説明

光源装置、バックライトユニット、および液晶表示装置

【課題】LED素子からの発熱によるLEDモジュールの温度上昇に伴い実装基板が熱膨張する際の熱応力によるLEDモジュールの破損や変形の発生が抑制され、輝度むらの発生が低減された光源装置を提供する。
【解決手段】ヒートシンク130の一部を切り欠いて形成された係止爪132と、ヒートシンク130上に長手方向に列状に載置されたLEDモジュール110の長手方向端部とを、熱収縮チューブ160内部に挿入した状態で加熱により当該熱収縮チューブ160を収縮させて一体的に拘束し、LEDモジュール110をヒートシンク130上に緊着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子を光源とする光源装置、当該光源装置を備えたバックライトユニット、および当該バックライトユニットを備えた液晶表示装置に関し、特に、長尺状の基板に複数の半導体発光素子を列状に実装してなる発光モジュールをヒートシンクに取り付ける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
各種照明装置に装着して使用される光源装置(発光ユニット)として、近年、LED(Light Emitting Diode)チップなどの半導体発光素子が実装基板上に実装されたLEDモジュール(発光モジュール)を用いたものが、直下形、直管形蛍光灯などの代替照明として使用されるようになっている。
また、液晶テレビ、液晶ディスプレイなどの液晶表示装置では、液晶パネルの背面に光を照射するバックライトユニットの線状光源としても、LEDモジュールを用いた光源装置が使用されるようになっている。
【0003】
液晶表示装置のバックライトユニットとしては、線状の光源装置から導光板の側面に光を照射して、導光板の側面を通って内部に侵入した光を、相互に対向する表面および裏面にて反射させて伝搬させる間に、導光板の表面から出射させて、液晶パネルに照射するエッジライト方式が知られている。
エッジライト型のバックライトユニットの光源装置には、近年、LEDを長尺状の基板に複数配列した発光モジュールが利用されている。当該発光モジュールは、発光時の温度上昇を抑えるためにヒートシンクに取り付けられて使用されるのが一般的であり、その取り付けはネジによるネジ止めなどで行われている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−109404号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、発光モジュールをヒートシンクにネジ止めする場合、発光素子から発生する熱により発光モジュールの温度が上昇して発光モジュールが膨張すると、ネジで固定されているため、熱応力により発光モジュールの変形や破損を招く虞がある。
さらに、発光モジュールの基板にはネジ止めのためのネジ孔が必要となり、ネジ孔を設けることによって基板に半導体発光素子を実装できない場所が生じるため、その場所が暗がりとなって光源装置に輝度むらが生じる。加えて、発光モジュールの発光素子から発生した光が、ネジ山により遮られて影が生じる部分があり、これによっても光源装置に輝度むらが生じる。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑み、熱応力による発光モジュールの変形や破損の虞が小さく、且つ、輝度むらが生じ難い光源装置、および当該光源装置を備えたバックライトユニット、並びに当該バックライトユニットを備えた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の一側面に係る光源装置は、長尺状の基板の一方の主面に複数の半導体発光素子が配された構成の発光モジュールと、長尺状であり、その長手方向を前記基板の長手方向と揃えた状態で前記基板の他方の主面に対向するように配された熱伝導部材と、前記熱伝導部材の短手方向における一側から他側へと前記基板の主面をまたいで緊張状態で掛け渡され、その緊張力により前記発光モジュールの基板を前記熱伝導部材に向けて押圧する外囲部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の別の側面に係るバックライトユニットは、上記光源装置を備えることを特徴とする。
さらに、本発明の別の側面に係る液晶表示装置は、上記バックライトユニットと、当該バックライトユニットより光が照射される液晶パネルと、当該液晶パネルに映像信号を印加するとともに、前記印加のタイミングに同期させて前記光源を切り替えながら点灯させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記構成により、発光モジュールの長手方向における微少な変位を許容しつつ、発光モジュールを熱伝導部材上に圧着することができる。
さらに、前記外囲部材は、外的要因により径方向に収縮された収縮チューブであってもよい。
これにより、外囲部材の取り扱いが容易で作業性がよいという効果がある。
【0010】
また、前記外的要因は、熱であってもよい。
これにより、加熱という容易な手段により発光モジュールを熱伝導部材上に圧着することができる。
ここで、前記発光モジュールは、前記半導体発光素子が封止部材によって封止された構成であり、前記封止部材は、蛍光体を含んでもよい。
【0011】
これにより、例えば、半導体発光素子から発せられた青色光を変換して白色光を得ることができる。
さらに、前記外囲部材は、前記基板の主面の前記封止部材が存在しない部分をまたいで掛け渡されていてもよい。
これにより、発光モジュールから発せられた光が外囲部材によって遮られることなく光源装置から出射され、光を有効に利用することができる。
【0012】
また、前記外囲部材は、透光性を有してもよい。
これにより、発光モジュールの発光面を外囲部材が覆っている場合においても、発光モジュールから出射した光が外囲部材を透過して出射されるため、輝度むらの発生を抑制することができる。
また、前記熱伝導部材は、その短手方向における一側から他側へと連通する貫通孔と、前記基板に対向する主面においてその短手方向に形成され前記貫通孔と主面とを連通するスリットと、を備え、前記貫通穴は、前記主面に対向し当該主面に平行な対向面を有し、当該熱伝導部材のうち、前記対向面、前記スリットおよび前記主面により囲まれる部分と、前記発光モジュールの長手方向における端部とが、前記チューブに内包されて、前記収縮により付与された前記緊張力により一体的に拘束されていてもよい。
【0013】
これにより、熱伝導部材と発光モジュールとを外囲部材によって一体的に拘束する際に、別部材を必要とせず、コスト抑制に資することができる。
ここで、さらに、前記発光モジュールおよび前記熱伝導部材は、長手方向における略全体が前記外囲部材の内部に収容されていてもよい。
これにより、外囲部材の内部に発光モジュールと熱伝導部材とを一体的に挿入する作業を容易に行うことができ、熱伝導部材に貫通孔およびスリットを形成する工程を省略することができる。
【0014】
また、ここで、前記熱伝導部材の一側および他側には、係止爪が設けられ、前記外囲部材の両端が前記係止爪に係止されていてもよい。
これにより、熱伝導部材の一側から他側へ外囲部材を掛け渡す作業を容易に行うことが出来る。
さらに、ここで、前記外囲部材は、前記半導体発光素子から放出された光の波長を変更してもよい。
【0015】
これにより、外囲部材によって発光モジュールから出射される光の光色を変更することができる。
また、前記外囲部材は、少なくとも前記半導体発光素子を覆う部分において、前記半導体発光素子から放出された光の一部により励起され異なる波長の光を放射する蛍光体を含んでもよい。
【0016】
これにより、発光モジュールに封止部材を設ける工程を省略することができる。
さらに、前記外囲部材は、前記発光モジュール上面において前記半導体発光素子の存在しない箇所を覆う部分に光通過開口部を備えてもよい。
これにより、光源装置の輝度むらを低減することができる。
ここで、前記外囲部材は、前記熱伝導部材を覆う部分に放熱開口部を備えてもよい。
【0017】
これにより、熱伝導部材からの放熱性を高めて、半導体発光素子からの熱による発光モジュールの温度上昇を抑制することができる。
ここで、また、前記外囲部材は、径方向に収縮した熱収縮コイルであってもよい。
これにより、発光モジュールおよび熱伝導部材が外囲部材により覆われる面積を低減し、放熱性を高めて半導体発光素子からの熱による発光モジュールの温度上昇を抑制することができる。
【0018】
また、本発明を上記の特徴を備える光源装置を用いたバックライトユニットまたは液晶表示装置とすることもできる。この場合においても、上記と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の各実施の形態および各変形例に係る光源装置である発光ユニットを備えたバックライトユニットの概略構成を示す分解斜視図。
【図2】本発明の実施の形態1に係る発光ユニットの構成を示す分解斜視図であって、発光モジュールがヒートシンクに固定される前の状態を示す図。
【図3】本発明の実施の形態1に係る発光ユニットの構成を示す図であって、(a)は、発光モジュールがヒートシンクに固定された状態を示す外観斜視図であり、(b)は(a)における矢印Aの方向から見た図。
【図4】本発明の実施の形態2に係る発光ユニットの構成を示す分解斜視図であって、発光モジュールがヒートシンクに固定される前の状態を示す図。
【図5】本発明の実施の形態2に係る発光ユニットの構成を示す外観斜視図であって、発光モジュールがヒートシンクに固定された状態を示す図。
【図6】本発明の実施の形態2に係る発光ユニットの図5における矢印Bの方向から見た仮想平面P1による断面図。
【図7】本発明の変形例1に係る発光ユニットの構成を示す図であって、(a)は発光モジュールがヒートシンクに固定された状態を示す外観斜視図であり、(b)は発光モジュールがヒートシンクに固定される前の状態において(a)における仮想平面P2による断面を矢印Bの方向から見た断面図。
【図8】本発明の変形例2に係る発光ユニットの構成を示す図であって、(a)は発光モジュールがヒートシンクに固定された状態を示す外観斜視図であり、(b)は発光モジュールがヒートシンクに固定される前の状態において(a)における仮想平面P3による断面を矢印Bの方向から見た断面図。
【図9】本発明の変形例3に係る発光ユニットの構成を示す図であって、(a)は発光モジュールがヒートシンクに固定された状態を示す外観斜視図であり、(b)は(a)における矢印Aの方向から見た図。
【図10】本発明の変形例4に係る発光ユニットの構成を示す外観斜視図。
【図11】本発明の変形例4に係る発光ユニットの図10における仮想平面P4による断面図を矢印Bの方向から見た図。
【図12】本発明の変形例5に係る発光ユニットを図10における仮想平面P4により切断した断面図を矢印Bの方向から見た図。
【図13】本発明の変形例6に係る発光ユニットの構成を示す図であって、(a)はその外観を示す斜視図であり、(b)は(a)における矢印Aの方向から見た図であって発光モジュールからの出射光の様子を模式的に示す図。
【図14】本発明の変形例7に係る発光ユニットの構成を示す外観斜視図。
【図15】本発明の変形例8に係る発光ユニットの構成を示す斜視図。
【図16】本発明の各実施の形態および各変形例に係る発光ユニットを備えたバックライトユニットを用いた液晶表示装置の概略構成を示す一部切り欠き斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る光源装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
(1−1.バックライトユニットおよび液晶表示装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光源装置である発光ユニット1を搭載したバックライトユニット100の概略構成を示す分解斜視図であり、図1において、X軸方向がバックライトユニット100の厚み方向(X軸(+)方向がバックライトユニット100の光取出方向)、Y軸方向がバックライトユニット100の左右方向(長手方向)、Z軸方向がバックライトユニット100の上下方向(短手方向)である。なお、図1以外の本願の図面についても、X軸,Y軸,Z軸で方向が記載されている場合は同様の方向を示すものとする。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態に係るバックライトユニット100は、エッジライト(サイドライト)型のバックライトユニットであって、筐体101、反射シート102、導光板103、拡散シート104、プリズムシート105、偏光シート106、点灯回路107、複数のLEDモジュール(発光モジュール)110、フレキシブルプリント配線板120、および、ヒートシンク(熱伝導部材)130等を備える。
【0022】
筐体101は、例えば亜鉛メッキ鋼板等の金属製であり、箱形の筐体本体101aと、上辺部101b、右辺部101c、下辺部101dおよび左辺部101eで構成される方形の外枠とを備え、筐体本体101aに外枠を取り付けて筐体101を組み立てた状態において、外枠で囲まれた領域が光取出口となる。筐体101の内部には、反射シート102、導光板103、拡散シート104、プリズムシート105、および、偏光シート106が筐体本体101aの底面側からその順で積層されている。筐体101の内部における導光板103の下方には、複数のLEDモジュール110、フレキシブルプリント配線板120、および、ヒートシンク130が配置されている。LEDモジュール110、フレキシブルプリント配線板120、および、ヒートシンク130は、発光ユニット1を構成する。詳しくは後述する。
【0023】
筐体101内に収容された複数のLEDモジュール110から発せられた光は、導光板103の下側側面である光入射面103aから導光板103内部に入射し、導光板103の前面である光取出面103bから出射して、拡散シート104、プリズムシート105、および、偏光シート106を透過し、筐体101の光取出口から外部へ取り出される。
反射シート102は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)製の略方形のシートであって、導光板103の背面側に配置されており、導光板103の背面から出射する光を光取出面103bへ向けて反射する。なお、反射シート102は、金属光沢を有する金属箔やAgシート等であっても良い。
【0024】
導光板103は、例えばPC(ポリカーボネート)樹脂製で、X軸方向の寸法(厚み)が約4[mm]、Y軸方向の寸法(長手方向の寸法)が約1040[mm]、Z軸方向の寸法(短手方向の寸法)が約600[mm]の略方形の板材であって、LEDモジュール110の配置に応じてドットパターン(不図示)が形成されており、LEDモジュール110の光は、導光板103を透過する際に拡散および平均化され、導光板103の光取出面103bから取り出される。
【0025】
拡散シート104は、例えばPETまたはPC樹脂製の略方形のフィルムであって、導光板103の光取出面103bにほぼ密着した状態で積層されている。
プリズムシート105は、例えばポリエステル樹脂からなる面材の一方の表面にアクリル樹脂で均一なプリズムパターンを成形してなる透光性を有する略方形の光学シートであって、拡散シート104の光取出側に積層されている。
【0026】
偏光シート106は、例えばPCフィルムとポリエステルフィルムとアクリル系樹脂とを接合させたものまたはPEN(ポリエチレンナフタレート)製の略方形のフィルムであって、プリズムシート105の光取出側に積層されている。
点灯回路107は、筐体101の背面に取り付けられており、各LEDモジュール110に電力を供給する。また、LEDモジュール110に流れる電流を制御する。なお、点灯回路107は筐体101の内部、例えばLEDモジュール110の実装基板111上に形成してもよい。そうすれば外部との接続ラインが、回路を動作させるための電源ライン、および、明るさを調整するための制御信号ラインだけとなり、結線を簡略化できる。
【0027】
図16は、実施の形態1に係る光源装置である発光ユニット1を搭載したバックライトユニット100を用いた液晶表示装置10の概略構成を示す一部切り欠き斜視図である。同図に示すように、液晶表示装置10は、例えば46インチの液晶テレビであり、液晶パネル等を含む液晶画面ユニット2と、液晶画面ユニット2の背面に配されたバックライトユニット100とを備える。液晶画面ユニット2は、公知のものであって、液晶パネル(カラーフィルター基板、液晶、TFT基板等)(不図示)及び駆動モジュール等(不図示)を備え、外部からの画像信号に基づいてカラー画像を形成する。
(1−2.光源装置の構成)
図2は、本実施の形態における光源装置である発光ユニット1の構成を示す分解斜視図である。同図に示すように、発光ユニット1は、複数のLEDモジュール110と、当該LEDモジュール110が列状に配置されるヒートシンク130と、LEDモジュール110に電力を供給するフレキシブルプリント配線板120とを備える。なお、同図においては、LEDモジュール110がヒートシンク130に固定される前の状態を示す。
【0028】
各LEDモジュール110は、長尺状の実装基板(基板)111と、当該実装基板111に列状に実装された複数のLED素子(半導体発光素子)112と、それらLED素子112を封止する波長変換体113とを備え、ヒートシンク130の搭載面(LEDモジュール110を搭載するためのモジュール搭載面、以下、単に「搭載面」という。)131上に、導光板103の光入射面103a(図1参照)に対向するように配置される。
【0029】
実装基板111は、例えば、X軸方向(短手方向)の寸法が約4[mm]、Y軸方向(長手方向)の寸法が約51[mm]、Z軸方向の寸法(厚み)が約1[mm]の板状のセラミック基板である。この場合、図2に示すように、実装基板111の下面(裏面)111aは、X軸方向の寸法が約4[mm]、Y軸方向の寸法が約51[mm]となり、面積は204[mm]となる。なお、実装基板111は、エポキシ系樹脂等の樹脂基板とすることも可能である。
【0030】
実装基板111上面には、電極対116,117が設けられており、当該電極対116,117と点灯回路107とがフレキシブルプリント配線板120を介して導通接続されており、この接続によりLED素子112を発光させるための電力が供給される。
実装基板111の上面111bは、反射面となっており、LED素子112から実装基板111側に出射された光を反射させることで輝度効率の向上が図られている。
【0031】
各LED素子112は、例えば、光透過性の基板上にGaN系化合物半導体層が形成された青色光を発する発光ダイオードである。
波長変換体113は、例えば、蛍光体(不図示)を分散させたシリコーン樹脂からなり、LED素子112を封止している。当該波長変換体113は、例えば、蛍光体によってLED素子112により発せられる青色光の一部を補色である黄緑色光に変換し、その黄緑色光と蛍光体により変換されなかった青色光との混色により白色光を作り出す。なお、本発明の蛍光体とは、LED発光素子から放出された光により励起され異なる波長の光を放射するものであり、例えば珪窒化物よりなる赤および緑蛍光体の混合物やYAG蛍光体等が挙げられる。
【0032】
フレキシブルプリント配線板120は、ポリイミド製のベースフィルム121に、銅によって導電パターン122を形成したものであって、厚みが80〜150[μm]であり、ヒートシンク130の側方(短手方向側)に当該ヒートシンク130の長手方向に沿って配される帯状の主配線123と、当該主配線123から各LEDモジュール110の電極対116,117に向けて延出された複数の帯状の副配線124とを備える。
【0033】
フレキシブルプリント配線板120は、薄く屈曲性に優れているため、パッケージスペースの狭い筐体101の内部においても比較的自由に引き回すことができる。したがって、バックライトユニット100の小型化に有利である。特に、フレキシブルプリント配線板120は、配線を分岐させても配線が絡まったり嵩張ったりし難いため、複数のLEDモジュール110を備えるバックライトユニット100において小型化に有利である。
【0034】
主配線123は、Y軸方向の寸法(長手方向の寸法)が約1100[mm]、Z軸方向の寸法(短手方向の寸法)が約10[mm]であり、長手方向一端部にはコネクタ140が取り付けられている。
副配線124は、Y軸方向の寸法(長手方向の寸法)が約5[mm]、Z軸方向の寸法(短手方向の寸法)が約15[mm]である。各副配線124の先端部124aには導電パターン122の一部で構成される一対のランド122a、122bが設けられており、それらランド122a、122bとLEDモジュール110の電極対116,117とが導電性両面テープや半田等の導電性接着剤150(図6参照)を介してそれぞれ電気的に接続される。
【0035】
ヒートシンク130は、例えば、X軸方向の寸法(厚み)が約4[mm]、Y軸方向の寸法(長手方向の寸法)が約1040[mm]、Z軸方向の寸法(短手方向の寸法)が約30[mm]で、略直方体形状のアルミ製であって、熱伝導率は約236[W/mK]である。なお、ヒートシンク130は、アルミ製に限定されず、銅、カーボン、セラミック等のようなLEDモジュール110の熱をモジュール外部に放熱することができるような熱伝導率の高い材料で形成されていればよい。また、ヒートシンクの熱抵抗率は、フレキシブルプリント配線板120の熱抵抗率よりも小さいことが好ましい。
【0036】
ヒートシンク130は、搭載面131を有し、当該搭載面131が導光板103の光入射面103aと対向するように配置されている。搭載面131には、LEDモジュール110が実装基板111の長手方向と搭載面131の長手方向とを一致させた状態で、例えば、一定の間隔を空けて直線状に20[個]配置されている。
ヒートシンク130の搭載面131には、LEDモジュール110の取り付け位置に合わせて、即ち、例えば、LEDモジュール110が直線状に配列された場合に、それぞれのLEDモジュール110の実装基板111の長手方向両端部が載置される位置に、その一部を切り欠いて係止爪132が形成されている。ヒートシンク130の切り欠き部は、当該ヒートシンク130の搭載面131側から見ると、短手方向に沿ってヒートシンク130の片側からもう片側へと連通した帯状の形状となっており、側面から見ると、T字を上下逆にした形状をしている(図3(b)参照)。当該切り欠き部の逆T字の縦線に相当する部分の長さは、ヒートシンク130の高さ(Z軸方向における長さ)よりも短い。切り欠かれずに残された逆T字の横線に相当する部分と搭載面131との間の部分が係止爪132であり、切り欠かれた逆T字の縦線に相当する部分を介して互いに対向する向きに長手方向に沿って突出している。
【0037】
円筒形状を有し加熱されると径方向に収縮する性質を備えた樹脂等から成る熱収縮チューブ(外囲部材)160が、熱収縮チューブ160の軸方向とヒートシンク130および実装基板111の長手方向とが略一致する方向で、その内部に係止爪132が挿入される形で当該係止爪132に装着される。
係止爪132に熱収縮チューブ160が装着された状態で、LEDモジュール110の長手方向の一端を熱収縮チューブ160の内部に挿入し、他端を当該他端が載置される位置に形成された係止爪132に装着された別の熱収縮チューブ160内部に挿入した状態で、LEDモジュール110がヒートシンク130上に載置される。この状態において、熱収縮チューブ160または発光ユニット1全体が、熱収縮チューブ160が収縮する温度(以下「収縮温度」という。)に加熱される。これにより熱収縮チューブ160が収縮し、係止爪132とその上に載置されたLEDモジュール110とが、熱収縮チューブ160によって束ねられるように一体的に拘束される。
【0038】
ここで、上記「拘束」とは、LEDモジュール110が、長手方向にのみ微少な変位可能にヒートシンク130の搭載面131上に保持されることを表すとする。本明細書中においては、以下、同様の意味で用いるとする。
また、上記熱収縮チューブ160には、高い透光性を有し、光色をほとんど変更しないものが用いられる。好ましくは無色透明の熱収縮チューブである。
【0039】
さらに、上記熱収縮チューブ160には、LEDモジュール110が熱収縮チューブ160を収縮させる際に加えられた熱によって損傷を受けない程度の収縮温度のものが用いられる。具体的には、例えば、素材としてはポリオレフィン製で、収縮温度100[℃]以下のものである。
上記加熱されて収縮した熱収縮チューブ160によりLEDモジュール110がヒートシンク130上に拘束された状態の発光ユニット1を図3(a)に示す。図3(b)は、図3(a)の矢印Aの方向から見た図である。このように、LEDモジュール110がヒートシンク130の一部である係止爪132上に載置された状態で双方が一体的に熱収縮チューブ160内部に拘束されているため、LED素子112からの熱によりLEDモジュール110の温度が上昇した場合には、当該LEDモジュール110は搭載面131上を摺接しながら長手方向に熱膨張することができる。これにより、熱応力によるLEDモジュール110の変形や破損を回避することができる。
【0040】
また、実装基板111の長手方向両端部にネジ穴のためのスペースを設ける必要が無いので、実装基板の長手方向端部の極近傍にまでLED素子112を実装することができ、且つ、LEDモジュール110の長手方向端部と係止爪132とを拘束する熱収縮チューブ160は透光性を有するため、隣り合うLEDモジュール110間におけるLED素子112が存在しない領域を非常に小さくすることができ、輝度むらの発生を低減することができる。
【0041】
さらに、変形により実装基板111が反って搭載面131から浮き上がることも無いので、輝度ムラの発生を抑制できると共に、LEDモジュール110からヒートシンクへの放熱効率の低下も防ぐことが出来る。
なお、図3(a)、(b)においては、複数のLEDモジュール110が、長手方向において互いに若干の間隔を空けて搭載面131上に列状に配置されているが、これに限られず、LEDモジュール110は互いに間隔を空けずに配置されていてもよい。この場合においても、ヒートシンク130上に配置された複数のLEDモジュールから成る列の両端において個々のLEDモジュール110の熱膨張を許容して、LEDモジュール110の変形や破損を防止することができる。
【0042】
また、前記円筒形状には、図2に示すような軸方向の長さの短い所謂バンド状や環状のものも含む。
<実施の形態2>
実施の形態1では、LEDモジュール110の実装基板111の長手方向におけるそれぞれの端部を、ヒートシンク130を一部切り欠いて形成された係止爪132と共に、バンド状の熱収縮チューブ160により束ねて一体的に拘束する構成について説明した。本実施の形態2では、ヒートシンク130に係止爪132を設けずに、発光ユニット1全体を熱収縮チューブ160内部に収容して一体的に拘束する構成について説明する。なお、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容のものについてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
【0043】
図4は、本実施の形態の発光ユニット1の構成を示す斜視図であり、LEDモジュール110とヒートシンク130とが一体的に拘束される前の状態を示す。同図に示すように、複数のLEDモジュール110がヒートシンク130の搭載面131上に長手方向に列状に載置され、LEDモジュール110の電極対116、117(図2参照)とフレキシブルプリント配線板120の副配線124の先端に設けられたランド122a、122bとが、導電性接着剤150(図6参照)を介してそれぞれ電気的に接続される。この状態において、LEDモジュール110、ヒートシンク130、およびフレキシブルプリント配線板120が、一体となって熱収縮チューブ160内部に挿入される。
【0044】
そして、熱収縮チューブ160は、収縮温度まで加熱されて収縮し、一体的に組み集められたLEDモジュール110、ヒートシンク130、およびフレキシブルプリント配線板120の長手方向における周面に被着される。これにより、LEDモジュール110、ヒートシンク130、およびフレキシブルプリント配線板120が、熱収縮チューブ160内部に一体的に拘束される。
【0045】
上記加熱されて収縮した熱収縮チューブ160によりLEDモジュールがヒートシンク上に拘束された状態の発光ユニット1を図5に示す。図6は、図5の仮想平面P1による発光ユニット1の断面を矢印Bの方向から見た図である。ヒートシンク130と、その上に載置されたLEDモジュール110と、実装基板111上の電極対116、117に対して電気的に接続され、且つヒートシンク130の側面に沿って延設されたフレキシブルプリント配線板120とが、これらの周面を囲むように熱収縮チューブ160に内包されている。熱収縮チューブ160は透光性を有しており、LED素子112から発生した光および波長変換体113により波長が変換された光は、熱収縮チューブ160を透過して光入射面103aから導光板103の内部へと入射する。なお、熱収縮チューブを光が透過する際には、光の波長が変換されないことが望ましいが、LEDモジュール110から発生した光の光色を変更する目的のある場合には、この限りではない。
【0046】
上述した構成を採ることにより、LEDモジュール110は、熱収縮チューブ160によってヒートシンク130上に周面方向においてのみ拘束されているため、LED素子112からの熱によりLEDモジュール110の温度が上昇した場合には、実装基板111は搭載面131上を摺接しながら長手方向に熱膨張することができる。従って、熱応力によるLEDモジュール110の変形や破損を回避することができる。
【0047】
また、変形により実装基板111が反って搭載面131から浮き上がることも無いので、輝度むらの発生を抑制できる。
加えて、熱収縮チューブ160により、LEDモジュール110はヒートシンク130の搭載面131に押し付けられる方向の力が加えられるため、実装基板111とヒートシンク130との密着性が高まり、ヒートシンクへの放熱効率がよい。
【0048】
さらに、LEDモジュール110の実装基板111の長手方向両端部に、ヒートシンク130に固定するためのネジ穴等を設けるスペースを確保する必要がないため、当該スペース上にもLED素子112を実装することが出来る。これにより、LEDモジュール110を長手方向に列状に配置した場合に、隣り合うLEDモジュール110間におけるLED素子112が存在しない領域を非常に小さくすることができ、輝度むらの発生を低減することができる。
【0049】
なお、図4、図5においては、複数のLEDモジュール110が、長手方向において互いに若干の間隔を空けて搭載面131上に列状に配置されているが、これに限られず、LEDモジュール110は互いに間隔を空けずに配置されていてもよい。この場合においても、ヒートシンク130上に配置された複数のLEDモジュールから成る列の両端において個々のLEDモジュール110の熱膨張を許容して、LEDモジュール110の変形や破損を防止することができる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することが出来る。なお、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容のものについてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
(1)上記実施の形態1においては、ヒートシンク130の上面および側面に連通するようにヒートシンク130を切り欠いて一対の係止爪132が互いに対向して形成されるが、これに限られず、ヒートシンク130の長手方向における両側の側面をそれぞれ切り欠いて一対の係止爪が形成されるとしてもよい。
【0050】
本変形例に係る発光ユニット1の外観斜視図を図7(a)に示す。また、加熱されて収縮する前の状態における本変形例に係る発光ユニット1の、図7(a)の仮想平面P2による断面を矢印Bの方向から見た断面図を図7(b)に示す。両図に示すように、係止爪133は、ヒートシンク130の長手方向における側面を切り欠いて形成されている。
熱収縮チューブ160は、一方の係止爪133から他方の係止爪133へとヒートシンク130およびLEDモジュール110の上面をまたいで掛け渡され、図7(b)に示すように、収縮前の状態においては2つのループを形成している。そして、それぞれのループ内部に隣り合うLEDモジュール110の隣り合う長手方向端部が挿入され、加熱により熱収縮チューブ160が収縮して図7(a)に示すように、LEDモジュール110がヒートシンク130上に拘束される。
【0051】
本変形例においては、ヒートシンク130の搭載面131上に長手方向に列状に載置されたLEDモジュール110の隣り合う端部はひとつの熱収縮チューブによってヒートシンク130に拘束される。ただし、複数のLEDモジュール110から成る列の両端部は、実施の形態1と同様の方法によりヒートシンク130に拘束される。
(2)上記実施の形態1および変形例1においては、ヒートシンク130の一部を切り欠いて係止爪132および133がそれぞれ形成されるが、これに限られず、ヒートシンク130の長手方向における両側の側面に突出する形で係止爪が形成されるとしてもよい。
【0052】
本変形例に係る発光ユニット1の外観斜視図を図8(a)に示す。また、加熱されて収縮する前の状態における本変形例に係る発光ユニット1の、図8(a)の仮想平面P3による断面を矢印Bの方向から見た断面図を図8(b)に示す。両図に示すように、係止爪134は、ヒートシンク130の長手方向側面から側面に垂直な方向に突出して形成されており、その端部はさらにヒートシンク130下面側に延設されて、図8(b)に示すその断面はL字形状となっている。
【0053】
本変形例においても、変形例1と同様に、熱収縮チューブ160は、一方の係止爪134から他方の係止爪134へとヒートシンク130およびLEDモジュール110の上面をまたいで掛け渡され、図8(b)に示すように、収縮前の状態においては2つのループを形成している。そして、それぞれのループ内部に隣り合うLEDモジュール110の隣り合う長手方向端部が挿入され、加熱により熱収縮チューブ160が収縮して図8(a)に示すように、LEDモジュール110がヒートシンク130上に拘束される。
【0054】
本変形例においても変形例1と同様に、ヒートシンク130の搭載面131上に長手方向に列状に載置されたLEDモジュール110の隣り合う端部はひとつの熱収縮チューブによってヒートシンク130に拘束されるが、複数のLEDモジュール110から成る列の両端部は、実施の形態1と同様の方法によりヒートシンク130に拘束される。
(3)実施の形態1において、従来のように実装基板111の長手方向両端部にネジ穴を設けるためにLED素子112が実装されていないスペースが存在するLEDモジュールを用いることもできる。
【0055】
熱収縮チューブ160により従来型のLEDモジュール110がヒートシンク130上に拘束された状態の発光ユニット1を図9(a)に示す。図9(b)は、図9(a)における矢印Aの方向から見た図である。本変形例の場合、熱収縮チューブ160はLED素子112および波長変換体113の上面に掛け渡されてはいないので、必ずしも透光性を有しなくてもよく、図9(a)および図9(b)に示すように有色の素材により成るとしてもよい。
【0056】
さらに、LEDモジュールをヒートシンクにネジ止めする構成の発光ユニットにおいて使用されるネジのネジ山の高さよりも小さい厚みの熱収縮チューブ160を使用することにより、LEDモジュール110のLED素子112から発せられた光が熱収縮チューブ160により遮られて生じる影を低減することができ、従来のネジ止め式の発光ユニットを使用する場合と比較して、光源装置の輝度むらの発生を低減することができる。ただし、熱収縮チューブ160の厚さがネジ山の高さと同じかそれよりも大きい場合であっても、透光性を有する熱収縮チューブ160であれば、輝度むらの発生をある程度低減することができる。
(4)上記実施の形態2においては、熱収縮チューブ160内部に収容され、ヒートシンク130およびフレキシブルプリント配線板120と共に一体的に拘束されるLEDモジュール110は、実装基板111上に載置されたLED素子112を封止する波長変換体113を備え、当該波長変換体113は、蛍光体を分散させた樹脂から成るが、これに限られず、以下のような構成としてもよい。即ち、LEDモジュール110は波長変換体113を備えず、熱収縮チューブ160が蛍光体を分散させた透光性を有する樹脂から成るとしてもよい。
【0057】
本変形例に係る発光ユニット1の外観斜視図を図10に、図10の仮想平面P4による断面を矢印Bの方向から見た断面図を図11に示す。両図に示すように、LEDモジュール110は波長変換体113を備えておらず、LED素子112の上から蛍光体を分散させた樹脂から成る熱収縮チューブ161が覆っている。これにより、LED素子112から発せられる青色光の一部は、熱収縮チューブ161を透過する際に、当該熱収縮チューブ161内の蛍光体により波長が変換されて黄緑色光となり、実施の形態1と同様にして白色光を生成する。即ち、熱収縮チューブ161が、波長変換体113の役割を担っている。
(5)上記変形例3においては、熱収縮チューブ161全体に蛍光体が分散されているが、これに限られず、LED素子112上面を覆う部分にのみ蛍光体を分散させるとしてもよい。
【0058】
本変形例に係る発光ユニット1を、図10における仮想平面P4による断面を矢印Bの方向から見た場合の断面図を図12に示す。LED素子112の上面を覆う部分には、蛍光体を分散させた熱収縮チューブ161が用いられ、それ以外の部分には、蛍光体を含まない熱収縮チューブ160が用いられている。
なお、熱収縮チューブ161の蛍光体は、LED素子112の上面を覆う部分のみに分散するとしてもよく、LED素子112の上面を覆う部分に、長手方向に連続的に帯状に分散させるとしてもよい。
(6)上記実施の形態2においては、実装基板111の長手方向において略端部までLED素子112が実装されたLEDモジュール110が用いられる構成について説明した。しかし、変形例3に係るLEDモジュール110や、従来のネジ穴が設けられたLEDモジュールを実施の形態2の構成に適用することも可能である。
【0059】
しかし、この場合には、隣り合うLEDモジュールの端部同士が対向する位置においてLED素子112が実装されていない領域が存在するため、その部分に暗がりが発生する。また、熱収縮チューブ160は透光性を有するが、実質的には、LEDモジュール110から発せられた光が熱収縮チューブ160の外へ100%透過するわけではないと考えられる。そこで、熱収縮チューブ160の当該領域を覆う部分に開口部を設けるとしてもよい。
【0060】
本変形例に係る発光ユニット1の外観斜視図を図13(a)に、図13(a)の矢印Aの方向から見た図を図13(b)に示す。両図に示すように、熱収縮チューブ160の、実装基板111の長手方向端部近傍のLED素子112が実装されていない部分を覆う部分に開口部162が設けられている。図13(b)において、矢印L1は、LEDモジュール110から発せられた光のうち、熱収縮チューブ160を透過して出射される光を模式的に表し、矢印L2は、LEDモジュール110から発せられた光のうち、熱収縮チューブ160を透過せずに、開口部162から出射される光を模式的に表す。矢印L1およびL2の長さは、それぞれの光の強度、即ち、光量の大きさを模式的に表す。同図に示すように、L2はL1よりも光量が大きいため、開口部162を設けずL1のみが出射される場合と比較して、実装基板111上にLED素子112が実装されている部分(L1が出射される部分)と実装されていない部分(L2が出射される部分)との全体的な光量の差を小さくすることが出来る。これにより、光源装置の輝度むらを低減することが出来る。
(7)上記実施の形態2、変形例4、5および6においては、ヒートシンク130の大部分が熱収縮チューブに覆われているため、LEDモジュール110からヒートシンクへと放熱された熱が、ヒートシンク130外部へと放出されにくくなることが考えられる。そこで、ヒートシンク130の外部へと熱を放出するための放熱用の開口部を熱収縮チューブ160に設けてもよい。
【0061】
図14は、本変形例に係る発光ユニット1の外観斜視図である。同図においては、上記変形例5に係る発光ユニット1に本変形例を適用した例を示す。熱収縮チューブ160のヒートシンク130の側面および下面を覆う部分の一部に開口部163が設けられている。開口部163の大きさ、設ける場所、個数については、波長変換体113もしくはLED素子112を覆う部分以外であり、熱収縮チューブ160のLEDモジュール110、ヒートシンク130およびフレキシブルプリント配線板120を一体的に保持(拘束)可能な範囲であれば、特に限定されない。
(8)上記実施の形態2においては、円筒形状を有する熱収縮チューブ160を用いる構成について説明したが、これに限られず、熱収縮チューブ160に代えて、コイル状の形状を有し、熱により径方向に収縮する樹脂から成る熱収縮コイルを用いてもよい。
【0062】
本変形例に係る発光ユニット1の外観斜視図を図15に示す。LEDモジュール110、ヒートシンク130およびフレキシブルプリント配線板120が、その外周を熱収縮コイル164で固く巻装され、一体的に拘束されている。本変形例の構成によると、熱収縮チューブを用いる場合と比較して、ヒートシンク130が覆われている面積が小さくなるため、ヒートシンク130からの放熱性の低下を抑制することができる。
(9)上記各実施の形態および各変形例において、ヒートシンク130の内部に循環路を設けて冷媒を循環させるようにしてもよい。これは、熱収縮チューブによってヒートシンク130の長手方向における略全体が覆われる場合において、より効果的である。
(10)上記各実施の形態および各変形例において、外囲部材として熱により収縮する樹脂より成る熱収縮チューブ、熱収縮コイルを用いたが、これに限られず、以下のような変形例が考えられる。即ち、熱の代わりに、紫外線や所定の薬剤(液体、気体)、電磁波等により収縮する性質を備えた素材により形成された外囲部材を用いてもよい。ただし、この場合、外囲部材を収縮させる際にLEDモジュール110が損傷を受けないような素材を選択するか、あるいは、損傷を受けないような方法により収縮作業を行うことが求められる。
(11)上記実施の形態1および変形例1、2、3、8において、それぞれ樹脂製の熱収縮チューブ、熱収縮コイルに代えて、形状記憶合金からなる外囲部材を用いるとしてもよい。この場合、実施の形態1および変形例1、2、3においては、外囲部材として、環の一部が開いたCリング形状のものを用いてもよい。
【0063】
なお、上記各実施の形態1および各変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明に係る光源装置は、例えば液晶テレビ、液晶ディスプレイのような画像表示装置の線状光源、および一般照明用の線状あるいは面状光源などとして利用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 発光ユニット
2 液晶画面ユニット
10 液晶表示装置
100 バックライトユニット
101 筐体
101a 筐体本体
101b 上辺部
101c 右辺部
101d 下辺部
101e 左辺部
102 反射シート
103 導光板
103a 光入射面
103b 光取出面
104 拡散シート
105 プリズムシート
106 偏光シート
107 点灯回路
110 LEDモジュール
111 実装基板
111a 下面
111b 上面
112 LED素子
113 波長変換体
116、117 電極
120 フレキシブルプリント配線板
121 ベースフィルム
122 導電パターン
122a、b ランド
123 主配線
124 副配線
124a 先端部
130 ヒートシンク
131 搭載面
132、133、134 係止爪
140 コネクタ
150 導電性接着剤
160、161 熱収縮チューブ
162、163 開口部
164 熱収縮コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の基板の一方の主面に複数の半導体発光素子が配された構成の発光モジュールと、
長尺状であり、その長手方向を前記基板の長手方向と揃えた状態で前記基板の他方の主面に対向するように配された熱伝導部材と、
前記熱伝導部材の短手方向における一側から他側へと前記基板の主面をまたいで緊張状態で掛け渡され、その緊張力により前記発光モジュールの基板を前記熱伝導部材に向けて押圧する外囲部材と、を備える
ことを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記外囲部材は、外的要因により径方向に収縮された収縮チューブである
ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記外的要因は、熱である
ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記発光モジュールは、前記半導体発光素子が封止部材によって封止された構成であり、
前記封止部材は、蛍光体を含む
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項5】
前記外囲部材は、前記基板の主面の前記封止部材が存在しない部分をまたいで掛け渡されている
ことを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記外囲部材は、透光性を有する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項7】
前記熱伝導部材は、その短手方向における一側から他側へと連通する貫通孔と、前記基板に対向する主面においてその短手方向に形成され前記貫通孔と主面とを連通するスリットと、を備え、
前記貫通穴は、前記主面に対向し当該主面に平行な対向面を有し、
当該熱伝導部材のうち、前記対向面、前記スリットおよび前記主面により囲まれる部分と、前記発光モジュールの長手方向における端部とが、前記チューブに内包されて、前記収縮により付与された前記緊張力により一体的に拘束されている
ことを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項8】
前記発光モジュールおよび前記熱伝導部材は、長手方向における略全体が前記外囲部材の内部に収容されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項9】
前記熱伝導部材の一側および他側には、係止爪が設けられ、
前記外囲部材の両端が前記係止爪に係止されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項10】
前記外囲部材は、前記半導体発光素子から放出された光の波長を変更する
ことを特徴とする請求項8に記載の光源装置。
【請求項11】
前記外囲部材は、少なくとも前記半導体発光素子を覆う部分において、前記半導体発光素子から放出された光の一部により励起され異なる波長の光を放射する蛍光体を含む
ことを特徴とする請求項8または10に記載の光源装置。
【請求項12】
前記外囲部材は、前記発光モジュール上面において前記半導体発光素子の存在しない箇所を覆う部分に光通過開口部を備える
ことを特徴とする請求項8または11に記載の光源装置。
【請求項13】
前記外囲部材は、前記熱伝導部材を覆う部分に放熱開口部を備える
ことを特徴とする請求項8または10から12のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項14】
前記外囲部材は、径方向に収縮した熱収縮コイルである
ことを特徴とする請求項1または4または6または8のいずれか1項に記載の光源装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の光源装置を備える
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項16】
請求項15に記載のバックライトユニットと、
前記バックライトユニットより光が照射される液晶パネルと、
前記液晶パネルに映像信号を印加するとともに、前記印加のタイミングに同期させて前記光源を切り替えながら点灯させる制御部と、を備える
ことを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−154956(P2011−154956A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16942(P2010−16942)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】