略する。
【0049】
このような部材を備える光源ユニット1bの組み付けは、次の通りである。図5は、この実施例に係る光源ユニット1bの組みつけ途中の状態を示した一部分解斜視図である。具体的には、シャーシ12bに、光源ランプ11と、区画壁上部13bとが組み付けられた状態を示す。
【0050】
まず、光源ランプ11の管体111に弾性リング112を装着する。そして、光源ランプ11をシャーシ12bの前面側に載置する。弾性リング112が装着される位置は、光源ランプ11をシャーシ12bの前面側に載置した際に、弾性リング112が区画壁下部125の凹部1252に嵌合する位置とする。そして、区画壁上部13bを区画壁下部125の上面に装着する。
【0051】
これにより、区画壁下部125と区画壁上部13bとが一体化し、シャーシ12bの底面121bから前面側に向かって突起する区画壁が構成される。この区画壁は全体として断面が略三角形となる。この区画壁の先端の高さは、載置面123bの高さとほぼ同じとなることが好ましい。また、光源ランプ11の管体111は、区画壁下部125と区画壁上部13bにより、シャーシ12bに保持される。この結果図5に示すように、光源ランプ11の管体111が収納される領域は、区画壁下部125および区画壁上部13bにより、複数の区画に分割される。そして、各光源ランプ11がこれら複数の区画にまたがって配設される構成となる。
【0052】
この状態で光学シート類15を載置面123bに載置し、さらにフレーム17bを装着する。これにより、光源ランプ11、区画壁上部13b、光学シート類15は、シャーシ12bから脱落不可能に保持される。
【0053】
区画壁上部13bの先端は、光学シート類15にほぼ接触する高さとなる。また、区画壁下部125および区画壁上部13bの凹部1252,131bの内壁面と、各光源ランプ11の管体111の間には、弾性リング112が介在している。したがって、分割された区画の相互間では、空気の移動ができなくなるか、または移動が大きく制限される。
【0054】
この光源ユニット1bが、光源ランプ11の両端で位置的な高低差を有する向きに設置されると、区画壁下部125および区画壁上部13bに仕切られる各区画も、互いに高低差がある状態に列ぶ。この状態で光源ユニット1bを使用すると、各区画内に存在する空気は、光源ランプ11やその他の部材が発する熱により加熱されて温度上昇する。そして、温度が上昇した空気は各区画内を上方へ移動する。しかしながら温度上昇した空気は、区画壁下部125および区画壁上部13bにより、隣接する別の区画に移動することができないか、または移動が大きく制限される。このため、温度の高い空気が光源ランプ11の上端近傍に集まることを防止、または遅らせることができ、光源ランプ11の全長にわたって温度差がない状態を維持できる。
【0055】
このため、たとえば光源ユニット1bを、光源ランプ11の管体111が略垂直方向に立った状態で使用したとしても、温度分布の不均一に起因する水銀の低温部分への集中を抑制できる。したがって、光源ランプ11の寿命に悪影響を与えることなく、光源ユニット1bの使用の自由度を高くできる。
【0056】
なお、区画壁下部125および区画壁上部13bは、シャーシ12bの底面121bの中心線Aを中心に線対称に設けられる。したがって、どちらの短辺を上側に位置するようにして使用しても、同様の作用効果を奏することができる。
【0057】
また、光学シート類15は、区画壁上部13bの先端で支持される構成となる。したがって、従来のような支持ピンを配設する必要がなくなる。さらに、光源ランプ11の管体111は、区画壁下部125および区画壁上部13bにより支持される。したがって、従来のようなランプクリップを配設する必要もなくなる(支持ピンおよびランプクリップについては図8参照)。そして、区画壁下部125および区画壁上部13bの側面は傾斜を有しており、また、光を乱反射しやすい表面性状に形成される。したがって、これらの面は反射面として機能し、表示品位に悪影響を与えない。
【0058】
次に、この光源ユニット1bが組み込まれる表示装置について説明する。図6は、この光源ユニット1bが組み込まれる表示装置の構成を模式的に示した分解斜視図である。この表示装置は、前記光源ユニット1bと、液晶モジュール31と、ベゼル32bと、コントロール回路基板(図示せず)とを備える。液晶モジュール31は、液晶表示パネルと、この液晶パネルを駆動するドライバ類を備える。コントロール回路基板は、液晶モジュール31のドライバ類を制御する制御信号を生成する。これらの各部材は、従来一般の構成のものが適用できることから、説明は省略する。
【0059】
そして、光源ユニット1bの前面側に液晶モジュール31が配設され、さらにその前面側からベゼル32bが装着される。またシャーシ12bの背面側には、コントロール回路基板や、その他必要な部品などが装着される。このような構成の表示装置3bは、光源ユニット1bから発せられた光が液晶モジュール31を透過することにより、液晶モジュール31の前面側に画像が可視状態に表示される。
【0060】
このような表示装置3bによれば、光源ランプ11の寿命に悪影響を与えることなく、液晶モジュールを縦長の向きに配置して使用できる。したがってたとえば広告用の表示装置など、縦長の画面を用いて画像を表示する用途などに好適に用いることができる
【0061】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、前記実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変が可能である。
【0062】
たとえば、第一の実施例においては、各区画壁13aが一体的に形成される構成を示したが、複数の部品が組み合わされて形成される構成であってもよい。図7は、第一の実施例の変形例を示した分解斜視図であり、区画壁13a’が、複数の部品が組み合わされて形成される構成を有する。この変形例に係る区画壁13a’は、前面側の部品130aと背面側の部品130bとを備える。前面側の部品130aと背面側の部品130bの接合面には、光源ランプ11の管体111のを遊嵌できる凹部が形成される。そして、前面側と背面側とから光源ランプ11の管体111を挟持する。このような構成であれば、光源ランプ11に区画壁13a’を装着する作業が容易となる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、水銀を含有するか否かにかかわらず、温度分布が不均一となると寿命に悪影響を与えるような光源ランプを備える光源ユニットであれば適用できる。また、温度の不均一が機能や作用に悪影響を与えるような光源ランプを備える光源ユニットにも適用できる。この場合、温度を均一とすることにより、光源ランプの機能や作用の改善を図ることができる。たとえば温度が不均一となると輝度が不均一となるような光源ランプなどを備える光源ユニットに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態に係る光源ユニットの第一の実施例の構成を模式的に示した分解斜視図である。
【図2】前記光源ユニットの実施例の構成を模式的に示した一部分解斜視図であり、シャーシに光源ランプと区画壁とが装着された状態を示す。
【図3】前記実施例の光源ユニットが組み込まれた表示装置の構成を模式的に示した一部分解斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る光源ユニットの第二の実施例の構成を模式的に示した分解斜視図である。
【図5】前記光源ユニットの第二の実施例の構成を模式的に示した一部分解斜視図であり、シャーシに光源ランプと区画壁とが装着された状態を示す。
【図6】前記実施例の光源ユニットが組み込まれた表示装置の構成を模式的に示した一部分解斜視図である。
【図7】前記の実施例光源ユニットの第一実施例の変形例の構成を示した分解斜視図である。
【図8】従来の光源ユニットと、この光源ユニットが組み込まれた表示装置の構成の一例を模式的に示した分解斜視図である。
【符号の説明】
【0065】
1a 光源ユニット
11 光源ランプ
111 光源ランプの管体
112 弾性リング
12a シャーシ
121a シャーシの底面
122a シャーシの側壁
123a シャーシの載置面
13a 区画壁
14 反射シート
15 光学シート類
16 サイドホルダ
17a フレーム
21 光源駆動回路基板
22 光源駆動回路基板のカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に水銀が封入される光源ランプを備える光源ユニットであって、互いに空気の移動が不可能または困難に画成される複数の区画と、該複数の区画にまたがって配設される光源ランプを備えることを特徴とする光源ユニット。
【請求項2】
内部に水銀が封入される光源ランプを備える光源ユニットであって、光源ランプが収納される領域が、互いに空気の移動が不可能または困難な複数の区画に区分けされ、前記光源ランプが前記複数の区画にまたがって配設されることを特徴とする光源ユニット。
【請求項3】
前記複数の区画は、光を照射する側に向かって先細り形状に形成される区画壁により画成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光源ユニット。
【請求項4】
請求項1から請求項3に記載のいずれかの光源ユニットを備えることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−293660(P2008−293660A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−251220(P2005−251220)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】